説明

ピルフェニドン療法に付随する有害事象を低減する方法

【課題】ピルフェニドン療法に付随する有害事象を低減する方法の提供。
【解決手段】本発明は、ピルフェニドン(pirfenidone;5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン)療法を受ける患者の有害事象を低減するための方法に関する。例えば、ピルフェニドン療法を受ける患者における有害事象を低減する方法であって、医薬品組成物を食物と共に該患者に投与することを包含し、該組成物が治療上有効量のピルフェニドンを含み、該投与することが1800mg/日よりも多くのピルフェニドンを該患者に提供することを含む方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2005年12月2日に出願した、その全体が本明細書中に参考として援用される、米国仮出願第60/41,976号に対する優先権を主張する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、ピルフェニドン(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン)療法に付随する有害事象を低減するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術の説明
ピルフェニドンは、小さな薬剤分子であり、その化学名は5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンである。ピルフェニドンは、非ペプチド性の合成分子であり、分子量は185.23ダルトンである。ピルフェニドンの化学元素は、C1211NOと表され、その構造および合成は公知である。ピルフェニドンは、商業生産されており、臨床的には広域性の抗線維症薬剤であると臨床評価されている。ピルフェニドンは、TGF−β発現の低下、TNF−α発現の低下、PDGF発現の低下、およびコラーゲン発現の低下、により抗線維症特性を有する。いくつかのピルフェニドン新薬治験開始申請書(IND)が、現在、米国の食品医薬品局に提出されている。ヒトによる第二相試験が、肺線維症、腎臓糸球体硬化症および肝硬変について、進行中であるかまたは最近終了した。良性前立腺肥大、肥厚性瘢痕(ケロイド)、および関節リウマチを処置するためにピルフェニドンを用いる他の第二相研究も行われている。
【0004】
ピルフェニドンは、ヘルマンスキー−パドラック症候群(HPS)に関連した肺線維症および特発性肺線維症(IPF)などの線維症状態を患っている患者にとって治療上の利点があるか調べられている。ピルフェニドンは、肺、皮膚、関節、腎臓、前立腺、および肝臓のものを含め、傷害を受けた組織に付随した線維症に見られる過度の瘢痕組織を予防または除去する薬理学的能力についても調べられている。公表済みおよび未公表の基礎研究および臨床研究は、ピルフェニドンが、線維性損傷の進行性拡大を安全に遅延または抑制し得、そして組織が傷害を受けた後の新しい線維症損傷の形成を予防する能力があることを示唆している。
【0005】
ピルフェニドンがその治療効果を発揮する1つのメカニズムは、サイトカイン作用の調節であると理解されている。ピルフェニドンは、線維形成性サイトカインおよびTNF−αの強力な阻害剤である。ピルフェニドンがTGF−β1、bFGF、PDGF、およびEGFなどの種々の線維形成性サイトカインの過度の生合成または放出を阻害することが十分実証されている。非特許文献1。実験報告書は、ピルフェニドンが、マクロファージおよび他の細胞からの過剰量のTNF−αの合成および放出を遮断することも示している。非特許文献2。
【0006】
調査薬として、ピルフェニドンは、主として経口投与のために錠剤およびカプセル剤の形で提供される。臨床試験ならびに他の研究および実験において、種々の処方物がテストされ、採用されている。ピルフェニドン療法に付随する最も普通の有害な反応または事象としては、消化器の不調、吐き気、疲労、傾眠、めまい、頭痛、および光線過敏性発疹が挙げられる。これらの作用の多くは、日常活動および生活の質を妨げるおそれがある。これらの作用は用量に関連しているように思われる。ピルフェニドン療法に付随する有害な反応は、ピルフェニドンを比較的高用量にて投与する場合に悪化する。
【0007】
現在、ピルフェニドン投与後の有害事象は、ピルフェニドンの用量低減または投与中止により軽減される。最近の研究では、グレード2またはもっと悪く格付けされた有害事象では、段階的に、即ち、1日あたり9錠から1日あたり6錠へと、次いで、1日あたり6錠から1日あたり3錠へと、投与量を低減された。非特許文献3。投与量を低減して14日間観察した後、有害事象が持続しているか、または悪化したならば、投与量をさらに1段階、即ち、1日あたり6錠から1日あたり3錠へと低減した。投与量を1日3錠へと低減しても、有害事象が持続しているか、または悪化したならば、研究投与を中止した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Zhang S et al.,Australian and New England J Ophthalmology 26:S74−S76(1998)
【非特許文献2】Cain et al.,Int’l J Immunopharmacology 20:685−695(1998)
【非特許文献3】Azuma,A.et al.,Am J Respir Crit Care Med 171:1040−47(2005)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
吐き気、嘔吐、消化器不調、嗜眠状態、めまい、頭痛、傾眠、およびピルフェニドン療法で起こりうる他の潜在的に危険な副作用などの有害事象を排除または最小限にする様式で患者へさらに高用量のピルフェニドンを投与する方法に関わる臨床上の必要性が満たされないまま残されている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明の要旨
本明細書で開示した発明は、食物の摂取時またはその付近でピルフェニドンを投与すると、ヒトの経口剤形に付随した有害事象を低減させるという予期しない知見に基づいている。
【0011】
ある実施形態では、ピルフェニドン療法を受ける患者における有害事象の可能性を低減する方法であって、ここで、ピルフェニドンが医薬品組成物の形態をしている方法が開示されている。この方法は、例えば、治療上有効量のピルフェニドンを食物と共に患者に投与することを含む。
【0012】
ある実施形態では、ピルフェニドン療法を受ける患者における傾眠の可能性を低減する方法であって、ここで、ピルフェニドンが医薬品組成物の形態をしている方法が開示されている。この方法は、例えば、治療上有効量のピルフェニドンを食物と共に患者に投与することを含む。
【0013】
ある実施形態では、ピルフェニドン療法を受ける患者における吐き気の可能性を低減する方法であって、ここで、ピルフェニドンが医薬品組成物の形態をしている方法が開示されている。この方法は、例えば、治療上有効量のピルフェニドンを食物と共に患者に投与することを含む。
【0014】
ある実施形態では、ピルフェニドン療法を受ける患者における頭痛の可能性を低減する方法であって、ここで、ピルフェニドンが医薬品組成物の形態をしている方法が開示されている。この方法は、例えば、治療上有効量のピルフェニドンを食物と共に患者に投与することを含む。
【0015】
一部の実施形態では、1つ以上の有害な作用の可能性が低減される。例えば、一部の実施形態では、吐き気および傾眠の可能性が低減される。他の実施形態では、吐き気および頭痛の可能性が低減される。さらに別の実施形態では、傾眠および頭痛の可能性が低減される。一部の実施形態では、吐き気、傾眠および頭痛の可能性が低減される。
【0016】
一部の実施形態では、これらの方法は患者へのピルフェニドンの投与を含み、投与は単位剤形あたり約100mg〜約400mgのピルフェニドンを提供することを含む。一部の実施形態では、投与は、患者に対して1日あたり1回以上、1個以上の単位剤形を提供することを含む。ある実施形態では、投与は患者に対して1日あたり1回以上、ピルフェニドンを含む1個以上のカプセル剤を提供することを含む。ある実施形態では、投与は患者に対して1日あたり1回以上、約267mgのピルフェニドンを含む1個以上の個数のカプセル剤を提供することを含む。
【0017】
一部の実施形態では、投与は1800mg/日より多いピルフェニドンを患者に提供することを含む。一部の実施形態では、投与は約2000mg/日〜約4000mg/日のピルフェニドンを患者に提供することを含む。一部の実施形態では、投与は約2200mg/日〜約4000mg/日のピルフェニドンを患者に提供することを含む。一部の実施形態では、投与は約2400mg/日〜約4000mg/日のピルフェニドンを患者に提供することを含む。ある実施形態では、投与は約2403mg/日のピルフェニドンを患者に提供することを含む。
【0018】
一部の実施形態では、食物は、胃の中で急速に溶解して吸収されることがない、十分なカロリーおよび脂肪含有量を有する固体食品である。したがって、一部の実施形態では、食物は食事、例えば、朝食、昼食または夕食である。
【0019】
一部の実施形態では、食事を摂る約1時間前から食事を摂ってから約2時間後までの間に、治療上有効量のピルフェニドンが患者に投与される。一部の実施形態では、約15分間の食物摂取の約30分以内に、ピルフェニドンは患者に投与される。
【0020】
一部の実施形態では、本明細書で開示した方法は、さらに、ピルフェニドンを服用する時の有害事象を低減するために有用な情報を処方医およびピルフェニドン療法を受ける患者に提供することを含む。好ましい実施形態では、これらの方法は、さらに、ピルフェニドンを食物と共に服用することを患者に助言することを含む。一部の実施形態では、これらの方法は、さらに、ピルフェニドン療法に関連した有害事象を回避および/または最小限に抑制するためにピルフェニドンを食物と共に服用することを患者に助言することを含む。
【0021】
一部の実施形態では、これらの方法は、食物と共に投与することにより有害事象の可能性が低減されることを助言する印刷ラベルを付随した容器内の組成物を患者に提供することを含む。一部の実施形態では、これらの方法は、食事摂取の約1時間前から食事摂取の約2時間後までの間に医薬品組成物を投与すべきであることを患者に助言する印刷ラベルを付随した容器内の医薬品組成物を患者に提供することを含む。一部の実施形態では、これらの方法は、食事摂取と実質的に同時に医薬品組成物を投与すべきであることを患者に助言する印刷ラベルを付随した容器内の医薬品組成物を患者に提供することを含む。
【0022】
別の実施形態は、容器を備える製品またはキットを提供し、この容器は、単位剤形のピルフェニドンを含む医薬品組成物、ならびに医薬品組成物を食物と共に服用した場合およい食物なしに服用した場合の種々の副作用を助言する印刷ラベル指示書を保持している。一部の実施形態では、印刷指示書は、消化器の不調または傾眠が起きるならば、この組成物を食物と共に服用することを患者に助言する。
【0023】
一部の実施形態では、印刷指示書は、さらに、この組成物を食物と共に服用すると有害事象の可能性が低減することを患者に助言する。一部の実施形態では、印刷指示書は、食事摂取の約1時間前から食事摂取の約2時間後までの間に、組成物を服用することを患者に助言する。一部の実施形態では、印刷指示書は、食事をするのと実質的に同時にこの組成物を服用することを患者に助言する。一部の実施形態では、印刷指示書は、食事摂取の約30分前から食事摂取の約2時間後までの間にこの組成物を服用するように患者に助言する。一部の実施形態では、印刷指示書は、食事を摂った直後から食事摂取の1時間後までにこの組成物を服用することを患者に助言する。一部の実施形態では、印刷指示書は、この組成物を食事と共に服用することを患者に助言する。
【0024】
一部の実施形態では、印刷指示書は、1日あたり2回、1個以上のカプセル剤を服用することを患者に助言する。一部の実施形態では、印刷指示書は、1日あたり3回、1個以上のカプセル剤を服用することを患者に助言する。
【0025】
別の実施形態では、治療用量のピルフェニドンを患者に提供することと、ピルフェニドンを食物と共に服用することを患者に助言することを含む、患者にピルフェニドン療法を提供するための方法が開示されている。
【0026】
開示された別の実施形態は、治療用量のピルフェニドンを患者に提供することと、ピルフェニドンを食物と共に服用することにより、ピルフェニドン療法により生じる有害事象の発生率を低減し得ることを患者に助言することを含む、患者にピルフェニドン療法を提供するための方法である。
【0027】
また開示されているのは、治療用量のピルフェニドンを患者に投与することと、ピルフェニドンを食物と共に服用することにより、ピルフェニドンの平均最大血漿濃度が低減されることを患者に助言することを含む、患者にピルフェニドン療法を提供するための方法である。
【0028】
一部の実施形態では、患者は、801mgのピルフェニドンを食物と共に摂取することにより、食物なしにピルフェニドンを摂取する場合に比べて、ピルフェニドンの平均最大血漿濃度を15724ng/mLから7874ng/mLへと低下させることを助言され得る。さらに、患者は、801mgのピルフェニドンを食物と共に摂取することは、食物なしにピルフェニドンを摂取する場合に比べて、ピルフェニドンの平均吸収半減期を0.572時間から1.78時間へと延ばすことを助言されている。すべての実施形態において、患者は書面または口答で助言され得ること、および書面情報は、(例えば、)ラベル、ステッカー、製品挿入物、製品情報、または処方情報に含まれ得ることが意図される。
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ピルフェニドン療法を受ける患者における有害事象を低減する方法であって、医薬品組成物を食物と共に該患者に投与することを包含し、該組成物が治療上有効量のピルフェニドンを含み、該投与することが1800mg/日よりも多くのピルフェニドンを該患者に提供することを含む、方法。
(項目2)
前記患者がヒトである、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記投与することが前記医薬品組成物を経口投与することを含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
前記患者へ投与することが、食物摂取30分前と食物摂取2時間後との間に行われる、項目1〜3のいずれか1項に記載の方法。
(項目5)
前記患者へ投与することが、前記食物の摂取と実質的に同時に行われる、項目1〜4のいずれか1項に記載の方法。
(項目6)
前記患者へ投与することが、食物の摂取の直後から該摂取の1時間後までに行われる、項目1〜5のいずれか1項に記載の方法。
(項目7)
前記食物と共に投与することが、食事と共にピルフェニドンを投与することを含む、項目1〜6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記投与することが、ピルフェニドンを含む単位剤形を提供することを含む、項目1〜7のいずれか1項に記載の方法。
(項目9)
前記投与することが、錠剤またはカプセル剤を提供することを含み、前記錠剤またはカプセル剤がピルフェニドンを含む、項目1〜8のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記投与することが、1日あたり1回以上の回数で、前記患者に、ピルフェニドンを含む錠剤またはカプセル剤を1個以上提供することを含む、項目1〜9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記投与することが、1日あたり2回、被験者に、ピルフェニドンを含むカプセル剤を1個以上提供することを含む、項目1〜10のいずれか1項に記載の方法。
(項目12)
前記投与することが、1日あたり3回、被験者に、ピルフェニドンを含むカプセル剤を1個以上提供することを含む、項目1〜11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記投与することが、ピルフェニドンの単位剤形を提供することを含み、前記単位剤形が1単位あたり約100〜約400mgのピルフェニドンを含有する、項目1〜12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記投与することが、ピルフェニドンの単位剤形を提供することを含み、前記単位剤形が1単位あたり約267mgのピルフェニドンを含む、項目1〜13のいずれか1項に記載の方法。
(項目15)
前記投与することが、前記患者に約2000mg/日〜約4000mg/日のピルフェニドンを提供することを含む、項目1〜14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記投与することが、前記患者に約2200mg/日〜約4000mg/日のピルフェニドンを提供することを含む、項目1〜15のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記投与することが、前記患者に約2400mg/日〜約4000mg/日のピルフェニドンを提供することを含む、項目1〜16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記投与することが、前記患者に約2403mg/日のピルフェニドンを投与することを含む、項目1〜17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記医薬品組成物を食物と共に投与することにより有害事象の可能性が低減することになることを前記患者に助言することをさらに含む、項目1〜18のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記投与することが、前記医薬品組成物を食物と共に投与すべきであることを前記患者に助言する印刷ラベルを付随している容器内の前記医薬品組成物を該患者に提供することを含む、項目1〜19のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記有害事象が吐き気である、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
前記有害事象が傾眠である、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
前記有害事象が頭痛である、項目1〜20のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
医薬品組成物、処方情報、および容器を備えるキットであって、該医薬品組成物は治療上有効量のピルフェニドンを含む、キット。
(項目25)
前記処方情報が、前記医薬品組成物を食物と共に服用することを患者に助言する、項目24に記載のキット。
(項目26)
錠剤またはカプセル剤が前記組成物を含む、項目24または25のいずれかの項に記載のキット。
(項目27)
前記処方情報が、1日あたり1回以上、1個以上の錠剤またはカプセル剤を服用することを患者に助言する、項目26に記載のキット。
(項目28)
前記組成物が、1単位あたり約100〜約400mgのピルフェニドンを含んでいる単位剤形を含む、項目24〜27のいずれか1項に記載のキット。
(項目29)
患者にピルフェニドン療法を提供するための方法であって、治療用量のピルフェニドンを該患者に提供することと、該ピルフェニドンを食物と共に服用することを該患者に助言することを含む、方法。
(項目30)
患者にピルフェニドン療法を提供するための方法であって、治療用量のピルフェニドンを該患者に提供することと、該ピルフェニドンを食物と共に服用することにより、ピルフェニドン療法により生じる有害事象の発生率を低減し得ることを該患者に助言することを含む、方法。
(項目31)
患者にピルフェニドン療法を提供するための方法であって、治療用量のピルフェニドンを該患者に提供することと、該ピルフェニドンを食物と共に服用することにより、ピルフェニドンの平均最高血漿濃度が低減されることを該患者に助言することを含む、方法。
(項目32)
項目31に記載の方法であって、801mgのピルフェニドンを食物と共に摂取することにより、食物なしにピルフェニドンを摂取する場合に比べて、ピルフェニドンの平均最高血漿濃度を15724ng/mLから7874ng/mLへと低下させることを前記患者に助言することをさらに含む、方法。
(項目33)
項目31に記載の方法であって、801mgのピルフェニドンを食物と共に摂取することは、食物なしに該ピルフェニドンを摂取する場合に比べて、該ピルフェニドンの平均吸収半減期を0.572時間から1.78時間へと延ばすことを前記患者に助言することをさらに含む、方法。
(項目34)
前記患者に書面で助言する、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記患者に口頭で助言する、項目31に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】図1Aおよび図1Bは、絶食させられた患者および食事を与えられた患者の薬物動態学的データを要約しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
好ましい実施形態の詳細な説明
ピルフェニドン療法中に報告された最も普通の有害な反応または事象としては、消化器の不調、吐き気、疲労、傾眠、めまい、頭痛、および光線過敏性発疹が挙げられる。これらの作用の大部分は、日常活動および生活の質を妨げ得る。これらの作用は用量に関連しているように思われ、通常、ピルフェニドン療法の用量低減または投与中止により軽減される。食物摂取時またはその付近にピルフェニドンを投与すると、ヒトにおけるピルフェニドンの経口剤形に付随した有害事象を軽減させることは、新規な知見である。
【0031】
本明細書で使われる場合、用語「有害事象」および「有害反応」は、疑わしい原因とは関係なく、処置中および処置後の期間に患者に起こる身体的徴候、症状、および/または臨床的に有意な検査所見の異常により示されたとおりの、ピルフェニドン療法を受けている患者における好ましくない、有害な、または病的な変化をいう。この定義には、併発性疾病;傷害;既存の状態の悪化;生成物の退薬、乱用、または過量投与の結果として生じる有害事象;および、担当医が臨床上有意であると考えるか、あるいはそれによって臨床医が製品の使用を低減もしくは中止させるか、または手順書によらない治療または方法を開始する(またはそうしたはずである)場合の、検査変数の変化が含まれる。
【0032】
用語「ピルフェニドン」は、その塩類を包含する。
【0033】
本明細書で使われる場合、用語「食物と共に」は、一般に、ピルフェニドン投与の約1時間前からピルフェニドン投与の約2時間後までの間の期間中に食物を摂った状態を意味すると定義される。一部の実施形態では、食物は、胃の中で迅速に溶解して吸収されることのない、十分な嵩と脂肪含有量を有する固体の食物である。食物は、朝食、昼食または夕食などの食事であることが好ましい。一部の実施形態では、食物は、少なくとも約100カロリー、約200カロリー、約250カロリー、約300カロリー、約400カロリー、約500カロリー、約600カロリー、約700カロリー、約800カロリー、約900カロリー、約1000カロリー、約1250カロリー、約1500カロリーである。
【0034】
用語「食物なし」、「絶食させられた」または「空の胃へ」は、ピルフェニドン投与の約1時間前からピルフェニドン投与の約2時間後までの期間中に食物を摂取しなかった状態を意味すると定義される。一部の実施形態では、ピルフェニドン投与の約10時間前、約8時間前、約6時間前、約4時間前、約2時間前まで食物は摂取されなかった。
【0035】
用語「患者」または「被験者」は、ヒトの患者をいう。
【0036】
本明細書で開示した方法は、ピルフェニドンを食物と共に患者に投与することを含む。ピルフェニドンは、1日の何時でも、食物と共に投与され得る。例えば、一部の実施形態では、食物は、ピルフェニドン投与の約2時間前からピルフェニドン投与の2時間後までの期間中であれば何時摂取してもよい。一部の実施形態では、食物は、ピルフェニドン投与の前の約2時間、約1.5時間、約1時間、約45分、約30分、約15分、約10分、または約5分という期間中に摂取してもよい。一部の実施形態では、食物は、ピルフェニドンの投与の後の約5分、約10分、約15分、約30分、約45分、約1時間、約1.5時間、または約2時間という期間中に摂取してもよい。一部の実施形態では、患者へのピルフェニドンの投与は、食物の摂取の直後(例えば、食物摂取後約1分以内)から食物摂取約1時間後までである。一部の実施形態では、ピルフェニドンは、食物の摂取と実質的に同じ時間に投与される。
【0037】
一部の実施形態では、1日あたりのピルフェニドンの有効摂取量は1800mg/日より多い。一部の実施形態では、ピルフェニドンの1日あたりの有効摂取量は、1日あたり約2000mg〜約4005mgである。一部の実施形態では、ピルフェニドンの1日あたりの有効摂取量は、1日あたり約2200mgと約4000mgとの間である。一部の実施形態では、ピルフェニドンの1日あたりの有効摂取量は、1日あたり約2400mgと約3600mgとの間である。一部の実施形態では、ピルフェニドンの1日あたりの有効摂取量は、約2403mg/日である。
【0038】
ある実施形態では、ピルフェニドンは、1単位あたり約100〜約400mgのピルフェニドンを含む単位剤形として被験者に投与される。ある実施形態では、ピルフェニドンは、1カプセルあたり約267mgのピルフェニドンを含む単位剤形として被験者に投与される。好ましい実施形態では、単位剤形はカプセル剤である。
【0039】
投薬は、1日あたり1回、2回または3回であり得、1回に1以上の単位を投与する。一部の実施形態では、1日あたりのピルフェニドンの有効摂取量は、1日を通して適切な間隔をあけて別々に投与される、1用量、2用量、3用量、4用量、5用量、6用量、またはそれより多くの用量として投与される。一部の実施形態では、各用量は1個、2個、3個、またはそれより多くの単位剤形を含む。例えば、一部の実施形態では、1またはそれより多くの単位が、1日あたり1回またはそれより多くの回数で被験者に投与される。一部の実施形態では、1またはそれより多くの単位が、1日あたり2回被験者に投与される。一部の実施形態では、1またはそれより多くの単位が、1日あたり3回被験者に投与される。一部の実施形態では、3単位が1日あたり3回投与される。一部の実施形態では、ピルフェニドンは、1日を通して間隔をあけて複数の用量として投与され、各用量は治療上有効量のピルフェニドンを含む。一部の実施形態では、ピルフェニドンは1日あたり1回食物と共に投与される。
【0040】
本明細書で使われる用語「単位剤形」は、ヒトおよび動物の被験者への単位投与量として適切な物理的に別々の単位であって、各単位が、医薬品として許容できる希釈剤、担体またはベヒクルとともに、所望の効果を生じるのに十分な量の計算された所定量のピルフェニドンを含んでいる単位をいう。一部の実施形態では、単位剤形は、例えば、丸剤、カプセル剤、または錠剤である。一部の実施形態では、単位剤形はカプセル剤である。一部の実施形態では、単位剤形中のピルフェニドンの量は約100mg〜約1800mg、または約200mg〜約900mg、または約100mg〜約400mgである。ある実施形態では、単位剤形は約267mgのピルフェニドンを含み、カプセル剤の形をしている。一部の実施形態では、各々が約267mgのピルフェニドンを含む2個または3個のカプセル剤が、1日あたり1回、2回または3回患者に投与される(例えば、1日の総摂取量は約534mg/日〜約2403mg/日)。
【0041】
一部の実施形態では、これらの方法は、治療上許容できる量のピルフェニドンの投与を含む。本明細書で使われる場合、用語「治療上有効な量」および「予防上有効な量」は、確認された疾患または状態を処置、緩和または予防するか、あるいは検出可能な治療効果、予防効果または抑制効果を示すのに十分なピルフェニドンの量をいう。この効果は、当該技術分野で公知の任意の手段により検出することができる。一部の実施形態では、被験者に対して正確な有効量は、被験者の体重、サイズ、および健康状態;状態の特性および程度;投与のために選択された治療薬または治療薬の組み合わせに依存し得る。所定の状況に対して治療上および予防上の有効な量は、臨床医の技量および判断の範囲にある慣用実験により決めることができる。
【0042】
治療上または予防上の有効量のピルフェニドンは、まず、細胞培養アッセイまたは動物モデル(普通、ラット、マウス、ウサギ、イヌ、またはブタ)のいずれかにおいて、評価され得る。動物モデルは、適切な濃度範囲および投与経路の決定にも使用され得る。次いで、この種の情報は、ヒトの場合の有用な用量および投与経路の決定に使用され得る。
【0043】
治療上/予防上の効能および毒性(例えば、ED50(集団の50%において治療上有効な用量)およびLD50(集団の50%に対して致死的な用量))は、細胞培養または実験動物における標準的な医薬品手順により決定され得る。治療作用と毒性作用との間の用量比は治療指数であり、比ED50/LD50と表され得る。大きな治療指数を示す医薬品組成物が好ましい。しかし、狭い治療指数を示す医薬品組成物もまた、本実施形態の範囲内にある。細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトでの用途のためにある範囲の投与量で処方する際に使用され得る。この種の組成物に含まれる投与量は、毒性がほとんどまたは全くないED50を含むある範囲の循環濃度内にあるのが好ましい。投与量は、用いた剤形、患者の感受性、および投与経路に依存してこの範囲内で変動し得る。
【0044】
より詳細に述べると、ピルフェニドンの最高血漿濃度(Cmax)は、投与経路に依存して、約65μM〜約115μM、または約75μM〜約105μM、または約85μM〜約95μM、または約85μM〜約90μMの範囲にあり得る。一般に、1日の摂取量は、体重が約40〜約100kgの範囲の患者(この範囲よりも上または下の患者、特に40kg未満の子供の場合は用量を調節してよい)の場合、単一の、分割した、または連続した用量として、約100mg/日〜約10g/日、または約200mg/日〜約5g/日、または約400mg/日〜約3g/日、または約500mg/日〜約2g/日の範囲にある。一般に、1日の摂取量は、1日あたり体重1kgあたり約25mg〜約200mgの範囲である。一部の実施形態では、ピルフェニドンの1日の最高摂取量は、4g/日である。
【0045】
正確な投与量は、通常、処置を必要とする被験者に関連する諸因子を考慮して実践者によって決定される。投与量および投与は、一般に、十分なレベルのピルフェニドンを提供するように、または所望の効果を維持するように、調節される。考慮され得る因子としては、疾患状態の重症度、被験者の全般的な健康状態、被験者の年齢、体重、性別、食事、投与の時間および頻度、薬剤の組み合わせ、反応感受性、および治療に対する耐性/応答が挙げられる。長時間作用型の医薬品組成物は、個々の処方物の半減期および/またはクリアランス速度に依存して、3〜4日毎、毎週、または2週間に1回投与してよい。
【0046】
本明細書で説明した単位剤形の詳細は、用いた個々の用量、達成されるべき効果、および宿主におけるピルフェニドンに付随した薬力学に依存する。
【0047】
ピルフェニドン療法を受けている患者における有害事象の持続期間または回数の低下は、何らかの適切な様式で証明され得る。望ましくは、食物と共にピルフェニドンを経口投与すると、食物なしでのピルフェニドンの投与と比べて、ピルフェニドン投与後の有害事象を精査することにより証明されるように、有害事象の頻度および/または重症度が低減する結果になる。
【0048】
一部の実施形態では、ピルフェニドンは、医薬品組成物を食物と共に摂取することを患者に助言する処方情報が添付された容器中に患者に提供される。一部の実施形態では、この組成物を食物と共に摂取することが、ピルフェニドン療法に付随した有害事象の持続期間、可能性、および/または重症度を低減することになることを患者にさらに助言する。一部の実施形態では、処方情報は、胃の不調および/または傾眠が起きるならばこの組成物を食物と共に摂取することを患者に助言する。
【0049】
一部の実施形態では、これらの方法は、ピルフェニドン療法に付随する有害事象の危険性があるかまたはそれに罹患している患者を同定し、治療上有効量のピルフェニドンを食物と共に投与することを含み得る。本明細書で使われる場合、用語「の危険性があるかまたはそれに罹患している」は、ピルフェニドン療法に付随する有害事象を、以前に経験したか、または現在経験しているか、または経験する可能性が高い被験者をいう。この種の有害事象の危険性があるかまたはそれに罹患している患者を同定するための方法は、当該技術分野において公知である。
【0050】
ある実施形態では、これらの方法は、本明細書で開示した方法の恩恵を受け得る患者を同定することを含む。一部の実施形態では、本明細書で記載した方法は、ピルフェニドン投与後に、消化器症状、傾眠、および/または頭痛などの有害事象を経験したか、または経験している被験者を同定することを含む。この種の被験者の同定は、例えば、臨床診断、ラボテスト、または同定手段のあらゆる組み合わせを含む、当業者に公知の任意の他の手段により、本明細書で開示した方法から恩恵を受け得る被験者を示す任意の手段により達成することができる。
【0051】
本明細書に記載した方法が、ピルフェニドン療法に付随する有害事象の持続期間および/または重症度を防止、軽減、および/または最小限にすることを含むことが認識される。
【0052】
ある実施形態では、本明細書で開示した方法は、食物なし(絶食)でピルフェニドン療法を受けた患者に比べて、食物(摂食)と共にピルフェニドン療法を受けた患者での吐き気の可能性を低下させる結果になる。好ましくは、摂食した集団の吐き気の可能性は、絶食した集団の吐き気の可能性に比べて、少なくとも約25%低減し、より好ましくは吐き気の可能性が少なくとも約30%低減し、より好ましくは少なくとも約33%低減し、より好ましくは少なくとも約40%低減し、より好ましくは少なくとも約50%低減し、より好ましくは少なくとも約60%低減し、さらにより好ましくは少なくとも約70%低減し、最も好ましくは少なくとも約75%低減する。吐き気の可能性は、任意の再現性のある測定手段により測定され得る。
【0053】
ある実施形態では、本明細書で開示した方法は、食物なし(絶食)でピルフェニドン療法を受けた患者に比べて、食物(摂食)と共にピルフェニドン療法を受けた患者での傾眠お可能性を低下させる結果になる。好ましくは、摂食した集団の傾眠の可能性は、絶食した集団の傾眠の可能性に比べて、少なくとも約25%低減し、より好ましくは傾眠の可能性が少なくとも約30%低減し、より好ましくは少なくとも約33%低減し、より好ましくは少なくとも約40%低減し、より好ましくは少なくとも約50%低減し、より好ましくは少なくとも約60%低減し、さらにより好ましくは少なくとも約70%低減し、最も好ましくは少なくとも約75%低減する。傾眠の可能性は、任意の再現性のある測定手段により測定され得る。
【0054】
ある実施形態では、本明細書で開示した方法は、食物なし(絶食)でピルフェニドン療法を受けた患者に比べて、食物(摂食)と共にピルフェニドン療法を受けた患者での頭痛の可能性を低下させる結果になる。好ましくは、摂食した集団の頭痛の可能性は、絶食した集団の頭痛の可能性に比べて、少なくとも約25%低減し、より好ましくは頭痛の可能性が少なくとも約30%低減し、より好ましくは少なくとも約33%低減し、より好ましくは少なくとも約40%低減し、より好ましくは少なくとも約50%低減し、より好ましくは少なくとも約60%低減し、さらにより好ましくは少なくとも約70%低減し、最も好ましくは少なくとも約75%低減する。頭痛の可能性は、任意の再現性のある測定手段により測定され得る。
【0055】
ある実施形態では、本明細書で開示した方法は、食物なし(絶食)でピルフェニドン療法を受けた患者に比べて、食物(摂食)と共にピルフェニドン療法を受けた患者でのめまいの可能性を低下させる結果になる。好ましくは、摂食した集団のめまいの可能性が、絶食した集団の頭痛の可能性に比べて、少なくとも約25%低減し、より好ましくはめまいを起こす可能性が少なくとも約30%低減し、より好ましくは少なくとも約33%低減し、より好ましくは少なくとも約40%低減し、より好ましくは少なくとも約50%低減し、より好ましくは少なくとも約60%低減し、さらにより好ましくは少なくとも約70%低減し、最も好ましくは少なくとも約75%低減する。めまいの可能性は、任意の再現性のある測定手段により測定され得る。
【0056】
本明細書のどこかで説明したように、ピルフェニドンは、所望の場合、医薬品組成物に処方され得、そして疾患または状態の処置を許容する経路により投与され得る。好ましい投与経路は、経口投与である。投与は、単一用量投与の形態をとってもよく、またはピルフェニドンは、分割された用量で、または連続放出処方物もしくは連続放出投与方法(例えば、ポンプ)で、一定期間にわたり投与されてもよい。しかし、ピルフェニドンは、被験者に投与され、投与量および選択される投与経路は、疾患状態の有効な処置を可能にするように選択されるべきである。
【0057】
医薬品組成物
ピルフェニドンを単独で投与することもできるが、ピルフェニドンを医薬品組成物として処方するのが好適であり得る。それゆえ、さらに別の態様において、本発明の方法において有用な医薬品組成物が提供される。より詳細に説明すると、本明細書で記載した医薬品組成物は、とりわけ、好中球減少症を処置または予防するのに有用であり得る。医薬品組成物は、状態を処置または改善するためにインビトロもしくはインビボまたは両方で被験者に投与され得る任意の組成物である。好ましい実施形態では、医薬品組成物はインビボで投与することができる。哺乳類には、例えば、非限定的な例として、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラクダ、バッファロー、ネコ、イヌ、ラット、マウス、およびヒトなどの任意の哺乳類が含まれる。非常に好ましい被験哺乳類はヒトである。
【0058】
ある実施形態では、医薬品組成物は、個々の投与形態および剤形に依存して、担体、溶媒、安定剤、アジュバント、希釈剤などの医薬品として許容できる賦形剤を用いて処方され得る。医薬品組成物は、一般に、生理的に適合性のpHを達成するように処方するべきであり、処方および投与経路に依存して、約3のpH〜約11のpH、好ましくは約pH3〜約pH7のpHの範囲にあり得る。代わりの実施形態では、pHが約pH5.0〜約pH8の範囲に調節するのが好適であり得る。より詳細に説明すると、医薬品組成物は、医薬品として許容できる1つ以上の賦形剤と共に治療上または予防上の有効量のピルフェニドンを含む。必要に応じて、医薬品組成物は、処置される疾患または状態の処置または予防に有用な第2の活性成分とピルフェニドンとの組み合わせを含み得る。
【0059】
(例えば、非経口投与用または経口投与用の)処方物は、最も代表的には、固体、液体溶液、エマルジョンまたは懸濁液であるが、肺投与用の吸入可能な処方物は一般に液体または粉末であり、粉末処方物が一般に好ましい。好ましい医薬品組成物はまた、投与する前に生理的に適合性の溶媒により再構成される凍結乾燥固体として処方されてもよい。代わりの医薬品組成物は、シロップ、クリーム、軟膏、錠剤、カプセル剤などとして処方されてもよい。
【0060】
用語「医薬品として許容できる賦形剤」は、本明細書で記載した化合物のような薬剤の投与のための賦形剤をいう。この用語は、過度の毒性なしに投与できる任意の医薬品賦形剤をいう。医薬品として許容できる賦形剤には、例えば、医薬品の処方に使われる崩壊剤、結合剤、充填剤、および滑沢剤などの不活性な成分が含まれ得る。
【0061】
医薬品として許容できる賦形剤は、一部は、投与される特定の組成物、ならびにこの組成物を投与するのに使われる特定の方法により決められる。したがって、医薬品組成物の適切な処方物には多種多様なものが存在する(例えば、RemingtonのPharmaceutical Sciencesを参照のこと)。
【0062】
適切な賦形剤は、たんぱく質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリマー性アミノ酸、アミノ酸コポリマー、および不活性ウイルス粒子などの大きく徐々に代謝される高分子を含む担体分子であり得る。他の例示的賦形剤としては、アスコルビン酸などの抗酸化剤;EDTAなどのキレート剤;デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース、ステアリン酸などの炭水化物;油、水、食塩水、グリセロールおよびエタノールなどの液体;湿潤剤または乳化剤;pH緩衝物質などが挙げられる。リポソームも医薬品として許容できる賦形剤の定義に含まれる。
【0063】
崩壊剤としては、例えば、寒天、アルギン、炭酸カルシウム、カルボキシメチルセルロース、セルロース、粘土、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ガム、ケイ酸マグネシウムアルミニウム、メチルセルロース、ポラクリリンカリウム(polacrillin potassium)、アルギン酸ナトリウム、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、および架橋ポリビニルピロリドンヒドロキシプロピルセルロース、でんぷんグリコール酸ナトリウム、およびでんぷんが挙げられる。
【0064】
結合剤としては、例えば、微晶質セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。
【0065】
充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、三塩基性硫酸カルシウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、セルロース、デキストリン誘導体、デキストリン、デキストロース、フラクトース、ラクチトール、ラクトース、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、マルチトール、マルトデキストリン、マルトース、ソルビトール、でんぷん、スクロース、砂糖、およびキシリトールが挙げられる。
【0066】
滑沢剤としては、例えば、寒天、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸エチル、ラウリン酸エチル、グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化植物油、酸化マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ポロキサマー、グリコール、安息香酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルナトリウム、ソルビトール、ステアリン酸、タルク、およびステアリン酸亜鉛が挙げられる。
【0067】
本明細書で記載した医薬品組成物は、意図した投与方法に適した任意の形態に処方され得る。経口での使用を意図した場合、例えば、錠剤、トローチ剤、舐剤、水性または油性の懸濁化剤、非水性液剤、分散性の散剤または顆粒剤(微粉化粒子またはナノ粒子を含む)、エマルジョン、硬カプセル剤および軟カプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤が調製され得る。経口での使用を意図した組成物は、医薬品組成物の製造の分野で公知の任意の方法により調製され得、そしてこの種の組成物は、口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、着香剤、着色剤および保存剤を含む1つ以上の薬剤を含み得る。
【0068】
錠剤とともに使用するのに特に適切な、医薬品として許容できる賦形剤としては、例えば、セルロース、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはナトリウムなどの不活性希釈剤;架橋ポビドン、トウモロコシでんぷん、またはアルギン酸などの崩壊剤;ポビドン、でんぷん、ゼラチンまたはアカシアなどの結合剤;およびステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなどの滑沢剤が挙げられる。
【0069】
錠剤は、被覆されていなくてもよく、または、胃腸管における崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたって持続した作用を提供するためにマイクロカプセル封入を含む公知の技法により被覆してもよい。例えば、グリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートのような時間遅延材料が、単独で、またはワックスと共に使われ得る。医薬品の研究および製造の当業者には、錠剤の処方が、賦形剤およびコーティング物質を含む不活性成分、ならびに高いパーセンテージの充填剤を豊富に添加できることが一般に知られている。しかし、不活性成分の添加は、各錠剤に含まれる活性成分の量を制限し得る。
【0070】
経口で使用するための処方物は、硬ゼラチンカプセル剤として提供されることもあり、その場合、活性成分はセルロース、ラクトース、リン酸カルシウムまたはカオリンなどの不活性固体希釈剤と混合される。経口で使用するための処方物は、軟ゼラチンカプセルとして提供されることもあり、その場合、活性成分は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ピーナッツ油、液体パラフィンまたはオリーブ油などの非水性または油性の媒体と混合される。カプセル剤は、錠剤においてより多く使われる充填剤の代わりに、より多量の結合剤を含むことを可能にする。ある実施形態では、カプセル剤のシェルは硬いゼラチンから作られ得る。シェルは、いろいろな実施形態において、透明または半透明であり得、白色または有色であり得る。ある実施形態では、カプセル剤はサイズ1である。代わりの実施形態では他のサイズが採用され得る。カプセル剤を用いる利点としては、細長い形状をしているために飲み込みやすいこと、ピルフェニドンに付随する不快な味および/または臭いを効果的に隠せ、その結果、患者の満足度が上がり、ピルフェニドン療法投与レジメの患者のコンプライアンスが上がることが挙げられる。
【0071】
別の実施形態では、医薬品組成物は、懸濁剤の製造に適した少なくとも1つの医薬品として許容できる賦形剤と混合したピルフェニドンを含む懸濁剤として処方することができる。
【0072】
さらに別の実施形態では、医薬品組成物は、適切な賦形剤を添加することによる懸濁剤の調製に適した分散可能な粉剤および顆粒剤として処方することができる。
【0073】
懸濁剤に関連して使用するのに適した賦形剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴムなどの懸濁化剤;自然に存在するホスファチド(例えば、レシチン)、脂肪酸とアルキレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、長鎖脂肪族アルコールとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、脂肪酸および無水ヘキシトールから誘導された部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)などの分散剤または湿潤剤;カルボマー、蜜蝋、固形パラフィンまたはセチルアルコールなどの増粘剤が挙げられる。この懸濁剤はまた、酢酸、p−ヒドロキシ−安息香酸メチルおよび/またはp−ヒドロキシ−安息香酸n−プロピルなどの1つ以上の保存剤;1つ以上の着色剤;1つ以上の着香剤;およびスクロースまたはサッカリンなどの1つ以上の甘味剤もまた含み得る。
【0074】
医薬品組成物は、水中油型エマルジョンの形態であってもよい。油相は、オリーブ油またはラッカセイ油などの植物油;液体パラフィンなどの鉱油;あるいはこれらの混合物でよい。適切な乳化剤としては、アカシアゴムおよびトラガカントゴムなどの自然に存在するゴム;大豆レシチン、脂肪酸から誘導されたエステルまたは部分エステルなどの自然に存在するホスファチド;ソルビタン・モノオレエートなどのヘキシトール無水物;およびポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどの、エチレンオキシドとこれらの部分エステルとの縮合生成物が挙げられる。エマルジョンは、甘味剤および着香剤を含有してもよい。シロップ剤およびエリキシル剤は、グリセロール、ソルビトールまたはスクロースなどの甘味剤を用いて処方され得る。この種の処方物は、粘滑薬、保存剤、着香剤または着色剤も含むことができる。
【0075】
さらに、医薬品組成物は、無菌注射用水性エマルジョンまたは油性懸濁剤などの無菌注射用調製物の形態であってもよい。このエマルジョンまたは懸濁剤は、上で述べた適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を用いて公知の技術により処方することができる。無菌注射用調製物は、1,2−プロパン−ジオール中の溶液などの、非毒性で、非経口で許容できる希釈剤または溶媒中の無菌注射液剤または懸濁剤であってもよい。
【0076】
無菌注射用調製物は、凍結乾燥した粉末としても調製され得る。用いられ得る許容できるベヒクルおよび溶媒は、水、リンゲル溶液、および等張塩化ナトリウム溶液である。さらに、無菌固定油は、溶媒または懸濁媒体として使われ得る。この目的のために、合成モノグリセリドまたは合成ジグリセリドを含む任意の無刺激の固定油が使われ得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射可能物を調製するときに同様に使用され得る。
【0077】
医薬品組成物の安定な水溶性剤形を得るために、コハク酸、またはより好ましくはクエン酸の0.3M溶液などの有機酸または無機酸の水溶液にピルフェニドンを溶解してもよい。ピルフェニドンは、適切な共溶媒または共溶媒の混合物に溶解することができる。適切な共溶媒の例としては、全容積の約0〜約60%の濃度範囲にある、アルコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール300、ポリソルベート80、グリセリンなどが挙げられる。ある実施形態では、ピルフェニドンはDMSOに溶解され、水で希釈される。
【0078】
医薬品組成物は、水または等張性生理食塩水またはデキストロース溶液などの適切な水性ベヒクル中のピルフェニドン溶液の形態であってもよい。例えば、エステル化、グリコシル化、PEG化などによって、ピルフェニドンを送達にさらに適したもの(例えば、溶解度、生理活性、嗜好性の向上、有害な反応の減少、など)とする化学部分または生化学部分でのピルフェニドンで置換するかまたはこれらをピルフェニドンに付加することにより改変された化合物も、ピルフェニドンの定義に含まれる。
【0079】
好ましい実施形態では、ピルフェニドンは、低溶解性化合物に適した脂質ベースの処方物として経口投与用に処方され得る。脂質ベースの処方物は、一般に、ピルフェニドンの経口生物学的利用率を高める。
【0080】
それゆえ、好ましい医薬品組成物は、中鎖脂肪酸またはこれらのプロピレングリコールエステル(例えば、カプリル酸脂肪酸およびカプリン酸脂肪酸(capric fatty acid)などの食用脂肪酸のプロピレングリコールエステル)からなる群から選択される、少なくとも1つの医薬品として許容できる賦形剤およびポリオキシ40水素化ヒマシ油などの医薬品として許容できる界面活性剤と共に、治療上または予防上の有効量のピルフェニドンを含む。
【0081】
代わりの好ましい実施形態では、シクロデキストリンが水溶解度向上剤として添加され得る。好ましいシクロデキストリンとしては、α−、β−、およびγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル誘導体、ヒドロキシエチル誘導体、グルコシル誘導体、マルトシル誘導体、およびマルトトリオシル誘導体が挙げられる。特に好ましいシクロデキストリン溶解度向上剤は、ヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン(BPBC)であり、これはピルフェニドンの水溶解度特性をさらに改善するために上記組成物のいずれかに添加され得る。ある実施形態では、この組成物は、約0.1%〜約20%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、より好ましくは約1%〜約15%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリン、およびより一層好ましくは約2.5%〜約10%のヒドロキシプロピル−o−シクロデキストリンを含む。用いた溶解度向上剤の量は、組成物中のピルフェニドンの量に依存する。
【0082】
医薬品組成物は、意図した治療効果を達成するのに十分な総量のピルフェニドンを含むのが好ましい。単位剤形を作るために担体物質と併用され得るピルフェニドンの総量は、処置される宿主および特定の投与形態に依存して変わる。これらの組成物は、1日あたり体重1kgあたり0.01〜100mgのピルフェニドンという一日摂取量が、この組成物を受ける被験者に投与されるように処方されるのが好ましい。
【0083】
ある実施形態では、組成物はカプセル剤の形で提供され、カプセル剤の2〜10重量%は崩壊剤であり、2〜30重量%は結合剤であり、2〜30重量%は充填剤であり、0.3〜0.8重量%は滑沢剤である。崩壊剤、結合剤、充填剤、および滑沢剤として多数の物質が適切に含まれ得る。1つの例は、滑沢剤としてステアリン酸マグネシウムを、結合剤として微晶質セルロースを、そして崩壊剤としてクロスカルメロースを使用することである。ある実施形態では、カプセル剤処方物はさらにポビドンを含む。ポビドンはカプセル剤の1〜4重量%を占め得る。例えば、本発明のある実施形態では、組成物は、82.15%のピルフェニドン、8.15%のクロスカルメロースナトリウム、7.38%の微晶質セルロース、1.85%のポビドン(USP,EP)および0.46%のステアリン酸マグネシウムを含むカプセル剤として処方されている。
【0084】
説明、具体例およびデータは、代表的な実施形態を示しているが、例示のために示しており、本開示の種々の実施形態を限定する意図がないことが理解されるべきである。何らかの理由で本明細書で引用したすべての参考文献は、引用により全体が具体的に本明細書に援用されている。本開示内の種々の変更および改変は、本明細書に含まれる説明およびデータから当業者には明らかになり、したがって、本開示の種々の実施形態の一部と考えられる。個々の実施形態が、任意のこの種の代替形態を具体的に包含してもよく、排除してもよい。
【実施例】
【0085】
実施例1
単一用量の研究
ピルフェニドンの使用に付随する有害事象に対する食物、制酸剤、および制酸剤と共に摂取した食物の作用を評価するために研究を設計した。治験は、各処置期間について単一用量を用い、研究処置の間に2日の洗い流し期間をとり、ランダムに選ばれたオープンラベルの4治療クロスオーバーとして行われた。18と30との間(18と30を含む)の体格指数を有する50歳から79歳までの間の16人の健常な成人を登録し、4つの処置群をすべて完了させた。処置群は次の通りであった。
【0086】
A)ピルフェニドンのみ(絶食):
B)1用量の制酸剤(20mLのMylanta(登録商標)Maximum Strength Liquid)の後1分以内にピルフェニドン(絶食+制酸剤):
C)標準的な食事の完了の5分後にピルフェニドン(摂食)、および
D)標準的な食事の完了の5分後にピルフェニドン、次いで、1分以内に、1用量の制酸剤(摂食+制酸剤)。
【0087】
すべての被験者は、最初の調査研究投薬を受けるよりも前の日に臨床評価のためにクリニックに入院し、13日間クリニック内に留まった。少なくとも10時間、一晩絶食した後、被験者は上記4つの処置コースの1つにランダムに入れられた。少なくとも10時間の一晩の絶食後に、ピルフェニドンの各用量(3×267mgのカプセル)を、1、4、7、および10日目の朝に240mLの室温の水と共に経口投与した。処置間の洗い流し期間は2日間であった。標準的な食事は、卵焼き2個、ベーコン2切れ、トースト2枚、バター2塊、ハッシュブラウンポテト(4オンス)、および全乳(8オンス)からなっていた。
【0088】
各研究日に、患者について有害事象を次のようにして調べた。研究薬剤の最初の用量を投与する前に、現場の職員は、各被験者の病状の発生および特性を記録した。治験中、現場の職員は、状態のあらゆる変化またはあらゆる有害事象の発生および特性を再度記録した。有害事象の重症度を、改訂通常毒性基準に基づいて格付けし、有害事象と研究薬剤との関係を決定した。
【0089】
食物なしでピルフェニドン療法を受けた被験者の内、9名(即ち、56.3%)は有害事象を経験した。一用量の制酸剤の後1分以内にピルフェニドン療法を受けた被験者の内、9名(56.3%)は有害事象を経験した。これらに比べて、食物と共にピルフェニドン療法を受けた被験者の内、5名(31.3%)は有害事象を経験し、食物および制酸剤と共にピルフェニドン療法を受けた被験者の内、4名(25%)は有害事象を経験した。全部で12名の被験者(75%)が、少なくとも1回有害事象を経験した。これら12名の被験者の内8名(75%)は、有害事象が軽症であった。最も一般的な有害事象は、吐き気(16名中7名、即ち44%)、めまい(16名中6名、即ち38%)、および傾眠(16名中4名、即ち25%)であった。
【0090】
吐き気を報告した7名の被験者の内、16名中5名(31%)は絶食であったのに比べて、摂食した被験者は16名中わずか2名(13%)であった。めまいを報告した5名の被験者の内、16名中4名(25%)は絶食であったのに対し、16名中1名(6%)は摂食であった。傾眠を報告した3名の被験者の内、16名中2名(13%)は絶食であったのに対し、16名中1名(6%)は摂食であった。頭痛を報告した3名の被験者の内、16名中2名(13%)は絶食であったのに対し、16名中1名(6%)は摂食であった。摂食した患者および絶食した患者の薬物動態学的データは、図1Aおよび図1Bに要約している。
【0091】
実施例2
複数用量の研究
第2の研究を、ピルフェニドンの一日の用量を複数回上げる場合の有害事象の発生率を調べるために設計した。治験を、用量を上げる間に洗い流し期間のない、オープンラベルの、段階的に用量を上げる研究として行った。18と30との間(18と30とを含む)の体格指数を有する45歳と79歳との間(45歳と79歳を含む)までの間の25名の健常な成人を登録した。22名が処置を完了した。各志願者は、次のように3つの等しい用量に分割した801mg/日〜4005mg/日のピルフェニドンを受けた。
【0092】
1〜2日目:1日3回(TID)1カプセル(1日の総用量(TDD)801mg)
3日目:朝(8時頃)1カプセル(TDD 267mg)
4〜5日目:TID 2カプセル(TDD 1602mg)
6日目:朝に2カプセル(TDD 534mg)
7〜8日目:TID 3カプセル(TDD 2403mg)
9日目:朝に3カプセル(TDD 801mg)
10〜11日目:TID 4カプセル(TDD 3204mg)
12日目:朝に4カプセル(TDD 1068mg)
13〜14日目:TID 5カプセル(TDD 4005mg)
15日目:朝に5カプセル(TDD 1335mg)。
【0093】
すべての被験者は、研究薬剤を最初に投与するよりも前の日に臨床評価するためにクリニックに入院し、17日間留まった。各被験者は、有害事象または治験医師の臨床判断により処置の継続を排除しない限り、すべての用量レベルの研究薬剤を受けた。すべての用量は、240mLの室温の水および食物(グレープフルーツのジュースを除く)と共に摂取した。TIDの投与時間は、8時頃、12時頃、および18時頃であった。
【0094】
全ての被験者の内23名(92%)は、少なくとも1回の有害事象があった。これら23名の被験者の内22名(96%)では、有害事象は軽症であった。最も一般的な有害事象は、吐き気(25名中9名、即ち36%)、頭痛(25名中7名、即ち28%)、および傾眠(25名中8名、即ち32%)であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本願明細書に記載された発明。

【図1】
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【公開番号】特開2012−229275(P2012−229275A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−187515(P2012−187515)
【出願日】平成24年8月28日(2012.8.28)
【分割の表示】特願2008−543435(P2008−543435)の分割
【原出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(502191619)インターミューン, インコーポレイテッド (25)
【Fターム(参考)】