説明

ビーム照射装置およびレーザレーダ

【課題】レーザ光の走査領域を予め設定された矩形形状とすることができるビーム照射装置およびレーザレーダを提供する。
【解決手段】ミラー13によってレーザ光を走査領域において走査させる。ミラー13の回動に伴って回動する光学素子(ミラー15)によってサーボ光を光検出器(PSD106)の受光面上において走査させる。ミラー13は、レーザ光の走査領域が矩形形状となるよう、第1の方向および第2の方向に回動制御される。レーザ光とサーボ光は、光軸が互いに平行となるように、それぞれミラー13と光学素子に入射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーム照射装置およびそれを搭載するレーザレーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、走行時の安全性を高めるために、レーザレーダが家庭用乗用車等に搭載されている。レーザレーダには、レーザ光を車両前方に向けて照射するビーム照射装置が搭載されている。車両前方にレーザ光を照射したときの反射光の有無により障害物の有無が検出される。また、レーザ光の発光タイミングと反射光の受光タイミングの時間差から障害物までの距離が測定される。
【0003】
ここで、ビーム照射装置には、予め設定されたターゲット領域内においてレーザ光を走査させるための手段が配されている。たとえば、以下の特許文献1、2には、レンズ駆動方式によるビーム走査機構が示されている。この方式は、ワイヤー等によって支持されたビーム走査用レンズを2次元駆動することにより、レーザ光をターゲット領域内において2次元方向に走査させるものである。この方式によれば、信頼性の高いビーム走査を実現することができる。
【0004】
しかし、この方式には、レンズおよびその駆動機構が大型化し、また、レンズ駆動に大きな推進力が必要になるとの課題がある。
【0005】
レーザ光を走査させるための他の手段として、ジンバル方式によるアクチュエータが検討されている。この方式は、ビーム走査用のミラーを、互いに直交する2つの回転軸を軸として回動させることにより、レーザ光をターゲット領域内において2次元方向に走査させるものである。この方式によれば、上述のレンズ駆動方式に比べ、アクチュエータを小型化することができ、また、ミラー駆動に必要な推進力を小さくすることができる。
【特許文献1】特開平11−83988号公報
【特許文献2】国際公開第02/008818号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に、ジンバル方式のアクチュエータでは、鉛直方向におけるミラーの回動位置を固定した状態で水平方向にミラーを回動させ、レーザ光を水平方向に走査させている。1ライン分の水平走査が終わると、鉛直方向にミラーを所定角度だけ回動させ、その後、ミラーを水平方向に回動して、次のラインの水平走査が行われる。この動作を繰り返すことにより、目標領域全体の走査が行われる。
【0007】
しかしながら、上記のように、鉛直方向におけるミラーの回動位置を固定しながらミラーを水平方向に回動させると、レーザ光の走査軌跡は水平とはならず、水平から傾いた状態となる。このため、レーザ光の走査領域は矩形形状とならず、左右方向または上下方向に歪んだ輪郭の形状となる。他方、レーザレーダでは、一般に、走査領域として矩形(横長長方形等)の領域が設定される。このため、上記のようにミラーを駆動する場合には、走査領域が所期の矩形形状とならず、このため、障害物の検出や距離の測定を適正に行い得ない惧れがある。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、レーザ光の走査領域を予め設定された矩形形状とすることができ、且つ、目標領域におけるレーザ光の走査位置を円滑に検出できるビーム照射装置およびレーザレーダを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明に係るビーム照射装置は、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が入射されるミラーと、前記ミラーを第1の回動軸と当該第1の回動軸に垂直な第2の回動軸をもってそれぞれ第1および第2の方向に回動させる駆動機構と、前記駆動機構を制御して前記レーザ光を2次元方向に走査させる制御回路と、前記ミラーの回動に伴って回動する光学素子と、サーボ光を発光するサーボ用光源と、前記光学素子を経由した前記サーボ光を受光するとともに受光位置に応じた信号を出力する光検出器とを備える。
【0010】
ここで、制御回路は、レーザ光の走査領域が矩形形状となるよう、ミラーを第1の方向および第2の方向に回動制御する。また、レーザ光とサーボ光は、光軸が互いに平行となるように、それぞれミラーと光学素子に入射される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載のビーム照射装置において、レーザ光とサーボ光は互いに逆の方向からミラー記光学素子に入射されることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1または2に記載のビーム照射装置において、光学素子は、平板状の反射面を備えることを特徴とする。この場合、サーボ光は、反射面によって反射され、光検出器へと導かれる。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1ないし3に記載のビーム照射装置を備えるレーザレーダである。
【0014】
請求項5の発明は、ビーム照射装置において、レーザ光源と、前記レーザ光源から出射されたレーザ光が入射される走査ミラーと、前記走査ミラーを第1の回動軸と当該第1の回動軸に垂直な第2の回動軸をもってそれぞれ第1の方向および第2の方向に回動させる駆動機構と、前記走査ミラーの回動に伴って回動するサーボミラーと、前記サーボミラーにサーボ光を照射するサーボ光源と、前記サーボミラーによって反射された前記サーボ光を受光してその受光位置に応じた信号を出力する光検出器とを備え、前記走査ミラーに入射する際の前記レーザ光の光軸から前記走査ミラーにて反射された前記レーザ光の光軸へと向かう角度方向と、前記サーボミラーに入射する際の前記サーボ光の光軸から前記サーボミラーにて反射された前記サーボ光の光軸へと向かう角度方向とが互いに一致するように、前記レーザ光と前記サーボ光が前記走査ミラーと前記サーボミラーに入射されることを特徴とする。
【0015】
本発明において、「角度方向」とは、たとえば、図11(b)、図12(b)に示す方向A1、A2を意味する。図11(b)では、角度方向A1、A2は、それぞれ、時計方向となっており、図12(b)では、角度方向A1、A2は、それぞれ、反時計方向となっている。
【0016】
請求項6の発明は、請求項5に記載のビーム照射装置と、前記レーザ光を目標領域において水平方向に走査させるよう前記駆動機構を制御する制御回路とを備えるレーザレーダである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明によれば、制御回路によってミラーを第1の方向および第2の方向に回動制御することにより、レーザ光の走査領域を予め設定された矩形形状とすることができる。よって、目標領域における障害物検出および距離測定等を漏れなく適正に行うことができる。
【0018】
また、請求項1に記載のように、レーザ光とサーボ光を、光軸が互いに平行となるように、それぞれミラーと光学素子に入射させることにより、受光面上におけるサーボ光の走査軌跡の傾きを抑制することができ、サーボ光の走査領域の歪を抑制することができる。その結果、レーザ光の走査位置を円滑かつ精度よく検出することができる。
【0019】
同様に、請求項5の発明のように、走査ミラーに入射する際のレーザ光の光軸から走査ミラーにて反射されたレーザ光の光軸へと向かう角度方向と、サーボミラーに入射する際のサーボ光の光軸からサーボミラーにて反射されたサーボ光の光軸へと向かう角度方向とが互いに一致するように、レーザ光とサーボ光を走査ミラーとサーボミラーに入射させることにより、レーザ光を目標領域において水平に走査させたときの受光面上におけるサーボ光の走査軌跡の傾きを抑制することができ、サーボ光の走査領域の歪を抑制することができる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下の実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態に何ら制限されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。本実施の形態は、乗用車に搭載されるレーザレーダに本発明を適用したものである。本実施の形態では、乗用車前方からビームがスキャン照射されることにより、走査領域内の障害物の有無が検出され、同時に、障害物までの距離が測定される。
【0022】
なお、本実施の形態では、レーザ光が水平方向からミラーに入射される。ミラーを水平方向および垂直方向に回動させることにより、レーザ光が目標領域において2次元方向に走査される。
【0023】
図1に、本実施の形態に係るミラーアクチュエータの構成を示す。同図(a)はアクチュエータの分解斜視図、同図(b)はアセンブル状態にあるアクチュエータの斜視図である。
【0024】
同図(a)において、10は、ミラーホルダである。ミラーホルダ10には、端部に抜け止めを有する支軸11、12が形成されている。また、ミラーホルダ10の前面には平板状のミラー13が装着されており、背面にはコイル14が装着されている。なお、コイル14は、方形状に巻回されている。ミラーホルダ10の支軸12には、反射面がミラー13の反射面と平行となるようにして、平板状のミラー15が装着されている。
【0025】
20は、ミラーホルダ10を支軸11、12を軸として回動可能に支持する可動枠である。可動枠20には、ミラーホルダ10を収容するための開口21が形成されており、また、ミラーホルダ10の支軸11、12と係合する溝22、23が形成されている。さらに、可動枠20の側面には、端部に抜け止めを有する支軸24、25が形成され、背面には、コイル26が装着されている。コイル26は、方形状に巻回されている。
【0026】
30は、可動枠20を支軸24、25を軸として回動可能に支持する固定枠である。固定枠30には、可動枠20を収容するための凹部31が形成され、また、可動枠20の支軸24、25と係合する溝32、33が形成されている。さらに、固定枠30の内面には、コイル14に磁界を印加するマグネット34と、コイル26に磁界を印加するマグネット35が装着されている。なお、溝32、33は、それぞれ固定枠30の前面から上下2つのマグネット35間の隙間内まで延びている。
【0027】
40は、可動枠20の支軸24、25が溝32、33から脱落しないよう、支軸24、25を前方から押さえる押さえ板である。なお、ミラーホルダ10の支軸11、12を可動枠20の溝22、23から脱落しないよう規制する押さえ板は、図示省略されている。
【0028】
アクチュエータをアセンブルする際には、ミラーホルダ10の支軸11、12を可動枠20の溝22、23に係合させ、さらに、支軸11、12の前面を押さえるようにして、押さえ板(図示せず)を可動枠20の前面に装着する。これにより、ミラーホルダ10が、可動枠20によって、回動可能に支持される。
【0029】
このようにしてミラーホルダ10を可動枠20に装着した後、可動枠20の支軸24、25を固定枠30の溝32、33に係合させ、さらに、支軸32、33の前面を押さえるようにして、押さえ板40をマグネット35の前面に装着する。これにより、可動枠20が、回動可能に固定枠30に装着され、アクチュエータのアセンブルが完了する。
【0030】
ミラーホルダ10が可動枠20に対し支軸11、12を軸として回動すると、これに伴ってミラー13、15が回動する。また、可動枠20が固定枠30に対し支軸24、25を軸として回動すると、これに伴ってミラーホルダ10が回動し、ミラーホルダ10と一体的にミラー13、15が回動する。このように、ミラーホルダ10は、互いに直交する支軸11、12と支軸24、25によって、2次元方向に回動可能に支持され、ミラーホルダ10の回動に伴って、ミラー13、15が2次元方向に回動する。
【0031】
なお、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット34は、コイル14に電流を印加することにより、ミラーホルダ10に支軸11、12を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル14に電流を印加すると、コイル14に生じる電磁駆動力によって、ミラーホルダ10が、支軸11、12を軸として回動する。
【0032】
また、同図(b)に示すアセンブル状態において、2つのマグネット35は、コイル26に電流を印加することにより、可動枠20に支軸24、25を軸とする回動力が生じるよう配置および極性が調整されている。したがって、コイル26に電流を印加すると、コイル26に生じる電磁駆動力によって、可動枠20が、支軸24、25を軸として回動する。
【0033】
このように、コイル14とコイル26に電流を印加することにより、ミラーホルダ10と可動枠20がそれぞれ支軸11、12と支軸24、25を軸として回動する。これにより、ミラー13、15が、ミラーホルダ10と一体となって、2次元方向に回動する。
【0034】
図2に、本実施の形態に係るレーザレーダの構成を示す。
【0035】
図示の如く、レーザレーダは、DSP(Digital Signal Processor)制御回路201と、DAC(Digital Analog Converter)202と、レーザ駆動回路203と、アクチュエータ駆動回路204と、ビーム照射ヘッド205と、PSD(Position Sensitive Detector)信号処理回路206と、ADC(Analog Digital Converter)207と、PD(Photo Detector)信号処理回路208と、ADC(Analog Digital Converter)209を備えている。
【0036】
DSP制御回路201は、レーザ駆動回路203およびアクチュエータ駆動回路204を駆動制御するためのデジタル信号をDAC202に出力する。また、ADC209から入力されるデジタル信号をもとに、スキャン領域内に含まれる障害物の位置と障害物までの距離を検出する。DSP制御回路201には、スキャン制御部201aと距離測定部201bが配備されている。
【0037】
スキャン制御部201aは、ミラーアクチュエータ100を制御するための制御信号を生成し、これを、DAC202を介してアクチュエータ駆動回路204に供給する。これにより、レーザ光が、後述の如く、走査領域において2次元方向に走査される。また、スキャン制御部201aは、レーザ駆動回路203を駆動して、後述のごとく、半導体レーザ101、104からの出力を制御する。
【0038】
距離測定部201bは、ADC209から入力される受光信号に基づいて、障害物までの距離を測定する。距離測定部201bには、高周波の内部クロックが入力されている。距離測定部201bは、各スキャン位置において出力されるパルス光の出力タイミングからその反射光の受光タイミングまでのクロック数Nをカウントする。そして、カウントしたクロック数Nをもとに、当該スキャン位置における障害物の有無と障害物までの距離Lを検出する。たとえば、内部クロックの周期をTとして、L=C(光速)×T×N/2を演算することにより障害物までの距離を検出する。なお、予め決められた時間内に反射光を受光できない場合、当該スキャン位置には障害物が存在しないとされる。
【0039】
DAC202は、DSP制御回路201から入力されたデジタル信号をアナログ信号(制御信号)に変換してレーザ駆動回路203およびアクチュエータ駆動回路204に出力する。レーザ駆動回路203は、DAC202から入力された制御信号に応じて、ビーム照射ヘッド205内の半導体レーザ101、104を駆動する。アクチュエータ駆動回路204は、DAC202から入力された制御信号に応じて、ビーム照射ヘッド205内のミラーアクチュエータ100(図1参照)を駆動する。
【0040】
ビーム照射ヘッド205は、前方空間に設定された走査領域においてレーザ光を走査させる。図示の如く、ビーム照射ヘッド205は、ミラーアクチュエータ100の他に、半導体レーザ101と、コリメートレンズ102と、収差板103と、半導体レーザ104と、集光レンズ105と、PSD106と、受光レンズ107と、光検出器108を備えている。
【0041】
半導体レーザ101から出射されたレーザ光(以下、「走査用レーザ光」という)は、コリメートレンズ102によって平行光に変換され、さらに、収差板103によって光学的に調整された後、ミラーアクチュエータ100に支持された平板状のミラー13に入射される。なお、収差板103に替えて、2枚のシリンドリカルレンズを組み合わせて配置し、目標領域における走査用レーザ光の形状を調整するようにしても良い。
【0042】
半導体レーザ104から出射されたレーザ光(以下、「サーボ用レーザ光」という)は、ミラー15によって反射された後、集光レンズ105によってPSD106の受光面上に集光される。
【0043】
ミラー13は、上記の如く、2軸を軸として回動可能にミラーアクチュエータ100によって支持されている。ここで、ミラーアクチュエータ100は、図1に示す支軸11、12を軸として、ミラー13が、中立位置から図2のx−z平面方向(水平方向)に回動するよう配置されている。ミラー13が中立位置にあるとき、走査用レーザ光は、z軸方向(水平方向)からミラー13に入射し、x軸方向に反射される。このとき、サーボ用レーザ光は、z軸方向からミラー15に入射しx軸方向に反射される。すなわち、半導体レーザ101、104から出射される際の走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の光軸は互いに平行となっている。
【0044】
なお、PSD106は、ミラー13が中立位置にあるときにミラー15によって反射されるサーボ用レーザ光の光軸に受光面が直交するようにして配置されている。
【0045】
PSD106の受光面上にサーボ用レーザ光が収束されると、その収束位置に応じた電流がPSD106からPSD信号処理回路206に入力される。PSD信号処理回路206は、入力された電流からサーボ用レーザ光の収束位置を表す電圧信号を生成し、これをADC207に出力する。ADC207は、入力された電圧信号をデジタル信号に変換してDSP制御回路201内のスキャン制御部201aに供給する。
【0046】
DSP制御回路201には、走査用レーザ光の照射位置を目標領域内においてスキャンさせるためのテーブル(スキャンテーブル)と、このテーブルに従って走査用レーザ光をスキャンさせたときの、PSD受光面上におけるサーボ用レーザ光の収束位置の軌道を示すテーブル(軌道テーブル)が配備されている。
【0047】
スキャン制御部201aは、レーザ光のスキャン動作時、スキャンテーブルを参照しながらアクチュエータ駆動回路204を制御するための信号をDAC202に出力する。また、同時に、ADC207から入力された信号をもとに受光面上におけるサーボ用レーザ光の収束位置を検出し、検出した収束位置が軌道テーブルにて規定される軌道に引き込まれるよう、アクチュエータ駆動回路204を制御するための信号をDAC202に出力する。
【0048】
かかるサーボ動作によって、走査用レーザ光は、スキャンテーブルにて規定された軌道に沿うよう目標領域内を走査する。なお、走査用レーザ光のスキャン制御については、追って、図4を参照して詳述する。
【0049】
さらに、スキャン制御部201aは、走査用レーザ光のスキャン動作時、半導体レーザ104をパワーレベルPwcにて常時発光させるための信号を、DAC202を介してレーザ駆動回路203に出力する。また、これと同時に、受光面上におけるサーボ用レーザ光の収束位置を監視し、この収束位置が、障害物検出および距離検出を行うための位置(以下、「測距位置」という)として予め設定され位置に到達したタイミングにて、半導体レーザ101の出力を、一定期間だけパルス状にレベルPwaからレベルPwbに立ち上げるための信号を、DAC202を介してレーザ駆動回路203に出力する。
【0050】
ここで、レベルPwaは、測距位置の到来に応じて半導体レーザ101の出力を円滑にレベルPwbに立ち上げることができる程度のレベルに設定される。また、レベルPwbは、障害物検出および距離検出を円滑に行い得るレベルに設定される。
【0051】
図3に、半導体レーザ101、104のパワーの調整例を示す。同図(a)に示す如く、半導体レーザ101の出力は、測距位置に対応する期間T0、T1、T2において、パルス状にレベルPwaからレベルPwbに立ち上げられる。半導体レーザ104の出力レベルは、測距位置に対応するか否かに関わらずレベルPwcに維持される。しかして、走査用レーザ光は、目標領域内をスキャンしながら、測距位置に到達したタイミングにてパルス状に発光される。なお、半導体レーザ101の出力をレベルPwbに瞬時に立ち上げることができる場合は、レベルPwaをゼロレベルとしても良い。
【0052】
図2に戻り、目標領域内の各スキャン位置に障害物が存在するとき、高パワーにて発光された走査用レーザ光は、障害物によって反射され、その反射光が、受光レンズ107を介して光検出器108に入射される。光検出器108は、受光量に応じた大きさの電気信号をPD信号処理回路208に出力する。PD信号処理回路208は、光検出器108から入力された電気信号を増幅およびノイズ除去してADC209に出力する。ADC209は、入力された信号をデジタル信号に変換して距離測定部201bに出力する。
【0053】
距離測定部201bは、ADC209から入力されたデジタル信号をもとに反射光の受光タイミングを検出し、この受光タイミングと、スキャン制御部201aから入力される高パワーのパルスレーザ光の出力タイミングとから、上記の如く、当該スキャン位置における障害物までの距離を検出する。また、予め設定された時間内に反射光を受光できない場合は、当該スキャン位置には障害物が存在しないと判定する。
【0054】
次に、図4ないし図7を参照して、本実施の形態におけるスキャン制御について説明する。図4は、比較例における光学系と、目標領域における走査用レーザ光の走査状態およびPSD受光面上におけるサーボ用レーザ光の走査状態を示す図、図5は、比較例において走査用レーザ光の走査領域を矩形形状としたときのサーボ用レーザ光の走査状態を示す図、図6は、本実施の形態における光学系と、走査用レーザ光の走査状態およびサーボ用レーザ光の走査状態を示す図、図7は、本実施の形態において走査用レーザ光の走査領域を矩形形状としたときのサーボ用レーザ光の走査状態を示す図である。
【0055】
なお、図4(b)(c)、図5(b)(d)、図6(b)(c)および図7(b)(d)には、走査用レーザ光の光軸とサーボ用レーザ光の光軸が鉛直方向にシフトしていないと想定したときの、走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の走査状態が示されている。すなわち、ここでは、走査用レーザ光の光軸とサーボ用レーザ光の光軸が同一水平面上に位置づけられており、ミラー13とミラー15は、鉛直方向にシフトすることなく配置されていると想定されている。
【0056】
まず、図4(a)を参照して、比較例におけるスキャン制御について説明する。なお、この比較例では、本実施の形態の構成と異なり、走査用レーザ光とサーボ用レーザ光は、レーザ光軸が互いに垂直となるようにして、ミラー13とミラー15に入射される。
【0057】
この比較例において、ミラー13は、鉛直方向の回動位置が固定された状態で支軸11、12を軸として回動される。この回動に伴って、走査用レーザ光が水平方向に走査される。1ライン分の走査が終わると、ミラー13が、支軸24、25を軸として鉛直方向に所定角度だけ回動される。そして、その状態からミラー13が支軸11、12を軸として回動され、次のラインに対する水平方向の走査が行われる。この動作を繰り返すことにより、走査領域全体の走査が行われる。
【0058】
この比較例では、同図(b)に模式的に示す如く、走査用レーザ光の走査領域が、中央から水平方向の左右端に向かうにつれて徐々に鉛直方向の幅が拡大および縮小する形状となる。これは、水平方向への走査時に、鉛直方向におけるミラー13の回動位置が固定されているため、支軸11、12を軸とする回動が進むにつれて、ミラー13に対する鉛直方向の走査用レーザ光の入射角が変化し、これにより、鉛直方向における走査用レーザ光の振り角が変化することによるものである。
【0059】
なお、この場合、走査領域における走査用レーザ光の走査軌跡は、このように鉛直方向における走査用レーザ光の振り角が変化することによって、水平方向とはならず、同図(b)に模式的に破線で示す如く、水平方向に対し傾いたものとなる。このため、この走査軌跡のピッチは、同図(b)の左端に向かうほど粗となり、右端に向かうほど密となる。
【0060】
また、支軸11、12を軸としてミラー13を各走査ラインに対する走査において一律に回動させると、水平方向における走査用レーザ光の振れ具合が走査ライン毎に相違するため、各走査ラインの始端と終端が鉛直方向に並ばなくなる。このため、走査領域は、同図(b)に示す如く、左右の辺が水平方向に丸みを帯びた形状となる。
【0061】
一方、このようにミラー13を駆動制御すると、PSD106の受光面上におけるサーボ用レーザ光の走査領域は、走査用レーザ光の走査領域と同様、同図(c)に示す如く、中央から左右端に向かうにつれて徐々に幅が縮小および拡大する形状となる。図中、破線は、サーボ用レーザ光の走査軌跡を示している。サーボ用レーザ光の走査軌跡も、走査用レーザ光と同様、同図(c)の右端に向かうほどピッチが粗となり、左端に向かうほどピッチが密となる。
【0062】
本実施の形態では、図5(a)に破線で示す如く、走査領域が矩形形状(横長長方形)となるよう、ミラー13を駆動制御する。すなわち、本実施の形態では、水平方向における各ラインの走査時に、ミラー13を、支軸11、12を軸とする回動方向(第1の回動方向)のみならず、支軸24、25を軸とする回動方向(第2の回動方向)にも回動させる。
【0063】
具体的には、走査領域左端に向かうほど第2の回動方向におけるミラー13の回動量を小さくさせ、右端に向かうほど第2の回動方向におけるミラー13の回動量を大きくさせる。このとき、第2の回動方向におけるミラー13の回動量は、第1の回動方向におけるミラー13の各回動位置において、ミラー13に対する鉛直方向の走査用レーザ光の入射角が変化しないよう調整される。これにより、第1の回動方向におけるミラー13の各回動位置において、鉛直方向における走査用レーザ光の振り角が変化せず、よって、走査用レーザ光は、各水平走査ラインにおいて、水平方向に直進するようになる。これにより、鉛直方向における走査領域の幅は全領域に渡って一様となる。
【0064】
また、第1の回動方向におけるミラー13の回動は、各走査ラインにおける始端と終端が鉛直方向に並ぶように制御される。これにより、走査領域の左右の辺は、水平方向に丸みを帯びることなく、鉛直方向に沿った直線状となる。
【0065】
なお、上記スキャンテーブルには、第1の回動方向におけるミラー13の回動位置と第2の回動方向におけるミラー13の回動位置に対応するパラメータ値が、走査開始位置から走査順に順次対応付けられて記述されている。スキャン制御部201aは、スキャンテーブルに記述された第1および第2の回動方向のパラメータ値を順次参照し、互いに対応付けられた第1および第2の回動方向の回動位置となるよう、ミラーアクチュエータ100を駆動制御する。これにより、走査用レーザ光は、矩形形状の走査領域内を水平方向の各走査ラインに沿って順次走査されることとなる。
【0066】
このようにミラー13を第1の回動方向と第2の回動方向に同時に駆動制御することにより、同図(b)に示す如く、走査用レーザ光の走査領域が矩形形状となる。また、走査領域における走査用レーザ光の走査軌跡は、どの走査ラインにおいても水平方向となり、走査ライン間のピッチは一定となる。よって、走査領域内の何れの箇所においても、障害物の検出等を、円滑かつ精度良く行うことができる。
【0067】
しかし、その一方、ミラー13をこのように駆動制御すると、図4(a)に示す比較例の構成では、サーボ用レーザ光の走査領域が、図5(c)の状態から図5(d)の状態へと変化する。すなわち、走査用レーザ光の走査領域を矩形形状に補正することにより、サーボ用レーザ光の走査領域は、補正前よりも、左右端における幅の差が大きくなる。
【0068】
この場合、PSD受光面上におけるサーボ用レーザ光の走査ラインのピッチは、図4(c)の場合に比べ、さらに、右側が粗となり、左側が密となる。このため、サーボ用レーザ光の受光位置に対するPSD受光面の分解能は、左端に向かうほど低下し、左端近傍領域では、サーボ用レーザ光の受光位置と走査用レーザ光の走査位置の位置関係に誤差が生じる惧れがある。
【0069】
このような不都合を回避するために、本実施の形態では、上述の如く、半導体レーザ101、104から出射される際の走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の光軸が互いに平行となるよう、サーボ用レーザ光の光学系が構成されている。
【0070】
図6(a)は、半導体レーザ101、104の位置関係を模式的に示す図である。便宜上、集光レンズ105は図示省略されている。同図(b)(c)は、それぞれ、同図(a)の構成において、鉛直方向の回動位置を任意の位置に固定した状態でミラー13を支軸11、12を軸として回動したときの、走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の走査領域と走査ラインを模式的に示す図である。
【0071】
上記の如く、本実施の形態では、走査用レーザ光の走査領域を矩形形状とするために、水平方向における各ラインの走査時に、ミラー13を、支軸11、12を軸とする第1の回動方向のみならず、支軸24、25を軸とする第2の回動方向にも回動させる。これにより、走査用レーザ光の走査領域は、図7(a)の状態から図7(b)の状態に補正される。
【0072】
このとき、本実施の形態では、半導体レーザ101、104から出射される際の走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の光軸が互いに平行となっているため、PSD受光面におけるサーボ用レーザ光の走査領域が、図7(c)の状態から図7(d)の状態へと補正される。すなわち、本実施の形態では、上記の如く走査用レーザ光の走査領域を矩形形状に補正すると、これに伴って、PSD受光面におけるサーボ用レーザ光の走査領域が矩形形状へと近付けられる。
【0073】
したがって、本実施の形態によれば、このように半導体レーザ101、104の位置関係を調整することにより、サーボ用レーザ光の走査領域を矩形形状に近付けることができる。このため、走査領域左端におけるサーボ用レーザ光の走査ラインのピッチを拡張することができ、サーボ用レーザ光の受光位置に対するPSD受光面の分解能を向上させることができる。その結果、サーボ用レーザ光の受光位置を適正に検出することができ、走査用レーザ光に対するサーボ制御を円滑かつ適正に行うことができる。
【0074】
<検証例>
本実施の形態における効果を上記比較例と比較して検証した。
【0075】
本検証における実施の形態と比較例の光学系は、それぞれ、図4(a)と図6(a)に示すとおりであるが、本検証では、ミラー13の直下位置にミラー15が配置されている。また、本検証では、ミラー13の中心位置(走査用レーザ光の光軸が入射する位置)とミラー15の中心位置(サーボ用レーザ光の光軸が入射する位置)は、これらミラー13、15が中立位置にあるときに、鉛直方向に15mmだけ互いにずれた状態にあるとされている。
【0076】
その他のシミュレーション条件は、以下のとおりである。
【0077】
a.ミラー13と目標領域の間の距離:200mm
b.ミラー15とPSD間の距離:10mm
図9は、図8(c)に示すようにミラー13を中立位置から水平方向から角度β(鉛直方向上向きが正)だけ傾けた状態で、支軸11、12を軸として、±12.5度の範囲で回動させたときの目標領域における走査用レーザ光の軌跡(図9(a)参照)とPSD106上におけるサーボ用レーザ光の走査軌跡(図9(b)(c)参照)をシミュレーションにより求めたものである。図9(b)、(c)は、それぞれ、比較例と実施の形態におけるサーボ用レーザ光の走査軌跡である。
【0078】
図中、“2.5”、“1.25”、“0”、“−1.25”、“−2.5”と示された線図は、それぞれ、ミラー13が中立位置から鉛直方向に“2.5度”、“1.25度”、“0度”、“−1.25度”、“−2.5度”だけ傾いた状態で、支軸11、12を軸として回動されたときの走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の走査軌跡を示している。
【0079】
図示の如く、この場合には、ミラー13が鉛直方向に傾いていない場合を除き、走査用レーザ光の走査軌跡は水平から傾いた状態となり、また、PSD106上におけるサーボ光の走査軌跡も、比較例と実施の形態の両方において水平とはならない。
【0080】
図10は、図8(a)(b)に示すように、走査用レーザ光が目標領域に設定された各走査ラインを水平に走査するようミラーアクチュエータ100を駆動制御したときの走査用レーザ光の軌跡(図10(a)参照)とPSD106上におけるサーボ用レーザ光の走査軌跡(図10(b)(c)参照)をシミュレーションにより求めたものである。図10(b)、(c)は、それぞれ、比較例と実施の形態におけるサーボ用レーザ光の走査軌跡である。
【0081】
なお、ここでは、走査用レーザ光を、図9(a)の各走査ラインの中点から±12.5度の範囲で水平方向に走査させている。走査ライン1と走査ライン5の鉛直方向の振り角αは、それぞれ、+5度、−5度であり、また、走査ライン2と走査ライン4の鉛直方向の振り角αは、それぞれ、+2.5度、−2.5度である。
【0082】
図10において、“5”、“2.5”、“0”、“−2.5”、“−5”と示された線図は、それぞれ、レーザ光が目標領域において鉛直方向に“5度”、“2.5度”、“0度”、“−2.5度”、“−5度”だけ振られた状態で水平方向に走査されたときの走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の走査軌跡を示している。すなわち、“5”、“2.5”、“0”、“−2.5”、“−5”と示された線図は、それぞれ、レーザ光が、図8(a)の走査ライン1、走査ライン2、走査ライン3、走査ライン4、走査ライン5を走査したときの走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の走査軌跡を示している。
【0083】
図10(b)に示す如く、比較例では、目標領域において走査用レーザ光を水平方向に走査させると、PSD106上におけるサーボ用レーザ光の各走査軌跡が互いに平行とはならず、目標領域上の走査ラインが中央の走査ライン3から鉛直方向に離れるにしたがって、PSD106上におけるサーボ光の走査軌跡の傾きが大きくなることが分かる。また、比較例では、PSD106上におけるサーボ用レーザ光の傾きが図9(b)の場合に比べより急激となっており、PSD106上におけるサーボ用レーザ光の分解能が、図9(b)の場合に比べ低下することが分かる。
【0084】
これに対し、本実施の形態では、図10(c)に示す如く、PSD106上におけるサーボ用レーザ光の各走査軌跡が互いに平行となっている。よって、サーボ用レーザ光の受光位置を適正に検出することができ、走査用レーザ光に対するサーボ制御を円滑かつ適正に行うことができる。
【0085】
以上のとおり、本実施の形態によれば、上記の如くミラー13を駆動制御することにより、走査領域を矩形形状(横長長方形)とすることができる。よって、走査領域が矩形形状から歪むことによる障害物の検出漏れや距離の測定漏れ等を抑制することができ、障害物検出および距離測定を適正に行うことができる。
【0086】
また、上記の如く半導体レーザ101、104の配置を調整することにより、サーボ用レーザ光の受光位置を適正に検出することができ、よって、外乱等によって走査用レーザ光の走査位置にずれが生じても、これを所期の軌道に円滑に復帰させることができる。したがって、本実施の形態によれば、走査用レーザ光の走査位置を所期の軌道に円滑に追従させることができ、障害物検出および距離測定を適正に行うことができる。
【0087】
なお、上記実施の形態では、図11(a)に示すようにミラー13とミラー15を互いに平行となるように配置したが、図11(b)に示すように、半導体レーザ104からPSD106までのサーボ用の光学系を、光学部品の位置関係を保ちながら、ミラー13に対し傾くようにX−Z平面方向に回転させて配置しても、上記と同様の効果が得られる。同図(b)は、サーボ用の光学系を時計方向に回転させた場合の配置例である。つまり、上記実施の形態における効果は、ミラー13に入射する際の走査用レーザ光の光軸からミラー13にて反射された走査用レーザ光の光軸に向かう角度方向A1(図11(b)では時計方向)と、ミラー15に入射する際のサーボ用レーザ光の光軸からミラー15にて反射されたサーボ用レーザ光の光軸に向かう角度方向A2(図11(b)では時計方向)とが互いに一致するように、レーザ光とサーボ光をそれぞれミラー13とミラー15に入射させることにより奏される。
【0088】
また、図12(a)に示すように、ミラー13、15に対する走査用レーザ光とサーボ用レーザ光の入射方向は反転させても同様の効果が奏される。この場合も、図12(b)に示すように、半導体レーザ104からPSD106までのサーボ用の光学系を、光学部品の位置関係を保ちながら、ミラー13に対し傾くようにX−Z平面方向に回転させて配置しても、上記と同様の効果が得られる。同図(b)は、サーボ用の光学系を反時計方向に回転させた場合の配置例である。
【0089】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態によって制限されるものではなく、また、本発明の実施形態も、上記以外に種々の変更が可能である。
【0090】
たとえば、上記実施の形態は、車載用のレーザレーダの本発明を適用したものであったが、本発明は、たとえば、大気中のエアロゾル計測用など、他の用途のレーザレーダに適用することも可能である。また、上記実施の形態では、サーボに用いるレーザ光を出射する光源として半導体レーザを用いたが、これに代えて、LED(Light Emitting Diode)等、他の光源を用いることもできる。
【0091】
また、走査用レーザ光の走査位置を検出するための光学系は上記のものに限定されるものではなく、これ以外の手法・構成により、走査用レーザ光の走査位置を検出するようにしても良い。
【0092】
たとえば、上記実施の形態では、走査用レーザ光を水平方向からミラー13に入射させるようにしたが、鉛直方向から走査用レーザ光をミラー13に入射させるよう構成することもできる。この場合も、ミラーアクチュエータ100は走査用レーザ光の走査軌跡が水平となり、且つ、走査領域が矩形形状となるよう駆動制御される。なお、上記実施の形態では、光検出器としてPSDを用いたが、PD(Photodiode)を用いても良い。
【0093】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】実施の形態に係るミラーアクチュエータの構成を示す図
【図2】実施の形態に係るレーザレーダの構成を示す図
【図3】実施の形態に係る走査用レーザ光のパルス発光について説明する図
【図4】実施の形態に係るミラー制御方法を説明する図
【図5】実施の形態に係るミラー制御方法を説明する図
【図6】実施の形態に係る半導体レーザの配置方法を説明する図
【図7】実施の形態に係る半導体レーザの配置方法による効果を説明する図
【図8】実施の形態に係る検証例の設定条件を説明する図
【図9】実施の形態に係る検証結果を説明する図
【図10】実施の形態に係る検証結果を説明する図
【図11】実施の形態に係る他の構成例を説明する図
【図12】実施の形態に係る他の構成例を説明する図
【符号の説明】
【0095】
13 ミラー
15 ミラー(光学素子)
100 ミラーアクチュエータ(駆動機構)
101 半導体レーザ(レーザ光源)
104 半導体レーザ(サーボ用光源)
106 PSD(光検出器)
201 DSP制御回路(制御回路)
202 DAC(制御回路)
204 アクチュエータ駆動回路(制御回路)
206 PSD信号処理回路(制御回路)
207 ADC(制御回路)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光が入射されるミラーと、
前記ミラーを第1の回動軸と当該第1の回動軸に垂直な第2の回動軸をもってそれぞれ第1および第2の方向に回動させる駆動機構と、
前記駆動機構を制御して前記レーザ光を2次元方向に走査させる制御回路と、
前記ミラーの回動に伴って回動する光学素子と、
サーボ光を発光するサーボ用光源と、
前記光学素子を経由した前記サーボ光を受光するとともに受光位置に応じた信号を出力する光検出器とを備え、
前記制御回路は、前記レーザ光の走査領域が矩形形状となるよう、前記ミラーを前記第1の方向および前記第2の方向に回動制御し、
前記レーザ光と前記サーボ光は、光軸が互いに平行となるように、それぞれミラーと光学素子に入射される、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記レーザ光と前記サーボ光は互いに逆の方向から前記ミラーと前記光学素子に入射される、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記光学素子は、前記サーボ光が入射される平板状の反射面を備える、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載のビーム照射装置を備えるレーザレーダ。
【請求項5】
レーザ光源と、
前記レーザ光源から出射されたレーザ光が入射される走査ミラーと、
前記走査ミラーを第1の回動軸と当該第1の回動軸に垂直な第2の回動軸をもってそれぞれ第1の方向および第2の方向に回動させる駆動機構と、
前記走査ミラーの回動に伴って回動するサーボミラーと、
前記サーボミラーにサーボ光を照射するサーボ光源と、
前記サーボミラーによって反射された前記サーボ光を受光してその受光位置に応じた信号を出力する光検出器とを備え、
前記走査ミラーに入射する際の前記レーザ光の光軸から前記走査ミラーにて反射された前記レーザ光の光軸へと向かう角度方向と、前記サーボミラーに入射する際の前記サーボ光の光軸から前記サーボミラーにて反射された前記サーボ光の光軸へと向かう角度方向とが互いに一致するように、前記レーザ光と前記サーボ光が前記走査ミラーと前記サーボミラーに入射される、
ことを特徴とするビーム照射装置。
【請求項6】
請求項5に記載のビーム照射装置と、
前記レーザ光を目標領域において水平方向に走査させるよう前記駆動機構を制御する制御回路と、
を備えるレーザレーダ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−14698(P2009−14698A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−260760(P2007−260760)
【出願日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(504464070)三洋オプテックデザイン株式会社 (315)
【Fターム(参考)】