説明

ピグメント分散物

ピグメントの分散剤、およびそれらを含むピグメントの分散物、およびそれらを含むインキ、コーティングおよびプラスチックのような組成物が記載される。分散剤は少なくとも1つのジアルキルスクシニルスクシネートおよび1つ以上のモノ−またはジアミンであって少なくとも1つのアミノ基は第1アミンであるものとの反応生成物であり、または該反応生成物の酸化、環化、造塩、加水分解およびアミド形成のような変成、または他の官能基の変成がされることができ、少なくとも1つの反応体は重合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
本発明はピグメント分散物に関し、調製するのが容易で、種々様々のピグメントを分散させるのに有用である。
【0002】
ピグメントは、インキ(インク・ジェット配合物を含む)およびコーティング、並びにプラスチック、化粧品、接着剤およびその他同種のものにおいて使用されるために、液体媒体中へ微粒子として分散される。最適の結果を得るために、ピグメントは液体媒体中へできるだけ微粒子として、できるだけ迅速に分散し、時間が経過しても安定した微細分散物として維持されることが望ましい。残念ながら、液体中の微粒子の分散物は不安定である。粒子状物質は凝塊または凝集する傾向があり、これは不均一な着色を引き起こし、レオロジーを変化させ、着色が望まれる製品において、経時的に色値の変化を引き起こすことがある。
【0003】
多数のピグメント分散剤が凝塊および/または凝集の影響を最小限にするために開発されている。それらは種々の水性および溶剤性のコーティング組成物中で使用されるピグメント分散物を形成するために使用されてきた。分散剤とピグメント分散物について記載する米国特許の例としては、米国特許4,496,686、4,673,705、4,754,056、5,034,444、5,424,364、6,037,414、6,451,950、6,495,618および6,878,799があげられる。
【0004】
分散剤はピグメント分散物の粘度を低下させるように作用する。その結果、より多くのピグメントが使用でき、十分に取り扱うことができ分散できる、非常に濃縮された分散物を与える。しかしながら、濃縮ピグメント分散物中のピグメント濃度の上限は粘度によって決定される。また、ピグメント濃度が直線的に増加する時、分散物の粘度は指数関数的に増加する。粘性があまりにも高くなると、ピグメントはもはや十分に分散できないか、あるいはインキあるいはコーティング生産中に取り扱うことができなくなる。さらに、システムは、分散プロセスの間に生じる摩擦力により過度の温度上昇を経験する。これは、ある種のピグメントおよびインキまたはコーティング樹脂の劣化を引き起こす場合がある。適切な分散剤の添加は、より効率的な分散および分散安定化の提供により、そのような欠陥を除去するか最小限にすることを支援する。本発明は新規なピグメント分散剤を提供する。
【0005】
発明の要約
本発明は、ピグメントの分散剤およびそれを含む分散物、並びにそれらを含むインキ(インク・ジェットインキを含む)、コーティングおよびプラスチック、並びに該インキまたはコーティングで処理された基体から作られた物品、およびこれらの分散剤を含むプラスチックに関する。新規な分散剤は低減された粘度を有するピグメント分散物を提供し、これは溶剤系または水性系であることができ、エネルギー硬化可能であることができ、またはこれらのシステムの組み合わせであることができる。分散剤により表面改質されたかもしくは分散されたピグメントを含むインキ、コーティングおよびプラスチックは、これらのインキおよびコーティングで装飾された基体、これらの基体から製造された物品、分散されたピグメントにより着色されたプラスチックから製造された物品が提供される。本発明の分散剤は、少なくとも1つのジアルキルスクシニルスクシネートと1種またはそれ以上のモノ−もしくはジアミンとの反応生成物であって、少なくとも1つのアミノ基が一級であり、酸化、環化、塩形成、加水分解、アミド形成あるいは他の官能基変成のようなさらなる変成をされるか、あるいはされないで、少なくとも1つの反応体は重合体であるものを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、実施例1の反応スキームを示す。
【図2】図2は、実施例2の反応スキームを示す。
【図3】図3は、実施例3の反応スキームを示す。
【図4】図4は、実施例4の反応スキームを示す。
【図5】図5は、実施例5の反応スキームを示す。
【図6】図6は、実施例6の反応スキームを示す。
【図7】図7は、実施例7の反応スキームを示す。
【図8】図8は、実施例8の反応スキームを示す。
【図9】図9は、実施例9の反応スキームを示す。
【図10】図10は、実施例10の反応スキームを示す。
【図11】図11は、実施例11の反応スキームを示す。
【0007】
すべての図面において、波線は当該部分の重合体の性質を示すが、原子、官能基、置換基あるいは構造の特定の数を示すものではない。
【0008】
発明の詳細な説明
本発明により、新規なピグメント分散剤、表面改質されたピグメントまたはピグメント分散物、それらを含むインキ(インク・ジェットを含む)およびコーティングが提供され、同様にこれらのインキおよびコーティングで装飾された基体、分散されたピグメントにより着色されたプラスチックを包含するこれらの基体から製造された物品、または着色されたプラスチックから製造された物品が提供される。
【0009】
本発明の新規なピグメント分散剤は、無機ピグメントと有機ピグメントの両方の分散に特に有効である。すべての公知のピグメントが、これらの分散剤を使用してピグメント分散物を形成するために使用できる。好適なピグメントの例としては、二酸化チタン、種々の色の酸化鉄および酸化亜鉛のような金属酸化物;カーボンブラック;タルク、チャイナクレー、バライト、カーボネートおよびケイ酸塩のようなフィラーピグメント;広範な有機ピグメント、たとえばキナクリドン類、ジケトピロロピロール類、フタロシアニン類、ペリレン類、アゾ顔料、およびカルバゾールバイオレットのようなインダントロンカルバゾール類、イソインドリノン類、イソインドロン類、イソインドリン類、チオインジゴレッド類、ベンズイミダゾロン類、およびベンズイミダゾリノン類;アルミニウムフレーク、真珠光沢フレーク、および類似物のような金属フレークがあげられる。
【0010】
本発明で使用するにふさわしいピグメントとしては、インターナショナルカラー・インデックスまたは、C.I.ピグメントブラック1、C.Iピグメントブラック31、C.I.ピグメントブラック11、C.I.ピグメントブラック7、C.Iピグメントブラック250、C.I.ピグメント・ブルー61、C.I.ピグメント・ブルー62、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメントブルー29、C.I.ピグメントブルー27、C.I.ピグメントグリーン17、C.I.ピグメントグリーン18、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、CI.ピグメントレッド207、ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド17、QI、ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド101、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド81:2、C.I.ピグメントレッド81:3、C.I.ピグメントレッド81:5、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド249、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー2、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー147、C.I.ピグメント・イエロー142、C.I.ピグメント・イエロー42、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー73、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー75、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー65、C.I.ピグメント・イエロー128、D&CレッドNo.7、D&CレッドNo.6およびD&CレッドNo.34があげられる。
【0011】
他のピグメントの例としては、Regal330(キャボット社から利用可能)のようなカーボンブラック・ピグメント;キナクリドン・マゼンタ(Quinacridone Magenta)(228−0122)(サンケミカル社から利用可能)のようなキナクリドン顔料;AAOT Yellow(274−1788)のようなジアリーリド(diarylide)イエローピグメント(サンケミカル社から利用可能);ブルー15:3(294−1298)(サンケミカル社から利用可能)のようなフタロシアニンブルーピグメントがあげられる。使用可能なピグメントは先のものに制限されるものではない。
【0012】
本発明の分散剤は、少なくとも1つジアルキルスクシニルスクシネート、すなわちジアルキル−2,5−ジオキソ−l,4−シクロヘキサンジカルボキシレートと、1つまたはそれ以上のモノ−またはジアミン類との反応生成物でありえ、ここで少なくとも1つのアミノ基は一級であり、酸化、環化、塩形成、加水分解、アミド形成あるいは他の官能基変成のようなさらなる変成を受けても受けていなくても良く、少なくとも1つの反応体は重合体である。スクシネートのアルキル基は1から約18の炭素原子を有することができ、好ましくは1から4の炭素原子を有する低級アルキルであり、最も好ましくはメチルである。アルキル基は直鎖、分岐鎖、環状鎖またはそれらの組み合わせであることができる。
【0013】
アミンは、一般に式(ZΗN)−R−(NHZに一致し、nとmは独立して0、1、2またはそれ以上であり、mとnの和は少なくとも1である。好ましいアミン類においては、nとmは独立して2を超えない。ZとZは同じことがあるかまたは異なっていることができる。各アミン中のR、ZおよびZは独立して水素または直鎖、分岐鎖または環式の脂肪族基、複素環基、あるいは芳香族基、またはそれらの組み合わせであり、それらは飽和または不飽和(単独または共役)であることができ、たとえばアルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アリール、アリーレンであることができ、並びにO、N、S、P、Siおよび/またはハロゲンをそれらの主鎖または側鎖に含む基またはそれらの組み合わせであることかできる。ただし、少なくとも1つのアミン反応体が少なくとも1つの一級アミノ基を持ち、さらにそれは重合体であることができる。重合体の反応体は同一の繰り返しモノマー単位を含むもの(ホモポリマー)または複数種のモノマー単位を含むもの(コポリマー)、または両方であることができ、該モノマーは任意のタイプのモノマーであることができる。そのようなコポリマーはさらにランダムポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、分岐ポリマー、または櫛状ポリマー、あるいはそれらの組み合わせであることができる。
【0014】
R、ZおよびZ基は非置換であるかまたは置換されることができ、例えば1つ以上の官能基で置換されることができる。官能基の例としては、以下を含むが、これらに制限されるものではない;水酸基、エーテル、カルボキシル、ハロゲン、シアノ、一級、二級もしくは三級アミノ、チオール、スルフォネート、硫酸塩、リン酸塩、フォスフォン酸塩、および類似物。
【0015】
1つの好ましい実施態様では、R基はポリ(アルキレンオキシド)であるか、またはポリ(アルキレンオキシド)部位を含んでいる。また別の好ましい実施態様では、R基はポリアルキレン部位を含んでいる。さらなる好ましい実施態様では、R基は脂肪族基を含んでいる。別の好ましい実施態様では、R基は複素環基を含んでいる。別の好ましい実施態様では、R基は芳香族基を含んでいる。別の好ましい実施態様では、R基はベンズアミド部位を含んでいる。別の好ましい実施態様では、ベンズアミド部位のアミド窒素は、R基を重合体にするポリ(アルキレンオキシド)部位あるいは別の基のいずれかに結合される。
【0016】
有用なアミンの例としては以下を含むが、これらに制限されるものではない:NH、メチルアミン、エチルアミン、n‐プロピルアミン、n‐ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、ヒドロキシエチルアミン、ヒドロキシルアミン、1,3−ペンタンジアミン、2−メチル−l,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−メチル−l−フェニルヒドラジン、1−アセチル−l−フェニルヒドラジンおよびジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、2−エチルヘキシルアミノエチルアミン、ステアリルアミノエチルアミン、オレイルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノブチルアミン、ジメチルアミノアミルアミン、ジエチルアミノヘキシルアミン、l−(2−アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、ピペラジノメチルアミン、ピペラジノエチルアミン、ピペラジノブロピルアミン、ピペコリノエチルアミン、ピペコリノプロピルアミン、イミダゾロプロピルアミン、モルホリノエチルアミン、モルホリノプロピルアミン、1,2−シクロペンタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、アニリン、ベンジルアミン、o−フェニレンジアミン、2,3−または1,8−ジアミノナフタレン、2,3−または3,4−ジアミノピリジン、9,10−ジアミノフェナントレン、N,N−ジメチル−l,4−フェニレンジアミンおよびその他同種のもの。
【0017】
一級アミノ基の数は制限されていない。しかし、好ましいアミンは、それらの構造中に1つあるいは2つの一級アミノ基を有する。ポリ(アルキレンオキシド)アミンのアルキレンオキシド基は1から約5の炭素原子を含むことができる。2つあるいは3つの炭素原子を含んでいるものは好ましく公知であり、営利上利用可能な物質である。これらのアミンは、プロピレンオキシド、エチレンオキシドあるいはプロピレンオキシドとエチレンオキシドの混合物のいずれかに基づくポリエーテル・バックボーンを有する。アミノ化されてアミン類を形成するアルコール、および対応するチオール類も使用できる。本発明の目的のために、ポリ(オキシアルキレン)アミンは好ましい。
【0018】
使用された少なくとも1つの反応体は重合体である。重合体反応体は一級または二級のアミノまたは他の反応基を含むことができる。所望の場合、1種よりも多い異なる高分子量反応体を使用できる。アミンとジアルキルスクシニルスクシネートとの反応では、アミンはすべて重合体であることができる。好ましい重合体のアミンはさらに一般式のポリアルキレンアミンまたはアミノベンズアミド:
【0019】
【化1】

【0020】
または他の官能的に変成された重合体のアミンであることができる
【0021】
使用される場合には、2官能性反応体の目的は、2つ以上のジアルキルスクシニルスクシネート化合物をともに結合することである。好ましい2官能性反応体は一級または二級のアミノ基を含む任意の2官能性アミンである。それらは別々にあるいは組み合わせて使用することができ、また、それらは対称または非対称であることができる。これらの2官能性のアミンは重合体である必要がない。その場合には、ジアルキルスクシニルスクシネートと結合された後、それらは重合体反応体とさらに反応できる部位を含んでいる。したがって、重合体の官能基は、アミンとジアルキルスクシニルスクシネートの最初の反応中に加えることができ、あるいはたとえば重合体のアミンとエステル基からのアミド形成のようなさらなる基の変成中に加えることができる。
【0022】
一般に、本発明に有用なすべての重合体反応体は、約250から5,000ダルトンの間、好ましくは約500から約3,000ダルトンの間、より好ましくは約1,000から2,000ダルトンの間の当量分子量を有している。有用な2官能性重合体の反応体は、約100から10,000ダルトンの間、好ましくは約150から約5,000ダルトンの間、より好ましくは約250から2,000ダルトンの間の当量分子量を有している。
【0023】
スクシネート−アミン反応は約20℃から180℃、好ましくは約100℃から130℃の温度で達成される。2つ以上のアミンが使用される場合、反応は段階的に行うことができる。所望の場合、反応は、十分に長い時あるいは、酸化、環化、造塩あるいは他の官能基改良のようなさらなる変成のために十分な高温で行うことができる。溶剤は必要ではないが、所望の場合には使用できる。
【0024】
本発明の分散剤は、以下の部分的な構造式を含む物として一般的に表すことができる:
【0025】
【化2】

【0026】
これらは別個にまたは混合物として存在することができる。上記の式中、mは少なくとも1でなければならず、10までまたはそれ以上でありえる。また、YとYは同じかまたは異なることができ、各々O、SあるいはNR’であり、QはOまたはNHであり、R、R、R、RおよびR’は同じかまたは異なることができ、各々は独立して水素または直鎖、分岐鎖または環式の脂肪族基、複素環基あるいは芳香族基、またはそれらの組み合わせであることができ、それらは飽和または不飽和(単独または共役)であることができ、たとえばアルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アリール、アリーレンであることができ、並びにO、N、S、P、Siおよび/またはハロゲンを含む基をそれらの主鎖または側鎖または両方に含むことができる。ただし、少なくとも1つの反応体は重合体である。重合体の反応物は同一の繰り返しモノマー単位を含むもの(ホモポリマー)または複数種のモノマー単位を含むもの(コポリマー)、または両方であることができ、該モノマーは任意のタイプのモノマーであることができる。
そのようなコポリマーはさらにランダムポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、分岐ポリマー、または櫛状ポリマー、あるいはそれらの組み合わせであることができる。
【0027】
R基は非置換であるか、または1つ以上の官能基で置換されることができ、それは炭素と水素に加えて他の原子を含むことに特徴を有することができる。分散剤の末端基の各々は、使用された反応体に依存し、独立して水素、ハロゲンおよび/またはRに対応する任意の1価の基であることができる。以下に記載されるように、R中の関数基の存在は分子に他の要素を結合する能力を提供する。
【0028】
官能基の例としては、以下を含むが、これらに制限されるものではない;水酸基、カルボキシル、ハロゲン、シアノ、一級、二級もしくは三級アミノ、チオール、スルフォナート、硫酸塩、リン酸塩、フォスフォン酸塩、および類似物。1つの好ましい実施態様では、R基はポリ(アルキレンオキシド)であるか、またはポリ(アルキレンオキシド)部位を含んでいる。また別の好ましい実施態様では、R基はポリアルキレン部位を含んでいる。さらなる好ましい実施態様では、R基は脂肪族基を含んでいる。別の好ましい実施態様では、R基は複素環基を含んでいる。別の好ましい実施態様では、R基は芳香族基を含んでいる。別の好ましい実施態様では、R基はベンズアミド部位を含んでいる。別の好ましい実施態様では、ベンズアミド部位のアミド窒素は、R基を重合体にするポリ(アルキレンオキシド)部位あるいは別の基のいずれかに結合される。
【0029】
以下の一般式のアニリンあるいはその誘導体:
【0030】
【化3】

【0031】
が一級アミン反応体として使用される時、
ジアルキルスクシニルスクシネートとの反応生成物はさらに酸化され、環化されて以下の式の分散剤またはそれらの混合物を形成することができる。
【0032】
【化4】

【0033】
最後の式において、鎖末端基の任意のNH−あるいはCOY1−4基は、隣接する繰り返し単位のNH−あるいはCOY1−4基の一部分であるR部分を介して結合され、次の可能な結合を形成することができる:NHとNH、COYとYCO、またはNHとYCO。上記の式では、nは0から10であり、QはOまたはNHであり、Y、Y、Y、Yは同じかまたは異なり、各々はO、SあるいはNR’に相当し、X、X、X、X、X、X、X、およびXは同じかまたは異なり、H、官能基あるいはポリマーに結合する官能基であることができる。
【0034】
官能基の例としては以下があげられるが、これらに制限されるものではない;R’’,OR’’,COR’’,COOR’’,OCOR’’,カルボキシレート、ハロゲン、CN、NR’’R’’’、SOH、スルフォネート、スルフェート、NR’’(COR’’’)、CONR’’、PO、ホスホネート、N=NR’’、SOR’’、NSOR’’、式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’’およびR’’’は、同じかまたは異なり、独立して水素、直鎖、分岐鎖または環式の脂肪族基、複素環基、芳香族基、またはそれらの組み合わせであることができ、それらは飽和または不飽和(単独または共役)であり、たとえばアルキル、アルキレン、アルケニル、アルケニレン、アルキニル、アルキニレン、アリール、アリーレン、並びにそれらの主鎖中あるいは側鎖中にO、N、S、P、Siおよび/またはハロゲンを含む物、またはそれらの組み合わせである。ただし、少なくとも1つの反応体は重合体である。
【0035】
重合体の反応体は同一の繰り返しモノマー単位を含むもの(ホモポリマー)または複数種のモノマー単位を含むもの(コポリマー)、または両方であることができ、該モノマーは任意のタイプのモノマーであることができる。そのようなコポリマーはさらにランダムポリマー、交互ポリマー、グラフトポリマー、ブロックポリマー、分岐ポリマー、または櫛状ポリマー、あるいはそれらの組み合わせであることができる。
【0036】
分散剤の任意の官能基が変成されて、変成された官能基を有する分散剤を形成することができる。例えば、第三アミン基を含む分散剤は、酸による処理によって塩(アンモニウム)形に変換できる。陰イオンは無機物であることができ、たとえばハロゲン化物、硫酸塩、リン酸塩、および類似物、あるいは有機物であることができ、たとえばアセテートおよび類似物であることができる。分散剤のすべてのカルボン酸基または他の酸基も、有機あるいは無機塩基での処理によって塩形に変換できる。どんな官能基もさらなる変成を受けることができる。例えば、エステル基を含んでいる分散剤は加水分解するか、あるいはアミン、アルコールあるいはチオールおよびその他同種のものと反応させることができる。別の例は、分散剤を酸化して芳香族構造および類似物を形成することである。具体的な改良は、少なくとも1つのジアルキルスクシニルスクシネートと少なくとも1つの第一アミンとの反応の後に達成される。重合体の官能基は、ジアルキルスクシニルスクシネートと一級アミンとの最初の反応中に、あるいは引き続くさらなる基の変成中、たとえばエステル基と重合体アミンからのアミド形成の際に導入されることができる。
【0037】
表面処理されたピグメントを形成するために、個々のピグメントあるいはピグメントの混合物は好ましくは、慣習的な溶剤または溶剤混合中で本発明の1つ以上の分散剤を、たとえば高速混合、ボールミリング、サンドグラインド、アトライタガイディングまたは2本もしくは3本ロールミルを使用して予備分散され、ついで溶剤および類似物が除去される。
【0038】
ピグメント分散物またはミルベースを形成するために、表面処理されていても表面処理されていなくてもよい個々のピグメントあるいはピグメント混合物は、慣習的な溶剤または溶剤混合中のおいて本発明の1つ以上の分散剤と組み合わされ、たとえば高速混合、ボールミリング、サンドグラインド、アトライタガイディングまたは2本もしくは3本ロールミルを使用して分散される。ピグメント分散物は、乾燥したピグメントと本発明の分散剤とを粉砕するかミルにかけることにより、またはピグメントと液体媒体中の分散剤とを、ピグメント・フラッシングプロセスにおいて混合することにより形成することができる。得られるピグメント分散物は、ミルベースまたはインキ/コーティングのいずれであっても、分散剤とピグメントの重量比率として約0./100から2/1、より好ましくは約1/100〜1/2、最も好ましくは1/20から1/5の比率を有する。
【0039】
たとえば酸化防止剤、フロー制御剤、紫外線安定剤、消光剤および吸収剤、並びにヒュームド・シリカおよびマイクロゲルのようなレオロジー調節剤のような他の任意成分をピグメント分散物へ加えることは望ましい場合がある。アクリル樹脂、アクリルウレタン樹脂、ポリエステル・ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリエーテル樹脂およびその他同種のもののようなフィルムを形成するポリマーも使用できる。
【0040】
分散性組成物は最終用途における性能を向上させるために、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂、架橋剤、フローレベリング剤、湿潤剤、増粘剤、硬化防止剤、紫外線安定剤および他の添加剤を含むことができる。本発明にかかる分散剤は、相乗効果を達成するために、他の分散剤、たとえばグラインデング樹脂もしくは他の添加剤と一緒に使用されてもよい。
【0041】
他の添加剤は、本発明の分散剤およびピグメントと組み合わせて使用されることができる。例えば、アンモニアまたは他の適切な官能性アミンが分散物のpHを調節するために使用されてもよい。殺生物剤、たとえばProxel GMX(ロームアンドハース社、フィラデルフィア、Paから利用可能)を細菌増殖の抑制を助けるために使用できる。
グリコール類は、分散剤の性能を修正し、かつインク・ジェット・インキの場合には噴射特性を改善するために使用されてもよく、ユニオンカーバイド、Danbury、Connから利用可能な、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(たとえばPEG 200)400および1000を好ましくは含む。アルキル化されたフェノールエトキシレート、またはアセチレン性物質のような、消泡剤、共溶剤および界面活性剤が、表面張力を修正するために使用されてもよい。しかしながら、添加剤の量は、その所望の機能を達成するために必要とされる最小量にされるべきである。
【0042】
重合体の分散剤はそのままで、またはミルベースとして、または表面改質されたピグメントとして、インキまたはコーティング組成物に加えられる。インキまたはコーティング組成物は溶剤系でも水性系でも、エネルギー硬化可能(紫外線、電子ビームまたはカチオン)なもの、たとえばモノマー、オリゴマーなどでもよく、またはプラスチックのような溶剤を含まないシステムであってもよく、またはそれらのシステムの組み合わせであってもよい。好適な溶剤の例としては、脂肪族、環式および芳香族炭化水素、アルコール、エステル、ケトン、エーテル、ハロゲン化された溶剤またはそれらの組み合わせがあげられるが、これらに制限されるものではない。ピグメントおよび分散剤、表面改質されたピグメント、または前もって形成されたピグメント分散物は、このように、様々な水系または溶解系のインキまたはコーティングまたはプラスチック(熱可塑性もしくは熱硬化性システム)に加えることができる。これらの組成物はフィルム形成性ポリマー、たとえば水酸基官能性アクリルおよびポリエステル樹脂、並びに架橋剤、たとえばプロック化イソシアネート、アルキル化メラミン、ポリイソシアネート、エポキシ樹脂、および類似物を含むことができる。そのようなインキおよびコーティングは任意の公知の添加剤を含むことができる。
【0043】
インキまたはコーティングへ配合された時、ピグメントは一般に組成物の重量に基づいて約0.1%から約70%まで、好ましくは約1%から約20%まで、最も好ましくは約10%までを構成する。1つまたは複数の分散剤は、一般に、好ましくは組成物の約0.1から50%、好ましくは20%未満、より好ましくは10%未満の量で含まれる。さらに本発明を例証するために、様々な例が以下に記載される。これらの中、および明細書と特許請求の範囲においては、特記のない限りパーセンテージはすべて重量に基づき、温度はすべて摂氏度による。
【0044】
実施例1
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EO比率を有する一級アミン末端のポリ(プロピレンオキシド(PO)/エチレンオキシド(EO))メチルエーテルを1800gと、ジメチルスクシニルスクシネート(ジメチル 2,5−ジオキソ−l,4−シクロヘキサンジカルボキシレート、サン・ケミカル社製)の482.7gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の2.7gの反応混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、2時間反応を継続した。その後、p−フェニレンジアミン(アルドリッチ社製)146gを反応混合物に加え、15時間反応を継続した。ついで反応混合物はさらに3時間180℃に加熱された。生成物(分散剤1)は暗い赤色の粘度の高いポリマーだった。
【0045】
実施例2
約1500の平均当量分子量を有する、第一アミン末端のポリイソブチレン(BASF社製、Kerocom PIBA−03)から作られた約1680の平均当量分子量を有するポリイソブチレン4−アミノベンズアミドAの50.4gと、ジメチルスクシニル・スクシネート(サン・ケミカル社製)の4.02gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.1gの反応混合物を、窒素雰囲気下で120℃に2時間加熱し、分散剤2(オレンジ色の液体)を形成した。分散剤2を200℃で1時間加熱して得られた分散剤3は、暗い赤色の粘度の高い液体であった。
【0046】
実施例3
約2000の平均当量分子量を有し、29/6のPO/EP比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテルから作られた約2120の平均当量分子量を有するポリ(PO/EO)4−アミノベンズアミドBの146.3gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の10.43gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.2gの反応混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、1時間その温度に保持した。ついで反応混合物は200℃に加熱され、真空にされた。反応混合物は真空窒素下に200−210℃で5時間反応され、分散剤4を得た。この分散剤は赤色の粘度の高いポリマーだった。
【0047】
実施例4
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EP比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテルから作られた約2120の平均当量分子量を有するポリ(PO/EO)4−アミノベンズアミドCの52402gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の33.52gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.7gの混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、1時間その温度に保持した。ついで反応混合物は200℃に加熱され、真空にされた。反応混合物は真空窒素下に200−210℃で3時間反応された。得られた分散剤5は暗い赤色の粘度の高いポリマーだった。
【0048】
実施例5
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EP比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテルから作られた約2120の平均当量分子量を有するポリ(PO/EO)2−アミノベンズアミドDの233.1gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の26.8gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.1gの混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、4.5時間その温度に保持した。ついで反応混合物に9.78gのアニリン(アルドリッチ社製)を加え、窒素下120℃で1.5時間反応が継続された。ついで反応混合物は窒素下180℃で3.5時間反応された。得られた分散剤6はオレンジ−赤色の粘度の高い液体だった。
【0049】
実施例6
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EP比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテルから作られた約2120の平均当量分子量を有するポリ(PO/EO)2−アミノベンズアミドDの211.9gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の13.4gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.1gの反応混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、6時間その温度に保持した。ついで反応混合物を180℃で3時間反応させた。得られた分散剤7はオレンジ色の液体だった。
【0050】
実施例7
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EO比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテル200gと、約400の平均当量分子量を有する一級アミン末端のポリ(プロピレンオキシド)ジアミンの60.4gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の53.6gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.3gの反応混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、9時間その温度に保持した。ついで混合物を180℃で23時間反応させた。得られた分散剤8は暗い赤色の粘度の高い液体だった。
【0051】
実施例8
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EO比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテル500gと、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン(97%、アルドリッチ社製)の25.8gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の67.0gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の1.0gの混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、17時間その温度に保持した。ついで反応混合物を180℃で25時間反応させた。得られた分散剤9は暗い赤色の粘度の高い液体だった。
【0052】
実施例9
分散剤9の93.4gと硫酸(96%、アルドリッチ社製)の4gとを室温で30分間撹拌した。得られた分散剤10は暗い赤色の粘度の高い液体だった。
【0053】
実施例10
約2000の平均当量分子量を有し、10/31のPO/EO比率を有する一級アミン末端のポリ(PO/EO)メチルエーテル300gと、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン(99%、アルドリッチ社製)の8.8gと、ジメチルスクシニルスクシネート(サン・ケミカル社製)の40.2gと、HCl(36.5−38%、VWR社製)の0.4gの混合物を窒素雰囲気下で120℃に加熱し、22時間その温度に保持した。ついで反応混合物を180℃で15時間反応させた。得られた分散剤11は暗い赤色の粘度の高い液体だった。
【0054】
実施例11
分散剤11の45.85gと、約600の平均当量分子量を有し、9/1のPO/EO比率を有する一級アミン末端のポリ(プロピレンオキシド)メチルエーテル6.0gとの混合物を180℃で9時間加熱した。得られた分散剤12は暗い赤色の粘度の高い液体だった。
【0055】
実施例12
水性分散物を、以下のピグメントと分散剤1とを30分間、粉砕媒体としての砂と一緒に混合することにより形成した:DPP レッド BO(CIBA社製)、レッド202(サン・ケミカル社製、コード#228−6843);レッド179(サン・ケミカル社製、コード#229−6438);15:1(サン・ケミカル社製、コード#248−4816);カーボンブラック250(Degussa社製)。最終分散物の粘度は、ブルックフィールド DV−I+粘度計(60回転毎分、スピンドル#4)によって測定された。粘度が10,000cps以上だった場合、それは「非常に高粘度」と示された。分散剤を省いて補償のために水を増やした同一の配合物が対照として使用された。
【0056】
【表1】

【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
実施例13
分散剤2または3(n−パラフィン、C8−20の中の活性成分32.4%および64.4%)とピグメントレッド202(サン・ケミカル社製、コード#228−6843)、およびマギエゾル(Magiesol)47オイル(Magie Bros.社製)を4分間、粉砕媒体として砂を使用して混合することにより、オイルベースの分散物を調製した。最終分散物の粘度(フロー)はフロープレート法により測定された。分散剤を省いて補償のためにオイルを増やした同一の配合物が対照として使用された。
【0060】
【表4】

【0061】
実施例14
分散剤4、ピグメントレッド179(サン・ケミカル社製、コード#229−6438)、およびn−ブチルプロピオネート(アルドリッチ社製)を、10分間、粉砕媒体としての砂を使用して混合することにより、溶剤ベースの分散物を調製した。最終分散物の粘度はフロープレート法により測定された。分散剤を省いて補償のためにエステル含量を増やした同一の配合物が対照として使用された。
【0062】
【表5】

【0063】
実施例15
UV Flexo分散物を、ピグメントレッド179(サン・ケミカル社製、コード#229−6438)、オリゴマーCN2102EおよびモノマーSR306(Sartomer社製)と分散剤4を5分間、粉砕媒体としての砂を使用して混合することにより調製した。最終分散物の粘度はフロープレート法により測定された。分散剤を省いて補償のためにオリゴマーおよびモノマー含量を増やした同一の配合物が対照として使用された。
【0064】
【表6】

【0065】
実施例16
水性の分散物がピグメントレッド254(サン・ケミカル社製、コード#226−0200)、レッド202(サン・ケミカル社製、コード#228−6843)、レッド122(サン・ケミカル社製、コード#228−0122)、またはレッド179(サン・ケミカル社製、コード#229−6438)を使用して調製された。サンプルはすべて粉砕媒体として砂を使用して30分間混合された。最終の分散物の粘度は、ブルックフィールド DV−I+粘度計(100回転毎分のスピンドル#3)によって測定された。分散剤を省いて補償のためにオ水含量を増やした同一の配合物が対照として使用された。
【0066】
【表7】

【0067】
【表8】



【0068】
【表9】


【0069】
【表10】


【0070】
実施例17
水性の分散物がピグメントレッド254(サン・ケミカル社製、コード#226−0200)、レッド202(サン・ケミカル社製、コード#228−6843)、レッド122(サン・ケミカル社製、コード#228−0122)、レッド179(サン・ケミカル社製、コード#229−6438)、またはカーボンブラック250(デグサ社製)を使用して調製された。サンプルはすべて粉砕媒体として砂を使用して30分間混合された。最終の分散物の粘どは、ブルックフィールド DV−I+粘度計(50回転毎分のスピンドル#4)によって測定された。分散剤を省いて補償のために水含量を増やした同一の配合物が対照として使用された。
【0071】
【表11】

【0072】
【表12】



【0073】
【表13】

【0074】
【表14】

【0075】
種々の変更と改良が本発明の精神および発明の範囲から離れることなく、上に記載された生成物とプロセスについて行なうことができる。述べられた様々な実施態様は例示のためにあり、本発明を制限するようには意図されない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのジアルキルスクシニルスクシネートと、1つ以上のモノ−またはジアミンであって少なくとも1つのアミノ基は第1アミンであるものとの反応生成物、または該反応生成物の酸化、環化または官能化生成物とを含み、少なくとも1つの反応体は重合物であるピグメント分散剤。
【請求項2】
スクシネートがジ(低級アルキル)スクシニル・スクシネートであり、アミンがポリ(アルキレンオキシド)部位またはポリ(アルキレン)部位を含む重合体のアミンである、請求項1記載のピグメント分散剤。
【請求項3】
スクシネートがジ(低級アルキル)スクシニル・スクシネートであり、アミンが脂肪族基、芳香族基、または複素環基またはそれらの組み合わせを含むアミンの群から選択される、請求項1記載のピグメント分散剤。
【請求項4】
スクシネートがジ(低級アルキル)スクシニル・スクシネートであり、アミンはアニリンまたはその誘導体を含む、請求項1記載のピグメント分散剤。
【請求項5】
以下の部分的な構造式の1つまたは両方を含む反応生成物であるピグメント分散剤:
【化1】


式中、mは1から10の整数であり、YおよびYはそれぞれ独立にO、SあるいはNR’であり、QはOまたはNHであり、R、R、R、RおよびR’はそれぞれ独立に水素または直鎖、分岐鎖または環式の脂肪族基、炭素含有芳香族基またはそれらの組み合わせであることができ、少なくとも1つのRは重合体である。
【請求項6】
以下の式を有するピグメント分散剤またはそれらの混合物であるピグメント分散剤:
【化2】


式中、nは0から10であり、QはOまたはNHであり、YからYのそれぞれは独立にO、SあるいはNR’であり;XからXのそれぞれは独立に、R’’、OR’’、COR’’、COOR’’、OCOR’’、カルボキシレート、ハロゲン、CN、NR’’R’’’、SOH、スルフォネート、スルフェート、NR’’(COR’’’)、CONR’’、PO、ホスホネート、N=NR’’、SOR’’、NSOR’’からなる群から選択され、式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R’、R’’およびR’’’は独立に水素または炭素含有基であり、上記のR基の少なくとも1つは重合体であり、
最後の式において、それぞれの鎖末端基の少なくとも1つのNH−あるいはCO含有基は、隣接する繰り返し単位のNH−あるいはCO含有基と結合される。
【請求項7】
ピグメントと組み合わされた請求項1から6のいずれか1項記載の分散剤。
【請求項8】
溶剤、インキビヒクル、コーティングビヒクルまたはプラスチックの少なくとも1つと組み合わされた請求項7記載の分散剤。
【請求項9】
インクジェットビヒクルと組み合わされた請求項7記載の分散剤。
【請求項10】
基体の表面に請求項7から9のいずれか1項記載の分散剤を有する基体。
【請求項11】
請求項10記載の基体を含む物品。
【請求項12】
請求項7から9のいずれか1項記載の組み合わせられた分散剤を内部に含む液体またはプラスチック。
【請求項13】
少なくとも1つのジアルキルスクシニルスクシネートと、一級のアミノ基を含む少なくとも1つのアミンを反応させることを含む、請求項1記載のピグメント分散剤を調製する方法であって、少なくとも1つの反応物は、少なくとも約250の平均当量分子量を有する重合体である、ピグメント分散剤の調製方法。
【請求項14】
反応生成物の官能基の変成を行うことをさらに含む、請求項13記載のピグメント分散剤の調製方法。
【請求項15】
官能基の変成が造塩、環化、加水分解およびアミド形成からなる群から選択される、請求項14記載のピグメント分散剤の調製方法。
【請求項16】
官能基の変成が反応生成物の酸化を含む、請求項14記載のピグメント分散剤の調製方法。
【請求項17】
酸化された反応生成物が環化される、請求項16記載のピグメント分散剤の調製方法。
【請求項18】
ピグメントと請求項1から6のいずれか1項記載の分散剤の少なくとも1つとを組み合わせることを含む、ピグメントの分散方法。
【請求項19】
ピグメントと請求項1から6のいずれか1項記載の分散剤の少なくとも1つとを、液体またはプラスチックの存在下に組み合わせることを含む、請求項18記載のピグメントの分散方法。
【請求項20】
請求項7から9のいずれか1項記載の組み合わせられた分散剤を基体の上に適用することを含む、基体の表面の着色方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−507013(P2010−507013A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−533504(P2009−533504)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2007/081643
【国際公開番号】WO2008/049004
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(596024024)サン・ケミカル・コーポレーション (39)
【Fターム(参考)】