説明

ピッキングシステム

【課題】効率良く作業ができるピッキングシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステム1は、物品を保管する物品保管手段2と、物品を搬送面3a上に直接載せてオーダ単位で搬送する物品搬送手段3とを備える。物品搬送手段3には、物品保管手段2から取り出した物品を載置面20上に直接載せて待機させる待機状態と、その載置面20上の物品を物品搬送手段3の搬送面3a上に案内する案内状態とに切り換え可能な複数の案内体を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、効率良く作業ができるピッキングシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば物品を保管する物品保管手段と、集品別の集品容器を物品保管手段に沿って移動させる移動手段と、物品保管手段から取り出されたオーダ単位の物品を移動手段によって移動している集品容器に対して自動的に投入する複数の投入手段とを備えたピッキングシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−75635号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のように、移動している集品容器に対してオーダ単位の物品を投入手段にて自動投入する構成では、集品容器の移動速さを速くすると、移動中の集品容器に対する投入手段による投入ミスが生じるおそれがあるため、効率良く作業ができないおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、効率良く作業ができるピッキングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載のピッキングシステムは、物品を保管する物品保管手段と、上面に平面状の搬送面を有し、物品を前記搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する物品搬送手段と、上面に平面状の載置面を有し、前記物品保管手段から取り出された物品を前記載置面上に直接載せて待機させる待機状態とその載置面上の物品を前記物品搬送手段の搬送面上に案内する案内状態とに切り換えられる複数の案内体とを備えるものである。
【0006】
請求項2記載のピッキングシステムは、請求項1記載のピッキングシステムにおいて、物品搬送手段から搬出されたオーダ単位の物品が袋に入れられた状態で収容される容器を搬送する容器搬送手段と、前記容器から取り出された前記袋が収容される出荷容器を搬送する出荷容器搬送手段とを備えるものである。
【0007】
請求項3記載のピッキングシステムは、請求項2記載のピッキングシステムにおいて、物品搬送手段は、物品を上面の平面状の搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する搬送部と、この搬送部の搬送終端部に連設され、物品を上面の平面状の搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する複数の分岐搬送部と、この各分岐搬送部にオーダ単位の物品を振り分ける振分部とを有し、前記各分岐搬送部のそれぞれの下流には、容器搬送手段および出荷容器搬送手段が配設されているものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、物品を搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する物品搬送手段と、物品保管手段から取り出された物品を載置面上に直接載せて待機させる待機状態とその載置面上の物品を物品搬送手段の搬送面上に案内する案内状態とに切り換えられる複数の案内体とを備える構成であるから、効率良く作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明のピッキングシステムの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図4において、1はピッキングシステムで、このピッキングシステム1は、互いに離間対向して配設され商品である物品Wを保管する対をなす物品保管手段(商品保管用ラック等)2を備えている。両物品保管手段2間には、物品保管手段2からオーダ情報(例えば各店舗からの商品注文等)に基づいて取り出された物品Wを上面の平面状の搬送面3a上に直接載せてオーダ単位で搬送、すなわち例えば複数の物品Wを各オーダ単位の物品W群ごとに区分けして搬送する物品搬送手段(商品搬送用センタコンベヤ等)3が配設されている。そして、物品保管手段2および物品搬送手段3が設けられた1つのピッキングエリア9の下流に、複数、例えば2つの梱包エリア4がある。
【0011】
物品保管手段2は、枠体5を有している。枠体5には、物品WがケースKに複数入れられた状態で保管される複数の商品棚等の保管部6が設けられている。各保管部6は、例えば傾斜状のフリーローラコンベヤ7にて構成され、各フリーローラコンベヤ7の下端部には先頭のケースKと当接して保管中のケースKの移動を規制するストッパ(図示せず)が設けられている。物品Wが取り出されて空になった先頭のケースKを保管部6から除去すると、後続のケースKは自重でフリーローラコンベヤ7上を移動する。各フリーローラコンベヤ7の上端部には、補充ライン(図示せず)から送られてくる物品Wが入ったケースKが作業者Bによって供給される。
【0012】
なお、図2に示されるように、低頻度品エリア10以外では、複数の保管部6、すなわち例えば5列4段の保管部6にて、1人の作業者Aがピッキング作業である取り出し作業を担当するピッキング領域が構成されている。
【0013】
また、物品保管手段2は、複数の保管部6に対応して設けられた複数の保管側ランプ8を有している。すなわち各保管部6ごとに保管側ランプ8が1個ずつ設けられている。保管側ランプ8は、対応する保管部6の前面部、すなわち例えばフリーローラコンベヤ7の下端部に設けられている。保管側ランプ8は、次に取り出すべき物品Wが保管されている保管部6を作業者Aに知らせるためのランプである。なお、保管部6から物品Wが取り出されたことを検出する取出検出手段(図示せず)が各保管部6ごとに設けられている。
【0014】
物品搬送手段3は、物品保管手段2と対向して配設され物品Wを上面の平面状の搬送面11a上に直接載せてオーダ単位で搬送する1つの搬送部11と、搬送部11の搬送終端部に連設され物品Wを上面の平面状の搬送面12a上に直接載せてオーダ単位で搬送する複数、例えば2つの分岐搬送部12と、この各分岐搬送部12にオーダ単位の物品Wを振り分ける振分部13とを有している。なお、搬送部11の搬送面11aと分岐搬送部12の搬送面12aとにて、物品搬送手段3の搬送面3aが構成されている。
【0015】
ここで、搬送部11は、比較的幅広の複数のベルトコンベヤ等にて構成されたもので、オーダ情報に基づいて作業者Aによって保管部6から取り出された物品Wを往路面である上面の平面状の搬送面11a上に直接載せてオーダ単位で搬送する無端状の搬送ベルト15を有している。搬送ベルト15の往路面全体にて構成された搬送面11aは、オーダ情報に基づいて各オーダ単位ごとに区分けされている。すなわち搬送部11の搬送面11aは、搬送方向に並んだ複数のオーダ単位ゾーンで構成されている。また、搬送ベルト15は、互いに離間対向するコンベヤフレーム16間に架設された複数のローラ17に回行可能に掛け渡され、モータ等の駆動源からの動力で回行する。コンベヤフレーム16は、搬送ベルト15側に向って下り傾斜する案内体受け面部である傾斜面部18を有している。
【0016】
そして、搬送部11の各コンベヤフレーム16の上端部には、保管部6から取り出された物品Wを1個ずつ上面の平面状の載置面20上に直接載せて待機させる略水平状の待機状態と、載置面20上の物品Wを搬送ベルト15の搬送面11a上に自重で滑落させて案内する傾斜状の案内状態とに選択的に切り換えられる略板状の複数の案内体(商品投入用トレイ等)21が搬送部11の搬送方向に並んだ状態で設けられている。図1に示されるように、各ピッキング領域ごとに、複数、例えば5つの案内体21が1組となってそれぞれ配設されている。
【0017】
各案内体21は、図4に示すように、搬送部11の搬送方向に沿った軸方向を有する水平状の支軸22を中心として上下方向に回動可能に設けられている。各案内体21は、駆動手段であるシリンダ23の伸縮に応じてそれぞれ個別に上下方向に回動する。各案内体21は、案内状態時にはコンベヤフレーム16の傾斜面部18と接触する。また、各案内体21は、略矩形板状をなすもので、この各案内体21の搬送部11側の端部の略中央には、案内側ランプ25が作業者Aと対向する状態に設けられている。すなわち各案内体21ごとに案内側ランプ25が1個ずつ設けられている。案内側ランプ25は、保管部6から取り出した物品Wを載せるべき案内体21を作業者Aに知らせるためのランプである。なお、載置面20上に1個の物品Wが載せられたことを検出する載置検出手段(図示せず)が各案内体21ごとに設けられている。
【0018】
各分岐搬送部12は、搬送部11のベルトコンベヤより幅が狭い複数のベルトコンベヤ等にて構成されている。すなわち例えば各分岐搬送部12は、搬送部11の搬送終端部に連設された第1コンベヤ部31と、この第1コンベヤ部31の搬送終端部に第1コンベヤ部31と直交状に連設された第2コンベヤ部32とを有している。
【0019】
振分部13は、図2に示すように、搬送部11の搬送終端部上に配設され互いに離間対向し搬送部11の搬送終端側ほど離間距離が小さい略ハ字状でオーダ単位の物品Wを寄せ集める板状の1対のガイド体34と、搬送部11の搬送終端部上に上下方向の軸35を中心として回動可能に配設されその回動によりガイド体34にて寄せ集められたオーダ単位の物品Wを一方の分岐搬送部12に案内する第1状態とガイド体34にて寄せ集められたオーダ単位の物品Wを他方の分岐搬送部12に案内する第2状態と選択的に切り換えられる板状の1つの回動ガイド体36とを有している。
【0020】
一方、図3に示すように、物品搬送手段3の分岐搬送部12の下流領域である各梱包エリア4には、それぞれ、分岐搬送部12から搬出されたオーダ単位の物品Wが袋41に入れられた状態で収容されるトレイ等の容器42を搬送するループ状の容器搬送手段(袋掛けサークルライン等)45と、容器42から取り出された物品W入りの袋41が複数収容される保冷容器等の出荷容器43を搬送する出荷容器搬送手段(集約ライン等)46とが配設されている。なお、容器42および出荷容器43はいずれも上面を開口した箱形状のものであるが、容器42は出荷容器43に比べて高さ寸法が小さいものである。
【0021】
容器搬送手段45は、ループ状のループ搬送部であるローラコンベヤ部51を有し、このローラコンベヤ部51の途中には、ローラコンベヤ部51にて搬送中の容器42に空の袋41を掛ける袋掛け装置52が設けられている。そして、容器42に掛けられこの容器42とともに移動中の1つの袋41内には、物品搬送手段3の分岐搬送部12の第2コンベヤ部32の搬送終端部から搬出されたオーダ単位の物品Wが投入される。オーダ単位の物品Wが袋41内に投入されると、作業者Cは、袋41内の物品Wの向きを一定にする等の物品整理を行うとともに、ラベルプリンタ53で発行したラベル(袋内の物品を表示するもの)54を袋41に貼り付ける。また、作業者Dは、粘着テープ等を用いて袋41の口を縛る。
【0022】
出荷容器搬送手段46は、空の出荷容器43を容器搬送手段45側に向けて搬送する供給部である供給ローラコンベヤ部61と、オーダ単位の物品Wが入れられ口が縛られた複数、例えば3つの袋41が収容された出荷容器43を容器搬送手段45から離反する方向に搬送する排出部である排出ローラコンベヤ部62とを有している。そして、作業者Eは、容器搬送手段45のローラコンベヤ部51にて順次搬送されてくる容器42から、オーダ単位の物品Wが入った袋41を取り出して供給ローラコンベヤ部61上の空の出荷容器43内に順次投入する。作業者Eは、複数、例えば3つの袋41を投入することで出荷容器43が満杯になると、ラベルプリンタ63のボタンを押してラベル(出荷容器内の物品を表示するもの)64を発行して出荷容器43に貼り付け、そのラベル64を貼り付けた出荷容器43を排出ローラコンベヤ部62上に載せかえる。その後、出荷容器43は、排出ローラコンベヤ部62にて所定位置まで搬送された後、作業者Fによって台車65に積み付けられ、出荷待機エリアまで運ばれ、出荷される。
【0023】
次に、ピッキングシステム1の作用等を説明する。
【0024】
作業者Aは、自分が担当するピッキング領域における複数の保管側ランプ8中、唯一点灯している保管側ランプ8に対応する1つの保管部6から、物品Wを1個だけ取り出す。なお、物品Wが取り出されたことが取出検出手段にて検出されると、点灯していた保管側ランプ8が消え、次の保管側ランプ8が点灯する。続いて、作業者Aは、物品搬送手段3側に振り向いた後、その取り出した1個の物品Wを、複数(例えば5つ)の案内側ランプ25中、唯一点灯している案内側ランプ25に対応する1つの案内体21の載置面20上に直接載せる。
【0025】
1個の物品Wを案内体21の載置面20上に載せると、案内体21が支軸22を中心として下方に若干回動し、物品Wはその略水平状の待機状態の案内体21の載置面20上で待機する。なお、物品Wが載置面20上に載置されたことが載置検出手段にて検出されると、点灯していた案内側ランプ25が消え、次の案内側ランプ25が点灯する。
【0026】
そして、オーダ単位の各物品Wがそれぞれ待機状態の案内体21の載置面20上に1個ずつ載せられた状態で、搬送部11の搬送面11aの対応するオーダ単位ゾーンが案内体21の対向位置に到達すると、シリンダ23の作動に基づいて、案内体21が支軸22を中心として下方に回動して傾斜状の案内状態となる。
【0027】
案内体21が待機状態から案内状態に切り換わると、案内体21の載置面20上の物品Wは、その載置面20上を自重で滑落して、搬送部11の搬送面11a上に乗り移る。つまり物品Wが案内体21にて搬送部11の搬送面11a上に自動投入される。このようにしてオーダ情報に基づいて保管部6から取り出された各オーダ単位ごとの物品Wが搬送面11a上に直接載せられた状態で搬送される。
【0028】
そして、各オーダ情報に対応する各オーダ単位の物品Wは、搬送部11の搬送終端部上において、1対のガイド体34にて寄せ集められた後、回動ガイド体36にて案内され、2つの分岐搬送部12に対して交互に搬入される。
【0029】
例えば図5に示すように、A店舗用オーダおよびB店舗用オーダがあった場合、各オーダ情報(「A-1」、「A-2」、「A-3」、「A-4」、「B-1」、「B-2」、「B-3」、「B-4」)は、ピッキングエリアで合成されて交互の配列となり、梱包エリアでもとの配列に分割される。
【0030】
次いで、オーダ単位の物品Wは、分岐搬送部12にて搬送され、容器搬送手段45のローラコンベヤ部51上の移動中の容器42に掛けられた袋41内に自動投入される。
【0031】
そして、作業者Cが袋41内の物品Wの向きを一定にするともにラベル54を袋41に貼り付け、作業者Dがその袋41の口を縛る。その後、オーダ単位の物品Wが入った袋41は、容器42に収容された状態で作業者Eの近傍まで搬送され、作業者Eがその袋41を容器42内から出荷容器搬送手段46の供給ローラコンベヤ部61上の出荷容器43内に入れかえる。
【0032】
また、作業者Eは、袋41で出荷容器43が満杯になると、ラベル64を出荷容器43に貼り付け、そのラベル64を貼り付けた出荷容器43を排出ローラコンベヤ部62上に載せかえる。その後、出荷容器43は、排出ローラコンベヤ部62にて搬送された後、作業者Fにて台車65に積み付けられ、出荷待機エリアまで運ばれ、出荷される。
【0033】
そして、このようなピッキングシステム1によれば、物品Wを物品搬送手段3の搬送部11の搬送面11a上に直接載せて搬送するため、従来の構成とは異なり移動中の集品容器に対する投入手段による投入ミスが生じることがなく、物品搬送手段3の搬送面3aによる物品Wの搬送速さを速くでき、よって効率良く作業ができる。
【0034】
また、物品搬送手段3が搬送部11とこの搬送部11の搬送終端部に連設された複数の分岐搬送部12とこの各分岐搬送部12に対してオーダ単位の物品Wを振り分ける振分部13とを有し、この各分岐搬送部12のそれぞれの下流に容器搬送手段45および出荷容器搬送手段46が配設された構成、すなわち1つのピッキングエリア9の下流に複数、例えば2つの梱包エリア4が配置された構成であるから、より一層効率良く作業ができる。
【0035】
さらに、点灯した案内側ランプ25に対応する案内体21の載置面20上には、点灯した保管側ランプ8に対応する保管部6から取り出した物品Wを1個だけ載せる構成、すなわち案内体21の載置面20上に物品Wを2個以上載せることがない構成であるから、案内体21の載置面20上に載せる物品の数量を間違えることがなく、高精度の作業ができる。
【0036】
また、物品の数量を示す数量表示器を設ける必要がないため、シンプルで安価なシステム構築ができる。
【0037】
さらに、それぞれオーダ単位の物品Wが入れられた複数の袋41を出荷容器43にその出荷容器43内が満杯になるまで詰め合わせて収容し、その出荷容器43を出荷する構成であるから、1オーダ単位の物品Wのみを収容した出荷容器43を出荷する構成に比べて、効率よく出荷作業ができ、積載効率等の向上も図ることができる。
【0038】
なお、載置面20上に物品Wが載せられたことを検出する載置検出手段は、案内体21の下部に設けられ案内側ランプ25の点灯時に載置面20上に物品Wを載せるときにその案内体21を軽く下方に押し込むことでオンするリミットスイッチでもよく、また載置面20上に載せられた物品Wの自重でオンする重量センサ等でもよい。また、取出検出手段や載置検出手段は、作業者Aがオン操作するボタン等でもよい。
【0039】
さらに、保管側ランプ8と案内側ランプ25とが1対1で対応する構成には限定されず、例えば取り出すべき物品の数量、例えば「3」を示す数量表示器を保管側ランプ8の近傍に設けて、その数量表示器に示された数量と同数、例えば3つの案内側ランプ25が点灯する構成でもよい。この場合、作業者Aは、点灯した保管側ランプ8に対応する1つの保管部6から物品Wを3個取り出し、この取り出した3個の物品Wを点灯した案内側ランプ25に対応する3つの案内体21の載置面20上にそれぞれ載せる。このため、作業者Aの保管部6に対するアクション数、つまり取り出し作業やランプ消灯作業等を削減でき、効率化および高精度の両方を向上できる。
【0040】
また、作業者Aが1人ずつ担当する各ピッキング領域ごとに設けられた1組の案内体21の数は5つには限定されず、例えば6つ以上でもよく、また1組の案内体21の数を超えるオーダ情報があった場合は、オーダ分割を行って対応する。すなわち例えば1組の案内体21の数が4つの場合に、同一の物品Wについて5個のオーダ情報があったときは、ピッキング領域「A1」で物品Wを4個取り出しかつ隣りのピッキング領域「A2」で物品Wを1個取り出す。なお、複数種の物品Wで1組の案内体21の数を超えるオーダ情報があった場合も同様にオーダ分割を行う。
【0041】
さらに、オーダ情報の対象分の案内体21で物品Wが検出されていない場合に、物品搬送手段3の搬送部11を異常停止させるようにしてもよい。すなわち例えば全10オーダで、ピッキング対象が5オーダ目の場合において、搬送ベルト15における5オーダ目のオーダ単位ゾーンが到着した際に、オーダ情報の対象分の案内体21のいずれか1つでも物品Wが検出されていないときには、搬送部11が異常停止し、全案内体21での物品検出後に再発進する。
【0042】
また、物品Wは、例えば商品として1個のものには限定されず、複数商品が箱詰めされた1個のもの等でもよい。
【0043】
さらに、例えば物品Wが冷凍食品である場合、ピッキングエリア9での物品Wの温度変化を抑制するために、保管部6の温度を枠体5の上部に設けた冷却手段にて例えば−25℃に維持し、かつ、搬送部11を上面開口状の箱状体内に位置させ、箱状体内の温度を箱状体内の下部に設けた冷却手段にて例えば−25℃に維持する構成が好ましい。
【0044】
また、例えば1つのピッキングエリア9の下流に3つ以上の梱包エリア4を配置し、各梱包エリア4に容器搬送手段45および出荷容器搬送手段46を配設した構成等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態に係るピッキングシステム全体を示す平面図である。
【図2】同上ピッキングシステムの部分斜視図である。
【図3】同上ピッキングシステムの容器搬送手段および出荷容器搬送手段を示す斜視図である。
【図4】同上ピッキングシステムの部分正面図である。
【図5】同上ピッキングシステムのオーダ情報の流れを示すものである。
【符号の説明】
【0046】
1 ピッキングシステム
2 物品保管手段
3 物品搬送手段
3a 搬送面
11 搬送部
11a 搬送面
12 分岐搬送部
12a 搬送面
13 振分部
20 載置面
21 案内体
41 袋
42 容器
43 出荷容器
45 容器搬送手段
46 出荷容器搬送手段
W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を保管する物品保管手段と、
上面に平面状の搬送面を有し、物品を前記搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する物品搬送手段と、
上面に平面状の載置面を有し、前記物品保管手段から取り出された物品を前記載置面上に直接載せて待機させる待機状態とその載置面上の物品を前記物品搬送手段の搬送面上に案内する案内状態とに切り換えられる複数の案内体と
を備えることを特徴とするピッキングシステム。
【請求項2】
物品搬送手段から搬出されたオーダ単位の物品が袋に入れられた状態で収容される容器を搬送する容器搬送手段と、
前記容器から取り出された前記袋が収容される出荷容器を搬送する出荷容器搬送手段とを備える
ことを特徴とする請求項1記載のピッキングシステム。
【請求項3】
物品搬送手段は、
物品を上面の平面状の搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する搬送部と、
この搬送部の搬送終端部に連設され、物品を上面の平面状の搬送面上に直接載せてオーダ単位で搬送する複数の分岐搬送部と、
この各分岐搬送部にオーダ単位の物品を振り分ける振分部とを有し、
前記各分岐搬送部のそれぞれの下流には、容器搬送手段および出荷容器搬送手段が配設されている
ことを特徴とする請求項2記載のピッキングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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