説明

ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法と装置

【課題】 ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法と装置を提供する。
【解決手段】 ビーム形成のための必要なチャネル状態情報を取得する方法は、受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定し、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測し、現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込み、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定し、発信機にフィードバック情報を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本発明は、一般に無線通信分野に関し、特に、ビーム形成のための必要なチャネル状態情報を取得する方法と装置及びビーム形成を実行する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
多入力1出力(Multiple-Input Single-Output(MISO))システムにおいて、ビーム形成は、フェージングチャネルにおけるダイバーシチ利得(diversity
gain)とアレイ利得(array gain)の両方を供給する効率的な技術である。一般に、ビーム形成は、発信機と受信機の間のチャネル状態情報を利用することにより、発信機側で実行される。
【0003】
周波数分割合併法(FDD)と時分割合併法(TDD)システムの両方のために、発信機側でのチャネル状態情報は、発信機と受信機の両方でのプロトコル・オーバヘッドとベースバンド処理に要する時間のために、常に遅延を引き起こす。よって、FDDとTDDシステムの両方において、発信機のために正確なチャネル状態情報を提供することが必要となる。
【0004】
T. InoueとR. W. Heath, Jr.による「Grassmannian
predictive coding for delayed limited feedback MIMO systems」(Proc. 47th
Allerton Conf. Commun., Contr., Comput. Sep.30-Oct. 2, 2009, pp. 783-788参考)と題された論文(非特許文献1)は、発信機と受信機がフィードバック最適化ステップサイズで現在と以前のチャネル状態情報を用いることにより、それぞれでチャネル状態情報を予測する方法を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】T. Inoue and R. W. Heath, Jr. “Grassmannian predictive coding for delayedlimited feedback MIMO systems” (see Proc. 47th Allerton Conf. Commun.,Contr., Comput. Sep.30-Oct. 2,2009, pp. 783-788)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、非特許文献1記載の方法は以下の問題を含んでいる。
【0007】
1.端末が比較的高速で移動する場合には適用することができない。
【0008】
2.1フィードバック周期後のチャネル状態情報を予測できるだけである。すなわち、1ステップの予測である。
【0009】
3.最適化ステップサイズの選択に依存する。受信機は、双方における最適化ステップサイズの同期を保証するために発信機へ決定した最適化ステップサイズを供給する必要があり、かつ、チャネル状態予測は発信機と受信機の双方で必要である。よって、実現のために複雑な構成が必要となる。
【0010】
4.発信機と受信機がそれぞれの始発状態を必要とする。
それらの始発状態はアルゴリズムの収束について一定の影響を及ぼし、システム不安定を引き起こす場合がある。
【0011】
従って、既存の方法に比べて、より広範に応用することができ、より高精度でかつ高い安定性を有し、余り複雑でない、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法とビーム形成を実行する方法が必要となっている。
【0012】
本発明は、関連技術における上記問題を考慮し、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法と装置、及びビーム形成を実行する方法と装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の形態による、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法は、受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定するステップと、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測するステップと、現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップと、発信機にフィードバック情報を送信するステップとを含む。
【0014】
本発明の第2の形態による、ビーム形成を実行する方法は、受信機からフィードバック情報を受信するステップと、先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップと、再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するステップとを含む。
【0015】
本発明の第3の形態による、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する受信機は、受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定する推定装置と、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測する予測装置と、現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む読込装置と、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するフィードバック情報決定装置と、発信機にフィードバック情報を送信する送信装置とを備える。
【0016】
本発明の第4の形態による、ビーム形成を実行する送信機は、受信機からフィードバック情報を受信する受信装置と、先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む読込装置と、フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成する再構成装置と、再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するビーム形成装置とを備える。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0018】
1.端末が比較的高速で移動する場合にも適用することができ、またより低いオーバヘッドを有する。
【0019】
2.チャネル状態予測は、発信機で必要でなく、受信機でのみ必要となる。従って、発信機と受信機の設計を互いに切り離すことができ、実現のための複雑度が低下する。
【0020】
3.予測の具体的な実施によって、予測ステップはフィードバック周期の倍数又は数分の1に設定され、1フィードバック周期に制限されない。
【0021】
4.再初期化手順を導入することにより、予測されたチャネル状態情報が実際のチャネルと著しく相違する場合に、フィードバック偏差が増加しないことが保証される。その結果、システムがより高い信頼度を有する。
【0022】
5.本発明の方法は、チャネルの特定の時間的関連性に依存しないので、より広く応用することが可能となる。
【0023】
更に、本発明の方法は、多入力1出力(Multiple-Input Single-Output (MISO))システムだけでなく、多入力多出力(Multiple-Input
Multiple-Output(MIMO))システムにも適用することが可能である。
【0024】
本発明の他の特徴と利点は、図面と併せて、本発明の好ましい実施の形態の以下の説明からより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
添付図面を参照した以下の説明によって、本発明の全体的な理解と共に、本発明の他の目的並びに効果がより明らかとなりかつ容易に理解されるであろう。
【図1】本発明の一実施の形態による、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法を説明するフローチャートである。
【図2】本発明の他の実施の形態による、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施の形態による、ビーム形成を実行する方法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の他の実施の形態による、ビーム形成を実行する方法を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態による、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する受信機と、ビーム形成を実行する発信機の構成を示すブロック図である。 添付図面において、共通の参照符号は、類似あるいは対応する特徴あるいは機能を示している。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明についてより詳細な解釈と説明を行う。本発明の添付図と実施の形態はあくまで例示であり、本発明の保護範囲を制限するものではないことに留意すべきである。
【0027】
説明を分かり易くするために、まず、本発明において用いられる用語について説明する。
【0028】
1.チャンネル状態情報
【0029】
チャネル状態情報は、受信機と発信機の間のチャネル状態に関する情報である。例えば、チャネル状態情報は、チャネル方向情報、チャネルによって転送された信号強度等である。
チャネル方向情報は、例えば、チャネル行列のメイン特異値(main singular value)に対応する右特異ベクトル(right singular vector)である。チャネル状態情報はベクトルとして表わすことが可能である。
【0030】
2.現在のチャネル状態情報
【0031】
現時点が時点Kであると仮定すると、現在のチャネル状態情報は、現時点で発信機から受信機によって受信された信号に従ってチャネル状態を推測することで得られる結果である。
【0032】
3.履歴チャネル状態情報
【0033】
現時点が時点Kであると仮定すると、履歴チャネル状態情報は、時点K-1, K-2, . . . ,K-N(ここで、N<K)で推定された1以上のチャネル状態情報を含む。
すなわち、履歴チャネル状態情報は、以前の時点で推定されたチャネル状態情報の集合である。
【0034】
4.将来のチャネル状態情報
【0035】
将来のチャネル状態情報は、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて受信機によって予測されるチャネル状態情報である。
受信機は、次のビーム形成(すなわち、発信機による時点K+1でのビーム形成)において、予測されたチャネル状態情報を発信機が用いることを予期する。
【0036】
5.以前のチャネル状態情報
【0037】
以前のチャネル状態情報は、現時点(すなわち、時点K)でのビーム形成において発信機によって用いられるチャネル状態情報である。
以前のチャネル状態情報は、時点K−1で発信機と発信機の両方で、メモリ或いはアクセス可能な媒体(例えば、磁気ディスク、フレキシブルディスク、CD、フラッシュ・メモリーあるいは当業者にとって想定できるその他の媒体)に格納される。
【0038】
本発明は、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法を開示する。この方法は、受信機によって実現され、具体的には、受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定するステップと、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測するステップと、現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップと、発信機にフィードバック情報を送信するステップを含む。
【0039】
本発明はさらにビーム形成を実行する方法を開示する。この方法は、送信機によって実現され、具体的には、受信機からフィードバック情報を受信するステップと、先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップと、再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するステップを含む。
【0040】
本発明の上記2つの方法によれば、発信機が、ビーム形成の後に通信チャンネル上の受信機にデータ信号を送信している間に、受信機が、発信機から受信した信号から、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期されるチャネル状態情報を予測し、発信機にフィードバック・チャネルを通してフィードバック情報を送信する。その後、発信機は、フィードバック情報に基づいて、受信機によって予測されたチャネル状態情報を再構成し、次のビーム形成において再構成したチャネル状態情報を用いる。その結果、次のビーム形成において用いられるチャネル状態情報は実際のチャネルに非常に近くなり、信号の送信が改善される。よって、本発明の方法によれば、受信機から発信機へのフィードバック処理が、関連技術に比べて、より効率的でかつ余り複雑ではなく、高精度なビーム形成にとってより有効である。
【0041】
本発明において、フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再現する手順は、予め定義されたコードブックを用いて実現することが可能である。この予め定義されたコードブックは、フィードバック処理を修正するための予め定義された修正コードブックあるいはフィードバック処理を再初期化するための初期コードブックである。もちろん、当業者であれば、いくつかの既知のコードブック設計あるいは既存の知識に基づいて予め定義されたコードブックを設計することが可能である。予め定義されたコードブックは、固定コードブックあるいは可変コードブックである。
【0042】
予め定義されたコードブックが可変コードブックであることは、1つのフィードバックのために、発信機と受信機が同じ修正コードブックを用いなければならないことを意味する。例えば、ランダムベクトル量子化(RVQ)コードブックは、同じ疑似乱数発生器(pseudo random number generator)と同じ初期状態に基づいて構築される。異なるフィードバックについては、予め定義されたコードブックは、必ずしも固定不変である必要はなく、発信機と受信機の間で予め取りきめられた所定のルールに基づいて、同調して動的に更新することが可能である。
【0043】
そのような可変の予め定義されたコードブックが用いられる時、1つのフィードバック内の一致において受信機と発信機での予め定義されたコードブックを維持する必要がある、それにより、フィードバック情報が、1つのフィードバック内の発信機と受信機の両方のための同じ意味であることが保証される。
【0044】
以下、図1と図2においてそれぞれ示される実施の形態は、受信機によって、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法を示している。また、図3と図4においてそれぞれ示される実施の形態は、ビーム形成を実行する方法を示している。
その後、図5を参照して、受信機と発信機を有する通信システムと、受信機と発信機の構造について説明する。
【0045】
図1は、本発明の1実施の形態によるビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法を示すフローチャートである。
図1に示す実施の形態において、受信機は、以下のフィードバック修正処理を通してフィードバック信号を決定する。
まず、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行することにより修正情報を取得する。その後、修正インデックスを取得するため、取得した修正情報を予め定義された修正コードブックに基づいて量子化する;最後に、取得した修正インデックスを、送信するためのフィードバック情報として決定する。
図1に示す実施の形態の具体的なステップについて以下に説明する。
【0046】
ステップ101において、現在のチャネル状態情報を、受信した信号に基づいて推定する。
【0047】
本発明の通信システムにおいて、発信機は、ビーム形成の後に通信チャンネルを通じて受信機に信号を送信する。
受信機は、通信チャンネルから受信した信号中のパイロット系列、参照信号あるいはトレーニング系列を用いてチャネル係数行列を推定することにより、現在のチャネル方向情報の推定を得る。
チャネル係数行列を推定する方法としては、最小平均二乗誤差(MMSE:minimum mean square error)評価、最小二乗(LS:least square)評価、再帰的最小二乗(RLS:recursive least square)評価等がある。
【0048】
この実施の形態において、現時点が時点Kであると仮定すると、受信機は、時点Kに対応する推定された現在のチャネル状態情報をメモリに格納する。
時点Kの前の時点1,2,・・・,K−1に対応するチャンネル状態情報も、同様にメモリに格納される。
本発明において、メモリに格納される時点1,2,・・・,K−1に最初に対応するチャネル状態情報が履歴チャネル状態情報となる。
【0049】
ステップ102において、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて予測する。
【0050】
先行技術において、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて将来のチャネル状態情報を予測するのに様々な方法が存在する。例えば、Wienerフィルタリングに基づく最小平均二乗誤差(MMSE)予測、Kalmanフィルタリングに基づく予測、再帰的最小二乗(RLS)に基づく予測、可微分のRiemannian多様体の上端接弧ベクトル(Riemannian
manifold upper-tangent vector)並列移動(parallel
transport)に基づく測地線予測(geodesic prediction)等がある。
【0051】
受信機によって予測から取得された将来のチャネル状態情報は、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期されるチャネル状態情報である。その結果、時点K+1でのビーム形成において発信機によって用いられるパラメータは、実際のチャネル状態により一層一致し、高い精度を有する。
【0052】
ステップ103において、現在のビーム形成において発信機によって用いられる以前のチャネル状態情報を読み込む。
【0053】
以前のチャネル状態情報は、時点K−1で受信したデータに従って、ステップ102において受信機によって予測され、発信機による現在のビーム形成において用いられると受信機によって予期されたチャネル状態情報である。
以前のチャネル状態情報の予測の後、それは受信機のメモリに格納され、それによりメモリに格納された以前に予測されたチャネル状態情報を更新する。
【0054】
従って、ステップ103においてメモリから以前のチャネル状態情報を読み込むことが可能となる。この以前のチャネル状態情報は、現在のビーム形成において発信機によって用いられるチャネル状態情報である。
本発明は量子化誤差と送信誤差について詳しくは説明しないが、本発明の理解を容易にするため、当業者にとって周知でありかつ本発明の実現に必須である幾つかの技術事項を省略することに留意すべきである。
【0055】
ステップ104において、修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する。
【0056】
本発明において、概念「差分演算」は、単に減算を意味するのではなく、差分演算を実行する必要のある2つのオブジェクト間の差を表す。
例として、差分演算の3つの具体例を以下に示す。
当業者が、ここで開示された具体例に限定されることなく、先行技術と周知の事項に基づいて何らかの適切な方法を用いることにより差分演算を実行することが可能であることに留意されたい。
【0057】
xとyが将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報をそれぞれ表わす2つのベクトルであると仮定すると(ここで、x, y∈CM)、xとyの間の差は、(1)−(3)の何れか1つとして定義される。
【0058】
(1)M次元複素ベクトル空間において定義される差:
【0059】
z=y−x、ここで、z∈CM
【0060】
(2)ベクトルxからベクトルyへのHouseholder反射行列
【0061】
【数1】

ここで、u=x-y
【0062】
(3)M次元可微分Riemannian多様体上のベクトルxから測地線に沿ったベクトルyへの接ベクトル
【0063】
【数2】

ここで、
【数3】

【0064】
ここで、
【0065】
x とyは、差分演算が実行されるベクトルである。
【0066】
z、H、eは、それぞれ上記3つの差分演算の結果である。
【0067】
Iは、単位行列を表す。
【0068】
CMは、M次元の複素のベクトル空間を表す。
【0069】
UM×Mは、全M次元ユニタリー行列の集合を表す。
【0070】
(・)Tは、行列/ベクトルの置換を表わす。
【0071】
(・)H は、行列/ベクトルの共役置換を表わす。
【0072】
上述の差分演算を通して、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいて修正情報が取得される。
【0073】
ステップ105において、修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて修正情報を量子化する。
【0074】
本発明において、修正コードブックは予め定義されている。
例えば、当業者によっていくつかの既知のコードブック設計あるいは既存の知識に基づいて修正情報の量子化に関する修正コードブックが設計される。
【0075】
本発明の方法を実行する前に、発信機と受信機の双方とも全く同じ予め定義された修正コードブックを保存する。すなわち、発信機と受信機は同じ修正コードブックが予め知得している。
このように、受信機が、修正コードブックに基づいて修正情報を量子化して修正インデックスを取得した後、発信機は、同じ予め定義された修正コードブックに基づいて修正インデックスを逆量子化し、修正情報を取得する。
【0076】
本実施の形態において、修正インデックスを取得するために修正情報を量子化することは、予め定義された修正コードブックから修正情報に対応するコードワードを決定し、その後、コードワードのインデックスを修正インデックスとして決定することにより実行される。
さらに、量子化処理も、当業者にとって周知の方法で実行される。
【0077】
ステップ104と105を通して、フィードバック情報を、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいて決定することが可能である。
【0078】
ステップ106において、修正インデックスをフィードバック情報として発信機に送信する。
【0079】
さらに、受信機は、修正インデックスに基づいて修正情報を取得し、修正情報と以前のチャネル状態情報を用いることにより、将来のチャネル状態情報を再構成し、再構成した将来のチャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新する。
この点に関して、図2のステップ215〜217が好ましい実例を示す。
【0080】
図2は、本発明の他の実施の形態によるビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法のフローチャートである。
図2に示す実施の形態においては、実際のチャネルにより一致するチャネル状態情報を取得するため、偏差修正処理がフィードバック情報の決定に導入される。
特に、この実施の形態において、差分演算は、偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について実行される。そして、偏差情報が所定の閾値を越える場合に再初期化が実行される。
よって、現在予測されたチャネル方向が、受信した信号に従って予測された現在のチャネル状態情報に関して非常に不正確か、或いは著しく実際のチャネル状態から外れる時、受信機は、取得した偏差情報に従って偏差程度を判断し、タイミング良く修正を実行しより大きな予測誤差を回避する。
【0081】
受信機が、取得した偏差情報が所定の閾値を越えていると判定すると、再初期化要求を発信機に送信する。
発信機から再初期化の確認応答を受信した後、予め定義された初期化コードブックに基づいて現在のチャネル状態情報を量子化する。
量子化で取得した再初期化インデックスを、フィードバック情報として決定する。
このような再初期化が完了した後、発信機に送信されたフィードバック情報がリセットされる。すなわち、より大きな誤差から実際の状況に近づくために修正される。その結果、発信機が次のビーム形成を実行するのに有効となる。
さらに、受信機は、再初期化インデックスに基づいて再初期化チャネル状態情報を決定し、その再初期化チャネル状態情報で前のチャネル状態情報を更新する。
【0082】
受信機が、取得した偏差情報が所定の閾値を越えないと判定すると、図1の実施の形態のように修正インデックスが決定され、その修正インデックスがフィードバック情報として決定される。
【0083】
図2に図示した実施の形態のステップについて以下に説明する。
【0084】
ステップ201において、現在のチャネル状態情報を、受信した信号に基づいて推定する。
【0085】
ステップ202において、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて予測する。
【0086】
ステップ203において、現在のビーム形成において発信機によって用いられる以前のチャネル状態情報を読み込む。
【0087】
ステップ201〜203は、図1に示した実施の形態におけるステップ101〜103と類似している。従って、ここでは詳細に述べない。
【0088】
ステップ204において、偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する。
【0089】
図1に図示した実施の形態のステップ104は、「差分演算」の3つの具体例を提供する。
ステップ204において、差分演算は実行されるけれども、ステップ204は、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算が実行される点でステップ104と相違する。
【0090】
1つの実施例において、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報(x及びyと仮定)の間の差が、上述した「差分演算」(1)−(3)のいずれか1つに基づいて取得されるならば、xとyの間の偏差情報εは、以下の方法(1)−(3)のいずれか1つによって計算される。
(1)||z||
(2)||H-I||F
(3)||e||
【0091】
(1)と(3)におけるベクトルのノルムは、ベクトルの2−ノルム(2-norm)に限定されない。
【0092】
(1)−(3)における偏差情報の計算は、ステップ104における具体例(1)−(3)における差分演算にそれぞれ対応していることに留意すべきである。
【0093】
他の実施例においては、xiとyiの間の「差」が計算され、ここで、I∈In,P={n,
n-1,..., n-P})、{xi}i∈In,p と {yi}i∈In,p の間のP階偏差情報がステップ204において得られる偏差情報として取得される。
P階偏差情報を計算する3つの好ましい例を以下に示す。
【0094】
(1)
【数4】

ここで、
【数5】

εiは、xi
とyi.の偏差情報である。
【0095】
(2)
【数6】

ここで、τi は、予め設定された閾値、I(A)は,イベントAの指示関数 εi は、xi とyi.の偏差情報である。
【0096】
(3)
【数7】

ここで、
【数8】

【0097】
ここで、
【0098】
Nは、自然数の範囲を表わす。
【0099】
Rは、実数の範囲を表わす。
【0100】
det Sは、行列Sの行列式を表わす。
【0101】
tr Sは、行列Sの軌跡を表わす。
【0102】
||x|| は、ベクトルxのノルム(norm)を表わし、別段の定めがない限り、ベクトルの2−ノルムを示す。
【0103】
||x||F は、行列Xのフロベニウスノルム(Frobenius norm)を表わす。
【0104】
当業者であれば、ここで示した例に制限されず、既知の他の方法を用い、差分演算に対応する方法で偏差情報を計算することが可能であることに留意すべきである。
【0105】
ステップ205において、偏差情報が所定の閾値を越えるかどうかを判断する。
【0106】
所定の閾値は、先行技術あるいは既存の知識に基づいて当業者が予め設定することが可能である。
【0107】
偏差情報が所定の閾値を越える場合、処理の流れはステップ206へ進む。そうでなければ、処理の流れはフィードバック修正処理のためのステップ212へ進む。
【0108】
ステップ206において、再初期化要求を発信機に送信する。
【0109】
ステップ207において、再初期化の確認応答を発信機から受信しているかどうかを判定する。
【0110】
受信機が発信機から再初期化の確認応答を受信した後、処理の流れは再初期化処理のためのステップ208へ進む。受信機が発信機から再初期化の確認応答を受信しなければ、処理の流れはフィードバック修正処理のためのステップ212へ進む。
【0111】
ステップ208において、現在のチャネル状態情報を、予め定義された初期化コードブックに基づいて量子化する。
【0112】
本発明において、初期化コードブックは予め定義されている。
例えば、当業者によっていくつかの既知のコードブック設計あるいは既存の知識に基づいて修正情報の量子化に関する初期化コードブックが設計される。
【0113】
本発明の方法を実行する前に、発信機と受信機の双方とも全く同じ予め定義された初期化コードブックを保存する。すなわち、発信機と受信機は同じ初期化コードブックを予め知得している。
このように、受信機が、初期化コードブックに基づいて現在のチャネル状態情報を量子化して再初期化インデックスを取得した後のみ、発信機は、同じ予め定義された初期化コードブックに基づいて再初期化インデックスを逆量子化し、それにより、再初期化の後に必要なチャネル状態情報を取得する。
【0114】
本実施の形態において、現在のチャネル状態情報を量子化することは、予め定義された初期化コードブックから現在のチャネル状態情報に対応するコードワードを決定し、その後、コードワードのインデックスを再初期化インデックスとして決定することにより実行される。
さらに、量子化処理も、当業者にとって周知の方法で実行される。
【0115】
ステップ209において、量子化で取得した再初期化インデックスを、フィードバック情報として発信機に送信する。
【0116】
ステップ210において、再初期化インデックスに基づいて再初期化チャネル状態情報を決定する。
【0117】
このステップと量子化ステップ208は互いに逆である。すなわち、このステップにおいて、再初期化インデックスは予め定義された初期化コードブックに基づいて再初期化チャネル状態情報を決定するために逆量子化される。
例えば、再初期化インデックスに基づいて、マッチするコードワードが、初期化コードブック内で調べられ、再初期化チャネル状態情報として決定される。
【0118】
ステップ211において、再初期化チャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新する。
【0119】
例えば、以前にメモリに格納された以前のチャネル状態情報を置換するために、再初期化チャネル状態情報がメモリに格納される。
【0120】
当業者であれば、ステップ210における、以前のチャネル状態情報を更新するための再初期化チャネル状態情報が、ステップ201において直接取得される場合があり、必ずしもステップ210と211において取得されないことを、本発明の内容から容易に理解することに留意すべきである。
現在のチャネル状態情報、すなわち、再初期化チャネル状態情報が、ステップ201において直接取得されれば、メモリ内の以前のチャネル状態情報を置換するために直接用いることが可能であり、それによって、更新処理が完了する。
【0121】
ステップ212において、修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する。
【0122】
ステップ213において、予め定義された修正コードブックに基づいて修正インデックスを取得するために修正情報を量子化する。
【0123】
ステップ214において、修正インデックスをフィードバック情報として発信機に送信する。
【0124】
ステップ212〜214は、図1に示した実施の形態におけるステップ104〜106と類似している。従って、ここで詳しく述べない。
【0125】
ステップ215において、修正インデックスに基づいて修正情報を取得する。
【0126】
このステップと量子化ステップ213は互いに逆である。すなわち、ステップ215においては、予め定義された修正コードブックに基づいて修正情報を決定するために再初期化インデックスを逆量子化する。
例えば、修正インデックスに基づいて、マッチするコードワードが、修正コードブックで調べられ、修正情報として決定される。
【0127】
ステップ216において、修正情報と以前のチャネル状態情報を用いることにより将来のチャネル状態情報を再構成する。
【0128】
ステップ212において、修正情報が、将来のチャネル状態情報と前のチャネル状態情報について差分演算を実行することにより取得されるので、将来のチャネル状態情報は、差分演算と逆の演算(本発明において「和演算」と呼ぶ)によって、修正情報と前のチャネル状態情報から再構成される。
【0129】
本発明において、概念「和演算」は、単なる加算を意味するのではなく、和演算を実行することが必要な2つの対象の合計を意味する。
図1に示した実施の形態におけるステップ104で記載したような「差分演算」の3つの例に対応して、和演算の3つの例を以下に示す。
和演算が差分演算に対応するならば、当業者は、先行技術と常識に基づく何らかの適切な方法を用いることにより、和演算を実行することが可能であることを理解すべきである。
【0130】
xとyの間の差の「和演算」は、下記のように定義される。
【0131】
(1) y=x+z
【0132】
(2) y=HHx
【0133】
(3)
【数9】

【0134】
ここで、||x||
は、ベクトルxの2−ノルム(2-norm)を示す。
【0135】
ステップ204における差分演算と逆の演算である和演算を用いることによって、ステップ216において、将来のチャネル状態情報が、修正情報と以前のチャネル状態情報に基づいて再構成されることが分かるであろう。
【0136】
ステップ217において、以前のチャネル状態情報を再構成した将来のチャネル状態情報で更新する。
【0137】
例えば、以前にメモリに格納された以前のチャネル状態情報を置換するために、再構成した将来のチャネル状態情報がメモリに格納される。
【0138】
当業者であれば、ステップ217における、以前のチャネル状態情報を更新するための将来のチャネル状態情報が、必ずしもステップ215と216における再構成処理から取得されるのではなく、ステップ202において直接取得される場合があることを、本発明の内容から容易に理解することに留意すべきである。
将来のチャネル状態情報がステップ202において直接取得されれば、メモリ内の以前のチャネル状態情報を置換するために用いられ、それによって、更新処理が完了する。
【0139】
図3と図4は、ビーム形成を実行する発信機の2つの実施の形態をそれぞれ図示する。
両者の違いは、図3の実施の形態が、図1の実施の形態によってフィードバックされた修正インデックスに基づいてビーム形成を実行する発信機について説明し、図4の実施の形態が、図2の実施の形態によってフィードバックされた再初期化信号あるいは修正インデックスに基づいてビーム形成を実行する発信機について説明する点である。
【0140】
図3は、本発明の1実施の形態によるビーム形成を実行する方法のフローチャートである。
【0141】
ステップ301において、フィードバック情報を受信機から受信する。
【0142】
このフィードバック情報は、図1の実施の形態のステップ106において受信機から発信機に送信されたフィードバック情報である。
【0143】
ステップ302において、最後のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む。
【0144】
発信機に対する最後のビーム形成と受信機に対する現在のビーム形成が同じビーム形成であり、それらが単に表現上異なるだけであり、本質的に同一であることに留意すべきである。
【0145】
発信機がビーム形成を実行する度に、現在のビーム形成に用いられるチャネル状態情報をメモリに格納し、先のビーム形成に用いられたチャネル状態情報を更新するためにその情報を用いる。
従って、先のビーム形成に用いられたチャネル状態情報は、ステップ302においてメモリから読み込まれる。この情報は、以前のチャネル状態情報と呼ばれる。
【0146】
ステップ303において、予め定義された修正コードブックに基づいて修正情報を取得するためにフィードバック情報を逆対量子化する。
【0147】
このステップにおける逆量子化は、図1の実施の形態のステップ105における量子化の逆演算である。
例えば、修正インデックスに基づいて、マッチするコードワードが、予め定義された修正コードブック内で調べられ、修正情報として決定される。
【0148】
ステップ304において、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と以前のチャネル状態情報について和演算を実行する。
【0149】
このステップは、図2の実施の形態におけるステップ216に類似している。ステップ216に記載される和演算の例或いは当業者に周知の他の方法の何れかを用いることにより、修正情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成する。
【0150】
ステップ303と304において、フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成することは、本発明の1方式に過ぎない、当業者であれば本発明の開示に基づいて他の方式を用いることが可能である。
【0151】
ステップ305において、再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行する。
【0152】
再構成されたチャネル状態情報は、図1の実施の形態のステップ102において予測された将来のチャネル状態情報に対応する。よって、発信機は、受信機が現在のビーム形成(発信機予測方式の観点からの次のビーム形成)において発信機が用いると予期するチャネル状態情報を用いることになる。
【0153】
さらに、図3の実施の形態において、再構成されたチャネル状態情報を取得した後、その情報を以前のチャネル状態情報を更新するためにさらに用いることも可能である。
【0154】
図4は、本発明の他の実施の形態によるビーム形成を実行する方法のフローチャートである。
図3の実施の形態と異なり、図4の実施の形態は図2の実施の形態における偏差修正処理を含んでいる。
図2の実施の形態で説明したように、取得した偏差情報が所定の閾値を越えていると受信機が判定すれば、再初期化要求が発信機に送信される。
発信機について言えば、受信機から再初期化要求を受信しているかどうかを監視し、再初期化要求を受信すると、発信機は、受信機に再初期化の確認応答を送信し、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、予め定義された初期化コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する。
再初期化要求を受信しなければ、ちょうど図3の実施の形態と同様に、修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて、フィードバック情報を逆量子化する。そして、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と前のチャネル状態情報について和演算を実行する。
さらに、再初期化要求を受信しているかどうかに関係なく、発信機は、前のチャネル状態情報を再構成されたチャネル状態情報で更新する。
【0155】
ステップ401において、フィードバック情報を受信機から受信する。
【0156】
フィードバック情報は、図2の実施の形態においてステップ209あるいは214で受信機から発信機に送られたフィードバック情報であり、かつ、それは修正インデックス或いは再初期化インデックスである。
【0157】
ステップ402において、最後のビーム形成中の用いられる以前のチャネル状態情報を読み込む。
【0158】
このステップはステップ302と類似している。従って、ここでは詳細に述べない。
【0159】
ステップ403において、受信機から再初期化要求を受信しているかどうかを監視する。
【0160】
発信機が、受信機が再初期化要求を送信していることを観測すると、処理の流れは、フィードバック情報を再初期化インデックスとして処理するステップ404へ進む。また、発信機が再初期化要求を観測しなければ、修理の流れは、フィードバック情報を修正インデックスとして処理するステップ406へ進む。
【0161】
ステップ404において、再初期化の確認応答を受信機に送信する。
【0162】
ステップ405において、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、予め定義された初期化コードブックに基づいて、フィードバック情報を逆量子化する。
【0163】
このステップにおいて、フィードバック情報は再初期化インデックスである。
再初期化インデックスの逆量子化は、図2の実施の形態のステップ208における量子化の逆の動作である。
例えば、再初期化インデックスに基づいて、マッチするコードワードが、予め定義された初期化コードブック内で調べられ、再構成されたチャネル状態情報として決定される。
【0164】
ステップ406において、修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて、フィードバック情報を逆量子化する。
【0165】
ステップ407において、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と以前のチャネル状態情報について和演算を実行する。
【0166】
ステップ406と407は、図3におけるステップ303と304にそれぞれ類似しており、ここでは詳しく説明しない。
【0167】
ステップ408において、以前のチャネル状態情報を再構成されたチャネル状態情報で更新する。
【0168】
例えば、再構成されたチャネル状態情報は、以前のチャネル状態情報が存在するメモリに格納される。そして、以前のチャネル状態情報は、再構成されたチャネル状態情報によって更新され、それにより更新処理が完了する。
【0169】
ステップ409において、再構成されたチャネル状態情報に従ってビーム形成を実行する。
【0170】
図5は、本発明の1実施の形態による、ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する受信機500と、ビーム形成を実行する発信機600の構成を示すブロック図である。図5は、さらに受信機500と発信機600の間の通信の概要を図示する。
発信機600は、ビーム形成の後に通信チャンネルを介して受信機に信号(例えば、データ信号、制御信号等)を送信する。
受信機500は、発信機600から受信した信号に基づいて、発信機が次のビーム形成において用いると予期するチャネル状態情報を決定し、フィードバック・チャネルを通じてフィードバック情報の形式でチャネル状態情報を発信機600に送信する。これにより、発信機600は、ビーム形成パラメータを適応的に調整し、ビーム形成の精度を改善する。
【0171】
受信機500は、推定装置501と、予測装置502と、読込装置503と、フィードバック情報決定装置504および送信装置505とを備える。
【0172】
推定装置501は、受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定するよう構成されている。
【0173】
予測装置502は、現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測するよう構成されている。
【0174】
読取装置503は、現在のビーム形成において発信機によって用いられる以前のチャネル状態情報を読み込むよう構成されている。
【0175】
フィードバック情報決定装置504は、将来のチャネル状態情報と前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するよう構成されている。
【0176】
送信装置505は、フィードバック情報を発信機に送信するよう構成されている。
【0177】
第1の実施の形態において、フィードバック情報決定装置504は、修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と前のチャネル状態情報について差分演算を実行する手段と、修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて修正情報を量子化する手段と、修正インデックスをフィードバック情報として決定する手段とを備える。
【0178】
第2の実施の形態において、上記3つの手段の他に、フィードバック情報決定装置504は、さらに、修正インデックスに基づいて修正情報を取得する手段と、修正情報と前のチャネル状態情報を用いることにより、将来のチャネル状態情報を再構成する手段と、再構成された将来のチャネル状態情報で前のチャネル状態情報を更新する手段とを備える。
【0179】
第3の実施の形態において、フィードバック情報決定装置504は、偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と前のチャネル状態情報について差分演算を実行する偏差情報計算ユニットと、偏差情報が所定の閾値を越える場合に、再初期化を実行することを決定する再初期化決定ユニットとを備える。
【0180】
例えば、再初期化決定ユニットは、発信機に再初期化要求を送信する手段と、発信機から再初期化の確認応答を受信した後に予め定義された初期化コードブックに基づいて現在のチャネル状態情報を量子化する手段と、量子化によって取得された再初期化インデックスをフィードバック情報として決定する手段とを備える。他の具体例では、上記3つの手段の他に、再初期化決定ユニットは、さらに、再初期化インデックスに基づいて再初期化チャネル状態情報を決定する手段と、再初期化チャネル状態情報で前のチャネル状態情報を更新する手段とを備える。
【0181】
第3の実施の形態において、偏差情報が所定の閾値を越えない場合、フィードバック情報決定装置504は、修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と前のチャネル状態情報について差分演算を実行する手段と、修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて修正情報を量子化する手段と、修正インデックスをフィードバック情報として決定する手段とを備える。
また、フィードバック情報決定装置504は、さらに、修正インデックスに基づいて修正情報を取得する手段と、修正情報と前のチャネル状態情報を用いることにより、将来のチャネル状態情報を再構成する手段と、再構成された将来のチャネル状態情報で前のチャネル状態情報を更新する手段とを備える。
【0182】
発信機600は、受信装置601と、読込装置602と、再構成装置603およびビーム形成装置604とを備える。
【0183】
受信装置601は、受信機からフィードバック情報を受信するよう構成されている。
【0184】
読取装置602は、前回のビーム形成において発信機によって用いられた前のチャネル状態情報を読み込むよう構成されている。
【0185】
再構成装置603は、フィードバック情報と前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するよう構成されている。
【0186】
ビーム形成装置604は、再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するよう構成されている。
【0187】
1実施例において、再構成装置603は、修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する手段と、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と前のチャネル状態情報について和演算を実行する手段とを備える。
【0188】
他の実施例において、再構成装置603は、さらに、受信機から再初期化要求を受信しているかどうかを監視する手段と、再初期化要求を受信すると、再初期化の確認応答を受信機に送信する手段と、再初期化要求を受信すると、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、予め定義された初期化コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する手段とを備える。
この実施例において、再構成装置603の受信機から再初期化要求を受信しているかどうかを監視する手段が、受信機からの再初期化要求を観測しない場合、再構成装置603は、さらに、修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する手段と、再製されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と前のチャネル状態情報について和演算を実行する手段とを備える。
【0189】
さらに、発信機600は、再構成されたチャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新するための更新装置を備えることも可能である。
【0190】
本発明の方法は、ソフトウェア、ハードウェア或いはソフトウェアとハードウェアの組み合わせによって実現することができる。ハードウェア部分は専用ロジックを用いることにより実現される。ソフトウェア部分は、メモリに格納され、マイクロプロセッサ、パーソナルコンピュータ(PC)あるいは大型コンピュータ等のような適切なコマンド実行システムによって実行される。
【0191】
本発明の理解を容易にするため、当業者にとって周知でありかつ本発明の実現に必須である幾つかの特定の技術的事項は、上記の説明において省略されていることに留意すべきである。
【0192】
本発明の明細書は、図示と説明を目的として提示されており、全てを網羅し或いは開示された形態に本発明を限定することを意味するものではない。多くの変形と変更が当業者にとって明らかである。
【0193】
以上、本発明についてその好適な実施例を参照して説明したが、当該技術に精通した当業者には、本発明の精神と範囲から逸脱することなく他の様々な修正、変更、追加を行うことが可能なことは明らかであろう。したがって、本発明の範囲は上記の具体的な実施例に限定されず、付記した請求項によってのみ限定される。
【0194】
さらに、上記実施形態の一部分又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、これに限定されない。
【0195】
(付記1)
ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法であって、
受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定するステップと、
現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測するステップと、
現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップと、
発信機にフィードバック情報を送信するステップとを
含むことを特徴とする方法。
【0196】
(付記2)
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップが、
修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行するステップと、
修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて前記修正情報を量子化するステップと、
前記修正インデックスを前記フィードバック情報として決定するステップを含むことを特徴とする付記1に記載の方法。
【0197】
(付記3)
前記修正インデックスに基づいて修正情報を取得するステップと、
前記修正情報と以前のチャネル状態情報を用いることにより、将来のチャネル状態情報を再構成するステップと、
再構成された将来のチャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新するステップを、さらに含むことを特徴とする付記2に記載の方法。
【0198】
(付記4)
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップが、
偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行するステップと、
前記偏差情報が所定の閾値を越える場合に、再初期化を実行することを決定するステップとを含むことを特徴とする付記1から付記3の何れかに記載の方法。
【0199】
(付記5)
前記偏差情報が所定の閾値を越える場合に、再初期化を実行することを決定するステップが、
発信機に再初期化要求を送信するステップと、
発信機からの再初期化の確認の受信に応答して、予め定義された初期化コードブックに基づいて現在のチャネル状態情報を量子化するステップと、
量子化で得られた再初期化インデックスをフィードバック情報として決定するステップを含むことを特徴とする付記4に記載の方法。
【0200】
(付記6)
再初期化インデックスに従って再初期化チャネル状態情報を決定するステップと、
再初期化チャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新するステップを、さらに含むことを特徴とする付記5に記載の方法。
【0201】
(付記7)
前記チャネル状態情報がチャネル方向情報であることを特徴とする付記1に記載の方法。
【0202】
(付記8)
ビーム形成を実行する方法であって、
受信機からフィードバック情報を受信するステップと、
先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップと、
再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【0203】
(付記9)
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップが、
修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化するステップと、
再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と以前のチャネル状態情報について和演算を実行するステップを含むことを特徴とする付記8に記載の方法。
【0204】
(付記10)
再構成されたチャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新するステップを、さらに含むことを特徴とする付記8に記載の方法。
【0205】
(付記11)
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップが、
受信機から再初期化要求を受信しているかどうかを監視するステップと、
再初期化要求を受信すると、受信機に再初期化の確認応答を送信し、再構成されたチャネル状態情報を取得するために、予め定義された初期化コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化するステップを含むことを特徴とする付記8から付記10の何れかに記載の方法。
【0206】
(付記12)
チャネル状態情報がチャネル方向情報であることを特徴とする付記8から付記10の何れかに記載の方法。
【0207】
(付記13)
ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する受信機であって、
受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定する推定装置と、
現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測する予測装置と、
現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む読込装置と、
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するフィードバック情報決定装置と、
発信機にフィードバック情報を送信する送信装置とを
備えることを特徴とする受信機。
【0208】
(付記14)
前記フィードバック情報決定装置が、
修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する手段と、
修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて前記修正情報を量子化する手段と、
前記修正インデックスを前記フィードバック情報として決定する手段と
を備えることを特徴とする付記13に記載の受信機。
【0209】
(付記15)
前記フィードバック情報決定装置が、
前記修正インデックスに基づいて修正情報を取得する手段と、
前記修正情報と以前のチャネル状態情報を用いることにより、将来のチャネル状態情報を再構成する手段と、
再構成された将来のチャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新する手段を、
さらに備えることを特徴とする付記14に記載の受信機。
【0210】
(付記16)
前記フィードバック情報決定装置が、
偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する偏差情報計算ユニットと、
前記偏差情報が所定の閾値を越える場合に、再初期化を実行することを決定する再初期化決定ユニットと
を含むことを特徴とする付記13から付記15の何れかに記載の受信機。
【0211】
(付記17)
前記再初期化決定ユニット
発信機に再初期化要求を送信する手段と、
発信機からの再初期化の確認の受信に応答して、予め定義された初期化コードブックに基づいて現在のチャネル状態情報を量子化する手段と、
量子化で得られた再初期化インデックスをフィードバック情報として決定する手段と
を備えることを特徴とする付記16に記載の受信機。
【0212】
(付記18)
再初期化インデックスに従って再初期化チャネル状態情報を決定する手段と、
再初期化チャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新する手段を、さらに備えることを特徴とする付記17に記載の受信機。
【0213】
(付記19)
前記チャネル状態情報がチャネル方向情報であることを特徴とする付記13に記載の受信機。
【0214】
(付記20)
ビーム形成を実行する送信機であって、
受信機からフィードバック情報を受信する受信装置と、
先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む読込装置と、
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成する再構成装置と、
再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するビーム形成装置と
を備えることを特徴とする送信機。
【0215】
(付記21)
前記再構成装置が、
修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する手段と、
再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と以前のチャネル状態情報について和演算を実行する手段と
を備えることを特徴とする付記20に記載の送信機。
【0216】
(付記22)
再構成されたチャネル状態情報で以前のチャネル状態情報を更新する更新装置を、さらに備えることを特徴とする付記20に記載の送信機。
【0217】
(付記23)
前記再構成装置が、
受信機から再初期化要求を受信しているかどうかを監視する手段と、
再初期化要求を受信すると、受信機に再初期化の確認応答を送信する手段と、
再構成されたチャネル状態情報を取得するために、予め定義された初期化コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する手段と
を備えることを特徴とする付記20から付記22の何れかに記載の送信機。
【0218】
(付記24)
チャネル状態情報がチャネル方向情報であることを特徴とする付記20から付記22の何れかに記載の送信機。
【符号の説明】
【0219】
500:受信機
501:推定装置
502:予測装置
503:読込装置
504:フィードバック情報決定装置
505:送信装置
600:発信機
601:受信装置
602:読込装置
603:再構成装置
604:ビーム形成装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する方法であって、
受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定するステップと、
現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測するステップと、
現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップと、
発信機にフィードバック情報を送信するステップとを
含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップが、
修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行するステップと、
修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて前記修正情報を量子化するステップと、
前記修正インデックスを前記フィードバック情報として決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するステップが、
偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行するステップと、
前記偏差情報が所定の閾値を越える場合に、再初期化を実行することを決定するステップとを含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ビーム形成を実行する方法であって、
受信機からフィードバック情報を受信するステップと、
先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込むステップと、
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップと、
再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項5】
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成するステップが、
修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化するステップと、
再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と以前のチャネル状態情報について和演算を実行するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ビーム形成のために必要なチャネル状態情報を取得する受信機であって、
受信した信号に基づいて現在のチャネル状態情報を推定する推定装置と、
現在のチャネル状態情報と履歴チャネル状態情報に基づいて、次のビーム形成において発信機によって用いられると予期される将来のチャネル状態情報を予測する予測装置と、
現在のビーム形成中の発信機によって用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む読込装置と、
将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報に基づいてフィードバック情報を決定するフィードバック情報決定装置と、
発信機にフィードバック情報を送信する送信装置とを
備えることを特徴とする受信機。
【請求項7】
前記フィードバック情報決定装置が、
修正情報を取得するために、将来のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する手段と、
修正インデックスを取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいて前記修正情報を量子化する手段と、
前記修正インデックスを前記フィードバック情報として決定する手段と
を備えることを特徴とする請求項6に記載の受信機。
【請求項8】
前記フィードバック情報決定装置が、
偏差情報を取得するために、現在のチャネル状態情報と以前のチャネル状態情報について差分演算を実行する偏差情報計算ユニットと、
前記偏差情報が所定の閾値を越える場合に、再初期化を実行することを決定する再初期化決定ユニットと
を含むことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の受信機。
【請求項9】
ビーム形成を実行する送信機であって、
受信機からフィードバック情報を受信する受信装置と、
先のビーム形成において用いられた以前のチャネル状態情報を読み込む読込装置と、
フィードバック情報と以前のチャネル状態情報に基づいてチャネル状態情報を再構成する再構成装置と、
再構成されたチャネル状態情報に基づいてビーム形成を実行するビーム形成装置と
を備えることを特徴とする送信機。
【請求項10】
前記再構成装置が、
修正情報を取得するために、予め定義された修正コードブックに基づいてフィードバック情報を逆量子化する手段と、
再構成されたチャネル状態情報を取得するために、修正情報と以前のチャネル状態情報について和演算を実行する手段と
を備えることを特徴とする請求項9に記載の送信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−80522(P2012−80522A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−164147(P2011−164147)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(505418870)エヌイーシー(チャイナ)カンパニー, リミテッド (108)
【氏名又は名称原語表記】NEC(China)Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】