説明

ファイル管理装置、ファイル管理装置の制御方法、プログラムおよび記憶媒体

【課題】リンク情報を利用して登録された電子ファイルに対して、意図しない更新を制限することが可能なファイル管理装置を提供すること。
【解決手段】画面に表示されるデータに関連付けてリンクする電子ファイルを指定するリンクファイル指定手段と、リンクファイル指定手段により指定された電子ファイルをリンクとして設定するリンク設定手段と、リンク設定手段によりリンク設定された前記電子ファイルへのアクセス権に関する属性を制限する属性制限手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子帳票などの案件に関連付けて管理される電子ファイルを管理するファイル管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子帳票により問合せ内容の管理を行ったり、案件の管理を行ったりする問合せ管理システムや案件管理システムが利用されている。また、その電子帳票には、関連する文書ファイルを登録することができるようになっており、複数のクライアント装置またはユーザでその電子ファイルを共有することができる。
関連付けの方法としては、主にファイルを添付する方法や、ファイルへのリンク情報を登録する方法が挙げられる。
ファイルを添付する方法の場合、通常、システムが添付ファイルを管理しているので、該当する文書ファイルが操作されることはない。
【0003】
一方、ファイルへのリンク情報を登録する方法としては、特許文献1のような方法が挙げられる。ここでは、複数のクライアント装置で共有ファイルを管理する際のファイル管理方法が開示されており、共有ファイルの実体を保存する先として、サーバ装置とクライアント装置を切換えて保存するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−230583号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、共有ファイルの保存先がサーバ装置であってもクライアント装置であっても、オペレーティングシステムによって共有ファイルへのアクセスが可能となってしまう。
【0006】
これにより、電子帳票に関連付けられて登録されているにも関わらず、共有された文書ファイルが上書きされたり、削除されたり、移動されたりしてしまう場合がある。この場合、電子帳票から関連する文書ファイルが開けなかったり(移動された場合など)、開けたとしても上書きされているような場合、登録時の文書ファイルとは違った内容となってしまったりしてしまうといった問題があった。
【0007】
そこで本願発明では、上記問題に鑑み、ファイルへのリンク情報を利用して登録された電子ファイルに対して、意図しない更新を制限することが可能なファイル管理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
画面に表示されるデータに関連付けてリンクする電子ファイルを指定するリンクファイル指定手段と、リンクファイル指定手段により指定された電子ファイルをリンクとして設定するリンク設定手段と、リンク設定手段によりリンク設定された前記電子ファイルへのアクセス権に関する属性を制限する属性制限手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ファイルへのリンク情報を利用して登録された文書ファイルに対して、意図しない更新を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態における文書管理システムのシステム構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるファイル管理装置を適用可能な情報処理装置のハードウェア構成図である。
【図3】、本発明の実施形態におけるファイル管理装置を適用可能な情報処理装置のソフトウェア構成図である。
【図4】本発明の実施形態における問合せ管理システムのログイン画面の一例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態における問合せ管理システムにおける掲示板の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態における問合せ管理システムにおける該当者絞込検索画面の一例を示す図である。
【図7】本発明の実施形態における問合せ履歴画面の一例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態における問合せ管理情報CSV出力画面の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態における問合せ参照画面(修正不可)の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における問合せ入力画面の一例を示す図である。
【図11】本発明の実施形態におけるファイルを開く画面の一例を示す図である。
【図12】本発明の実施形態における問合せ入力画面の一例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態におけるファイル操作時の全体フローの一例を示す図である。
【図14】本発明の実施形態における「参照」処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態における「削除」処理の一例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態における第1の「開く」処理の一例を示すフローチャートである。
【図17】本発明の実施形態における第2の「開く」処理の一例を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態における問合せ管理テーブルの一例を示す図である。
【図19】本発明の実施形態におけるユーザ管理マスタおよび加入者管理マスタの一例を示す図である。
【図20】本発明の実施形態におけるファイル属性に関する情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態における文書管理システムのシステム構成図である。
【0012】
文書管理システムとして、ファイル管理装置101、サーバ装置102、利用者端末103、印刷装置104が通信ネットワーク150を介して通信可能な状態で接続されている。なお、本実施形態では文書管理システムを適用可能な一例として、厚生年金や企業年金に関する問合せ管理システムとして説明するが、これに限らず、電子帳票に関連付けされた電子ファイルを管理するような文書管理システムにも適用可能である。
【0013】
ファイル管理装置101は、顧客より問合せを受けた担当者が内容を電子帳票に入力する端末である。その際に、入力した内容に関連した電子ファイルがあれば、電子帳票に関連付けて記憶する。記憶先は、ファイル管理装置101のローカルディスクや、サーバ装置102の記憶領域を利用することが可能である。ファイル管理装置101のローカルディスクに保存した場合でも他の端末から参照可能なようにローカルディスクを共有可能なように設定しておくことも可能である。
【0014】
サーバ装置102は、ファイル管理装置101を操作する担当者が電子ファイルを保存する場合に、共有領域として利用される。また、ファイル管理装置101が有する機能をサーバ装置が有するように構成することも可能である。
【0015】
利用者端末は、問合せ管理システムの利用者端末であって、ファイル管理装置101により登録された電子帳票を参照することができる。また、利用者端末103に、ファイル管理装置101の機能を持たせることも可能である。
印刷装置104は、文書管理システムにおける電子帳票の内容や、その他の情報を印刷するのに利用される。
図2は、本発明の実施形態におけるファイル管理装置を適用可能な情報処理装置のハードウェア構成図である。
プログラム用ROM203に記憶されたプログラムに基づいてシステムバス200に接続された各デバイスを制御し、情報処理装置全体を統括制御する。
また、データ用ROM204には各種データが記憶される。202はRAMで、CPU201の主メモリ,ワークエリア等として機能する。
【0016】
205はキーボードコントローラ(KBC)で、キーボード(KB)209や図示しない、例えばマウスなどのポインティングデバイスからの入力を制御する。206はディスプレイコントローラ(DC)で、ディスプレイ210の表示を制御する。なお、ディスプレイはCRTであってもLCD等のその他の形式の表示装置であってもよい。
207はメモリコントローラ(MC)で、ハードディスク(HD)211とのアクセスを制御する。
208は周辺機器接続インタフェース(USB I/F)で、図示しない可搬型記憶媒体やその他の周辺機器とのアクセスを制御する。
220はネットワークインタフェース(NW I/F)で、ネットワーク150を介して出力装置230との通信を制御する。
【0017】
図3は、本発明の実施形態におけるファイル管理装置を適用可能な情報処理装置のソフトウェア構成図である。図2におけるCPU201等のハードウェア構成が互いに協働して動作することにより機能するソフトウェア構成となっている。
各種データベースは、ファイル管理装置101ハードディスクに記憶可能である。
【0018】
各種データベースは、加入者マスタ311、ユーザ管理マスタ312および問合せ管理テーブル313から構成されている。必要に応じてこれ以外にもデータベースを持つことも可能である。また、サーバ装置102のハードディスクに記憶することも可能である。
加入者マスタ311は、厚生年金や企業年金への加入者のマスタデータであり、問合せを行うユーザが登録される。
【0019】
ユーザ管理マスタ312は、本実施形態における問合せ管理システムを利用するユーザのマスタデータであり、加入者より受けた問合せを問合せ管理システムに入力するユーザが登録される。
【0020】
問合せ管理テーブル313は、本実施形態における問合せ管理システムに、システムの利用者から入力される問合せデータが登録される。問合せ内容に関連して登録されるリンクファイルの情報も問合せ管理テーブルに登録される。
【0021】
ソフトウェアの機能としては、加入者データ取得部301、問合せデータ取得部302、リンクファイル判定部303、およびリンクファイル操作部304から構成される。
【0022】
加入者データ取得部301は、加入者マスタ311から加入者データを取得する。問合せデータ取得部302は、問合せ管理テーブル313から問合せデータを取得する。リンクファイル判定部303は、問合せデータにリンクファイルが関連づけられているかどうかを判定する。リンクファイル操作部304は、問合せデータに関連づけられたリンクファイルのアクセス権を含む属性を操作する。
【0023】
図4は、本発明の実施形態における問合せ管理システムのログイン画面の一例を示す図である。システム利用者に関する情報は、ユーザ管理マスタ312に記憶されている。
問合せ管理システムのトップメニュー410は、問合せ管理処理メニュー420および保守メニュー430とで構成される。
【0024】
問合せ管理処理メニュー420は、問合せ内容の入力や参照を行う問合せ管理メニュー421、問合せ内容をCSVで出力するための問合せCSV出力メニュー422および掲示板メニュー423とで構成される。
掲示板は、掲示板メニュー423が押下された場合に表示されるようになっているが、システムの起動時に自動で表示されるように構成することも可能である。
【0025】
保守メニュー430は、ユーザ管理マスタ保守メニュー431と問合せ区分マスタ保守メニュー432とで構成されている。ユーザ管理マスタ保守メニュー431では、ユーザ管理マスタ312のメンテナンスを行うことができる。問合せ区分マスタ保守では、問合せ管理テーブル313で利用される各種区分マスタのメンテナンスを行うことができる。
図5は、本発明の実施形態における問合せ管理システムにおける掲示板の一例を示す図である。
掲示板500は、掲示領域501を有しており、この領域にはシステム管理者からシステムの利用者への周知事項などが表示されるようになっている。
図4の説明に戻る。問合せ管理メニュー421が選択されると、図6に示す該当者絞込検索画面600が表示される。
図6は、本発明の実施形態における問合せ管理システムにおける該当者絞込検索画面の一例を示す図である。
【0026】
本問合せ管理システムでは、まずどの加入者からの問合せなのかを特定する。その後、特定された(該当する)加入者からの問合せ履歴の中から過去の問合せ内容を参照したり、新規に受付けた問合せ内容について登録したりすることができる。
【0027】
該当者絞込検索画面600では、検索対象として、加入者番号601、受給権者番号602、基礎年金番号603および社員番号604を指定することができる。各項目の前についているラジオボタンを押下することで選択され、右側に配置される検索ボックスに検索したいキーワード(番号)を入力することで検索される。
【0028】
その他の検索方式として、加入者の氏名605、氏名カナ606、生年月日607などを指定して検索することも可能である。それぞれの項目の右側に配置される検索ボックスに検索したいキーワードを入力することで検索される。
【0029】
該当者絞込検索画面610は、氏名欄605の検索ボックスに「%観音%」と入力し検索された結果が表示されたイメージを示す図である。この検索は、「氏名」に「観音」を含む加入者を加入者マスタ311から検索することにより実行される。
【0030】
検索結果は、加入者マスタに記憶されている内容から、加入者番号611、受給権者番号612、氏名613、氏名カナ614、性別615、生年月日616などが表示される。ここで加入者番号が110012377として登録されている行を選択してダブルクリックすることで、該当する行の問合せ履歴の詳細が表示される。
図7は、本発明の実施形態における問合せ履歴画面の一例を示す図である。
問合せ履歴画面700では、図6で選択された加入者番号110012377「観音 太郎」の問合せ履歴が表示されている。
具体的には、対応開始日701、進捗区分702、問合せ区分703、詳細704、対応705などが表示される。
【0031】
対応開始日701には、その問合せの対応が開始された日が表示されている。進捗区分702、問合せ区分703は、問合せ管理システムで設定されている区分が表示されている。詳細704や対応705は、問合せを受けたオペレーター(システム利用者)が行った対応が表示されており、オペレーターにより入力されるものが表示されるものである。
図4で問合せCSV出力メニュー422が選択されると、図8に示す問合せ管理情報CSV出力画面800が表示される。
図8は、本発明の実施形態における問合せ管理情報CSV出力画面の一例を示す図である。
【0032】
問合せ管理情報CSV出力画面800では、指定した出力範囲のデータのCSV出力や画面確認が可能となっている。問合せ区分801として「01 年金額問合せ」となっているものを選択して、検索を実行すると、検索結果表示欄803に問合せ区分が年金額問合せとなっている検索結果が表示される。
CSV出力先欄802で出力先のファイルを指定し実行することで、CSVファイルとして出力することが可能である。
また、問合せ内容を参照したい項目、例えば一番上に表示されている行をダブルクリックすることで、問合せ参照画面(修正不可)900が表示される。
図9は、本発明の実施形態における問合せ参照画面(修正不可)の一例を示す図である。
【0033】
問合せ参照(修正不可)画面900は、問合せ内容の詳細を参照することができるが、問合せ管理情報CSV出力画面800から呼び出されたため、内容の修正をすることが出来なくなっている。ここで、添付と呼んでいるのは画面上での呼び名であり、実際に本実施形態では、関連付ける電子ファイルへのリンク情報を登録することにより、添付メニューを使って電子ファイルを案件に関連付けて登録している。
【0034】
リンクファイルについても、添付欄901の操作ができないようグレーアウトされている。しかしながら、開くボタン902を押してリンクファイルを開いた場合、ファイルの属性はオペレーティングシステムが管理しているので、編集出来てしまうケースがある。そこで、本発明では、修正不可となっている問合せ参照画面から、リンクファイルを開いた場合には、リンクファイルの属性がどのようになっていても書込みできないように制御することが可能となっている。詳細については後述する。
図10は、本発明の実施形態における問合せ入力画面の一例を示す図である。
【0035】
問合せ入力画面1000は、図7の問合せ履歴画面700の検索結果から参照したい項目、例えば一番上に表示されている明細行をダブルクリックすることで表示される。また、図7において新規ボタンを押下することでも表示される画面である。その場合は、何も記入されていない状態で表示される。
ここでは、図9の問合せ参照(修正不可)画面900と同一のものが表示されているものとして説明する。
【0036】
表示された案件に添付ファイルとしてリンクファイルを設定したい場合には、参照ボタン1002を押下することで表示されるファイル選択画面1100によりファイルを選択する。ファイルが選択されると、添付欄1001にチェックが付されるようになっている。
開かれている案件に対して、更新1003、削除1004、取消1005などの各ボタンを押下することで操作を行うことができる。
図11は、本発明の実施形態におけるファイルを開く画面の一例を示す図である。
【0037】
図10の参照ボタン1002が押下されることで表示される。ファイル選択欄1101でファイルを選択すると、ファイル名欄1102に選択したファイルが表示され、開くボタン1103を押下することで、該当のファイルがリンクファイルとして選択される。なお、ここで表示されるファイルはファイル名のみでもファイルパスとともに表示されていても構わない。ファイルが選択指定されると、図12に示す問合せ入力画面1200のような状態になる。
図12は、本発明の実施形態における問合せ入力画面の一例を示す図である。
【0038】
問合せ入力画面1200は、図10の問合せ入力画面1000から添付ファイルとしてリンクファイルを選択した後の状態を示している。添付欄1201がチェックされた状態になり、開くボタン1202が表示されている。この開くボタンが押下されると、リンクファイルが開かれるようになっている。図10の問合せ入力画面1000では、参照ボタン1002として表示されていたものである。
【0039】
ここで、リンクファイルとして選択指定されたファイルであるが、ファイルへのパスがリンク情報として登録されている状態であるため、ファイルが変更されてしまったり、削除されてしまったりするケースが考えられる。これを防ぐために本実施形態では、ファイルがリンクファイルとして選択指定された場合に、ファイルの属性を書込み禁止や移動禁止に変更することで対応している。
詳細については図13から図17のフローチャートを用いて説明する。
図13は、本発明の実施形態におけるファイル操作時の全体フローの一例を示す図である。
問合せ参照(修正不可)画面900や問合せ入力画面1000、1200などからファイル操作に関連する処理が選択されることにより開始される。
【0040】
ステップS1301でファイル操作を受付け、ステップS1302で操作種類について判定する。ファイル操作が「参照」であった場合はステップS1303の「参照」処理に進む。ファイル操作が「削除」であった場合はステップS1304の「削除」処理に進む。ファイル操作が「開く」であった場合はステップS1305の「開く」処理に進み処理を終了する。
【0041】
ファイル操作の「削除」とは、添付欄1201のチェックが外されることを示す。「参照」とは参照ボタン1002が押下されることで、「開く」とは開くボタン902や1202が押下されることで判定される。
図14は、本発明の実施形態における「参照」処理の一例を示すフローチャートである。
【0042】
ステップS1401では、ファイル選択画面1100を表示する。ステップS1402では、ファイルが決定されたかどうかを判定し、ファイルが決定されなかったと判定した場合には処理を終了する。一方、ファイルが選択された場合には、ステップS1403にてリンクの設定を行う。具体的には、問合せ管理テーブル313にリンクファイルの情報を書き込む。これにより問合せ入力画面に表示されるデータ(案件)に対してリンクファイルが関連付けて登録されたことになる。
【0043】
なお、関連付けされるデータに関しては、本実施形態のような電子帳票画面でも、html形式の文書でも、例えばワーフロ形式などのアプリケーション文書でも構わなく、関連付けされる電子ファイルへアクセスするためのパスが指定できるようになっていれば適用可能である。問合せ管理テーブルの詳細については後述する。
次にステップS1404では、添付欄にチェックを付与する。このチェックはファイルへのリンクを削除する際にも利用される。
【0044】
ステップS1405では、ファイルの属性情報を更新する。具体的には、該当ファイルの属性を「書込み禁止」および「削除禁止」に設定する。両方禁止にしてもよいし、どちらか片方だけ禁止にしてもよい。また、ファイルシステムによって設定できる属性であればそれを設定することも可能である。そしてファイル属性テーブル314を更新する。ファイル属性の詳細については後述する。
【0045】
ステップS1406では、ボタン名の変更を行う。具体的には、リンクファイルが設定された状態の時には「開く」ボタン、リンクファイルが設定されていない状態(すなわちこれからリンクの設定が可能な状態)の時には「参照」ボタンを設定し、処理を終了する。
図15は、本発明の実施形態における「削除」処理の一例を示すフローチャートである。
ステップS1501においてリンクの削除を行う。具体的には、問合せ管理テーブルからリンクファイルに関する情報を削除する。
ステップS1502では、添付欄に付与されているチェックを外す処理を行う。
【0046】
そしてステップS1503にて、ファイルの属性情報を更新して処理を終了する。ファイルの属性情報の更新とはリンクファイルの属性を元に戻した後、ファイル属性テーブルに更新情報を登録することを示す。ここで元に戻すとは、「添付」処理により変更されたファイルの属性を変更される前の状態に戻すことを指す。変更される前の状態は、ファイル属性管理テーブルに記憶されている。
図16は、本発明の実施形態における第1の「開く」処理の一例を示すフローチャートである。
【0047】
問合せ入力画面1200から開くボタンを押下した場合、リンクファイルの属性は、制限がかかっている状態になっているはずである。そこで本システムによってリンクファイルを設定したユーザであれば、更新を行えるよう構成した場合のフローチャートである。
ステップS1601で、ファイル属性情報を属性管理テーブル314より取得する。
【0048】
ステップS1602では、例えば、属性が書込み禁止となっているかを確認する。書込み禁止になっていない場合は、ステップS1605に進み、そのままの属性(書込み禁止でない)でファイルを開く。
【0049】
一方、書込み禁止となっている場合、ステップS1603にて、現在の操作者であるユーザが案件の所有者であるかどうかを判定する。ユーザが管理者権限を持つか案件を登録した場合に、所有者であると判定される。
【0050】
ステップS1603においてユーザが所有者でないと判定された場合、ステップS1605において、そのままの属性(書込み禁止)でファイルを開く。一方、ユーザが所有者であると判定された場合、ステップS1604において、ファイルの属性情報を変更し、ステップS1605において書込み禁止でない状態でファイルを開き、処理を終了する。
これにより、リンクファイルの属性が制限されている状態であっても、操作者が所有者であってもリンクファイルを更新することが可能となる。
図17は、本発明の実施形態における第2の「開く」処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
第1の「開く」処理では、リンクファイルの属性が制限された状態であっても所有者であればファイルを更新できるようになっていた。しかし、修正不可であるような図9と問合せ参照画面から添付ファイルを開いた場合、所有者であってもファイルを更新できなくすることが望ましい。図17は、これに対応した実施形態となっている。
【0052】
ステップS1701にて、リンクファイルの属性を取得する。ステップS1702にて、書込み禁止であるか判定する。書込み禁止になっている場合は、ステップS1705に進み、そのままの属性(書込み禁止)でファイルを開く。
【0053】
一方、書込み禁止となっていない場合、ステップS1703にて、参照画面から案件が開かれているかを判定する。参照画面から開かれていない場合は、そのままの属性(書込み禁止でない)でファイルを開く。このケースは、図16で、ユーザが所有者であった場合などが当てはまる。
【0054】
ステップS1703で参照画面からのアクセスであった場合、ファイルの属性情報を変更し、ステップS1705において書込み禁止の状態でリンクファイルを開き処理を終了する。
【0055】
これにより、参照画面(修正不可)からリンクファイルにアクセスし、リンクファイルの属性に制限がかかっていない場合でも、書込み禁止にしてファイルを開かせることができ、誤操作などを防ぐことができる。
図18は、本発明の実施形態における問合せ管理テーブルの一例を示す図である。
問合せ管理テーブル1800は、問合せ内容の詳細が全ての案件について記録されている。問合せ入力画面1000などから登録されたものが記録される。
【0056】
一意に付与された整理番号1801、加入者番号1802、案件の対応開始日1803、対応終了日1804、対応終了までにかかった所要時間1804、問合せ区分1806、進捗区分1807、コメント詳細1808、コメント対応1810、更新者1811、リンクファイル1、リンクファイル2、登録者ID1814などが記録されている。
これら記録されている内容は検索時に検索ワードしても利用される。
【0057】
登録者ID欄1814には、案件を登録したユーザのIDが記憶され、更新者欄1811には、案件を更新したユーザのIDが記憶されている。このどちらかに記憶されている場合に、案件の所有者ということになる。
【0058】
リンクファイル1欄1812やリンクファイル2欄1813には、問合せ入力画面1000などから添付としてリンクファイル登録されたファイルが記憶されている。リンクが削除された場合には、この欄から削除されるようになっている。また、リンクファイルの数は2個に限らず、もっと多くの数でも管理可能である。
図19は、本発明の実施形態におけるユーザ管理マスタおよび加入者管理者マスタの一例を示す図である。
【0059】
ユーザ管理マスタ1900は、ユーザID1901、担当者名1902、パスワード1903、管理者権限1904、ユーザの登録日1905、変更日1906、更新ユーザ1907などが記憶されている。
システムを利用するシステム利用者はこのユーザ管理マスタに登録されている必要がある。
【0060】
加入者管理マスタ1910は、本発明の実施形態における厚生年金や年金基金への加入者のマスタデータである。加入者番号1911、受給権者番号1912、入社年月日1913、氏名1914、氏名カナ1915、性別1916、生年月日1917などが記憶されている。
図20は、本発明の実施形態におけるファイル属性に関する情報の一例を示す図である。
【0061】
プロパティ画面2000は、本システムにリンクされたファイルのプロパティ画面を開いた時のイメージ図である。ファイル名2001にファイル名が表示され、そのファイルに設定された属性2002が記載されている。属性としては、「書込み禁止」「隠しファイル」「削除禁止」が例として記載されているが、これに限ったものではなく、システムから提供される属性であれば設定可能である。
【0062】
なお、本実施形態では、属性として、禁止に設定されているものを属性が制限されていると表現する。また、禁止の設定を解除することを属性の制限を解除すると表現する。すなわち、「書込み禁止」や「削除禁止」と設定されているものを属性が制限されていると表現し、それらの禁止条件を解除することを属性の制限を解除するという。これらの制限はリンクファイル操作部304により実施される。
【0063】
添付ファイル属性設定テーブル2010は、添付欄による処理によりリンクファイルに設定された過去の属性と現在の属性を記録しているものである。例えば、添付ファイル2011「c:¥temp.doc」の現在の属性は、(1)書込み禁止と(3)削除禁止が設定されており(チェックがついているので)、変更前の属性は、(1)から(3)の何も設定されていない(チェックがついていないので)ことを示す。図14の「削除」処理にてリンクファイルが削除された場合に属性を元に戻す場合に利用される。

【0064】
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0065】
また、本発明におけるプログラムは、本発明に示すフローチャートの処理方法をコンピュータが実行可能なプログラムであり、本発明の記憶媒体はコンピュータが実行可能なプログラムが記憶されている。なお、本発明におけるプログラムは各装置の処理方法ごとのプログラムであってもよい。
【0066】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するプログラムを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0067】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0068】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク、ソリッドステートドライブ等を用いることができる。
【0069】
また、コンピュータが読み出したプログラムを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0070】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0071】
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのプログラムを格納した記録媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0072】
さらに、本発明を達成するためのプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
201 CPU
202 RAM
203 プログラムROM
204 データROM
205 KBC
206 DC
207 MC
208 UBS I/F
220 NW I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に表示されるデータに関連付けて電子ファイルをリンク設定可能なファイル管理装置であって、
前記画面に表示されるデータに関連付けてリンクする電子ファイルを指定するリンクファイル指定手段と、
前記リンクファイル指定手段により指定された電子ファイルをリンクとして設定するリンク設定手段と、
前記リンク設定手段によりリンク設定された前記電子ファイルへのアクセス権に関する属性を制限する属性制限手段と、
を有することを特徴とするファイル管理装置。
【請求項2】
前記リンク設定された電子ファイルの指定を解除するリンクファイル指定解除手段と、
前記リンクファイル指定解除手段により指定された電子ファイルへのリンク設定を解除するリンク設定解除手段と、
前記リンク設定解除手段によりリンク解除された電子ファイルへのアクセス権に関する属性の制限を解除する属性制限解除手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載のファイル管理装置。
【請求項3】
前記リンクファイル指定手段は、前記電子ファイルがリンク設定されている状態か解除されている状態かにより判別可能な状態に表示が変更されることを特徴とする請求項1または2記載のファイル管理装置。
【請求項4】
前記データを表示した画面のリンク情報から前記電子ファイルにアクセスした場合には、前記電子ファイルの属性が制限されていたとしても、属性の制限が解除された状態で開くことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のファイル管理装置。
【請求項5】
前記属性制限手段により制限された属性の変更前の属性を記録する属性記録手段を更に有し、
前記属性の制限が解除された状態とは、前記属性記録手段に記憶された、属性の変更前の属性が設定された状態であることを特徴とする請求項4記載のファイル管理装置。
【請求項6】
画面に表示されるデータに関連付けて電子ファイルをリンク設定可能なファイル管理装置の制御方法であって、
前記画面に表示されるデータに関連付けてリンクする電子ファイルを指定するリンクファイル指定ステップと、
前記リンクファイル指定ステップにより指定された電子ファイルをリンクとして設定するリンク設定ステップと、
前記リンク設定ステップによりリンク設定された前記電子ファイルへのアクセス権に関する属性を制限する属性制限ステップと、
を有することを特徴とするファイル管理装置の制御方法。
【請求項7】
コンピュータを、画面に表示されるデータに関連付けて電子ファイルをリンク設定可能なファイル管理装置として機能させるプログラムであって、
前記画面に表示されるデータに関連付けてリンクする電子ファイルを指定するリンクファイル指定手段と、
前記リンクファイル指定手段により指定された電子ファイルをリンクとして設定するリンク設定手段と、
前記リンク設定手段によりリンク設定された前記電子ファイルへのアクセス権に関する属性を制限する属性制限手段と、
を有することを特徴とするファイル管理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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