説明

ビードクリップ方法およびビードクリップ装置

【課題】作業時間と労力を削減してビードワイヤの束であるビードコアを強い締付力でバラツキなく確実に巻き付け留めることができるビードクリップ方法およびビードクリップ装置を供する。
【解決手段】装着工程と、各巻付移動体21,31を順次移動することにより留め金具5をビードコア2の全側面に巻き付ける巻付工程と、先端曲げ移動体51を移動することにより留め金具5の先端部5bを屈曲してハゼ折り部5hを形成する先端曲げ工程と、折込移動体61を移動することにより留め金具5の延長部5eと基端部5aを曲げハゼ折り部5hをビードコア2の側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなす折込工程とを備えるビードクリップ方法およびビードクリップ装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ構成部材であるビードを構成するビードワイヤの束を纏めてビード形状を保持するビードクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
1本のビードワイヤを複数回円環状に巻いたビードワイヤの束を、バラケないように留めコードを巻き付けて纏めて留めるようにした例がある(例えば、特許文献1参照)。
また、留めコードの代わりに帯状の留め金具をビードワイヤの束に巻き付けるビードクリップの方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−57105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された留めコードをビードワイヤの束(ビードコア)に巻き付ける方法は、留めコードを螺旋状に巻き付けていくので、ビードワイヤのバラケは防止できるが、締付力が弱く、ビードコアの形状を維持することが難しい。
また、円環状のビードワイヤの束に留めコードを引っ張りながら所定のピッチで螺旋状に巻き付ける必要があり、作業が面倒であり時間を要する。
【0005】
また、留め金具をビードワイヤの束に巻き付けてビードクリップする従来の方法は、作業者がラジオペンチを用いて帯板状の留め金具を屈曲させながらビードワイヤの束に巻き付けるもので、特許文献1と同様に、作業が面倒であり時間を要するとともに、締付力が安定せず品質にバラツキが生じる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、作業時間と労力を削減してビードワイヤの束であるビードコアを強い締付力でバラツキなく確実に巻き付け留めることができるビードクリップ方法およびビードクリップ装置を供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
ビードワイヤを円環状に複数回巻いて多角形の断面形状のビードコアが形成されたビードワイヤの束をその周上の少なくとも1か所で帯板状の留め金具を巻き付けて留めるビードクリップ方法であって、
前記ビードコアの所要部分の少なくとも1側面に、前記留め金具の屈曲した基端部に隣接した所定内側面を当接して固定する装着工程と、
前記ビードコアの各側面に沿って移動する各巻付移動体を順次移動することにより、前記留め金具を順次曲げ前記ビードコアの各側面に沿って押圧して前記ビードコアの全側面に、屈曲した先端部を含む延長部を残して巻き付ける巻付工程と、
前記留め金具の前記先端部に対向して移動する先端曲げ移動体を移動することにより、前記留め金具の前記先端部を屈曲して前記基端部に重ね合わせハゼ折り部を形成する先端曲げ工程と、
前記ビードコアの1側面に沿って所定間隔を存して移動する折込移動体を移動することにより、前記留め金具の前記延長部と前記基端部を曲げ前記ハゼ折り部を前記ビードコアの側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなす折込工程と、
を備えることを特徴とするビードクリップ方法である。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のビードクリップ方法において、
前記先端曲げ工程では、前記折込移動体が前記留め金具の前記延長部に近接または当接するまで移動した状態で、前記先端曲げ移動体を移動してハゼ折り部を形成し、
前記折込工程では、前記先端曲げ移動体を退避した後に、前記折込移動体を移動してハゼ折りをなすことを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載のビードクリップ方法において、
前記ビードコアは、断面形状が四角形状をなし、
前記装着工程では、前記ビードコアの所要部分の隣合う2側面に、前記留め金具の互いに屈曲した2内側面を当接し、
前記巻付工程では、前記ビードコアの他の2側面に沿ってそれぞれ移動する第1巻付移動体と第2巻付移動体を順次移動することにより、前記留め金具を、順次曲げ前記ビードコアの他の2側面に沿って押圧することを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載のビードクリップ方法において、
前記ハゼ折り部は、同ハゼ折り部が押圧されて折込まれる前記ビードコアの側面の長さの20〜50%の長さを有することを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、
ビードワイヤを円環状に複数回巻いて多角形の断面形状のビードコアが形成されたビードワイヤの束をその周上の少なくとも1か所で帯板状の留め金具を巻き付けて留めるビードクリップ装置であって、
前記ビードコアの所要部分の少なくとも1側面に、前記留め金具の屈曲した基端部に隣接した所定内側面を当接して固定する装着手段と、
前記ビードコアの各側面に沿って移動する各巻付移動体を順次移動させて、前記留め金具を順次曲げ前記ビードコアの各側面に沿って押圧して前記ビードコアの全側面に、屈曲した先端部を含む延長部を残して巻き付ける巻付手段と、
前記留め金具の前記先端部に対向して移動する先端曲げ移動体を移動させて、前記留め金具の前記先端部を屈曲して前記基端部に重ね合わせハゼ折り部を形成する先端曲げ手段と、
前記ビードコアの1側面に沿って所定間隔を存して移動する折込移動体を移動させて、前記留め金具の前記延長部と前記基端部を曲げ前記ハゼ折り部を前記ビードコアの側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなす折込手段と、
を備えることを特徴とするビードクリップ装置である。
【0012】
請求項6記載の発明は、
前記巻付移動体、前記先端曲げ移動体および前記折込移動体は、角柱状となし、前記留め金具を曲げる角部が面取りされていることを特徴とする請求項5記載のビードクリップ装置。
【0013】
請求項7記載の発明は、請求項5または請求項6記載のビードクリップ装置において、
前記ビードコアの側面に沿って移動する前記折込移動体の前記所定間隔は、前記ビードコアの側面に沿って移動する前記巻付移動体が前記ビードコアの該側面となす間隔よりも大きいことを特徴とする。
【0014】
請求項8記載の発明は、請求項5ないしは請求項7のいずれかの項記載のビードクリップ装置において、
前記ビードコアは、断面形状が四角形状をなし、
前記装着手段では、前記ビードコアの所要部分の隣合う2側面に、前記留め金具の互いに屈曲した2内側面を当接して固定するものであり、
前記巻付手段では、前記ビードコアの他の2側面に沿ってそれぞれ移動する第1巻付移動体と第2巻付移動体を順次移動することにより、前記留め金具を順次曲げ前記ビードコアの他の2側面に沿って押圧するものであることを特徴とする。
【0015】
請求項9記載の発明は、請求項8記載のビードクリップ装置において、
前記先端曲げ手段と前記折込手段に対して前記巻付手段とともに前記装着手段を前記第2巻付移動体の移動する方向に進退させて、前記ビードコアの重ねられたビードワイヤの段数に応じて前記折込手段に対する前記装着手段の位置を調整する段数調整手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1記載のビードクリップ方法によれば、装着工程でビードコアの所要部分の少なくとも1側面に留め金具の屈曲した基端部に隣接した所定内側面を当接して装着し、巻付工程で各巻付移動体を順次移動して留め金具を順次曲げビードコアの各側面に沿って押圧してビードコアの全側面に屈曲した先端部を含む延長部を残して巻き付け、先端曲げ工程で先端曲げ移動体を移動して留め金具の前記先端部を屈曲して前記基端部に重ね合わせハゼ折り部を形成し、折込工程で折込移動体を移動して留め金具の前記延長部と前記基端部を曲げ前記ハゼ折り部を前記ビードコアの側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなすので、各巻付移動体、先端曲げ移動体、折込移動体を順次移動する簡単な方法により、ビードワーヤの束であるビードコアに留め金具を巻き付け、ハゼ折りをして大きな締付力により締付け留めることができ、作業時間と労力を削減することができる。
なお、ハゼ折りとは、2枚の金属板の端を折り曲げ引っ掛け合わせて継ぐ方法であり、本発明においては、金属板の両端を継ぐのに用いており、ハゼ折り部(ハゼ)を折り込むことにより大きな締付力を発揮する。
【0017】
請求項2記載のビードクリップ方法によれば、先端曲げ工程で折込移動体が留め金具の延長部に近接または当接するまで移動した状態で、先端曲げ移動体を移動してハゼ折り部を形成するので、留め金具の延長部の背後を折込移動体が押さえて先端曲げ移動体が留め金具の先端部を曲げることで、確実にハゼ折り部が形成され、折込工程では、先端曲げ移動体を退避した後に、折込移動体を移動して円滑にハゼ折りをなすことができる。
【0018】
請求項3記載のビードクリップ方法によれば、ビードコアは断面形状が四角形状をなし、装着工程でビードコアの所要部分の隣合う2側面に、前記留め金具の互いに屈曲した2内側面を当接し、巻付工程で第1巻付移動体と第2巻付移動体を順次移動して留め金具を順次曲げビードコアの他の2側面に沿って押圧し、ビードコアの全4側面に簡単に巻き付けることができ、その後の先端曲げ工程と折込工程でハゼ折りをして大きな締付力により締付け留めることができ、作業時間と労力を削減することができる。
【0019】
請求項4記載のビードクリップ方法によれば、前記ハゼ折り部は、同ハゼ折り部が押圧されて折込まれるビードコアの側面の長さの20〜50%の長さを有するので、ハゼ折り部はビードコアの側面に押圧されて折込まれ、ビードコアの側面内に小さく収まっている。
【0020】
請求項5記載のビードクリップ装置によれば、装着手段がビードコアの所要部分の少なくとも1側面に留め金具の屈曲した基端部に隣接した所定内側面を当接して固定し、巻付手段が各巻付移動体を順次移動して留め金具を順次曲げビードコアの各側面に沿って押圧してビードコアの全側面に屈曲した先端部を含む延長部を残して巻き付け、先端曲げ手段が先端曲げ移動体を移動して留め金具の前記先端部を屈曲して前記基端部に重ね合わせハゼ折り部を形成し、折込手段が折込移動体を移動して留め金具の前記延長部と前記基端部を曲げ前記ハゼ折り部を前記ビードコアの側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなすので、各巻付移動体、先端曲げ移動体、折込移動体を順次移動することで、ビードワーヤの束であるビードコアに留め金具を巻き付け、ハゼ折りをして大きな締付力により締付け留めることが簡単にでき、作業時間と労力を削減することができる。
【0021】
請求項6記載のビードクリップ装置によれば、前記巻付移動体、前記先端曲げ移動体および前記折込移動体は、角柱状となし、留め金具を曲げる角部が面取りされているので、留め金具の表面を傷つけることなく、留め金具を円滑に曲げビードコアの側面に押圧することができる。
【0022】
請求項7記載のビードクリップ装置によれば、ビードコアの側面に沿って移動する折込移動体の前記所定間隔は、ビードコアの側面に沿って移動する巻付移動体がビードコアの該側面との間の間隔よりも大きいので、帯板状の留め金具の厚さよりも大幅に厚みのあるハゼ折り部を円滑に曲げビードコアの側面に沿って押圧して容易にハゼ折りをなすことができる。
【0023】
請求項8記載のビードクリップ装置によれば、ビードコアは断面形状が四角形状をなし、装着手段が、ビードコアの所要部分の隣合う2側面に、留め金具の互いに屈曲した2内側面を当接して固定し、巻付手段が第1巻付移動体と第2巻付移動体を順次移動して留め金具を順次曲げビードコアの他の2側面に沿って押圧し、ビードコアの全4側面に簡単に巻き付けることができ、その後の先端曲げ手段と折込手段がハゼ折りをして大きな締付力により締付け留めることができ、作業時間と労力を削減することができる。
【0024】
請求項9記載のビードクリップ装置によれば、先端曲げ手段と折込手段に対して巻付手段とともに装着手段を第2巻付移動体の移動する方向に進退させて、ビードコアの重ねられたビードワイヤの段数に応じて折込手段に対する装着手段の位置を調整する段数調整手段を備えているので、ビードコアの重ねられたビードワイヤの段数が変化しても、段数調整手段が調整して簡単に対応してビードクリップすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】ビードコアの一部断面とした要部斜視図である。
【図2】予め所定形状に屈曲された留め金具の斜視図である。
【図3】本実施の形態に係るビードクリップ装置の全体側面図である。
【図4】図3のビードクリップ装置の要部拡大図である。
【図5】装着手段にビードコアと留め金具を装着した装着工程を示したビードクリップ装置の要部側面図である。
【図6】第1巻付移動体を移動してビードコアの側面に留め金具を巻き付けた第1巻付工程を示したビードクリップ装置の要部側面図である。
【図7】第2巻付移動体を移動してビードコアの側面に留め金具を巻き付けた第2巻付工程を示したビードクリップ装置の要部側面図である。
【図8】折込移動体を留め金具の延長部まで移動した状態のビードクリップ装置の要部側面図である。
【図9】先端曲げ移動体を移動して留め金具の先端部を屈曲してハゼ折り部を形成した先端曲げ工程を示したビードクリップ装置の要部側面図である。
【図10】先端曲げ移動体を退避し折込移動体を移動してハゼ折り部を折込みハゼ折りをなした折込工程を示したビードクリップ装置の要部側面図である。
【図11】ビードコアに留め金具を巻き付けハゼ折りして留めた状態を示す一部断面とした要部斜視図である。
【図12】ビードワイヤの段数を変えたビードコアと留め金具を装着したビードクリップ装置の全体側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図12に基づいて説明する。
図1は、ビードコア2の一部断面とした要部斜視図である。
ビードコア2は、1本のビードワイヤ1を円環状に複数回巻いて束にしたものであり、本ビードコア2は、断面が平行四辺形状をした異形のビードワイヤ1が5列に並んで径方向に7段重ねられて構成されている。
【0027】
ビードワインダにより、ビードワイヤ1は、まず最小径で5回隣接して巻いて1段目を形成し、次に1段目の上に巻き径を大きくして2段目を重ねて形成し、以後7段目まで順次巻き径を大きくして重ねることで、ビードワイヤ1が5列7段に重ねられて束となり、断面が略四角形状のビードコア2が形成される(図1参照)。
タイヤの種類によっては、5列8段やその他のm列n段の組合せのビードコアも形成可能である。
【0028】
このビードワイヤ1が5列7段に重ねられた断面が略四角形状のビードコア2に巻き付け留める留め金具5を、図2に示す。
本留め金具5は、厚さtの帯板状の金属板であり、金型に押圧加工することにより、図2に示すように、予め屈曲した形状にしておく。
【0029】
留め金具5は、断面が略四角形状のビードコア2の4つの側面に対応する4つの側片5,5,5,5が基端部5aから先端部5bまで順次屈曲して連続して形成されている。
4つの側片5,5,5,5は、順次同方向に屈曲しており、側片5と側片5とは直角に屈曲し、側片5と側片5および側片5と側片5は鈍角に屈曲している。
そして、先端部5bは側片5に対して同方向内側に直角に屈曲しているが、基端部5aは側片5に対して反対方向外側に直角に屈曲している。
【0030】
留め金具5の側片5,5,5,5が、それぞれビードコア2の外周側面,一側面,内周側面,他側面に対応し、側片5,5,5はそれぞれビードコア2の外周側面,一側面,内周側面と略同じ相応の長さを有するが、側片5はビードコア2の他側面より長く、他側面に対応した部分より延長した先端部5bを含む延長部5eを有する。
基端部5aおよび先端部5bは、側片5,5,5より短尺である。
【0031】
図3にビードクリップ装置10の全体側面図を示す。
ビードクリップ装置10は、基台11が横長水平部11hの端部から上方に縦長垂直部11vが延出し、側面視で概ねL字状に形成されている。
この基台11の水平部11hの上に前後水平方向に摺動可能に水平摺動支持体12が設けられている。
なお、図3はビードクリップ装置10の右側面図とし、同図3の右側面視の紙面に対して垂直方向を左右方向とし、右方を前方、左方を後方とする。
【0032】
水平摺動支持体12を移動してビードコア2の段数に合わせて位置決めさせることができる段数調整機構15が設けられている。
すなわち、水平摺動支持体12には前後方向に指向して雌ねじ孔12sが穿孔されており、同雌ねじ孔12sにねじ棒16が後方から螺入され、ねじ棒16の後端の頭部16aに隣接する部分は水平部11hに固定される軸受部材17に回転自在に軸支されて段数調整機構15が構成されている。
【0033】
段数調整機構15は、ねじ棒16の軸受部材17より突出した頭部16aを回動操作することにより、ねじ棒16が一体に回転して、ねじ棒16が螺入する水平摺動支持体12を前後に移動して位置を調整することができる。
【0034】
右側面視で矩形をなす水平摺動支持体12は、下方に偏って前面12fから前方に突出して形成された突出支持部13を備えており、突出支持部13の上面13uと前面12fが直角に切り欠かれた角部を形成している。
この上面12uと前面12fで形成される角部の左側(図3の紙面の奥側)に偏って装着部位14が形成されている。
装着部位14は、下部が突出支持部13の上面13uに沿って前方斜め下に傾斜した案内傾斜面14sを伴って前方に延出して前面14fに至っている(図4参照)。
【0035】
突出支持部13を前面12fに沿って鉛直方向に貫通した鉛直貫通孔に四角柱状の第1巻付移動体21が上下に摺動自在に嵌挿され、第1巻付移動体21は水平摺動支持体12に一体に垂設支持された第1巻付エアシリンダ22から上方に突出したシリンダロッド23に固着されて第1巻付手段20が構成されている。
【0036】
第1巻付手段20は、第1巻付エアシリンダ22が駆動されることで、シリンダロッド23を介して第1巻付移動体21が上下に移動して突出支持部13の上面13uから出没する。
第1巻付移動体21が上方に突出するときは、水平摺動支持体12の前面12fと装着部位14の右側面に沿って移動する。
【0037】
四角柱状の第1巻付移動体21の前側面と上端面とでなす角部は斜めに欠損して面取りがなされている。
この突出支持部13の上面13uから突出する第1巻付移動体21の前面より概ね留め金具5の厚さt分前方位置に、装着部位14の下部前面14fは位置している。
【0038】
水平摺動支持体12における突出支持部13の上面13uより所定高さ上方に前後方向に貫通した水平貫通孔が穿孔され、同水平貫通孔に四角柱状の第2巻付移動体31が前後に摺動自在に嵌挿され、第2巻付移動体31は水平摺動支持体12の後面に一体に突設支持された第2巻付エアシリンダ32から前方に突出したシリンダロッド33に固着されて第2巻付手段30が構成されている。
【0039】
第2巻付手段30は、第2巻付エアシリンダ32が駆動されることで、シリンダロッド33を介して第2巻付移動体31が前後に移動して水平摺動支持体12の前面12fから出没する。
第2巻付移動体31が前方に突出するときは、突出支持部13の上面13uより所定高さ高い位置を移動する。
四角柱状の第2巻付移動体31の前端面と下側面とでなす角部は斜めに欠損して面取りがなされている。
【0040】
一方、基台11の縦長垂直部11vには、側面視で縦長矩形の固定支持体40が一体に形成されており、固定支持体40の下部は、後面40rに水平摺動支持体12の前方に突出した突出支持部13が食い込むような切欠き凹部40vが形成されている。
【0041】
固定支持体40における前記突出支持部13の上面13u(突出支持部13が食い込む切欠き凹部40vの天井面)より所定高さ上方で前記第2巻付移動体31より若干低い位置に前後方向に貫通した水平貫通孔が穿孔され、同水平貫通孔に四角柱状の先端曲げ移動体51が前後に摺動自在に嵌挿され、先端曲げ移動体51は固定支持体40の前面に一体に突設支持された先端曲げエアシリンダ52から後方に突出したシリンダロッド53に固着されて先端曲げ手段50が構成されている。
【0042】
先端曲げ手段50は、先端曲げエアシリンダ42が駆動されることで、シリンダロッド53を介して先端曲げ移動体51が前後に移動して固定支持体40の後面40rから出没する。
先端曲げ移動体51が固定支持体40の後面40rから突出するときは、突出支持部13の上面13uより所定高さ上方で第2巻付移動体31より若干低い位置を移動する。
四角柱状の先端曲げ移動体51は、上側面の後端側が切り欠かれて上下幅が小さくなった先端部51aが形成されており、先端部51aの上面は段部51dを有して階段状に形成されている。
【0043】
図4を参照して、水平摺動支持体12側の突出支持部13の上面13uと装着部位14の前面14fと固定支持体40側の後面40rとで側面視でコ字状の装着凹部45vが形成されて装着手段45が構成されている。
突出支持部13の上面13uと固定支持体40の後面40rには装着部位14と左右方向同じ位置に留め金具5の厚みt分の段部13udと段部40rdが形成されていて、装着手段45の装着凹部45vは突出支持部13の上面13uの段部13udに載せたビードコア2を前後から固定支持体40の後面40rの段部40rdと装着部位14の前面14fとが挟むようにしてビードコア2が嵌合され、その嵌合部より右に隣接して留め金具5が突出支持部13の上面13uと固定支持体40の後面40rとに当接して装着される。
【0044】
前記段数調整機構15により水平摺動支持体12が装着部位14とともに前後に移動するので、装着凹部45vの固定支持体40の後面40rの段部40rdと装着部位14の前面14fの間の前後幅は、段数調整機構15により変更調整することができる。
【0045】
円環状のビードコア2は、その中心軸を鉛直にして水平に倒した姿勢で、中心軸を装着凹部45vより後方に位置させて、所要部を装着凹部45vに上方から嵌合する。
したがって、段数調整機構15により装着凹部45vの前後幅(固定支持体40の後面40rの段部40rdと装着部位14の前面14fとの間の幅)をビードコア2の径方向幅に合せる。
【0046】
本ビードコア2はビードワイヤ1が5列7段に重ねられて束となっているので、段数調整機構15の装着部位14の前後位置調整により、該ビードコア2のビードワイヤ1が7段重ねられる径方向幅Dに装着凹部45vの前後幅を合せておく(図4,図5参照)。
【0047】
縦長矩形の固定支持体40には、装着凹部45vの前方内面(固定支持体40の段部40rdの後面)より所定間隔gだけ前方に寄った位置に鉛直方向に貫通した鉛直貫通孔が穿孔され、同鉛直貫通孔に四角柱状の折込移動体61が上下に摺動自在に嵌挿され、折込移動体61は固定支持体40に一体に立設支持された折込エアシリンダ62から下方に突出したシリンダロッド63に固着されて折込手段60が構成されている。
【0048】
この折込移動体61が摺動する鉛直貫通孔は、その後壁40wが第2巻付移動体31よりも幾らか高い位置から下方を欠損して形成されており、該鉛直貫通孔の下部は前記先端曲げ移動体51が移動する水平貫通孔と交差している。
【0049】
折込手段60は、折込エアシリンダ62が駆動されることで、シリンダロッド63を介して折込移動体61が装着凹部45vの前方内面より所定間隔gだけ前方に寄った位置を上下に移動して後壁40wの下端より下方に出没する。
なお、所定間隔gは、留め金具5の厚さtの4倍程の間隔である。
折込移動体61は、後壁40wの下端より突出して先端が先端曲げ移動体51が移動する水平貫通孔の下面に近接する位置まで移動することができる(図10参照)。
【0050】
折込移動体61は、概ね縦長の四角柱状をなすが、上端部に係止部61sが前方に突出して形成されている。
折込移動体61の後側面と下端面とでなす角部は斜めに欠損して面取りがなされている。
【0051】
縦長矩形の固定支持体40には、前後水平方向に移動する前記先端曲げ移動体51より上方所定位置に先端曲げ移動体51と平行に前後水平方向に移動する中間ストッパ部材71が、設けられている。
中間ストッパ部材71も固定支持体40に穿孔された水平貫通孔に嵌挿されて、固定支持体40の前面に一体に突設支持されたストッパエアシリンダ72から後方に突出したシリンダロッド73に固着されて中間ストッパ手段70が構成されている。
【0052】
中間ストッパ部材71が前後に摺動する水平貫通孔の後端部は、折込移動体61が上下に摺動する垂直貫通孔に交差している。
中間ストッパ部材71は、四角柱状をなし、上側面の後端側が切り欠かれて上下幅が小さくなった先端部71sが形成されている。
【0053】
中間ストッパ手段70は、ストッパエアシリンダ72が駆動され、シリンダロッド73を介して中間ストッパ部材71が後方に移動すると、中間ストッパ部材71の先端部71sが折込移動体61の前側面に当接し、この状態で折込移動体61が下方に移動すると、折込移動体61の係止部61sが中間ストッパ部材71の先端部71sに当接して、折込移動体61の下降が所定の中間高さで規制される(図8参照)。
【0054】
以上の第1巻付エアシリンダ22,第2巻付エアシリンダ32,先端曲げエアシリンダ52,ストッパエアシリンダ72,折込エアシリンダ62の5つのエアシリンダは、図示されない制御装置により自動制御され、逐次第1巻付移動体21,第2巻付移動体31,先端曲げ移動体51,中間ストッパ部材71,折込移動体61が移動してビードクリップ作業が自動的になされる。
【0055】
本ビードクリップ装置10は、概ね以上のように構成されており、図4から図10の各図に従ってビードコア2に留め金具5を巻付けハゼ折りして留めビードクリップする作業工程を、以下説明する。
【0056】
ビードコア2は、図1に示すように、ビードワイヤ1を5列7段に重ねて束にしたものであり、留め金具5は、図2に示すように、予め屈曲しておく。
そして、図4に示すように、段数調整機構15の装着部位14の前後位置調整により、該ビードコア2のビードワイヤ1が7段重ねられる径方向幅Dに装着凹部45vの前後幅を合せておく。
なお、第1巻付移動体21,第2巻付移動体31,先端曲げ移動体51,折込移動体61,中間ストッパ部材71は、いずれも退避状態にある。
【0057】
図5に示す装着工程では、円環状のビードコア2を水平に倒し、その中心軸を装着凹部45vより後方に位置させて、一部分を装着凹部45vに上方から嵌合する。
その際、ビードコア2の嵌合部に隣接した所要部分に、留め金具5の側片5をビードコア2の外周側面に側片5をビードコア2の下側面に当接した状態で留め金具5に隣接した部分を装着凹部45vに嵌合する。
すると、留め金具5の側片5の下半部が固定支持体40の後面40rに当接し、留め金具5の側片5が突出支持部13の上面13uに当接し、側片5と側片5の屈曲部が第1巻付移動体21の前側面の延長面に位置し、側片5が水平摺動支持体12の前面12fに接している(図5参照)。
【0058】
次に、図6に示す第1巻付工程では、第1巻付エアシリンダ22を駆動して第1巻付移動体21をビードコア2の内周側面に沿って上方に移動する。
第1巻付移動体21の先端(上端)が、面取りされた角部を用いて、留め金具5の側片5を側片5に対して直角に曲げ、ビードコア2の内周側面に沿って押圧して巻き付ける。
【0059】
次に、図7に示す第2巻付工程では、第2巻付エアシリンダ32を駆動して第2巻付移動体31をビードコア2の上側面に沿って前方に移動する。
第2巻付移動体31の先端(前端)が、第1巻付移動体21の上端の上を通過して、先端の面取りされた角部を用いて、留め金具5の側片5を側片5に対して直角に曲げ、ビードコア2の上側面に沿って押圧して巻き付ける。
こうして、ビードコア2への留め金具5の巻付工程を終了する。
【0060】
次に、先端曲げ工程の準備工程として、図8に示すように、ストッパエアシリンダ72を駆動して中間ストッパ部材71を後方に移動して中間ストッパ部材71の先端部71sを折込移動体61の前側面に当接し、次いで、折込エアシリンダ62を駆動して折込移動体61を下降し、折込移動体61の係止部61sが中間ストッパ部材71の先端部71sに当接して折込移動体61の下降が停止すると、折込移動体61の下端面が留め金具5の側片5のビードコア2の上側面に巻付いた部分より延長した延長部5eの上面に近接または当接して延長部5eの上方を押さえる。
【0061】
このような図8に示す状態で、先端曲げ工程に入る。
図9に示す先端曲げ工程では、先端曲げエアシリンダ52を駆動して先端曲げ移動体51を後方に移動する。
先端曲げ移動体51の先端部51aが、留め金具5の下方に垂下した先端部5bを後方に屈曲して、基端部5aに重ね合わせ、さらに先端曲げ移動体51の先端部51aの段部51dが留め金具5の先端部5bの屈曲部を折込移動体61との間で挟みつけて、留め金具5の基端部5aを上側の延長部5eと下側の先端部5bとで挟圧して、留め金具5のビードコア2への巻付け部分から突出したハゼ折り部5hを形成する。
【0062】
なお、先端曲げ移動体51は後端の切り欠かれた側面が折込移動体61に当接して移動は停止する。
ハゼ折り部5hの長さhは、ビードコア2の外周側面の長さの20〜50%の長さを有する(図9参照)。
【0063】
次に、図10に示す折込工程では、先端曲げ移動体51と中間ストッパ部材71を退避させ、折込エアシリンダ62を駆動して折込移動体61を留め金具5の上側の延長部5eに当接していた位置からさらに下降する。
折込移動体61は、ビードコア2の外周側面に沿って、外周側面から留め金具5の厚さtの4倍程ある所定間隔gを存して下降するので、折込移動体61の先端(下端)が面取りされた角部を用いて、留め金具5の延長部5eおよび基端部5aを曲げ、ハゼ折り部5hをビードコア2の外周側面に沿って押圧して折り込んでハゼ折りを完成する。
【0064】
このようにしてビードワーヤ1の束であるビードコア2に留め金具5を巻き付け、ハゼ折りをして大きな締付力により締付け留めることができる。
ビードクリップの締付力が弱いと、ビードワイヤ1どうしの間に隙間ができやすいので、ハゼ折りによる大きな締付力により締付け留めることで、ビードワイヤ1,1間の隙間を抑えることができる。
図11に、ビードコア2に留め金具5を巻き付けハゼ折りして留めた状態(ビードクリップ状態)を示す一部断面とした要部斜視図を示す。
【0065】
図11に示すように、円環状をなすビードコア2に巻付いた留め金具5は、ハゼ折り部5hをビードコア2の外周側面側に形成する。
ハゼ折り部5hの長さhがビードコア2の外周側面の長さの20〜50%の長さを有するので、ハゼ折り部5hはビードコア2の外周側面に小さく収まって折込まれている。
【0066】
タイヤを構成するときに、カーカスはビードコア2の内周側を巻き込むようにして巻き付けられるので、ビードコア2の外周側に形成されるハゼ折り部5hはカーカスを巻き付け時に空隙を発生させることがなく、そのハゼ折り部5hの突出が小さいこともあって、タイヤの構成に影響を与えない。
【0067】
以上のビードクリップは、円環状をしたビードコア2の周上の5〜27か所で行い、ビードコア2の周上を複数の留め金具5により留める。
【0068】
以上のように、本ビードクリップ装置10は、ビードコア2の所要部分の2側面に留め金具5の屈曲した側片5,5を当接して装着凹部45vに嵌合した装着工程の後、第1巻付エアシリンダ22,第2巻付エアシリンダ32,先端曲げエアシリンダ52,ストッパエアシリンダ72,折込エアシリンダ62の5つのエアシリンダを自動制御し、第1巻付移動体21と第2巻付移動体31を順次移動することで留め金具5を順次曲げビードコア2に巻き付け(巻付工程)、中間ストッパ部材71を移動した後に折込移動体61を中間高さまで下降した状態で、先端曲げ移動体51を移動することで、留め金具5の先端部5bを屈曲して基端部5aに重ね合わせてハゼ折り部5hを形成し(先端曲げ工程)、先端曲げ移動体51と中間ストッパ部材71を退避させた状態で、折込移動体61をさらに下降することで、ハゼ折り部5hをビードコア2の外周側面に折り込んでハゼ折りを完成する(折込工程)。
【0069】
したがって、本ビードクリップ装置10は、装着工程後、第1巻付エアシリンダ22,第2巻付エアシリンダ32,先端曲げエアシリンダ52,ストッパエアシリンダ72,折込エアシリンダ62の5つのエアシリンダを自動制御することで、各移動体が移動するだけの簡単な作業である巻付工程,先端曲げ工程,折込工程が順次なされて、ビードコア2への留め金具5の巻き付けおよびハゼ折りによる留めが実行されるので、ビードクリップがハゼ折りによる大きな締付力により確実になされるとともに、作業時間と労力を大幅に削減することができる。
ビードクリップが人の作業によるのではなく自動的になされるので、品質のバラツキも排除できる。
【0070】
留め金具5を移動により曲げる第1巻付移動体21,第2巻付移動体31,先端曲げ移動体51,折込移動体61は、留め金具5に作用する角部を面取りしているので、留め金具5の表面を傷つけることなく、留め金具5を円滑に曲げビードコア2の側面に押圧することができる。
【0071】
以上の実施例では、ビードワイヤ1が5列7段に重ねられて束となったビードコア2に留め金具5を留める例であったが、その他のm列n段の組合せのビードコアにも適用可能であり、ビードワイヤ1が5列8段に重ねられたビードコア82に適用した例を図12に示す。
【0072】
いま、ビードクリップ装置10が上記実施例の5列7段の組合せのビードコア2に合わせて設定されているとすると、段数調整機構15のねじ棒16を回転して水平摺動支持体12を後方に移動する。
移動する量は、ビードワイヤ1の1段分すなわちビードワイヤ1の厚さ分である。
【0073】
すると、ビードコア82が装着される装着凹部45vの前後幅Dは、ビードワイヤ1の1段分拡大しているので、図12に示すように、留め金具85を当接したままビードコア82を装着凹部45vに嵌合することができる。
留め金具85は、ビードコア82に相応した屈曲形状のものを用いる。
【0074】
本ビードクリップ装置10を異形ビードワインダに搭載し、ビードワイヤ1を円環状に複数回巻き取った後に、そのままビードクリップ作業に自動的に入るようにすることで、生産性の高いシステムを実現することができる。
【0075】
なお、異形ビードに限らず通常のビードワイヤで断面が多角形状のビードコアも本発明に適用することが可能である。
断面が四角形状以外の多角形状のビードコアの場合、巻付手段の数を増減すれば適用できるが、あまり角数の多い多角形状のビードコアは、配置スペースの問題で実現が困難であると思われる。
【符号の説明】
【0076】
1…ビードワイヤ、2…ビードコア、5…留め金具、
10…ビードクリップ装置、11…基台、12…水平摺動支持体、13…突出支持部、14…装着部位、15…段数調整機構、16…ねじ棒、17…軸受部材、
20…第1巻付手段、21…第1巻付移動体、22…第1巻付エアシリンダ、23…シリンダロッド、
30…第2巻付手段、31…第2巻付移動体、32…第2巻付エアシリンダ、33…シリンダロッド、
40…固定支持体、45…装着手段、45v…装着凹部、
50…先端曲げ手段、51…先端曲げ移動体、52…先端曲げエアシリンダ、53…シリンダロッド、
60…折込手段、61…折込移動体、62…折込エアシリンダ、63…シリンダロッド、
70…中間ストッパ手段、71…中間ストッパ部材、72…ストッパエアシリンダ、73…シリンダロッド、
82…ビードコア、85…留め金具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビードワイヤを円環状に複数回巻いて多角形の断面形状のビードコアが形成されたビードワイヤの束をその周上の少なくとも1か所で帯板状の留め金具を巻き付けて留めるビードクリップ方法であって、
前記ビードコアの所要部分の少なくとも1側面に、前記留め金具の屈曲した基端部に隣接した所定内側面を当接して固定する装着工程と、
前記ビードコアの各側面に沿って移動する各巻付移動体を順次移動することにより、前記留め金具を順次曲げ前記ビードコアの各側面に沿って押圧して前記ビードコアの全側面に、屈曲した先端部を含む延長部を残して巻き付ける巻付工程と、
前記留め金具の前記先端部に対向して移動する先端曲げ移動体を移動することにより、前記留め金具の前記先端部を屈曲して前記基端部に重ね合わせハゼ折り部を形成する先端曲げ工程と、
前記ビードコアの1側面に沿って所定間隔を存して移動する折込移動体を移動することにより、前記留め金具の前記延長部と前記基端部を曲げ前記ハゼ折り部を前記ビードコアの側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなす折込工程と、
を備えることを特徴とするビードクリップ方法。
【請求項2】
前記先端曲げ工程では、前記折込移動体が前記留め金具の前記延長部に近接または当接するまで移動した状態で、前記先端曲げ移動体を移動してハゼ折り部を形成し、
前記折込工程では、前記先端曲げ移動体を退避した後に、前記折込移動体を移動してハゼ折りをなすことを特徴とする請求項1記載のビードクリップ方法。
【請求項3】
前記ビードコアは、断面形状が四角形状をなし、
前記装着工程では、前記ビードコアの所要部分の隣合う2側面に、前記留め金具の互いに屈曲した2内側面を当接し、
前記巻付工程では、前記ビードコアの他の2側面に沿ってそれぞれ移動する第1巻付移動体と第2巻付移動体を順次移動することにより、前記留め金具を、順次曲げ前記ビードコアの他の2側面に沿って押圧することを特徴とする請求項1または請求項2記載のビードクリップ方法。
【請求項4】
前記ハゼ折り部は、同ハゼ折り部が押圧されて折込まれる前記ビードコアの側面の長さの20〜50%の長さを有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの項記載のビードクリップ方法。
【請求項5】
ビードワイヤを円環状に複数回巻いて多角形の断面形状のビードコアが形成されたビードワイヤの束をその周上の少なくとも1か所で帯板状の留め金具を巻き付けて留めるビードクリップ装置であって、
前記ビードコアの所要部分の少なくとも1側面に、前記留め金具の屈曲した基端部に隣接した所定内側面を当接して固定する装着手段と、
前記ビードコアの各側面に沿って移動する各巻付移動体を順次移動させて、前記留め金具を順次曲げ前記ビードコアの各側面に沿って押圧して前記ビードコアの全側面に、屈曲した先端部を含む延長部を残して巻き付ける巻付手段と、
前記留め金具の前記先端部に対向して移動する先端曲げ移動体を移動させて、前記留め金具の前記先端部を屈曲して前記基端部に重ね合わせハゼ折り部を形成する先端曲げ手段と、
前記ビードコアの1側面に沿って所定間隔を存して移動する折込移動体を移動させて、前記留め金具の前記延長部と前記基端部を曲げ前記ハゼ折り部を前記ビードコアの側面に沿って押圧して折込みハゼ折りをなす折込手段と、
を備えることを特徴とするビードクリップ装置。
【請求項6】
前記巻付移動体、前記先端曲げ移動体および前記折込移動体は、角柱状となし、前記留め金具を曲げる角部が面取りされていることを特徴とする請求項5記載のビードクリップ装置。
【請求項7】
前記ビードコアの側面に沿って移動する前記折込移動体の前記所定間隔は、前記ビードコアの側面に沿って移動する前記巻付移動体が前記ビードコアの該側面となす間隔よりも大きいことを特徴とする請求項5または請求項6記載のビードクリップ装置。
【請求項8】
前記ビードコアは、断面形状が四角形状をなし、
前記装着手段では、前記ビードコアの所要部分の隣合う2側面に、前記留め金具の互いに屈曲した2内側面を当接して固定するものであり、
前記巻付手段では、前記ビードコアの他の2側面に沿ってそれぞれ移動する第1巻付移動体と第2巻付移動体を順次移動することにより、前記留め金具を順次曲げ前記ビードコアの他の2側面に沿って押圧するものであることを特徴とする請求項5ないしは請求項7のいずれかの項記載のビードクリップ装置。
【請求項9】
前記先端曲げ手段と前記折込手段に対して前記巻付手段とともに前記装着手段を前記第2巻付移動体の移動する方向に進退させて、前記ビードコアの重ねられたビードワイヤの段数に応じて前記折込手段に対する前記装着手段の位置を調整する段数調整手段を備えることを特徴とする請求項8記載のビードクリップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−56485(P2013−56485A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−196625(P2011−196625)
【出願日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】