説明

ピッキングシステム

【課題】少ない構成で、効率よく複数の部材を組み合わせて用意することができるピッキングムシステムを提供する。
【解決手段】ピッキングシステム1は、要求された複数の荷物を組み合わせて出庫するためのものであり、クレーン車9と、ラック5と、出庫ステーション13と、ピッキングロボット31とを備えている。クレーン車9は、所定の経路としての軌道7を走行する。ラック5は、軌道7に沿って設けられ、荷物が入った複数のバケットが収納されている。出庫ステーション13は、軌道7に沿って設けられている。ピッキングロボット31は、軌道7に沿って設けられ、荷物が入ったバケットから、別のバケットに荷物を移し替えることができる。クレーン車9は、ラック5からバケットを取り出してピッキングロボット31に搬送し、移し替えられた荷物が入ったバケットを出庫ステーション13に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングシステム、特に、要求された複数の部材を移し替えて用意するピッキングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の部品供給システムは、例えばセル生産システムへ部品を供給するために、自動倉庫と無人搬送システムとピッキングステーションとを組み合わせて構成されている(例えば、特許文献1を参照。)。
自動倉庫は、入出庫ステーションと、一対のラックと、ラック間に配置されたレールと、レール上に配置されたスタッカクレーンとを有している。スタッカクレーンは、レール上を走行して、ラックの所定の棚とステーションとの間で、例えばパレット単位で物品を入出庫する。一つのパレットには部品を収容した複数のバケットが配置されている。ステーションには、例えば、ローラコンベアが配置されている。
【0003】
無人搬送システムは、有軌道台車を用いて、出庫ステーションにあるローラコンベアから、バケットをピッキングステーションに搬送する。
ピッキングステーションでは、仕分け作業者がバケットを荷下ろしして、次にそれらを積み重ねて部品セットを作成する。
【特許文献1】特開2003−137407号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的に、自動倉庫とピッキングステーションが分離したような上記の構成では、部品の形状や寸法によっては、効率が悪いことがある。
また、ピッキングステーションにおいて人間がピッキング作業することによって効率がさらに悪くなる。ただし、システム全体を単に自動化したとしても、構成が増えるなどの不具合も想定される。
【0005】
本発明の課題は、少ない構成で、効率よく複数の部材を組み合わせて用意することができるピッキングムシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るピッキングシステムは、要求された複数の荷物を組み合わせて出庫するためのものであり、搬送車と、少なくとも一つの棚と、出庫口と、移し替え装置とを備えている。搬送車は、所定の経路を走行する。棚は、経路に沿って設けられ、荷物が入った複数の容器が収納されている。出庫口は、経路に沿って設けられている。移し替え装置は、経路に沿って設けられ、荷物が入った容器から、別の容器に荷物を移し替えることができる。搬送車は、棚から容器を取り出して移し替え装置に搬送し、移し替えられた荷物が入った容器を出庫口に搬送する。
【0007】
このシステムでは、搬送車が棚から必要な荷物が入った複数の容器を移し替え装置に搬送し、続いて、移し替え装置が荷物を複数の容器から別の容器に移し替え、最後に、搬送車が移し替えられた荷物が入った容器を出庫口に搬送する。このように、1台の搬送車で棚から必要な荷物を集めて出庫口から出庫できるので、少ない構成で自動ピッキングが可能になる。
【0008】
ピッキングシステムは、出庫口に取り外し可能に配置される台車をさらに備えていても良い。搬送車は、台車に容器を直接移載可能である。
このシステムでは、台車に移し替えられた荷物が入った容器を直接積み込むので、配送先別の荷物をまとめて出庫できる。
搬送車はスタッカクレーンであり、棚はラックであっても良い。
【0009】
このシステムでは、スタッカクレーンとラックの組合せからなる自動倉庫の構成を用いて、ピッキングシステムを実現できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るピッキングシステムでは、少ない構成で、効率よく複数の部材を組み合わせて用意することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
1.全体構成
図1に本発明の一実施形態に係るピッキングシステム1の概略平面図を示す。ピッキングシステム1は、要求された複数の荷物のセットを自動的に準備して出庫するシステムである。ピッキングシステム1は、主に、自動倉庫2と、ピッキング装置3とから構成されている。なお、以下の説明において、図の下側をピッキングシステム1の前側として、図の上側をピッキングシステム1の後側として、図の左右両側をピッキングシステム1の左右両側として説明する。また、ピッキングシステム1で用いられるバケットおよび荷物には、全てICタグが取り付けられている。
【0012】
2.自動倉庫
自動倉庫2は、ラック5と、軌道7と、クレーン車9と、入庫ステーション11と、出庫ステーション13とを有している。ラック5は、一直線状に配置された棚である。ラック5は、図2に示すように、上下・左右に多数の荷物収納棚を有しており、複数の種類の荷物が収納されたバケットを収納している。この実施例では、(1)〜(25)の25種類の荷物が、ラック5内に収納されている。
【0013】
軌道7は、ラック5の手前にラック5に沿って一直線状に延びている。軌道7の両端には、入庫ステーション11と、出庫ステーション13とが配置されている。図4を用いて、入庫ステーション11の構造について説明する。なお、出庫ステーション13の構造は入庫ステーション11と同様である。入庫ステーション11は、バケットが積まれたカゴ台車16を収納するための機構である。入庫ステーション11は、前側が開放された収納部本体17と、インターロック付きの一対の扉19とを有している。収納部本体17の上面には、表示器21が設けられている。表示器21は、ステーションの状態(例えば、中にカゴ台車が収納されているか否か、カゴ台車を外部に搬出可能か否か)等を作業者Wに知らせることができる。さらに、収納部本体17内には、奧の両側に一対のストッパ23が設けられている。ストッパ23は、カゴ台車16が収納部本体17内に収納されると、その状態でカゴ台車16の車輪を位置決めするための機構である。なお、入庫ステーション11は、カゴ台車16がステーションでの入出状態を検出するための入出センサ67(図5)を有している。
【0014】
クレーン車9は、走行台車と、それに設けられたマストに昇降自在となされた昇降台と、それに設けられた荷物移載装置(例えば、前後方向に摺動自在に設けられたスライドフォーク)とを有している。
クレーン車9は、入庫ステーション11から自らにバケットを移載可能であり、さらには、自らから出庫ステーション13にバケットを移載可能である。さらに、クレーン車9は、ラック5の各棚との間で相互にバケットを移載可能である。図5のブロック図に示すように、クレーン車9は、走行モータ64と、台昇降モータ65と、フォーク駆動モータ66とを有している。
【0015】
3.ピッキング装置
ピッキング装置3は、複数のバケット(それぞれに別の荷物が入っている)から別のバケットに荷物を組み合わせて移載するための装置である。ピッキング装置3は、軌道7の中央部付近前側に近接して配置されている。ピッキング装置3は、混載ライン27と、単載ライン29と、ピッキングロボット31とを有している。
【0016】
混載ライン27は、複数種類の荷物が混載されたバケットを実現するためのラインであり、図7に示すように、入庫コンベア35と、ピッキング用コンベア37と、出庫コンベア39と、混載ライン駆動部73(図5)とを有している。入庫コンベア35と出庫コンベア39は、軌道7から前方に延びている。入庫コンベア35の前側端には、RFIDセンサ51が配置されている。ピッキング用コンベア37は、入庫コンベア35と出庫コンベア39の端部同士を連結するように横方向に延びている。これにより、混載ライン27は、コの字型になっている。なお、ピッキング用コンベア37の後部前方には、レーザリライタブル49が配置されている。コンベア35,37,39は、上部上面にバケットを載せて移動可能である。なお、ピッキング用コンベア37は左右両方向にバケットを搬送可能である。
【0017】
単載ライン29は、単種類の荷物がそれぞれ収納された複数のバケットを搬送するためのラインであり、入庫コンベア43と、ピッキング用コンベア45と、出庫コンベア47と、単載ライン駆動部72(図5)とを有している。入庫コンベア43と出庫コンベア47は、軌道7から前方に延びている。入庫コンベア43の前端には、RFIDセンサ53が配置されている。ピッキング用コンベア45は、入庫コンベア43と出庫コンベア47の端部同士を連結するように横方向に延びている。これにより、単載ライン29は、コの字型になっている。単載ライン29は、混載ライン27の内側に(後ろ側に)沿って配置されている。したがって、ピッキング用コンベア45は、ピッキング用コンベア37の近傍において平行に配置されている。各コンベア43,45,47は、上部上面にバケットを載せて移動可能である。
【0018】
ピッキングロボット31は、単載ライン29上にあるバケットから混載ライン27上にあるバケットに荷物を移し替えるための装置である。ピッキングロボット31は、パラレルメカニズムおよびそれを駆動するためのピッキング駆動部71(図5)を有している。ピッキングロボット31のパラレルメカニズムは、ピッキング用コンベア45とピッキング用コンベア37の上方に配置されている。
【0019】
4.コントローラ
図5に示すように、ピッキングシステム1は、メイン・コントローラ61と、クレーン・コントローラ62と、ピッキング・コントローラ63とを有している。メイン・コントローラ61とクレーン・コントローラ62およびピッキング・コントローラ63は、互いに指令やデータを通信可能である。各コントローラは、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータによって実現されている。
【0020】
クレーン・コントローラ62は、走行モータ64,台昇降モータ65およびフォーク駆動モータ66に駆動指令を送信可能である。なお、クレーン・コントローラ62には、入出センサ67から入庫または/および出庫情報が送信される。
ピッキング・コントローラ63は、ピッキング駆動部71,単載ライン駆動部72および混載ライン駆動部73に駆動指令を送信可能である。なお、ピッキング・コントローラ63には、RFIDセンサ51,53からの検出信号が送信される。
【0021】
5.動作例
次に、図6のフローチャート用いて、ピッキングシステム1の各種コントローラ61,62,63による制御動作を説明する。なお、各装置の動作は、コントローラ61〜63から各種駆動装置への指令の結果であり、これらはソフトウェア・アプリケーションの各ステップによって表現される。
【0022】
ステップS1では、ピッキングシステム1の初期化が行われる。例えば、クレーン車9が所定の位置に移動させられる。なお、この初期状態においては、ラック5には必要な荷物が全て収納されており、入庫ステーション11にはカゴ台車16はセットされておらず、さらには、混載ライン27および単載ライン29にはバケットは配置されていない。また、コントローラ61,62,63は、用意する空バケットの数、必要な荷物の数と種類、各空バケットに積み込まれる各荷物の数の情報を予め有している。または、これら情報は動作ごとに作業者によって入力されても良い。出庫ステーション13内には、バケットを載せていないカゴ台車18があらかじめセットされている。
【0023】
ステップS2では、入庫ステーション11にカゴ台車16が入庫されるのを待つ。具体的には、入庫ステーション11の入出センサ67からの信号を待つ。実際の入庫作業としては、作業者Wがカゴ台車16を入庫ステーション11の収納部本体17内に運び込み、扉19を閉じる。さらに、作業者Wは入出センサ67としての図示しないスイッチを操作して、クレーン・コントローラ62等にカゴ台車16が入庫ステーション11に入庫されたことを知らせる。このとき、カゴ台車16には複数の空バケットが積まれている。
【0024】
ステップS3では、クレーン・コントローラ62が、クレーン車9に動作指令を送信する。その結果、クレーン車9が入庫ステーション11近傍にまで来て、空バケットをカゴ台車16から直接積み込む。クレーン車9は、空バケットを搬送して、さらに、混載ライン27の入庫コンベア35の受け入れ口に空バケットを移載する。具体的にはクレーン車9は、空バケットを一つずつ搬送して、入庫コンベア35の受け入れ口に移載する。この実施例では、4個の空バケット(1)〜(4)が入庫コンベア35に一列に配置される。なお、空バケットの番号は、進行方向先頭から後ろに向かっての順番を意味している。
【0025】
ステップS4では、ピッキング・コントローラ63が、混載ライン駆動部73に動作指令を送信する。その結果、混載ライン駆動部73が、コンベア35,37を駆動して、空バケットを図7に示す位置まで移動させる。つまり、バケット(1)〜(4)がこの順番で、ピッキングロボット31の手前に停止している。なお、最後端にあるバケット(4)は、コンベア37の最後部に位置している。なお、以上の位置までの動作中に、各バケット(1)〜(4)は、RFIDセンサ51によってタグ情報を読み取られ、さらにレーザリライタブル49前で停止して、そこでレーザリライタブル49によってラベルを書き換えられる。
【0026】
ステップS5では、クレーン・コントローラ62が、クレーン車9に駆動指令を送信する。その結果、クレーン車9がラック5から複数個の(3個の)バケット(A)〜(C)を単載ライン29に搬送する。クレーン車9は、図8に示すように、各バケット(A)〜(C)を入庫コンベア43の受入れ口上に移載する。なお、これらバケットの符合は、バケット内の荷物の種類を表している。
【0027】
ステップS6では、ピッキング・コントローラ63が単載ライン駆動部72に動作指令を送信する。その結果、単載ライン駆動部72が、コンベア43,45等を駆動する。この結果、以下のピッキング動作中にコンベア43,45等は低速で実バケット(A),(B),(C)を搬送し続ける。図9に示す状態では、バケット(A),(B),(C)はこの順番でコンベア45上に配置され、先頭のバケット(A)はピッキングロボット31の真下に配置されている。なお、この状態になるまでの搬送中に、各バケット(A),(B),(C)は、RFIDセンサ53によってタグ情報を読み取られる。先頭のバケット(A)がピッキングロボットの真下にくると、ステップS7に移行する。
【0028】
ステップS7では、ピッキング・コントローラ63が、ピッキング駆動部71に動作指令を送信する。その結果、ピッキングロボット31によるピースピッキング動作が行われる。
最初は、図10に示すように、ピッキング・コントローラ63が、混載ライン27に動作指令を送信する。その結果、混載ライン27のピッキング用コンベア37が正転駆動されて(図右側に駆動されて)、バケット(1),(2),(3),(4)がピッキングロボット31の位置を右側に通過していく。この通過時に、ピッキングロボット31がバケット(A)から荷物Aをそれぞれ指定された数だけバケット(1),(2),(3),(4)に入れていく。この動作中に、ピッキング用コンベア45もわずかに駆動されて、バケット(A)もピッキングロボット31の操作範囲内で右側に移動する。
【0029】
続いて、図11に示すように、ピッキング・コントローラ63が混載ライン27に動作指令を送信する。その結果、ピッキング用コンベア37が逆転駆動されて(図左側に駆動されて)、バケット(4),(3),(2),(1)の順番でピッキングロボット31の下方を左側に通過していく。この通過時に、ピッキングロボット31がバケット(B)から荷物Bをそれぞれ指定された数だけバケット(4),(3),(2),(1)に入れていく。この動作中に、ピッキング用コンベア45もわずかに駆動されて、バケット(B)もピッキングロボット31の操作範囲内で右側に移動する。
【0030】
続いて、図12に示すように、ピッキング・コントローラ63が、混載ライン27に動作指令を送信する。その結果、ピッキング用コンベア37が正転駆動され(図右側に駆動されて)、バケット(1),(2),(3),(4)がピッキングロボット31の位置を右側に通過していく。この通過時に、ピッキングロボット31がバケット(C)から荷物Cをそれぞれ指定された数だけバケット(1),(2),(3),(4)に入れていく。この動作中に、ピッキング用コンベア45もわずかに駆動されて、バケット(C)もピッキングロボット31の操作範囲内で右側に移動する。なお、単載ライン29においても移動はそのまま続けられ、最終的には、図13に示すように、バケット(A),(B),(C)は、出庫コンベア47上に配置される。
【0031】
以上に述べたように、異なる種類の荷物のピッキング動作は、荷物の種類が切り替わるごとにピッキング用コンベア37の搬送方向を逆転させつつ実行する。したがって、空バケットの移動に無駄な時間が発生せず、短時間でピッキング動作を終了させることができる。言い換えると、この実施形態に記載されたピッキングロボットのピッキング制御方法では、空バケットを搭載したコンベアが一方向に移動しながら一種類の荷物のピッキング動作が行われ、次の種類の荷物のピッキング動作時には反対方向に移動する。これにより、空バケットの移動のための無駄な時間が無くなり、ピッキング時間が短縮される。さらに、実バケットを搭載したコンベアもゆっくりと進行方向に移動しているので、ピッキングする荷物の種類を切り換える際の切替時間が大幅に短縮される。その結果、全体のピッキング時間が短縮される。
【0032】
ステップS8では、図13および図14に示すように、混載ライン27の各コンベア37,39によって、バケット(1),(2),(3),(4)が搬送される。なお、この実施例ではバケット(4)は不良品の荷物を含んでいるとして、イジェクトライン41側に搬送される。荷物が不良品であるか否かは、ピッキングロボット31が荷物を拾い上げる際に、各荷物のICタグからの情報を読み取って判断する。以上の結果、図13に示すように、バケット(1),(2),(3)がこの順番で出庫コンベア39の払い出し口に配置される。
【0033】
ステップS9では、クレーン車9が出庫コンベア39の後端にまで移動してきて、バケット(1),(2),(3)を移載する。クレーン車9は、バケット(1),(2),(3)を出庫ステーション13内に配置されたカゴ台車18に移載する。具体的には、クレーン車9はバケットを一つずつカゴ台車18に移載する。カゴ台車18にすべてのバケットが積まれると、表示器21に動作終了表示をしたり、ブザーやライトによって作業者Wに搬出可能であることを知らせたりすることが好ましい。
【0034】
ステップS10では、カゴ台車18が出庫ステーション13から出されるのを待つ。具体的には、出庫ステーション13の入出センサ67からの信号を待つ。実際の出庫作業としては、作業者Wが出庫ステーション13の扉19を開けてカゴ台車18を出す。この時、容器(1),(2),(3)内には、要求された種類の荷物が要求された数だけ入っている。さらに、作業者Wは入出センサ67としての図示しないスイッチを操作して、クレーン・コントローラ62等にカゴ台車18が出庫ステーション13から出庫されたことを知らせる。
【0035】
出庫ステーション13においてはカゴ車用リライタブルシートが発行され、作業者Wは、そのシートをカゴ台車18に貼り付け、入出荷ゲート15にカゴ台車18を搬送する。
なお、本実施形態に係るピッキングシステムは、各種工場やいわゆる配送センターに採用される。ピッキングシステムは、店舗や他の中間の配送センターからのオーダーを受け取ると、オーダーに応じて台車に商品を入れる。この時に商品は、店舗または他の配送センター別に仕分けされたり、またはカテゴリー別に(例えば、一店舗で複数台車の場合)仕分けられたりする。
【0036】
5.特徴
(1)
ピッキングシステム1は、要求された複数の荷物を組み合わせて出庫するためのものであり、クレーン車9と、ラック5と、出庫ステーション13と、ピッキングロボット31とを備えている。クレーン車9は、所定の経路としての軌道7を走行する。ラック5は、軌道7に沿って設けられ、荷物が入った複数のバケットが収納されている。出庫ステーション13は、軌道7に沿って設けられている。ピッキングロボット31は、軌道7に沿って設けられ、荷物が入ったバケットから、別のバケットに荷物を移し替えることができる。クレーン車9は、ラック5からバケットを取り出してピッキングロボット31に搬送し、移し替えられた荷物が入ったバケットを出庫ステーション13に搬送する。
【0037】
このピッキングシステム1では、クレーン車9がラック5から必要な荷物が入った複数のバケットをピッキングロボット31に搬送し、続いて、ピッキングロボット31が複数のバケットから別のバケットに荷物を移し替え、最後に、クレーン車9が移し替えられた荷物が入ったバケットを出庫ステーション13に搬送する。このように、1台のクレーン車9でラック5から必要な荷物を集めて出庫ステーション13から出庫できるので、少ない構成で自動ピッキングが可能になる。
【0038】
(2)
ピッキングシステム1は、出庫ステーション13に取り外し可能に配置されるカゴ台車18をさらに備えている。クレーン車9は、カゴ台車18にバケットを直接移載可能である。このピッキングシステム1では、移し替えられた荷物が収納された容器をカゴ台車18に直接積み込むので、配送先別の荷物をまとめて出庫できる。
【0039】
6.他の実施例
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(1)
前記実施形態では、空バケットは入庫ステーション11にあるカゴ台車16から混載ライン27に搬送されたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ラック5の棚にある空バケットを混載ライン27に搬送しても良い。
(2)
前記実施形態ではカゴ台車16は空バケットを入庫ステーション11に供給していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、カゴ台車16は荷物が入った実バケットを入庫ステーション11に供給するようにしても良い。この場合、クレーン車9は、それら実バケットをラック5の棚または単載ライン29の受入れ口に搬送する。
【0040】
(3)
前記実施形態では、4個の空バケットに対して、3種類の荷物を移し替えたが、本発明はこれに限定されない。空バケットの数や荷物の種類の数は必要に応じて変更可能である。
(4)
前記実施形態では、カゴ台車として手動台車が用いられていたが、本発明はこれに限定されない。自動走行する台車を用いても良い。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、自動ピッキングが必要とされるピッキングシステムとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施形態に係るピッキングシステムの模式的平面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】入庫ステーションの構成を示す斜視図。
【図5】ピッキングシステムの制御構成を示すブロック図。
【図6】ピッキングシステムの一動作を示すフローチャート。
【図7】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図8】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図9】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図10】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図11】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図12】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図13】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図14】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【図15】ピッキング動作を示すためのピッキングロボットの平面図。
【符号の説明】
【0043】
1 ピッキングシステム
2 自動倉庫
3 ピッキング装置
5 ラック(棚)
7 軌道
9 クレーン車(搬送車)
11 入庫ステーション
13 出庫ステーション(出庫口)
15 入出荷ゲート
16 カゴ台車(手動台車)
17 収納部本体
18 カゴ台車
19 扉
21 表示器
23 ストッパ
27 混載ライン
29 単載ライン
31 ピッキングロボット(移し替え装置)
35 入庫コンベア
37 ピッキング用コンベア
39 出庫コンベア
41 イジェクトライン
43 入庫コンベア
45 ピッキング用コンベア
47 出庫コンベア
49 レーザリライタブル
51 RFIDセンサ
53 RFIDセンサ
61 メイン・コントローラ
62 クレーン・コントローラ
63 ピッキング・コントローラ
64 走行モータ
65 台昇降モータ
66 フォーク駆動モータ
67 入出センサ
71 ピッキング駆動部
72 単載ライン駆動部
73 混載ライン駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
要求された複数の荷物を組み合わせて出庫するためのピッキングシステムであって、
所定の経路を走行する搬送車と、
前記経路に沿って設けられ、荷物が入った複数の容器が収納された少なくとも一つの棚と、
前記経路に沿って設けられた出庫口と、
前記経路に沿って設けられ、前記荷物が入った容器から、別の容器に荷物を移し替えることができる移し替え装置とを備え、
前記搬送車は、前記棚から前記容器を取り出して前記移し替え装置に搬送し、移し替えられた荷物が入った容器を前記出庫口に搬送する、
ピッキングシステム。
【請求項2】
前記出庫口に取り外し可能に配置される台車をさらに備えており、
前記搬送車は、前記台車に前記容器を直接移載可能である、請求項1に記載のピッキングシステム。
【請求項3】
前記搬送車はスタッカクレーンであり、前記棚はラックである、請求項1または2に記載のピッキングシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate