説明

ピロー型包装装置

【課題】 被包装物の大きさによって設定をその都度やり直す必要がなく、フィルムを無駄にすることなく、迅速に見栄えの良い包装が可能なピロー型包装装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 センターシールをおこなうセンターシール部1と、その下流方に配置されトップシールをおこなうトップシール部2とを備えた包装装置本体A1と、この包装装置本体の上流方に配置され、該包装装置本体に適宜タイミングで被包装物を供給する供給コンベヤA2とを有する横ピロー型包装装置Aであって、前記センターシール部1より上流方に配置され被包装物の長さを計る製品検出センサー3と、前記製品検出センサー3によって検出したデータに基づいて算出した、被包装物の長さに基づいて、前記トップシール部のシール手段2a,2bの動作パターンを演算し、該演算した動作パターンに基づいてシール手段の動作を制御する制御装置とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、長さが異なる被包装物が連続して供給されても、それぞれの被包装物の長さに正確に合わせて迅速に且つフィルムを無駄にすることなく包装することができる、ピロー型包装装置、特に横ピロー型包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ピロー型包装装置、特に、横ピロー型包装装置は、帯状(ベルト状)に延びるフィルム上にあるいはフィルム下方に、被包装物を位置させて、フィルムで被包装物を幅方向に包み込むような状態で、被包装物とフィルムをセンターシール部に対して相対的にフィルムの長手方向へ移動させて、フィルムの両端をシールして被包装物を内包するように筒状にし、しかる後に、センターシール部からさらにその下流方に配置されたトップシール部で、前記筒状になったフィルムの先端部と後端部とを、順次シールさせて、被包装物の周囲をフィルムでシールするように構成されている(特許文献1参照)。
【0003】
また、前記トップシール部のシール手段(回転刃ともいう)は、所謂「ボックスモーション」と呼ばれる、動作を、つまり、側面視において、シール手段の一方を構成する上部シール部分(シールブロックともいう)は、上方から下方へ動作し、前方から後方へ動作し、下方から上方へ動作し、後方から前方へとボックス状の軌跡を描くように動作するとともに、下部シール部分は、上下対象的に、下方から上方へ動作し、前方から後方へ動作し、上方から下方へ動作し、後方から前方へ動作して、後方へとボックス状の軌跡を描くように移動して、被包装物とフィルムの搬送動作と同じ速度で搬送方向に移動して下流側に移動しつつ、トップシールを実行する。このような形態のトップシール部を所謂「ボックスモーション式」という。
【0004】
あるいは、高さの低い被包装物の場合には、シール手段は、上下に対峙して回転可能に配置された円筒体の外周にそれぞれ接合するシール部分(シールブロックともいう)を配置して、前記シール部分が接合したときにトップシールを実行するよう構成された、所謂「ロータリ式」のものが採用されている。
【特許文献1】特開2010−111400号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、従来の横ピロー型包装装置では、予め運転前に商品情報として登録しているデータに基づいてあるいは作成して「フィルムの送り量」、「前記シール部の動作(動作のタイミングと動作速度:カムパターンともいう)」、「供給コンベアの動作」を、包装しようとする被包装物毎に該被包装物に合わせて設定していた。
【0006】
従って、ある被包装物に合わせて前記設定をして運転を開始し、次に、別の大きさの異なる被包装物を包装しようとすると、包装装置を一旦停止して、その被包装物の大きさ等に合わせてその都度設定をやり直す必要があった。
【0007】
前述のように被包装物が変わる度に設定を変更しようとすると、時間的に無駄が生じ、且つ、設定の変更の際のフィルムの調整等に伴って無駄が生じる。
【0008】
このため、前記した頻繁な設定を避けるために、包装する被包装物のうちの最も大きなものに合わせて前記設定をおこなって、異なる小さい被包装物を同じ大きさのフィルムで包装するようなこともおこなわれており、かかる場合には、フィルムに大きな無駄が生じるとともに、大きなフィルムの中に小さな被包装物が存在して、包装の「見場」も悪くなってしまう。という問題があった。
【0009】
前述のように、従来のピロー型包装装置の場合には、時間的な無駄や、フィルムの無駄が生じるとともに、「見場」の悪い包装を看過することになっていた。
特に、農作物やパンのように、同じ品種の作物、あるいは同じ種類のパンであっても、それぞれ各品物毎に大きさが異なるようなものを包装するような場合には、少なからず前述のような問題が生じる。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みておこなわれたもので、被包装物の大きさが異なる毎に設定をやり直す必要がなく、且つ、フィルムを無駄にすることがなく、しかも迅速に見栄えの良い包装が可能なピロー型包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかるピロー型包装装置は、被包装物を内包するべく帯状のフィルムの幅方向の両端同士を長手方向に沿ってセンターシールをおこなうセンターシール部と、その下流方に配置され被包装物の前後を幅方向にトップシールをおこなうトップシール部とを備えた包装装置本体と、この包装装置本体の上流方に配置され、該包装装置本体に適宜タイミングで被包装物を供給する供給コンベヤとを有する横ピロー型包装装置であって、
前記センターシール部より上流方に配置され被包装物の長さを検出する製品検出センサーと、
前記製品検出センサーによって検出したデータに基づいて算出した、被包装物の長さに基づいて、前記トップシール部のシール手段の動作パターンと動作タイミングと包装に必要なフィルム長さとを演算し、該演算した動作パターンと動作タイミングと必要なフィルム長さに基づいてシール手段の動作を制御する制御装置とを有することを特徴とする。
【0012】
しかして、かかるピロー型包装装置によれば、連続して長さが異なる被包装物が供給コンベヤによって包装装置本体に供給されてきても、かかる供給されてきた被包装物の長さに関するデータを、前記製品検出センサーによって各被包装物毎に検出して、かかる検出したデータに基づいて算出した包装に必要なフィルム長さに基づいて、その被包装物に合った適正なトップシール部のシール手段の動作パターン(例えば、「ロータリ式」又は「ボックスモーション式」の各角度領域又は各工程での動作速度:図10参照)と動作タイミングで、トップシールをおこなうように制御する。
このため、長さが異なる被包装物が連続して流れてきても、あるいは長い同じ長さの又は短い同じ長さの被包装物が連続して流れてきても、全ての被包装物に最適な長さのフィルム包装を最適におこなうことができる。
従って、異なる被包装物毎に設定をやり直す必要がなく、且つフィルムを無駄にすることもなく、しかも、見場の良いフィルム包装をおこなうことができる。
【0013】
また、前記ピロー型包装装置において、前記包装に必要なフィルム長さが、前記製品検出センサーによって検出したデータに基づいて算出した被包装物の長さに、前後の余材長さを加えた長さであると、被包装物の前後に余裕のある包装ができる点で、また被包装物の高さが多少高くとも余裕をもって包装できる点で、好ましい構成となる。
【0014】
また、前記ピロー型包装装置において、前記余材長さが、前記製品検出センサーによって検出した被包装物の高さの値にも依存して定められると、高さ的に大きく異なる被包装物が連続して供給される場合にも、搬送方向の前後又は/及び高さ方向に余裕のある包装をおこなうことができる。
【0015】
また、前記ピロー型包装装置において、前記製品検出センサーが、前記供給コンベヤと包装装置本体との乗り継ぎ部分に配置されており、該製品検出センサーが高さ方向に複数配置された光学式のセンサーにより構成されていると、被包装物の形態に影響されることなく確実に検出できるとともに、被包装物の高さについても検出することができる。もちろん、前記製品検出センサーが、機械式の、例えば、リミットスイッチで構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0016】
前述のように構成されたピロー型包装装置によると、長さの異なる被包装物が連続して供給コンベヤから包装装置本体側に供給されてきても、該被包装物の長さに合致した見栄えの良い包装を、大きさの異なる被包装物毎にその都度設定を変更することなく、迅速に実施することが可能となる。
従って、作業者の手間が大幅に省略され、フィルムを必要以上に無駄にするようなこともない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例にかかる横ピロー型包装装置の全体の側面図である。
【図2】図1に示す横ピロー型包装装置の全体の平面図である。
【図3】(a)〜(d)は、図1、図2に示す「ロータリ式」の横ピロー型包装装置のシールブロックの一連のシール動作を、時間的な流れに沿って示した図である。
【図4】図1、図2に示す横ピロー型包装装置の概略の構成を示すブロック図である。
【図5】図1,図2に示す横ピロー型包装装置の包装の、一連の流れを概略的に示した図である。
【図6】(a)〜(d)は、「ボックスモーション式」の横ピロー型包装装置の一連のシールブロックの一連のシール動作を時間的な流れに沿って示した図であり、(e)は前記(a)〜(d)に示す1包装動作のシールブロックの動作軌跡を示す図である。
【図7】図6に示すような、横ピロー型包装装置の「ボックスモーション式」をおこなわせるための概略のメカニズムを示すシールブロックが当接した状態での側面図である。
【図8】図6に示すような、横ピロー型包装装置の「ボックスモーション式」をおこなわせるための概略のメカニズムを示すシールブロックが離間した状態での側面図である。
【図9】供給コンベヤA2のモータ、製品検出センサー、フィルム供給用のモータ、センターシール回転用のモータ、シールブロック駆動用のモータ、及びそれぞれの前記加熱手段(電熱ヒータ)の制御状態を示す図である。
【図10】「ボックスモーション」をおこなうシール手段(シールブロック)の動作パターンの、フィルム供給速度(フィルム供給量/単位時間)が一定である場合の動作速度と距離との関係を示す図で、(a)は長さが短い被包装物の場合の、(b)は(a)より長さが長い被包装物の場合の、(c)は長さが長い被包装物の場合の、各動作パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施例にかかる横ピロー型包装装置を図面を参照しながらより具体的に説明する。
【0019】
図1,図2に示す横ピロー型包装装置Aは、帯状のフィルムfで被包装物を包装する包装装置本体A1と、かかる包装装置本体A1の上流方に配置され該包装装置本体A1に被包装物Bを適宜間隔を空けて順次供給する供給コンベヤA2とを有する。
【0020】
図1,図2に示すように、前記包装装置本体A1は、上流端に、フィルムフォーマー10と、その下流方にセンターシール部1と、さらにその下流方にトップシール部2とを有する。
前記フィルムフォーマー10は、この実施例の場合、下方に配置されたロール状のフィルム巻体Fから供給される帯状のフィルムfを、約300度あまり反転させて、上方と前後方向(搬送方向)に開口した略U字溝状に形成するべく配置されている。
また、前記センターシール部1は、前記略U字溝状に形成されたフィルムfの両端の上端部分を、フィルムfの長手方向に沿うようシール手段でシール(センターシールという)して、筒状体に形成する。
そして、前記トップシール部2は、前記筒状体に形成されたフィルムfの前端と後端とをシール手段で順次シール(トップシールという)する。
【0021】
本実施例の場合、前記包装装置本体A1と前記供給コンベヤA2との間に、被包装物Bの長さLを検出する製品検出センサー3が配置されている。この実施例の場合、前記製品検出センサー3として、被包装物Bの高さ方向の概略の大きさも検出できるように、図1に図示するように、光センサーが上下に3対配置されている形態のものが用いられている。
しかし、前記被包装物Bの長さだけを検出できればよい場合には、前記製品検出センサー3として、左右又は上下に1対の光センサーのみ配置した形態のものを用いることができる。また、前記製品検出センサー3としては、光学式のものや、その他の形式、例えば、超音波センサー式のもの又は機械式のもの(リミットスイッチ式)等を採用してもよい。前記光学式のものとして、前記光センサーの他に、例えば、画像認識できるカメラ式のものを用いることもできる。
【0022】
また、前記供給コンベヤA2は、本実施例の場合には、上面(搬送面)に被包装物Bを載せて搬送する搬送ベルトbの両側部に、搬送方向が等しく且つベルト表面が前記上面に直交する上下方向を向いたサイドベルトb1,b2(図2参照)が、左右に対峙するように立設されている。そして、これら搬送ベルトb、サイドベルトb1,b2を有する供給コンベヤA2は、供給コンベヤ駆動用のモータ(この実施例では「同期モータ」)M1(図4参照)によって駆動(回転)されるよう構成されている。
【0023】
前記供給コンベヤA2は、かかる構成のものに限定されるものでなく、図示しないが、搬送ベルトbの両側にスライド壁が立設された形態のコンベヤで構成することもでき、かかる場合には、構造がシンプルになる。また、これに代えて、他の形態のコンベヤで構成することもできる。また、前記モータM1も、後述する制御装置14でON−OFF制御可能なものであれば、同期モータ以外のモータが使用することもできる。
【0024】
ところで、前記包装装置本体A1の搬送面には、搬送用のベルトコンベヤ7が配置されているとともに、該包装装置本体A1の下部には、ロール状のフィルム巻体(フィルム・ロールともいう)Fが配置され、かかるフィルム巻体Fに巻装された帯状のフィルムfは、間に該フィルムfを挟持して下流方へ供給するように配置されたフィルム供給ローラ対8により、強制的に送り出されて、該包装装置本体A1の先端に配置された前記フィルムフォーマー10に供給され、該フィルムフォーマー10によって、前述のように略U字状の溝の形態を形成するように反転させられ、前記搬送用のベルトコンベヤ7の搬送面(コンベヤベルト)上に供給される。前記フィルム供給ローラ対8及びベルトコンベヤ7は、フィルム供給用のモータ(この実施例では「同期モータ」)M2(図4参照)によって駆動(回転)されるよう構成されている。しかし、図示しないが、前記フィルム供給ローラ対8及びベルトコンベヤ7に、同期して回転する専用の各駆動モータ(同期モータ等のモータ)を設けてもよい。
【0025】
前記フィルムフォーマー10の下流方(図1,図2において右方)には、フィルムガイド5と、さらにその下流方に前述したセンターシール部1が配置されている。
前記フィルムガイド5は、前記のように反転したフィルムfが被包装物Bを両側の上方から円滑に覆うことができるよう、下方で開放され上流側で上位になるよう傾斜した略部分円錐筒状体の形態のもので構成されている。
また、本実施例の場合、前記センターシール部1は、幅方向の中央で互に当接し左右に対をなすローラ対(シール手段)11が、前後に2ユニット配置されて、合計4個のローラ(2つのローラ対)によってフィルムFの両端部を挟持し、後流方のローラ対11で所謂「センターシール」をおこなうように構成されている。また、かかる後流方に配置されているローラ対11には、フィルムfの両端同士が溶着できるように、図示しないヒータ等の加熱手段4(本実施例の場合、「電熱ヒータ」:図4参照)が付設されている。
前記センターシール部1のローラ対11の回転は、センターシール回転用のモータM3(図4,図5参照)によっておこなわれ、また、前記加熱手段4は、後述する制御装置14(図4参照)の制御によって、ローラ対11が任意の温度に加温した状態を維持できるように構成されている。なお、前記加熱手段4としては、本実施例では電熱ヒータを使用しているが、シールできるものであれば、他の形式のもの、例えば、超音波式のもの、あるいは所謂「IH」式のもの、あるいは遠赤外線式のもの等であってもよい。
しかし、別の実施例としては、前記センターシール回転用のモータM3を使用することなく、前記フィルム供給用のモータM2から、スプロケットや変速装置等の伝達機構を介して、前記ローラ対11を駆動するように構成してもよく、かかる場合には、モータの数を削減でき且つ制御をシンプルにできる上で好ましい構成となる。
【0026】
また、前記センターシール部1の下流方には、該センターシール部1で筒状に形成されその筒状の内部に被包装物を内包したフィルムfの前後を、搬送方向に直交するように幅方向にシールする、トップシール部2(図1参照)が設けられている。かかるトップシール部2は、図1あるいは拡大した図3(あるいは図6)に示すように、上下に一対当接・離間可能に円筒体2A,2Bに配置されたシールブロック(シール手段)2a,2b(図3参照)が、被包装物の高さ方向の略中央で当接して、該シールブロック2a,2bの先端に配置されている熱シール部で、フィルムfをシールするように構成されている。従って、このシールブロック2a,2bにも、フィルムfを溶着し且つ溶断するべく、加熱手段4(本実施例の場合、「電熱ヒータ」)が設けられている。加熱手段としては、前述の各形式のものを採用することができることは言うまでもない。なお、前記溶断に代えて、前記シールブロック2a,2bに隣接して配置した刃物によって、切断するように構成してもよい。
【0027】
前記トップシール部2については、シールブロック2a,2bを上下方向に当接・離間させるのに、単位時間あたりの処理数の多さの点で及び構成がシンプルになる点で優れた図1,図3に示す「ロータリ式(図3の一連の回転動作参照)」のものと、背の高い被包装物Bをも包装できる点で優れた図6に示す「ボックスモーション式(図6(e)の動作軌跡R参照)」のものの、二つの形態のいずれかのものをも採用することができる。
【0028】
前記「ロータリ式」のトップシール部2は、図3に図示するように、上下に配置した各円筒体の外周面の回転方向の各一箇所に、上下に対峙するようにそれぞれシールブロック2a,2bを設けて、該上下の円筒体を同期させて一回転させることによって、二つのシールブロック2a,2bで筒状になったフィルムfを上下から挟持してトップシールと溶断とをおこなうよう構成されている。
【0029】
一方、前記「ボックスモーション式」のトップシール部2は、図7〜図8に図示するように、固定フレームに対して搬送方向に往復移動可能に配置した移動台21に、トップシールを実行する位置(図7の2aと2bの間の位置mを参照)を中心に、上下対称的に昇降する、一対の上昇降台28と下昇降台26に、シールブロック2aとシールブロック2bを上下に対峙するように設けて、該シールブロック2aとシールブロック2bの間で、トップシール及び溶断(あるいは切断)をおこなうよう構成されている。
【0030】
また、前記「ロータリ式」のトップシール部2の場合には、図3に図示するように、前記ベルトコンベヤ7は、前後に隣接した、前部コンベヤ部7Aと後部コンベヤ部7Bとから構成されており、かかる前部コンベヤ部7Aの後端と後部コンベヤ部7Bの前端の間に、前記シールブロック2a,2bが回転するための常時同じ寸法の隙間sが形成されている。
【0031】
一方、前記「ボックスモーション式」のトップシール部2の場合には、図6に図示するように、前記ベルトコンベヤ7を構成する、前部コンベヤ部7Aの後端と後部コンベヤ部7Bの前端とは、相対的に近接・離間可能に構成されており、前記トップシールに際して、前部コンベヤ部7Aの後端と後部コンベヤ部7Bの前端との間に、図6(c),(d)に図示するように、前記シールブロック2bが上下方向に通過できる通過空間S1が形成されるよう構成され、トップシールをしないときには、図6(a),(b)に図示するように、前部コンベヤ部7Aのテールプーリ(後端)と後部コンベヤ部7Bの前端(ヘッドプーリ)との隙間が狭くなるよう構成されている。
【0032】
そして、例えば、前記「ボックスモーション式」のトップシール部2を例に説明すると、図7,図8に図示するように、前記シールブロック2bは、前記下昇降台29の上面に配置され、かかる下昇降台29は、左右にそれぞれ上下方向を向いて設けられた前後一対のロッド12上を、上下にスライドする、スライダー25間に横設されている。また、この実施例の場合には、さらに、前記スライダー25と同じ構成の、スライダー26とこれらを前後に連結する横設部材27とが、下方に設けられ、且つ、前記下昇降台29とこの横設部材27間は、上下方向に延びる連結部材24で、連結されている。
一方、前記シールブロック2aは、前後の前記ロッド12間を接続する前記上昇降台28の下面に、前記シールブロック2bと上下に当接且つ離間可能に、昇降動作可能に設けられている。
【0033】
そして、前記連結部材24には、カムフォロワー27fが固設されており、かかるカムフォロワー27fは、固定フレームJ側に固定されているカム板30の側面に形成されているカム溝30aに係合している。そして、かかるカムフォロワー27fは、シールブロック駆動用のモータ(この実施例では「同期モータ」)M4(図4参照)によって、回転中心O2を中心にカム溝30a内を周回動作させられるように構成されている。なお、該カムフォロワー27fをモータM4によって周回動作させる具体的なメカニズムとしては種々考えられるが、カムフォロワー27fを回転方向の両側から挟むフォークを介しておこなうことができる。あるいは、前記フォークに代えて、モータM4の回転軸側に取着された円板に半径方向に延びる長穴を形成させて、かかる長穴に前記カムフォロワー27fを挿入した形態のものであってもよい。
一方、前記上昇降台28を上端に有する前後(図7の左右)の前記ロッド12は、該上昇降台28の下方において上昇降台28と並行になるよう配設された横設部材31にも、連結されている。かかる横設部材31の中央部位には、前記連結部材24に形成されているガイド溝27aにガイドされるスライダー32が、取着されている。そして、かかるスライダー32は、カムフォロワー32fを有し、かかるカムフォロワー32fは、固定フレームJ側に固定されているカム板33の側面に形成されているカム溝33aに係合している。そして、かかるカムフォロワー32fは、シールブロック駆動用のモータ(この実施例では「同期モータ」)M4(図4参照)によって、回転中心O1を中心にガイド溝27a内を周回動作させられるように構成されている。かかるカムフォロワー32fは、前記カムフォロワー27fと反対方向に周回動作するよう構成されている。なお、該カムフォロワー32fをモータM4によって周回動作させる具体的なメカニズムとしては、前記カムフォロワー27fを周回動作させるものと同様のメカニズムを使用することができる。
前記シールブロック駆動用のモータM4としては、1台のモータで十分であり、かかる1台のモータで、ギヤ対やフォーク等を介して、前記カムフォロワー32fと前記カムフォロワー27fを同期して反対方向に周回動作させるよう構成されている。もちろん、シールブロック駆動用のモータを複数設けて、同期運転するように構成することもできる。
【0034】
前記カム溝30aとカム溝33aは、側面視において、円形の一部が直径と並行な線で切断されたような形状(部分円形状)に構成され、該切断された直線状の部分をカムフォロワー27f,32fが通過するときに、前記シールブロック2a,2bが左から右側にに、搬送方向(図7の矢印X参照)にそれぞれ移動できるように、且つ、前記シールブロック2a,2bが当接した状態を所定時間維持できるように構成されている。
また、前記カム溝30a,カム溝33aの右側部と左側部を通過するときに、前記シールブロック2a,2bが上から下側に又逆に、上下方向(図7の矢印Y参照)に昇降できるように構成されている。
【0035】
このため、シールブロック2aとシールブロック2bは、トップシール中、上下方向(図7のY方向参照)に昇降して当接し又は離間するとともに、前記ベルトコンベヤ7上を搬送される被包装物B(及びフィルムf)と同じ移動速度で搬送方向(図7の矢印X参照)に移動することができる。つまり、シールブロック2aとシールブロック2bは、図6に図示するように、所謂「ボックスモーション」することができる。
【0036】
また、前記下昇降台29には、前後(図7,図8において左右)に一対のカム溝34a,34bを有する一対の縦部材35とその上端を接続する横部材36が側面視「門形」に設けられている。前記カム溝34aはこの実施例の場合には、垂直方向に真っ直ぐに形成され、前記カム溝34bは、上部において前記一方のカム溝34a方へ近接するように、下部において離間するような曲線状に形成されている。
そして、かかるカム溝34a内には、前記前部コンベヤ部7Aのテールプーリ7tの支持軸が連結(この実施例では挿入)され、また、前記カム溝34b内には、前記後部コンベヤ部7Bのヘッドプーリ7hの支持軸が連結(この実施例では挿入)されている。
そして、テールプーリ7tの支持軸及びヘッドプーリ7hの支持軸は、上下に変位することがないよう構成されているため、前記した所謂「ボックスモーション」において、前記下昇降台26が上端位置(図7に図示する位置参照)に位置したときには、前記テールプーリ7tと前記ヘッドプーリ7hとが搬送方向において相対的に離間して、間にシールブロック2bが通過できる前記通過空間S1(図6(c),(d)参照)が形成されるとともに、前記下昇降台26が下端位置(図8に図示する位置参照)に位置したときには、前記テールプーリ7tと前記ヘッドプーリ7hとが搬送方向において近接して、被搬送物Bが前部コンベヤ部7Aから後部コンベヤ部7Bへ円滑に乗り移ることができるように構成されている。
【0037】
この実施例の場合、前記テールプーリ7tとヘッドプーリ7hの近接・離間動作は、前述のように、前記「ボックスモーション」を実行するカム機構を介して、シールブロック駆動用のモータM4によって、おこなわれることになる。
【0038】
ところで、追加的な構成として、供給するフィルムfに所望の印字、例えば「バーコード」や「商品名」あるいは「生産者名」等を印字したい場合には、図1に図示するように、前記フィルム供給ローラ対8の下流側、つまり、該フィルム供給ローラ対8とフィルムフォーマー10との間に、印字装置16を配置することができる。
かかる印字装置16を配置する場合には、前記製品検出センサー3の配置部位は、前記供給コンベヤA2の上流方の部位、具体的には、図1に矢印Zとして図示するように、前記フィルムfが印字装置16から前記フィルムフォーマー10に移動するのに必要な時間に比して、被包装物Bが該製品検出センサー3の配置部位から前記フィルムフォーマー10に移動する時間より前に製品(被包装物)を検知できる位置に、配置する。
【0039】
また、図4に図示するように、前記供給コンベヤA2のモータM1、前記製品検出センサー3、前記フィルム供給用のモータM2、前記センターシール回転用のモータM3、前記シールブロック駆動用のモータ(この実施例では「同期モータ」)M4、及びそれぞれの前記加熱手段(電熱ヒータ)は、信号線を介して(あるいは無線によって)、制御装置14と接続され、制御装置14へ検出信号を送信し、又制御装置14によって制御されるように構成されている。
【0040】
しかして、前述のように構成された本実施例にかかる横ピロー型包装装置Aの作用効果とともに、前記制御装置14の制御内容について、以下、被包装物Bが、それぞれ長さの同一でない農作物、例えば「にんじん」である場合を例に挙げて説明する。
【0041】
前記フィルム巻体Fから引き出した帯状のフィルムfを、所定の状態に前記フィルムフォーマ10、フィルムガイド5、センターシール部1のローラ対11等にセットした後に、横ピロー型包装装置Aの主電源をONにして、制御装置14のスタート釦を押圧する。
【0042】
この状態で、前記制御装置14は、前記供給コンベヤA2及び前記包装装置本体A1を稼働させる。つまり、図9に図示するように、前記供給コンベヤA2のモータM1、前記製品検出センサー3及び前記加熱手段(電熱ヒータ)4を稼働させるとともに、前記フィルム供給用のモータM2、前記センターシール回転用のモータM3を稼働可能状態にする。
【0043】
この状態で、作業者(あるいは上流側のコンベヤ)が供給コンベヤA2の搬送ベルトb1上に、被包装物(例えば、「にんじん」)Bを、順次搬送方向に互いに隙間を空けた状態で載置する。かかる被包装物Bは、農作物であるため、長さが全てにおいて異なる。もちろん、菓子等のように、全て同じ長さの被包装物であってもよい。
【0044】
前記載置された被包装物Bは、前記供給コンベヤA2によって、前記包装装置本体A1側へ供給される。このように包装装置本体A1のベルトコンベヤ7上に被包装物Bが供給されると、その供給を、前記製品検出センサー3が検出する。かかる検出がおこなわれると、図9に図示するように、制御装置14は前記フィルム供給用のモータM2、前記センターシール回転用のモータM3を稼働させる。
このため、最初に供給された被包装物Bは、フィルムfに載せられた状態でベルトコンベヤ7によって下流の前記センターシール部1へ向けて搬送される。
そして、このように前記センターシール部1へ向けて搬送されると、前記製品検出センサー3が非検出の状態になる。かかる状態で、次に、前記供給コンベヤA2によって次の被包装物Bが搬送されくると、再び前記製品検出センサー3が該被包装物Bを検出する。かかる検出をすると、制御装置14は、該供給コンベヤA2を、図9に示すように、所定時間t(下記の「間隔d」を定める任意に設定できる時間:例えば、1秒間)から供給コンベヤA2の被包装物Bの供給間隔T1,T2,T3を減算した値、つまり、時間t1(t1=t−T1),t2(t2=t−T2)だけ供給コンベヤA2を停止させて、次に供給される被包装物Bを該供給コンベヤA2上で待機させ、あるいは時間t3だけ、前記フィルム供給用のモータM2及びセンターシール回転用のモータM3を一次的に停止させて、次に供給されくる被包装物Bを待つ。このことによって、前記ベルトコンベヤ7上でフィルムfを介して搬送される各被包装物B間の間隔dを一定にすることができるように構成されている。また、前記フィルム供給用のモータM2及びセンターシール回転用のモータM3を一次的に停止させる場合において、フィルムfが熱によって溶融するものである場合には、ヒータが内蔵されている前記後流方のローラ対(シール手段)11が相互に離間して(図9のヒータ部分の破線を参照)、フィルムfが溶けるのを防止する。このようにローラ対11を離間するのに代えて、加熱手段4を一次停止させるように構成してもよい。
そして、前記時間t1,t2,t3が経過すると、つまり、前に供給した被包装物Bとの間に所定の間隔d(図1参照)が形成されると、制御装置14は、図9に図示するように、次の被包装物Bがベルトコンベヤ7に供給されるよう供給コンベヤA2あるいはベルトコンベヤ7を、再び駆動するよう制御する。
【0045】
この結果、包装装置本体A1のベルトコンベヤ7上には、被包装物Bが常に一定の間隔d(図1参照)を空けて順次送り込まれることになる。
【0046】
また、前述のように包装装置本体A1のベルトコンベヤ7に被包装物Bが供給され、前記製品検出センサー3によって、該被包装物Bの長さと高さに関するデータ(例えば、長さに関するデータとしては「何秒間」製品検出センサー(光センサー)3が作動したかのデータ)が検出されると、前記制御装置14は、その検出されたデータと前記供給コンベヤA2又はベルトコンベヤ7の搬送速度に基づいて、被包装物Bの長さLを演算により得るとともに、該長さLに前後の余裕長さ(一定値)を加算して、包装に必要なフィルムfの長さに関するデータとして、加算値Lmを得る。さらに、制御装置14は、前記高さに関するデータとしては、前記製品検出センサー3の上下に3対配置した光センサーによって、「Lo(低い)」,「Mi(中)」,「Hi(高い)」の3種類のうちのいずれかが検出されると、以下のように加算値Lmをさらに補正値で補正する。即ち、検出した高さに関するデータが低位の光センサーのみが検出した前記「Lo」の場合には、例えば、補正値「0」を、低位と中間位置の光センサーも検出した前記「Mi」の場合には、例えば、補正値「25mm」を、高位の光センサーも検出した前記「Hi」の場合には、例えば、補正値「40mm」を、前記加算値Lmに加算して、所望の供給すべきフィルム長の最終値Leを得る。
【0047】
そして、前記制御装置14は、前記演算で得た最終値Leを、そのメモリの中に格納するとともに、その最終値Leに基づいて、該制御装置14の演算部でその被包装物Bの包装に必要な前記フィルム供給ローラ対8の回転数(回転総数)と前記ベルトコンベヤ7の搬送量及び前記センターシール部1のローラの回転数(回転総数)とトップシール部2のモータM4の動作パターン(「ボックスモーション」の動作軌跡Rの各工程(図6(e)の各工程a,b,c,d,e参照)の動作速度)と各動作のタイミングを瞬時に演算して、その演算結果に基づいて、前記フィルム供給用のモータM2、前記センターシール回転用のモータM3、前記シールブロック駆動用のモータM4を制御する。
具体的には、この実施例にかかる横ピロー型包装装置Aでは、被包装物Bが供給コンベヤA2上に短い間隔(前記「d」以下の間隔)を空けて連続して供給されている限りにおいて、最大限の処理能力を引き出すために、前記制御装置14は、前記フィルム供給ローラ対8と前記ベルトコンベヤ7及び前記センターシール部1は、一定の速度(回転速度及び搬送速度)で連続して動作させることになり、かかる供給される各被包装物Bについて、前記トップシール部2の前記モータM4の動作パターンと動作タイミングを演算で得て、それに基づいて該トップシール部2のモータM4を制御する。
【0048】
前述のように、前記被包装物Bを上に載置した前記搬送コンベヤ7上のフィルムfは、フィルムガイド5を経て、センターシール部1のローラ対11によって、幅方向の両端部にセンターシールが施され、その結果、該フィルムfは筒状体に成形される。
次に、前記センターシール部1から、その下流方の前記トップシール部2に搬送されて、ここで、制御装置14の制御によって、前記演算で得たフィルム長の最終値Leの基準となるタイミングによって、筒状体になったフィルムfの前端部分がシール(トップシール)される。
また、この実施例では、前記トップシール中も、被包装物Bを内包したフィルムfは前記ベルトコンベヤ7及びセンターシール部1のローラ対11によって、一定の速度で搬送方向に送られる一方において、前記「ボックスモーション」動作に起因して、前記シールブロック2a,2bが、該フィルムf及びベルトコンベヤ7と同じ速度で搬送方向に移動する。このため、一定時間、つまり、「ボックスモーション」動作うちの前記搬送方向へ移動している間は、フィルムfが該シールブロック2aとシールブロック2bとで挟持された状態で所定の温度の熱が加えられる。このため、確実にトップシールされることになる。
次に、前記ベルトコンベヤ7とフィルムfによって、前記最終値Leに相当する長さ(より正確には該「相当する長さ」より所定長さ短い値)分搬送方向に送られると、前記トップシール部2では再び前述の「ボックスモーション」動作を繰り返して、被包装物Bを内包した円筒状のフィルムfの後端部位にトップシールがなされ、その結果、被包装物Bのフィルムfによる包装が完了する。なお、このように「円筒状のフィルムfの後端部位にトップシール」がなされ際に、次の被包装物の前端部分のトップシールが同時におこなわれるよう構成してもよく、かかる場合には、効率的な動作となる。
【0049】
続いて、次の被包装物Bを内包した円筒状のフィルムfが、トップシール部2に送られてくるが、その被包装物Bに関する前記格納されている最終値Leに基づいて、前述したと同様の包装がおこなわれる。つまり、その被包装物Bの長さに合致した長さで包装される。
このように、所定の間隔を空けて順次供給される被包装物Bについて、それぞれその被包装物Bの長さに合致した長さのフィルムfでフィルム包装される。
【0050】
ところで、前記トップシール部2については、被包装物Bの形態に合わせて、「ロータリ式」又は「ボックスモーション式」のいずれかの形態のものを横ピロー型包装装置Aに採用すれば、より効率的に包装することができる。つまり、長さの短い且つ高さの低い被包装物Bばかりを包装しようとする場合には、前記「ロータリ式」のトップシール部2を採用した横ピロー型包装装置Aを使用すると、高い包装能力(処理個数)を得ることができ、一方、高さの高い被包装物Bをも包装しようとする場合には、前記「ボックスモーション式」のトップシール部2を採用した横ピロー型包装装置Aを使用すると、高い被包装物Bであっても円滑に包装することが可能なる。
【0051】
この実施例にかかる横ピロー型包装装置Aでは、図10に図示するように、前記被包装物Bの長さLによって、前記制御装置14は、前記シールブロック2a,2bの動作パターンを自在に変更するような制御をおこなう。例えば、前記「長さL」が所定値(シールブロック2a,2bの動作軌跡)より小さい場合には、図10(a)に図示するように、シール中の前後ではシール中の速度(搬送速度)より速い動作で動作させ、前記「長さL」が所定値(シールブロック2a,2bの動作軌跡)より大きく且つ第2の所定値(シールブロック2a,2bの動作軌跡の約1.7倍)より小さい場合には、図10(b)に図示するように、シール中の前後ではシール中の速度(搬送速度)よりゆっくりした速度で動作させる。また、前記シールブロック2a,2bは常に動作(回転又はボックスモーション)しているように制御すると、迅速な動作が必要となる前記第2の所定値(シールブロック2a,2bの動作軌跡の約1.7倍)より短い長さLの被包装物Bの場合には、常に動作していることによって、動作部分の慣性力に影響されず、迅速な動作を可能ならしめている。
一方、前記「長さL」が前記第2の所定値(シールブロック2a,2bの動作軌跡の約1.7倍)より大きい場合には、図10(c)に図示するように、シール中の前後ではシール中の速度(搬送速度)よりゆっくりした速度で動作させ且つその前後において動作を停止させるよう制御してもよい。つまり、動作速度が遅いことから、前記動作部分の慣性力の影響を受け難いためである。
【0052】
ところで、前記実施例では、前記ボックスモーションさせるのに、1台のモータM4によって、おこなっているが、別の実施例としては、昇降用のモータと搬送方向の移動用のモータを別途設けて、これら2台のモータの複合動作によってボックスモーションさせるように構成してもよく、あるいは1台のモータを断続的に制御して接続できるクラックを介して駆動軸を駆動するように構成してもよく、かかる場合には、例えば、被包装物Bの高さ(寸法)に合わせて、前記昇降用のモータ(あるいは昇降用の駆動軸)が動作するように制御すると、被包装物Bの長さにあった動作だけでなく、各被包装物の高さに合った昇降量で昇降させることができ、より作業効率の高い包装装置を実現することができる。
【0053】
そして、本実施例にかかる横ピロー型包装装置Aによれば、各被包装物Bは、順次搬送されてくる各被包装物Bの各寸法に合わせて、全て適切な長さの包装をすることができるため、作業者が設定を長さの異なる各被包装物を包装しようとする度に装置を停止させて設定し直す必要がなく、且つ、フィルムfを無駄にすることがなく、しかも迅速におこなうことができる。
【0054】
また、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づく範囲において種々の形態で実施することが可能となることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明にかかるピロー型包装装置は、種々の製品の包装に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0056】
A…横ピロー型包装装置
A1…包装装置本体
A2…供給コンベヤ
1…センターシール部
2…トップシール部
2a,2b…シールブロック(シール手段)
3…製品検出センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を内包するべく帯状のフィルムの幅方向の両端同士を長手方向に沿ってセンターシールをおこなうセンターシール部と、その下流方に配置され被包装物の前後を幅方向にトップシールをおこなうトップシール部とを備えた包装装置本体と、この包装装置本体の上流方に配置され、該包装装置本体に適宜タイミングで被包装物を供給する供給コンベヤとを有する横ピロー型包装装置であって、
前記センターシール部より上流方に配置され被包装物の長さを検出する製品検出センサーと、
前記製品検出センサーによって検出したデータに基づいて算出した、被包装物の長さに基づいて、前記トップシール部のシール手段の動作パターンと動作タイミングと包装に必要なフィルム長さとを演算し、該演算した動作パターンと動作タイミングと必要なフィルム長さに基づいてシール手段の動作を制御する制御装置とを有することを特徴とするピロー型包装装置。
【請求項2】
前記包装に必要なフィルム長さが、前記製品検出センサーによって検出したデータに基づいて算出した被包装物の長さに、前後の余材長さを加えた長さであることを特徴とする請求項1記載のピロー型包装装置。
【請求項3】
前記余材長さが、前記製品検出センサーによって検出した被包装物の高さの値にも依存して定められることを特徴とする請求項2記載のピロー型包装装置。
【請求項4】
前記製品検出センサーが、前記供給コンベヤと包装装置本体との乗り継ぎ部分に配置されており、該製品検出センサーが高さ方向に複数配置された光学式のセンサーにより構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載のピロー型包装装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−41073(P2012−41073A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−184833(P2010−184833)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(593146361)日本ポリスター株式会社 (3)
【Fターム(参考)】