説明

ビューファインダー装置固定用アダプタ

【課題】
安価なビデオカメラを放送用に転用することを可能にするビューファインダー装置用固定用アダプタを提供する。
【解決手段】
本発明によれば、三脚とビデオカメラアダプタとの間に挟持される板状の本体部と、前記本体部に設けられ前記本体部を前記三脚と前記ビデオカメラアダプタに対して固定するために用いられる取付穴部と、前記本体部の一端に設けられビューファインダー装置の固定に用いられるビューファインダー装置固定部とを備えるビューファインダー装置固定用アダプタが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオカメラに装着して使用されるビューファインダー装置(映像表示装置)に関し、特に、ビデオカメラからのビデオカメラ映像信号による映像と、割り込み映像信号(スイッチャーなどの割り込み映像ソースからのリターン映像)による映像とを切り替えて表示部に表示することができるビューファインダー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、テレビ放送の撮影時には複数の放送用のビデオカメラがスイッチャーに接続される。スイッチャーの操作者は、複数のビデオカメラからの映像を同時に見て、どのビデオカメラからの映像を採用するのかを決定する。興味深いテレビ番組を作成するには、放送の対象をズームアップした映像や、逆に現場の臨場感を演出するために放送される場面全体の映像などが必要である。各カメラマンが自発的に判断して多種多様な映像をスイッチャーに届けるためには、スイッチャーが採用している映像をカメラマンが容易に確認することができる機能が必要である。このような機能があれば、カメラマンは、スイッチャーが採用している映像とは異なる映像を撮影することが容易になるからである。このため、放送用のビデオカメラは、一般に、スイッチャーからのリターン映像を入力でき、ビデオカメラに装着されたレンズのリターンボタン又はビデオカメラに接続されたレンズにズームリモコンコネクタを装着することにより、ビデオカメラに装着されたレンズを介在してリターンボタンを押してビューファインダーの映像表示を、現在撮影している映像(以下,「現在映像」と称する)と、スイッチャーからのリターン映像(以下,「リターン映像」と称する)とを切替える機能を有している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、ビデオカメラの性能が向上し、放送用途に設計された非常に高価なビデオカメラを用いなくても、より安価なビデオカメラでも放送に耐えうる品質の映像を撮影することが可能になってきた。このようなカメラは、映像の品質は良くても、放送用途を考慮して設計されていないため、リターン映像をカメラ本体に入力することができない。このため、映像品質の点で十分であっても、安価なビデオカメラを放送用に用いることができなかった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、安価なビデオカメラを放送用に転用することを可能にするビューファインダー装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、リターン信号を含む制御信号の入力を受け付ける制御信号入力部と、ビデオカメラからのビデオカメラ映像信号の入力を受け付けるビデオカメラ映像入力部と、前記ビデオカメラとは異なる割り込み映像ソースからの割り込み映像信号の入力を受け付ける割り込み映像入力部と、前記リターン信号の状態に基づいて前記ビデオカメラ映像信号による映像と前記割り込み映像信号による映像の何れかを選択する映像選択部と、前記映像選択部が選択した映像の表示を制御する表示制御部と、前記制御信号からリターン信号を除いた信号を出力する制御信号出力部とを備えるビューファインダー装置が提供される。
【0006】
本発明のビューファインダー装置が主に対象とするビデオカメラは、現在映像と、数秒前に撮影されてカメラ本体に記録されている映像(以下、「直前録画映像」と称する)とをリモコンを用いて切り替える機能を有しているビデオカメラである。このようなビデオカメラでは、リモコンからのリターン信号に基づいて現在映像と直前録画映像とが切り替えられる。リモコンからの出力は、リターン信号のみではなく、通常は、ズーム調整を行う信号や、録画のスタート/ストップを操作する信号なども含まれている。これらの信号を「制御信号」と総称する。
【0007】
本発明では、リモコンが出力した、リターン信号を含む制御信号をビデオカメラに入力する代わりに、この制御信号を本発明のビューファインダー装置に入力する。本発明のビューファインダー装置は、ビデオカメラ映像入力部と割り込み映像入力部を有しており、リモコンからのリターン信号に基づいて、どちらかの入力部に入力された映像信号による映像を表示する。このような構成にすることによって、割り込み映像入力部にスイッチャーからのリターン映像を入力すると、リモコンを用いて現在映像とリターン映像を切り替えることができ、リターン映像をカメラ本体に入力することができない安価なビデオカメラをテレビ放送用に使用することが可能になる。
【0008】
上記の構成によって、現在映像とリターン映像の切り替えは可能であるが、一つ問題がある。それは、リモコンが出力した制御信号をビデオカメラに入力する代わりに本発明のビューファインダー装置の映像装置に入力しているため、リターン信号以外の制御信号も本発明のビューファインダー装置に入力され、その結果、ズーム調整や録画のスタート/ストップをリモコンを用いて行うことができなくなるという問題である。本発明では、この問題を解決するために、リターン信号以外の制御信号を本発明のビューファインダー装置から出力し、この出力をビデオカメラに入力するという構成になっている。このような構成によって、リターン信号以外の制御信号が正常にビデオカメラに入力され、上記の問題が解決される。本発明のビューファインダー装置からの制御出力から、リターン信号を除いているのは、リターン信号がビデオカメラに入力されると、リターン映像を確認する際に、ビデオカメラが現在映像の録画を中止して直前録画映像を出力してしまうという問題があるからである。
以上より、本発明のビューファインダー装置を用いることにより、従来は放送用途に使用することができなかった安価なビデオカメラを放送用途に使用することができる。
【0009】
なお、本発明のビューファインダー装置は、デジタル映像信号出力搭載のカメラだけでなく、アナログのビデオカメラもデジタル信号変換ボックスを使用することにより適用可能となっている。本発明のビューファインダー装置はENGビデオカメラだけでなく、スタジオビデオカメラビューファインダー装置としても十分適している。
【0010】
また、本発明のビューファインダー装置は、映像選択部が選択した映像を外部出力する映像出力部をさらに備えてもよい。この場合、表示部に表示されている映像を出力させて、録画や放送に利用することができる。割り込み映像入力部に別のビデオカメラからの映像や、すでに録画済みの映像を再生して出力する映像再生機器からの映像を入力すると、リモコンを用いて、現在映像と、別のビデオカメラ又は映像再生機器からの映像とを切り替えることができるので、ビューファインダー装置をスイッチャーとして利用することができる。一例では、本発明のビューファインダー装置を第一のビデオカメラに設置し、第二のビデオカメラを離れた場所に固定しておく(例えば、現場の全体像が分かるような視点に設定しておく。)と、ビューファインダー装置の表示部に第一のビデオカメラからの映像と第二のビデオカメラからの映像のどちらを表示させるのかをリモコンを用いて制御することができ、表示されている映像をそのまま外部出力させることができるので、第一のビデオカメラからの映像と第二のビデオカメラの映像とが組み合わされた映像を容易に作成することができる。本発明のビューファインダー装置を用いると、複数台のカメラを用いて撮影を行う場合でも、スイッチャーが不要になるので、スイッチャーの機器を運搬する手間や、スイッチャーの操作者の人件費を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態のビューファインダー装置の内部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のビューファインダー装置を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施形態のビューファインダー装置を示す裏面図である。
【図4】本発明の一実施形態のビューファインダー装置を接続する接続図である。
【図5】本発明の一実施形態のビューファインダー装置での映像切換えを動作させる動作回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の一実施形態のビューファインダー装置で利用可能なペン型リターンスイッチ装置を示す正面図である。
【図7】本発明の一実施形態のビューファインダー装置の固定に使用されるビューファインダー装置固定用アダプタであり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図8】図7のビューファインダー装置固定用アダプタをビデオカメラアダプタと三脚アダプタに固定する方法を示す側面図である。
【図9】図7のビューファインダー装置固定用アダプタをビデオカメラアダプタと三脚アダプタに固定する別の方法を示す側面図である。
【図10】図7のビューファインダー装置固定用アダプタにビューファインダー装置を固定する方法を示す側面図である。
【図11】図7のビューファインダー装置固定用アダプタに高さ調節台を用いてビューファインダー装置を固定する方法を示す側面図である。
【図12】図7のビューファインダー装置固定用アダプタを用いてビューファインダー装置が固定された状態の全体像を示す側面図である。
【図13】2つの部材を用いて構成されたビューファインダー装置固定用アダプタの構成を示す平面図である。
【図14】図13のビューファインダー装置固定用アダプタを用いてビューファインダー装置が固定された状態の全体像を示す側面図である。
【図15】図13のビューファインダー装置固定用アダプタを構成する部材の別の形態を示す平面図である。
【図16】本発明の別の実施形態のビューファインダー装置の内部構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0012】
A ビューファインダー装置
B カメラ
C ビデオ三脚
D スイッチャー
E ズームリモコン
F カメラレンズ
1 制御信号入力部
2 制御信号出力部
3 割り込み映像入力部
4 ビデオカメラ映像入力部
5 映像選択部
6 表示制御部
7 記憶部
8 映像表示調節部
9 オーディオ信号分離部
10 本体部
11 タリー表示部
12 液晶表示部
13 ピーキング調整機能
14 コントラスト調整機能
15 ブライト調整機能
16 オーディオ出力調整ボリューム
17 後部タリー表示部
18 カメラ映像信号入力コネクタ
19 割り込み映像(スイッチャーからのリターン映像)入力コネクタ
20 タリー入力1コネクタ
21 タリー入力2コネクタ
22 ビデオカメラレンズ用ズームリモコン入力端子
23 ビデオカメラレンズ用ズームリモコンスルー出力コネクタ
24、25 オーディオ出力コネクタ
26、27、28 LED
29 ブライトレベル表示
30 コントラストレベル表示
31 ピーキングレベル表示
41 DA変換部
42 音声出力部
42 アナログ音声出力部
43 タリー信号入力部
44 タリー表示制御部
45 映像表示設定切替部
50 BNCケーブル
60 ズームリモコンケーブル
61 BNCケーブル
62 ズームリモコンケーブル
66 ビューファインダー装置固定用アダプタ
66a 第1部材
66b 第2部材
67 本体部
68 取付穴部
70 ビューファインダー装置固定部
71 カメラ映像出力端子
72 パーン棒
73 三脚アダプタ
74、76,78 ネジ
79 高さ調節台
80 ペン型スイッチ
81 穴
82 ネジ穴
85 映像出力部
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1〜図6を用いて、本発明の一実施形態のビューファインダー装置について説明する。以下に示す実施形態は、例示であって、本発明は以下の実施形態には限定されない。
【0014】
図1は、本実施形態のビューファインダー装置Aの内部構成を示すブロック図である。ビューファインダー装置Aの外観及びコネクタや表示部の配置の一例を図2及び図3に示す。図2及び図3は、それぞれ、正面図及び裏面図を示す。
【0015】
1.ビューファインダー装置Aの内部構成
まず、図1を用いて、ビューファインダー装置Aの内部構成について説明する。
ビューファインダー装置Aは、リターン信号を含む制御信号の入力を受け付ける制御信号入力部1と、ビデオカメラからのビデオカメラ映像信号の入力を受け付けるビデオカメラ映像入力部4と、前記ビデオカメラとは異なる割り込み映像ソース(例:スイッチャー)からの割り込み映像信号の入力を受け付ける割り込み映像入力部3と、前記リターン信号の状態に基づいて前記ビデオカメラ映像信号による映像と前記割り込み映像信号による映像の何れかを選択する映像選択部5と、前記映像選択部が選択した映像の表示を制御する表示制御部6と、前記制御信号からリターン信号を除いた信号を出力する制御信号出力部2とを備える。このような構成によって、リモコンを用いてビデオカメラ映像とリターン映像とを切り替えることが可能になる。映像選択部5は、例えば、リターン信号がH(ハイ)のときにビデオカメラ映像を選択肢、リターン信号がL(ロー)のときに割り込み映像信号を選択する。制御信号からリターン信号を除いた信号を出力する回路の一例は、図5に示す通りである。
本明細書において、映像信号は、コンポジット信号、HD−SDI信号、SD−SDI信号、HD−コンポーネントなどビデオカメラの信号に基づき信号の種類を構成してもよい。
【0016】
また、制御信号入力部1は、ビデオカメラレンズ用ズームリモコン端子が直接装着可能に構成されていることが好ましい。この場合、特別なアダプタを使用することなく、ビデオカメラレンズ用ズームリモコン端子をビューファインダー装置Aに取り付けることができるので、簡便である。
【0017】
また、ビデオカメラ映像入力部4と割り込み映像入力部3には、BNCコネクタを通じて映像信号が入力されることが好ましい。一般のビューファインダーは、特定のビデオカメラ専用のものであり、コネクタも特殊なものが使用されるので、別のビデオカメラに利用することは困難であるが、ビューファインダー装置Aでは、ビデオカメラ映像入力部4と割り込み映像入力部3に汎用のBNCコネクタが用いられるので、種々のビデオカメラと共に使用することが容易である。
【0018】
また、ビューファインダー装置Aは、前記映像ソースからのタリー信号の入力を受け付けるタリー信号入力部43と、複数色で発光可能なタリー表示部11と、タリー信号に基づいてタリー表示部11の表示を制御するタリー表示制御部44とを備え、タリー表示制御部44は、タリー信号の電圧に基づいてタリー表示部11での発光色を決定することが好ましい。この構成によって、タリー表示部11の発光色を変えたい場合でも、タリー信号の信号線を一本にすることができる。例えば、タリー信号の電圧が2〜4Vの場合にタリー表示部11を緑色に発光させ、タリー信号の電圧が5V以上の場合にタリー表示部11を赤色に発光させることが可能にある。一般に、緑色のタリー表示は、ビューファインダー装置Aが装着されているビデオカメラの映像をスイッチャーが次に使用するつもりであることを伝えるための表示であり,赤色のタリー表示は、ビューファインダー装置Aが装着されているビデオカメラの映像をスイッチャーが現在使用していることを伝えるための表示である。
【0019】
また、ビューファインダー装置Aは、ピーキングレベル、ブライトレベル及びコントラストレベルを調節する映像表示調節部8と、映像表示調節部8によって調節された状態を記憶する記憶部7と、記憶部7に設定された状態と、初期状態とを切り替える映像表示設定切替部45とをさらに備えることが好ましい。この構成によって、カメラマンが自分の好みの映像表示設定を記憶部7に保存することができ、保存した設定をいつでも呼び出すことができるので、別の人が映像表示の調節を行っても、容易に自分の好みの設定に戻すことができる。
【0020】
ビデオカメラ映像信号及び割り込み映像信号は、HD−SDI映像信号であり、前記HD−SDI映像信号からエンベデッドオーディオ信号を分離するオーディオ信号分離部9と、前記分離部が分離したデジタル信号をアナログ信号に変換するDA変換部41と、変換されたアナログ信号を出力するアナログ音声出力部42とを備えることが好ましい。従来のビューファインダーは音声出力がなく、現場のカメラマンがリターン音声やオンエアーの音声を聞く為に別のケーブルを配線しなければならなかった。本実施形態の構成によれば、このような別のケーブルを配線しなくても、リターン音声やオンエアーの音声を聞くことができる。
【0021】
また、ビューファインダー装置Aは、ビデオカメラ映像入力部4に入力されたビデオカメラ映像信号を出力するビデオカメラ映像出力部を備えてもよい。ビデオカメラ映像出力部から出力されたビデオカメラ映像信号は、スイッチャーなどの外部機器に入力することができる。
【0022】
2.ビューファインダー装置Aの正面側の外観及びコネクタや表示部の配置
次に、ビューファインダー装置Aの正面側の外観及びコネクタや表示部の配置について説明する。
ビューファインダー装置Aの正面側には、図2に示すように、箱状の本体部10に、液晶表示部12と、タリー表示部11と、ブライト調整機能15と、コントラスト調整機能14と、ピーキング調整機能13と、オーディオ調整ボリューム16が設けられている。
【0023】
本体部10には、図1中の各機能ブロックが収容されている。液晶表示部12には、映像選択部5が選択した映像が、映像表示調節部8によって定められたピーキングレベル、ブライトレベル及びコントラストレベルの条件で、表示制御部6の制御下で表示される。タリー表示部11は、タリー信号に基づいてタリー表示制御部4によって定められた色で発光する。
【0024】
ブライト調整機能15、コントラスト調整機能14、及びピーキング調整機能13は、映像表示調節機能と総称することができ、それぞれ、ブライトレベル、コントラストレベル、及びピーキングレベル(以下、「映像表示レベル」と称する)の調節に利用される。これらの調節機能のボリュームを回転させると、符号29、30、31で指し示すように液晶表示部12の中に各映像表示レベルが数字で数秒間表示される。このレベル表示はユーザーモード時に任意で設定できる。また、これらの調節機能のボリュームを押すことにより、LED26、LED27、LED28が消灯しプリセットモード(固定された標準設定レベル)に変わる。映像表示調節部8は、これらの映像表示調節機能からの入力に基づいて、映像表示レベルを調節する。本実施形態のビューファインダー装置Aではこのような方法で映像表示レベルの調整を行うので、ビデオカメラのメーカーや機種を問わずに映像表示レベルを正確に調整して、映像をモニターすることができる。また、現場によりビデオカメラが変わっても適格に映像を表示することが可能になる。オーディオ調整ボリューム16は、音声出力部42から出力される音声のボリュームを調整する。
【0025】
3.ビューファインダー装置Aの裏面側の外観及びコネクタや表示部の配置
次に、ビューファインダー装置Aの裏面側の外観及びコネクタや表示部の配置について説明する。
【0026】
ビューファインダー装置Aの裏面側には、図3に示すように、タリー表示部17と、カメラ映像入力コネクタ18と、割り込み映像(スイッチャーからのリターン映像)入力コネクタ19と、タリー入力1コネクタ20と、タリー入力2コネクタ21と、リモコン入力コネクタ22と、リモコンスルー出力コネクタ23と、オーディオ出力端子24、オーディオ出力端子25が設けられている。
【0027】
タリー表示部17は、タリー信号に基づいてタリー表示制御部4によって定められた色で発光する。カメラ映像入力コネクタ18は、ビデオカメラ映像信号を入力するためのコネクタであり、このコネクタを介してビデオカメラ映像信号がビデオカメラ映像入力部4に入力される。割り込み映像入力コネクタ19は、割り込み映像信号(例えば、スイッチャーからの映像信号)を入力するためのコネクタであり、このコネクタを介して割り込み映像信号が割り込み映像入力部3に入力される。タリー入力1コネクタ20及びタリー入力2コネクタ21は、タリー表示部11、17の発光を制御する信号を入力するためのコネクタであり、通常は、スイッチャーからの出力が入力される。
【0028】
リモコン入力コネクタ22は、本来はビデオカメラに直接接続されるリモコンをビューファインダー装置Aに装着するためのコネクタである。リモコン入力コネクタ22に接続するリモコンとしては、リターン信号に加えてズーム調整を行う信号や、録画のスタート/ストップを操作する信号も出力するリモコンものであってもよく、リターン信号のみを出力する、図6に示すようなペン型スイッチリモコン80であってもよい。
【0029】
リモコンスルー出力コネクタ23は、制御信号出力部2からの出力されるリターン信号が除かれた制御信号を外部出力するためのコネクタである。このコネクタから出力される制御信号は、ビデオカメラ(通常はカメラレンズに設けられている制御信号入力部)に入力される。オーディオ出力端子24、25は、アナログ音声出力部42が出力したアナログオーディオ信号を外部出力するための端子である。
【0030】
4.ビューファインダー装置Aの使用方法
次に、図4を用いてビューファインダー装置Aの使用方法について説明する。図4では、ビデオカメラBのカメラ映像出力端子71からのビデオカメラ映像信号がBNCケーブル61を介してビデオカメラ映像信号入力コネクタ18に入力されている。また、スイッチャー等Dからの割り込み映像(スイッチャーからのリターン映像)信号がBNCケーブル50を介して割り込み映像入力コネクタ19に入力されている。さらに、ビデオ三脚Cのパーン棒72に装着されたズームリモコンEからの制御信号がズームリモコンケーブル62を介してズームリモコン入力端子22に入力されている。さらに、ズームリモコンスルー出力コネクタ23からの出力(リターン信号が除かれた制御信号)がズームリモコンケーブル60を介してカメラレンズFのズームリモコン入力端子に入力されている。
【0031】
ビューファインダー装置Aとその周辺の機器をこのような接続すると、リモコンEから出力されたリターン信号がビデオカメラではなくビューファインダー装置Aに入力され、ビューファインダー装置Aでは、このリターン信号に基づいて、ビデオカメラの現在の映像とスイッチャーからのリターン映像との切り替えが行われる。従って、本実施形態のビューファインダー装置Aを用いれば、スイッチャーからのリターン映像をカメラ本体に入力することができない安価なビデオカメラでも、スイッチャーからのリターン映像を確認することが可能になり、安価なビデオカメラを放送用途に利用することが可能になる。
【0032】
5.ビューファインダー装置Aの固定方法
ビューファインダー装置Aは、一例では、下部にネジ穴を有しており,図4に示すように、ビデオカメラBの上部にネジで固定される。但し、このような固定方法では、ビデオカメラB上に重量が大きいビューファインダー装置Aが載置されるため、ビデオカメラBにブレが発生しやすくなる場合がある。
【0033】
このような問題を解決する固定方法としては、図7に示すビューファインダー装置固定用アダプタ(以下、「ビューファインダーアダプタ」と称する)66を用いた方法が挙げられる。ビューファインダーアダプタ66を用いた方法によれば、図12及び図14に示すように、ビューファインダー装置Aが三脚Cとビデオカメラアダプタ64との間に挟持された板状のビューファインダーアダプタ66上に載置され、従って、ビデオカメラBの上部にビューファインダー装置Aが載置されないので、ビデオカメラBでのブレの発生を抑制することができる。
【0034】
以下、ビューファインダーアダプタ66を用いた固定方法について詳細に説明する。
ビューファインダーアダプタ66は、三脚Cとビデオカメラアダプタ64との間に挟持される板状の本体部67と、本体部67に設けられ本体部67を三脚Cとビデオカメラアダプタ64に対して固定するために用いられる取付穴部68と、本体部66の一端に設けられビューファインダー装置Aの固定に用いられるビューファインダー装置固定部70とを備える。
【0035】
三脚Cの上部には、一般に、三脚Cに着脱可能に固定されて三脚アダプタ72が設けられており、三脚アダプタ72と、ビューファインダーアダプタ66と、ビデオカメラアダプタ64とがネジなどによって互いに固定される。
【0036】
この3つのアダプタの固定方法としては、一例では、図8に示すように、ビューファインダーアダプタ66の取付穴部68にネジ74を挿入し、さらに、このネジをビデオカメラアダプタ64のネジ穴に挿入して締め付けることによってビューファインダーアダプタ66とビデオカメラアダプタ64とを固定し、次に、三脚アダプタ72の貫通穴及びビューファインダーアダプタ66の取付穴部68にネジ76を挿入し、さらに、ビデオカメラアダプタ64のネジ穴に挿入して締め付けることによって3つのアダプタを互いに固定する方法が挙げられる。また、ネジ74を省略して、ネジ76のみで3つのアダプタを互いに固定してもよい。さらに、図9に示すように、ビューファインダーアダプタ66の取付穴部68として、ネジ穴68aと、ネジ山のない穴(いわゆる「ばか穴」)68bの両方を設け、ネジ山のない穴68bを用いてビューファインダーアダプタ66とビデオカメラアダプタ64とを固定し、ネジ穴68aを用いて三脚アダプタ72とビューファインダーアダプタ66とを固定してもよい。3つのアダプタを互いに固定する方法は、ここで示した方法に限定されず、それ以外の物理的又は化学的な方法によって固定してもよい。
【0037】
ビューファインダー装置Aは、ビューファインダー装置固定部(以下「固定部」と称する)70において、ビューファインダーアダプタ66に固定される。固定部70は、一例では、ネジ山のない穴であり、図10に示すように、この穴にネジ78を挿入してビューファインダー装置Aの下面に設けられたネジ穴に挿入し締め付けることによってビューファインダー装置Aをビューファインダーアダプタ66に固定する。また、別の例では、図11に示すように、ビューファインダー装置Aは、高さ調節台79を介してビューファインダーアダプタ66に固定される。
【0038】
ビューファインダー装置Aが、三脚Cとビデオカメラアダプタ64との間に固定されたビューファインダーアダプタ66に高さ調節台79を用いて固定されている状態を図12に示す。図12では、ビューファインダー装置Aは、ビデオカメラBの後方に固定されている。
【0039】
ビューファインダー装置Aは、別の実施形態では、ビデオカメラBの側方に固定することが可能である。以下、この点について説明する。
【0040】
本実施形態では、図13に示すように、2つの部材を1つのビューファインダーアダプタ66として使用する。以下、連結される2つの部材のうち、取付穴部68を有する方を第1部材66aと称し、固定部70を有する方を第2部材66bと称する。第1部材66aの一端にはネジ山のない穴81が設けられており、第2部材66bの固定部70の反対側の端部にはネジ穴82が設けられており、穴81と穴82にネジが挿入されて第1部材66aと第2部材66bとが連結される。なお、第1部材66aにネジ穴82を設けて第2部材66bにネジ山のない穴を設けてもよい。さらに、第1部材66aと第2部材66bの両方をネジ山のない穴として、ボルトとナットを用いて第1部材66aと第2部材66bを互いに連結してもよい。
【0041】
本実施形態のビューファインダーアダプタ66は、第1部材66aの取付穴部68において三脚アダプタ72及びビデオカメラアダプタ64に固定される。また、ビューファインダーアダプタ66の第2部材66bの固定部70においてビューファインダー装置Aが固定される。第1部材66aと第2部材66bとはネジで連結されるので、第2部材66bは、ネジで固定された部分を支点として第1部材66aに対して回転可能である。
【0042】
本実施形態のビューファインダーアダプタ66は、以上のような構成を有しているので、図14に示すように、ビューファインダー装置AをビデオカメラBの側方に固定することができる。
【0043】
なお、図13では、第1部材66aと第2部材66bとは異なる構成を有しているが、図15に示すように、1つの部材中に固定部70と、取付穴部68と、ネジ穴82を設けることによって、第1部材66aと第2部材66bの構成を同じにすることができる。
【0044】
6.ビューファインダー装置Aの別の実施形態
図16を用いて、ビューファインダー装置Aの別の実施形態について説明する。本実施形態のビューファインダー装置Aは、上記の実施形態と類似しているが、映像選択部5が選択した映像を外部出力する映像出力部85を備えている点と、割り込み映像入力部3には、別のビデオカメラ(以下、ビューファインダー装置Aが装着されているビデオカメラを「第一のビデオカメラ」と称し、それ以外のビデオカメラを「第二のビデオカメラ」と称する。)からの映像信号が入力される点が異なっている。一例では、ビューファインダー装置Aの裏面に、映像出力コネクタが設けられ、映像出力部85からの映像信号は、映像出力コネクタを通じて外部出力される。
【0045】
本実施形態の構成によれば、第一のビデオカメラのカメラマンは、ズームリモコンEを用いて、第一のビデオカメラからの映像と、第二のビデオカメラからの映像を切り替えて、液晶表示部12に表示させると共に外部出力させることができる。外部出力させた映像は、録画機器に入力されて録画されたり、中継車などに設置させている放送機器に入力されて放送されたりする。このようにして録画又は放送される映像は、第一のビデオカメラからの映像と、第二のビデオカメラからの映像が組み合わされたものである。従って、本実施形態のビューファインダー装置Aを用いれば、スイッチャーを別に用意することなく、複数のビデオカメラからの映像が組み合わされた映像を作成することができる。従って、本実施形態によれば、スイッチャーが不要になるので、スイッチャーの機器を運搬する手間や、スイッチャーの操作者の人件費を削減することができる。
【0046】
また、割り込み映像入力部3には、第二のビデオカメラの代わりに、すでに録画済みの映像を再生して出力する映像再生機器からの映像を入力してもよい。この場合は、既に録画済みの映像と、現在撮影している映像とを組み合わせた映像を作成することができる。
従来は、複数台のビデオカメラを用いた撮影を行うには、多くの人と機器が必要であったが、本実施形態のビューファインダー装置Aを用いれば、人も機器も減らすことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三脚とビデオカメラアダプタとの間に挟持される板状の本体部と、前記本体部に設けられ前記本体部を前記三脚と前記ビデオカメラアダプタに対して固定するために用いられる取付穴部と、前記本体部の一端に設けられビューファインダー装置の固定に用いられるビューファインダー装置固定部とを備えるビューファインダー装置固定用アダプタ。
【請求項2】
前記本体部は、前記取付穴部を有する第1部材と、前記ビューファインダー装置固定部を有する第2部材とを備え、第1部材と第2部材とは互いにネジで結合されている請求項1に記載のビューファインダー装置固定用アダプタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のビューファインダー装置固定用アダプタと、前記アダプタに固定されるビューファインダー装置とを備え、
前記ビューファインダー装置は、リターン信号を含む制御信号の入力を受け付ける制御信号入力部と、ビデオカメラからのビデオカメラ映像信号の入力を受け付けるビデオカメラ映像入力部と、前記ビデオカメラとは異なる割り込み映像ソースからの割り込み映像信号の入力を受け付ける割り込み映像入力部と、前記リターン信号の状態に基づいて前記ビデオカメラ映像信号による映像と前記割り込み映像信号による映像の何れかを選択する映像選択部と、前記映像選択部が選択した映像の表示を制御する表示制御部と、前記制御信号からリターン信号を除いた信号を出力する制御信号出力部とを備えるビューファインダー装置である、固定用アダプタ付きビューファインダー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−230410(P2012−230410A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−151313(P2012−151313)
【出願日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【分割の表示】特願2010−136605(P2010−136605)の分割
【原出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(596170734)株式会社日本ビデオシステム (3)
【Fターム(参考)】