ファイルの編集装置及びファイルの編集方法
【課題】ファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定された記録再生フォーマットを有する記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行う。
【解決手段】操作部15が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部として機能するマイクロプロセッサ14が、実際に分割を行う際の基準となる修正分割点を特定する。また、マイクロプロセッサ14は、第1のファイルのヘッダである第1のヘッダから修正分割点までを第2のファイルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新する。また、マイクロプロセッサ14は、第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する。メモリ16が、第2のファイルを記憶する。
【解決手段】操作部15が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部として機能するマイクロプロセッサ14が、実際に分割を行う際の基準となる修正分割点を特定する。また、マイクロプロセッサ14は、第1のファイルのヘッダである第1のヘッダから修正分割点までを第2のファイルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新する。また、マイクロプロセッサ14は、第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する。メモリ16が、第2のファイルを記憶する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行うファイルの編集装置及びファイルの編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個体記録素子、例えば、フラッシュメモリなどを記録媒体とした小型の記録再生装置が広く利用されるようになっている。このような記録再生装置では、音響情報(オーディオ信号)または映像情報(ビデオ信号)を一定の時間に渡り記録し、その後に、ファイル管理を行うためにファイルに対する編集を行うことが要望されている。
【0003】
例えば、エムペグ(MPEG)フォーマットを採用して圧縮したデータストリームまたはエムペグ・オーディオ(MPEG Audio)フォーマットのファイルを編集する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。この技術では、編集の処理で取り扱う情報の最小単位であるクラスタの切れ目で分割して、クラスタの空いた部分をパディングすることによってファイル分割するものである。
【0004】
上述した編集の技術は、クラスタの空いた部分をパディングすることが予定されているエムペグフォーマットなどを採用する場合に可能となるものである。このようなフォーマットの他の例としては、アールアイエフエフ・ウエーブフォーム・オーディオ・フォーマット(RIFF waveform Audio Format)が挙げられる(非特許文献1、非特許文献2を参照)。図13は、RIFF waveform Audio Format(以下、RIFF Wave ファイルフォーマットと省略する)を模式的に示す図である。RIFF Wave ファイルフォーマットでは、ジャンク(JUNK)チャンク(図13の破線で囲った部分)を挿入することによってファイルの先頭からデータの開始点までの長さを任意に調整できるフォーマットである。このように、ジャンク(JUNK)チャンクを利用して、任意のデータストリームの位置でファイルを分割できるようにしている。近年では、ファイルの形式としては、上述したMPEGフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットのみならず、ディーエスエフ(DSF)ファイルフォーマットが広範に用いられるようになってきている(非特許文献3を参照)。DSFファイルフォーマットは、本願の願書に記載の出願人が開発してその内容を広く公表しているものであり、Direct Stream Digital(DSD)データ用のフォーマット(拡張子「.dsf」)である。図14はDSFファイルフォーマットを示す模式図である。図14に示すように、DSFファイルフォーマットでは、ファイルの先頭からデータの開始点までが必ず92バイト(Byte)に固定されており、DSDチャンク、fmtチャンクは必ず存在しなければならない。
【特許文献1】特開平11−176083号公報
【特許文献2】特開2000−298611号公報
【非特許文献1】「Multimedia Programming Interface and Data SpecificationV1.0」(Microsoft and IBM)
【非特許文献2】「Multimedia Data Standards Update / April 15,1994」(Microsoft and IBM)
【非特許文献3】「DSF ファイルフォーマット仕様書 Version 1.01」(Sony) フォーマット入手登録URL http://www.dsd-format.sony.net/ja/index.php
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、エムペグフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットにおいては、ジャンクチャンクの挿入(パディング)によって容易に、ファイルを分割することができる。一方、DSFファイルフォーマットが用いられる場合には、ファイルの分割は容易ではない。図1は、DSFファイルフォーマットに基づくファイルを、エムペグフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットと同様にして分割する場合を模式的に示すものである。図1(A)は分割前のファイルF1を示し、矢印で示す分割点DPは分割をすることを要望するデータストリームの位置を示すものである。図1(B)は分割後の一方の分割ファイルF1-1を示し、図1(C)は分割後の他方の分割ファイルF1-2を示すものである。ここで、クラスタCL(X)は、クラスタ番号を示し、Xは整数である。ここで、クラスタとは、編集の処理で取り扱う情報の最小単位であり、複数のデータの塊の最小単位である。また、ここで言うデータとは、ビットを上位から下位まで並べて所定長の長さとしたものである。
【0006】
図1(B)に示す分割ファイルF1-1では、クラスタCL(2)、クラスタCL(3)、クラスタCL(4)、分割点DPを含むクラスタCL(A)と続く。ここで、クラスタCL(A)はクラスタCL(5)の分割点DPまでの記録内容を含んでいる。クラスタCL(2)のヘッダ(HEADER)に記録されるフレームサイズは分割点DPまでの記憶容量に応じて、ファイルF1のヘッダに記録されているファイルサイズの情報を変更して用いられる。
【0007】
図1(C)に示す分割ファイルF1-2では、ヘッダを含む分割前のクラスタCL(2)をコピーしてクラスタCL(B)として用い、クラスタCL(5)、クラスタCL(6)、クラスタCL(7)、クラスタCL(8)、クラスタCL(9)と続く。ここで、クラスタCL(B)のヘッダの後ろからクラスタCL(5)の分割点DPまでの間(SPACEと記載されている部分)は、無効データである。DSFフォーマットでは、ファイルの先頭からデータの開始点までが必ず92バイト(Byte)に固定されており、無効データを含むことができない。このために、このような分割をしたとしても、分割ファイルF1-2に関しては本来含まれないはずのデータがファイルの先頭に入るために、その部分で異音が発生するなどする。この意味において、正しくファイルを分割したとは言えないこととなる。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑み、ファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定された記録再生フォーマットを有する記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行うことができるファイルの編集装置を提供する。また、ファイルの編集方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のファイルの編集装置は、第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する制御部と、前記第2のファイルを記憶するメモリと、を備える。
【0010】
本発明の別のファイルの編集装置は、第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、前記第3のヘッダを含んで形成される第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する制御部と、前記第3のファイルを記憶するメモリと、を備える。
【0011】
本発明のファイルの編集方法は、操作部が、第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定し、制御部が、前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成し、メモリが、前記第2のファイルを記憶する。
【0012】
本発明のファイルの装置編集装置、編集方法では、操作部が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部が、修正分割点を特定し、第1のヘッダから修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する。メモリが、第2のファイルを記憶する。よって、第1のファイルを分割して第2のファイルを形成するファイルの編集ができる。
【0013】
本発明の別のファイルの編集装置では、操作部が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部が、修正分割点を特定し、分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する。メモリが第3のファイルを記憶する。よって、第1のファイルを分割して第3のファイルを形成するファイルの編集ができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、修正分割点を基準にしてファイルの分割を行ってファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定された記録再生フォーマットを有する記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行う技術が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図2は、実施形態の編集装置を示すものである。この編集装置10は、記録媒体に記録再生をする記録再生装置の機能の一つとして編集機能を有する記録再生装置としても捉えることができる。なお、編集装置10においては、要部のみが記載されている。編集装置では、再生の機能に係る部分については、備えるものとしても、備えないものとしても良いので編集装置10においてはこの部分の記載はされていない。
【0016】
編集装置10は、音楽、会話、講演などの音響信号を記録する機能有する音響信号記録部を備えている。音響信号記録部は、音響信号を電気信号に変換するマイクロフォン11を備えている。また、マイクロフォン11で得られた電気信号を増幅するマイクロフォンアンプ12を備えている。また、マイクロフォンアンプ12からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ13を備えている。また、A/Dコンバータ13で得られたデジタル信号を処理するマイクロプロセッサ14を備えている。また、マイクロプロセッサ14と操作者とのインターフェイスとして機能する操作部15を備えている。また、マイクロプロセッサ14で処理された音響信号を記憶する記憶媒体としてメモリ16を備えている。また、マイクロプロセッサ14は、中央演算装置(CPU)141、ロム(ROM)142、ラム(RAM)143を有している。CPU141、ROM142、RAM143及びメモリ16は相互にバスラインで接続されている。
【0017】
編集装置10は、例えば、打ち合わせ内容、会議内容を記憶して再生する、所謂、アイシー(IC)メモリとしての機能を有するものである。このようなアイシーメモリでは、メモリ16としてフラッシュメモリを採用するなどして、装置のサイズとしては小型でありながら、長時間の会議の内容を連続して記憶することができる。また、フラッシュメモリは不揮発性メモリであるので、電源からの電力の供給を絶った後においても記憶は維持される。
【0018】
このような編集装置10がどの様に使用されるかについて、以下にその一例を示す。長時間の会議の内容を連続して記憶して、その後、その内容の整理をする場合がある。つまり編集が必要となる場合がある。具体的な編集の内容としては、識別情報を付すことなく連続して会議内容を記録した後に、事後的に会議の中での特定の発言者を分類して、その発言者に属する発言内容に識別情報を付して検索を容易にすることが考えられる。また、識別情報を付すことなく連続して会議内容を記録した後に、事後的に会議の議題(アジェンダ)毎に識別情報を付して分類をする必要が生じることが考えられる。このような場合に容易に編集ができるか、編集が困難であるかは、装置使用の利便性において雲泥の差が生じる。
【0019】
また、別の編集装置10の使用の例としては、コンサートなどで連続的に複数の楽曲が連続して演奏される場合に1個のファイルとして連続して記録して、事後的に、編集する例が挙げられる。このような編集では、楽曲毎に、または、複数の楽曲を選択して組み合わせたアルバム毎に、新たなファイルとして分割するなどが行われる。このような場合にも容易に編集ができないとすると、装置使用の利便性が著しく損なわれる。
【0020】
実施形態の編集装置10は、編集機能とともに記録の機能を有するように構成されている。なお、実施形態の編集装置10では、記録の機能を有するものとされているが、実施形態の技術を用いて、記録の機能を有さず、編集機能を専らとする編集装置としても構成できる。
【0021】
編集装置10の各部の作用を簡単に説明する。マイクロフォン11、マイクロフォンアンプ12、A/Dコンバータ13を経て得られたデジタル信号は、マイクロプロセッサ14において情報圧縮が行われ、DSFファイルフォーマットに従ったファイルとしてファイルがメモリ16に記憶される。ROM142には、CPU141での処理の手順(プログラム)が記憶されており、CPU141は、このプログラムに基づき、RAM143に情報を一時的に記憶しながら、記録、編集の各々の処理を行う。なお、編集装置10が再生の機能を備える場合には、マイクロプロセッサ14は再生処理も行う。ここで、マイクロプロセッサ14は制御部として機能するものである。制御部として機能するものであれば、マイクロプロセッサ14に限らず、ハードウエアデジタル回路も同様にしてマイクロプロセッサ14に替えて用いることができる。
【0022】
実施形態の編集技術について、図面を参照した具体的な説明に先立ち実施形態のファイルの編集技術の要部を以下にまとめる。
【0023】
実施形態のファイルの編集技術では、操作部15が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部として機能するマイクロプロセッサ14が、実際に分割を行う際の基準となる修正分割点を特定する。また、マイクロプロセッサ14は、第1のファイルのヘッダである第1のヘッダから修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新する。また、マイクロプロセッサ14は、第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する。メモリ16が、第2のファイルを記憶する。
【0024】
実施形態の別のファイルの編集技術では、操作部15が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。マイクロプロセッサ14が、実際に分割を行う際の基準となる修正分割点を特定する。また、マイクロプロセッサ14は、分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する。メモリ16が第3のファイルを記憶する。
【0025】
図3、図4、図5は、マイクロプロセッサ14において行われる編集の処理の内容を模式的に示す図である。図3〜図5の各図を参照して、実施形態の編集の処理、すなわち、DSFファイルフォーマットによって記録されたファイルの分割の処理について具体的に説明をする。
【0026】
図3は分割する前のファイルF1の構成を示す図である。説明を簡単にするために、このファイルは、クラスタCL(2)からクラスタCL(9)までのクラスタで形成されているとする。括弧内の番号はクラスタ番号である。破線の矢印の位置が、分割を要望する分割点DPの位置である。この分割点DPの位置は、操作部15(図2を参照)に配された釦を押すなどして特定される。編集装置10において、記録された音響情報を再生しながら、分割をしたい部分の音響情報を操作者が認識をしたときに、その釦を押すことによって分割点DPの位置は指定される。
【0027】
図4は、分割後の分割ファイルF1-1の構成を示す図である。ここで、実際に分割される位置は分割点DPではなく実線の矢印で示す修正分割点DPRに変更されている。この変更は、マイクロプロセッサ14(図2を参照)のCPU141で行われる処理である。分割点DPは、CL(5)の先頭位置から任意の位置であり、図4では、クラスタCL(5)の先頭位置から92バイトよりも離れた位置である。一方、修正分割点DPRは、クラスタCL(5)の先頭位置から正確に92バイト離れた位置である。すなわち、修正分割点DPRは、操作部15に配された釦が押された時点で再生をしていたファイルのクラスタ(この場合には、ファイルF1のクラスタCL(5)の先頭から正確に92バイトの位置に変更される。また、分割点DPがクラスタCL(5)の先頭位置から92バイト以内である場合にも、修正分割点DPRはクラスタCL(5)の先頭から正確に92バイトの位置に変更される。
【0028】
図4に示すように、分割後の分割ファイルF1-1に含められるファイルは以下のようにされる。まず、ファイルF1の修正分割点DPRが属するクラスタよりも前のクラスタであるクラスタCL(2)からクラスタCL(4)までのファイルが分割後の分割ファイルF1-1に含められる。それに加えて、クラスタCL(5)をコピーしたクラスタであるクラスタCL(A)が分割後の分割ファイルF1-1に含められる。そして、クラスタCL(4)とクラスタCL(A)とがつながるようにFATのクラスタリング情報を更新する。FAT及びFATのクラスタリング情報の更新については、後述する。また、分割ファイルF1-1のヘッダ内に含まれるファイルサイズを示す情報を書き換える。この場合には、ファイルサイズは、クラスタCL(2)からクラスタCL(A)の先頭92バイト目(ヘッダが占める位置に相当するバイト数)である。このようにして、ファイルF1に書かれていた数字を更新して新しいヘッダを生成する。つまり、図4に示すクラスタCL(A)の斜線を施した領域に記憶されたデータはファイルサイズには含まれないこととなる。
【0029】
図5は、分割後の分割ファイルF1-2の構成を示す図である。図5に示すように、分割後の分割ファイルF1-2に含められるファイルは以下のようにされる。分割後の分割ファイルF1-2の先頭はクラスタCL(5)とされる。そして、クラスタCL(5)の先頭から分割ファイルF1-2のためのヘッダを上書きして、新たなヘッダを生成する。そして、分割ファイルF1-2をFATのディレクトリエントリ情報に追加する。以上の処理によって、ファイルF1は分割ファイルF1-1と分割ファイルF1-2とに分割される。各々のファイルにおいて、DATAと記載された部分が利用可能なデータである。分割ファイルF1-1と分割ファイルF1-2との各々は、DSFフォーマットに従っているので、再生などの処理を行うに際して、なんら問題が生じることはない。
【0030】
図6はファット(FAT)の概念を示す図である。FAT(File Allocation Table)はファイルシステムにおける管理領域である。FATを用いるファイルシステムであるFATファイルシステムでは、クラスタを論理単位として、データサイズに応じてクラスタを割り当ててファイルを形成する。このとき、どのクラスタが、あるファイルを形成するかについての情報などをFATに記録してファイルの管理を行っている。
【0031】
図6に示すFATの一例では、ファイルMAIN.Cは、クラスタCL(002)、クラスタCL(003)、クラスタCL(006)で形成されている。情報の再生は、FATに記録された数字に対応するクラスタの順になされる。クラスタCL(002)の情報の内容は、MAIN.Cのデータ1である。クラスタCL(003)の情報の内容は、MAIN.Cのデータ2である。クラスタCL(006)の情報の内容は、MAIN.Cのデータ3である。ファイルFUNC.Cは、クラスタCL(004)、クラスタCL(005)で形成されている。クラスタCL(004)の情報の内容は、FUNC.Cのデータ1である。クラスタCL(005)の情報の内容は、FUNC.Cのデータ2である。クラスタCL(007)、クラスタCL(008)は未使用である。また、ディレクトリ(FATのディレクトリエントリ)として、クラスタCL(002)にMAIN.Cが記録され、クラスタCL(004)にFUNC.Cが記録されている。
【0032】
図7は、図3に示すファイルF1に対応するFATを示す図である。各枡目の( )の内は、図3に示すクラスタ番号に対応するものである。つまり、クラスタCL(002)の次はクラスタCL(003)が再生されることを表している。また、クラスタCL(003)の次はクラスタCL(004)が再生されることを表している。他についても同様である。
【0033】
図8は、図4に示す分割ファイルF1-1に対応するFATを示す図である。つまり、クラスタCL(002)の次はクラスタCL(003)が再生されることを表している。また、クラスタCL(003)の次はクラスタCL(004)が再生されることを表している。そして、クラスタCL(004)の次はクラスタCL(005)ではなく、クラスタCL(00A)が再生されることを表している。ここで、分割前にディレクトリエントリに管理されているのは分割前のファイルだけであるので、分割後には新しいエントリが追加され、それぞれのファイルの先頭クラスタを指し示すように変更される。すなわち、分割前のディレクトリエントは、FILE.DSF 002とされているが、分割後のディレクトリエントは、FILE-1.DSF 002, FILE-2.DSF 005と、書き換えられる。
【0034】
図9は上述した編集の処理、すなわち、ファイルの分割の処理を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートに沿って以下に説明をする。
【0035】
ステップST100では、マイクロプロセッサ14は、操作部15からの指示を受け取りファイルの分割の処理を開始する。
ステップST101では、マイクロプロセッサ14は、分割処理の対象となるファイルである分割処理ファイルを指定(設定)する。
ステップST102では、マイクロプロセッサ14は、操作部15からの指示を受け取った時点に対応する分割点から修正分割点を特定(設定)する。すなわち、修正分割点の位置を指定されたクラスタの先頭からHEADERサイズ分(この場合には92バイト)後ろの位置に決定する。
ステップST103では、マイクロプロセッサ14は、分割点を含むクラスタ(このクラスタは修正分割点も同様に含むクラスタである)をコピーする。
ステップST104では、マイクロプロセッサ14は、FATのクラスタリング情報を変更する。
ステップST105では、マイクロプロセッサ14は、FATのディレクトリエントリを変更する。
ステップST106では、マイクロプロセッサ14は、ファイルの先頭に記録されているHEADER内のデータフレームサイズを更新する。
以上の処理によって修正分割点より前に位置するクラスタで形成される新たなファイル(第1の分割ファイル)の分割の処理が完了する。そして、この新たなファイル(第1の分割ファイル)はメモリ16に格納される。
【0036】
ステップST107では、修正分割点を含むクラスタ(分割位置に指定されたクラスタ)の先頭に新に更新されたHEADERを上書きする。
以上の処理によって修正分割点より後ろに位置するクラスタで形成される新たなファイル(第2の分割ファイル)の分割の処理が完了する。そして、この新たなファイル(第2の分割ファイル)はメモリ16に格納される。
【0037】
上述したようにして、実施形態の技術によって、自由にフィルの分割を含む編集ができるが、分割は、クラスタの先頭から所定位置離れた位置を修正分割点として行わなければならない。この場合において、操作部15が分割することを要求する分割点DPではなく、修正分割点DPRで分割することに伴う不都合が生じるか否かについて検討をする。
【0038】
表1は、DSD(Direct Stream Digital)のデータのビットレート及びクラスタサイズの各値に対して1クラスタの時間がどの様に変化するかをまとめた表である。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から読み取れるように、例えば、2チャンネルで、ビットレートが2.8MHzの場合では、クラスタサイズが8KByteのときは1クラスタの時間は11.7msec(ミリ秒)である。クラスタサイズが16KByteのときは23.4msecである。クラスタサイズが32KByteのときは46.8msecである。また、例えば、4チャンネルで、ビットレートが5.6MHzの場合では、クラスタサイズが8KByteのときは5.9msec、クラスタサイズが16KByteのときは11.7msec、クラスタサイズが32KByteのときは23.4msecである。
【0041】
このように、1クラスタに対応する時間は、人間の聴覚、視覚で認識できる時間に較べて短い時間である。分割点の位置が修正分割点に固定されたとしても、所望の分割点と実際に得られる分割点である修正分割点との間の時間の誤差は最大でも46.8msecの範囲内に留まり、上述した分割処理による不都合は生じない。
【0042】
ここで、上述した実施形態に説明した技術を用いることのないファイルの編集技術について付言する。ファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定されたフォーマット、例えば、DSF、においても、修正分割点DPRを用いずに、分割要望が発せられた分割点DPを分割位置として分割をすることは、技術的には不可能ではない。しかしながら、この場合には、ファイルに含まれる情報をすべて取り出して、時系列情報の先頭から順に、すべてのファイルを再構成しなければならない。すなわち、編集が要求される情報以外の同一のファイルに属するすべての情報が編集の対象となってしまい、作業の量が膨大となり、作業時間が長くなってしまう。また、作業を行う環境、例えば、制御部の処理能力の強化が要求され、メモリの記録容量もさらに大きなものが必要とされて編集装置のコストも高価なものとなってしまう。
【0043】
上述した実施形態によれば、修正分割点を基準として分割することによって効率的に編集ができる。すなわち、実施形態の技術では、単に編集可能とするだけでなく、その編集処理がより効率化される。例えば、記録媒体内でのファイル編集のために必要となるデータ移動・複製・書換などが最小限とすることができる。また、編集のための処理時間、編集装置の消費電力を極めて小さなものとすることができる。そして、このような特徴を有するが故に、編集装置の小型化を達成することができ、このような編集装置と記録再生装置とを結合して、可搬型の小型の編集装置(記録再生装置とも言える)を実現することが可能となるのである。
【0044】
図10、図11、図12は、上述した実施形態の変形例を示す図である。これについて説明をする。図10〜図12は、上述した実施形態とは異なる分割の手順を、図を用いて説明するものである。図11に分割ファイルF1-2を示し、図12に分割ファイルF1-1を示すが、最終的な2つの分割ファイルの構成は、上述した実施形態の技術によって得られるものと異なるものではなく、その分割の過程が異なるものである。
【0045】
図10に示すファイルF1は、ファイルに記録されているデータが2チャンネルの音響情報が記録されているオーディオデータである場合のファイルの一例を示す図である。Rチャンネル(右側チャンネル)とLチャンネル(左側チャンネル)とは、ファイルの先頭から各々が所定容量を有して、交互に記録されている。複数個のRチャンネルとLチャンネルとで1つのクラスタが形成されている。操作部15(図2を参照)の釦が押されたときの操作部15が指示する分割点の位置が分割点DPである。修正分割点DPRは、制御部であるマイクロプロセッサ14によって特定されるものであり、上述したように、分割点に対応するクラスタ(その分割点、修正分割点が属するクラスタ)の先頭から所定の位置離間(例えば、92バイト分離間)したデータの位置である。
【0046】
図11は、分割されたファイルである分割ファイルF1-2がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。分割は以下のような手順で行われる。まず、修正分割点DPRが含まれるクラスタであるクラスタCL(3)をコピーする。次に、クラスタCL(3)にクラスタCL(4)をつなぐ。クラスタCL(3)の先頭部に分割ファイルF1-2のヘッダを生成する(上書きする)。
【0047】
図12は、分割されたファイルである分割ファイルF1-1がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。分割は以下のような手順で行われる。まず、修正分割点DPRが含まれるクラスタであるクラスタCL(3)の修正分割点DPRの位置で分割する。次に、ヘッダのファイルサイズをデータの先頭位置から修正分割点DPRの位置までに応じたファイルサイズに書き換えて、分割ファイルF1-1のヘッダを生成する。なお、ファット(FAT)の処理については上述した実施形態におけると同様である。
【0048】
上述した実施形態の説明に際しては、記録されたデータが音響情報であるとして説明をしたが、音響情報ではなく、映像情報(静止画情報、動画情報)であっても、上述した実施形態の技術が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、DSFファイルを、エムペグフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットと同様にして分割する場合を模式的に示す図である。
【図2】実施形態の編集装置を示す図である。
【図3】分割する前のファイルF1の構成を示す図である。
【図4】分割後の分割ファイルF1-1の構成を示す図である。
【図5】分割後の分割ファイルF1-2の構成を示す図である。
【図6】ファット(FAT)の概念を示す図である。
【図7】ファイルF1に対応するFATを示す図である。
【図8】分割ファイルF1-1に対応するFATを示す図である。
【図9】ファイルの分割の処理を示すフローチャートである。
【図10】ファイルに記録されているデータが2チャンネルの音響情報が記録されているオーディオデータである場合のファイルを示す図である。
【図11】分割ファイルF1-2がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。
【図12】分割ファイルF1-1がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。
【図13】RIFF Wave ファイルフォーマットを模式的に示す図である。
【図14】DSFファイルフォーマットを示す模式図である。
【符号の説明】
【0050】
10 編集装置、 11 マイクロフォン、 12 マイクロフォンアンプ、 13 A/Dコンバータ、 14 マイクロプロセッサ、 15 操作部、16 メモリ、 F1 ファイル(第1のファイル)、F1-1 分割ファイル(第2のファイル)、 F1-2 分割ファイル(第3のファイル)
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行うファイルの編集装置及びファイルの編集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個体記録素子、例えば、フラッシュメモリなどを記録媒体とした小型の記録再生装置が広く利用されるようになっている。このような記録再生装置では、音響情報(オーディオ信号)または映像情報(ビデオ信号)を一定の時間に渡り記録し、その後に、ファイル管理を行うためにファイルに対する編集を行うことが要望されている。
【0003】
例えば、エムペグ(MPEG)フォーマットを採用して圧縮したデータストリームまたはエムペグ・オーディオ(MPEG Audio)フォーマットのファイルを編集する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2を参照)。この技術では、編集の処理で取り扱う情報の最小単位であるクラスタの切れ目で分割して、クラスタの空いた部分をパディングすることによってファイル分割するものである。
【0004】
上述した編集の技術は、クラスタの空いた部分をパディングすることが予定されているエムペグフォーマットなどを採用する場合に可能となるものである。このようなフォーマットの他の例としては、アールアイエフエフ・ウエーブフォーム・オーディオ・フォーマット(RIFF waveform Audio Format)が挙げられる(非特許文献1、非特許文献2を参照)。図13は、RIFF waveform Audio Format(以下、RIFF Wave ファイルフォーマットと省略する)を模式的に示す図である。RIFF Wave ファイルフォーマットでは、ジャンク(JUNK)チャンク(図13の破線で囲った部分)を挿入することによってファイルの先頭からデータの開始点までの長さを任意に調整できるフォーマットである。このように、ジャンク(JUNK)チャンクを利用して、任意のデータストリームの位置でファイルを分割できるようにしている。近年では、ファイルの形式としては、上述したMPEGフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットのみならず、ディーエスエフ(DSF)ファイルフォーマットが広範に用いられるようになってきている(非特許文献3を参照)。DSFファイルフォーマットは、本願の願書に記載の出願人が開発してその内容を広く公表しているものであり、Direct Stream Digital(DSD)データ用のフォーマット(拡張子「.dsf」)である。図14はDSFファイルフォーマットを示す模式図である。図14に示すように、DSFファイルフォーマットでは、ファイルの先頭からデータの開始点までが必ず92バイト(Byte)に固定されており、DSDチャンク、fmtチャンクは必ず存在しなければならない。
【特許文献1】特開平11−176083号公報
【特許文献2】特開2000−298611号公報
【非特許文献1】「Multimedia Programming Interface and Data SpecificationV1.0」(Microsoft and IBM)
【非特許文献2】「Multimedia Data Standards Update / April 15,1994」(Microsoft and IBM)
【非特許文献3】「DSF ファイルフォーマット仕様書 Version 1.01」(Sony) フォーマット入手登録URL http://www.dsd-format.sony.net/ja/index.php
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、エムペグフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットにおいては、ジャンクチャンクの挿入(パディング)によって容易に、ファイルを分割することができる。一方、DSFファイルフォーマットが用いられる場合には、ファイルの分割は容易ではない。図1は、DSFファイルフォーマットに基づくファイルを、エムペグフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットと同様にして分割する場合を模式的に示すものである。図1(A)は分割前のファイルF1を示し、矢印で示す分割点DPは分割をすることを要望するデータストリームの位置を示すものである。図1(B)は分割後の一方の分割ファイルF1-1を示し、図1(C)は分割後の他方の分割ファイルF1-2を示すものである。ここで、クラスタCL(X)は、クラスタ番号を示し、Xは整数である。ここで、クラスタとは、編集の処理で取り扱う情報の最小単位であり、複数のデータの塊の最小単位である。また、ここで言うデータとは、ビットを上位から下位まで並べて所定長の長さとしたものである。
【0006】
図1(B)に示す分割ファイルF1-1では、クラスタCL(2)、クラスタCL(3)、クラスタCL(4)、分割点DPを含むクラスタCL(A)と続く。ここで、クラスタCL(A)はクラスタCL(5)の分割点DPまでの記録内容を含んでいる。クラスタCL(2)のヘッダ(HEADER)に記録されるフレームサイズは分割点DPまでの記憶容量に応じて、ファイルF1のヘッダに記録されているファイルサイズの情報を変更して用いられる。
【0007】
図1(C)に示す分割ファイルF1-2では、ヘッダを含む分割前のクラスタCL(2)をコピーしてクラスタCL(B)として用い、クラスタCL(5)、クラスタCL(6)、クラスタCL(7)、クラスタCL(8)、クラスタCL(9)と続く。ここで、クラスタCL(B)のヘッダの後ろからクラスタCL(5)の分割点DPまでの間(SPACEと記載されている部分)は、無効データである。DSFフォーマットでは、ファイルの先頭からデータの開始点までが必ず92バイト(Byte)に固定されており、無効データを含むことができない。このために、このような分割をしたとしても、分割ファイルF1-2に関しては本来含まれないはずのデータがファイルの先頭に入るために、その部分で異音が発生するなどする。この意味において、正しくファイルを分割したとは言えないこととなる。
【0008】
本発明は上述した課題に鑑み、ファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定された記録再生フォーマットを有する記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行うことができるファイルの編集装置を提供する。また、ファイルの編集方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のファイルの編集装置は、第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する制御部と、前記第2のファイルを記憶するメモリと、を備える。
【0010】
本発明の別のファイルの編集装置は、第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、前記第3のヘッダを含んで形成される第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する制御部と、前記第3のファイルを記憶するメモリと、を備える。
【0011】
本発明のファイルの編集方法は、操作部が、第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定し、制御部が、前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成し、メモリが、前記第2のファイルを記憶する。
【0012】
本発明のファイルの装置編集装置、編集方法では、操作部が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部が、修正分割点を特定し、第1のヘッダから修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する。メモリが、第2のファイルを記憶する。よって、第1のファイルを分割して第2のファイルを形成するファイルの編集ができる。
【0013】
本発明の別のファイルの編集装置では、操作部が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部が、修正分割点を特定し、分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する。メモリが第3のファイルを記憶する。よって、第1のファイルを分割して第3のファイルを形成するファイルの編集ができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、修正分割点を基準にしてファイルの分割を行ってファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定された記録再生フォーマットを有する記録媒体に記憶されたファイルに対する編集を行う技術が提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図2は、実施形態の編集装置を示すものである。この編集装置10は、記録媒体に記録再生をする記録再生装置の機能の一つとして編集機能を有する記録再生装置としても捉えることができる。なお、編集装置10においては、要部のみが記載されている。編集装置では、再生の機能に係る部分については、備えるものとしても、備えないものとしても良いので編集装置10においてはこの部分の記載はされていない。
【0016】
編集装置10は、音楽、会話、講演などの音響信号を記録する機能有する音響信号記録部を備えている。音響信号記録部は、音響信号を電気信号に変換するマイクロフォン11を備えている。また、マイクロフォン11で得られた電気信号を増幅するマイクロフォンアンプ12を備えている。また、マイクロフォンアンプ12からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ13を備えている。また、A/Dコンバータ13で得られたデジタル信号を処理するマイクロプロセッサ14を備えている。また、マイクロプロセッサ14と操作者とのインターフェイスとして機能する操作部15を備えている。また、マイクロプロセッサ14で処理された音響信号を記憶する記憶媒体としてメモリ16を備えている。また、マイクロプロセッサ14は、中央演算装置(CPU)141、ロム(ROM)142、ラム(RAM)143を有している。CPU141、ROM142、RAM143及びメモリ16は相互にバスラインで接続されている。
【0017】
編集装置10は、例えば、打ち合わせ内容、会議内容を記憶して再生する、所謂、アイシー(IC)メモリとしての機能を有するものである。このようなアイシーメモリでは、メモリ16としてフラッシュメモリを採用するなどして、装置のサイズとしては小型でありながら、長時間の会議の内容を連続して記憶することができる。また、フラッシュメモリは不揮発性メモリであるので、電源からの電力の供給を絶った後においても記憶は維持される。
【0018】
このような編集装置10がどの様に使用されるかについて、以下にその一例を示す。長時間の会議の内容を連続して記憶して、その後、その内容の整理をする場合がある。つまり編集が必要となる場合がある。具体的な編集の内容としては、識別情報を付すことなく連続して会議内容を記録した後に、事後的に会議の中での特定の発言者を分類して、その発言者に属する発言内容に識別情報を付して検索を容易にすることが考えられる。また、識別情報を付すことなく連続して会議内容を記録した後に、事後的に会議の議題(アジェンダ)毎に識別情報を付して分類をする必要が生じることが考えられる。このような場合に容易に編集ができるか、編集が困難であるかは、装置使用の利便性において雲泥の差が生じる。
【0019】
また、別の編集装置10の使用の例としては、コンサートなどで連続的に複数の楽曲が連続して演奏される場合に1個のファイルとして連続して記録して、事後的に、編集する例が挙げられる。このような編集では、楽曲毎に、または、複数の楽曲を選択して組み合わせたアルバム毎に、新たなファイルとして分割するなどが行われる。このような場合にも容易に編集ができないとすると、装置使用の利便性が著しく損なわれる。
【0020】
実施形態の編集装置10は、編集機能とともに記録の機能を有するように構成されている。なお、実施形態の編集装置10では、記録の機能を有するものとされているが、実施形態の技術を用いて、記録の機能を有さず、編集機能を専らとする編集装置としても構成できる。
【0021】
編集装置10の各部の作用を簡単に説明する。マイクロフォン11、マイクロフォンアンプ12、A/Dコンバータ13を経て得られたデジタル信号は、マイクロプロセッサ14において情報圧縮が行われ、DSFファイルフォーマットに従ったファイルとしてファイルがメモリ16に記憶される。ROM142には、CPU141での処理の手順(プログラム)が記憶されており、CPU141は、このプログラムに基づき、RAM143に情報を一時的に記憶しながら、記録、編集の各々の処理を行う。なお、編集装置10が再生の機能を備える場合には、マイクロプロセッサ14は再生処理も行う。ここで、マイクロプロセッサ14は制御部として機能するものである。制御部として機能するものであれば、マイクロプロセッサ14に限らず、ハードウエアデジタル回路も同様にしてマイクロプロセッサ14に替えて用いることができる。
【0022】
実施形態の編集技術について、図面を参照した具体的な説明に先立ち実施形態のファイルの編集技術の要部を以下にまとめる。
【0023】
実施形態のファイルの編集技術では、操作部15が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。制御部として機能するマイクロプロセッサ14が、実際に分割を行う際の基準となる修正分割点を特定する。また、マイクロプロセッサ14は、第1のファイルのヘッダである第1のヘッダから修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新する。また、マイクロプロセッサ14は、第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する。メモリ16が、第2のファイルを記憶する。
【0024】
実施形態の別のファイルの編集技術では、操作部15が、第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する。マイクロプロセッサ14が、実際に分割を行う際の基準となる修正分割点を特定する。また、マイクロプロセッサ14は、分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する。メモリ16が第3のファイルを記憶する。
【0025】
図3、図4、図5は、マイクロプロセッサ14において行われる編集の処理の内容を模式的に示す図である。図3〜図5の各図を参照して、実施形態の編集の処理、すなわち、DSFファイルフォーマットによって記録されたファイルの分割の処理について具体的に説明をする。
【0026】
図3は分割する前のファイルF1の構成を示す図である。説明を簡単にするために、このファイルは、クラスタCL(2)からクラスタCL(9)までのクラスタで形成されているとする。括弧内の番号はクラスタ番号である。破線の矢印の位置が、分割を要望する分割点DPの位置である。この分割点DPの位置は、操作部15(図2を参照)に配された釦を押すなどして特定される。編集装置10において、記録された音響情報を再生しながら、分割をしたい部分の音響情報を操作者が認識をしたときに、その釦を押すことによって分割点DPの位置は指定される。
【0027】
図4は、分割後の分割ファイルF1-1の構成を示す図である。ここで、実際に分割される位置は分割点DPではなく実線の矢印で示す修正分割点DPRに変更されている。この変更は、マイクロプロセッサ14(図2を参照)のCPU141で行われる処理である。分割点DPは、CL(5)の先頭位置から任意の位置であり、図4では、クラスタCL(5)の先頭位置から92バイトよりも離れた位置である。一方、修正分割点DPRは、クラスタCL(5)の先頭位置から正確に92バイト離れた位置である。すなわち、修正分割点DPRは、操作部15に配された釦が押された時点で再生をしていたファイルのクラスタ(この場合には、ファイルF1のクラスタCL(5)の先頭から正確に92バイトの位置に変更される。また、分割点DPがクラスタCL(5)の先頭位置から92バイト以内である場合にも、修正分割点DPRはクラスタCL(5)の先頭から正確に92バイトの位置に変更される。
【0028】
図4に示すように、分割後の分割ファイルF1-1に含められるファイルは以下のようにされる。まず、ファイルF1の修正分割点DPRが属するクラスタよりも前のクラスタであるクラスタCL(2)からクラスタCL(4)までのファイルが分割後の分割ファイルF1-1に含められる。それに加えて、クラスタCL(5)をコピーしたクラスタであるクラスタCL(A)が分割後の分割ファイルF1-1に含められる。そして、クラスタCL(4)とクラスタCL(A)とがつながるようにFATのクラスタリング情報を更新する。FAT及びFATのクラスタリング情報の更新については、後述する。また、分割ファイルF1-1のヘッダ内に含まれるファイルサイズを示す情報を書き換える。この場合には、ファイルサイズは、クラスタCL(2)からクラスタCL(A)の先頭92バイト目(ヘッダが占める位置に相当するバイト数)である。このようにして、ファイルF1に書かれていた数字を更新して新しいヘッダを生成する。つまり、図4に示すクラスタCL(A)の斜線を施した領域に記憶されたデータはファイルサイズには含まれないこととなる。
【0029】
図5は、分割後の分割ファイルF1-2の構成を示す図である。図5に示すように、分割後の分割ファイルF1-2に含められるファイルは以下のようにされる。分割後の分割ファイルF1-2の先頭はクラスタCL(5)とされる。そして、クラスタCL(5)の先頭から分割ファイルF1-2のためのヘッダを上書きして、新たなヘッダを生成する。そして、分割ファイルF1-2をFATのディレクトリエントリ情報に追加する。以上の処理によって、ファイルF1は分割ファイルF1-1と分割ファイルF1-2とに分割される。各々のファイルにおいて、DATAと記載された部分が利用可能なデータである。分割ファイルF1-1と分割ファイルF1-2との各々は、DSFフォーマットに従っているので、再生などの処理を行うに際して、なんら問題が生じることはない。
【0030】
図6はファット(FAT)の概念を示す図である。FAT(File Allocation Table)はファイルシステムにおける管理領域である。FATを用いるファイルシステムであるFATファイルシステムでは、クラスタを論理単位として、データサイズに応じてクラスタを割り当ててファイルを形成する。このとき、どのクラスタが、あるファイルを形成するかについての情報などをFATに記録してファイルの管理を行っている。
【0031】
図6に示すFATの一例では、ファイルMAIN.Cは、クラスタCL(002)、クラスタCL(003)、クラスタCL(006)で形成されている。情報の再生は、FATに記録された数字に対応するクラスタの順になされる。クラスタCL(002)の情報の内容は、MAIN.Cのデータ1である。クラスタCL(003)の情報の内容は、MAIN.Cのデータ2である。クラスタCL(006)の情報の内容は、MAIN.Cのデータ3である。ファイルFUNC.Cは、クラスタCL(004)、クラスタCL(005)で形成されている。クラスタCL(004)の情報の内容は、FUNC.Cのデータ1である。クラスタCL(005)の情報の内容は、FUNC.Cのデータ2である。クラスタCL(007)、クラスタCL(008)は未使用である。また、ディレクトリ(FATのディレクトリエントリ)として、クラスタCL(002)にMAIN.Cが記録され、クラスタCL(004)にFUNC.Cが記録されている。
【0032】
図7は、図3に示すファイルF1に対応するFATを示す図である。各枡目の( )の内は、図3に示すクラスタ番号に対応するものである。つまり、クラスタCL(002)の次はクラスタCL(003)が再生されることを表している。また、クラスタCL(003)の次はクラスタCL(004)が再生されることを表している。他についても同様である。
【0033】
図8は、図4に示す分割ファイルF1-1に対応するFATを示す図である。つまり、クラスタCL(002)の次はクラスタCL(003)が再生されることを表している。また、クラスタCL(003)の次はクラスタCL(004)が再生されることを表している。そして、クラスタCL(004)の次はクラスタCL(005)ではなく、クラスタCL(00A)が再生されることを表している。ここで、分割前にディレクトリエントリに管理されているのは分割前のファイルだけであるので、分割後には新しいエントリが追加され、それぞれのファイルの先頭クラスタを指し示すように変更される。すなわち、分割前のディレクトリエントは、FILE.DSF 002とされているが、分割後のディレクトリエントは、FILE-1.DSF 002, FILE-2.DSF 005と、書き換えられる。
【0034】
図9は上述した編集の処理、すなわち、ファイルの分割の処理を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートに沿って以下に説明をする。
【0035】
ステップST100では、マイクロプロセッサ14は、操作部15からの指示を受け取りファイルの分割の処理を開始する。
ステップST101では、マイクロプロセッサ14は、分割処理の対象となるファイルである分割処理ファイルを指定(設定)する。
ステップST102では、マイクロプロセッサ14は、操作部15からの指示を受け取った時点に対応する分割点から修正分割点を特定(設定)する。すなわち、修正分割点の位置を指定されたクラスタの先頭からHEADERサイズ分(この場合には92バイト)後ろの位置に決定する。
ステップST103では、マイクロプロセッサ14は、分割点を含むクラスタ(このクラスタは修正分割点も同様に含むクラスタである)をコピーする。
ステップST104では、マイクロプロセッサ14は、FATのクラスタリング情報を変更する。
ステップST105では、マイクロプロセッサ14は、FATのディレクトリエントリを変更する。
ステップST106では、マイクロプロセッサ14は、ファイルの先頭に記録されているHEADER内のデータフレームサイズを更新する。
以上の処理によって修正分割点より前に位置するクラスタで形成される新たなファイル(第1の分割ファイル)の分割の処理が完了する。そして、この新たなファイル(第1の分割ファイル)はメモリ16に格納される。
【0036】
ステップST107では、修正分割点を含むクラスタ(分割位置に指定されたクラスタ)の先頭に新に更新されたHEADERを上書きする。
以上の処理によって修正分割点より後ろに位置するクラスタで形成される新たなファイル(第2の分割ファイル)の分割の処理が完了する。そして、この新たなファイル(第2の分割ファイル)はメモリ16に格納される。
【0037】
上述したようにして、実施形態の技術によって、自由にフィルの分割を含む編集ができるが、分割は、クラスタの先頭から所定位置離れた位置を修正分割点として行わなければならない。この場合において、操作部15が分割することを要求する分割点DPではなく、修正分割点DPRで分割することに伴う不都合が生じるか否かについて検討をする。
【0038】
表1は、DSD(Direct Stream Digital)のデータのビットレート及びクラスタサイズの各値に対して1クラスタの時間がどの様に変化するかをまとめた表である。
【0039】
【表1】
【0040】
表1から読み取れるように、例えば、2チャンネルで、ビットレートが2.8MHzの場合では、クラスタサイズが8KByteのときは1クラスタの時間は11.7msec(ミリ秒)である。クラスタサイズが16KByteのときは23.4msecである。クラスタサイズが32KByteのときは46.8msecである。また、例えば、4チャンネルで、ビットレートが5.6MHzの場合では、クラスタサイズが8KByteのときは5.9msec、クラスタサイズが16KByteのときは11.7msec、クラスタサイズが32KByteのときは23.4msecである。
【0041】
このように、1クラスタに対応する時間は、人間の聴覚、視覚で認識できる時間に較べて短い時間である。分割点の位置が修正分割点に固定されたとしても、所望の分割点と実際に得られる分割点である修正分割点との間の時間の誤差は最大でも46.8msecの範囲内に留まり、上述した分割処理による不都合は生じない。
【0042】
ここで、上述した実施形態に説明した技術を用いることのないファイルの編集技術について付言する。ファイルの先頭からデータの開始点までの記録データの量が固定されたフォーマット、例えば、DSF、においても、修正分割点DPRを用いずに、分割要望が発せられた分割点DPを分割位置として分割をすることは、技術的には不可能ではない。しかしながら、この場合には、ファイルに含まれる情報をすべて取り出して、時系列情報の先頭から順に、すべてのファイルを再構成しなければならない。すなわち、編集が要求される情報以外の同一のファイルに属するすべての情報が編集の対象となってしまい、作業の量が膨大となり、作業時間が長くなってしまう。また、作業を行う環境、例えば、制御部の処理能力の強化が要求され、メモリの記録容量もさらに大きなものが必要とされて編集装置のコストも高価なものとなってしまう。
【0043】
上述した実施形態によれば、修正分割点を基準として分割することによって効率的に編集ができる。すなわち、実施形態の技術では、単に編集可能とするだけでなく、その編集処理がより効率化される。例えば、記録媒体内でのファイル編集のために必要となるデータ移動・複製・書換などが最小限とすることができる。また、編集のための処理時間、編集装置の消費電力を極めて小さなものとすることができる。そして、このような特徴を有するが故に、編集装置の小型化を達成することができ、このような編集装置と記録再生装置とを結合して、可搬型の小型の編集装置(記録再生装置とも言える)を実現することが可能となるのである。
【0044】
図10、図11、図12は、上述した実施形態の変形例を示す図である。これについて説明をする。図10〜図12は、上述した実施形態とは異なる分割の手順を、図を用いて説明するものである。図11に分割ファイルF1-2を示し、図12に分割ファイルF1-1を示すが、最終的な2つの分割ファイルの構成は、上述した実施形態の技術によって得られるものと異なるものではなく、その分割の過程が異なるものである。
【0045】
図10に示すファイルF1は、ファイルに記録されているデータが2チャンネルの音響情報が記録されているオーディオデータである場合のファイルの一例を示す図である。Rチャンネル(右側チャンネル)とLチャンネル(左側チャンネル)とは、ファイルの先頭から各々が所定容量を有して、交互に記録されている。複数個のRチャンネルとLチャンネルとで1つのクラスタが形成されている。操作部15(図2を参照)の釦が押されたときの操作部15が指示する分割点の位置が分割点DPである。修正分割点DPRは、制御部であるマイクロプロセッサ14によって特定されるものであり、上述したように、分割点に対応するクラスタ(その分割点、修正分割点が属するクラスタ)の先頭から所定の位置離間(例えば、92バイト分離間)したデータの位置である。
【0046】
図11は、分割されたファイルである分割ファイルF1-2がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。分割は以下のような手順で行われる。まず、修正分割点DPRが含まれるクラスタであるクラスタCL(3)をコピーする。次に、クラスタCL(3)にクラスタCL(4)をつなぐ。クラスタCL(3)の先頭部に分割ファイルF1-2のヘッダを生成する(上書きする)。
【0047】
図12は、分割されたファイルである分割ファイルF1-1がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。分割は以下のような手順で行われる。まず、修正分割点DPRが含まれるクラスタであるクラスタCL(3)の修正分割点DPRの位置で分割する。次に、ヘッダのファイルサイズをデータの先頭位置から修正分割点DPRの位置までに応じたファイルサイズに書き換えて、分割ファイルF1-1のヘッダを生成する。なお、ファット(FAT)の処理については上述した実施形態におけると同様である。
【0048】
上述した実施形態の説明に際しては、記録されたデータが音響情報であるとして説明をしたが、音響情報ではなく、映像情報(静止画情報、動画情報)であっても、上述した実施形態の技術が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、DSFファイルを、エムペグフォーマット、RIFF Wave ファイルフォーマットと同様にして分割する場合を模式的に示す図である。
【図2】実施形態の編集装置を示す図である。
【図3】分割する前のファイルF1の構成を示す図である。
【図4】分割後の分割ファイルF1-1の構成を示す図である。
【図5】分割後の分割ファイルF1-2の構成を示す図である。
【図6】ファット(FAT)の概念を示す図である。
【図7】ファイルF1に対応するFATを示す図である。
【図8】分割ファイルF1-1に対応するFATを示す図である。
【図9】ファイルの分割の処理を示すフローチャートである。
【図10】ファイルに記録されているデータが2チャンネルの音響情報が記録されているオーディオデータである場合のファイルを示す図である。
【図11】分割ファイルF1-2がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。
【図12】分割ファイルF1-1がどの様にして形成されるかを模式的に示す図である。
【図13】RIFF Wave ファイルフォーマットを模式的に示す図である。
【図14】DSFファイルフォーマットを示す模式図である。
【符号の説明】
【0050】
10 編集装置、 11 マイクロフォン、 12 マイクロフォンアンプ、 13 A/Dコンバータ、 14 マイクロプロセッサ、 15 操作部、16 メモリ、 F1 ファイル(第1のファイル)、F1-1 分割ファイル(第2のファイル)、 F1-2 分割ファイル(第3のファイル)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する制御部と、
前記第2のファイルを記憶するメモリと、を備えるファイルの編集装置。
【請求項2】
第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、前記第3のヘッダを含んで形成される第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する制御部と、
前記第3のファイルを記憶するメモリと、を備えるファイルの編集装置。
【請求項3】
制御部は、前記第1のヘッダに含まれるファイルサイズの情報を変更して前記第2のヘッダを形成する請求項1に記載のファイルの編集装置。
【請求項4】
操作部が、
第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定し、
制御部が、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成し、
メモリが、
前記第2のファイルを記憶するファイルの編集方法。
【請求項5】
さらに、
前記制御部が、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、前記第3のヘッダを含んで形成される第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加し、
前記メモリが、
前記第3のファイルを記憶する請求項4に記載のファイルの編集方法。
【請求項1】
第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成する制御部と、
前記第2のファイルを記憶するメモリと、を備えるファイルの編集装置。
【請求項2】
第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定する操作部と、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、前記第3のヘッダを含んで形成される第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加する制御部と、
前記第3のファイルを記憶するメモリと、を備えるファイルの編集装置。
【請求項3】
制御部は、前記第1のヘッダに含まれるファイルサイズの情報を変更して前記第2のヘッダを形成する請求項1に記載のファイルの編集装置。
【請求項4】
操作部が、
第1のヘッダを先頭部に有し、複数個のデータからなるクラスタを複数個結合して形成される第1のファイルの分割の位置である分割点を指定し、
制御部が、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記第1のヘッダから前記修正分割点までを第2のファィルとして形成するようにファットのクラスタリング情報を更新し、前記第2のファイルを特定するための第2のヘッダを生成し、
メモリが、
前記第2のファイルを記憶するファイルの編集方法。
【請求項5】
さらに、
前記制御部が、
前記分割点を含むクラスタの先頭から所定離間位置にある修正分割点を特定し、前記分割点を含むクラスタの先頭部に第3のヘッダを形成し、前記第3のヘッダを含んで形成される第3のファイルをファットのディレクトリエントリ情報に追加し、
前記メモリが、
前記第3のファイルを記憶する請求項4に記載のファイルの編集方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−271635(P2009−271635A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119841(P2008−119841)
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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