説明

ピグ位置検出装置及びピグ位置検出方法

【課題】 磁性体を不要とし、ピグの構造を簡素化することが可能なピグ位置検出装置を提供する。
【解決手段】 ピグ16が往復移動する塗料配管15Cを有する塗料供給装置においてピグ16の位置を検出するピグ位置検出装置は、塗料配管15Cの少なくとも2箇所13A、14Aで塗料配管15Cの内部の状態を実質的に同時に検出する静電センサ134、144と、静電センサ134、144による検出結果に基づいて塗料配管15C内におけるピグ16の位置を判断する判断する判断装置137と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車塗装ラインの塗料供給系に用いられるピグ位置検出装置及びピグ位置検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の塗装ライン等で用いられている塗料供給装置は、各塗色の塗料が仕込まれた塗料タンクと、これを圧送するポンプと、塗料タンクから塗装機(実際はカラーチェンジバルブユニット)まで塗料を導く塗料配管と、を有し、塗色数に応じた数だけこうした塗料タンク、ポンプ及び塗料配管が設置されている。そして、塗装機の上流側に設けられたカラーチェンジバルブユニットを切り替えることで、車輌仕様に応じた塗色の塗料を吹き付ける。
【0003】
ところで、複数の塗色に対して共通の循環配管を設け、この塗料配管内をピグと呼ばれる可動部材(フリーピストン)を通すことにより、塗料を供給したり、塗料配管内に残留した前色塗料を回収したりすることも提案されている(例えば、特許文献1参照)。こうしたピグを用いた塗料供給系では、ピグの現在位置を検出することで塗料供給制御や塗料回収制御が実行されているが、従来のピグ位置検出装置としては、ピグ内に磁性体を埋め込み、塗料配管の特定位置に磁性センサを設けておくことで、ピグの通過を検出するものが提案されている。
【0004】
しかしながら、この種の位置検出装置では、ピグに磁性体を埋め込むのでピグ自体の構造が複雑になり高価なものとなるという問題があった。また、ピグに磁性体を埋め込むのでピグの重量が重くなり、停止時の塗料配管の端部との衝突によりピグが変形し易く、ピグの寿命が短命になるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開2002−126608号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、磁性体を不要とし、ピグの構造を簡素化することが可能なピグ位置検出装置及びピグ位置検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置において前記ピグの位置を検出する装置であって、前記塗料配管の少なくとも2箇所で前記塗料配管の内部の状態を実質的に同時に検出する検出手段と、前記検出手段による検出結果に基づいて前記塗料配管内における前記ピグの位置を判断する判断する判断手段と、を備えたピグ位置検出装置が提供される。
【0008】
また、上記目的を達成するために本発明によれば、ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置において前記ピグの位置を検出する方法であって、前記塗料配管の少なくとも2箇所で前記塗料配管の内部の状態を実質的に同時に検出する検出ステップと、前記検出ステップでの検出結果に基づいて前記塗料配管内における前記ピグの位置を判断する判断ステップと、を備えたピグ位置検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、塗料配管の少なくとも2箇所で塗料配管の内部の状態を検出し、その検出結果に基づいて塗料配管内におけるピグの位置を判断する。これにより、ピグに磁性体を埋め込まずにピグの位置を検出することが可能となるので、ピグの構造が簡素化される。また、ピグ自体の重量も低減するので長寿命化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
[第1実施形態]
図1は本発明の第1実施形態に係るピグ位置検出装置を用いた塗料供給装置の全体構成を示すブロック図であり、塗装ガン2に塗料を供給するための塗料供給装置10に本発明を適用した例である。また、図2は図1のII部の拡大断面図、図3Aは図1に示す塗料供給装置の各ピグステーションに用いられるストッパを示す正面図、図3Bは図3AのIIIB-IIIB線に沿った断面図、図4は本発明の第1実施形態における塗装システムを示す概略平面図である。
【0012】
本発明の第1実施形態における塗料供給装置10は、図1に示すように、塗装ガン2及び塗料ポンプ3を有する塗装装置に供給する塗料を、多種類の塗料の中から選択するためのメインカラーチェンジバルブユニット11(以下、メインCCV11と称する。)を有しており、メインCCV11から供給された塗料が塗料ポンプ3を介して塗装ガン2へと導かれるようになっている。
【0013】
メインCCV11は、マニホールド111に複数(同図では6個)の切替バルブ112a〜112fが設けられて構成されている。各切替バルブ112a〜112fには塗料が供給され、何れか一つの切替バルブ112a〜112fを選択することでマニホールド111内にその塗料が供給され、さらにその塗料が塗料ポンプ3を介して塗装ガン2に供給される。また、各切替バルブ112a〜112fは、塗料をマニホールド111に供給する弁のほかに、外部に廃液を行うダンプ弁をそれぞれ備えており、例えば洗浄時に洗浄液を外部に排出することが可能となっている。この各切替バルブ112a〜112fは、特に図示しない制御装置からの制御信号に基づいて開閉することが可能となっている。
【0014】
塗料が供給される切替バルブ112a〜112fを代表して、図1には切替バルブ112fの詳細構造を示す。切替バルブ112f以外の切替バルブ112a〜112eは、この切替バルブ112fと同じように構成することができ、またこれに替えて、塗料タンクからのメイン供給配管を切替バルブ112a〜112eの直接接続しても良い。
【0015】
代表的に示す切替バルブ112fは、図1に示すように、第1の塗料ホース15Aを介して、第1のピグステーション13Aの副通路131dに接続されている。第1のピグステーション13Aの主通路131aの一端は、第2の塗料ホース15Bを介して、洗浄用バルブユニット12に接続されている。また、第1のピグステーション13Aの主通路131aの他端は、第3の塗料ホース15Cの一端に接続されている。第3の塗料ホース15Cの他端は、第2のピグステーション14Aの主通路141aの一端に接続されている。第2のピグステーション14Aの主通路141aの他端は、第4の塗料ホース15Dを介して、サブカラーチェンジバルブユニット17(以下、サブCCV17と称する。)に接続されている。そして、本実施形態では、第3の塗料ホース15C内に、第1のピグステーション13Aと第2のピグステーション14Aとの間を往復移動可能にピグ16が挿入されている。
【0016】
第2の塗料ホース15Bを介して第1のピグステーション13Aに接続された洗浄用バルブユニット12は、マニホールド12aに、洗浄用エアを供給可能なエア供給用バルブ12bと、洗浄液を供給可能な洗浄液供給用バルブ12cと、外部に廃液するためのドレンバルブ12dと、が設けられて構成されている。各バルブ12b〜12dは、特に図示しない制御装置からの制御信号により開閉することが可能となっている。
【0017】
第1のピグステーション13Aは、図2に示すように、主通路131aが形成されたステーション本体131と、第3の塗料ホース15Cをステーション本体131に固定するためのキャップ132と、第3の塗料ホース15C内を移動するピグ16を捕捉するためのストッパ133と、を備えている。なお、図2では、第1のピグステーション13Aにおける第3の塗料ホース15C側の一部のみを示しており、実際には、図1に示すような略T字条の外径形状を有し、主通路131aから副通路131dが分岐している。
【0018】
本実施形態では、主通路131aの内径D1が、ピグ16の外径D2よりも大きくなっており(D1>D2)、これにより、ストッパ133により捕捉されたピグ16の脇を塗料、洗浄液及びエアが通過可能となっている。また、本実施形態では、第3の塗料ホース15Cの内径D4を、ピグ16の外径D2と実質的に同一としてある(D4=D2)。これにより、ピグ16が塗料ホース15C内に存在する場合、塗料、洗浄液及びエアは、ピグ16よりも下流側へ通過することができない。
【0019】
ストッパ133は、図3A及び図3Bに示すように、上下にそれぞれ抜き穴133aが形成された円盤状の部材であり、主通路131a内に固定されている。このストッパ133は、各抜き穴133aを通じて洗浄液やエアが通過することが可能になっていると共に、主通路131aの一部を閉塞することによりピグ16を主通路131a内に捕捉することが可能となっている。
【0020】
さらに本実施形態では、第1のピグステーション13Aは、主通路131a内の誘電率に基づいて主通路131a内における液体の有無を検出する第1の静電センサ134を備えている。図2に示すように、ステーション本体131には、外部から主通路131a内に貫通した貫通穴131bが形成されている。そして、この貫通穴131bを介してセンサ感応部134aが主通路131a内を臨むように、第1の静電センサ134がステーション本体131に装着されている。この第1の静電センサ134は、主通路131a内の誘電率が、塗料や洗浄液等の液体特有の誘電率であるか否かを判定することにより、主通路131a内に塗料や洗浄液が存在しているか否かを検出する。なお、ステーション本体131と第1の静電センサ134との接触部分がシールされているので、貫通穴131bを介して外部に塗料や洗浄液等が漏洩することはない。
【0021】
この第1の静電センサ134は、図2に示すように、検出結果を送信可能なようにケーブルを介して判断装置137に接続されており、CPU等を備えた判断装置137は、静電センサ134、144による検出結果に基づいて第3の塗料ホース15C内におけるピグ16の位置を判断する。なお、判断装置137による具体的な判断方法については後に詳述する。
【0022】
判断装置137によって判断されたピグ16の位置は、報知装置138に表示される。また、ピグ16の位置が所定の位置に存在しないような不具合の情報も報知装置138により報知される。
【0023】
第3の塗料ホース15Cの他端に接続された第2のピグステーション14Aは、図2に示すように、円筒形状を有するステーション本体141と、第3の塗料ホース15Cをステーション本体141の端部に固定するためのキャップ142と、第3の塗料ホース15C内を移動するピグ16を主通路141a内で捕捉するためのストッパ143と、を備えている。
【0024】
ステーション本体141は、主通路141aが内部に形成されている。本実施形態では、主通路141aの内径D3は、ピグ16の外径D2よりも大きくなっており(D3>D2)、ストッパ143により捕獲されたピグ16の脇を塗料やエア等が通過することが可能となっている。
【0025】
ストッパ143は、第1のピグステーション13Aに用いられている図3A及び図3Bに示すストッパ133と同一形状を有しており、抜き穴を通じて塗料やエア、洗浄液が通過可能になっていると共に、主通路141aの一部を閉塞することによりピグ16を主通路141a内に捕捉することが可能となっている。
【0026】
さらに本実施形態では、第2のピグステーション14Aにも第2の静電センサ144が設けられている。図2に示すように、ステーション本体141に、外部から主通路141a内に貫通した貫通穴141bが形成されており、この貫通穴141bを介してセンサ感応部144aが主通路141a内を臨むように、第2の静電センサ144がステーション本体141に装着されている。そして、第2の静電センサ144は主通路141a内の誘電率が、塗料や洗浄液等の液体特有の誘電率であるか否かを判定することにより、主通路141a内に塗料や洗浄液が存在しているか否かを検出する。なお、ステーション本体141aと第2の静電センサ144との接触部分がシールされているので、貫通穴141bを介して塗料や洗浄液が漏洩することはない。この第2の静電センサ144も、検出結果を送出可能なように判断装置137に接続されている。
【0027】
図1に戻り、第4の塗料ホース15Dの他端に接続されたサブCCV17は、メインCCV11と同様のカラーチェンジバルブユニットであって、マニホールド171に複数(図1では5個)の切替バルブ172a〜172eが設けられて構成されている。切替バルブ172a、172bには塗料が供給され、何れか一方の切替バルブ172a、17sbを選択することでマニホールド171内にその塗料が供給され、塗料ホースを介してメインCCV11の切替バルブ112fへ供給される。各切替バルブ172a、172bに供給される塗料は、密閉された塗料タンク18、19内にそれぞれ収容され、このタンク18、19内をエアで加圧することで、タンク18、19内の塗料を切替バルブ172a、172bへ圧送することが可能となっている。切替バルブ172cには洗浄用のエアが供給されるようになっており、エア供給用バルブとして用いられる。切替バルブ172dには洗浄液が供給されるようになっており、洗浄液供給用バルブとして用いられる。切替バルブ172eは、外部に廃液を行うためのドレンバルブとして用いられる。サブCCV17の各切替バルブ172a〜172eは、特に図示しない制御装置からの制御信号により開閉することが可能となっている。
【0028】
以上のような構成の塗料供給装置10は、図4に示すように、例えば塗装ブースB内に設けられた複数の塗装ロボット4に対して1台ずつ設けられて塗装システムを構成している。塗装ロボット4の先端には、エンドエフェクタとして塗装ガン2が設けられており、塗料供給装置10からこの塗装ガン2に各色の塗料を供給することが可能となっている。
【0029】
なお、本発明においては上記のような塗装システムの構成に限定されず、例えば、複数の塗装ロボット4に対して1台の塗料供給装置10を割り当てても良いし、塗装ブースB内の全ての塗装ロボット4に対して1台の塗料供給装置10を割り当てても良い。
【0030】
以下に、本発明の第1実施形態に係るピグ位置検出方法を、塗料供給装置10の色替え手順に従って説明する。
【0031】
図5は本発明の第1実施形態における塗料供給装置の色替え手順を示すフローチャート、図6〜図11は各ステップの状態を示すブロック図である。
【0032】
先ず、図6に示すように、塗料供給装置10が前色(図6ではA色)の塗料を供給している状態(図5にてステップS10)について説明する。加圧エアにより塗料タンク18内のA色塗料が圧送されると、サブCCV17の切替バルブ172a→マニホールド171→第4の塗料ホース15D→第2のピグステーション14A→第3の塗料ホース15C→第1のピグステーション13A→第1の塗料ホース15A→メインCCV11の切替バルブ112fに至る。そして、ここで塗料ポンプ3を作動させることにより、さらにA色塗料は、マニホールド111→塗料ポンプ3→塗装ガン2の順に送られ、被塗物に向かって吐出することとなる。この状態において、切替バルブ172a以外のサブCCV117の切替バルブ172b〜172eは全て閉状態に制御されている。また、メインCCV11においても、切替バルブ112f以外のバルブ112a〜112eは全て閉状態に制御されている。また、洗浄用バルブユニット12では全てのバルブ12b〜12dが閉状態に制御されている。
【0033】
この前色塗装ステップS10において、第1の静電センサ134が第1のピグステーション13Aの主通路131a内が塗料で満たされていることを検出し、第2の静電センサ144も第2のピグステーション14Bの主通路141a内が塗料で満たされていることを検出したら、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Aの主通路131a内でストッパ133により捕捉されており、A色塗料が適切に供給されていると判断する。
【0034】
これに対し、塗料タンク18からA色塗料を圧送しているにも関わらず、静電センサ134、144が塗料を検出せずに所定時間が経過した場合には、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Aに至っておらず、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。例えば第2の静電センサ144は塗料の存在を検出しているが、第1の静電センサ134は塗料を検出せずに所定時間が経過した場合、ピグ16は塗料ホース15C内に停滞していることとなり、この場合、判断装置137は異常発生を喚起する。
【0035】
以上のようなA色塗料の塗装が終了して次色がA色以外の場合には、以下の手順に従って色替え操作を行う。
【0036】
先ず、図5のステップS20に示すようにA色塗料を回収する。図7に示すように、A色塗料の塗装完了の信号に基づいて、A色塗料が収容された塗装タンク18内の加圧を停止する。そして、メインCCV11の切替バルブ112fを閉じると共に、洗浄用バルブユニット12のエア供給用バルブ12bを開けてエアを供給する。このエアの圧力により第1のピグステーション13A内に収容されていたピグ16が第3の塗料ホース15C内を移動し、当該ホース15C内に充填されていたA色塗料を塗料タンク18に押し戻す。
【0037】
このステップS20において、第1の静電センサ134が塗料の存在を検出せず、第2の静電センサ144が塗料を検出している間は、判断装置137は、ピグ16が第3の塗料ホース15C内を移動しており、塗料を回収している最中であると判断する。そして、何れの静電センサ134、144も塗料を検出しなくなったら、判断装置137は、ピグ16が第2のピグステーション14Aの主通路141a内でストッパ143により捕捉され、A色塗料の回収が完了したと判断する。
【0038】
これに対し、エア供給用バルブ12bからエアを供給しているにも関わらず、例えば、静電センサ134、144が塗料を検出したまま所定時間が経過した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。
【0039】
A色塗料の回収が完了したと判断装置137が判断したら、図5のステップS30に示すように、メインCCV11側からサブCCV17側に向かって塗料ホースを洗浄(逆洗浄)する。
【0040】
このステップS30では、先ず、図8に示すように、メインCCV11の切替バルブ112fが備えるダンプ弁を開放すると共に、洗浄用バルブユニット12のエア供給用バルブ12b及び洗浄液供給用バルブ12cを交互に開閉する。これにより、洗浄用バルブユニット12のマニホールド12a→第2の塗料ホース15B→第1のピグステーション13Aの主通路131a→副通路131d→第1の塗料ホース15A→メインCCV11の切替バルブ112fに至る経路が、エア及び洗浄液により洗浄される。
【0041】
さらにこのステップS30では、図9に示すように、メインCCV11の切替バルブ112fを閉じると共に、サブCCV17の切替バルブ172eを開く。これにより、洗浄用バルブユニット12のマニホールド12a→第2の塗料ホース15B→第1のピグステーション13A→第3の塗料ホース15C→第2のピグステーション14A→第4の塗料ホース15D→サブCCV17のマニホールド171→切替バルブ172eに至る経路が、エア及び洗浄液により洗浄される。この際、第2のピグステーション14A内にピグ16が捕捉されているが、主通路141の内径D3がピグ16の外径D2よりも大きくなっている(D3>D2)ので、洗浄液やエアがピグ16の脇を通過することが可能となっている。なお、この逆洗浄ステップS30は必須の工程ではなく、前色塗料回収ステップS20が終了したら、この逆洗浄ステップS30を行わずに、以下に説明する本洗浄ステップS40に移っても良い。
【0042】
次いで、図5のステップS40に示すように、サブCCV17側からメインCCV11側に向かって塗料ホースを洗浄(本洗浄)する。このステップS40では、図10に示すように、サブCCV17の切替バルブ172eを閉じると共に、切替バルブ172c、172dを交互に開閉する。また、洗浄用バルブユニット12においてエア供給用バルブ12b及び洗浄液供給用バルブ12cを閉じると共にドレンバルブ12dを開ける。さらに、メインCCV11において切替バルブ112fが備えるダンプ弁を開放する。これにより、サブCCV17のマニホールド171→第4の塗料ホース15D→第2のピグステーション14A→第3の塗料ホース15C→第1のピグステーション13A→第2の塗料ホース15B→洗浄用バルブユニット12のマニホールド12a→ドレンバルブ12dに至る経路がエア及び洗浄液により洗浄されると共に、第1のピグステーション13Aから分岐して、第1の塗料ホース15A→メインCCV11の切替バルブ112fに至る経路がエアや洗浄液により洗浄される。この際、サブCCV7の切替バルブ172c、172dから交互に供給されるエアと洗浄液の圧力により、第2のピグステーション14Aに捕捉されていたピグ16が発射され、第3の塗料ホース15C内を移動し、第1のピグステーション13Aに捕捉される。このピグ16の移動により、第3の塗料ホース15C内に付着した塗料や洗浄液等の付着物を掻き取って除去する。エアと洗浄液による塗料ホースの洗浄が完了したら、サブCCV17の切替バルブ172cから供給されるエアにより配管系内がエアパージされる。
【0043】
このステップS40の完了後に、静電センサ134、144が洗浄液を検出しなかった場合には、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Aの主通路131a内でストッパ133により捕捉されており、本洗浄が完了したものと判断する。
【0044】
これに対し、静電センサ134、144が主通路131a、141a内において洗浄液を検出した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したために洗浄が完了していないと判断して、その異常発生を喚起する。
【0045】
本洗浄が完了したと判断装置137が判断したら、次色(図11ではB色)の塗料を充填する。図11に示すように、サブCCV17において切替バルブ172c、172dを閉じると共に切替バルブ172bを開く。また、洗浄用バルブユニット12においてダンプバルブ12dを閉じると共に、メインCCV11において切替バルブ112fのマニホールド111に続く弁を開く。そして、加圧エアにより塗料タンク19内のB色塗料が圧送されると、サブCCV17の切替バルブ172b→マニホールド171→第4の塗料ホース15D→第2のピグステーション14A→第3の塗料ホース15C→第1のピグステーション13A→第1の塗料ホース15A→メインCCV11の切替バルブ112fに至る。そして、塗料ポンプ3を作動させることにより、さらにB色塗料は、マニホールド111→塗料ポンプ3→塗装ガン2の順に送られ、被塗物に向かって吐出され、色替え操作が完了する。
【0046】
このステップS50において、第1の静電センサ134が塗料を検出せず、第2の静電センサ144が塗料を検出している間は、判断装置137は、ピグ16が第3の塗料ホース15C内を移動中で、B色塗料が第3の塗料ホース15C内に充填されている最中であると判断する。そして、いずれの静電センサ134、144もB色塗料の存在を検出したら、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Aに捕捉され、第3の塗料ホース15C内へB色塗料の充填が完了したと判断する。
【0047】
これに対し、塗料タンク19からB色塗料を圧送しているにも関わらず、静電センサ134、144が塗料を検出せずに所定時間が経過した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。
【0048】
以上のように、本発明の第1実施形態では、静電センサ134、144により、第3の塗料ホース15Cの両端に設けられたピグステーション13A、14A内の塗料や洗浄液の有無に基づいて当該ホース15C内の状態を直接的に検出し、判断装置137が、その結果に基づいて、第3の塗料ホース15C内におけるピグ16の位置を判断する。これにより、ピグ16に磁性体を埋め込まずにピグ16の位置を検出することが可能となるので、ピグ16の構造が簡素化される。また、ピグ16自体の重量も軽減することができるので長寿命化が図られる。
【0049】
[第2実施形態]
図12は本発明の第2実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【0050】
本発明の第2実施形態に係るピグ位置検出装置は、図12に示すように、基本的な構成は第1実施形態と同様であり、主通路131a、141aの内部の状態を検出する手段として、静電センサの代わりに、圧力センサ135、145が用いられている点のみが第1実施形態と相違する。
【0051】
第1のピグステーション13Bは、図12に示すように、主通路131a内の圧力を検出する第1の圧力センサ135を備えている。同図に示すように、ステーション本体131には、外部から主通路131a内に貫通した貫通穴131bが形成されている。そして、この貫通穴131bを介してセンサ感応部135aが主通路131a内を臨むように、第1の圧力センサ135がステーション本体131に装着されている。なお、ステーション本体131と第1の圧力センサ135との接触部分がシールされているので、貫通穴131bを介して外部に塗料や洗浄液等が漏洩することはない。
【0052】
第2のピグステーション14Bも同様に、貫通穴141bを介して主通路141a内に感応部145aが臨むように、ステーション本体141に第2の圧力センサ145が装着されており、主通路141a内の圧力を検出することができるようになっている。これら第1及び第2の圧力センサ135、145で検出された各圧力の値に違い(差圧)があるか否かを判定することにより、主通路131a,141a内に塗料や洗浄液が存在しているか否かを検出するものである。
【0053】
これら第1及び第2の圧力センサ135、145は、検出結果を送信可能なようにケーブルを介して判断装置137に接続されており、判断装置137は、圧力センサ135、145の検出結果に基づいて、第3の塗料ホース15C内におけるピグ16の位置を判断する。
【0054】
本実施形態における具体的なピグ位置検出方法を、図5に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0055】
先ず、図5及び図6に示す前色塗装ステップS10において、第1の圧力センサ135による検出結果(すなわち第1のピグステーション13Bの主通路131a内の圧力P1)と、第2の圧力センサ145による検出結果(すなわち第2のピグステーション14Bの主通路141a内の圧力P2)とが実質的に同一である場合(P1=P2。両者間に差圧なし)に、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Bの主通路131a内でストッパ133により捕捉されており、A色塗料が適切に供給されていると判断する。
【0056】
これに対し、塗料タンク18(図1参照)からA色塗料を圧送しているにも関わらず、圧力センサ135、145の検出結果が同一とならないまま(P1≠P2)、所定時間が経過した場合には、判断装置137は、ピグ15が第1のピグステーション13Aに至っておらず、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常を喚起する。例えばP1<P2の場合、ピグ16は第2ピグステーション14Bから第1ピグステーション13Bに向かう途中に塗料ホース15C内で停滞していることとなり、判断装置137は異常発生を喚起する。
【0057】
次いで、図5及び図7に示す前色塗料回収ステップS20において、第1の圧力センサ135による検出結果P1が第2の圧力センサ145による検出結果P2より大きい間は(P1>P2。両者間に差圧あり)、判断装置137は、ピグ16が第3の塗料ホース15C内を移動しており、塗料を回収している最中であると判断する。そして、圧力センサ135、145の検出結果が実質的に同一となったら(P1=P2)、判断装置137は、ピグ16が第2のピグステーション14Bの主通路141a内でストッパ143により捕捉され、A色塗料の回収が完了したと判断する。
【0058】
これに対し、エア供給用バルブ12b(図1参照)からエアを供給しているにも関わらず、例えば、圧力センサ135、145の検出結果が非同一のまま(P1≠P2)、所定時間が経過した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。例えばP1>P2の場合、ピグ16は第1ピグステーション13Bから第2ピグステーション14Bに向かう途中に塗料ホース15C内で停滞していることとなり、判断装置137は異常発生を喚起する。
【0059】
次いで、図5、図8及び図9に示す逆洗浄ステップS30、並びに図5及び図10に示す本洗浄ステップS40を完了した際に、圧力センサ135、145の検出結果が実質的に同一である場合(P1=P2)に、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Bの主通路131a内でストッパ133により捕捉されており、本洗浄が完了したものと判断する。
【0060】
これに対し、圧力センサ135、145の検出結果が非同一の場合(P1≠P2)には、判断装置137は、何らかの異常が発生したために洗浄が完了していないと判断して、その異常発生を喚起する。例えばP1<P2の場合、ピグ16は第2ピグステーション14Bから第1ピグステーション13Bに向かう途中に塗料ホース15C内で停滞していることとなり、判断装置137は異常発生を喚起する。
【0061】
次いで、図5に示す次色塗料充填ステップS50において、第1の圧力センサ135の検出結果P1が、第2の圧力センサ145の検出結果P2より小さい間(P1<P2)は、判断装置137は、ピグ16が第3の塗料ホース15C内を移動中で、B色塗料が第3の塗料ホース15C内に充填されている最中であると判断する。そして、圧力センサ135、145の検出結果が実質的に同一となったら(P1=P2)、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Bに捕捉され、第3の塗料ホース15C内へのB色塗料の充填が完了したと判断する。これに対し、塗料タンク18(図1参照)からB色塗料を圧送しているにも関わらず、圧力センサ135、145の検出結果が非同一のまま(P1≠P2)、所定時間が経過した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。例えばP1<P2の場合、ピグ16は第2ピグステーション14Bから第1ピグステーション13Bに向かう途中に塗料ホース15C内で停滞していることとなり、判断装置137は異常発生を喚起する。
【0062】
以上のように、本発明の第2実施形態では、圧力センサ135、145により、第3の塗料ホース15Cの両端に設けられたピグステーション13B、14Bの内部における状態を直接的に検出し、判断装置137が、その結果に基づいて、第3の塗料ホース15C内におけるピグ16の位置を判断する。これにより、ピグ16に磁性体を埋め込まずにピグ16の位置を検出することが可能となるので、ピグ16の構造が簡素化される。また、ピグ16自体の重量も軽減することができるので長寿命化が図られる。
【0063】
[第3実施形態]
図13は本発明の第3実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【0064】
本発明の第3実施形態に係るピグ位置検出装置は、図13に示すように、基本的な構成は第1実施形態と同様であり、主通路131a、141aの内部の状態を検出する手段として、静電センサの代わりに、光センサ136、146が用いられている点のみが第1実施形態と相違する。
【0065】
第1のピグステーション13Cは、図13に示すように、主通路131a内の通光及び遮光を検出する光センサ136を備えている。同図に示すように、ステーション本体131aには、外部から主通路131a内に貫通した第1の貫通穴131bが形成されていると共に、この第1の貫通穴131bに対向する位置にも、外部から主通路131aに貫通した第2の貫通穴131cが形成されている。そして、第1の貫通穴131bを介して投光部136aが主通路131a内を臨み、また第2の貫通穴131cを介して受光部136bが主通路131a内を臨むように、第1の光センサ136がステーション本体131に装着されている。なお、投光部136a及び受光部146aが挿入された各貫通穴131b、131cは主通路131aの壁面においてカバーにより覆われているので、貫通穴131b、13cを介して塗料や洗浄液が外部に漏洩することはない。
【0066】
この光センサ136は、投光部136aから光を照射し、その光を受光部136が受光したか否かにより、主通路131a内に塗料や液体が存在しているか否かを検出する。すなわち、この光センサ136は、塗料や洗浄液等の液体が存在している状態で主通路131a内に光を投光するとその液体により遮光され、液体が存在していない状態で主通路131a内に光を投光するとその光は受光部136bまで通光するという原理に基づいて、主通路131a内の液体の有無を検出する。
【0067】
第2のピグステーション14Cも同様に、対向して形成された貫通穴141b、141cを介して投光部146a及び受光部146bが臨むように、ステーション本体141に第2の光センサ146が装着されている。
【0068】
これら第1及び第2の光センサ136、146は、検出結果を送出可能なようにケーブルを介して判断装置137に接続されており、判断装置137は、光センサ136、146の検出結果に基づいて、第3の塗料ホース15C内におけるピグ16の位置を判断する。
【0069】
本実施形態における具体的なピグ位置検出方法を、図5に示すフローチャートを参照しながら以下に説明する。
【0070】
先ず、図5の前色塗装ステップS10において、いずれの光センサ136、146も主通路131a、141a内に塗料を検出したら、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Cの主通路131a内でストッパ133により捕捉されており、A色塗料が適切に供給されていると判断する。
【0071】
これに対し、塗料タンク18からA色塗料を圧送しているにも関わらず、光センサ136、146が塗料を検出せずに所定時間が経過した場合には、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Cに至っておらず、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。
【0072】
次いで、図5の前色塗料回収ステップS20において、第1の光センサ136が塗料を検出せず、第2の光センサ146が塗料を検出している間は、判断装置137は、ピグが第3の塗料ホース15C内を移動しており、塗料を回収している最中であると判断する。そして、何れの光センサ136、146も塗料を検出しなくなったら、判断装置137は、ピグ16が第2のピグステーション14Cの主通路141a内でストッパ143により捕捉され、A色塗料の回収が完了したものと判断する。
【0073】
これに対し、エア供給用バルブ12bからエアを供給しているにも関わらず、光センサ136、146が塗料を検出したまま所定時間が経過した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。
【0074】
次いで、図5に示す逆洗浄ステップS30及び本洗浄ステップS40を完了した際に、光センサ136、146が洗浄液を検出しなかった場合には、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Cの主通路131a内でストッパ133により捕捉されており、本洗浄が完了したものと判断する。
【0075】
これに対し、光センサ136、146が主通路131a、141a内において洗浄液を検出した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したために洗浄が完了していないと判断して、その異常発生を喚起する。
【0076】
次いで、図5に示す次色塗料充填ステップS50において、第1の光センサ136が塗料を検出せず、第2の光センサ146が塗料を検出している間は、判断装置137は、ピグ16が第3の塗料ホース15C内を移動中で、B色塗料が第3の塗料ホース15C内に充填されている最中であると判断する。そして、何れの光センサ136、146もB色塗料を検出したら、判断装置137は、ピグ16が第1のピグステーション13Aに捕捉され、第3の塗料ホース15C内へのB色塗料の充填が完了したと判断する。
【0077】
これに対し、塗料タンク19からB色塗料を圧送しているにも関わらず、光センサ136、146が塗料を検出せずに所定時間が経過した場合には、判断装置137は、何らかの異常が発生したものと判断して、その異常発生を喚起する。
【0078】
以上のように、本発明の第3実施形態では、光センサ136、146により、第3の塗料ホース15Cの両端に設けられたピグステーション13C、14C内の塗料や洗浄液の有無に基づいて当該ホース15C内の状態を直接的に検出し、判断装置137が、その結果に基づいて、第3の塗料ホース15C内におけるピグ16の位置を判断する。これにより、ピグ16に磁性体を埋め込まずにピグ16の位置を検出することが可能となるので、ピグ16の構造が簡素化される。また、ピグ16自体の重量も軽減することができるので長寿命化が図られる。
【0079】
[第4実施形態]
図14は本発明の第4実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【0080】
図14に示すように、本実施形態に係るピグ位置検出装置は、第2実施形態と比較して主通路131a,141aの内部状態検出手段に圧力センサ135,145を用いる点では同様であるが、サブCCV17(図1参照)から見て、第1ピグステーション13D内に備えられたストッパ133の下流側に第1圧力センサ135が設置してあり、さらに、第2ピグステーション14D内に備えられたストッパ143の上流側に第2圧力センサ145が設置してある点が相違する。すなわち、第2実施形態での第1圧力センサ135は、図12に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、第1ピグステーション13B内に備えられたストッパ133の上流側に設置してあるが、本実施形態での第1圧力センサ135は、図14に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、ストッパ133の下流側に設置してある。また、第2実施形態での第2圧力センサ145は、図12に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、第2ピグステーション14B内に備えられたストッパ143の下流側に設置してあるが、本実施形態での第2圧力センサ145は、図14に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、ストッパ143の上流側に設置してある。
【0081】
このように本実施形態に係る構成によっても上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0082】
[第5実施形態]
図15は本発明の第5実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【0083】
図15に示すように、本実施形態に係るピグ位置検出装置は、第2実施形態と比較して主通路131a,141aの内部状態検出手段に圧力センサ135,145を用いており、しかもサブCCV17(図1参照)から見て、第1ピグステーション13E内に備えられたストッパ133の上流側に第1圧力センサ135が設置してある点では同様であるが、サブCCV17(図1参照)から見て、第2ピグステーション14E内に備えられたストッパ143の上流側に第2圧力センサ145が設置してある点が相違する。すなわち、第2実施形態での第2圧力センサ145は、図12に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、第2ピグステーション14B内に備えられたストッパ143の下流側に設置してあるが、本実施形態での第2圧力センサ145は、図15に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、ストッパ143の上流側に設置してある。
【0084】
このように本実施形態に係る構成によっても上述した第2実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0085】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0086】
例えば、第1実施形態に関し、図2に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、第1静電センサ134を第1ピグステーション13A内に備えられたストッパ133の下流側に設置するとともに(図示省略)、第2静電センサ144を第2ピグステーション14A内に備えられたストッパ143の上流側に設置してもよい(図示省略)。あるいは、サブCCV17(図1参照)から見て、第1静電センサ134をストッパ133の上流側に設置するとともに(図2参照)、第2静電センサ144をストッパ143の上流側に設置してもよい(図示省略)。あるいは、サブCCV17(図1参照)から見て、第1静電センサ134をストッパ133の下流側に設置するとともに(図示省略)、第2静電センサ144をストッパ143の下流側に設置してもよい(図2参照)。すなわち、各静電センサ134,144の設置位置は、主通路131a,141a内の誘電率を検出可能な限り特に限定されず、ストッパ133,143の上流側でも下流側でもよい。
【0087】
また、第3実施形態に関し、図13に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、第1光センサ136を第1ピグステーション13C内に備えられたストッパ133の下流側に設置するとともに(図示省略)、第2光センサ146を第2ピグステーション14C内に備えられたストッパ143の上流側に設置してもよい(図示省略)。あるいは、サブCCV17(図1参照)から見て、第1光センサ136をストッパ133の上流側に設置するとともに(図13参照)、第2光センサ146をストッパ143の上流側に設置してもよい(図示省略)。あるいは、サブCCV17(図1参照)から見て、第1光センサ136をストッパ133の下流側に設置するとともに(図示省略)、第2光センサ146をストッパ143の下流側に設置してもよい(図13参照)。すなわち、各光センサ136,146の設置位置は、主通路131a,141a内の液体の有無を検出可能な限り特に限定されず、ストッパ133,143の上流側でも下流側でもよい。
【0088】
また、第5実施形態に関し、図15に示すように、サブCCV17(図1参照)から見て、第1圧力センサ135を第1ピグステーション13E内に備えられたストッパ133の下流側に設置するとともに(図示省略)、第2圧力センサ145を第2ピグステーション14E内に備えられたストッパ143の下流側に設置してもよい(図示省略)。すなわち、各圧力センサ135,145の設置位置は、主通路131a,141a内の圧力を検出可能な限り特に限定されず、ストッパ133,143の上流側でも下流側でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に係るピグ位置検出装置を用いた塗料供給装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態に係るピグ位置検出装置を示す図であり、図1のII部の拡大断面図である。
【図3A】図3Aは、図1に示す塗料供給装置の各ピグステーションに用いられるストッパを示す正面図である。
【図3B】図3Bは、図3AのIIIB-IIIB線に沿った断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態における塗装システムを示す概略平面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態における塗料供給装置の色替え手順を示すフローチャートである。
【図6】図6は、前色塗料を塗装している状態(前色塗装ステップ)を示すブロック図である。
【図7】図7は、前色塗料を回収している状態(前色塗料回収ステップ)を示すブロック図である。
【図8】図8は、メインCCV側からサブCCV側に向かって洗浄している状態(逆洗浄ステップ)を示すブロック図(その1)である。
【図9】図9は、メインCCV側からサブCCV側に向かって洗浄している状態(逆洗浄ステップ)を示すブロック図(その2)である。
【図10】図10は、サブCCV側からメインCCV側に向かって洗浄している状態(本洗浄ステップ)を示すブロック図である。
【図11】図11は、次色の塗料を充填している状態(次色塗料充填ステップ)を示すブロック図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の第3実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【図14】図14は、本発明の第4実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【図15】図15は、本発明の第5実施形態に係るピグ位置検出装置を示す断面図である。
【符号の説明】
【0090】
10…塗料供給装置
11…メインCCV
12…洗浄用バルブユニット
13A〜13E…第1のピグステーション
131…ステーション本体
131a…主通路
131b、131c…貫通穴
131d…副通路
132…キャップ
133…ストッパ
133a…抜き穴
134…第1の静電センサ
134a…センサ感応部
135…第1の圧力センサ
135a…センサ感応部
136…第1の光センサ
136a…投光部
137b…受光部
137…判断装置
138…報知装置
14A〜14E…第2のピグステーション
141…ステーション本体
141a…通路
141b、141c…貫通穴
142…キャップ
143…ストッパ
144…第2の静電センサ
144a…センサ感応部
145…第2の圧力センサ
145a…センサ感応部
146…第2の光センサ
146a…投光部
146b…受光部
15A〜15D…第1〜第4の塗料ホース
16…ピグ
17…サブCCV
18、19…塗料タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置において前記ピグの位置を検出する装置であって、
前記塗料配管の少なくとも2箇所で前記塗料配管の内部の状態を実質的に同時に検出する検出手段と、
前記検出手段による検出結果に基づいて前記塗料配管内における前記ピグの位置を判断する判断する判断手段と、を備えたピグ位置検出装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記塗料配管内における液体の有無に基づいて前記塗料配管の内部の状態を検出する請求項1記載のピグ位置検出装置。
【請求項3】
前記検出手段は、前記塗料配管内の誘電率に基づいて前記塗料配管内における液体の有無を検出する静電容量式センサを含む請求項2記載のピグ位置検出装置。
【請求項4】
前記検出手段は、前記塗料配管内の通光性に基づいて前記塗料配管内における液体の有無を検出する光センサを含む請求項2記載のピグ位置検出装置。
【請求項5】
前記検出手段は、前記塗料配管内の差圧の有無に基づいて前記塗料配管の内部の状態を検出する請求項1記載のピグ位置検出装置。
【請求項6】
前記検出手段は、前記塗料配管内の少なくとも2箇所で検出された各圧力の値に基づき前記塗料配管内における差圧の有無を検出する圧力センサを含む請求項5記載のピグ位置検出装置。
【請求項7】
前記判断手段は、
前記塗料配管内の第1の位置での前記検出手段による検出結果と、前記塗料配管内の第2の位置での前記検出手段による検出結果と、が異なる場合に、前記塗料配管内において前記ピグが前記第1の位置と前記第2の位置との間に位置していると判断し、
前記第1の位置との前記検出手段による検出結果と、前記第2の位置での前記検出手段による検出結果と、が実質的に同一である場合に、前記塗料配管内において前記ピグが前記第1の位置と前記第2の位置との間に位置していないと判断する請求項1〜6の何れかに記載のピグ位置検出装置。
【請求項8】
ピグが往復移動する塗料配管を有する塗料供給装置において前記ピグの位置を検出する方法であって、
前記塗料配管の少なくとも2箇所で前記塗料配管の内部の状態を実質的に同時に検出する検出ステップと、
前記検出ステップでの検出結果に基づいて前記塗料配管内における前記ピグの位置を判断する判断ステップと、を備えたピグ位置検出方法。
【請求項9】
前記検出ステップにおいて、前記塗料配管内における液体の有無に基づいて前記塗料配管の内部の状態を検出する請求項8記載のピグ位置検出方法。
【請求項10】
前記検出ステップにおいて、前記塗料配管内の誘電率に基づいて前記塗料配管内における液体の有無を検出する請求項9記載のピグ位置検出方法。
【請求項11】
前記検出ステップにおいて、前記塗料配管内の通光性に基づいて前記塗料配管内における液体の有無を検出する請求項9記載のピグ位置検出方法。
【請求項12】
前記検出ステップにおいて、前記塗料配管内の差圧の有無に基づいて前記塗料配管の内部の状態を検出する請求項8記載のピグ位置検出方法。
【請求項13】
前記検出ステップにおいて、前記塗料配管内の少なくとも2箇所で検出された各圧力の値に基づき前記塗料配管内における差圧の有無を検出する請求項12記載のピグ位置検出方法。
【請求項14】
前記検出ステップにおいて、前記塗料配管内の第1の位置での検出結果と前記塗料配管内の第2の位置での検出結果とが異なる場合に、前記判断ステップにおいて、前記ピグが前記塗料配管内において前記第1の位置と前記第2の位置との間に位置していると判断し、
前記検出ステップにおいて、前記第1の位置での検出結果と、前記第2の位置での検出結果とが実質的に同一である場合に、前記判断ステップにおいて、前記ピグが前記塗料配管内において前記第1の位置と前記第2の位置との間に位置していないと判断する請求項8〜13の何れかに記載のピグ位置検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−98389(P2007−98389A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−242984(P2006−242984)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】