ビューワ装置、閲覧システム、ビューワプログラム及び記録媒体
【課題】電子コミックをユーザが閲覧する際に、著作者の権利を保護しつつ、ユーザが台詞の翻訳文を適切に観察すること。
【解決手段】表示部24の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する実行制御部30と、取得された吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて吹き出し内の原文の台詞に替えて翻訳文を表示させる表示制御手段25であって、翻訳文の全文が入ると判別されると、吹き出し内に翻訳文の全文を表示させ、翻訳文の全文が入らないと判別されると、吹き出し内で翻訳文をスクロールさせる表示制御部25を備えた。
【解決手段】表示部24の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する実行制御部30と、取得された吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて吹き出し内の原文の台詞に替えて翻訳文を表示させる表示制御手段25であって、翻訳文の全文が入ると判別されると、吹き出し内に翻訳文の全文を表示させ、翻訳文の全文が入らないと判別されると、吹き出し内で翻訳文をスクロールさせる表示制御部25を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子コミックの画像の吹き出し内に原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を表示することができるビューワ装置、閲覧システム、ビューワプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術革新に伴い、雑誌やコミックなどの紙にプリントされることを前提とした書籍をデジタル化し、携帯端末等の電子書籍ビューワで視聴するという情報配信形態が確立されてきた。
【0003】
特許文献1によると、原稿縦書き、翻訳文横書きなら、レイアウト情報を回転し、横書きのレイアウトに変換する。
【0004】
特許文献2によると、ネームが吹き出しの枠に収まらない場合には、文字の級数を下げたり、文字間隔を詰めたりする。
【0005】
特許文献3によると、文字列を含むブロックの縦方向のサイズは固定し、横方向のサイズのみを拡大する。
【0006】
特許文献4によると、流し込んだネームの全文字が縦横過不足無く収まるようにテキストボックスの大きさを調整する。縦組・横組、文字サイズに合わせてテキストボックスの縦横長さを調整する。
【0007】
特許文献5によると、表示画面に帯状のテロップ領域を設けて、吹き出し内の台詞に対する翻訳文を、テロップ領域に字幕で表示させる。
【0008】
特許文献6によると、画像の元位置に生じるパターンの抜けを周囲の画像の構成パターンから補って塞ぐ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6-96288号公報
【特許文献2】特開2006-185435号公報
【特許文献3】特開2005-056043号公報
【特許文献4】特開2005-004738号公報
【特許文献5】特開2009-098727号公報
【特許文献6】特開2000-20687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、電子コミックの吹き出し内で台詞の翻訳文をユーザが適切に観察し得るようにした構成は先行技術でも開示されていない。
【0011】
例えば、特許文献5には、翻訳文を帯状のテロップ領域で表示する構成が開示されているが、画像の周囲に翻訳文を表示した場合、ユーザは登場人物と翻訳文との対応関係を認識することが容易でなく、また、吹き出しの位置に帯状のテロップ領域を設定しただけでは、翻訳文が台詞の原文と混在すると、ユーザが翻訳文を適切に観察することができない。また、吹き出の外に翻訳文がはみ出した場合には、画像の登場人物などが翻訳文で隠れてしまう問題もある。また、翻訳文の表示までは改変を認めても、吹き出し外の画像の内容の変更やレイアウトの変更を認めたくない著作者もいる。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、電子コミックをユーザが閲覧する際に、著作者の権利を保護しつつ、ユーザが台詞の翻訳文を適切に観察することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、表示手段と、コミックのページ毎又はコマ毎の画像と、コミックの登場人物の台詞が入る吹き出しの前記画像内の存在領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを含む電子コミック情報を取得する情報取得手段と、前記取得された表示制御情報に基づいて前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させる画像表示制御手段と、前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する判別手段と、前記取得された吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて前記画面に表示される画像中の前記吹き出し内の前記原文の台詞に替えて前記翻訳文を表示させる翻訳文表示制御手段であって、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入ると判別されると、前記吹き出し内に前記翻訳文の全文を表示させ、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入らないと判別されると、前記吹き出し内で前記翻訳文をスクロールさせる翻訳文表示制御手段と、を備えたことを特徴とするビューワ装置を提供する。
【0014】
すなわち、コミックの画像内の吹き出しのサイズと吹き出し内の台詞の翻訳文の長さと予め設定された文字サイズとに基づいて、吹き出し内に翻訳文のテキストが入るか否かが判別されて、台詞の翻訳文の全文が入ると判別されると、吹き出し内にスクロールすることなく原文の台詞に替えて翻訳文の全文が表示され、台詞の翻訳文の全文が入らないと判別されると、吹き出し内で台詞の翻訳文がスクロールされるので、著作者の権利を保護しつつ、ユーザは台詞の翻訳文を適切に観察することができる。
【0015】
本発明の一実施形態にて、前記判別手段は、前記表示手段の画面サイズに応じて表示される吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別することを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態にて、前記テキスト情報は、文字サイズ及び文字種別を示す文字属性情報を含み、前記翻訳文表示制御手段は、前記テキスト情報と前記文字属性情報とに基づいて表示用の文字を生成することを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態にて、前記文字サイズを変更させる文字サイズ変更手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文表示制御手段は、前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に配置する前記翻訳文の行数、行間隔又は文字間隔を調整する機能を有し、前記判別手段は、前記翻訳文表示制御手段により調整される場合の翻訳文の全文が、前記吹き出し内に入るか否かを判別することを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文表示制御手段は、前記調整手段により複数行に調整された翻訳文をスクロールさせる際に、1行ずつスクロールさせ、又は全行を同時にスクロールさせることを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施形態にて、前記電子コミック情報は、前記翻訳文のスクロールスピード、スクロール方向、スクロールの開始、終了、一時停止、及び繰り返し方法のうちの少なくとも1つを含むスクロール方法に関する情報を含み、前記翻訳文表示制御手段は、前記スクロール方法に関する情報に基づいて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文表示制御手段は、前記吹き出し領域内で前記翻訳文をスクロールさせる際に、前記翻訳文をエンドレスでスクロールさせることを特徴とする。
【0022】
本発明の一実施形態にて、前記吹き出しに原文の台詞又は翻訳文を表示させるかを選択する選択手段を備え、前記翻訳文表示制御手段は、前記選択手段により翻訳文の表示が選択された時のみ前記吹き出し内に前記翻訳文を表示させることを特徴とする。
【0023】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文を音声再生する音声再生手段を備え、前記翻訳文表示制御手段は、前記翻訳文の音声の再生スピードに合わせて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記ビューワ装置の機能を含むユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて前記電子コミックの情報を提供するサーバと、からなる閲覧システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載のビューワ装置を実現させるビューワプログラムを提供する。
【0026】
また、本発明は、前記ビューワプログラムが記録された記録媒体を提供する。
【0027】
なお、スクロール再生(スクロールビュー)では、画像内の表示位置(切り出し位置)を移動させて表示(スクロール)を行なう。コマ再生(コマビュー)では、コマ単位で画像を切り替えて表示を行なう。スクロール再生における表示位置の移動、及び、コマ再生におけるコマ単位の画像切り替えは、手動、自動、半自動のいずれでもよい。
【発明の効果】
【0028】
電子コミックをユーザが閲覧する際に、著作者の権利を保護しつつ、ユーザが台詞の翻訳文を適切に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】閲覧システムの概略構成図
【図2】吹き出しの例を示す図
【図3】電子コミック情報のフォーマットの一例を示す図
【図4】電子コミック情報の配信処理を示すフローチャート
【図5】スクロールビューにおける表示処理の概略を示すフローチャート
【図6】コマビューにおける表示処理の概略を示すフローチャート
【図7】表示処理の詳細を示すフローチャート
【図8】原文の台詞入りの表示画像の一例を示す図
【図9】吹き出し内に翻訳文をスクロール表示した画像を示す図
【図10】(A)は吹き出し内に翻訳文の全文をスクロールしないで表示した場合の説明図、(B)〜(D)は吹き出し内に翻訳文を1行でスクロール表示する場合の説明図
【図11】(A)〜(C)は吹き出し内に複数行で翻訳文を連続してスクロール表示する場合の説明図
【図12】(A)〜(C)は吹き出し内に行ごとにスクロール表示する場合の説明図
【図13】(A)〜(C)は吹き出しの形状に応じて各行ごとに文字数を切り替えてスクロール表示する場合の説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0031】
<第1実施形態>
図1は本発明の好ましい実施形態に係る電子書籍閲覧システムの構成を示す。このシステムは、サーバ1と電子書籍ビューワ2とを含む。サーバ1は、特定の管理者の指示入力を受け付け可能な操作デバイス、各種情報の入力(取得)及び出力が可能な入出力デバイス、各種の演算処理及び制御を行なう制御デバイス、記憶デバイスを備えたコンピュータ装置である。電子書籍ビューワ2は、画像を表示可能な表示デバイス、音を出力可能な音出力デバイス、ユーザの指示入力を受け付け可能な操作デバイス、各種情報の入力(取得)及び出力が可能な入出力デバイス、各種の演算処理及び制御を行なう制御デバイスを備えたユーザ端末である。電子書籍ビューワ2は、例えば、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯型コンピュータ装置などの携帯端末で構成される。なお、サーバ1にアクセスする電子書籍ビューワ2は不特定多数であってもよいものとする。
【0032】
サーバ1は、解析部10、データベース(DB)11、操作部16、入出力部17を備える。
【0033】
DB11は、電子コミック情報12を記憶する。電子コミック情報の詳細は後述する。
【0034】
解析部10は、CPUなどの制御デバイスで構成される。DB11は、ハードディスクやメモリなどの記憶デバイスで構成される。操作部16は、キーボード、マウス、タッチパッドなどの操作デバイスで構成される。
【0035】
電子コミック情報は、解析部10から出力された解析結果、操作部16から入力された情報、あるいは、入出力部17を介して入力された情報を含む。
【0036】
解析部10は、オリジナルコンテンツから生成されたデジタルのコンテンツ画像(マンガ画像)を解析し、コンテンツ画像の付帯情報を生成する。
【0037】
説明の簡略のため、オリジナルコンテンツはマンガ画像を含む書籍であり、配信されるコンテンツ画像はページ単位(又はコマ単位)の画像(実写、描画を問わない)であるものとする。また、コンテンツ画像は、図2(A)〜(D)に示すような吹き出しと、吹き出し内の台詞を含んでいるものとする。ただし、吹き出し及び台詞の一方または両方がないページやコマがあってもよい。
【0038】
図3は、ヘッダ、ページ単位(又はコマ単位)のコンテンツ画像、及びコンテンツ画像の付帯情報によって構成された電子コミック情報を示す。本例では、電子コミック情報を、ひとつのファイルで構成しているが、コンテンツ画像と付帯情報とを異なるファイルに分けて格納し、複数ファイルで構成してもよい。
【0039】
ヘッダは、ファイルの属性(ファイル名など)を示す。
【0040】
コンテンツ画像は、ページ単位(又はコマ単位)のマンガの画像であり、ページ番号(又はコマ番号)に対応づけられている。コンテンツ画像は、例えば、スキャナなどでオリジナルコンテンツを電子データ化して作成される。オリジナルコンテンツは、マンガ、新聞、週刊誌、オフィス文書(プレゼンテーション文書など)、教科書、参考書など、ページ単位で組まれている。コンテンツ画像の保存形式は任意であり、PDFファイルやJPEG画像ファイルなどの形式で保存される。
【0041】
コンテンツ画像は、概略画像、詳細画像(高解像度データ)を含み、それぞれ、ページ、コマあるいはアンカーポイントごとに用意される。拡大許可領域を示す情報が付加されていてもよい。
【0042】
付帯情報は、図3に示すように、検索情報、吹き出し情報、テキスト情報、登場人物の情報、表示制御情報、自動読み上げの属性情報、再生エフェクト情報、その他情報によって構成されている。
【0043】
検索情報は、検索に用いるタグ情報である。例えば、ページ番号(ページ識別情報)、コマ番号(コマ識別情報)、エピソード番号(エピソード識別情報、例えば第何話であるかを示す)、タイトル、作者、出版社(版権者)、総ページ数などの情報を含んでいてもよい。
【0044】
吹き出し情報は、ページ単位(又はコマ単位)のコンテンツ画像中の吹き出しに関する情報である。例えば、吹き出しのコンテンツ画像内での存在領域を示す吹き出し領域情報、吹き出しの形状、吹き出しの起点(吹き出しの頂点)の位置と向き、吹き出しの描線の属性(点線、実線など)、コンテンツ画像の要素(話者など)と吹き出しの起点との相対的位置関係(例えば吹き出しの頂点と吹き出しの頂点が指し示す話者の顔と最小間隔)、吹き出しのサイズ、吹き出しの話者の識別情報、吹き出しの属するコマなどである。吹き出し領域情報は、例えば、吹き出しの描線(枠線)のコンテンツ画像内での位置を示す情報(例えば描線上の吹き出し形状に対応する複数点の位置情報、あるいは描線全体のベクトル情報)である。吹き出し領域情報は、吹き出しの全領域(範囲)を示すビットマップ情報でもよい。また、吹き出しの特定位置(中心位置)と吹き出しのサイズによって吹き出し領域情報を表してもよい。例えば、図2(A)〜(D)のような4つの吹き出し種類があれば、その各々に対応する識別情報A〜Dを吹き出しの描線の属性として記憶する。
【0045】
テキスト情報は、コンテンツ画像内のテキストに関する情報である。例えば、各コマおよび各吹き出しに対応する、テキスト(文章)、文字属性情報、行数、行間隔、文字間隔、表示切り替え方法、使用言語、縦書き/横書き、読み方向の区別などである。文字属性情報には、文字サイズ(ポイント数など)、文字種別(フォント、強調文字など)がある。テキスト情報には、吹き出し内の話者の台詞が含まれる。また、吹き出し内に配置された原文の台詞に対応する各種言語の翻訳文とその使用言語(2以上の言語の翻訳文でもよい)も、このテキスト情報に含まれうる。また、吹き出し外に配置されたテキスト(ナレーション、擬音を示す文字列など)やその翻訳文とそのテキストの属性(文字サイズ、フォント、文字装飾など)と、それらの音声読み上げ属性(ボリューム、スピード、繰り返し回数、開始/停止タイミングなど)、このテキスト情報に含まれうる。表示切り替え方法には、スクロールスピード、スクロール方向、スクロールの開始、終了、一時停止、繰り返しの方法などのスクロール制御情報(スクロール方法)を含みうる。
【0046】
登場人物の情報は、吹き出しの台詞の話者に関する情報である。例えば、話者(登場人物)のコンテンツ画像(概略画像および詳細画像)内での存在領域を示す話者領域情報(顔領域情報など)、話者の識別情報(名称など)、話者の属性(性別、年齢など)。なお、話者とは、吹き出しのセリフ(台詞)の発生源を意味し、人間だけでなく、動物、電話、パソコン、電子機器、ロボットなどの非生物が発するセリフも含む。
【0047】
表示制御情報は、ページ単位又はコマ単位の表示制御に関する情報である。この情報は、画面スクロールおよび/または画面切り替えを含む。画面スクロールの情報は、詳細情報として、スクロールスピード、スクロール方向、スクロール順、スクロールの開始、終了、一時停止、繰り返しの方法などを含みうる。画面切り替えの情報は、詳細情報として、切り替え単位(コマなど)、切り替えタイミングの決定方法(手動、自動、半自動)、切り替えに付随する表示効果(ワイプ、フェードイン/フェードアウト、ディゾルブ)などを含みうる。
【0048】
自動読み上げの属性情報は、例えば、読み上げ速度、音量、話者の感情などである。
【0049】
表示制御情報は再生シナリオを含む。再生シナリオは、コンテンツ画像の部分的な表示領域の単位となる詳細画像の拡大率、前のアンカーポイントに対応する詳細画像から次のアンカーポイントに対応する詳細画像への表示切り替えの速度および表示切り替え方法(スクロール、フェードアウト/フェードインなど)、各アンカーポイントまたは各コマでの視線の停止時間すなわち各アンカーポイントに対応する詳細画像の表示時間の長さである滞在時間、コンテンツ内の概観画像および詳細画像の位置づけ(ページ、セクション)、アンカーポイントの遷移順、見出し情報などを含む。アンカーポイントは、1ページごとの画像の部分領域(典型的にはコマかコマの一部)の視線の止まる位置(アイストップ)である。
【0050】
再生シナリオは、各アンカーポイントに対応する詳細画像のテキスト量に適合するような滞在時間を含む。各アンカーポイント周辺での詳細画像のテキスト量が大きければそれだけ一画面内の情報量が多くなるので、その分再生シナリオでは滞在時間が長く設定されている。
【0051】
あるいは、各アンカーポイントでの詳細画像の拡大率をサーバ1にアクセスしてきた電子書籍ビューワ2か、機種ごとの画面サイズに適合するような機種ごとの滞在時間を再生シナリオに設定する。
【0052】
あるいは、アンカーポイント間の表示切り替えの速度を再生シナリオに設定する。この速度は、再生状態情報として取得した、サーバ1にアクセスしてきた電子書籍ビューワ2のユーザに対応する過去の閲覧のスピードから決定してもよいし、同一の再生コンテンツを再生した複数の電子書籍ビューワ2から再生状態情報として取得した過去の閲覧のスピードを所定の算術式(平均など)に適用することで決定してもよい。
【0053】
表示切り替え方法は、電子書籍ビューワ2のユーザによる操作部27への指示に応じて決定されてもよいし、所定のデフォルトの切り替え方法としてもよいし、コンテンツ解析情報に基づいて設定されてもよい。例えば、あるコマaのコンテンツ内のキャラクタの視線方向の移動先がアンカーポイントの移動方向の先であるコマbと一致するならば、コマaからコマbへの表示切り替え方法をスクロールに設定する。
【0054】
読み上げ音声に関する情報は、例えば、読み上げ音声の内容、開始タイミング/終了タイミング、読み上げスピード、読み上げ音声ボリューム、読み上げ話者属性(性別、年齢など)である。読み上げ音声の内容は、録音音声でもよいし、人工音声でもよい。読み上げ音声の内容が人工音声の場合は、これを吹き出しおよび/または付随音声の内容と共通化できる。
【0055】
また、付随音声に関する情報が含まれる。例えば、擬音や効果音の内容(原文および翻訳文のテキスト情報)、出現回数、出現コマ、ボリューム、開始タイミング/終了タイミング、スピード、音量、擬音は解析部10によりコンテンツ画像から取得されたものでもよいし入出力部17などから入力されたものでもよい。例えば、吹き出しに入っていない文字情報が擬音の内容となる。擬音に対応する各種言語の翻訳文も、この情報に含まれうる。
【0056】
再生エフェクト情報は、再生エフェクトに関する情報である。例えば、端末振動、画面を揺らす、画面フラッシュ、画面切り替えといったエフェクトの種類と開始タイミングである。
【0057】
その他の情報には、ページめくりに関する情報(たとえば、左開き/右開き)、改行方向(縦書きの場合)などのページ情報が含まれる。また、その他の情報には、ページ余白の領域とその領域に配置する広告データが含まれる。また、その他の情報には、変更可否情報が含まれる。変更可否情報は、レイアウト変更の可否など、オリジナルコンテンツからの改変の可否を示す設定情報である。例えば、翻訳文表示、吹き出し拡大、吹き出し形状変更、画像変更、台詞や擬音の音声読み上げ、ページ全体の左右反転などの可否を示す。なお、改変項目ごとに独立に改変の可否を設定可能である。例えば、翻訳文表示は許可するが、ページ全体の左右反転は禁止するといった設定が可能である。スクロール再生(スクロールビュー)は許可するが、コマ再生(コマビュー)は禁止するといった設定も可能である。
【0058】
サーバ1の解析部10は、DB11に蓄積されたコンテンツ画像を解析する。その解析の結果得られた付帯情報は、コンテンツ画像とともに、電子コミック情報となる。電子コミック情報は、ページ単位又はコマ単位でもよいし、エピソード単位でもよい。解析部10によるコンテンツ画像の解析のためには、公知の画像解析技術、テキスト解析技術が使用される。例えば、顔、動物、建築物、自動車その他の物体のコンテンツの要素の位置、サイズ、種類は、それらの画像情報に関する特徴量に基づき自動検出してもよい。コンテンツ画像の要素の自動検出はマシンラーニングに基づいて行われてもよい。例えば、学習用のサンプルマンガに基づき、コマや吹き出しの外縁の検出確度、矩形以外の形状のコマや吹き出しとしての妥当性の判断閾値などを経験的に設定する。
【0059】
また、OCR(光学文字読取)により、吹き出し内の台詞(原文)を認識し、それを囲む領域を吹き出しの領域と認識してもよい。読み出された台詞の各文字は、文字の向きに応じてソートされる。例えば、台詞が縦書きなら列の先頭から最後尾にかけてソートされ、かつ右の列から左の列にかけてソートされる。
【0060】
コマ番号または台詞番号は、所定のルールに従って決定される。例えば、コンテンツ解析結果の情報に含まれるコマまたは吹き出しの位置が最も右上のものから最も左下のものにかけて各コマまたは吹き出しの代表点(コマまたは吹き出しの中心や重心など)を順次水平方向に走査することでページ番号または台詞番号が決定される。
【0061】
各コマの代表点は、1ページごとのコンテンツの要素の視線の止まる位置(アンカーポイント)となり、そのアンカーポイントを起点に、コンテンツの表示単位がスクロールや切り替えによって切り替わる。
【0062】
あるいは、図示は省略するが、コンテンツの作者に応じたルールに従ってページ番号または台詞番号が決定されることもできる。
【0063】
あるいは、コンテンツ解析ルールは、コンテンツの作者や種類に応じた規定のルールだけでなく、人工知能により学習されたコンテンツの作者や種類に応じたルールでもよい。
【0064】
ルール学習は、例えば次のように行なう。まず、複数の基本パターンについてそれぞれ正解ルールを予め用意しておく。解析部10は、複数の基本パターンについてそれぞれ特徴量(コマ境界線の太さや長さなど)を抽出する。そして解析部10は、抽出された特徴量から、コンテンツ作成者の想定しているコマの読み進み順を推定する。解析部10は、基本パターンごとに推定した読み進み順と正解ルールとを比較して、コマの読み進み順を推定するパラメータを最適化する。解析部10は、この最適化されたパラメータに従ってマンガのコマの読み順を推定する。
【0065】
解析部10は、DB11に蓄積されたコンテンツ画像を解析する。解析の結果取得できた情報は、付帯情報となる。
【0066】
電子コミック情報には解析部10のページ解析結果に関する情報が含まれる。解析部10によるページ情報の解析および取得のためには、公知の画像解析技術、テキスト解析技術が使用される。例えば、顔、動物、建築物、自動車その他の物体のコンテンツの要素の位置、サイズ、種類は、それらの画像情報に関する特徴量に基づき自動検出されてもよい。コンテンツの要素の自動検出はマシンラーニングに基づいて行われてもよい。例えば、学習用のサンプルマンガに基づき、コマや吹き出しの外縁の検出確度、矩形以外の領域のコマや吹き出しとしての妥当性の判断閾値などを経験的に設定する。
【0067】
あるいは、OCRにより、吹き出し内部のテキスト文章(セリフ)を認識し、それを囲む領域をセリフ領域と認識してもよい。読み出されたセリフの各文字は、文字の向きに応じてソートされる。例えば、セリフが縦書きなら列の先頭から最後尾にかけてソートされ、かつ右の列から左の列にかけてソートされる。
【0068】
コマ番号またはセリフ番号は、所定のルールに従って決定される。例えば、コンテンツの種類がマンガの場合、コンテンツ解析情報に含まれるコマまたは吹き出しの位置が最も右上のものから最も左下のものにかけて各コマまたは吹き出しの代表点(コマまたは吹き出しの中心や重心など)を順次水平方向に走査することでページ番号またはセリフ番号が決定される。
【0069】
各コマの代表点は、1ページごとのコンテンツの要素の視線の止まる位置(アンカーポイント)となり、そのアンカーポイントを起点に、コンテンツの表示単位がスクロールや切り替えによって切り替わる。
【0070】
あるいは、図示は省略するが、コンテンツの作者に応じたルールに従ってページ番号またはセリフ番号が決定されることもできる。
【0071】
あるいは、コンテンツ解析ルールは、コンテンツの作者や種類に応じた規定のルールだけでなく、人工知能により学習されたコンテンツの作者や種類に応じたルールでもよい。
【0072】
ルール学習は、例えば次のように行なう。まず、複数の基本パターンについてそれぞれ正解ルールを予め用意しておく。解析部10は、複数の基本パターンについてそれぞれ特徴量(コマ境界線の太さや長さなど)を抽出する。そして解析部10は、抽出された特徴量から、コンテンツ作成者の想定しているコマの読み進み順を推定する。解析部10は、基本パターンごとに推定した読み進み順と正解ルールとを比較して、コマの読み進み順を推定するパラメータを最適化する。解析部10は、この最適化されたパラメータに従ってマンガのコマの読み順を推定する。
【0073】
説明の簡略のため、オリジナルコンテンツはマンガであり、オリジナルコンテンツ画像は、マンガの各ページに対応する画像であるとする。マンガとは、絵(実写、描画を問わない)とセリフの双方からなるコンテンツである。
【0074】
次に、電子書籍ビューワ2について説明する。
【0075】
電子書籍ビューワ2は、図1に示すように、データベース(DB)21、表示部24、表示制御部25、音声再生部26、操作部27、入出力部29、実行制御部30を備える。
【0076】
DB21は、電子コミック情報などの各種情報を格納する。電子コミック情報は、前述のように、コミックのページ毎又はコマ毎のコンテンツ画像と、コミックの登場人物の台詞が入る吹き出しのコンテンツ画像内の存在領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、表示部24の画面にコンテンツ画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを含む。
【0077】
表示部24は、画像を表示可能な表示デバイスで構成される表示手段である。表示部24は、例えばLCDにより構成される。
【0078】
表示制御部25は、画像表示制御手段として、付帯情報内の表示制御情報に基づいて、コンテンツ画像を表示部24の画面にスクロール再生(又はコマ再生)で表示させる。
【0079】
また、表示制御部25は、翻訳文表示制御手段として、付帯情報内の吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて、表示部24の画面に表示されるコンテンツ画像中の吹き出し内の原文の台詞に替えて、その吹き出し内に翻訳文を表示させる。表示制御部25は、具体的には、付帯情報のテキスト情報と文字属性情報とに基づいて、表示用の文字を生成する。
【0080】
音声再生部26及びスピーカ28は、自動読み上げ手段として、付帯情報のテキスト情報及び自動読み上げ属性情報に基づいて、コンテンツ画像内のテキストを読み上げる。
【0081】
操作部27は、ユーザの指示入力を受け付ける。操作部27は、表示部24の画面上に配置したタッチセンサでもよいし、キー入力デバイス、ポインティングデバイスでもよい。
【0082】
入出力部29は、各種情報の入出力を行なう。本例の入出力部29は、サーバ1と通信する通信デバイスで構成されており、サーバ1に電子コミック情報要求を送信して、サーバ1から電子コミック情報を受信することで、電子コミック情報を取得する。入出力部29は、本例のような通信手段には特に限定されず、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に対する書き込み・読み出しを行なう手段であってもよい。
【0083】
実行制御部30は、判別手段として、表示部24の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が入るか否かを判別する。実行制御部30は、具体的には、DB21に予め記憶された画面サイズ情報と、付帯情報の吹き出し情報及びテキスト情報とに基づいて、表示部24の画面サイズに応じて表示される吹き出し内に、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する。
【0084】
なお、表示部24に表示される文字のサイズは、操作部27の操作により、変更させることが可能である。
【0085】
表示制御部25は、実行制御部30により吹き出し内に翻訳文の全文が入ると判別されると、吹き出し内に翻訳文の全文を表示させ、実行制御部30により前記翻訳文の全文が入らないと判別されると、吹き出し内で翻訳文をスクロールさせる。
【0086】
また、表示制御部25は、表示部24の画面に表示される画像中の吹き出し内に配置する翻訳文の行数、行間隔又は文字間隔を調整する機能を有する。実行制御部30は、表示制御部25により調整される場合の翻訳文の全文が、吹き出し内に入るか否かを判別する。
【0087】
また、表示制御部25は、音声再生部26での翻訳文の音声の再生スピードに合わせて、翻訳文をスクロール表示させてもよい。音声の再生スピードは、付帯情報から抽出すればよい。
【0088】
サーバ1のDB11の情報と電子書籍ビューワ2のDB21の情報は完全に同じである必要はない。DB11は、様々なユーザからの要求に応えるため、様々な種類のコンテンツ画像、例えば、異なる作者のマンガの各巻の画像を格納するライブラリである。DB21には、電子書籍ビューワ2のユーザが閲覧したい電子コミック情報のみが格納されていれば足りる。
【0089】
図4はサーバ1と電子書籍ビューワ2との間で実行される配信処理のフローチャートをである。S1・S4は電子書籍ビューワ2が実行し、S2・S3はサーバ1が実行する。この処理をサーバ1および電子書籍ビューワ2にそれぞれ実行させるプログラムは、サーバ1および電子書籍ビューワ2にそれぞれ備えられたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(RAM、ROM、CDROMなど)に記憶されている。
【0090】
S1では、電子書籍ビューワ2は、入出力部29を介して、コンテンツ要求をサーバ1に送信する。
【0091】
S2では、サーバ1は、コンテンツ要求を待機しており、入出力部17を介して電子書籍ビューワ2からコンテンツ要求を受信すると、S3に進む。
【0092】
S3では、サーバ1は、DB11に記憶されている電子コミック情報12をコンテンツとして、入出力部17を介して電子書籍ビューワ2に送信する。なお、電子コミック情報12の送信は、ページ単位あるいはコマ単位で行われてもよい。
【0093】
S4では、電子書籍ビューワ2は、入出力部17を介して、電子コミック情報12を受信し、DB21に格納する。
【0094】
本例では、電子書籍ビューワ2が、電子コミック情報12を通信で取得する場合を例に説明したが、電子コミック情報の取得態様は特に限定されない。例えば、メモリカードなどの記録媒体から電子コミック情報を読み込むようにしてもよい。
【0095】
電子コミック情報を取得した電子書籍ビューワ2は、後述の表示処理に進む。
【0096】
図5は電子書籍ビューワ2の実行するスクロールビューの表示処理例(スクロール再生処理例)のフローチャートを示す。図6は電子書籍ビューワ2の実行するコマビューの表示処理例(コマ再生処理例)のフローチャートを示す。図5または図6のいずれかの処理は、操作部27からの選択に従って実行される。
【0097】
図5を参照すると、S10では、表示制御部25は、DB21の電子コミック情報22に基づき、指定されたコンテンツ画像のページの最初の順のアンカーポイントをカレントアンカーポイントに設定する。
【0098】
S11では、表示制御部25は、当該ページ全体のコンテンツ画像からカレントアンカーポイントを基準にして、表示用の画像を切り出し、これをカレント画像とする。画像を切り出す代わりに、電子コミック情報22から詳細画像を読み出してカレント画像とすることもできる。
【0099】
S12では、表示制御部25は、詳細画像を表示部24に表示する。
【0100】
S13では、表示制御部25は、付帯情報に基づき、カレントアンカーポイントに対応する滞在時間が経過したか否かを判断する。Yesの場合はS14に進み、Noの場合はS12に戻る。
【0101】
S14では、表示制御部25は、カレントアンカーポイントが当該ページの最後のアンカーポイントであるか否かを判断する。Yesの場合はS21に進み、当該ページの表示を終了する。そして、次のページについて、S10以降を繰り返す。Noの場合はS15に進む。
【0102】
S15では、表示制御部25は、カレントアンカーポイントの次の順のアンカーポイントを、新たにカレントアンカーポイントに設定する。
【0103】
S16・S17では、表示制御部25は、当該ページ全体の画像からカレントアンカーポイントを基準にして、表示用の画像を切り出し、これを次の詳細画像とする。画像を切り出す代わりに、電子コミック情報22の詳細画像を用いることもできる。
【0104】
S18では、表示制御部25は、現在表示されている詳細画像から次の詳細画像に向けて、コンテンツ画像を所定の増分ずつ(例えば1ドットずつ)スクロールしつつ表示する。
【0105】
S19では、コンテンツ表示制御部25は、コンテンツ画像のスクロール表示が次の詳細画像に到達したか否かを判断する。Yesの場合はS12に戻り、次の詳細画像を表示する。Noの場合はS16に戻り、スクロールを継続する。
【0106】
図6を参照すると、S31では、表示制御部25は、指定されたページのコンテンツ画像のコマ順序を基準にして、最初のコマをカレントコマとする。
【0107】
S32では、表示制御部25は、カレントコマに対応する部分画像をコンテンツ画像から切り出し、これをカレントコマ画像とする。画像を切り出す代わりに、電子コミック情報22から詳細画像を読み出して用いることもできる。
【0108】
S33では、表示制御部25は、カレントコマ画像を表示部24に表示する。
【0109】
S34では、表示制御部25は、電子コミック情報22の付帯情報に基づき、カレントコマに対応する滞在時間が経過したか否かを判断する。Yesの場合はS35に進み、Noの場合はS33に戻る。
【0110】
S35では、表示制御部25は、カレントコマは、当該ページの最後のコマであるか否かを判断する。Yesの場合はS36に進み、当該ページの表示を終了する。そして、次のページについて、S31以降を繰り返す。Noの場合はS37に進む。
【0111】
S37では、表示制御部25は、カレントコマの次の順のコマを、新たにカレントコマに設定する。そして、S32に戻り、カレントコマに対応する部分画像を切り出すか、詳細画像を読み出し、これをカレントコマ画像とする。それ以降の処理は上記と同様である。
【0112】
図7は、電子書籍ビューワ2にて実行されるコンテンツ画像の表示処理(図5のS12及び図6のS33)の一例を示すフローチャートである。本処理は、電子書籍ビューワ2の制御デバイス(実行制御部30)によって、ビューワプログラムに従って実行される。図8は、サーバ1から配信されたコンテンツ画像であって、吹き出し内に原文の台詞が入っているコンテンツ画像を示す。
【0113】
ステップS40では、表示制御部25は、DB21の電子コミック情報22に基づき、画像の表示処理を開始する。コンテンツ画像は、操作部27に入力される画像送り指示に従って切り替わる。コンテンツ画像の切り替わる単位は、ページ(あるいはコマ)である。また、切り替わる順序は、ページ番号(あるいはコマ番号)に従う。ただし、ユーザがページ(あるいはコマ)の読みとばしなどの不規則な閲覧を希望する場合もあるため、この順序を無視したコンテンツ画像の切り替わり操作が許容されてもよい。
【0114】
ステップS42では、表示制御部25は、コンテンツ画像内に埋め込まれている原文のまま台詞を表示する原文表示を行なうか、コンテンツ画像の付帯情報に含まれる翻訳文を表示する翻訳文表示を行なうかを判定する。原文表示の場合にはステップS52に進み、翻訳文表示の場合にはステップS44に進む。
【0115】
例えば、操作部27により、原文表示を行なうか翻訳文表示を行なうかの選択指示を受け付ける。本例では、原文表示をデフォルトとし、翻訳文表示が選択指示された場合のみ翻訳文表示を行なう。
【0116】
ステップS44では、表示制御部25は、付帯情報の吹き出し情報とテキスト情報とDB21に記憶されている画面サイズ情報とに基づいて、表示部24の画面に表示されるコンテンツ画像中の吹き出しの領域内に、その吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する。Yes(吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入る場合)であればステップS46に進み、No(吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入らない場合)であればステップS50に進む。
【0117】
例えば、台詞の翻訳文が横書きである場合には、その翻訳文の横方向の各行ごとに、吹き出しの横方向の表示サイズと翻訳文1行の表示サイズとを比較して、翻訳文1行の表示サイズの方が大きい場合には、吹き出し内に翻訳文の全文が入らないため、吹き出しを拡大する必要があると判定する。台詞の翻訳文が縦書きである場合には、その翻訳文の縦方向の各行ごとに、吹き出しの縦方向の表示サイズと翻訳文1行の表示サイズとを比較して、翻訳文1行の表示サイズの方が大きい場合には、吹き出し内に翻訳文の全文が入らないため、吹き出しを拡大する必要があると判定する。
【0118】
吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入ると判別された場合、ステップS46にて、表示制御部25は、コンテンツ画像の吹き出しの領域内に、翻訳文の全文を合成する。
【0119】
吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入らないと判別された場合、ステップS50にて、表示制御部25は、コンテンツ画像の吹き出しの領域内に、スクロール翻訳文を合成する。スクロール翻訳文は、翻訳文の全文とスクロール方法を示すスクロール制御情報とを含む。なお、スクロール制御情報は、サーバ1から受信した電子コミック情報の付帯情報内のテキスト情報に含まれていた情報である。
【0120】
ステップS52にて、表示制御部25は、コンテンツ画像内の全ての吹き出しの翻訳文合成が終了したか否かを判定する。
【0121】
ステップS54では、表示制御部25は、コンテンツ画像を表示部24に表示させる。原文表示(翻訳文非表示)の場合、例えば図8に示すコンテンツ画像が表示部24の画面に表示される。翻訳文表示の場合であって、ステップS44で翻訳文の全文が吹き出しの領域に入ると判別されていれば、図9中の左側の吹き出し内に示すように、翻訳文の全文(”You’re great. Ritsuko.)を吹き出し内に一度に表示させる。また、翻訳文表示の場合であって、ステップS44で翻訳文の全文が吹き出しの領域に入らないと判別されていれば、図9中の右側の吹き出し内に示すように、翻訳文の全文("An assistant has been ready for this situation.”)を吹き出し内でスクロールさせて表示させる。即ち、表示制御部25は、付帯情報のスクロール制御情報に基づいて、吹き出し内で翻訳文をスクロール表示させる。
【0122】
以上のように本実施形態では、コンテンツ画像(ページ毎のページ画像又はコマ毎のコマ画像)と、そのコンテンツ画像内の吹き出しの領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、表示部24の画面上でコンテンツ画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを有する電子コミックを取得し(S4)、取得された表示制御情報に基づいて表示部24の画面上でコンテンツ画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させる表示処理では、少なくとも吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて、表示部24の画面に表示されるコンテンツ画像中の吹き出し内に、その吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別し(S44)、翻訳文の全文が入ると判別された場合には、コンテンツ画像中の吹き出し内の原文の台詞に替えて翻訳文の全文を吹き出し内に合成して表示させ(S46及びS54)、翻訳文の全文が入らないと判別された場合には、吹き出し内で翻訳文をスクロールさせる(S50及びS54)。
【0123】
したがって、吹き出しからはみ出てしまうような長い翻訳文であっても、吹き出し内で翻訳文をスクロール表示させることで、ユーザに翻訳文の全文を吹き出し内で閲覧させることができる。
【0124】
以下では、翻訳文スクロールの各種の実施例について、説明する。
【0125】
まず、翻訳文スクロールの第1実施例を説明する。実行制御部30によって、吹き出し内に表示させる翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入ると判定された場合、表示制御部25は、図10(A)に示すように、その翻訳文の全文(例えば“Now, I can speak English. Happy, happy, I’m happy.”)を吹き出し内に表示させる。その一方で、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図10(B)〜(D)に示すように、翻訳文を吹き出し内で1行でスクロール表示させる。
【0126】
次に、翻訳文スクロールの第2実施例を説明する。第2実施例では、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図11(A)〜(C)に示すように、翻訳文を吹き出し内で複数行にわたってエンドレスでスクロール表示させる。なお、図11(A)〜(C)には4行表示した場合を示した。ユーザは、吹き出し内で第1行末から第2行先頭に連結し、第2行末から第3行先頭に連結し、第3行末から第4行先頭に連結してスクロールする翻訳文を見ることで、一度に多くの文字を見て翻訳文の内容を認識することができる。なお、スクロールの行数は特に限定されず、付帯情報及び吹き出し領域の表示サイズに基づいて表示制御部25により切り替えられる。エンドレスで表示する代わりに、繰り返し回数を限定してもよい。
【0127】
次に、翻訳文スクロールの第3実施例を説明する。第3実施例では、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図12(A)〜(C)に示すように、翻訳文を改行で区切って、文字列ごとにスクロール表示させる。本例では、吹き出しの第1行(上段行)で“Now, I can speak English.”をスクロール表示させ、吹き出しの第2行(下段行)で“Happy, happy, I’m happy.”をスクロール表示させている。このように文字列ごとにスクロール表示すると、ユーザが翻訳文の内容を認識し易くなる。例えば、表示制御部25は、複数行に調整した翻訳文の全文を、1行ずつ、又は全行を同時に、スクロールさせる。
【0128】
次に、翻訳文スクロールの第4実施例を説明する。第4実施例では、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図13(A)〜(C)に示すように、付帯情報の吹き出し情報に基づいて、行ごとの文字数を吹き出し形状に応じて切り替える。このようにすると、例えば円形状の吹き出しであっても、吹き出し形状に応じて同時に視認可能(表示可能)な文字数を最大とすることができる。
【0129】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行なってよいのはもちろんである。
【0130】
図1の実行制御部30及び表示制御部25は、図3の付帯情報に基づいて、本明細書に記載した以外の各種の制御処理(例えば、検索、翻訳文表示、自動読み上げ、再生エフェクト、その他)を行なってもよい。
【0131】
なお、ビューワ装置は、画像を表示可能な表示手段を備えたどのようなユーザ端末で実施してもよい。また、本明細書に記載のビューワ装置(実施形態では電子書籍ビューワ2)を実現させるビューワプログラムを記録した記録媒体はプログラムを記録可能などのような記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0132】
1:サーバ、2:電子書籍ビューワ、24:表示部、25:表示制御部、26:音声再生部、27:操作部、29:入出力部、30:実行制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子コミックの画像の吹き出し内に原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を表示することができるビューワ装置、閲覧システム、ビューワプログラム及び記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の情報技術革新に伴い、雑誌やコミックなどの紙にプリントされることを前提とした書籍をデジタル化し、携帯端末等の電子書籍ビューワで視聴するという情報配信形態が確立されてきた。
【0003】
特許文献1によると、原稿縦書き、翻訳文横書きなら、レイアウト情報を回転し、横書きのレイアウトに変換する。
【0004】
特許文献2によると、ネームが吹き出しの枠に収まらない場合には、文字の級数を下げたり、文字間隔を詰めたりする。
【0005】
特許文献3によると、文字列を含むブロックの縦方向のサイズは固定し、横方向のサイズのみを拡大する。
【0006】
特許文献4によると、流し込んだネームの全文字が縦横過不足無く収まるようにテキストボックスの大きさを調整する。縦組・横組、文字サイズに合わせてテキストボックスの縦横長さを調整する。
【0007】
特許文献5によると、表示画面に帯状のテロップ領域を設けて、吹き出し内の台詞に対する翻訳文を、テロップ領域に字幕で表示させる。
【0008】
特許文献6によると、画像の元位置に生じるパターンの抜けを周囲の画像の構成パターンから補って塞ぐ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6-96288号公報
【特許文献2】特開2006-185435号公報
【特許文献3】特開2005-056043号公報
【特許文献4】特開2005-004738号公報
【特許文献5】特開2009-098727号公報
【特許文献6】特開2000-20687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、電子コミックの吹き出し内で台詞の翻訳文をユーザが適切に観察し得るようにした構成は先行技術でも開示されていない。
【0011】
例えば、特許文献5には、翻訳文を帯状のテロップ領域で表示する構成が開示されているが、画像の周囲に翻訳文を表示した場合、ユーザは登場人物と翻訳文との対応関係を認識することが容易でなく、また、吹き出しの位置に帯状のテロップ領域を設定しただけでは、翻訳文が台詞の原文と混在すると、ユーザが翻訳文を適切に観察することができない。また、吹き出の外に翻訳文がはみ出した場合には、画像の登場人物などが翻訳文で隠れてしまう問題もある。また、翻訳文の表示までは改変を認めても、吹き出し外の画像の内容の変更やレイアウトの変更を認めたくない著作者もいる。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、電子コミックをユーザが閲覧する際に、著作者の権利を保護しつつ、ユーザが台詞の翻訳文を適切に観察することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記目的を達成するために、本発明は、表示手段と、コミックのページ毎又はコマ毎の画像と、コミックの登場人物の台詞が入る吹き出しの前記画像内の存在領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを含む電子コミック情報を取得する情報取得手段と、前記取得された表示制御情報に基づいて前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させる画像表示制御手段と、前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する判別手段と、前記取得された吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて前記画面に表示される画像中の前記吹き出し内の前記原文の台詞に替えて前記翻訳文を表示させる翻訳文表示制御手段であって、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入ると判別されると、前記吹き出し内に前記翻訳文の全文を表示させ、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入らないと判別されると、前記吹き出し内で前記翻訳文をスクロールさせる翻訳文表示制御手段と、を備えたことを特徴とするビューワ装置を提供する。
【0014】
すなわち、コミックの画像内の吹き出しのサイズと吹き出し内の台詞の翻訳文の長さと予め設定された文字サイズとに基づいて、吹き出し内に翻訳文のテキストが入るか否かが判別されて、台詞の翻訳文の全文が入ると判別されると、吹き出し内にスクロールすることなく原文の台詞に替えて翻訳文の全文が表示され、台詞の翻訳文の全文が入らないと判別されると、吹き出し内で台詞の翻訳文がスクロールされるので、著作者の権利を保護しつつ、ユーザは台詞の翻訳文を適切に観察することができる。
【0015】
本発明の一実施形態にて、前記判別手段は、前記表示手段の画面サイズに応じて表示される吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別することを特徴とする。
【0016】
本発明の一実施形態にて、前記テキスト情報は、文字サイズ及び文字種別を示す文字属性情報を含み、前記翻訳文表示制御手段は、前記テキスト情報と前記文字属性情報とに基づいて表示用の文字を生成することを特徴とする。
【0017】
本発明の一実施形態にて、前記文字サイズを変更させる文字サイズ変更手段を備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文表示制御手段は、前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に配置する前記翻訳文の行数、行間隔又は文字間隔を調整する機能を有し、前記判別手段は、前記翻訳文表示制御手段により調整される場合の翻訳文の全文が、前記吹き出し内に入るか否かを判別することを特徴とする。
【0019】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文表示制御手段は、前記調整手段により複数行に調整された翻訳文をスクロールさせる際に、1行ずつスクロールさせ、又は全行を同時にスクロールさせることを特徴とする。
【0020】
本発明の一実施形態にて、前記電子コミック情報は、前記翻訳文のスクロールスピード、スクロール方向、スクロールの開始、終了、一時停止、及び繰り返し方法のうちの少なくとも1つを含むスクロール方法に関する情報を含み、前記翻訳文表示制御手段は、前記スクロール方法に関する情報に基づいて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする。
【0021】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文表示制御手段は、前記吹き出し領域内で前記翻訳文をスクロールさせる際に、前記翻訳文をエンドレスでスクロールさせることを特徴とする。
【0022】
本発明の一実施形態にて、前記吹き出しに原文の台詞又は翻訳文を表示させるかを選択する選択手段を備え、前記翻訳文表示制御手段は、前記選択手段により翻訳文の表示が選択された時のみ前記吹き出し内に前記翻訳文を表示させることを特徴とする。
【0023】
本発明の一実施形態にて、前記翻訳文を音声再生する音声再生手段を備え、前記翻訳文表示制御手段は、前記翻訳文の音声の再生スピードに合わせて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする。
【0024】
また、本発明は、前記ビューワ装置の機能を含むユーザ端末と、前記ユーザ端末からの要求に応じて前記電子コミックの情報を提供するサーバと、からなる閲覧システムを提供する。
【0025】
また、本発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載のビューワ装置を実現させるビューワプログラムを提供する。
【0026】
また、本発明は、前記ビューワプログラムが記録された記録媒体を提供する。
【0027】
なお、スクロール再生(スクロールビュー)では、画像内の表示位置(切り出し位置)を移動させて表示(スクロール)を行なう。コマ再生(コマビュー)では、コマ単位で画像を切り替えて表示を行なう。スクロール再生における表示位置の移動、及び、コマ再生におけるコマ単位の画像切り替えは、手動、自動、半自動のいずれでもよい。
【発明の効果】
【0028】
電子コミックをユーザが閲覧する際に、著作者の権利を保護しつつ、ユーザが台詞の翻訳文を適切に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】閲覧システムの概略構成図
【図2】吹き出しの例を示す図
【図3】電子コミック情報のフォーマットの一例を示す図
【図4】電子コミック情報の配信処理を示すフローチャート
【図5】スクロールビューにおける表示処理の概略を示すフローチャート
【図6】コマビューにおける表示処理の概略を示すフローチャート
【図7】表示処理の詳細を示すフローチャート
【図8】原文の台詞入りの表示画像の一例を示す図
【図9】吹き出し内に翻訳文をスクロール表示した画像を示す図
【図10】(A)は吹き出し内に翻訳文の全文をスクロールしないで表示した場合の説明図、(B)〜(D)は吹き出し内に翻訳文を1行でスクロール表示する場合の説明図
【図11】(A)〜(C)は吹き出し内に複数行で翻訳文を連続してスクロール表示する場合の説明図
【図12】(A)〜(C)は吹き出し内に行ごとにスクロール表示する場合の説明図
【図13】(A)〜(C)は吹き出しの形状に応じて各行ごとに文字数を切り替えてスクロール表示する場合の説明図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面に従って、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
【0031】
<第1実施形態>
図1は本発明の好ましい実施形態に係る電子書籍閲覧システムの構成を示す。このシステムは、サーバ1と電子書籍ビューワ2とを含む。サーバ1は、特定の管理者の指示入力を受け付け可能な操作デバイス、各種情報の入力(取得)及び出力が可能な入出力デバイス、各種の演算処理及び制御を行なう制御デバイス、記憶デバイスを備えたコンピュータ装置である。電子書籍ビューワ2は、画像を表示可能な表示デバイス、音を出力可能な音出力デバイス、ユーザの指示入力を受け付け可能な操作デバイス、各種情報の入力(取得)及び出力が可能な入出力デバイス、各種の演算処理及び制御を行なう制御デバイスを備えたユーザ端末である。電子書籍ビューワ2は、例えば、携帯電話、携帯型ゲーム機、携帯型コンピュータ装置などの携帯端末で構成される。なお、サーバ1にアクセスする電子書籍ビューワ2は不特定多数であってもよいものとする。
【0032】
サーバ1は、解析部10、データベース(DB)11、操作部16、入出力部17を備える。
【0033】
DB11は、電子コミック情報12を記憶する。電子コミック情報の詳細は後述する。
【0034】
解析部10は、CPUなどの制御デバイスで構成される。DB11は、ハードディスクやメモリなどの記憶デバイスで構成される。操作部16は、キーボード、マウス、タッチパッドなどの操作デバイスで構成される。
【0035】
電子コミック情報は、解析部10から出力された解析結果、操作部16から入力された情報、あるいは、入出力部17を介して入力された情報を含む。
【0036】
解析部10は、オリジナルコンテンツから生成されたデジタルのコンテンツ画像(マンガ画像)を解析し、コンテンツ画像の付帯情報を生成する。
【0037】
説明の簡略のため、オリジナルコンテンツはマンガ画像を含む書籍であり、配信されるコンテンツ画像はページ単位(又はコマ単位)の画像(実写、描画を問わない)であるものとする。また、コンテンツ画像は、図2(A)〜(D)に示すような吹き出しと、吹き出し内の台詞を含んでいるものとする。ただし、吹き出し及び台詞の一方または両方がないページやコマがあってもよい。
【0038】
図3は、ヘッダ、ページ単位(又はコマ単位)のコンテンツ画像、及びコンテンツ画像の付帯情報によって構成された電子コミック情報を示す。本例では、電子コミック情報を、ひとつのファイルで構成しているが、コンテンツ画像と付帯情報とを異なるファイルに分けて格納し、複数ファイルで構成してもよい。
【0039】
ヘッダは、ファイルの属性(ファイル名など)を示す。
【0040】
コンテンツ画像は、ページ単位(又はコマ単位)のマンガの画像であり、ページ番号(又はコマ番号)に対応づけられている。コンテンツ画像は、例えば、スキャナなどでオリジナルコンテンツを電子データ化して作成される。オリジナルコンテンツは、マンガ、新聞、週刊誌、オフィス文書(プレゼンテーション文書など)、教科書、参考書など、ページ単位で組まれている。コンテンツ画像の保存形式は任意であり、PDFファイルやJPEG画像ファイルなどの形式で保存される。
【0041】
コンテンツ画像は、概略画像、詳細画像(高解像度データ)を含み、それぞれ、ページ、コマあるいはアンカーポイントごとに用意される。拡大許可領域を示す情報が付加されていてもよい。
【0042】
付帯情報は、図3に示すように、検索情報、吹き出し情報、テキスト情報、登場人物の情報、表示制御情報、自動読み上げの属性情報、再生エフェクト情報、その他情報によって構成されている。
【0043】
検索情報は、検索に用いるタグ情報である。例えば、ページ番号(ページ識別情報)、コマ番号(コマ識別情報)、エピソード番号(エピソード識別情報、例えば第何話であるかを示す)、タイトル、作者、出版社(版権者)、総ページ数などの情報を含んでいてもよい。
【0044】
吹き出し情報は、ページ単位(又はコマ単位)のコンテンツ画像中の吹き出しに関する情報である。例えば、吹き出しのコンテンツ画像内での存在領域を示す吹き出し領域情報、吹き出しの形状、吹き出しの起点(吹き出しの頂点)の位置と向き、吹き出しの描線の属性(点線、実線など)、コンテンツ画像の要素(話者など)と吹き出しの起点との相対的位置関係(例えば吹き出しの頂点と吹き出しの頂点が指し示す話者の顔と最小間隔)、吹き出しのサイズ、吹き出しの話者の識別情報、吹き出しの属するコマなどである。吹き出し領域情報は、例えば、吹き出しの描線(枠線)のコンテンツ画像内での位置を示す情報(例えば描線上の吹き出し形状に対応する複数点の位置情報、あるいは描線全体のベクトル情報)である。吹き出し領域情報は、吹き出しの全領域(範囲)を示すビットマップ情報でもよい。また、吹き出しの特定位置(中心位置)と吹き出しのサイズによって吹き出し領域情報を表してもよい。例えば、図2(A)〜(D)のような4つの吹き出し種類があれば、その各々に対応する識別情報A〜Dを吹き出しの描線の属性として記憶する。
【0045】
テキスト情報は、コンテンツ画像内のテキストに関する情報である。例えば、各コマおよび各吹き出しに対応する、テキスト(文章)、文字属性情報、行数、行間隔、文字間隔、表示切り替え方法、使用言語、縦書き/横書き、読み方向の区別などである。文字属性情報には、文字サイズ(ポイント数など)、文字種別(フォント、強調文字など)がある。テキスト情報には、吹き出し内の話者の台詞が含まれる。また、吹き出し内に配置された原文の台詞に対応する各種言語の翻訳文とその使用言語(2以上の言語の翻訳文でもよい)も、このテキスト情報に含まれうる。また、吹き出し外に配置されたテキスト(ナレーション、擬音を示す文字列など)やその翻訳文とそのテキストの属性(文字サイズ、フォント、文字装飾など)と、それらの音声読み上げ属性(ボリューム、スピード、繰り返し回数、開始/停止タイミングなど)、このテキスト情報に含まれうる。表示切り替え方法には、スクロールスピード、スクロール方向、スクロールの開始、終了、一時停止、繰り返しの方法などのスクロール制御情報(スクロール方法)を含みうる。
【0046】
登場人物の情報は、吹き出しの台詞の話者に関する情報である。例えば、話者(登場人物)のコンテンツ画像(概略画像および詳細画像)内での存在領域を示す話者領域情報(顔領域情報など)、話者の識別情報(名称など)、話者の属性(性別、年齢など)。なお、話者とは、吹き出しのセリフ(台詞)の発生源を意味し、人間だけでなく、動物、電話、パソコン、電子機器、ロボットなどの非生物が発するセリフも含む。
【0047】
表示制御情報は、ページ単位又はコマ単位の表示制御に関する情報である。この情報は、画面スクロールおよび/または画面切り替えを含む。画面スクロールの情報は、詳細情報として、スクロールスピード、スクロール方向、スクロール順、スクロールの開始、終了、一時停止、繰り返しの方法などを含みうる。画面切り替えの情報は、詳細情報として、切り替え単位(コマなど)、切り替えタイミングの決定方法(手動、自動、半自動)、切り替えに付随する表示効果(ワイプ、フェードイン/フェードアウト、ディゾルブ)などを含みうる。
【0048】
自動読み上げの属性情報は、例えば、読み上げ速度、音量、話者の感情などである。
【0049】
表示制御情報は再生シナリオを含む。再生シナリオは、コンテンツ画像の部分的な表示領域の単位となる詳細画像の拡大率、前のアンカーポイントに対応する詳細画像から次のアンカーポイントに対応する詳細画像への表示切り替えの速度および表示切り替え方法(スクロール、フェードアウト/フェードインなど)、各アンカーポイントまたは各コマでの視線の停止時間すなわち各アンカーポイントに対応する詳細画像の表示時間の長さである滞在時間、コンテンツ内の概観画像および詳細画像の位置づけ(ページ、セクション)、アンカーポイントの遷移順、見出し情報などを含む。アンカーポイントは、1ページごとの画像の部分領域(典型的にはコマかコマの一部)の視線の止まる位置(アイストップ)である。
【0050】
再生シナリオは、各アンカーポイントに対応する詳細画像のテキスト量に適合するような滞在時間を含む。各アンカーポイント周辺での詳細画像のテキスト量が大きければそれだけ一画面内の情報量が多くなるので、その分再生シナリオでは滞在時間が長く設定されている。
【0051】
あるいは、各アンカーポイントでの詳細画像の拡大率をサーバ1にアクセスしてきた電子書籍ビューワ2か、機種ごとの画面サイズに適合するような機種ごとの滞在時間を再生シナリオに設定する。
【0052】
あるいは、アンカーポイント間の表示切り替えの速度を再生シナリオに設定する。この速度は、再生状態情報として取得した、サーバ1にアクセスしてきた電子書籍ビューワ2のユーザに対応する過去の閲覧のスピードから決定してもよいし、同一の再生コンテンツを再生した複数の電子書籍ビューワ2から再生状態情報として取得した過去の閲覧のスピードを所定の算術式(平均など)に適用することで決定してもよい。
【0053】
表示切り替え方法は、電子書籍ビューワ2のユーザによる操作部27への指示に応じて決定されてもよいし、所定のデフォルトの切り替え方法としてもよいし、コンテンツ解析情報に基づいて設定されてもよい。例えば、あるコマaのコンテンツ内のキャラクタの視線方向の移動先がアンカーポイントの移動方向の先であるコマbと一致するならば、コマaからコマbへの表示切り替え方法をスクロールに設定する。
【0054】
読み上げ音声に関する情報は、例えば、読み上げ音声の内容、開始タイミング/終了タイミング、読み上げスピード、読み上げ音声ボリューム、読み上げ話者属性(性別、年齢など)である。読み上げ音声の内容は、録音音声でもよいし、人工音声でもよい。読み上げ音声の内容が人工音声の場合は、これを吹き出しおよび/または付随音声の内容と共通化できる。
【0055】
また、付随音声に関する情報が含まれる。例えば、擬音や効果音の内容(原文および翻訳文のテキスト情報)、出現回数、出現コマ、ボリューム、開始タイミング/終了タイミング、スピード、音量、擬音は解析部10によりコンテンツ画像から取得されたものでもよいし入出力部17などから入力されたものでもよい。例えば、吹き出しに入っていない文字情報が擬音の内容となる。擬音に対応する各種言語の翻訳文も、この情報に含まれうる。
【0056】
再生エフェクト情報は、再生エフェクトに関する情報である。例えば、端末振動、画面を揺らす、画面フラッシュ、画面切り替えといったエフェクトの種類と開始タイミングである。
【0057】
その他の情報には、ページめくりに関する情報(たとえば、左開き/右開き)、改行方向(縦書きの場合)などのページ情報が含まれる。また、その他の情報には、ページ余白の領域とその領域に配置する広告データが含まれる。また、その他の情報には、変更可否情報が含まれる。変更可否情報は、レイアウト変更の可否など、オリジナルコンテンツからの改変の可否を示す設定情報である。例えば、翻訳文表示、吹き出し拡大、吹き出し形状変更、画像変更、台詞や擬音の音声読み上げ、ページ全体の左右反転などの可否を示す。なお、改変項目ごとに独立に改変の可否を設定可能である。例えば、翻訳文表示は許可するが、ページ全体の左右反転は禁止するといった設定が可能である。スクロール再生(スクロールビュー)は許可するが、コマ再生(コマビュー)は禁止するといった設定も可能である。
【0058】
サーバ1の解析部10は、DB11に蓄積されたコンテンツ画像を解析する。その解析の結果得られた付帯情報は、コンテンツ画像とともに、電子コミック情報となる。電子コミック情報は、ページ単位又はコマ単位でもよいし、エピソード単位でもよい。解析部10によるコンテンツ画像の解析のためには、公知の画像解析技術、テキスト解析技術が使用される。例えば、顔、動物、建築物、自動車その他の物体のコンテンツの要素の位置、サイズ、種類は、それらの画像情報に関する特徴量に基づき自動検出してもよい。コンテンツ画像の要素の自動検出はマシンラーニングに基づいて行われてもよい。例えば、学習用のサンプルマンガに基づき、コマや吹き出しの外縁の検出確度、矩形以外の形状のコマや吹き出しとしての妥当性の判断閾値などを経験的に設定する。
【0059】
また、OCR(光学文字読取)により、吹き出し内の台詞(原文)を認識し、それを囲む領域を吹き出しの領域と認識してもよい。読み出された台詞の各文字は、文字の向きに応じてソートされる。例えば、台詞が縦書きなら列の先頭から最後尾にかけてソートされ、かつ右の列から左の列にかけてソートされる。
【0060】
コマ番号または台詞番号は、所定のルールに従って決定される。例えば、コンテンツ解析結果の情報に含まれるコマまたは吹き出しの位置が最も右上のものから最も左下のものにかけて各コマまたは吹き出しの代表点(コマまたは吹き出しの中心や重心など)を順次水平方向に走査することでページ番号または台詞番号が決定される。
【0061】
各コマの代表点は、1ページごとのコンテンツの要素の視線の止まる位置(アンカーポイント)となり、そのアンカーポイントを起点に、コンテンツの表示単位がスクロールや切り替えによって切り替わる。
【0062】
あるいは、図示は省略するが、コンテンツの作者に応じたルールに従ってページ番号または台詞番号が決定されることもできる。
【0063】
あるいは、コンテンツ解析ルールは、コンテンツの作者や種類に応じた規定のルールだけでなく、人工知能により学習されたコンテンツの作者や種類に応じたルールでもよい。
【0064】
ルール学習は、例えば次のように行なう。まず、複数の基本パターンについてそれぞれ正解ルールを予め用意しておく。解析部10は、複数の基本パターンについてそれぞれ特徴量(コマ境界線の太さや長さなど)を抽出する。そして解析部10は、抽出された特徴量から、コンテンツ作成者の想定しているコマの読み進み順を推定する。解析部10は、基本パターンごとに推定した読み進み順と正解ルールとを比較して、コマの読み進み順を推定するパラメータを最適化する。解析部10は、この最適化されたパラメータに従ってマンガのコマの読み順を推定する。
【0065】
解析部10は、DB11に蓄積されたコンテンツ画像を解析する。解析の結果取得できた情報は、付帯情報となる。
【0066】
電子コミック情報には解析部10のページ解析結果に関する情報が含まれる。解析部10によるページ情報の解析および取得のためには、公知の画像解析技術、テキスト解析技術が使用される。例えば、顔、動物、建築物、自動車その他の物体のコンテンツの要素の位置、サイズ、種類は、それらの画像情報に関する特徴量に基づき自動検出されてもよい。コンテンツの要素の自動検出はマシンラーニングに基づいて行われてもよい。例えば、学習用のサンプルマンガに基づき、コマや吹き出しの外縁の検出確度、矩形以外の領域のコマや吹き出しとしての妥当性の判断閾値などを経験的に設定する。
【0067】
あるいは、OCRにより、吹き出し内部のテキスト文章(セリフ)を認識し、それを囲む領域をセリフ領域と認識してもよい。読み出されたセリフの各文字は、文字の向きに応じてソートされる。例えば、セリフが縦書きなら列の先頭から最後尾にかけてソートされ、かつ右の列から左の列にかけてソートされる。
【0068】
コマ番号またはセリフ番号は、所定のルールに従って決定される。例えば、コンテンツの種類がマンガの場合、コンテンツ解析情報に含まれるコマまたは吹き出しの位置が最も右上のものから最も左下のものにかけて各コマまたは吹き出しの代表点(コマまたは吹き出しの中心や重心など)を順次水平方向に走査することでページ番号またはセリフ番号が決定される。
【0069】
各コマの代表点は、1ページごとのコンテンツの要素の視線の止まる位置(アンカーポイント)となり、そのアンカーポイントを起点に、コンテンツの表示単位がスクロールや切り替えによって切り替わる。
【0070】
あるいは、図示は省略するが、コンテンツの作者に応じたルールに従ってページ番号またはセリフ番号が決定されることもできる。
【0071】
あるいは、コンテンツ解析ルールは、コンテンツの作者や種類に応じた規定のルールだけでなく、人工知能により学習されたコンテンツの作者や種類に応じたルールでもよい。
【0072】
ルール学習は、例えば次のように行なう。まず、複数の基本パターンについてそれぞれ正解ルールを予め用意しておく。解析部10は、複数の基本パターンについてそれぞれ特徴量(コマ境界線の太さや長さなど)を抽出する。そして解析部10は、抽出された特徴量から、コンテンツ作成者の想定しているコマの読み進み順を推定する。解析部10は、基本パターンごとに推定した読み進み順と正解ルールとを比較して、コマの読み進み順を推定するパラメータを最適化する。解析部10は、この最適化されたパラメータに従ってマンガのコマの読み順を推定する。
【0073】
説明の簡略のため、オリジナルコンテンツはマンガであり、オリジナルコンテンツ画像は、マンガの各ページに対応する画像であるとする。マンガとは、絵(実写、描画を問わない)とセリフの双方からなるコンテンツである。
【0074】
次に、電子書籍ビューワ2について説明する。
【0075】
電子書籍ビューワ2は、図1に示すように、データベース(DB)21、表示部24、表示制御部25、音声再生部26、操作部27、入出力部29、実行制御部30を備える。
【0076】
DB21は、電子コミック情報などの各種情報を格納する。電子コミック情報は、前述のように、コミックのページ毎又はコマ毎のコンテンツ画像と、コミックの登場人物の台詞が入る吹き出しのコンテンツ画像内の存在領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、表示部24の画面にコンテンツ画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを含む。
【0077】
表示部24は、画像を表示可能な表示デバイスで構成される表示手段である。表示部24は、例えばLCDにより構成される。
【0078】
表示制御部25は、画像表示制御手段として、付帯情報内の表示制御情報に基づいて、コンテンツ画像を表示部24の画面にスクロール再生(又はコマ再生)で表示させる。
【0079】
また、表示制御部25は、翻訳文表示制御手段として、付帯情報内の吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて、表示部24の画面に表示されるコンテンツ画像中の吹き出し内の原文の台詞に替えて、その吹き出し内に翻訳文を表示させる。表示制御部25は、具体的には、付帯情報のテキスト情報と文字属性情報とに基づいて、表示用の文字を生成する。
【0080】
音声再生部26及びスピーカ28は、自動読み上げ手段として、付帯情報のテキスト情報及び自動読み上げ属性情報に基づいて、コンテンツ画像内のテキストを読み上げる。
【0081】
操作部27は、ユーザの指示入力を受け付ける。操作部27は、表示部24の画面上に配置したタッチセンサでもよいし、キー入力デバイス、ポインティングデバイスでもよい。
【0082】
入出力部29は、各種情報の入出力を行なう。本例の入出力部29は、サーバ1と通信する通信デバイスで構成されており、サーバ1に電子コミック情報要求を送信して、サーバ1から電子コミック情報を受信することで、電子コミック情報を取得する。入出力部29は、本例のような通信手段には特に限定されず、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に対する書き込み・読み出しを行なう手段であってもよい。
【0083】
実行制御部30は、判別手段として、表示部24の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が入るか否かを判別する。実行制御部30は、具体的には、DB21に予め記憶された画面サイズ情報と、付帯情報の吹き出し情報及びテキスト情報とに基づいて、表示部24の画面サイズに応じて表示される吹き出し内に、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する。
【0084】
なお、表示部24に表示される文字のサイズは、操作部27の操作により、変更させることが可能である。
【0085】
表示制御部25は、実行制御部30により吹き出し内に翻訳文の全文が入ると判別されると、吹き出し内に翻訳文の全文を表示させ、実行制御部30により前記翻訳文の全文が入らないと判別されると、吹き出し内で翻訳文をスクロールさせる。
【0086】
また、表示制御部25は、表示部24の画面に表示される画像中の吹き出し内に配置する翻訳文の行数、行間隔又は文字間隔を調整する機能を有する。実行制御部30は、表示制御部25により調整される場合の翻訳文の全文が、吹き出し内に入るか否かを判別する。
【0087】
また、表示制御部25は、音声再生部26での翻訳文の音声の再生スピードに合わせて、翻訳文をスクロール表示させてもよい。音声の再生スピードは、付帯情報から抽出すればよい。
【0088】
サーバ1のDB11の情報と電子書籍ビューワ2のDB21の情報は完全に同じである必要はない。DB11は、様々なユーザからの要求に応えるため、様々な種類のコンテンツ画像、例えば、異なる作者のマンガの各巻の画像を格納するライブラリである。DB21には、電子書籍ビューワ2のユーザが閲覧したい電子コミック情報のみが格納されていれば足りる。
【0089】
図4はサーバ1と電子書籍ビューワ2との間で実行される配信処理のフローチャートをである。S1・S4は電子書籍ビューワ2が実行し、S2・S3はサーバ1が実行する。この処理をサーバ1および電子書籍ビューワ2にそれぞれ実行させるプログラムは、サーバ1および電子書籍ビューワ2にそれぞれ備えられたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(RAM、ROM、CDROMなど)に記憶されている。
【0090】
S1では、電子書籍ビューワ2は、入出力部29を介して、コンテンツ要求をサーバ1に送信する。
【0091】
S2では、サーバ1は、コンテンツ要求を待機しており、入出力部17を介して電子書籍ビューワ2からコンテンツ要求を受信すると、S3に進む。
【0092】
S3では、サーバ1は、DB11に記憶されている電子コミック情報12をコンテンツとして、入出力部17を介して電子書籍ビューワ2に送信する。なお、電子コミック情報12の送信は、ページ単位あるいはコマ単位で行われてもよい。
【0093】
S4では、電子書籍ビューワ2は、入出力部17を介して、電子コミック情報12を受信し、DB21に格納する。
【0094】
本例では、電子書籍ビューワ2が、電子コミック情報12を通信で取得する場合を例に説明したが、電子コミック情報の取得態様は特に限定されない。例えば、メモリカードなどの記録媒体から電子コミック情報を読み込むようにしてもよい。
【0095】
電子コミック情報を取得した電子書籍ビューワ2は、後述の表示処理に進む。
【0096】
図5は電子書籍ビューワ2の実行するスクロールビューの表示処理例(スクロール再生処理例)のフローチャートを示す。図6は電子書籍ビューワ2の実行するコマビューの表示処理例(コマ再生処理例)のフローチャートを示す。図5または図6のいずれかの処理は、操作部27からの選択に従って実行される。
【0097】
図5を参照すると、S10では、表示制御部25は、DB21の電子コミック情報22に基づき、指定されたコンテンツ画像のページの最初の順のアンカーポイントをカレントアンカーポイントに設定する。
【0098】
S11では、表示制御部25は、当該ページ全体のコンテンツ画像からカレントアンカーポイントを基準にして、表示用の画像を切り出し、これをカレント画像とする。画像を切り出す代わりに、電子コミック情報22から詳細画像を読み出してカレント画像とすることもできる。
【0099】
S12では、表示制御部25は、詳細画像を表示部24に表示する。
【0100】
S13では、表示制御部25は、付帯情報に基づき、カレントアンカーポイントに対応する滞在時間が経過したか否かを判断する。Yesの場合はS14に進み、Noの場合はS12に戻る。
【0101】
S14では、表示制御部25は、カレントアンカーポイントが当該ページの最後のアンカーポイントであるか否かを判断する。Yesの場合はS21に進み、当該ページの表示を終了する。そして、次のページについて、S10以降を繰り返す。Noの場合はS15に進む。
【0102】
S15では、表示制御部25は、カレントアンカーポイントの次の順のアンカーポイントを、新たにカレントアンカーポイントに設定する。
【0103】
S16・S17では、表示制御部25は、当該ページ全体の画像からカレントアンカーポイントを基準にして、表示用の画像を切り出し、これを次の詳細画像とする。画像を切り出す代わりに、電子コミック情報22の詳細画像を用いることもできる。
【0104】
S18では、表示制御部25は、現在表示されている詳細画像から次の詳細画像に向けて、コンテンツ画像を所定の増分ずつ(例えば1ドットずつ)スクロールしつつ表示する。
【0105】
S19では、コンテンツ表示制御部25は、コンテンツ画像のスクロール表示が次の詳細画像に到達したか否かを判断する。Yesの場合はS12に戻り、次の詳細画像を表示する。Noの場合はS16に戻り、スクロールを継続する。
【0106】
図6を参照すると、S31では、表示制御部25は、指定されたページのコンテンツ画像のコマ順序を基準にして、最初のコマをカレントコマとする。
【0107】
S32では、表示制御部25は、カレントコマに対応する部分画像をコンテンツ画像から切り出し、これをカレントコマ画像とする。画像を切り出す代わりに、電子コミック情報22から詳細画像を読み出して用いることもできる。
【0108】
S33では、表示制御部25は、カレントコマ画像を表示部24に表示する。
【0109】
S34では、表示制御部25は、電子コミック情報22の付帯情報に基づき、カレントコマに対応する滞在時間が経過したか否かを判断する。Yesの場合はS35に進み、Noの場合はS33に戻る。
【0110】
S35では、表示制御部25は、カレントコマは、当該ページの最後のコマであるか否かを判断する。Yesの場合はS36に進み、当該ページの表示を終了する。そして、次のページについて、S31以降を繰り返す。Noの場合はS37に進む。
【0111】
S37では、表示制御部25は、カレントコマの次の順のコマを、新たにカレントコマに設定する。そして、S32に戻り、カレントコマに対応する部分画像を切り出すか、詳細画像を読み出し、これをカレントコマ画像とする。それ以降の処理は上記と同様である。
【0112】
図7は、電子書籍ビューワ2にて実行されるコンテンツ画像の表示処理(図5のS12及び図6のS33)の一例を示すフローチャートである。本処理は、電子書籍ビューワ2の制御デバイス(実行制御部30)によって、ビューワプログラムに従って実行される。図8は、サーバ1から配信されたコンテンツ画像であって、吹き出し内に原文の台詞が入っているコンテンツ画像を示す。
【0113】
ステップS40では、表示制御部25は、DB21の電子コミック情報22に基づき、画像の表示処理を開始する。コンテンツ画像は、操作部27に入力される画像送り指示に従って切り替わる。コンテンツ画像の切り替わる単位は、ページ(あるいはコマ)である。また、切り替わる順序は、ページ番号(あるいはコマ番号)に従う。ただし、ユーザがページ(あるいはコマ)の読みとばしなどの不規則な閲覧を希望する場合もあるため、この順序を無視したコンテンツ画像の切り替わり操作が許容されてもよい。
【0114】
ステップS42では、表示制御部25は、コンテンツ画像内に埋め込まれている原文のまま台詞を表示する原文表示を行なうか、コンテンツ画像の付帯情報に含まれる翻訳文を表示する翻訳文表示を行なうかを判定する。原文表示の場合にはステップS52に進み、翻訳文表示の場合にはステップS44に進む。
【0115】
例えば、操作部27により、原文表示を行なうか翻訳文表示を行なうかの選択指示を受け付ける。本例では、原文表示をデフォルトとし、翻訳文表示が選択指示された場合のみ翻訳文表示を行なう。
【0116】
ステップS44では、表示制御部25は、付帯情報の吹き出し情報とテキスト情報とDB21に記憶されている画面サイズ情報とに基づいて、表示部24の画面に表示されるコンテンツ画像中の吹き出しの領域内に、その吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する。Yes(吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入る場合)であればステップS46に進み、No(吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入らない場合)であればステップS50に進む。
【0117】
例えば、台詞の翻訳文が横書きである場合には、その翻訳文の横方向の各行ごとに、吹き出しの横方向の表示サイズと翻訳文1行の表示サイズとを比較して、翻訳文1行の表示サイズの方が大きい場合には、吹き出し内に翻訳文の全文が入らないため、吹き出しを拡大する必要があると判定する。台詞の翻訳文が縦書きである場合には、その翻訳文の縦方向の各行ごとに、吹き出しの縦方向の表示サイズと翻訳文1行の表示サイズとを比較して、翻訳文1行の表示サイズの方が大きい場合には、吹き出し内に翻訳文の全文が入らないため、吹き出しを拡大する必要があると判定する。
【0118】
吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入ると判別された場合、ステップS46にて、表示制御部25は、コンテンツ画像の吹き出しの領域内に、翻訳文の全文を合成する。
【0119】
吹き出しの領域内に翻訳文の全文が入らないと判別された場合、ステップS50にて、表示制御部25は、コンテンツ画像の吹き出しの領域内に、スクロール翻訳文を合成する。スクロール翻訳文は、翻訳文の全文とスクロール方法を示すスクロール制御情報とを含む。なお、スクロール制御情報は、サーバ1から受信した電子コミック情報の付帯情報内のテキスト情報に含まれていた情報である。
【0120】
ステップS52にて、表示制御部25は、コンテンツ画像内の全ての吹き出しの翻訳文合成が終了したか否かを判定する。
【0121】
ステップS54では、表示制御部25は、コンテンツ画像を表示部24に表示させる。原文表示(翻訳文非表示)の場合、例えば図8に示すコンテンツ画像が表示部24の画面に表示される。翻訳文表示の場合であって、ステップS44で翻訳文の全文が吹き出しの領域に入ると判別されていれば、図9中の左側の吹き出し内に示すように、翻訳文の全文(”You’re great. Ritsuko.)を吹き出し内に一度に表示させる。また、翻訳文表示の場合であって、ステップS44で翻訳文の全文が吹き出しの領域に入らないと判別されていれば、図9中の右側の吹き出し内に示すように、翻訳文の全文("An assistant has been ready for this situation.”)を吹き出し内でスクロールさせて表示させる。即ち、表示制御部25は、付帯情報のスクロール制御情報に基づいて、吹き出し内で翻訳文をスクロール表示させる。
【0122】
以上のように本実施形態では、コンテンツ画像(ページ毎のページ画像又はコマ毎のコマ画像)と、そのコンテンツ画像内の吹き出しの領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、表示部24の画面上でコンテンツ画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを有する電子コミックを取得し(S4)、取得された表示制御情報に基づいて表示部24の画面上でコンテンツ画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させる表示処理では、少なくとも吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて、表示部24の画面に表示されるコンテンツ画像中の吹き出し内に、その吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別し(S44)、翻訳文の全文が入ると判別された場合には、コンテンツ画像中の吹き出し内の原文の台詞に替えて翻訳文の全文を吹き出し内に合成して表示させ(S46及びS54)、翻訳文の全文が入らないと判別された場合には、吹き出し内で翻訳文をスクロールさせる(S50及びS54)。
【0123】
したがって、吹き出しからはみ出てしまうような長い翻訳文であっても、吹き出し内で翻訳文をスクロール表示させることで、ユーザに翻訳文の全文を吹き出し内で閲覧させることができる。
【0124】
以下では、翻訳文スクロールの各種の実施例について、説明する。
【0125】
まず、翻訳文スクロールの第1実施例を説明する。実行制御部30によって、吹き出し内に表示させる翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入ると判定された場合、表示制御部25は、図10(A)に示すように、その翻訳文の全文(例えば“Now, I can speak English. Happy, happy, I’m happy.”)を吹き出し内に表示させる。その一方で、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図10(B)〜(D)に示すように、翻訳文を吹き出し内で1行でスクロール表示させる。
【0126】
次に、翻訳文スクロールの第2実施例を説明する。第2実施例では、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図11(A)〜(C)に示すように、翻訳文を吹き出し内で複数行にわたってエンドレスでスクロール表示させる。なお、図11(A)〜(C)には4行表示した場合を示した。ユーザは、吹き出し内で第1行末から第2行先頭に連結し、第2行末から第3行先頭に連結し、第3行末から第4行先頭に連結してスクロールする翻訳文を見ることで、一度に多くの文字を見て翻訳文の内容を認識することができる。なお、スクロールの行数は特に限定されず、付帯情報及び吹き出し領域の表示サイズに基づいて表示制御部25により切り替えられる。エンドレスで表示する代わりに、繰り返し回数を限定してもよい。
【0127】
次に、翻訳文スクロールの第3実施例を説明する。第3実施例では、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図12(A)〜(C)に示すように、翻訳文を改行で区切って、文字列ごとにスクロール表示させる。本例では、吹き出しの第1行(上段行)で“Now, I can speak English.”をスクロール表示させ、吹き出しの第2行(下段行)で“Happy, happy, I’m happy.”をスクロール表示させている。このように文字列ごとにスクロール表示すると、ユーザが翻訳文の内容を認識し易くなる。例えば、表示制御部25は、複数行に調整した翻訳文の全文を、1行ずつ、又は全行を同時に、スクロールさせる。
【0128】
次に、翻訳文スクロールの第4実施例を説明する。第4実施例では、実行制御部30によって、翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで吹き出しの領域内に入らないと判定された場合、表示制御部25は、図13(A)〜(C)に示すように、付帯情報の吹き出し情報に基づいて、行ごとの文字数を吹き出し形状に応じて切り替える。このようにすると、例えば円形状の吹き出しであっても、吹き出し形状に応じて同時に視認可能(表示可能)な文字数を最大とすることができる。
【0129】
本発明は、本明細書において説明した例や図面に図示された例には限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の設計変更や改良を行なってよいのはもちろんである。
【0130】
図1の実行制御部30及び表示制御部25は、図3の付帯情報に基づいて、本明細書に記載した以外の各種の制御処理(例えば、検索、翻訳文表示、自動読み上げ、再生エフェクト、その他)を行なってもよい。
【0131】
なお、ビューワ装置は、画像を表示可能な表示手段を備えたどのようなユーザ端末で実施してもよい。また、本明細書に記載のビューワ装置(実施形態では電子書籍ビューワ2)を実現させるビューワプログラムを記録した記録媒体はプログラムを記録可能などのような記録媒体であってもよい。
【符号の説明】
【0132】
1:サーバ、2:電子書籍ビューワ、24:表示部、25:表示制御部、26:音声再生部、27:操作部、29:入出力部、30:実行制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段と、
コミックのページ毎又はコマ毎の画像と、コミックの登場人物の台詞が入る吹き出しの前記画像内の存在領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを含む電子コミック情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された表示制御情報に基づいて前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させる画像表示制御手段と、
前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する判別手段と、
前記取得された吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて前記画面に表示される画像中の前記吹き出し内の前記原文の台詞に替えて前記翻訳文を表示させる翻訳文表示制御手段であって、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入ると判別されると、前記吹き出し内に前記翻訳文の全文を表示させ、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入らないと判別されると、前記吹き出し内で前記翻訳文をスクロールさせる翻訳文表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするビューワ装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記表示手段の画面サイズに応じて表示される吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別することを特徴とする請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項3】
前記テキスト情報は、文字サイズ及び文字種別を示す文字属性情報を含み、
前記翻訳文表示制御手段は、前記テキスト情報と前記文字属性情報とに基づいて表示用の文字を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のビューワ装置。
【請求項4】
前記文字サイズを変更させる文字サイズ変更手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項5】
前記翻訳文表示制御手段は、前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に配置する前記翻訳文の行数、行間隔又は文字間隔を調整する機能を有し、
前記判別手段は、前記翻訳文表示制御手段により調整される場合の翻訳文の全文が、前記吹き出し内に入るか否かを判別することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項6】
前記翻訳文表示制御手段は、前記調整手段により複数行に調整された翻訳文をスクロールさせる際に、1行ずつスクロールさせ、又は全行を同時にスクロールさせることを特徴とする請求項5に記載のビューワ装置。
【請求項7】
前記電子コミック情報は、前記翻訳文のスクロールスピード、スクロール方向、スクロールの開始、終了、一時停止、及び繰り返し方法のうちの少なくとも1つを含むスクロール方法に関する情報を含み、
前記翻訳文表示制御手段は、前記スクロール方法に関する情報に基づいて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項8】
前記翻訳文表示制御手段は、前記吹き出し領域内で前記翻訳文をスクロールさせる際に、前記翻訳文をエンドレスでスクロールさせることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項9】
前記吹き出しに原文の台詞又は翻訳文を表示させるかを選択する選択手段を備え、
前記翻訳文表示制御手段は、前記選択手段により翻訳文の表示が選択された時のみ前記吹き出し内に前記翻訳文を表示させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項10】
前記翻訳文を音声再生する音声再生手段を備え、
前記翻訳文表示制御手段は、前記翻訳文の音声の再生スピードに合わせて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のビューワ装置の機能を含むユーザ端末と、
前記ユーザ端末からの要求に応じて前記電子コミックの情報を提供するサーバと、
からなる閲覧システム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載のビューワ装置を実現させるビューワプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のビューワプログラムが記録された記録媒体。
【請求項1】
表示手段と、
コミックのページ毎又はコマ毎の画像と、コミックの登場人物の台詞が入る吹き出しの前記画像内の存在領域を示す吹き出し領域情報を含む吹き出し情報と、各吹き出し内の原文の台詞を所定の言語に翻訳した翻訳文を含むテキスト情報であって吹き出し毎に関連づけられたテキスト情報と、前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させるための表示制御情報とを含む電子コミック情報を取得する情報取得手段と、
前記取得された表示制御情報に基づいて前記表示手段の画面に前記画像をスクロール再生又はコマ再生で表示させる画像表示制御手段と、
前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別する判別手段と、
前記取得された吹き出し情報及びテキスト情報に基づいて前記画面に表示される画像中の前記吹き出し内の前記原文の台詞に替えて前記翻訳文を表示させる翻訳文表示制御手段であって、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入ると判別されると、前記吹き出し内に前記翻訳文の全文を表示させ、前記判別手段により前記翻訳文の全文が入らないと判別されると、前記吹き出し内で前記翻訳文をスクロールさせる翻訳文表示制御手段と、
を備えたことを特徴とするビューワ装置。
【請求項2】
前記判別手段は、前記表示手段の画面サイズに応じて表示される吹き出し内に、この吹き出しに対応する翻訳文の全文が予め設定された文字サイズで入るか否かを判別することを特徴とする請求項1に記載のビューワ装置。
【請求項3】
前記テキスト情報は、文字サイズ及び文字種別を示す文字属性情報を含み、
前記翻訳文表示制御手段は、前記テキスト情報と前記文字属性情報とに基づいて表示用の文字を生成することを特徴とする請求項1又は2に記載のビューワ装置。
【請求項4】
前記文字サイズを変更させる文字サイズ変更手段を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項5】
前記翻訳文表示制御手段は、前記表示手段の画面に表示される画像中の吹き出し内に配置する前記翻訳文の行数、行間隔又は文字間隔を調整する機能を有し、
前記判別手段は、前記翻訳文表示制御手段により調整される場合の翻訳文の全文が、前記吹き出し内に入るか否かを判別することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項6】
前記翻訳文表示制御手段は、前記調整手段により複数行に調整された翻訳文をスクロールさせる際に、1行ずつスクロールさせ、又は全行を同時にスクロールさせることを特徴とする請求項5に記載のビューワ装置。
【請求項7】
前記電子コミック情報は、前記翻訳文のスクロールスピード、スクロール方向、スクロールの開始、終了、一時停止、及び繰り返し方法のうちの少なくとも1つを含むスクロール方法に関する情報を含み、
前記翻訳文表示制御手段は、前記スクロール方法に関する情報に基づいて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項8】
前記翻訳文表示制御手段は、前記吹き出し領域内で前記翻訳文をスクロールさせる際に、前記翻訳文をエンドレスでスクロールさせることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項9】
前記吹き出しに原文の台詞又は翻訳文を表示させるかを選択する選択手段を備え、
前記翻訳文表示制御手段は、前記選択手段により翻訳文の表示が選択された時のみ前記吹き出し内に前記翻訳文を表示させることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項10】
前記翻訳文を音声再生する音声再生手段を備え、
前記翻訳文表示制御手段は、前記翻訳文の音声の再生スピードに合わせて前記翻訳文をスクロールさせることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか1項に記載のビューワ装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1項に記載のビューワ装置の機能を含むユーザ端末と、
前記ユーザ端末からの要求に応じて前記電子コミックの情報を提供するサーバと、
からなる閲覧システム。
【請求項12】
請求項1から10のいずれか1項に記載のビューワ装置を実現させるビューワプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のビューワプログラムが記録された記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−133663(P2012−133663A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286395(P2010−286395)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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