説明

ピンバルブアセンブリ

ピンバルブアセンブリおよび流体の流れを制御する方法であって、ピンバルブを収納するピンブロックと、ピンバルブに流体連通するための流体チャネルを備える流体プレートと、流体プレートに流体連通し、かつ流体構成要素に流体連通するためのフィッティングを収納するフィッティングブロックとを含むピンバルブアセンブリおよび流体の流れを制御する方法。流体プレートのチャネルを通る流体の流れは、流体構成要素およびピンバルブによって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている2004年2月19日出願の米国特許仮出願60/545,829号(整理番号04−355−6−7(16948))の優先権を請求する。
【0002】
本発明は一般に高圧液体クロマトグラフィー(「HPLC」)に関し、より詳細には、流体ネットワーク内の流れの経路を遮断するためにピンを使用する高圧流体用のバルブアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
HPLCの実行は、一般に、分離されるまたは分析される分子種が液体、移動相内で溶解させられ、その液体によって固定相を通って運ばれることを必要とする。固定相では、移動相と密接に接触する大きい表面積が与えられる。移動相内に溶解された検体化合物の混合物を、色々な検体種に対し様々に作用する吸着または保持(retention)のプロセスによって、カラムを通って通過する間に分離することができる。示差保持(differential retention)が検体にカラムからの時間および体積に関する溶離を生み出す。溶離検体は、一般に、検体の定量および/または定性試験が行われるインライン検出器を通過する。
【0004】
高圧液体クロマトグラフィー溶媒供給システムが、実質的に大気圧から数万ポンド/スクウェアインチまたはそれより高い程度の圧力まで変動する選択された圧力で、単一成分の液体または液体の混合物を供給するために使用される。上記の圧力が、溶解された検体の分離を行うことができる固定相サポートの流体経路を通って移動相を強いて押し進めるのに必要となる。固定相サポートは、粒子のパックされたベッド、膜または膜の集合を含み、非常に小さく組み立てられた構造は固体のサポート、または開いたカラムまたは管の中にエッチングされた流体経路の配列を通常含むことができる。
【0005】
液体クロマトグラフィーにおいて起こる分離プロセスは、注入された試料混合物の構成成分への分離をもたらすことができる。これら構成成分は、適切に離れたゾーンまたはバンドにカラムから溶離される。これらのバンドが検出器を通過するとき、それらの存在をモニタでき、検出器の出力が生成される。この出力は溶離バンド内部に、時間的に変化する電気信号によって表すことができ、「クロマトグラフィーピーク」の用語を生み出す検体濃度のパターンを含む。
【0006】
所与の分析を標準分析と比較ができ、またはそれを信頼をもって結果のデータで較正できるように、クロマトグラフィーの実用性はラン毎の再現性に大きく依存している。知られているポンプ輸送システムは、劣った分離特性および劣ったラン毎の再現性をもたらす、いくつかの非理想的特徴を示す。
【0007】
非理想的なポンプ特徴の中で、知られているポンプ輸送システムにおいて、溶媒成分の変動および/または体積流量の変動が一般に示される。現在の、また知られているHPLCポンプ輸送システムにおける、そのような体積流量の変動は、不利なことに、所与の検体に対して変動する保持時間を引き起こす。すなわち、検体が固定相内に留められる時間の量は、体積流量の望ましくない変動に応じて、望ましくなく変動をする。これは成分の保持の振る舞いから試料の識別を推論することを困難にする。溶媒成分を与えるように複数のポンプの出力が合計されるとき、体積流量の変動が溶媒成分の変動をもたらすことがあり得る。
【0008】
現在の、また知られているHPLCポンプ輸送システムにおける溶媒成分の変動は不利なことに、システムの検体検出器と干渉を起こすことになり、あたかも試料の存在から起こったかのように検出される摂動をもたらす。実際には、干渉信号が生成される。この干渉信号は、検体に起因すると考えられる実際の信号と合計されて、未知の試料の量が溶離試料のピークの面積から計算されるとき、エラーを生み出す。
【0009】
これらの高圧流体システムで使用される一般のバルブアセンブリは、厳しい公差および極限の動作状態の下で何百回もの一様な特性を必要とする。この摩耗は部品および全アセンブリの激しい摩耗をもたらし、結果の劣化を引き起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記を考慮すると、HPLC溶媒供給システムに課された要求は厳しい。新しいHPLCポンプおよびバルブは、一般に、数ポンド/スクウェアインチから100、000psigまでも変動する圧力で、溶媒を供給することが必要とされる。負荷の下でのシールの変形および完全なシール漏れを含めて、高められた圧力に対してクロマトグラフィー用の液体の供給に関連する問題および非理想的影響がある。HPLCポンプは、正確に制御された流量で、滑らかに一様に移動相溶媒を排出することが期待されている。分離の間に、固定した溶媒成分がリアルタイムで混ぜられる勾配クロマトグラフィーの場合、移動相の成分ならびに流量が、供給の間に、精密にかつ正確に制御されなければならないというさらなる要求がある。しかし、システム動作圧力は分離の間で非常に大幅に変わり、構成する移動相溶媒の圧縮率も非常に異なり得る。さらに、連続供給ポンプ輸送システムは、ポンプ輸送およびバルブシステムに非常に大きな摩耗をもたらす。
【0011】
高い精度でかつ最小の流体の乱れの高圧流体の制御に関連する大きな問題は、頑丈なバルブアセンブリを使用することによって最小限に抑えることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、ピンバルブを収納するピンブロックと、ピンバルブと流体連通するための流体チャネルをもつ流体プレートと、流体プレートと流体連通するため、かつ流体構成要素と流体連通するためのフィッティングを収納するフィッティングブロックとを含むピンバルブアセンブリを含む。アセンブリは、フィッティングと整列している1つまたは複数のフィッティングポートと、ピンバルブと整列している1つまたは複数のピンバルブシートとをもつ。フィッティングポートを流体プレートの流体チャネルに組み込み、またはフィッティングブロックのフィッティングに組み込むことができる。同様に、ピンバルブシートを流体プレートの流体チャネルに組み込み、またはピンバルブ自体に組み込むことができる。
【0013】
好ましくは、ピンブロックは、6つの軸方向に貫通したボアを備える実質的に円筒形のステンレス鋼のブロックである。ボアは平行、または互いにある角度をなしてもよい。互いに対してどのような角度であっても、ボアは、ピンバルブの遠位のピン端部を流体プレートと整列して置かねばならず、それによって流体チャネルと交差してピンバルブシートを置く。ピンバルブシートが、ピンバルブに組み込まれている場合、ピンバルブの配置は、シートがチャネルと交差するようにしなければならない。ピンバルブシートが流体プレートの流体チャネルに組み込まれている場合、ピンバルブは、延ばされたとき、ピンバルブシートの内部に置かれなければならない。
【0014】
ピンブロックの6つボアは、6つのピンバルブを流体プレートに隣接させ、それと連通させる。好ましくは、流体プレートはステンレス鋼で、長手方向または高さ方向において、ピンブロックより著しく短い実質的に円筒形のプレートである。流体プレートはポリマで被覆されてもよい。あるいは、流体プレートは近位端および/または遠位端上に実質的に平らなポリマのシム(shim)をもつことができる。ポリマは、それだけには限らないが、過フッ化炭化水素または、より好ましくはテトラフルオロエチレンがよい。
【0015】
好ましくは、プレートはピンブロックより直径においても小さく、ピンブロックの遠位端上の凹みの内部に部分的に嵌合するように形成される。流体プレートは、圧力下でその範囲全体にわたって流体試料を供給する流体チャネルをもつことができる。あるいは、流体プレートは、チャネル端部を備える1つまたは複数の分離したチャネルをもつことができる。
【0016】
1つの実施形態では、ピンバルブシートは、その近位側で流体チャネルと交差し、したがってピンバルブがシート内に位置するとき、流体は特定のピンバルブを越えて流れることが実質的に妨げられ、したがってバルブは閉じられる。流体プレートの遠位側は、流体フィッティングおよび流体プレートのチャネルと連通するフィッティングポートによって交差される。しかし、別の実施形態では、ピンバルブシートおよびフィッティングポートが流体プレートの同じ側にあってもよい。
【0017】
フィッティングブロックは流体プレートと流体連通を提供する位置に流体フィッティングを収納する。一般に、フィッティングは、試料シリンジ、ポンプシリンジ、ポンプ、クロマトグラフィーのカラム、試料ループの両端のためのものである。フィッティングブロックの近位端は、実質的に円筒形で、流体プレートに部分的に嵌合する凹みをもつことが好ましい。流体プレートをそれらの間の所定位置に保持しながら、フィッティングブロックがピンブロックに嵌合することも好ましい。ねじ、相補的なねじ切りまたは他の知られている手段がピンブロックとフィッティングブロックを一緒に保持することができる。
【0018】
本発明の通常の動作では、ピンバルブは、ピンバルブシート上に置かれ、またはそれから持ち上げられるように作動して、流体試料が流体プレートのチャネルを通って流れるのを遮断し、またはそれを可能にする。各ピンバルブを、ピンバルブシート上に位置して下流位置からの流体の流れを実質的に遮断し、あるいはピンバルブシートからピンを取り除いて下流位置へ流体の流れを提供するように、ピンバルブを軸方向に移動させるための作動用手段を含む標準化されたハウジング内に収納することができる。あるいは、ピンバルブシートをピンバルブに組み込むことができ、それは同様に移動し動作することができる。ピンバルブの作動は、チャネルを通る流体の流れを実質的に遮断するために、ピンバルブおよびピンバルブシートを流体プレートの流体チャネル上に配置する。
【0019】
HPLCシステム用の注入バルブとして使用されるとき、本発明は、試料が流体プレートのフィッティングポートと連通した試料シリンジを通して導入される供給位置をもつ。2つのピンバルブがポンプとカラムの間の流体チャネルを閉じ、3番目がポンプシリンジと試料シリンジの間のチャネルを閉じる。したがって、ポンプシリンジが、試料ループにわたって試料に対し負の圧力を流体チャネル内に作り出すことができ、試料ループ内に試料を引き込むことを可能にする。注入位置では、2つのピンバルブが試料シリンジとポンプシリンジの間のチャネルを閉じるように作動され、3番目のピンバルブがポンプとカラムの間のチャネルを閉じる。この注入位置は、フィッティングポートによって、フィッティングポートに連通したカラムに、これも流体プレートに連通したポンプによって加えられた圧力で、ポンプが試料ループに含まれた試料を注入することを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1は本発明のピンバルブアセンブリ50の分解図を示す。ピンバルブアセンブリ50はバルブピン62が近位端でブロック60内に挿入されて示されているピンブロック60を含む。好ましくは、ピンブロック60は図示されたように実質的に円筒形である。図2から最もよくわかるように、ピンブロック60は、ピンバルブ62を収納するために設けられた1つまたは複数のボア200または通路を含む。これは本発明に不可欠ではないが、図3は各ボアへの入口がピンブロック60の円周に沿って整列する好ましい実施形態を示す。ボア200はピンブロック60を通って軸方向に延び、したがってバルブピン62の遠位端が好ましくは一般にピンブロック60より小さい円周をもつ流体プレート64に突き当たることを可能にする。バルブピン62を流体プレート64が実質的に所定の位置に保持されるようにボアに適合するハウジング内に置くことができる。モジュラの実施形態では、バルブピンハウジングおよびボアは、バルブピンをそのハウジング内で容易に取り外しでき、また他のバルブピンと交換できるように、解除可能に嵌合される。
【0021】
ピンブロック60は流体プレート64の形状および大きさに適合する凹み部分66をその遠位端にもつ。ピンブロック60は、フィッティングブロック68に取り付けるための相補的手段ももつ。好ましくは、ピンブロック60および流体ブロック68は、互いにねじ留めされ、図1の実施形態では、3つのねじ穴があり、そのうちの1つが図2の70に部分的に見える。さらに、アラインメントピン71および穴72、73が、流体プレート64、ピンブロック60およびフィッティングブロック68が角度的に整列するように使用される。センタリングは、ピンブロック60の凹み66内への流体プレート64の締りばめ(close fit)によって行われる。
【0022】
流体プレート64は、実質的に平らなプレートであり、その上に、流体チャネル510(図4に部分的に図示され、図5および9に概略的に図示されている)が配置される。流体チャネルは、単一の円周チャネルでも、または複数のチャネルでもよい。チャネル510は、チャネル510を流れる流体を遮断するためにシートにバルブピン62を提供するように構成されたピンバルブシート500によって交差される。これらのチャネル510を、ポンプやクロマトグラフィー分離カラムなどの外部流体構成要素に連通する流体フィッティングポート211によって交差された相互連結されたトラックを提供するために配置することができる。好ましくは、流体プレート64の近位側はピンバルブシート500をもち、一方、遠位側は流体チャネル510をもつ。
【0023】
あるいは、流体プレートは、1つまたは複数の分離したチャネルをもつことができる。これらのチャネルも、流体フィッティングポートおよびピンバルブシートによって交差される。この実施形態では、ピンバルブシート500の構造は、分離したチャネル間の流体連通を提供する。さらに説明されるように、図10は分離したチャネルと連通する通路をもつピンバルブシートの1つの実施形態を示す。
【0024】
フィッティングブロック68は、流体プレート64を備える流体フィッティング210を収納し整列させるフィッティングボア74を含む。フィッティングボア74は、流体フィッティング210に適合しフィッティングが流体プレート64と流体連通できるように、フィッティングを実質的に所定の位置に保持するために提供される。好ましくは、流体フィッティング210は、試料シリンジおよびポンプシリンジ、試料ループの両端、ポンプおよびパックされたカラムなどの流体構成要素(図示せず)と連通する。あるいは、試料ループを流体プレート64に直接組み込むことができ、チャネル510も同様である。
【0025】
ピンブロックおよびフィッティングブロックは好ましくはステンレス鋼である。好ましくは、流体プレートは、テフロン(登録商標)などの過フッ化炭化水素ポリマで被覆され、または過フッ化炭化水素ポリマのシムで上張りされたステンレス鋼である。しかし、妥当な期間にわたる使用に耐えることができる任意の材料を使用することができる。他の可能性には、チタン、セラミック、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)および他の熱可塑性物質が含まれる。
【0026】
図2は、組み立てられたピンブロック60、流体プレート64およびフィッティングブロック68の断面図である。流体フィッティング210が、流体フィッティングポート211を通って流体プレート64に連通して示されている。この1つの実施形態が図4に詳細に示されている。断面におけるピンボア200は、シール212、シールロードスリーブ214、皿ばね216、ナットシール218、第2皿ばね220およびナット222を含むバブルピンを遠位端から近位端まで示す。
【0027】
図5は、クロマトグラフィー応用のための流体プレート、流体チャネル510、フィッティングポート211、流体構成要素、ピンバルブ(1−6)およびピンバルブシート500の概略図である。ピンバルブはそれぞれ、流体プレート64のチャネル510を通る流体の流れを遮断するために、ピンバルブシート500内に位置する。供給段階にあるとき、ピンバルブ4、2および6は閉じているが、ピンバルブ3、5および1は開いている。これは試料を試料ループに供給することを可能にし、かつ試料がカラムまたはポンプに通じるチャネルに入ることを防ぐ。注入段階にあるとき、ピンバルブ1、3および5は閉じているが、ピンバルブ6、2および4は開いている。これは試料をカラムに注入し処理することを可能にする。
【0028】
ピンバルブアセンブリをモジュラ化するために、ピンバルブをカートリッジとして設計することができる。図6に示されるカートリッジ600は、好ましくは成形ポリフェニレンサルファイド製の標準化されたハウジング602を含むが、材料は、本発明が一般にさらされる応力に適正に耐えることができる任意の知られている材料でよい。カートリッジの近位端では、ピンリフトアセンブリ610がピン604を伸長位置へ、または非伸長位置へ作動させるために使用される。伸長位置は、ハウジング602からピン604を伸ばし、ピンバルブシート内に位置することによって、下流位置への流体の流れを妨げる。非伸長位置は、流体の流れを下流位置に提供するために、ピンバルブシートから好ましくはハウジング602の中に引っ込められたピン604をもつ。ピン圧力、シール圧力およびピンリフトを、ハウジング602内に収納されたばねまたは知られている方法で制御することができる。知られている手段によるリフトアセンブリの回転が、伸長位置または非伸長位置にピン604を移動させるのに必要な力を提供する平衡点までばねを圧縮または復元させる。好ましくは、知られている方法を用いて加圧気体により空気式で、ピン604を作動することができ、または作動を助けることができる。
【0029】
カートリッジ600は、ピンリフトアセンブリのボアに嵌合するように構成される。カートリッジ600をピンブロック内で方向付けるために、キーまたは他の知られている手段を使用することができる。このモジュラ設計は、ピンとハウジングを異なるばね張力の別のピンとハウジングに交換することによって、ピン圧力を調節することを可能にする。さらに、この実施形態を用いて、摩耗したバルブを簡単に交換することができる。モジュラカートリッジハウジング600は、知られている手段で解除可能に嵌合されるようにピンブロック60のボアによって補完される。
【0030】
図7は本発明の単一ピンバルブの1つの実施形態の詳細分解図を提供する。この実施形態の遠位端には、2つのPEEKリングシール710で囲まれたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のリングシールがある。シールロードスリーブ712は、リングシールを遠位端に収納し、皿ばね714が位置する、より大きい円周を近位端にもつ。ピン720と一体式のロードリング718は、皿ばね714上にナットシール716を保持する。ピンは、より小さい円周部分717を遠位端にもつ。ピン720は、ロードリング718まで、シールナット716、皿ばね714、シールロードスリーブ712を通り抜ける。ピン720のより小さい円周部分717は、ピンバルブシート500で流体プレートに衝突することができる最も遠位端でリングシール710を通り抜ける。ロードリング718の近位側には、軸方向の圧縮力を加えるために第2皿ばね722およびナット724がある。ピンの遠位端717は、ダイヤモンド様カーボン被覆をもつことができる。
【0031】
図8はモジュラ、カートリッジ構成におけるピンバルブの1つの実施形態の詳細分解図である。ピン800は、カートリッジハウジング602内部でリングシール810およびロードスリーブ812を通り抜ける。この実施形態では、バルブシート802は、流体プレート上に嵌合されずに、ピンバルブに嵌合される。
【0032】
流体プレートの別の実施形態が図9に示される。ピンバルブシートがピンバルブに嵌合されて、流体プレート64は、6つの分離したチャネル900を含むことができる。ピンバルブシートを、2つのチャネル端部にわたって重なり合う位置に置くことができる。ピンバルブシート910は、図10に詳細に示されるように、別々のチャネル端部に達するように与えられた角度の傾斜をもった2つの通路914、916を含む。引っ込められたとき、ピンは、通路914および916が連通することを可能にする。伸ばされたとき、ピンは、少なくとも1つの通路を実質的に遮断する。
【0033】
したがって、本発明の装置および方法は多くの実用的な応用をもつことが容易に理解できるはずである。さらに、好ましい実施形態が図示され説明されたが、当分野の技術者には、本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく様々な修正形態を作ることができることが明らかであろう。そのような修正形態は添付の特許請求の範囲に含めて検討される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の1つの実施形態の部分分解図である。
【図2】本発明の1つの実施形態の断面図である。
【図3】本発明の1つの実施形態の斜視図である。
【図4】本発明の1つの実施形態のフィッティングポート、チャネルおよびピンバルブシートの詳細断面図である。
【図5】本発明の1つの実施形態の概略図である。
【図6】本発明の1つの実施形態の平面図である。
【図7】本発明のピンバルブの1つの実施形態の分解図である。
【図8】本発明のピンバルブの別の実施形態の詳細分解図である。
【図9】本発明の流体プレートの1つの実施形態の平面図である。
【図10】ピンバルブおよび流体チャネルの詳細断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブピンを収納するピンブロックと、
バルブピンと流体連通するための流体チャネルをもつ流体プレートと、
流体プレートと流体連通するための、かつ流体構成要素と流体連通するためのフィッティングを収納するフィッティングブロックとを含むピンバルブアセンブリ。
【請求項2】
フィッティングと整列しているフィッティングポートと、バルブピンと整列しているピンバルブシートとをさらに含む請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項3】
フィッティングポートが流体プレートの流体チャネルに組み込まれた請求項2に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項4】
ピンバルブシートが流体プレートの流体チャネルに組み込まれた請求項2に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項5】
フィッティングポートがフィッティングに組み込まれた請求項2に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項6】
ピンバルブシートがピンバルブに組み込まれた請求項2に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項7】
流体プレートがピンブロックとフィッティングブロックの間に配置されて、フィッティングブロックがピンブロックに結合される請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項8】
フィッティングブロックが、ねじ連結によってピンブロックに結合される請求項7に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項9】
ピンバルブが、ハウジング内で実質的に軸方向に配置された遠位端と近位端とを備えるピンを含む請求項1に記載のバルブピンアセンブリ。
【請求項10】
ピンの遠位端がダイヤモンド様カーボン被覆をもつ請求項9に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項11】
バルブピンがアクチュエータによって作動されて、ピンバルブの遠位端をピンバルブシート内に配置して流体チャネルを実質的にシールし、ピンバルブシートからピンバルブの遠位端を取り除いて流体チャネルを開ける請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項12】
ピンブロックが、流体プレート上の6つのピンバルブシートと整列している、ピンブロックの外側円周に沿って互いが実質的に等距離にある6つのピンバルブを収納する請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項13】
ピンバルブがピンの遠位端の上方でピンハウジングの内部に、流体プレートをシールするためのリングシールを含む請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項14】
流体構成要素がHPLCシステムポンプシリンジ、ポンプ、カラム、試料ループおよび試料シリンジである請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項15】
各バルブピンが、バルブピンを軸方向に移動させピンバルブシート上に配置し下流位置からの流体の流れを実質的に遮断する、あるいはピンバルブシートからピンを取り除いて下流位置への流体の流れを提供するためのアクチュエータを含むハウジング内に収納される請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項16】
ピンバルブがピンシールと、シールロードスリーブとおよび皿ばねと、ロードリングの下方のピンの遠位端の周りのナットシールと、第2皿ばねおよびロードリングの上方のナットとを含む請求項1に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項17】
ピンシールはポリテトラフルオロエチレンのワッシャを囲む2つのポリエーテルエーテルケトンのワッシャである請求項16に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項18】
ピンバルブを収納するためのピンブロックと、
ピンバルブと流体連通するための流体チャネルをもつ流体プレートと、
流体プレートと流体連通するための、かつ流体構成要素と流体連通するためのフィッティングを収納するためのフィッティングブロックとを含むピンバルブアセンブリ。
【請求項19】
ピンブロック内部に収納されたピンバルブと、
フィッティングブロック内部に収納されたフィッティングとをさらに含む請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項20】
フィッティングと整列している1つまたは複数のフィッティングポートと、ピンバルブと整列している1つまたは複数のピンバルブシートとをさらに含む
請求項19に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項21】
フィッティングポートが流体プレートの流体チャネルに組み込まれた請求項20に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項22】
ピンバルブシートが流体プレートの流体チャネルに組み込まれた請求項20に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項23】
フィッティングポートがフィッティングに組み込まれた請求項20に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項24】
ピンバルブシートがピンバルブに組み込まれた請求項20に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項25】
バルブピンがそれと整列するピンバルブシートに突き当たり、流体プレートの流体チャネルを通る流体の流れを実質的に遮断する請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項26】
各ピンバルブが、ピンバルブを軸方向に移動させピンバルブシート上に配置し下流位置からの流体の流れを実質的に遮断する、あるいはピンバルブシートからピンを取り除いて下流位置への流体の流れを提供するための作動用手段を含む標準化されたハウジング内に収納される請求項25に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項27】
バルブピンハウジングがピンブロックに解除可能に嵌合される請求項26に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項28】
流体プレートが過フッ化炭化水素ポリマで被覆されたステンレス鋼である請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項29】
過フッ化炭化水素ポリマがテトラフルオロエチレンである請求項28に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項30】
流体プレートが、ピンブロックおよびフィッティングブロックに対してシールされたその表面に実質的に平らな過フッ化炭化水素ポリマのシムを備えるステンレス鋼である請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項31】
過フッ化炭化水素ポリマがテトラフルオロエチレンである請求項30に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項32】
流体プレートがピンブロックとフィッティングブロックとの間に配置されて、フィッティングブロックがピンブロックに結合される請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項33】
ピンバルブが、ハウジング内で実質的に軸方向に配置された遠位端および近位端をもつピンを含む請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項34】
ピンバルブがアクチュエータによって作動されて、バルブピンの遠位端をピンバルブシート内に配置して流体チャネルを実質的にシールし、ピンバルブシートからバルブピンの遠位端を取り除いて流体チャネルを開ける請求項33に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項35】
アクチュエータが空気式で動作される請求項34に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項36】
流体構成要素がHPLCシステムポンプシリンジ、ポンプ、カラム、試料ループおよび試料シリンジである請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項37】
各バルブピンが、バルブピンを軸方向に移動させピンバルブシート上に配置し下流位置からの流体の流れを実質的に遮断する、あるいはピンバルブシートからピンを取り除いて下流位置への流体の流れを提供するための作動用手段を含む標準化されたハウジング内に収納される請求項18に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項38】
ピンバルブシートを備えるピンバルブを収納するピンブロックと、
チャネル端部をもつ1つまたは複数のチャネルをもつ流体プレートと、
ピンバルブシートと流体連通しているフィッティングポートと流体連通するための、かつ流体構成要素と流体連通するためのフィッティングを収納するフィッティングブロックとを含むピンバルブアセンブリ。
【請求項39】
フィッティングポートが流体プレートに組み込まれた請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項40】
フィッティングポートがフィッティングに組み込まれた請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項41】
バルブピンが流体プレートのチャネルと整列している請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項42】
流体プレートのチャネルは端部をもつ6つのチャネルを含む請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項43】
ピンバルブがそれぞれ流体プレートの2つのチャネル端部と整列する請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項44】
ピンバルブシートが1つのチャネル端部と流体連通する第1通路と別のチャネル端部と流体連通する第2通路とを含む請求項42に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項45】
ピンバルブがピンバルブシートの第1通路と第2通路との間の流体連通を実質的に遮断するピンを含む請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項46】
ピンがピンバルブシートの第1通路および第2通路をアクチュエータによって遮断するように作動される請求項44に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項47】
アクチュエータが空気式で作動される請求項45に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項48】
ピンバルブがピンバルブシートと流体プレートとの間の流体連通を実質的に遮断するピンを含む請求項46に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項49】
各バルブピンが標準化されたハウジング内にピンブロックに嵌合されて解除可能に収納される請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項50】
流体プレートが過フッ化炭化水素ポリマで被覆されたステンレス鋼である請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項51】
過フッ化炭化水素ポリマがテトラフルオロエチレンである請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項52】
流体プレートが、ピンブロックおよびフィッティングブロックによって突き当てられる実質的に平らな過フッ化炭化水素ポリマのシムを表面に備えるステンレス鋼である請求項50に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項53】
過フッ化炭化水素ポリマがテトラフルオロエチレンである請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項54】
流体プレートがピンブロックとフィッティングブロックとの間に配置されて、フィッティングブロックがピンブロックに結合される請求項52に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項55】
ピンバルブがアクチュエータによって作動されて、バルブピンの遠位端をピンバルブシート内に配置し、ピンバルブシートからバルブピンの遠位端を取り除く請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項56】
アクチュエータが空気式で動作される請求項55に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項57】
流体構成要素がHPLCシステムポンプシリンジ、ポンプ、カラム、試料ループおよび試料シリンジである請求項38に記載のピンバルブアセンブリ。
【請求項58】
流体の流れを制御する方法であって、
ピンバルブシートおよび流体フィッティングポートと交差する連結された流体チャネルを備える流体プレートを提供するステップと、
流体フィッティングポートに連通した流体構成要素から流体チャネルに流体を供給するステップと、
流体構成要素を使用して流体を移動させるステップと、
シートに突き当てることによって選択されたピンバルブシートのところで流体チャネルを対応するバルブピンでシールするステップとを含む方法。
【請求項59】
流体構成要素がHPLCシステムポンプシリンジ、ポンプ、カラム、試料ループおよび試料シリンジである請求項58に記載の流体の流れを制御する方法。
【請求項60】
供給段階の間、試料シリンジから試料ループを通る流体連通、および試料ループからシステムシリンジを通る流体連通のために流体チャネルが開いており、試料ループからポンプへの流体連通、試料ループからカラムへの流体連通、および試料シリンジからポンプシリンジへの流体連通がシールされ、
注入段階の間、ポンプから試料ループを通る流体連通、および試料ループからカラムを通る流体連通のために流体チャネルが開いており、ポンプからカラムへの流体連通、および試料シリンジから試料ループへの流体連通、試料ループからポンプシリンジへの流体連通がシールされている請求項59に記載の流体の流れを制御する方法。
【請求項61】
供給段階の間、ピンバルブがポンプシリンジによって引き起こされた圧力差によって流体試料を試料シリンジから移動させ試料ループに供給し、注入段階の間、ピンバルブがポンプによって引き起こされた圧力差によって試料を試料ループからカラムへ注入させる請求項59に記載の流体の流れを制御する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2007−523307(P2007−523307A)
【公表日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−554317(P2006−554317)
【出願日】平成17年2月18日(2005.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2005/005714
【国際公開番号】WO2005/079543
【国際公開日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【出願人】(504438255)ウオーターズ・インベストメンツ・リミテツド (80)
【Fターム(参考)】