説明

ピラゾロインドール化合物及びこれを用いた有機発光素子

【課題】低電圧駆動、高効率等の優れた特性を示す有機発光素子を提供する。
【解決手段】陽極と陰極と、前記陽極と前記陰極との間に挟持され少なくとも発光層を有する有機化合物層と、から構成される有機発光素子において、前記有機化合物層に下記一般式[1]に記載のピラゾロインドール化合物が含まれることを特徴とする、有機発光素子。


(式[1]において、Rは、炭素数1乃至6のアルキル基を表す。Arは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基又はジベンゾチオフェニル基を表す。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピラゾロインドール化合物及びこれを用いた有機発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光素子は、陽極と陰極と、これら両電極間に配置される有機化合物層と、を有する電子素子である。各電極から注入される正孔及び電子が有機化合物層を構成する発光層内で再結合することで励起子が生成し、この励起子が基底状態に戻る際に、有機発光素子は光を放出する。有機発光素子の最近の進歩は著しく、その特徴として、駆動電圧が低いこと、多様な発光波長、高速応答性、発光デバイスの薄型化・軽量化が可能であることが挙げられる。
【0003】
また近年では、燐光発光を利用した有機発光素子の開発が盛んに行われている。ここで燐光発光する有機発光素子は、発光層中に燐光発光材料を有しており、この燐光発光材料の三重項励起子に由来する発光が得られるという特徴を有する。
【0004】
ところで、燐光発光を利用した有機発光素子を構成する電子輸送層に含まれる電子輸送材料として、一般的には、Alq3、BAlg等が知られている。しかし青色から緑色の波長領域の燐光発光を発する有機発光素子において、特に、発光効率の向上という観点からすれば材料自体に更なる改善の余地があるといえる。
【0005】
一方、非特許文献1及び2には、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール誘導体が開示されている。具体的には、非特許文献1で開示される4H−ピラゾロ[1,5−a]インドールそのもの(無置換体)や、非特許文献2でその合成法が開示されている2位にフェニル基が置換した4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物の合成法がある。以下に、これらの化合物の構造を示す。
【0006】
【化1】

【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Chem.Pharm.Bull.,40(9),2267−2269(1992)
【非特許文献2】Chem.Pharm.Bull.,42(2),214−221(1994)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール自体は、分子量が小さく、ガラス転移温度(Tg)が低いと推測され、有機発光素子の構成材料として不向きと考えられる。一方、非特許文献2にて開示されている4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の2位にフェニル基を置換した化合物については、有機発光素子の構成材料として要求される化合物自体の安定性が不足している。また現在のところ非特許文献2にて開示されている化合物については、化合物自体の安定性を向上させる試みはなされていない。
【0009】
一方、有機発光素子において、電子輸送性を有する有機化合物の開発が求められている。特に、燐光発光材料を発光層に有する有機発光素子においては、発光効率を向上させることを目的として、最低三重項励起エネルギー(T1エネルギー)が高い電子輸送性の有機化合物が要求されていた。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、低電圧駆動、高効率等の優れた特性を示す有機発光素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のピラゾロインドール化合物は、下記一般式[1]で示されることを特徴とする。
【0012】
【化2】

(式[1]において、Rは、炭素数1乃至6のアルキル基を表す。Arは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基又はジベンゾチオフェニル基を表す。)
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、低電圧駆動、高効率等の優れた特性を示す有機発光素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の有機発光素子を画素部に有する画像表示装置の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
まず本発明のピラゾロインドール化合物について説明する。本発明のピラゾロインドール化合物は、下記一般式[1]で示される4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物である。
【0016】
【化3】

【0017】
式[1]において、Rは、炭素数1乃至6のアルキル基を表す。
【0018】
Rで表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−エチル−2−メチルプロピル基等が挙げられる。
【0019】
上記アルキル基のうち、蒸着のしやすさや酸化反応に対する耐久性を考慮すると、好ましくは、メチル基である。また本発明のピラゾロインドール化合物を含む薄膜を塗布法で形成する場合は、有機溶媒に対する溶解性を向上させる必要がある。係る場合、上記アルキル基のうち、好ましくは、エチル基やヘキシル基等の鎖状のアルキル基である。
【0020】
式[1]において、Arは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基又はジベンゾチオフェニル基を表す。好ましくは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、スピロフルオレニル基、ジベンゾフラニル基又はジベンゾチオフェニル基である。尚、Arがフルオレニル基の場合、このフルオレニル基にメチル基等のアルキル基がさらに置換されていてもよい。これらの置換基、特に、好適なものとして列挙されている置換基は、置換基自体のT1エネルギーが高い。このため、これらの置換基が置換されたピラゾロインドール化合物(4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物)は、特に、青から緑色の燐光発光素子の構成材料として有用である。
【0021】
次に、本発明のピラゾロインドール化合物の合成方法について説明する。本発明のピラゾロインドール化合物(4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物)は、例えば、下記に示される合成スキームに従って合成することができる。
【0022】
【化4】

【0023】
上記合成スキームにおいて、R及びArは、式[1]のR及びArと同様である。
【0024】
上記の反応スキームにおいて、R及びArをそれぞれ適宜選択することで、所望の4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物を合成することができる。
【0025】
また本発明のピラゾロインドール化合物を有機発光素子の構成材料として使用する場合は、使用する前に昇華精製を行って精製することが好ましい。
【0026】
本発明のピラゾロインドール化合物の主骨格である4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格は、6員環(ベンゼン環)、5員環(ピラゾール環)及び5員環(脂環式炭化水素)を縮合した[6,5,5]員環である。また主骨格の中心にある5員環が脂環式炭化水素であり、ベンゼン環がピラゾ−ル環の1位の窒素原子で結合している構造である。このため、本発明のピラゾロインドール化合物は共役系が広がらない。また本発明のピラゾロインドール化合物の主骨格に相当する4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール自体の最低三重項エネルギー(T1エネルギー)は、波長換算で381nm(トルエン希薄溶液中)であり非常に高い。さらに本発明のピラゾロインドール化合物は、主骨格である4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の1位の窒素原子が電子欠乏状態になるので、この窒素原子への電子の注入性がよくなる。このため本発明のピラゾロインドール化合物は、電子輸送材料として好適であると考えられる。
【0027】
以上より、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格は、有機発光素子の構成材料、特に、高いT1エネルギーが要求される青色から緑色の燐光有機発光素子において電子輸送材料として適した骨格であるといえる。
【0028】
ところで4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の4位の炭素原子に、アルキル基を2つ置換することにより、異種化合物への異性化を防ぐことができる。具体的には、下記に示されるように、3H−ピラゾロ[1,5−a]インドール又は1H−ピラゾロ[1,5−a]インドールへの異性化を防ぐことができる。
【0029】
【化5】

【0030】
従って、本発明のピラゾロインドール化合物は、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドールそのものよりも化合物の安定性が向上されている。また4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の4位にある炭素にアルキル基を置換することにより、結晶化が起こりにくくなるので安定な薄膜を形成するのが容易になる。
【0031】
一方で、本発明のピラゾロインドール化合物は、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の3位の炭素原子にアリール基、より具体的には、ビフェニル骨格に特定のアリール基が置換された置換基が導入されている。以下に当該置換基を導入する理由について説明する。
【0032】
まず発明者らは、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の所定の炭素原子にフェニル基を導入した化合物について、最低一重項励起エネルギー(S1)及び最低三重項励起エネルギー(T1)、並びに両エネルギーの差分をそれぞれ計算した。結果は下記表1に示される通りである。尚、分子軌道計算は、密度汎関数法(Density Functional Theory)を用いて、B3LYP/6−31G*レベルでの分子軌道計算を行った。また、S1エネルギー及びT1エネルギー、並びに両エネルギーの差分(T1−S1)は、波長に換算した。
【0033】
【表1】

【0034】
表1より、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の3位や5位の炭素原子にフェニル基を導入すると、この骨格に含まれる他の炭素原子(2位、6位、7位、8位)にフェニル基を導入した場合と比べて、T1エネルギーが高い。また表1より、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格の3位や5位の炭素原子にフェニル基を導入すると、S1エネルギーとT1エネルギーとのエネルギー差が小さいことも示されている。
【0035】
また4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格にある炭素原子のうち、最も求核的であり酸化反応を起こしやすい炭素原子は3位の炭素原子である。
【0036】
従って、3位の炭素原子に、置換基、具体的には特定のアリール基を導入することによって化合物自体の安定性が向上される。
【0037】
次に、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格にある3位の炭素原子に導入される置換基について説明する。化合物自体の熱安定性を向上させる観点から、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格にある3位の炭素原子に導入される置換基は、相当量の分子量、少なくともベンゼン環3個分の分子量が要求される。具体的には、下記一般式[2]に示される置換基を導入する。
【0038】
【化6】

【0039】
式[2]において、Arは、式[1]のArと同様である。
【0040】
式[2]において、*は、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格との結合手を表す。
【0041】
尚、式[2]に示される置換基に、m−ビフェニレン骨格が含まれるのは、ベンゼン環をメタの位置で連結させることで高いT1エネルギーが保たれるためである。
【0042】
以下、本発明のピラゾロインドール化合物(4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物)の具体例を示す。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化7】

【0044】
【化8】

【0045】
上記例示化合物のうち、A1乃至A3及びA13乃至A15は、T1エネルギーが波長換算で440nm以上470nm以下の範囲にある。つまり、例示化合物A1乃至A3及びA13乃至A15の発光色は青色である。よって、これらの化合物を青色発光の有機発光素子の電子輸送材料として使用することで、発光効率を向上させることができる。
【0046】
一方、例示化合物のうち、A4乃至A12及びA16乃至A20は、T1エネルギーが波長換算で470nm以上530nm以下の範囲にある。つまり、例示化合物A4乃至A12及びA16乃至A20の発光色は青緑色もしくは緑色である。よって、これらの化合物を青緑色もしくは緑色の有機発光素子の電子輸送材料として使用することで、発光効率を向上させることができる。
【0047】
次に、本発明の有機発光素子について説明する。
【0048】
本発明の有機発光素子は、互いに対向し合う一対の電極である陽極と陰極と、陽極と陰極との間に挟持され少なくとも発光層を有する有機化合物層と、から構成される。
【0049】
本発明の有機発光素子の構成例として、下記(i)乃至(iii)が挙げられる。
(i)(基板/)陽極/発光層/陰極
(ii)(基板/)陽極/正孔輸送層/電子輸送層/陰極
(iii)(基板/)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
【0050】
ただし、(i)乃至(iii)は、あくまでもごく基本的な素子構成を示すものであり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、発光層を複数種の化合物を混合してなる層にしてもよいし、発光層自体を複数の層からなる積層体にしてもよい。また正孔輸送層や電子輸送層は一層であってもよいし、それぞれ機能が異なる複数の層からなる積層体にしてもよい。一方で、電極と有機化合物層との界面に、絶縁性層、接着層あるいは干渉層を設けてもよい。他方、電子輸送層もしくは正孔輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二つの層から構成される積層体にしてもよい。
【0051】
本発明の有機発光素子は、基板の反対側の電極から光を取り出すいわゆるトップエミッション方式であってもよいし、基板側から光を取り出すいわゆるボトムエミッション方式であってもよい。また基板を透明基板とし、陽極及び陰極を透明電極にすることで両面から光を取り出す構成にしてもよい。
【0052】
本発明の有機発光素子において、本発明のピラゾロインドール化合物は有機化合物層に含まれる。有機化合物層としては、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層等が挙げられるが、本発明のピラゾロインドール化合物は、好ましくは、電子輸送層に含まれる。
【0053】
上述したように、本発明においては、有機発光素子を構成する層である電子輸送層を複数の層からなる積層体としてもよい。ここで電子輸送層が複数の層からなる積層体である場合は、各層を、例えば、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等として、各層に電子輸送層の機能を分散させてもよい。さらに各々の機能別の層が複数の層から構成されていてもよい。
【0054】
本発明の有機発光素子において、発光層は、発光材料のみで構成されていてもよいし、ホストとゲストとで構成されていてもよい。好ましくは、発光層はホストとゲストとで構成されている。
【0055】
発光層がホストとゲストとで構成されている場合、ホストは、発光層を構成する化合物のうち主成分となる化合物であって、発光層を構成する全化合物の中で重量比が最大の化合物である。またホストは、発光層内でゲストの周囲を取り囲むマトリックスとしての機能を有するものであり、さらにキャリアの輸送やゲストへの励起エネルギーの供与という機能をも併せ持つ化合物である。
【0056】
一方、ゲストとは、主成分(ホスト)に対して副成分に相当する化合物であって、主として発光機能を有する化合物である。発光層内に含まれるゲストの濃度は、発光層の構成材料の全体量を基準として、0.01重量%以上50重量%以下である。好ましくは0.1重量%以上20重量%以下である。またゲストは、発光層全体に対して均一に含まれてもよいし、濃度勾配を有して含まれてもよい。また特定の領域に局所的にゲストを含ませて、発光層内においてゲストが存在しない領域を設けてもよい。
【0057】
ここで発光層がホストとゲストとで構成されている場合、ゲストとして、蛍光発光材料を使用してもよいし、燐光発光材料を使用してもよい。好ましくは、燐光発光材料である。
【0058】
発光層のゲストとして使用される燐光発光材料として、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体等の金属錯体が挙げられる。中でも燐光の発光強度が強いイリジウム錯体が好ましい。また励起子やキャリアの伝達を補助することを目的として、発光層に複数の燐光発光材料を含ませてもよい。
【0059】
本発明の有機発光素子において、燐光発光材料として用いられるイリジウム錯体の具体例を示す。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
【0060】
【化9】

【0061】
上記イリジウム錯体と共に発光層に含まれるホストの具体例を以下に示す。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。
【0062】
【化10】

【0063】
本発明の有機発光素子において、素子の発光色は特に限定されないが、好ましくは、最大発光ピークの波長が440nm以上530nm以下の範囲にある発光色、即ち、青色から緑色である。
【0064】
一般に燐光発光を利用する有機発光素子では、ホストのT1エネルギー準位から非放射失活による発光効率の低下を防ぐために、ホストのT1エネルギーはゲストである燐光発光材料のT1エネルギーよりも高いことが必要とされている。ここで本発明のピラゾロインドール化合物は、中心骨格となる4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール骨格のT1エネルギーが波長換算で381nmであるので、青色燐光発光材料のT1エネルギーよりも高い。従って、本発明のピラゾロインドール化合物を、発光層の周辺の層、具体的には、電子輸送層に含ませると素子の発光効率が向上される。
【0065】
本発明の有機発光素子では、素子の構成材料として、上述した化合物以外にも必要に応じて従来公知の低分子系及び高分子系の化合物を使用することができる。以下にこれらの化合物例を挙げる。
【0066】
正孔輸送層や正孔注入層に含まれる正孔輸送材料としては、陽極からの正孔の注入が容易で、注入された正孔を発光層へと輸送することができるように、正孔移動度が高い材料が好ましい。正孔注入輸送性能を有する低分子及び高分子系材料としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリ(チオフェン)、その他導電性高分子が挙げられる。
【0067】
発光層に含まれ、主に発光機能に関わる発光材料としては、前述の燐光発光ゲスト材料、もしくはその誘導体以外に、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
【0068】
電子輸送層や電子注入層に含まれる電子輸送材料としては、陰極からの電子の注入が容易で、注入された電子を発光層へ輸送することができるものから任意に選ぶことができ、正孔注入輸送性材料の正孔移動度とのバランス等を考慮して選択される。電子注入輸送性能を有する材料としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体等が挙げられる。
【0069】
陽極の構成材料としては仕事関数がなるべく大きなものがよい。例えば金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれら金属単体を複数種組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウム等の金属酸化物が使用できる。またポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーも使用できる。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
【0070】
一方、陰極の構成材料としては仕事関数の小さなものがよい。例えばリチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体が挙げられる。あるいはこれら金属単体を複数種組み合わせた合金も使用することができる。例えばマグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウム等が使用できる。酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物の利用も可能である。これらの電極物質は一種類を単独で使用してもよいし、二種類以上を併用して使用してもよい。また陰極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
【0071】
本発明の有機発光素子において、本発明のピラゾロインドール化合物を含有する層及びその他の有機化合物からなる層は、以下に示す方法により形成される。一般には真空蒸着法、イオン化蒸着法、スパッタリング、プラズマあるいは、適当な溶媒に溶解させて公知の塗布法(例えば、スピンコーティング、ディッピング、キャスト法、LB法、インクジェット法等)により薄膜を形成する。ここで真空蒸着法や溶液塗布法等によって層を形成すると、結晶化等が起こりにくく経時安定性に優れる。また塗布法で成膜する場合は、適当なバインダー樹脂と組み合わせて膜を形成することもできる。
【0072】
上記バインダー樹脂としては、ポリビニルカルバゾール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、尿素樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、これらバインダー樹脂は、ホモポリマー又は共重合体として一種単独で使用してもよいし、二種以上を混合して使用してもよい。さらに必要に応じて、公知の可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を併用してもよい。
【0073】
本発明の有機発光素子は、表示装置や照明装置の構成部材として用いることができる。他にも電子写真方式の画像形成装置の露光光源や、液晶表示装置のバックライト等として使用することができる。
【0074】
表示装置に本発明の有機発光素子を導入する場合、本発明の有機発光素子は表示部に備えられる。ここで表示部は複数の画素を有するものであり、この画素に本発明の有機発光素子が含まれる。尚、本発明の有機発光素子を備える表示装置は、本発明の有機発光素子に電気接続するスイッチング素子を設けるのが望ましい。またこの表示装置はPC等の画像表示装置として用いることができる。
【0075】
表示装置はデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置の表示部に用いられてもよい。撮像装置は該表示部と撮像するための撮像光学系を有する撮像部とを有する。
【0076】
図1は、本発明の有機発光素子を画素部に有する画像表示装置の断面模式図である。図1の表示装置では、二つの有機発光素子と二つのTFTとが図示されている。また各有機発光素子は、それぞれ一組のTFTと接続している。
【0077】
図1において、符号3は画像表示装置、38はスイッチング素子であるTFT素子、31は基板、32は防湿膜、33はゲート電極、34はゲート絶縁膜、35は半導体層、36はドレイン電極、37はソース電極、39は絶縁膜である。また310はコンタクトホール、311は陽極、312は有機化合物層、313は陰極、314は第一保護層、そして315は第二保護層である。
【0078】
画像表示装置3は、ガラス等の基板31上に、その上部に作られる部材(TFT又は有機層)を保護するための防湿膜32が設けられている。防湿膜32を構成する材料は酸化ケイ素又は酸化ケイ素と窒化ケイ素との複合体等が用いられる。防湿膜32の上にゲート電極33が設けられている。ゲート電極33はスパッタリングによりCr等の金属を製膜することで得られる。
【0079】
ゲート絶縁膜34がゲート電極33を覆うように配置される。ゲート絶縁膜34は酸化シリコン等をプラズマCVD法又は触媒化学気相成長法(cat−CVD法)等により製膜し、パターニングして形成される膜である。パターニングされてTFTとなる領域ごとに設けられているゲート絶縁膜34を覆うように半導体層35が設けられている。この半導体層35はプラズマCVD法等により(場合によっては例えば290℃以上の温度でアニールして)シリコン膜を製膜し、回路形状に従ってパターニングすることで得られる。
【0080】
さらに、それぞれの半導体層35にドレイン電極36とソース電極37が設けられている。このようにTFT素子38はゲート電極33とゲート絶縁層34と半導体層35とドレイン電極36とソース電極37とを有する。TFT素子38の上部には絶縁膜39が設けられている。次に、コンタクトホール310は絶縁膜39に設けられ、金属からなる有機発光素子用の陽極311とソース電極37とが接続されている。
【0081】
この陽極311の上には、発光層を含む多層あるいは発光層単層の有機層312と、陰極313とが順次積層されており、画素としての有機発光素子を構成している。有機発光素子の劣化を防ぐために第一の保護層314や第二の保護層315を設けてもよい。
【0082】
尚、スイッチング素子に特に限定はなく、上述のTFT素子の他にMIM素子も用いることができる。
【実施例】
【0083】
以下、実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0084】
[実施例1]例示化合物A9の合成
【0085】
【化11】

【0086】
(1−1)化合物B2の合成
容器内を窒素置換した200mLの二口反応管に、以下の試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物B1:4.3g
TMEDA:13.5ml
ジエチルエーテル:100ml
【0087】
次に、反応溶液を−78℃に冷却した後、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)58mlを滴下し、次いで、中間体1(5.4g)を滴下した。次に、反応溶液を室温まで昇温し、この温度(室温)で終夜撹拌した。反応終了後、反応溶液に氷水を加えてさらに撹拌した、酢酸エチルを用いた溶媒抽出により有機層を抽出した。次に、得られた有機層の溶媒を減圧留去することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘプタン=10:90)で精製することにより、化合物B2を、黄色い粉末として1.4g得た。
【0088】
(1−2)化合物B3の合成
200mLのナスフラスコに以下の試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物B2:2.9g
エチレングリコール:60ml
ヒドラジン水和物:5.8g
【0089】
次に、反応溶液を120℃まで昇温した後、水酸化カリウム5.74gと水20mlとを混合して調製した水酸化カリウム水溶液を投入した。次に、反応溶液を還流させながら6時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを用いた溶媒抽出により有機層を抽出した。次に、得られた有機層の溶媒を減圧留去することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘプタン=10:90)で精製することにより、化合物B3を黄色い液体として1.8g得た。
【0090】
(1−3)化合物B4の合成
100mlのナスフラスコに以下の試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物B3:1.8g
テトラヒドロフラン:60ml
【0091】
次に、反応溶液を0℃まで冷却した後、以下の試薬を投入した。
ターシャリーブトキシカリウム:3.8g
ヨウ化メチル:4.8g
【0092】
次に、反応溶液を室温まで昇温して、この温度(室温)で終夜撹拌した。反応終了後、クロロホルムを用いた溶媒抽出により有機層を抽出した。次に、得られた有機層の溶媒を減圧留去することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘプタン=20:80)で精製することにより、化合物B4を黄色い液体として1.0g得た。
【0093】
NMR測定により、化合物B4の構造を確認した。ピークの帰属を以下に示す。
【0094】
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)=7.69(1H,d),7.59(1H,d),7.39−7.34(2H,m),7.20(1H,t),6.20(1H,d),1.53(6H,s).
【0095】
(1−4)化合物B5の合成
100mlのナスフラスコに以下の試薬、溶媒を投入した。
化合物B4:412mg
クロロホルム:20ml
N−ブロモスクシンイミド:597mg
【0096】
次に、反応溶液を室温で終夜撹拌した。反応終了後、クロロホルムを用いた溶媒抽出により有機層を抽出した。次に、得られた有機層の溶媒を減圧留去することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘプタン=20:80)で精製することにより、化合物B5を黄色い粉末として510mg得た。
【0097】
NMR測定により化合物B5の構造を確認した。ピークの帰属を以下に示す。
【0098】
1H−NMR(CDCl3):δ(ppm)=7.60(1H,s),7.56(1H,d),7.40−7.35(2H,m),7.23(1H,t),1.62(6H,s).
【0099】
(1−5)例示化合物A9の合成
容器内を窒素置換した100mlの三口反応管に、以下の試薬、溶媒を仕込んだ。
化合物B5:263mg
化合物B6:506mg
酢酸パラジウム:30mg
配位子1:50mg
リン酸カリウム:425mg
トルエン:30mL
水:2mL
【0100】
次に、反応溶液を100℃に昇温し、この温度(100℃)で8時間撹拌した。反応終了後、トルエンを用いた溶媒抽出により有機層を抽出した。次に、得られた有機層の溶媒を減圧留去することで粗生成物を得た。次に、この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル:ヘプタン=15:85)で精製した。次に、GPCカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;クロロホルム)によって精製して薄黄色の粗結晶を得た。次に、この薄黄色い粗結晶を、350℃、約4.8×101Paの条件下で昇華精製を行うことにより、高純度の例示化合物A9を白色粉末として284mg得た。
【0101】
NMR測定により例示化合物A9の構造を確認した。ピークの帰属を以下に示す。
【0102】
1H−NMR(DMSO):δ(ppm)=9.14(1H,s),9.07−9.05(1H,m),8.93(1H,d),8.86−8.82(3H,m),8.27(1H,s),8.24(1H,s),8.14(1H,d),8.04(1H,s),7.99(1H,d),7.82−7.55(11H,m),7.43(1H,t),7.28(1H,t),1.70(6H,s).
【0103】
MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)によりこの化合物のM+である563.2を確認した。
【0104】
また例示化合物A9について、以下の方法で最低三重項励起エネルギー(T1エネルギー)の測定を行った。
【0105】
例示化合物A9とトルエンとを混合して調製した希薄溶液について、Ar雰囲気下、77K、励起波長300nmにおいて燐光スペクトルの測定を行った。得られた燐光スペクトルの第一発光ピークのピーク波長からT1エネルギーを求めた。その結果、T1エネルギーは、波長換算値で470nmであった。
【0106】
[実施例2]例示化合物A12の合成
【0107】
【化12】

【0108】
実施例1の(1−5)において、化合物B6の代わりに化合物B7を使用する以外は、実施例1と同様の方法で合成を行うことで例示化合物A12を得た。
【0109】
MALDI−TOF MSによりこの化合物のM+である650.2を確認した。
【0110】
また実施例1と同様の方法により、例示化合物A12のT1エネルギーを求めたところ、T1エネルギーは、波長換算値で439nmであった。
【0111】
[実施例3]例示化合物A13の合成
【0112】
【化13】

【0113】
実施例1の(1−5)において、化合物B6の代わりに化合物B8を使用する以外は、実施例1と同様の方法で合成を行うことで例示化合物A13を得た。
【0114】
MALDI−TOF MSによりこの化合物のM+である502.2を確認した。
【0115】
また実施例1と同様の方法により、例示化合物A13のT1エネルギーを求めたところ、T1エネルギーは、波長換算値で423nmであった。
【0116】
[実施例4]例示化合物A15の合成
【0117】
【化14】

【0118】
実施例1の(1−5)において、化合物B6の代わりに化合物B9を使用する以外は、実施例1と同様の方法で合成を行うことで例示化合物A15を得た。
【0119】
MALDI−TOF MSによりこの化合物のM+である518.2を確認した。
【0120】
また実施例1と同様の方法により、例示化合物A15のT1エネルギーを求めたところ、T1エネルギーは、波長換算値で428nmであった。
【0121】
[実施例5]
本実施例では、基板上に、陽極/正孔輸送層/発光層/第一電子輸送層/第二電子輸送層/第三電子輸送層/陰極が順次設けられている有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
【0122】
(使用した化合物)
本実施例において、有機発光素子を作製する際に使用した化合物を以下に示す。
【0123】
【化15】

【0124】
(有機発光素子の作製方法)
ガラス基板上に、スパッタ法にてITOを成膜して陽極を形成した。このとき陽極の膜厚を120nmとした。このようにしてITO膜が形成されている基板を透明導電性支持基板(ITO電極付基板)として以下の工程で使用した。次に、このITO基板上に、下記表2に示される有機化合物層及び電極層を、1×10-5Paの真空チャンバー内において抵抗加熱による真空蒸着によって連続的に成膜した。尚、ITO電極に対向する電極(陰極)の電極面積が3mm2となるように作製した。
【0125】
【表2】

【0126】
次に、水分の吸着による有機発光素子の劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせアクリル樹脂系接着材で封止した。以上のようにして有機発光素子を得た。
【0127】
得られた有機発光素子について、ITO電極を正極、Al電極を負極にして、6.0Vの印加電圧をかけたところ、発光効率は53cd/Aであり、輝度4000cd/m2の緑色発光が観測された。またこの素子においてCIE色度座標は、(x,y)=(0.34,0.62)であり、緑色発光であることがわかった。
【0128】
[実施例6〜11]
実施例5において、ホスト、ゲスト及び第一電子輸送層の構成材料を下記表3に示すように変更した他は、実施例5と同様の方法により有機発光素子を作製した。得られた素子について実施例5と同様に評価を行った。結果を表3に示す。また各実施例で使用した化合物(実施例5で使用された化合物と同一のものを除く。)を以下に示す。
【0129】
【化16】

【0130】
【表3】

【0131】
以上より、4H−ピラゾロ[1,5−a]インドール化合物は、燐光発光する有機発光素子において、電子輸送材料として使用することで良好な発光効率を得られることが分かった。
【産業上の利用可能性】
【0132】
以上説明したように、本発明のピラゾロインドール化合物は、T1エネルギーが高く、電子輸送能も有している。このため本発明のピラゾロインドール化合物を有機発光素子の構成材料、特に、電子輸送材料として使用すると、発光効率が高く、安定な有機発光素子を得ることができる。
【符号の説明】
【0133】
3:画像表示装置、38:TFT素子、31:基板、32:防湿膜、33:ゲート電極、34:ゲート絶縁膜、35:半導体層、36:ドレイン電極、37:ソース電極、39:絶縁膜、310:コンタクトホール、311:陽極、312:有機化合物層、313:陰極、314:第一保護層、315:第二保護層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式[1]で示されることを特徴とする、ピラゾロインドール化合物。
【化1】

(式[1]において、Rは、炭素数1乃至6のアルキル基を表す。Arは、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナンスレニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、スピロビフルオレニル基、ジベンゾフラニル基又はジベンゾチオフェニル基を表す。)
【請求項2】
陽極と陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に挟持され少なくとも発光層を有する有機化合物層と、から構成される有機発光素子において、
前記有機化合物層に請求項1に記載のピラゾロインドール化合物が含まれることを特徴とする、有機発光素子。
【請求項3】
前記ピラゾロインドール化合物が、電子輸送層に含まれることを特徴とする、請求項2に記載の有機発光素子。
【請求項4】
前記発光層がホストとゲストとからなり、
前記ゲストが燐光発光材料であることを特徴とする、請求項2又は3に記載の有機発光素子。
【請求項5】
前記燐光発光材料がイリジウム錯体であることを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の有機発光素子。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に電気接続するスイッチング素子と、を有することを特徴とする、画像表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−92047(P2012−92047A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−241156(P2010−241156)
【出願日】平成22年10月27日(2010.10.27)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】