説明

ピアツーピア端末装置及びコンテンツ取得方法並びにそのコンピュータプログラム

【課題】ファイル検索タイプのP2P通信方式において、関連があるコンテンツをユーザが容易に発見して取得することができるP2P端末装置を提供する。
【解決手段】P2P端末装置10において、コンテンツ登録部21は、ユーザによって選択されたコンテンツをコンテンツDB24へ登録する時、コンテンツを一意に特定するコンテンツIDを生成する。次に、当該コンテンツに関連する他のコンテンツを選択し、関連するキーワードを受付ける。そして、当該コンテンツに関連する他のコンテンツのコンテンツIDと、受付けたキーワードと、当該コンテンツのコンテンツIDとをメタデータとしてメタデータDB23へ登録する。他のP2P端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、コンテンツ検索要求に含まれているキーワードに該当するキーワードを含むメタデータをメタデータDB23から検出してメタデータを送信元の他のピアツーピア端末装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にファイル検索タイプのピアツーピア通信方式においてコンテンツの検索及び取得を行うピアツーピア端末装置及びコンテンツ取得方法並びにそのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数ユーザ間でコンテンツの共有を行う方式として、従来のクライアントサーバ方式に代わりピアツーピア(以下、P2P)通信方式が注目を集めている。P2P通信方式は、コンテンツを個々のユーザが自端末内で分散管理するため、コンテンツを集中的に管理する端末が不要になる。そのため、システム構築コスト、耐障害性の点でクライアントサーバ方式より優れている。また、クライアントサーバ方式において、コンテンツの送受信がサーバ装置に集中するために発生するボトルネックが、P2P通信方式の構成では発生しないため、スケーラビリティの点でも優れていると言われている。
P2P通信方式において、コンテンツ共有を行うアプリケーションとして、GrooveやArielといったグループウェアと呼ばれる製品がある。これらのアプリケーションを利用する場合、各ユーザは同一の作業環境を共有する必要がある。即ち、図13に示すようにコンテンツを共有する際に、各ユーザのアプリケーションは同一のフォルダ構成を持ち、フォルダ内に格納するコンテンツも同一にする必要がある。また、新たにコンテンツの登録やフォルダ構成の変更などがあると、その情報は各ユーザのアプリケーションに伝えて共有する必要がある。この方式では、共有するコンテンツは各P2P端末にミラーリングされるため、コンテンツの増加に伴い各端末のディスク容量等のリソースの消費量も増大してしまう(例えば、特許文献1参照)。
P2P通信方式では、上記のグループウェア以外にコンテンツ共有を行う別のアプリケーションとしてWinMX等のファイル検索タイプのアプリケーションがある。これらのアプリケーションでコンテンツ共有を行う場合、共有されているコンテンツは各P2P端末で分散管理されているため、個々のP2P端末におけるリソースの消費量は少ない。また、ファイル検索タイプのアプリケーションにおいてコンテンツを取得しようとする場合、ユーザは他の端末に対して所望のコンテンツを保有しているか否かの検索を行う必要がある。この検索に対して、該当するコンテンツを保有しているP2P端末は、該当するコンテンツ情報を検索を要求したP2P端末に応答する。
ところで、決済文書とその添付資料のように、共有するコンテンツ間の関連性を表現しようとした時、グループウェアタイプの場合には、各ユーザが同一のフォルダ構成をもつため関連コンテンツごとにフォルダを作成して、コンテンツをグルーピングしたり、関連のある資料に類似したファイル名を付与したりすることで、コンテンツ間の関連性をユーザに分かり易く示すことができるようになっている。
【特許文献1】特開2004−5491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のファイル検索タイプのP2P通信方式では、共有されるコンテンツがファイル単位にそれぞれ独立したものとして扱われるため、コンテンツ間の関連性を表現することができず、検索によって得られたコンテンツの情報をリストで一覧表示する際にコンテンツ間の関連性が把握しづらいという問題がある(例えば、図14参照)。
【0004】
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、ファイル検索タイプのP2P通信方式において、関連があるコンテンツをユーザが容易に発見して取得することができ、さらに、コンテンツ間の関連性を視覚的に分かり易くすることができるP2P端末装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、ピアツーピアネットワークを介して他のピアツーピア端末装置に接続する接続手段と、前記他のピアツーピア端末装置との間で送受信するコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備えたピアツーピア端末装置において、ユーザによって選択された前記コンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する識別情報生成手段と、前記コンテンツに関連する他のコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、前記ユーザによって選択された前記コンテンツに関連するキーワードを受付けるキーワード受付手段と、前記ユーザによって選択された前記コンテンツの前記識別情報と前記選択手段によって選択された前記他のコンテンツの前記識別情報とキーワード受付け手段が受付けた前記キーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する関連情報登録手段と、前記ユーザによって選択された前記コンテンツと当該コンテンツの前記識別情報とを対応付けて前記コンテンツ記憶部に登録するコンテンツ登録手段と、前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、前記コンテンツ検索要求に設定されている検索情報を読み出し、前記検索情報を含む前記キーワードが設定されている前記関連情報を前記関連情報記憶部から検出し、検出した前記関連情報を送信元の前記他のピアツーピア端末装置に送信する関連情報送信手段と、前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、前記コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当するコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信するコンテンツ送信手段と、を備えたことを特徴とするピアツーピア端末装置である。
【0006】
本発明は、上記の発明において、前記コンテンツを前記他のピアツーピア端末装置に配信する際に、前記コンテンツに対応する前記関連情報を前記関連情報記憶部から読み出して前記コンテンツと共に配信するコンテンツ配信手段を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明は、上記の発明において、前記コンテンツ選択手段は、前記ユーザの指示の下で、前記コンテンツ記憶部に登録されている前記コンテンツの中から関連する前記他のコンテンツを選択することを特徴とする。
【0008】
本発明は、上記の発明において、前記コンテンツ選択手段は、前記ユーザが前記コンテンツを複数選択している時、前記ユーザの指示の下で、前記ユーザに選択された複数の前記コンテンツの間で互いに関連する前記他のコンテンツを選択することを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記の発明において、前記コンテンツに対して前記ユーザが入力した質問情報と、前記質問情報に対して前記ユーザが設定した回答期限情報と、質問対象としている質問元コンテンツの前記識別情報とを含む質問回答メッセージを生成する質問メッセージ生成手段と、前記質問回答メッセージに一意に特定できるメッセージIDを付与し、当該メッセージIDと前記質問回答メッセージとを内部の記憶領域に登録する質問メッセージ登録手段と、前記質問回答メッセージを受信した時、前記他のピアツーピア端末装置のユーザが入力した前記質問情報に対応する回答情報と、受信した前記質問回答メッセージの前記メッセージIDと前記質問元コンテンツの前記識別情報と前記回答期限情報とを含む質問回答メッセージを生成する回答メッセージ生成手段と、前記回答メッセージ生成手段によって生成された前記質問回答メッセージを内部の記憶領域に登録する回答メッセージ登録手段と、前記質問回答メッセージを前記他のピアツーピア端末装置に送信する質問回答メッセージ送信手段と、を更に備え、前記コンテンツ登録手段は、前記内部の記憶領域から前記回答期限が経過している前記質問回答メッセージを検出し、検出した前記質問回答メッセージから前記コンテンツを生成して前記コンテンツ記憶部へ登録し、前記コンテンツ選択手段は、前記質問回答メッセージから生成された前記コンテンツに前記質問元コンテンツの前記識別情報が含まれている場合は、当該識別情報に対応する前記コンテンツを関連する他のコンテンツとして選択することを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記の発明において、前記コンテンツ検索要求の応答として前記関連情報を受信した時、前記関連情報に含まれている前記コンテンツのイメージを画面に表示する表示手段と、受信した前記関連情報に基づいて、前記関連情報に含まれている前記コンテンツ間の関連度を所定の判定規則に従って判定する判定手段と、前記判定手段により判定された前記コンテンツ間の前記関連度に従って、前記関連度に予め対応付けられた所定の線種を選択し、前記コンテンツに対応する前記イメージの間を選択された前記所定の線種で描画する関連度描画手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明は、ピアツーピアネットワークを介して他のピアツーピア端末装置に接続する接続手段と、前記他のピアツーピア端末装置との間で送受信するコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備えたピアツーピア端末装置のコンテンツ取得方法において、ユーザによって選択された前記コンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する過程と、前記コンテンツに関連する他のコンテンツを選択する過程と、前記ユーザによって選択された前記コンテンツに関連するキーワードを受付ける過程と、前記ユーザによって選択された前記コンテンツの前記識別情報と前記コンテンツに関連するコンテンツとして選択された前記他のコンテンツの前記識別情報と受付けた前記キーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する過程と、前記ユーザによって選択された前記コンテンツと当該コンテンツの前記識別情報とを対応付けて前記コンテンツ記憶部に登録する過程と、前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、前記コンテンツ検索要求に含まれている前記キーワードに該当する前記キーワードを含む前記関連情報を前記関連情報記憶部から検出し、検出した前記関連情報を送信元の前記他のピアツーピア端末装置に送信する過程と、前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、前記コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当するコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信する過程と、からなることを特徴とするコンテンツ取得方法である。
【0012】
本発明は、ピアツーピアネットワークを介して他のピアツーピア端末装置に接続する接続手段と、前記他のピアツーピア端末装置との間で送受信するコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備えたピアツーピア端末装置のコンピュータを、ユーザによって選択された前記コンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する識別情報生成手段、前記コンテンツに関連する他のコンテンツを選択するコンテンツ選択手段、前記ユーザによって選択された前記コンテンツに関連するキーワードを受付けるキーワード受付手段、前記ユーザによって選択された前記コンテンツの前記識別情報と前記選択手段によって選択された前記他のコンテンツの前記識別情報とキーワード受付け手段が受付けた前記キーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する関連情報登録手段、前記ユーザによって選択された前記コンテンツと当該コンテンツの前記識別情報とを対応付けて前記コンテンツ記憶部に登録するコンテンツ登録手段、前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、前記コンテンツ検索要求に含まれている前記キーワードに該当する前記キーワードを含む前記関連情報を前記関連情報記憶部から検出し、検出した前記関連情報を送信元の前記他のピアツーピア端末装置に送信する関連情報送信手段、前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、前記コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当するコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信するコンテンツ送信手段、として機能させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、P2P端末装置は、ユーザによって選択されたコンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する。そして、当該コンテンツに関連する他のコンテンツを選択し、当該コンテンツに関連するキーワードを受付ける。ユーザが選択したコンテンツの識別情報と、関連するコンテンツとして選択された他のコンテンツの識別情報と、受付けたキーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する。ユーザが選択したコンテンツとその識別情報とを対応付けてコンテンツ記憶部に登録する。そして、他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、コンテンツ検索要求に含まれている検索情報を読み出し、検索情報を含むキーワードを含む関連情報を関連情報記憶部から検出し、検出した関連情報を送信元の他のピアツーピア端末装置に送信する。また、他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当する前記コンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信する構成となっている。そのため、コンテンツを登録するユーザは、コンテンツ登録時に、コンテンツに関連する関連コンテンツの情報を合わせて設定することができる。また、コンテンツを検索するユーザは、コンテンツの検索時に、当該コンテンツの関連情報を同時に取得することができる。それによって、ユーザ間でコンテンツの関連情報を共有することができ、ユーザ間でコンテンツの送受信を行う場合に、当該コンテンツに関連付けられているコンテンツを容易に検索することができる。
【0014】
また、本発明によれば、P2P端末装置は、コンテンツを前記他のピアツーピア端末装置に配信する際に、コンテンツに対応する関連情報を関連情報記憶部から読み出してコンテンツと共に配信する構成となっている。そのため、コンテンツの登録を行ったピアツーピア端末装置がコンテンツの複製情報を他のピアツーピア端末装置に送信することが可能となる。それによって、コンテンツの登録を行ったピアツーピア端末装置がピアツーピアネットワークから存在しなくなっても、配信を受けた他のピアツーピア端末装置から当該コンテンツを取得することが可能となる。
【0015】
また、本発明によれば、P2P端末装置は、ユーザの指示の下で、コンテンツ記憶部に登録されているコンテンツの中から関連する他のコンテンツを選択する構成となっている。そのため、ユーザはコンテンツを登録する時に関連する関連コンテンツを登録済みのコンテンツの中から選択することが可能となる。
【0016】
また、本発明によれば、P2P端末装置は、ユーザがコンテンツを複数選択し一度に登録する際に、ユーザの指示の下で、ユーザに選択された複数のコンテンツの間で互いに関連する他のコンテンツを選択する構成となっている。そのため、複数のコンテンツの登録を行う前にまとめて関連付けを行うことができ、ユーザはコンテンツを1つずつ登録してから関連付けを行うという手間のかかる操作を行う必要がなくなる。
【0017】
また、本発明によれば、P2P端末装置は、コンテンツに対してユーザが入力した質問情報と、質問情報に対してユーザが設定した回答期限情報と、質問対象としている質問元コンテンツの識別情報とを含む質問回答メッセージを生成する。そして、質問回答メッセージに一意に特定できるメッセージIDを付与し、質問回答メッセージを内部の記憶領域に記憶する。質問回答メッセージを受信した時、ユーザが入力した質問情報に対応する回答情報と、受信した質問回答メッセージのメッセージIDと質問元コンテンツの識別情報と回答期限情報とを含む質問回答メッセージを生成する。生成された質問回答メッセージを内部の記憶領域に記憶し、質問回答メッセージを他のピアツーピア端末装置に送信する。そして、内部の記憶領域から前記回答期限が経過している質問回答メッセージを検出し、検出した質問回答メッセージからコンテンツを生成してコンテンツ記憶部へ登録する。質問回答メッセージから生成されたコンテンツに質問元コンテンツの識別情報が含まれている場合は、当該識別情報に対応するコンテンツを関連する他のコンテンツとして選択する構成となっている。そのため、P2P端末装置の間で交換されたあるコンテンツに対する質問と回答のメッセージを自動的に当該コンテンツに関連付けを有する新たなコンテンツとして登録することが可能となる。
【0018】
また、本発明によれば、P2P端末装置は、コンテンツ検索要求の応答として関連情報を受信した時、関連情報に含まれているコンテンツのイメージを画面に表示する。受信した関連情報に基づいて、関連情報に含まれているコンテンツ間の関連度を所定の判定規則に従って判定する。判定されたコンテンツ間の関連度に従って、関連度に予め対応付けられた所定の線種を選択し、コンテンツに対応する前記イメージの間を選択された所定の線種で描画する構成となっている。そのため、P2P端末装置は関連情報に含まれているコンテンツ間の関連度を線種や線の太さで表示することが可能となる。それによって、ユーザは視覚的にコンテンツの関連度を知ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態によるP2P端末装置を図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるP2P端末装置と当該P2P端末装置及びP2Pネットワークによって構成されるP2P通信システム1を示す概略ブロック図である。
同図に示すP2P通信システム1は、サーバ装置を有しないピュア型のP2P通信システムである。P2P端末装置10−1、10−2、10−3、10−4(以下、P2P端末装置を示す場合には代表的にP2P端末装置10と記載する。)は、P2Pネットワーク30を介して相互に接続し、ファイル交換やファイル探索等を行う。P2Pネットワーク30は、例えば、インターネットに接続したP2P端末装置10によってインターネット上に論理的に構築されるP2P通信用のネットワークである。
【0020】
図2は、P2P端末装置10の内部構成を示したブロック図である。同図において、ユーザインタフェース部11は、キーボードやマウス等からユーザの指示を受け、また、内部の処理結果を画面に表示する。アプリケーション制御部20は、ユーザインタフェース部20からユーザの指示を受信し、指示に対応する処理を実行する。通信プロトコル制御部12は、P2Pネットワーク30に接続し、他のP2P端末装置10との間で情報の送受信を行う。
アプリケーション制御部20において、コンテンツ登録部21は、ユーザの操作またはアプリケーションの自律動作によるコンテンツ登録の指示を受けて、他のP2P端末装置10との間で共有するコンテンツをコンテンツ管理部22を介してコンテンツデータベース(以下、DBと略す。)24に登録する。また、コンテンツを登録する際に、当該コンテンツの関連情報であるメタデータを作成し、同じくコンテンツ管理部22を介してメタデータデータベース(以下、DBと略す。)に登録する。コンテンツ検索部25は、ユーザの指示を受けてコンテンツ検索メッセージを作成し、通信プロトコル制御部12を介して他のP2P端末装置10にコンテンツ検索メッセージを含む検索要求を送信する。また、他のP2P端末装置10から検索要求を受信して、コンテンツ管理部22を介してメタデータDB23からコンテンツの関連情報を検索して応答する。コンテンツ送信部26は、他のP2P端末装置10からのコンテンツ取得要求を受信した際に、該当するコンテンツをコンテンツDB24から読み出して応答する。コンテンツ受信部27は、他のP2P端末装置にコンテンツ取得要求を送信し、該当するコンテンツを保有するP2P端末装置10から受信する。Q&Aメッセージ部28は、コンテンツDB24に登録されているコンテンツの内容に対して他のP2P端末装置10のユーザに質問するためのメッセージを生成して送信し、また当該質問に対する回答のメッセージを受信する。
【0021】
図3及び図4を参照して、上述したメタデータDB23のデータ構成について説明する。
図3は、メタデータDB23のデータ構成を示した図であり、行ごとに各コンテンツに関連する情報であるメタデータが設定される。同図において、コンテンツID(Identification:識別情報)の列には、P2P通信システム1内でコンテンツを一意に特定することが可能なコンテンツ登録時に付与されたIDを記憶する。コンテンツ名の列には、ユーザインタフェース部11を介して画面に表示するコンテンツの名称を記憶する。作成者の列には、当該コンテンツを作成したユーザ名を記憶する。保有者の列には、当該コンテンツを内部に保有しているP2P端末装置10のユーザ名を記憶する。キーワードの列には、当該コンテンツの検索キーとなる単語を設定する。検索キーとなる単語は複数設定することも可能である。関連コンテンツIDの列には、当該コンテンツと関連のあるコンテンツのコンテンツIDを記憶する。また、関連コンテンツ名の列には、当該コンテンツと関連のある関連コンテンツの名称を記憶する。関連種別の列には、関連コンテンツID及び関連コンテンツ名に設定した関連するコンテンツと当該コンテンツの関係を示す情報を設定する。
【0022】
図4は、図3で説明した関連種別に設定されるコンテンツの間の関連を示す情報を定義した関連種別定義ファイル29を示した図である。関連種別定義ファイル29は、コンテンツ登録部21の内部に予め設定されている定義ファイルである。同図において、左右の列の組が2つのコンテンツの関連を表している。片方のコンテンツの関連種別に左の列のいずれかの関連種別が設定されると、もう片方のコンテンツの関連種別には対応する右の列の関連種別が設定される。例えば、コンテンツAとコンテンツDに関連があり、コンテンツAが本文でコンテンツDがその参考資料である場合には、図4に示す関連種別のデータベースを参照して、コンテンツAの関連種別欄には「参考資料」を設定し、コンテンツDの関連種別欄には「本文」が設定されることになる。
【0023】
図5は、P2P通信システム1におけるP2P端末装置10−1、10−2の間のコンテンツ参照の関係を示した概要図である。
同図において、P2P端末装置10−1が自コンテンツDB24−1(以下、各P2P端末装置の内部の構成部を示す場合には、P2P端末装置の符号の枝番を内部の構成部の符号に同じ枝番を対応付けて記載する。)に記憶している「KM決済本文」とP2P端末装置10−2がコンテンツDB24−2に記憶している「決済本文」は同じコンテンツであるがファイル名及びコンテンツDB内におけるディレクトリの位置が異なる。しかしながら、KM決済本文に対応するメタデータ23−1と決済本文に対応するメタデータ23−2から両コンテンツは同一のコンテンツIDであり、同一のコンテンツであることを確認することができる。即ち、ファイル名やディレクトリ構成上の位置が変更されてもメタデータを参照することで、コンテンツIDから一意にコンテンツを特定することができる。
【0024】
図6及び図7を参照して、P2P端末装置10におけるコンテンツ登録の処理について説明する。
図6は、コンテンツを1つずつ登録する場合の処理を示したフローチャートである。最初に、ユーザがマウス等によりオペレーティングシステムが画面に表示したデスクトップ上に存在するコンテンツを1つ選択しドラッグ&ドロップ操作を行って、選択したコンテンツをユーザインタフェース部11が画面上に表示したサブウインドウの所定の領域に移動する。ユーザの当該操作を受けたユーザインタフェース部11は、コンテンツ登録部21に当該コンテンツの情報を通知する(ステップS6−1)。コンテンツ登録部21は、通知されたコンテンツに対するコンテンツIDを生成する(ステップS6−2)。次に、コンテンツ登録部21は、キーワードの設定を行う。コンテンツ登録部21がキーワードの情報を取得する手段としては、ユーザがキーボード等から入力したキーワードの情報をユーザインタフェース部11を介して取得する手段と、形態素解析などの一般的な文書解析ツールを利用してコンテンツから自動的に抽出した情報の出力を取得する手段等がある(ステップS6−3)。次に、コンテンツ登録部21は、登録するコンテンツに関連する関連コンテンツがコンテンツDB24に存在するか否かをユーザに問い合わせるため、問い合わせのためのメッセージを含んだサブウインドウをユーザインタフェース部11を介して画面に表示する。ユーザが当該サブウインドウ上で「関連コンテンツ有り」を選択した場合には、コンテンツ選択ウインドウを表示する。コンテンツ登録部21は、ユーザのコンテンツ選択ウインドウ上で行った操作を受けてコンテンツ選択ウインドウに表示されているコンテンツから関連コンテンツを選択する(ステップS6−5)。次に、コンテンツ登録部21は、登録するコンテンツとユーザが選択した関連コンテンツとの関連種別を設定するため、ユーザの操作を受けて上記した関連種別定義ファイル29から関連種別を選択する(ステップS6−6)。そして、ステップS6−4に戻り、ユーザが画面上で「関連コンテンツ無し」を選択するまでステップS6−5からS6−6までの処理を繰り返す。ユーザが「関連コンテンツ無し」を選択した場合には、メタデータを生成してメタデータDB23に登録し、ユーザに選択されたコンテンツをコンテンツDB24に登録して処理を終了する(ステップS6−7)。
なお、フローチャート上は図示していないが、一度登録を行ったコンテンツについては、上記処理においてコンテンツIDが既に付与されているかを判定する処理を加え、既にIDが付与されている場合には、コンテンツIDを新たに付与せず、キーワード設定以降の処理を行って、関連コンテンツを追加及び変更するようにしてもよい。
【0025】
図7は、ユーザが登録するコンテンツを複数選択した場合の処理を示したフローチャートである。最初に、ユーザがマウス等によりコンテンツを複数選択しドラッグ&ドロップ操作を行って、選択した複数のコンテンツをユーザインタフェース部11が画面上に表示したサブウインドウの所定の領域に移動する。ユーザの当該操作を受けたユーザインタフェース部11は、コンテンツ登録部21に当該複数のコンテンツの情報を通知する(ステップS7−1)。コンテンツ登録部21は、通知された複数のコンテンツのそれぞれに対してコンテンツIDを生成する(ステップS7−2)。次に、コンテンツ登録部21は、キーワードの設定を行う。キーワードの設定は図6で説明した手順と同じであるが、ユーザがキーボード等から入力したキーワードを登録する場合には、各コンテンツに対して順次登録する(ステップS7−3)。次に、コンテンツ登録部21は、登録する複数のコンテンツの間で関連付けを行うか否かをユーザに問い合わせるため、問い合わせのためのメッセージを含んだサブウインドウをユーザインタフェース部11を介して画面に表示する。ユーザが当該サブウインドウ上で「関連付けを行う」を選択した場合は、コンテンツ登録部21は、ユーザの操作を受けて登録する複数のコンテンツの間で互いに関連コンテンツが選択し関連付けを行う(ステップS7−5)。次に、コンテンツ登録部21は、登録するコンテンツとユーザが選択した関連コンテンツとの関連を設定するため、ユーザの操作を受けて上記した関連種別定義ファイル29から関連種別を選択する(ステップS7−6)。そして、ステップS7−4に戻り、ユーザが「関連付けを行わない」を選択するまでステップS7−5からS7−6までの処理を繰り返す。そして、ユーザが「関連付けを行わない」を選択した場合には、メタデータを生成しメタデータDB23に登録し、ユーザに選択された複数のコンテンツをコンテンツDB24に登録して処理を終了する(ステップS7−7)。
なお、フローチャートには図示していないが、コンテンツを複数選択した場合にも、複数コンテンツ間で関連コンテンツの登録を行った後に、コンテンツDB24に登録されているコンテンツから関連コンテンツを選択できるようにしてもよい。
【0026】
図8は、P2P通信システム1においてP2P端末装置10−1、10−2、10−3、10−4の間で関連コンテンツを送受信する処理を示したフローチャートである。
同図において、最初に、P2P端末装置10−4がユーザの指示を受けて、コンテンツA及びコンテンツBを互いに関連のある関連コンテンツとして登録する(ステップS8−1)。P2P端末装置10−2は、P2P端末装置10−4が配信したコンテンツAの複製及びコンテンツAのメタデータを受信し内部のコンテンツDB24−2とメタデータDB23−2に登録する(ステップS8−2)。P2P端末装置10−3も、P2P端末装置10−4が配信したコンテンツBの複製及びコンテンツBのメタデータを受信し同じく内部のコンテンツDB24−3とメタデータDB23−3に登録する(ステップS8−3)。その後、P2P端末装置10−4はP2Pネットワーク30との接続を切断しオフラインとなる。この時点で、オリジナルのコンテンツAとコンテンツBはP2Pネットワーク30から存在しなくなる(ステップS8−4)。次に、P2P端末装置10−1はユーザの指示を受けて、コンテンツAの検索要求をP2Pネットワーク30に送信する(ステップS8−5)。P2Pネットワーク30に接続しているP2P端末装置10−2及びP2P端末装置10−3はP2P端末装置10−1から検索要求を受信する(ステップS8−6,S8−7)。検索要求を受信したP2P端末装置10−2は、内部のコンテンツDB24−2にコンテンツAを登録しているため、コンテンツAを有する検索結果を得る(ステップS8−8)。P2P端末装置10−2は、コンテンツAに対応するメタデータをメタデータDB23−2から読み出し当該検索結果と共に送信する(ステップS8−9)。P2P端末装置10−1はP2P端末装置10−2から検索結果とコンテンツAのメタデータを受信する(ステップS8−10)。P2P端末装置10−1のユーザは、受信したメタデータからコンテンツAの関連コンテンツとしてコンテンツBの存在を知ることができる。そして次に、P2P端末装置10−1はユーザの操作の下で、コンテンツBの検索要求をP2Pネットワーク30に送信する(ステップS8−12、S8−13)。検索要求を受信したP2P端末装置10−3は、コンテンツDB24−3にコンテンツBを登録しているため、コンテンツBを有する検索結果を得る(ステップS8−14)。P2P端末装置10−3は、コンテンツBに対応するメタデータをメタデータDB23−3から読み出し当該検索結果と共に送信する(ステップS8−15)。次に、P2P端末装置10−1はユーザの指示を受けてコンテンツAの取得要求をP2P端末装置10−2に送信する(ステップS8−16)。P2P端末装置10−2はコンテンツAの取得要求を受けて、コンテンツDB24−2からコンテンツAを読み出して応答する(ステップS8−17)。P2P端末装置10−1は、P2P端末装置10−2からコンテンツAを受信してコンテンツDB24−1に登録する(ステップS8−18)。同様に、P2P端末装置10−1はユーザの指示を受けてコンテンツBの取得要求をP2P端末装置10−3に送信する(ステップS8−19)。P2P端末装置10−3はコンテンツBの取得要求を受けて、コンテンツDB24−3からコンテンツBを読み出して応答する(ステップS8−20)。P2P端末装置10−1は、P2P端末装置10−3からコンテンツBを受信してコンテンツDB24−1に登録する(ステップS8−21)。
【0027】
図9及び図10を参照して、P2P端末装置10が自律的にコンテンツの関連付けを行う実施例について説明する。
P2P端末装置10のQ&A(質問回答)メッセージ部28は、P2P端末装置10がユーザの指示を受けて、あるコンテンツを選択し、他のP2P端末装置10のユーザとの間で一般的に知られているチャットのような手段で当該コンテンツに対して質問と当該質問に対する回答などを行う仕組みを備えている。図9は質問回答を行う際にP2P端末装置10の間で送受信されるQ&Aメッセージのフォーマットを示した図である。同図において、メッセージID(IDentification)は、P2P端末装置10のユーザが新たに質問を提起した際にP2P端末装置10によって他のQ&Aメッセージと区別できるように付与されるIDである。P2P端末装置10のあるユーザから提起された質問に対して別のユーザが回答する場合や、回答に対して更に質問を行う場合には同じメッセージIDが利用される。質問元コンテンツIDは、質問回答の対象となっているコンテンツIDが設定される。回答期限は、ユーザの指示を受けて最初のQ&Aメッセージを作成する際に設定され、回答期限を過ぎたQ&Aメッセージは、コンテンツとしてシステムに登録される。送信元ユーザには、メッセージの送信元のユーザの名称が設定され、宛先ユーザには、メッセージの宛先のユーザ名が設定される。本文には、ユーザが入力した質問若しくは回答のテキストのメッセージが設定される。
【0028】
図10は、P2P端末装置10がQ&Aメッセージをコンテンツとして登録する際に、自律的にコンテンツの関連付けを行う処理を示したフローチャートである。最初に、Q&Aメッセージ部28は、内部に記憶しているQ&Aメッセージに回答期限を過ぎたQ&Aメッセージが存在するか否かを確認する(ステップS10−1)。回答期限を過ぎたメッセージが無い場合には処理を終了する。期限を過ぎたメッセージが存在する場合には、同一メッセージIDのQ&Aメッセージを収集する(ステップS10−2)。そして、収集したQ&Aメッセージを1つのコンテンツにまとめてコンテンツIDを付与する(ステップS10−3)。次に、Q&Aメッセージをまとめて生成されたコンテンツに対応するキーワードの設定を行う(ステップS10−4)。次に、質問元コンテンツIDが設定されているか否かを確認し(ステップS10−5)設定されていない場合には次の処理に進み、設定されている場合には質問元コンテンツIDを関連コンテンツIDとして設定し、関連種別に「質問元」と「質問回答」の組み合わせを対応付けて設定する(ステップS10−6)。そして、メタデータが既に存在している場合には、当該メタデータの内容の変更をし、メタデータが存在していない場合には、メタデータを生成してメタデータDB23に登録し、登録処理を終了する(ステップS10−7)。
【0029】
図11及び図12を参照して、P2P端末装置10が検索した関連コンテンツの関連度を、画面上にアイコン等を利用して視覚的に示す手段について説明する。
図11は、P2P端末装置10がユーザの指示を受けてP2Pネットワーク30に検索要求を送信し、その応答を受信して画面上に表示された検索結果表40及び検索結果から生成されたコンテンツ関連度マップ41を示した図である。
検索結果表40は、P2P端末装置10が検索要求を送信し、応答として受信した検索結果をまとめたものが表示された表であり。同図では、キーワードを“P2P”に設定して検索を行った結果としてコンテンツA〜Eの5つのコンテンツとそれぞれのメタデータを表示している。コンテンツ関連度マップ41は、検索結果表40のメタデータに基づいて生成されたイメージ図である。コンテンツ関連度マップ41では、検索結果で受信したコンテンツをアイコンで表示し、各コンテンツの関連度は線種で分類して表示することで、視覚的にわかりやすくしている。例えば、コンテンツAとCの間及びコンテンツBとCの間は検索結果表40に示されている通り“P2P”と“開発”という2つのキーワードで共通するため単に線で結ばれている。コンテンツAとBは“P2P”と“開発”と“アプリ”という3つのキーワードで共通するためコンテンツAとCの間及びコンテンツBとCの間を結んだ線よりも太い線で結ばれている。一方、コンテンツAとEは共通のキーワードとしては“P2P”のみが共通するが、それ以外に関連コンテンツとして互いに登録されているため、線の太さではなく二重線で結ばれている。また、コンテンツZは、検索結果表40には含まれていないがコンテンツAの関連コンテンツとして設定されているため、検索結果に含まれているコンテンツとは色を変えて表示している。
このように線種や色等で各コンテンツの関連性が示されるため、ユーザは視覚的にコンテンツの関連性を知ることが可能となる。
【0030】
図12は、検索表40からコンテンツ関連度マップ41を生成する処理を示したフローチャートである。
最初に、検索で発見された全てのコンテンツをアイコンで画面上に表示する(ステップS12−1)。次に、検索によって発見されたコンテンツが2つ以上か否かを判定する(ステップS12−2)。検索によって発見されたコンテンツが2つ以上の場合には、2つのコンテンツから構成される組み合わせを生成し、全ての組み合わせに対して「未調査」のフラグを設定する(ステップS12−3)。「未調査」フラグの立っているコンテンツの組み合わせを1つ選択し、選択したコンテンツの組み合わせの「未調査」フラグの設定を解除する(ステップS12−4)。次に、メタデータの関連コンテンツIDに互いのコンテンツIDが設定されているか否かを確認する(ステップS12−5)。互いのコンテンツIDが設定されている場合には、アイコン間を二重線で結ぶ描画を行う(ステップS12−6)。互いのコンテンツIDが設定されていない場合には共通キーワードの数をカウントし、カウントした数の大きさに比例した太さの線でアイコン間を結ぶ描画を行う(ステップS12−7)。そして、「未調査」フラグが設定されているコンテンツの組み合わせが存在するか否かを確認する(ステップS12−8)。「未調査」フラグが設定されているコンテンツの組が存在する場合にはステップS12−4に戻り、ステップS12−4からステップS12−7の処理を繰り返す。「未調査」フラグが設定されているコンテンツの組が存在しない場合には、次の処理に進む。ステップS12−2で検索によって発見されたコンテンツが2つ以上無い場合、または、ステップS12−8で「未調査」フラグの設定されているコンテンツの組み合わせが無い場合には、今度は全てのコンテンツに「未調査」フラグを設定する(ステップS12−9)。「未調査」フラグの立っているコンテンツを1つ選択し、選択したコンテンツの「未調査」フラグの設定を解除する(ステップS12−10)。メタデータの関連コンテンツIDに検索で発見されたコンテンツ以外のコンテンツIDが設定されているか否かを確認する(ステップS12−11)。発見されたコンテンツ以外のコンテンツが無い場合には、次の処理に進む。発見されたコンテンツ以外のコンテンツIDが設定されている場合には、当該コンテンツIDのコンテンツをアイコン表示し、選択しているコンテンツとの間を二重線で結ぶ描画を行う(ステップS12−12)。次に、「未調査」フラグの設定されているコンテンツが存在するか否かを確認し、存在する場合にはステップS12−10に戻りステップS12−10からステップS12−12の処理を繰り返す。「未調査」フラグの設定されていないコンテンツが存在しない場合には処理を終了する(ステップS12−13)。
なお、ステップS12−7において、共通キーワードの数をカウントするようにしているが、検索されたコンテンツは画面に表示されるため関連があることが明らかであるため、検索に利用したキーワードを共通キーワードから除いてカウントするようにしてもよい。その際、検索に利用したキーワードしか共通キーワードを有しないコンテンツに関しては図11に示すコンテンツDのように他のコンテンツからの線が描画されないこととなる。
【0031】
上述のP2P端末装置10は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述したコンテンツ登録からメタデータの生成及びP2P端末装置10間でのメタデータ及びコンテンツの送受信の処理過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態によるP2P端末装置及びP2P通信システムを示すブロック図である。
【図2】同実施形態におけるP2P端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】同実施形態におけるメタデータデータベースのデータ構造を示した図である。
【図4】同実施形態における関連種別定義ファイルのデータ構造を示した図である。
【図5】同実施形態におけるP2P通信システムにおけるP2P端末装置間のコンテンツ参照の関係を示した図である。
【図6】同実施形態におけるコンテンツ登録処理のフローチャート(その1)である。
【図7】同実施形態におけるコンテンツ登録処理のフローチャート(その2)である。
【図8】同実施形態におけるコンテンツ取得処理の流れを示したシーケンス図である。
【図9】同実施形態におけるQ&Aメッセージのフォーマットを示した図である。
【図10】同実施形態におけるQ&Aメッセージをコンテンツとして登録する処理を示したフローチャートである。
【図11】同実施形態における検索結果表とコンテンツ関連度マップを示した図である。
【図12】同実施形態におけるコンテンツ関連度マップを生成する処理を示したフローチャートである。
【図13】従来の技術を示した図である。
【図14】従来の技術を示した図である。
【符号の説明】
【0033】
10 P2P端末装置
21 コンテンツ登録部
23 メタデータDB
24 コンテンツDB


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピアツーピアネットワークを介して他のピアツーピア端末装置に接続する接続手段と、前記他のピアツーピア端末装置との間で送受信するコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備えたピアツーピア端末装置において、
ユーザによって選択された前記コンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する識別情報生成手段と、
前記コンテンツに関連する他のコンテンツを選択するコンテンツ選択手段と、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツに関連するキーワードを受付けるキーワード受付手段と、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツの前記識別情報と前記選択手段によって選択された前記他のコンテンツの前記識別情報とキーワード受付け手段が受付けた前記キーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する関連情報登録手段と、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツと当該コンテンツの前記識別情報とを対応付けて前記コンテンツ記憶部に登録するコンテンツ登録手段と、
前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、前記コンテンツ検索要求に設定されている検索情報を読み出し、前記検索情報を含む前記キーワードが設定されている前記関連情報を前記関連情報記憶部から検出し、検出した前記関連情報を送信元の前記他のピアツーピア端末装置に送信する関連情報送信手段と、
前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、前記コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当するコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信するコンテンツ送信手段と、
を備えたことを特徴とするピアツーピア端末装置。
【請求項2】
前記コンテンツを前記他のピアツーピア端末装置に配信する際に、前記コンテンツに対応する前記関連情報を前記関連情報記憶部から読み出して前記コンテンツと共に配信するコンテンツ配信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のピアツーピア端末装置。
【請求項3】
前記コンテンツ選択手段は、
前記ユーザの指示の下で、前記コンテンツ記憶部に登録されている前記コンテンツの中から関連する前記他のコンテンツを選択することを特徴とする請求項1または2に記載のピアツーピア端末装置。
【請求項4】
前記コンテンツ選択手段は、
前記ユーザが前記コンテンツを複数選択している時、前記ユーザの指示の下で、前記ユーザに選択された複数の前記コンテンツの間で互いに関連する前記他のコンテンツを選択することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載のピアツーピア端末装置。
【請求項5】
前記コンテンツに対して前記ユーザが入力した質問情報と、前記質問情報に対して前記ユーザが設定した回答期限情報と、質問対象としている質問元コンテンツの前記識別情報とを含む質問回答メッセージを生成する質問メッセージ生成手段と、
前記質問回答メッセージに一意に特定できるメッセージIDを付与し、当該メッセージIDと前記質問回答メッセージとを内部の記憶領域に登録する質問メッセージ登録手段と、
前記質問回答メッセージを受信した時、前記他のピアツーピア端末装置のユーザが入力した前記質問情報に対応する回答情報と、受信した前記質問回答メッセージの前記メッセージIDと前記質問元コンテンツの前記識別情報と前記回答期限情報とを含む質問回答メッセージを生成する回答メッセージ生成手段と、
前記回答メッセージ生成手段によって生成された前記質問回答メッセージを内部の記憶領域に登録する回答メッセージ登録手段と、
前記質問回答メッセージを前記他のピアツーピア端末装置に送信する質問回答メッセージ送信手段と、を更に備え、
前記コンテンツ登録手段は、
前記内部の記憶領域から前記回答期限が経過している前記質問回答メッセージを検出し、検出した前記質問回答メッセージから前記コンテンツを生成して前記コンテンツ記憶部へ登録し、
前記コンテンツ選択手段は、
前記質問回答メッセージから生成された前記コンテンツに前記質問元コンテンツの前記識別情報が含まれている場合は、当該識別情報に対応する前記コンテンツを関連する他のコンテンツとして選択することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載のピアツーピア端末装置。
【請求項6】
前記コンテンツ検索要求の応答として前記関連情報を受信した時、前記関連情報に含まれている前記コンテンツのイメージを画面に表示する表示手段と、
受信した前記関連情報に基づいて、前記関連情報に含まれている前記コンテンツ間の関連度を所定の判定規則に従って判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された前記コンテンツ間の前記関連度に従って、前記関連度に予め対応付けられた所定の線種を選択し、前記コンテンツに対応する前記イメージの間を選択された前記所定の線種で描画する関連度描画手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載のピアツーピア端末装置。
【請求項7】
ピアツーピアネットワークを介して他のピアツーピア端末装置に接続する接続手段と、前記他のピアツーピア端末装置との間で送受信するコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備えたピアツーピア端末装置のコンテンツ取得方法において、
ユーザによって選択された前記コンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する過程と、
前記コンテンツに関連する他のコンテンツを選択する過程と、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツに関連するキーワードを受付ける過程と、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツの前記識別情報と前記コンテンツに関連するコンテンツとして選択された前記他のコンテンツの前記識別情報と受付けた前記キーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する過程と、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツと当該コンテンツの前記識別情報とを対応付けて前記コンテンツ記憶部に登録する過程と、
前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、前記コンテンツ検索要求に含まれている前記キーワードに該当する前記キーワードを含む前記関連情報を前記関連情報記憶部から検出し、検出した前記関連情報を送信元の前記他のピアツーピア端末装置に送信する過程と、
前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、前記コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当するコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信する過程と、
からなることを特徴とするコンテンツ取得方法。
【請求項8】
ピアツーピアネットワークを介して他のピアツーピア端末装置に接続する接続手段と、前記他のピアツーピア端末装置との間で送受信するコンテンツを記憶するコンテンツ記憶部と、を備えたピアツーピア端末装置のコンピュータを、
ユーザによって選択された前記コンテンツに対して一意に特定する識別情報を生成する識別情報生成手段、
前記コンテンツに関連する他のコンテンツを選択するコンテンツ選択手段、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツに関連するキーワードを受付けるキーワード受付手段、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツの前記識別情報と前記選択手段によって選択された前記他のコンテンツの前記識別情報とキーワード受付け手段が受付けた前記キーワードとを関連情報として関連情報記憶部へ登録する関連情報登録手段、
前記ユーザによって選択された前記コンテンツと当該コンテンツの前記識別情報とを対応付けて前記コンテンツ記憶部に登録するコンテンツ登録手段、
前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ検索要求を受信した時、前記コンテンツ検索要求に含まれている前記キーワードに該当する前記キーワードを含む前記関連情報を前記関連情報記憶部から検出し、検出した前記関連情報を送信元の前記他のピアツーピア端末装置に送信する関連情報送信手段、
前記他のピアツーピア端末装置からコンテンツ取得要求を受信した時、前記コンテンツ取得要求に含まれている前記識別情報に該当するコンテンツを前記コンテンツ記憶部から読み出して送信するコンテンツ送信手段、
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−24001(P2006−24001A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201794(P2004−201794)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(399041158)西日本電信電話株式会社 (215)
【Fターム(参考)】