説明

ピロー包装用原反及びピロー包装体

【課題】正面部、背面部及びサイドガセット部を有するピロー包装体であって、外観を良好にするとともに変形しにくいようにしたピロー包装体及びこのピロー包装体を製袋するためのピロー包装用原反を提供する。
【解決手段】本発明のピロー包装用原反は、正面部と背面部とサイドガセット部とを備えたピロー包装体を製袋するための帯状に連続しているシート10にテープ15が連続して貼着されている。このテープ15のエッジは、前記正面部とサイドガセット部及び/又は背面部とサイドガセット部との境界をなすいずれか1本ないし全4本のシートの折曲線部に一致して貼着されている。また、本発明のピロー包装体は、前記ピロー包装用原反の両側部が重ね合わされてセンターシールされ、幅方向にエンドシールした封止部が設けられ、前記正面部とサイドガセット部との境界部及び/又は背面部とサイドガセット部との境界部にエッジが重なり合うテープが貼着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や日用品などの被包装物をピロー包装によって包装するためのピロー包装用原反及びこのピロー包装用原反を製袋して被包装物を包装したピロー包装体に関し、詳しくは、正面部、背面部及びサイドガセット部を有するピロー包装体及びこのピロー包装体を製袋するためのピロー包装用原反に関する。
【背景技術】
【0002】
各種食品や日用品などの被包装物をピロー包装によって包装したピロー包装体が各種提供されている。ピロー包装体は、ピロー包装機によって、ピロー包装用原反(以下、「原反」という。)が筒状に成形されながら移送され、この筒状の原反内に被包装物が供給され、原反の両側部が重ね合わされてセンターシールされ、原反が幅方向にエンドシールされて切断されることによって製袋される。
【0003】
そして、ピロー包装体の少なくとも正面側の両側部に柱状部を設け、ピロー包装体がシャープな外観と変形しにくい剛性とを有するように製袋するためのピロー包装機用巻取原反が特許文献1に開示されている。このピロー包装機用巻取原反は、巻取原反を構成するシートに少なくとも一対以上の接合柱状部を帯状に連続して設けたことを特徴としている。
【0004】
また、正面部と背面部との間にガセット及び折り込まれていない側面部を設けたピロー包装体を製袋するためのピロー包装機が特許文献2に開示されている。このピロー包装機は、被包装物の厚さが異なっていても、ガセット近傍のフィルムに皺や弛みなどが生じないようにするため、シール部近傍の筒状フィルムの両側面を内側へ押し込むためのガセット爪と、このガセット爪の進入距離を選択的に切り替える切替手段とを備えている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−8512号公報
【特許文献2】特開2006−168795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に開示されたピロー包装機によって被包装物を包装したピロー包装体は、正面部、背面部、ガセット及び側面部の各境界部が曲面になっており、シャープな外観を呈していないだけでなく、剛性を有していないことから、変形しやすく、被包装物を保護することができないことがある。
【0007】
そこで、本発明は、正面部、背面部及びサイドガセット部を有するピロー包装体であって、外観を良好にするとともに変形しにくいようにしたピロー包装体及びこのピロー包装体を製袋するためのピロー包装用原反を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るピロー包装用原反は、正面部と背面部とサイドガセット部とを備えたピロー包装体を製袋するための帯状に連続しているシートにテープが連続して貼着されているピロー包装用原反であって、前記正面部とサイドガセット部及び/又は背面部とサイドガセット部との境界をなすいずれか1本ないし全4本の折曲線部にテープのエッジが一致して貼着されていることを特徴としている。
【0009】
このピロー包装用原反によれば、帯状に連続しているシートにテープが連続して貼着されるが、このテープのエッジが製袋されるピロー包装体の正面部とサイドガセット部及び/又は背面部とサイドガセット部との境界をなすいずれか1本ないし全4本のシートの折曲線部に一致して貼着されていることにより、外観がシャープになるとともに、剛性を有するものとなって変形しにくく、包装形態を安定させたピロー包装体を製袋することができる。
【0010】
すなわち、製袋されたピロー包装体は、正面部とサイドガセット部との境界をなす2本の折曲線部に2本のテープのエッジが一致して貼着されていることにより、被包装物を正面部側から保護することができる。また、製袋されたピロー包装体が背面部とサイドガセット部との境界をなす2本の折曲線部に2本のテープのエッジが一致して貼着されていることにより、被包装物を背面部側から保護することができる。さらに、正面部とサイドガセット部との境界及び背面部とサイドガセット部との境界をなす4本の折曲線部に4本のテープのエッジが一致して貼着されていることにより、被包装物を四方から保護することができる。また、テープは、任意の折曲線部の1本又は3本でいずれかの折曲線部にエッジが一致して貼着されてもよい。なお、このピロー包装用原反は、帯状のシートにテープを貼着したものであるため、一般的に普及しているピロー包装機によってピロー包装体を製袋することができる。
【0011】
また、前記本発明に係るピロー包装用原反において、前記テープは、シートの表面側に貼着されていることが好ましい。
【0012】
このピロー包装用原反によれば、テープがシートの表面に貼着されることにより、製袋されたピロー包装体の外面にテープが貼着されることになり、被包装物が例えば食品であっても衛生面を考慮することなく、テープを紙製としたり、任意に着色したりすることができる。
【0013】
また、前記本発明に係るピロー包装用原反において、前記シートとテープは、ともにヒートシール性を有し、ヒートシールによって貼着されていることが好ましい。
【0014】
このピロー包装用原反によれば、シートとテープがともにヒートシール性を有していることにより、テープをシートにヒートシールによって貼着して、生産性を向上させることができる。
【0015】
また、前記本発明に係るピロー包装用原反において、前記シートには、カットテープその他の切断手段が長さ方向に貼着されていてもよい。
【0016】
このピロー包装用原反によれば、切断手段によって製袋されたピロー包装体を容易に開封することができる。
【0017】
また、前記本発明に係るピロー包装用原反において、前記シートの両側部が接合され、かつ、サイドガセット部となるサイドガセット部予定部のセンターラインが内側に折り込まれることにより、正面部となる正面部予定部と背面部となる背面部予定部との両側部間に折襞状のサイドガセット部予定部が重ね合わされるとともに、正面部予定部と背面部予定部の両中間部同士が重ね合わされていてもよい。
【0018】
このピロー包装用原反によれば、シートの両側部が重ね合わされ、かつ、サイドガセット部となるサイドガセット部予定部のセンターラインを内側に折り込まれることによって、扁平な筒状のピロー包装用原反が成形される。そして、正面部と折襞状のサイドガセット部との境界部となるシートの折曲線部にテープのエッジが一致して貼着されることにより、ピロー包装用原反の両側部が剛性を有するものとなり、変形したり損傷したりしにくいようにすることができる。なお、背面部予定部は、帯状のシートの両側部に設けられるため、背面部予定部のセンター部は、重なり合うだけで貼着されていない。
【0019】
また、本発明に係るピロー包装体は、前記いずれかのピロー包装用原反によって被包装物を包装するピロー包装体であって、前記ピロー包装用原反が被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合してセンターシールされ、筒状のピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられていることを特徴としている。
【0020】
このピロー包装体によれば、ピロー包装用原反が被包装物を筒状に包み、シートの両側部が接合してセンターシールされ、筒状のシートが幅方向にエンドシールかつ切断されて両端に封止部が設けられていることにより、背面部が陳列棚やテーブルなどに直(じか)置きされ、正面部が上向きとされるピロー包装体を製袋することができる。
【0021】
また、前記と異なる本発明に係るピロー包装体は、前記本発明に係るいずれかのピロー包装用原反によって被包装物を包装するピロー包装体であって、前記ピロー包装用原反が一対のサイドガセット部を有するように被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合されてセンターシールされ、ピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられ、一方の封止部から前記サイドガセット部の幅の1/2の位置を起点として前記正面部と背面部とをサイドガセット部の幅で離間させ、前記一方の封止部と前記正面部との間及び前記一方の封止部と前記背面部との間に底面部が設けられ、前記一方の封止部が底面部の中心に位置していることを特徴とする。
【0022】
このピロー包装体によれば、ピロー包装用原反が一対のサイドガセット部を有するように被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合されてセンターシールされ、ピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられる。そして、一方の封止部から前記サイドガセット部の幅の1/2の位置を起点として前記正面部と背面部とをサイドガセット部の幅で離間させることにより、底面部、正面部、背面部、一対のサイドガセット部が設けられる。そして、一方の封止部が底面部の中心に位置し、この底面部が陳列棚やテーブルなどに置かれて自立する。
【0023】
また、前記と異なる本発明に係るピロー包装体は、前記本発明に係るいずれかのピロー包装用原反によって被包装物を包装するピロー包装体であって、前記ピロー包装用原反が一対のサイドガセット部を有するように被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合されてセンターシールされ、ピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられ、一方の封止部から前記サイドガセット部の幅以上の位置を起点として前記正面部と背面部とをサイドガセット部の幅で離間させ、前記一方の封止部と前記正面部との間及び前記一方の封止部と前記背面部との間にカバー部及び底面部が設けられ、両カバー部が重ね合わされて一方の底面部から前記背面部又は正面部に回りこみ、前記封止部が背面部又は正面部に位置していることを特徴とする。
【0024】
このピロー包装体によれば、ピロー包装用原反が一対のサイドガセット部を有するように被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合されてセンターシールされ、ピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられる。そして、一方の封止部から前記サイドガセット部の幅以上の位置を起点として前記正面部と背面部とをサイドガセット部の幅で離間させることにより、底面部、正面部、背面部、封止部が設けられる。そして、一方の封止部が背面部又は正面部に位置し、一方の封止部と底面部との間に設けられたカバー部が底面部の半分と重なる。このピロー包装体は、カバー部及びカバー部の重なっていない半分の底面部が平坦になって陳列棚やテーブルなどに置かれて安定した姿勢に自立する。なお、封止部と背面部又は正面部とが重なる部位は、シールされ、又はラベルなどで背面部又は正面部に固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ピロー包装用原反にテープが貼着され、このピロー包装用原反によって製袋されるピロー包装体が正面部とサイドガセット部及び/又は背面部とサイドガセット部との境界をなすいずれか1本ないし全4本の折曲線部にテープのエッジが一致して貼着されていることにより、シャープな外観を呈し、斬新性が発揮されるとともに、この境界部が剛性を有するものとなり、外力を受けても変形しにくく、被包装物を十分に保護し、包装形態の安定性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
〔実施形態1〕
本発明に係るピロー包装用原反及びピロー包装体の第1の実施形態について、図1ないし図3を参照しながら説明する。第1の実施形態のピロー包装用原反は、図1(a)(b)に示すように、帯状に連続しているシート10に2本のテープ15,15が連続して貼着されている。このピロー包装用原反から図2又は図3に示すような正面部21と背面部22と一対のサイドガセット部23,23とを備えたピロー包装体が製袋されるが、正面部21とサイドガセット部23との境界をなすシート10の折曲線部に各テープ15,15のエッジが一致して貼着される。
【0027】
シート10とテープ15とは、ポリプロピレンなどヒートシール性を有しているフィルムであるとヒートシールによって貼着され、あるいは、ヒートシール性を有していない紙や不織布などであると接着剤によって貼着される。なお、シート10として、ガスバリアフィルムに印刷し、印刷面側にヒートシールフィルムをラミネートした複合材を使用してもよい(後記の実施形態も同じ)。
【0028】
また、シート10の長さ方向には、カットテープや糸などの切断手段16が貼着されていてもよい。切断手段16は、直線状の1本、平行な2本、サインウェーブのような形状のものが一定の間隔で交叉する2本など被包装物Aに応じて選択することができる。なお、切断手段16の両端部又は一端部の両側には好ましくはノッチ(図示せず)が入れられる。
【0029】
そして、このピロー包装用原反は、一般的に普及しているよこピロー包装機又はたてピロー包装機によって被包装物Aを包装することにより、図2又は図3に示すような第1の実施形態のピロー包装体に製袋される。すなわち、この第1の実施形態のピロー包装体は、ピロー包装用原反が筒状とされ、シート10の両側部10a,10aが接合されてセンターシールされることにより、正面部21と背面部22とサイドガセット部23,23とを備えたものとされる。このセンターシールは、図示したような合掌貼りや、図示しないいわゆる封筒貼りとされ、背面部22のセンターラインに配置される。また、筒状のピロー包装用原反は、幅方向にエンドシールかつ切断されて、両端に封止部24,24を設けた第1の実施形態のピロー包装体が製袋される。
【0030】
このピロー包装体は、2本のテープ15,15のエッジが図2(a)(b)に示すように正面部21の各折曲線部に一致している。この場合は、2本のテープ15,15の外側のエッジの間隔がピロー包装体の正面部21の幅と一致している。また、このピロー包装体は、2本のテープ15,15のエッジが図3に示すようにサイドガセット部23,23の正面部21に隣接する折曲線部に一致してもよい。この場合は、2本のテープ15,15の内側のエッジの間隔がピロー包装体の正面部21の幅と一致している。
【0031】
また、いずれの場合であっても、図示しないが、テープ15は、見えないようにするため、シート10の裏面側に貼着されることにより、ピロー包装体の内面に貼着してもよい。ただし、図示したように、テープ15は、シート10の表面側に貼着されることにより、ピロー包装体の外面に貼着されることになり、被包装物Aが食品であっても、衛生面を考慮しなくてもよい紙製や不織布製などのテープ15や任意に着色したテープ15を使用することができる。
【0032】
この第1の実施形態のピロー包装体は、背面部22が陳列棚やテーブルなどに直(じか)置きされ、正面部21が上向になる。そして、各テープ15,15の一方のエッジが正面部21とサイドガセット部23,23との折曲線部に一致していることにより、正面部21とサイドガセット部23,23との境界線がシャープな外観を呈し、また、剛性を有したものとなって、包装形態の安定性が向上したものとされる。
【0033】
〔実施形態2〕
次に、本発明に係るピロー包装用原反及びピロー包装体の第2の実施形態について、図4ないし図6を参照しながら説明する。第2の実施形態のピロー包装用原反は、図4(a)(b)に示すように、帯状に連続しているシート10に4本のテープ15,15…が連続して貼着されている。このピロー包装用原反から図5又は図6に示すような正面部21と背面部22と一対のサイドガセット部23,23とを備えたピロー包装体が製袋されるが、正面部21とサイドガセット部23との折曲線部、及び背面部22とサイドガセット部23との境界をなすシート10の折曲線部に各テープ15,15…のエッジが一致するように貼着される。なお、シート10とテープ15の材質は、第1の実施形態と同じであるため、説明を省略する。
【0034】
このピロー包装用原反から製袋される第2の実施形態のピロー包装体は、図5又は図6に示すようにピロー包装用原反が筒状とされ、このシート10の両側部10a,10aが接合してセンターシールされ、正面部21と背面部22とサイドガセット部23,23とを備えたものとされる。センターシールは、いわゆる合掌貼り、あるいは図示しないいわゆる封筒貼りとされ、背面部22のセンターラインに配置される。また、筒状のピロー包装用原反は、図2(a)に示すように、幅方向にエンドシールかつ切断されて、両端に封止部24,24を設けたピロー包装体が製袋される。
【0035】
このピロー包装体は、図5に示すように、テープ15,15…が正面部21又は背面部22の各折曲線部に貼着されている。すなわち、各テープ15のエッジが正面部21とサイドガセット部23との境界をなす折曲線部及び背面部22とサイドガセット部23との境界をなす折曲線部に一致している。この場合、帯状のシート10に貼着される4本のテープ15,15…の内、内側の2本のテープ15,15の外側のエッジの間隔が正面部21の幅と一致し、内側のテープ15の外側のエッジと外側のテープ15の内側のエッジとの間隔がサイドガセット部23の幅と一致している。
【0036】
また、ピロー包装体は、図6に示すように、4本のテープ15,15…がサイドガセット部23,23の各側部に貼着されてもよい。すなわち、各テープ15のエッジがサイドガセット部23と正面部21との境界をなす折曲線部及びサイドガセット部23と背面部22との境界をなす折曲線部に一致している。この場合、帯状のシート10に貼着される4本のテープ15,15…の内、内側の2本のテープ15,15の内側のエッジの間隔が正面部21の幅と一致し、内側のテープ15の内側のエッジと外側のテープ15の外側のエッジとの間隔がサイドガセット部23の幅と一致している。なお、4本のテープ15,15…は、図示しないが、第1の実施形態で説明したように、シート10の内面に貼着してもよい。
【0037】
この第2の実施形態のピロー包装体も、背面部22が陳列棚やテーブルなどに直置きされ、正面部21が上向きになる。そして、2本のテープ15,15の一方のエッジが正面部21又はサイドガセット部23,23の折曲線部に一致していることにより、正面部21又は各サイドガセット部23,23の境界線がシャープな外観を呈し、また、他の2本のテープ15,15のエッジが背面部22又は各サイドガセット部23,23の折曲線部に一致していることにより、背面部22側の境界線も剛性を有するものとなって、包装形態の安定性がより一層向上したものとされている。
【0038】
〔実施形態3〕
次に、本発明に係るピロー包装用原反及びピロー包装体の第3の実施形態について図7及び図8を参照しながら説明する。第3の実施形態のピロー包装用原反は、図7(a)(b)に示すように、第2の実施形態で説明したピロー包装用原反を扁平な筒状とするものである。すなわち、このピロー包装用原反は、4本のテープ15,15…を連続して貼着した帯状に連続しているシート10の両側部10a,10aが接合している。
【0039】
このピロー包装用原反には、正面部21となる正面部予定部11、背面部22となる背面部予定部12及びサイドガセット部23,23となる折襞状のサイドガセット部予定部13,13が設けられている。そして、サイドガセット部予定部13,13のセンターラインが内側に折り込まれ、表面同士が重なり合い、また、正面部予定部11と背面部予定部12の各裏面同士がサイドガセット部予定部13,13の部分以外の中間部で重なり合っている。なお、第3の実施形態のピロー包装用原反にも図示しないが切断手段を貼着してもよい。
【0040】
そして、このピロー包装用原反は、シート10に貼着された各テープ15のエッジが、正面部予定部11とサイドガセット部予定部13,13との境界をなすシート10の折曲線部と、背面部予定部12とサイドガセット部予定部13,13との境界をなすシート10の折曲線部に一致して貼着される。なお、このテープ15は、図示したように正面部予定部11と背面部予定部12とに貼着してもよいし、サイドガセット部予定部13,13に貼着してもよい。
【0041】
また、テープ15は、第1の実施形態において説明したように、正面部予定部11及び背面部予定部12又はサイドガセット部予定部13,13の表面に貼着することが好ましいが、シート10の両側部10a,10aをセンターシールする前であれば、裏面にテープ15を貼着することができる。
【0042】
いずれにしても、第3の実施形態のピロー包装用原反は、扁平な各筒状に折り込まれた上で、ロール状に巻回されてストックされる。この筒状のピロー包装用原反は、両側縁にテープ15,15…が貼着されているため、型崩れしたり、損傷したりしにくいようにされている。
【0043】
そして、ピロー包装用原反は、巻回された状態から繰り出され、幅方向にエンドシールかつ切断されて封止部24aが設けられ、サイドガセット部23,23の幅の1/2の位置を起点として正面部予定部11と背面部予定部12とが離間し、折り込まれた折襞状のサイドガセット部予定部13,13が平坦な状態とされて角筒状とされる。ただし、封止部24aに隣接しているサイドガセット部予定部13,13の端部は折り込まれたままとされている。そして、サイドガセット部23,23の幅の1/2の位置を起点として正面部予定部11と背面部予定部12とが離間することにより、封止部24aと正面部予定部11との間及び封止部24aと背面部予定部12との間に底面部25が設けられる。
【0044】
このような角筒状のピロー包装用原反内に被包装物Aが入れられ、ピロー包装用原反が被包装物Aを包んだ状態で、シート10の両側部10a,10aが重ね合わされてセンターシールされ、そして、幅方向にエンドシールかつ切断され、他方の封止部24bが設けられると、図8(a)(b)に示すような正面部21、背面部22及び一対のサイドガセット部23,23を設けたピロー包装体が製袋される。このピロー包装体は、一方の封止部24aが底面部25の中心に位置している。また、他方の封止部24bは、上端部とされる。この上端部は、図示したように上向きとされるほか、図示しないが、背面部22の方に折り返してもよい。
【0045】
この第3の実施形態のピロー包装体は、底面部25が陳列棚やテーブルなどに置かれることによって自立した状態とされる。そして、正面部21と背面部22と底面部25の両側縁にテープ15,15が貼着されていることにより、このテープ15,15が柱のようになり、この第3のピロー包装体も各側縁がシャープな外観を呈し、また、剛性を有していることから、包装形態が安定したものとされている。
【0046】
〔実施形態4〕
次に、本発明に係るピロー包装用原反及びピロー包装体の第4の実施形態について図9及び図10を参照しながら説明する。第4の実施形態のピロー包装用原反は、図9(a)(b)に示すように、第3の実施形態と同様、第2の実施形態で説明したピロー包装用原反を扁平な筒状とするものである。すなわち、このピロー包装用原反は、4本のテープ15,15…を連続して貼着した帯状に連続しているシート10の両側部10a,10aが接合している。
【0047】
このピロー包装用原反には、正面部21となる正面部予定部11、背面部22となる背面部予定部12及びサイドガセット部23,23となる折襞状のサイドガセット部予定部13,13が設けられている。そして、サイドガセット部予定部13,13のセンターラインが内側に折り込まれ、表面同士が重なり合い、また、正面部予定部11と背面部予定部12の各裏面同士がサイドガセット部予定部13,13の部分以外の中間部で重なり合っている。なお、第4の実施形態のピロー包装用原反にも図示しないが切断手段を貼着してもよい。
【0048】
そして、このピロー包装用原反は、第3の実施形態と同様、シート10に貼着された各テープ15のエッジは、正面部予定部11とサイドガセット部予定部13,13との境界をなすシート10の折曲線部と、背面部予定部12とサイドガセット部予定部13,13との境界をなすシート10の貼着とに一致して貼着されている。なお、このテープ15は、図示したように正面部予定部11と背面部予定部12とに貼着してもよいし、サイドガセット部予定部13,13に貼着してもよい。
【0049】
そして、第4の実施形態のピロー包装用原反は、第3の実施形態と異なり、シート10とテープ15とに所定の間隔で幅方向に折り目17が形成されている。ただし、折り目17は必ずしも形成しなくてもよい。そして、この第4の実施形態のピロー包装用原反は、第3の実施形態と同様、扁平な各筒状に折り込まれた上で、ロール状に巻回されてストックされる。この筒状のピロー包装用原反は、両側縁にテープ15,15…が貼着されているため、型崩れしたり、損傷したりしにくいようにされている。
【0050】
そして、ピロー包装用原反は、巻回された状態から繰り出され、幅方向にエンドシールかつ切断されて封止部24aが設けられ、サイドガセット部23,23の幅以上の位置を起点として正面部予定部11と背面部予定部12とが離間し、折り込まれた折襞状のサイドガセット部予定部13,13が平坦な状態とされて角筒状とされる。ただし、封止部24aに隣接しているサイドガセット部予定部13,13の端部は折り込まれたままとされている。そして、サイドガセット部23,23の幅以上の位置を起点として正面部予定部11と背面部予定部12とが離間することにより、封止部24aと正面部予定部11との間及び封止部24aと背面部予定部12との間にカバー部26及び底面部25が設けられる。
【0051】
このような角筒状のピロー包装用原反内に被包装物Aが入れられ、ピロー包装用原反が被包装物Aを包んだ状態で、シート10の両側部10a,10aが重ね合わされてセンターシールされ、そして、幅方向にエンドシールかつ切断され、他方の封止部24bが設けられると、図10(a)(b)に示すような正面部21、背面部22及び一対のサイドガセット部23,23を設けたピロー包装体が製袋される。
【0052】
このピロー包装体は、シート10に形成された折り目17、すなわち、背面部22側の底面部25とカバー部26との境界でシート10が折り返され、カバー部26が底面部25の半分と重なり合い、一方の封止部24aが図示したように背面部22又は図示しないが正面部21に位置しシールされ、あるいはラベル(図示せず)などによって固定される。なお、シート10とテープ15が折り目17で折り曲げられることにより、カバー部26が立ち上がりにくいようにすることができる。また、他方の封止部24bは、上端部とされる。この上端部は、図示したように上向きとされるほか、図示しないが、背面部22の方に折り返してもよい。
【0053】
この第4の実施形態のピロー包装体は、カバー部26が重ね合わされていない半分の底面部25とカバー部26とが全体的に平坦になり、この底面部25が陳列棚やテーブルなどに置かれたときに、安定した状態で自立する。また、正面部21と背面部22と底面部25の両側縁にテープ15,15が貼着されていることにより、このテープ15,15が柱のようになり、この第4のピロー包装体も各側縁がシャープな外観を呈し、剛性を有していることから、包装形態が安定したものとされている。
【0054】
〔その他の実施形態〕
本発明は、前記の第1から第4の実施形態のピロー包装用原反及びピロー包装体に限定することなく、特許請求の範囲に記載した技術的事項の範囲内において種々変更することができる。例えば、第1及び第2の実施形態のピロー包装用原反によっても第3及び第4の実施形態のピロー包装体を製袋することができる。逆に、第3又は第4の実施形態のピロー包装用原反によって第1及び第2の実施形態のピロー包装体を製袋することができる。
【0055】
また、テープ15は、1本又は3本をピロー包装体の正面部21、背面部22、サイドガセット部23のいずれかに貼着してもよい。この場合であっても、テープ15のエッジは、正面部21とサイドガセット部23の境界をなす折曲線部又は背面部22とサイドガセット部23との境界をなす折曲線部に一致して貼着される。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係るピロー包装用原反の第1の実施形態であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図2】本発明に係るピロー包装体の第1の実施形態であって、(a)は斜視図、(b)は断面側面図である。
【図3】本発明に係るピロー包装体の第1の実施形態の変形例を示す断面側面である。
【図4】本発明に係るピロー包装用原反の第2の実施形態であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図5】本発明に係るピロー包装体の第2の実施形態を示す断面側面である。
【図6】本発明に係るピロー包装体の第2の実施形態の変形例を示す断面側面である。
【図7】本発明に係るピロー包装用原反の第3の実施形態であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図8】本発明に係るピロー包装体の第3の実施形態であって、(a)は下から見た斜視図、(b)は側面図である。
【図9】本発明に係るピロー包装用原反の第4の実施形態であって、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図10】本発明に係るピロー包装体の第4の実施形態であって、(a)は下から見た斜視図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0057】
10……シート
10a…側部
11……正面部予定部
12……背面部予定部
13……サイドガセット部予定部
15……テープ
16……切断手段
17……折り目
21……正面部
22……背面部
23……サイドガセット部
24……封止部
25……底面部
26……他端部
27……カバー部
A………被包装物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面部と背面部とサイドガセット部とを備えたピロー包装体を製袋するための帯状に連続しているシートにテープが連続して貼着されているピロー包装用原反であって、
前記正面部とサイドガセット部及び/又は背面部とサイドガセット部との境界をなすいずれか1本ないし全4本の折曲線部にテープのエッジが一致して貼着されていることを特徴とするピロー包装用原反。
【請求項2】
前記テープは、シートの表面側に貼着されていることを特徴とする請求項1に記載のピロー包装用原反。
【請求項3】
前記シートとテープは、ともにヒートシール性を有し、ヒートシールによって貼着されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のピロー包装用原反。
【請求項4】
前記シートには、カットテープその他の切断手段が長さ方向に貼着されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のピロー包装用原反。
【請求項5】
前記シートの両側部が接合され、かつ、サイドガセット部となるサイドガセット部予定部のセンターラインが内側に折り込まれることにより、正面部となる正面部予定部と背面部となる背面部予定部との両側部間に折襞状のサイドガセット部予定部が重ね合わされるとともに、正面部予定部と背面部予定部の両中間部同士が重ね合わされていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のピロー包装用原反。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のピロー包装用原反によって被包装物を包装するピロー包装体であって、
前記ピロー包装用原反が被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合してセンターシールされ、筒状のピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられていることを特徴とするピロー包装体。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか1項に記載のピロー包装用原反によって被包装物を包装するピロー包装体であって、
前記ピロー包装用原反が一対のサイドガセット部を有するように被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合されてセンターシールされ、ピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられ、一方の封止部から前記サイドガセット部の幅の1/2の位置を起点として前記正面部と背面部とをサイドガセット部の幅で離間させ、前記一方の封止部と前記正面部との間及び前記一方の封止部と前記背面部との間に底面部が設けられ、前記一方の封止部が底面部の中心に位置していることを特徴とするピロー包装体。
【請求項8】
請求項1から5のいずれか1項に記載のピロー包装用原反によって被包装物を包装するピロー包装体であって、
前記ピロー包装用原反が一対のサイドガセット部を有するように被包装物を筒状に包み、帯状のシートの両側部が接合されてセンターシールされ、ピロー包装用原反が幅方向にエンドシールかつ切断されて一対の封止部が設けられ、一方の封止部から前記サイドガセット部の幅以上の位置を起点として前記正面部と背面部とをサイドガセット部の幅で離間させ、前記一方の封止部と前記正面部との間及び前記一方の封止部と前記背面部との間にカバー部及び底面部が設けられ、両カバー部が重ね合わされて一方の底面部から前記背面部又は正面部に回りこみ、前記封止部が背面部又は正面部に位置していることを特徴とするピロー包装体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−297004(P2008−297004A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148026(P2007−148026)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(000241186)朋和産業株式会社 (73)
【Fターム(参考)】