説明

ピクセル出力フォーマットを選択するためのシステム及び方法

【課題】種々のピクセル出力フォーマットを選択可能にするシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ピクセル出力フォーマットを選択する方法は、出力すべき第1のピクセルを選択すること、及び、出力すべき第1のピクセルが第2のピクセルと重なるかどうか判定することを含み、第2のピクセルは、第1のソースから第1のフォーマットで、また第2のソースから第2のフォーマットで利用可能であって、さらに、第2のフォーマットの第2のピクセルを第1のフォーマットに変換して、変換済みの第2のピクセルを生成し、変換済みの第2のピクセルは、第1のフォーマットを有する第2のピクセルと比較され、この比較に基づいて、第1のフォーマットを有する第2のピクセル、又は第2のフォーマットを有する第2のピクセルが、出力用として選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、ピクセル処理に関し、詳細には、ピクセルの出力フォーマットを選択するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]コンピュータデスクトップ(簡略のため「デスクトップ」とする)は、グラフィカルユーザインタフェースにおけるウィンドウイングシステム内のウィンドウの配置及び体裁を制御するソフトウェアである。最も一般的には、デスクトップによってレンダリングされる画像は、モニタやプリンタなどの出力デバイスにインタフェースするグラフィックスデバイスインタフェース(gdi)によって制御される。とりわけ、gdiは、デスクトップを介してレンダリングされるピクセルの出力フォーマットを、特定のフォーマットに、例えば1ピクセル当たり8ビットのRGBAのフォーマットに定義する。
【0003】
[0003]gdiが全てのピクセルに対して特定のピクセル出力フォーマットを定義するこのような構成は、最適ではない。というのは、デスクトップは、強化型ピクセルフォーマットを含めた種々の色深度のピクセルコンテンツを記憶することができるからであり、強化型ピクセルフォーマットは、そのようなフォーマットに適合するモニタ上でレンダリングすることができる。残念ながら、従来のデスクトップは、画像を種々の色深度でレンダリングするフレキシビリティを提供しない。というのは、デスクトップのgdiが、ピクセル出力フォーマットを1つの特定のフォーマットに限定するからである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]したがって、種々のピクセル出力フォーマットの選択を可能にするシステム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]ピクセル出力フォーマットを選択するためのシステム及び方法が提供される。この方法は、出力すべき第1のピクセルを選択すること、及び、第1のピクセルが第2のピクセルと重なるかどうか判定することを含む。第2のピクセルは、第1のピクセルソースから第1のフォーマットで、また第2のピクセルソースから第2のフォーマットで利用可能である。この方法はさらに、第2のフォーマットを有する第2のピクセルを第1のフォーマットに変換して、変換済みの第2のピクセルを生成することを含む。変換済みの第2のピクセルは、第1のフォーマットを有する第2のピクセルと比較され、この比較に基づいて、第1のフォーマットを有する第2のピクセル、又は第2のフォーマットを有する第2のピクセルが、出力用として選択される。
【0006】
[0006]本発明のこれら及び他の態様は、後続の図面、及び例示的な実施形態の詳細な説明に鑑みれば、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明による、ピクセル出力フォーマットを選択するための例示的なシステムを示す図である。
【図2】本発明による、ピクセル出力フォーマットを選択するための例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0008]図1に、本発明による、ピクセル出力フォーマットを選択するための例示的なシステム100を示す。システム100は、処理ユニット105、1つ又は複数のピクセルソース110、フォーマットコンバータ120、デスクトップ130、及びピクセルセレクタ140を備える。このシステムは、出力デバイス、例えばモニタ150と協働し、モニタ150上にはモニタデスクトップ160が表示される。任意選択で、追加のピクセルフォーマット変換を提供するために、第2のフォーマットコンバータ170がシステム100とモニタ150との間に結合される。
【0009】
[0009]処理ユニット105は、本明細書に述べるような動作を実施するための命令を実行するように動作可能である。ピクセルソース110は、1つ又は複数(図では3つ)のピクセルソース112、114、及び116を含み、各ピクセルソースは、それぞれの異なるピクセルフォーマットのピクセルコンテンツを記憶するように動作可能である。例えば、ピクセルソース112は、1色当たり10ビットの(10bpc)フォーマットのピクセルコンテンツAを記憶し、ピクセルソース114は、16bpcフォーマットのピクセルコンテンツBを記憶し、ピクセルソース116は、4bpcフォーマットのピクセルコンテンツCを記憶する。任意の特定の色空間フォーマットを実装することができ、例えば、RGB、RGBA、YCrCb、又はHSL/HSVを、浮動小数点表現又は整数表現で、また、混合サイズさらにはコンポーネントサイズで実装することができる。各ピクセルソース112、114、及び116に記憶されるピクセルのフォーマット及びコンテンツは、それぞれA、B、及びCとして識別される。
【0010】
[0010]さらに具体的には、ピクセルソース112、114、及び116は、それらの本来のピクセルフォーマットがデスクトップピクセルフォーマットに準拠しなくても、デスクトップ130内に組み込まれる。例えば、デスクトップ130は、8bpcのピクセルフォーマットを有することがある。このような場合、組込みピクセルソース112、114、及び116からのピクセルは、それらの本来のフォーマットでレンダリングされないことになる。それにもかかわらず、これらの各組込みソース中のピクセルの位置は、オペレーティングシステムに知られている。
【0011】
[0011]フォーマットコンバータ120は、デスクトップ130上で見えることになるピクセルをピクセルソース112、114、及び116から受け取り、これらのピクセルの本来のフォーマットを、デスクトップ130に適合するフォーマットに変換するように動作可能である。デスクトップ130が8bpcフォーマットに適合する例示的な実施形態を続けるが、フォーマットコンバータ120は、ソース112からの10bpcピクセルのフォーマットを8bpcフォーマットに縮小する(すなわち色深度を減少させる)ように動作する。変換されたピクセルは、その後、対応するデスクトップピクセルソース132に記憶され、このデスクトップピクセルソース132は、ピクセルソース112のピクセルフォーマット(10bpc)とは異なるピクセルフォーマット(8bpc)のコンテンツEを記憶する。同様に、フォーマットコンバータは、ピクセルコンテンツBを16bpcフォーマットから8bpcフォーマットに変換し、変換したピクセルをデスクトップピクセルソース134に記憶する(ピクセルコンテンツ及びフォーマットF)ように動作する。ピクセルソース116は、8bpcのデスクトップフォーマットよりも低い4bpcのフォーマットのピクセルコンテンツCを記憶している。このような場合、フォーマットコンバータ120は、ソース116からのピクセルのフォーマットを8bpcフォーマットに拡張する(すなわち色深度を増加させる)ように動作し、これらの変換されたピクセルは、デスクトップピクセルソース136に記憶される(ピクセルコンテンツ及びフォーマットG)。ピクセルフォーマットの変換は、様々な方式で実施することができる。例えば、ピクセルフォーマットの縮小は、色空間値の最下位ビットを切り捨てること、ディザリング、又は他の技法によって行うことができる。ピクセルソース116から供給されたピクセルのフォーマットを拡張することは、全てのカラービットを4位置分シフトアップすること、又は事前定義済みのルックアップテーブルを使用することによって行うことができる。デスクトップ130は、ピクセルソース132、134、及び136のいずれにも含まれないピクセル138を含むこともできる。しかし、デスクトップ130から読み出されるピクセルは、同じフォーマット、例えば8bpcとなる。一括して、デスクトップ130から読み出されるピクセルを、図示のようにピクセルDと呼ぶ。
【0012】
[0012]デスクトップ130は、デスクトップピクセルソース132、134、及び136を含み、特定の一実施形態では、これらはWindows XP又はVISTAオペレーティングシステム環境における開いたウィンドウである。各デスクトップピクセルソース132、134、及び136は、デスクトップ130のgdiによって、例えば例示の実施形態では8bpcフォーマットによって支配されるピクセルフォーマットを有することになる。デスクトップ130は、任意のgdi、例えばウィンドウズ(Windows)(登録商標)GDI、GDI+、アップル(Apple)(登録商標)QuickDraw、又はDirectXグラフィックスデバイスインタフェースを利用することができ、これらはそれぞれ、デスクトップ130とデスクトップ130のオペレーティングシステムとの間の対話131を提供するように動作可能である。
【0013】
[0013]例示的な一実施形態では、ピクセルのフォーマット変換は、コンテンツA、B、及びCがデスクトップ130に組み込まれるときに実施され、それにより、対応するデスクトップピクセルコンテンツE、F、及びGが提供される。さらに例示的には、ピクセルコンテンツA、B、及びCは、このコンテンツを提供するアプリケーションからこのコンテンツが更新されるときにのみ変更され、デスクトップアクティビティから更新されるときには変更されない。したがって、デスクトップピクセルコンテンツE、F、及びGがgdiによって変更されていないとき、ピクセルコンテンツAはピクセルコンテンツEと同じとなり、ピクセルコンテンツBとF、及びCとGについても同様である。デスクトップピクセルコンテンツに変化があったとき、例えばgdiがデスクトップピクセルE、F、又はGに接触したときは、デスクトップピクセルコンテンツE、F、及びGは、組込みピクセルコンテンツA、B、及びCとは異なる場合がある。本発明がこの状況でどのように動作するかに関する特定の例について、以下にさらに述べる。
【0014】
[0014]ピクセルセレクタ140は、デスクトップ130から、並びに各ピクセルソース112、114、及び116からピクセルを受け取るように結合される。デスクトップから出力されるピクセルは、デスクトップ130によって定義されるフォーマット、例えば例示の実施形態では8bpcとなる。各ピクセルソース112、114、及び116からのピクセルは、そのソースの本来のフォーマット、例えば例示の実施形態では10bpc、16bpc、及び4bpcで、ピクセルセレクタ140に出力されることになる。
【0015】
[0015]ピクセルセレクタ140の機能は、シェーダに含まれてもよく、或いはハードウェア中で実現されてもよい。さらに具体的には、コンバータ120によって利用される特定のフォーマット変換は、ピクセルセレクタ140に知られている。このため、スクリーンショットリードバック、メニューフェーディング、又はSWカーソルなどのgdi対話は、グラフィックスデバイスインタフェースによって標準的な方式で実施することができる。
【0016】
[0016]ピクセルセレクタ140は、さらに後述するプロセスを使用してピクセルA、B、C、又はD(ピクセルE、F、又はGを含む)のうちからどのピクセルを出力するかを選択するように動作可能である。ピクセルセレクタ140は、選択したピクセルを、ピクセルセレクタ140に供給されたフォーマットのうちの1つで出力する。例えば、コンテンツAを10bpcで、コンテンツBを16bpcで、コンテンツCを4bpcで、及びコンテンツD(ピクセルE、F、及びG)を8bpcで出力する。ピクセルセレクタ140から出力されたコンテンツのフォーマットに、モニタ150又は他の出力デバイスが適合しない場合は、オプションの第2のフォーマットコンバータ170を実施して、選択されたピクセルを出力デバイス/モニタ150に適合するフォーマットに変換することができる。選択されたピクセルは、その後、モニタのデスクトップ160の対応ウィンドウ162、164、及び166に表示される。例えば、モニタウィンドウ162は、後述する動作に従って、ピクセルコンテンツAかEかいずれかを表示するように動作する。同様に、モニタウィンドウ164及び166は、それぞれピクセルコンテンツB又はF、及びC又はGを表示するように動作する。
【0017】
[0017]図2に、本発明による、ピクセル出力フォーマットを選択するための例示的な方法を示す。動作212で、第1のピクセルが出力用として選択される。214で、第1のピクセルが第2のピクセルと重なるかどうかが判定される。第2のピクセルは、第1のピクセルソースから第1のピクセルフォーマットで、また第2のピクセルソースから第2のピクセルフォーマットで利用可能であり、第2のピクセルフォーマットは第1のピクセルフォーマットとは異なる。条件が満たされない場合は、第1のピクセルが出力され、方法は動作212に戻り、別のピクセルが選択される。
【0018】
[0018]214での判定が真である場合は、方法は216で継続し、第2のフォーマットで利用可能な第2のピクセルが、第2のピクセルソースから取り出され、その本来のフォーマットから第1のピクセルフォーマットに変換され、それにより、変換済みの第2のピクセルが生成される。218で、第1のフォーマットの第2のピクセルが、それに対応する第1のピクセルソースから取り出され、変換済みの第2のピクセルと比較される。220で、218での比較の結果に基づいて、第1のフォーマットの第2のピクセル(第1のピクセルソースからの)か、第2のフォーマットの第2のピクセル(第2のピクセルソースからの)かいずれかが、出力用として選択される。
【0019】
[0019]図1の例示の実施形態に従うと、第1のピクセルは、出力用として選択されるピクセルフォーマット8bpcのデスクトップピクセルDである。ピクセルは、フレームバッファ、モニタ、又はプリンタなど、任意のデバイスに出力されるように選択することができる。
【0020】
[0020]8bpcのピクセルコンテンツE、F、及びGをそれぞれ記憶する各デスクトップピクセルソース132、134、及び136は、第1のピクセルフォーマットの第2のピクセルを記憶する第1のピクセルソースの例示的な一実施形態を表す。それに対応して、ピクセルフォーマット10bpc、16bpc、及び4bpcのピクセルコンテンツA、B、及びCを記憶する各組込みピクセルソース112、114、及び116は、第1のピクセルフォーマットとは異なる第2のピクセルフォーマットの第2のピクセルを記憶する第2のピクセルソースの例示的な一実施形態を表す。
【0021】
[0021]動作214の例示的な一実施形態では、処理ユニット105は、選択されたデスクトップピクセルDが、組込み又はデスクトップピクセルソース112/132、114/134、又は116/136のうちの1つにそれぞれ含まれるピクセルと重なるかどうか判定するように動作する。さらに具体的には、第1のピクセルと第2のピクセルとの間の重複条件は、E、F、及びGがどのようにデスクトップ上に配置されているかに関する情報を提供するマッピングテーブルなどの技法を使用して判定することができ、したがって、E、F、又はGの領域に接触する場合は、動作214はこれらの領域に作用することができる。特定のピクセルについては、組込みピクセルソースとデスクトップピクセルソースとのそれぞれが同じピクセル位置情報を記憶し、したがってデスクトップピクセルソースと組込みピクセルソースのいずれかに照会して重複条件が存在するかどうか判定することができることに留意されたい。重複条件が存在しないと判定された場合は、デスクトップピクセルDが出力用として選択され、次のデスクトップピクセルが処理のために選択される。
【0022】
[0022]重複条件が存在すると判定された場合は、方法は216で継続し、重なるピクセル(すなわちピクセルA、B、又はC)の第2フォーマット化バージョンが、その組込みピクセルソース112、114、又は116から取り出され、フォーマットコンバータ120によってその本来の第2のピクセルフォーマットから第1のフォーマット(すなわちデスクトップピクセルフォーマット)に変換される。このピクセルを変換済みの第2のピクセルと呼ぶ。
【0023】
[0023]一実施形態では、第2のピクセルフォーマットは第1のピクセルフォーマットよりも高く(例えばピクセルソース112及び114の場合)、このような場合は、第2のピクセルを第1のピクセルフォーマットに変換する動作216は、第2のピクセルフォーマットを第1のピクセルフォーマットに縮小する動作を含む。このような動作は、第2のピクセルフォーマットの最下位ビットを切り捨てること、ディザリング、又はそのような同様の技法によって実施することができる。別の実施形態では、第2のピクセルフォーマットは第1のピクセルフォーマットよりも低く(例えばピクセルソース116の場合)、このような場合は、第2のピクセルを第1のピクセルフォーマットに変換する動作216は、第2のピクセルフォーマットを第1のピクセルフォーマットに拡張する動作を含む。このような動作は、全てのカラービットを4位置分シフトアップすること、又は事前定義済みのルックアップテーブルを使用することによって実施することができる。
【0024】
[0024]動作218の例示的な一実施形態では、処理ユニット105は、変換済みの第2のピクセルの色空間値を、第1のピクセルソース(すなわちピクセルソース132、134、及び136)に記憶された第1のフォーマットの第2のピクセル(すなわちピクセルE、F、及びG)の色空間値と比較するように動作する。他の比較プロセスを実施することもできる。
【0025】
[0025]動作220の例示的な一実施形態では、処理ユニット105は、変換済みの第2のピクセルの色空間値と、第1のフォーマットの第2のピクセルの色空間値との間に合致があるかどうか判定するように動作する。例えば、ピクセルAのフォーマット変換済みバージョンの色空間値が、ピクセルEと比較される。ピクセルAのフォーマット変換済みバージョンとピクセルEとの色空間値が合致する場合は、gdiはデスクトップピクセルEの色空間値を変更しておらず、第2のピクセルフォーマットを有する第2のピクセル(すなわち本来のピクセルA)が出力用として選択される。ピクセルの色空間値が合致しない場合は、第1のピクセルフォーマットを有する第2のピクセル(すなわちピクセルE)が、デスクトップ130からの出力用として選択される。
【0026】
[0026]本明細書に述べる例示的な実施形態では、第2のピクセルフォーマットの第2のピクセルを選択することは、第1のピクセルに変更が加えられていないときに実施される。このような場合、第2のフォーマットの第2のピクセルを選択することは、第1のピクセルフォーマットに勝る1つ又は複数の利点をもたらすので「好まれる」。組込みピクセルソースが第1のピクセルフォーマットと比較して拡張したピクセルフォーマットを提供する場合(例えば組込みピクセルソース112及び114)は、これらのソースからピクセルを選択する結果、色の範囲がより広くなるか又は色深度がより大きくなる。組込みピクセルソースが第1のピクセルフォーマットと比較して縮小したピクセルフォーマットを提供する場合(例えば組込みピクセルソース116)は、このソースからピクセルを選択することは、縮小ピクセルソースが第1のピクセルフォーマットで利用可能でない色を提供するときに、例えば縮小ピクセルソースが他の色空間でピクセルを提供できる場合に、有利であることがある。比較プロセスを種々の方式で公式化して、種々の条件下でピクセル出力フォーマットの好まれる選択をもたらすことができることは、当業者なら理解するであろう。
【0027】
[0027]方法200のオプションの動作は、選択されたピクセルのピクセルフォーマットを第3のピクセルフォーマットにフォーマット変換することを含む。例えば、ピクセルBが出力用として選択され、出力デバイス(例えばモニタ)が10bpc色空間フォーマットにのみ適合する場合、方法200はさらに、Bピクセルのフォーマットを16bpcフォーマットから10bpcフォーマットに変換する動作を含むことができる。フォーマットコンバータ170を利用して、この動作を実施することができる。
【0028】
[0028]本発明の特定の適用例では、ピクセルA/E、B/F、C/Gと重なるデスクトップピクセルにgdiが接触し、それにより動作216、218、及び220が開始することがある。このようなアクションは、デスクトップ130内にソフトシャドウ又はポップアップメニューを生成する場合がある。このような場合、重なるデスクトップピクセルE、F、Gは、対応する組込みピクセルA、B、Cに含まれないシェーダ寄与を含むことになり、このような場合、動作218の比較では、重なるデスクトップピクセルと組込みピクセルとの色空間値が合致しないと判定されることになる。このような場合は、重なるデスクトップピクセルE、F、又はGが、出力用として選択されることになる。従来のシステムでは、陰になるピクセルを、前に読み出されたピクセルで置き換えることによって、ソフトシャドウの除去が実施された。この動作を本方法で実施すると、シャドウが除去されることになり、218での比較動作の結果、デスクトップピクセルと組込みピクセルとの間で色空間が合致することになる。このため、組込みピクセルが出力用として選択されることになる。したがって、アプリケーションへの再描画コマンドなしの中間gdi操作は、元々走査出力された色深度を破壊することはない。
【0029】
[0029]以上により、デスクトップが本来レンダリングできるよりも多くの色成分又は多くのbpcを含む強化型コンテンツを、デスクトップ/ウィンドウマネージャに組み込むことが可能である。加えて、コンテンツへのgdiアクセスが制御され、それにより、強化型コンテンツへのアクセスは、スムーズでありユーザにとってトランスペアレントである。本発明はさらに、コンテンツの強化型の色深度をレンダリングできるモニタに組込みコンテンツを走査出力する可能性を許可する。例えば、10bpcのRGBコンテンツを、8bpcのRGBデスクトップから、10bpcピクセルをレンダリングすることのできるモニタに走査出力することが可能である。
【0030】
[0030]当業者には容易に理解されるように、述べたプロセス及び動作は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの実装形態の組合せにおいて、適宜実現することができる。加えて、述べたプロセス及び動作のいくつか又は全ては、コンピュータ可読媒体上にあるコンピュータ可読命令コードとして実現することもでき、この命令コードは、他のそのようなプログラム可能デバイスのコンピュータを制御して、意図された機能を実施させるように動作可能である。命令コードがあるコンピュータ可読媒体は様々な形をとることができ、例えば、取外し可能ディスク、揮発性又は不揮発性メモリなど、或いは、変調信号が印加された搬送波信号の形をとることができ、この変調信号は、述べた動作を実施するための命令に対応する。
【0031】
[0031]本発明の特定の一実施形態では、メモリが、図1及び2で述べた動作のいずれかを実施するための命令を記憶するように動作可能である。メモリは、例えば取外し可能ディスクや、揮発性又は不揮発性の形の組込みメモリなど、様々な形をとることができ、様々な異なるシステム、例えばコンピュータシステム、組込みプロセッサ、グラフィックスプロセッサ、又は、グラフィックスカードなどのグラフィックス処理サブシステムに、内蔵することができる。
【0032】
[0032]用語「a」又は「an」は、それによって記述される1つ又は複数の機構を指すのに使用する。さらに、用語「結合された(coupled)」又は「接続された(connected)」は、直接に、或いは1つ又は複数の介在構造又は物質を介して、相互と通信する機構を指す。方法フローチャート中で言及した動作及びアクションのシーケンスは例であり、動作及びアクションは異なるシーケンスで実施してもよく、さらに、2つ又はそれ以上の動作及びアクションを同時に実施してもよい。特許請求の範囲に含まれる参照指示(もしあれば)は、特許請求される特徴の例示的な一実施形態を指す働きをし、特許請求される特徴は、参照指示の指す特定の実施形態に限定されない。特許請求される特徴の範囲は、参照指示がそこにないかのように、請求項の言葉遣いによって定義される範囲とする。本明細書で言及するあらゆる刊行物、特許、及び他の文書は、その全体が参照によって組み込まれる。このような組み込まれるいずれかの文書と、この文書との間で一致しない用法がある限りにおいては、この文書における用法が制するものとする。
【0033】
[0033]本発明に関する以上の例示的な実施形態は、当業者が本発明を実施できるよう十分に詳細に述べたものであり、実施形態は組み合わせてもよいことを理解されたい。述べた実施形態は、本発明の原理及びその実際の適用を最もよく説明して、それにより他の当業者が、企図される特定の使用に適するように様々な実施形態で様々な修正を加えて本発明を最もよく利用できるようにするために、選択されたものである。本発明の範囲は、本明細書に添付した特許請求の範囲によってのみ定義されるものとする。
【符号の説明】
【0034】
100 システム
105 処理ユニット
110 ピクセルソース
112 ピクセルソース
114 ピクセルソース
116 ピクセルソース
120 フォーマットコンバータ
130 デスクトップ
132 デスクトップピクセルソース
134 デスクトップピクセルソース
136 デスクトップピクセルソース
138 ピクセル
140 ピクセルセレクタ
150 モニタ
160 モニタデスクトップ
162 モニタウィンドウ
164 モニタウィンドウ
166 モニタウィンドウ
170 第2のフォーマットコンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピクセル出力フォーマットを選択する方法であって、
出力すべき第1のピクセルを選択するステップであり、前記第1のピクセルが第1のフォーマットを有する、ステップと、
前記第1のピクセルが第2のピクセルと重なるかどうか判定するステップであり、前記第2のピクセルが第1のソースから前記第1のフォーマットで、また第2のソースから第2のフォーマットで利用可能である、ステップと、
前記第1のピクセルが前記第2のピクセルと重なる場合に、前記第2のフォーマットの前記第2のピクセルを前記第1のフォーマットに変換して、変換済みの第2のピクセルを生成するステップと、
前記変換済みの第2のピクセルを、前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルと比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記第1のピクセルソースからの前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセル、又は前記第2のピクセルソースからの前記第2のフォーマットを有する前記第2のピクセルを、出力デバイスへの出力用として選択するステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記第1のピクセルフォーマットが、前記第2のピクセルフォーマットと比較して縮小したピクセルフォーマットを含み、前記第2のピクセルを変換するステップが、前記第2のピクセルフォーマットを前記第1のピクセルフォーマットに縮小して、前記第1のピクセルフォーマットを有する変換済みの第2のピクセルを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のピクセルフォーマットが、前記第2のピクセルフォーマットと比較して拡張したピクセルフォーマットを含み、前記第2のピクセルを変換するステップが、前記第2のピクセルの前記ピクセルフォーマットを前記第1のピクセルフォーマットに拡張して、前記第1のピクセルフォーマットを有する変換済みの第2のピクセルを生成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルが第1の色空間値を含み、前記変換済みの第2のピクセルが第2の色空間値を含み、
比較するステップが、前記第1と第2の色空間値を比較するステップを含み、
選択するステップが、前記第1と第2の色空間値が合致する場合に、前記第2のフォーマットを有する前記第2のピクセルを出力デバイスへの出力用として選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルが第1の色空間値を含み、前記変換済みの第2のピクセルが第2の色空間値を含み、
比較するステップが、前記第1と第2の色空間値を比較するステップを含み、
選択するステップが、前記第1と第2の色空間値が合致しない場合に、前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルを出力用として選択するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたピクセルの前記ピクセルフォーマットを第3のピクセルフォーマットにフォーマット変換するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第3のピクセルフォーマットの前記選択されたピクセルを出力デバイスに出力するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ピクセル出力フォーマットを選択するように動作可能なシステムであって、
出力すべき第1のピクセルが第2のピクセルと重なるかどうか判定するように動作可能な処理ユニット回路であり、前記第2のピクセルが第1のソースから第1のフォーマットで、また第2のソースから第2のフォーマットで利用可能である、処理ユニット回路と、
前記第2のフォーマットの前記第2のピクセルを前記第1のフォーマットに変換して、変換済みの第2のピクセルを生成するように動作可能なフォーマットコンバータと、
前記変換済みの第2のピクセルを、前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルと比較するように動作可能な処理ユニット回路と、
前記処理ユニット回路によって実施された前記比較に基づいて、前記第1のピクセルソースからの前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセル、又は前記第2のピクセルソースからの前記第2のフォーマットを有する前記第2のピクセルを、出力デバイスへの出力用として選択するように動作可能なピクセルセレクタと
を備えるシステム。
【請求項9】
前記第1のピクセルフォーマットが、前記第2のピクセルフォーマットと比較して縮小したピクセルフォーマットを含み、前記フォーマットコンバータが、前記第2のピクセルフォーマットを前記第1のピクセルフォーマットに縮小して、前記第1のピクセルフォーマットを有する変換済みの第2のピクセルを生成するように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のピクセルフォーマットが、前記第2のピクセルフォーマットと比較して拡張したピクセルフォーマットを含み、前記フォーマットコンバータが、前記第2のピクセルの前記ピクセルフォーマットを前記第1のピクセルフォーマットに拡張して、前記第1のピクセルフォーマットを有する変換済みの第2のピクセルを生成するように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルが第1の色空間値を含み、前記変換済みの第2のピクセルが第2の色空間値を含み、
前記処理ユニット回路が、前記第1と第2の色空間値を比較するように動作可能であり、
前記ピクセルセレクタが、前記第1と第2の色空間値が合致する場合に、前記第2のフォーマットを有する前記第2のピクセルを出力デバイスへの出力用として選択するように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルが第1の色空間値を含み、前記変換済みの第2のピクセルが第2の色空間値を含み、
前記処理ユニット回路が、前記第1と第2の色空間値を比較するように動作可能であり、
前記ピクセルセレクタが、前記第1と第2の色空間値が合致しない場合に、前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルを出力用として選択するように動作可能である、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記選択されたピクセルの前記ピクセルフォーマットを第3のピクセルフォーマットに変換するように動作可能な第2のフォーマットコンバータをさらに備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記第3のピクセルフォーマットの前記選択されたピクセルを出力デバイスに出力する手段をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
出力すべきピクセルのフォーマットを選択するための命令を実行するように動作可能な、コンピュータ可読媒体上にあるコンピュータプログラム製品であって、
出力すべき第1のピクセルを選択するための命令コードであり、前記第1のピクセルが第1のフォーマットを有する、命令コードと、
出力すべき前記第1のピクセルが第2のピクセルと重なるかどうか判定するための命令コードであり、前記第2のピクセルが第1のソースから前記第1のフォーマットで、また第2のソースから第2のフォーマットで利用可能である、命令コードと、
前記第1のピクセルが前記第2のピクセルと重なる場合に、前記第2のフォーマットの前記第2のピクセルを前記第1のフォーマットに変換して、変換済みの第2のピクセルを生成するための命令コードと、
前記変換済みの第2のピクセルを、前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルと比較するための命令コードと、
前記比較に基づいて、前記第1のピクセルソースからの前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセル、又は前記第2のピクセルソースからの前記第2のフォーマットを有する前記第2のピクセルを、出力デバイスへの出力用として選択するための命令コードと
を備えるコンピュータプログラム製品。
【請求項16】
前記第1のピクセルフォーマットが、前記第2のピクセルフォーマットと比較して縮小したピクセルフォーマットを含み、前記第2のピクセルを変換するための前記命令コードが、前記第2のピクセルフォーマットを前記第1のピクセルフォーマットに縮小して、前記第1のピクセルフォーマットを有する変換済みの第2のピクセルを生成するための命令コードを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項17】
前記第1のピクセルフォーマットが、前記第2のピクセルフォーマットと比較して拡張したピクセルフォーマットを含み、前記第2のピクセルを変換するための前記命令コードが、前記第2のピクセルの前記ピクセルフォーマットを前記第1のピクセルフォーマットに拡張して、前記第1のピクセルフォーマットを有する変換済みの第2のピクセルを生成するための命令コードを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルが第1の色空間値を含み、前記変換済みの第2のピクセルが第2の色空間値を含み、
比較するための前記命令コードが、前記第1と第2の色空間値を比較するための命令コードを含み、
選択するための前記命令コードが、前記第1と第2の色空間値が合致する場合に、前記第2のフォーマットを有する前記第2のピクセルを出力デバイスへの出力用として選択するための命令コードを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項19】
前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルが第1の色空間値を含み、前記変換済みの第2のピクセルが第2の色空間値を含み、
比較するための前記命令コードが、前記第1と第2の色空間値を比較するための命令コードを含み、
選択するための前記命令コードが、前記第1と第2の色空間値が合致しない場合に、前記第1のフォーマットを有する前記第2のピクセルを出力用として選択するための命令コードを含む、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項20】
前記選択されたピクセルの前記ピクセルフォーマットを第3のピクセルフォーマットにフォーマット変換するための命令コードをさらに備える、請求項15に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−92020(P2010−92020A)
【公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−189945(P2009−189945)
【出願日】平成21年8月19日(2009.8.19)
【出願人】(501261300)エヌヴィディア コーポレイション (166)
【Fターム(参考)】