説明

ファクシミリ機

【課題】 バーコード等のコード情報を読み取って原稿の内容を自動的に送信するだけでなく、既存のファクシミリ機を有効に利用できるように構成されたファクシミリ機を提供する。
【解決手段】 ファクシミリ回線22と既存のファクシミリ機30との間に介在して接続され、リーダ14によって読み取ったコード情報Pbから送信先番号を取得する情報取得手段16と、情報取得手段16によって取得した送信先番号にファクシミリ回線22を介してダイヤルし原稿Paの内容を送信するダイヤル送信手段18と、既存のファクシミリ機30が送信した信号をファクシミリ回線22に伝達するとともにファクシミリ回線22からの信号を既存のファクシミリ機30に伝達する信号伝達手段26と、ダイヤル送信手段18による送信を行う第1モードと、信号伝達手段26による信号伝達を行う第2モードとを切り換える切換手段24とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に記載(記録を含む。以下同様である。)されたコード情報を読み取るスキャナを備えたファクシミリ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、バーコードからデータを読み取るリーダを備え、当該リーダによって送信原稿に記載されたデータを読み取って送信先のファクシミリ番号もしくは電話番号(以下では単に「送信先番号」と呼ぶ。)にダイヤルし、送信原稿の内容を自動的に送信するように構成されたファクシミリ機の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開平5−300387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1のファクシミリ機を購入する者(もしくは購入しようとする者)の中には既存のファクシミリ機を所有している場合があり、ファクシミリ回線が一つしか無い場合には既存のファクシミリ機は有効に利用されないために無駄となる。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、バーコード等のようなコード情報を読み取って原稿の内容を自動的に送信するだけでなく、既存のファクシミリ機を有効に利用できるように構成されたファクシミリ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)課題を解決するための手段(以下では単に「解決手段」と呼ぶ。)1は、コード情報が記載された原稿を読み取るスキャナを備えたファクシミリ機であって、ファクシミリ回線と既存のファクシミリ機との間に介在して接続され、前記スキャナによって読み取ったコード情報から送信先番号を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段によって取得した送信先番号に前記ファクシミリ回線を介してダイヤルし、前記原稿の内容を送信するダイヤル送信手段と、前記既存のファクシミリ機が送信した信号を前記ファクシミリ回線に伝達するとともに、前記ファクシミリ回線からの信号を前記既存のファクシミリ機に伝達する信号伝達手段と、前記ダイヤル送信手段による送信を行う第1モードと、前記信号伝達手段による信号伝達を行う第2モードとを切り換える切換手段とを有することを要旨とする。なお、「既存のファクシミリ機」は一般的な機能を有するファクシミリ機である。
【0005】
解決手段1によれば、ダイヤル送信手段がコード情報を読み取って送信先番号に原稿の内容を送信するとともに(第1モード)、当該ダイヤル送信手段による送信以外は切換手段が既存のファクシミリ機をファクシミリ回線に接続するように切り換え、信号伝達手段が既存のファクシミリ機の信号を伝達する(第2モード)。したがって、コード情報を読み取って送信先番号に原稿の内容を自動的に送信でき、モードの切り換えによって既存のファクシミリ機も有効に利用できる。
【0006】
(2)解決手段2は、解決手段1に記載したファクシミリ機であって、切換手段は、送信ボタンが操作された場合に第1モードに切り換えてダイヤル送信手段による送信を行い、当該送信を終えると第2モードに切り換えて信号伝達手段による信号伝達を行うように構成されたことを要旨とする。
【0007】
解決手段2によれば、送信ボタンが操作された場合にのみダイヤル送信手段による送信に切り換え(第1モード)、他は信号伝達手段による信号伝達に切り換える(第2モード)。したがって、本発明のファクシミリ機を利用する以外は既存のファクシミリ機を確実に利用できる。
【0008】
(3)解決手段3は、解決手段1または2に記載したファクシミリ機であって、切換手段は、信号検出手段が信号を検出してから当該信号を検出しなくなるまでの間は第2モードを維持し、ダイヤル送信手段による送信を行わないように制限する構成されたことを要旨とする。
【0009】
解決手段3によれば、既存のファクシミリ機による送信が行われているときに本発明のファクシミリ機を利用する場合には、切換手段によって第2モードに切り換えられているので、ダイヤル送信手段による送信を行わないように制限する。その後に既存のファクシミリ機による通信を終えると、切換手段が第1モードに切り換えるので、ダイヤル送信手段による送信を行う。したがって、既存のファクシミリ機による送信の阻害を最小限に抑え、かつ本発明のファクシミリ機による原稿の内容を確実に送信することができる。
【0010】
(4)解決手段4は、解決手段1または2に記載したファクシミリ機であって、既存のファクシミリ機が送信した信号を記憶する信号記憶手段を有し、切換手段は、第1モードに切り換えているときには前記既存のファクシミリ機が送信した信号を前記信号記憶手段に記憶し、ダイヤル送信手段による送信を終えた後に第2モードに切り換えて前記信号記憶手段に記憶された信号をファクシミリ回線に伝達するように構成されたことを要旨とする。
【0011】
解決手段4によれば、本発明のファクシミリ機による送信が行われているときに既存のファクシミリ機が利用される場合には、切換手段によって第1モードに切り換えられているので、既存のファクシミリ機から送信された信号等を一時的に信号記憶手段に記憶する。その後に本発明のファクシミリ機による送信を終えると、切換手段が第2モードに切り換えるので、信号記憶手段に記憶された信号を自動的にファクシミリ回線に伝達する。したがって、本発明のファクシミリ機による原稿の内容を送信しながらも、既存のファクシミリ機からの送信も確実に行うことができる。
【0012】
(5)解決手段5は、解決手段1から4のいずれか一項に記載したファクシミリ機であって、情報取得手段は、スキャナによって読み取ったコード情報に基づいて、送信先に関する情報および送信元に関する情報のうちで一方または双方を取得し、ダイヤル送信手段は、前記情報取得手段によって取得した情報が受信側用紙における所定の位置に記載されるようにファクシミリ用の信号に変換し、原稿の内容とともに送信するように構成されたことを要旨とする。
【0013】
解決手段5によれば、情報取得手段がコード情報から送信先に関する情報および送信元に関する情報のうちで一方または双方を取得するので、原稿には送信先に伝えたい内容だけを記載すればよい。したがって、送信先や送信元の会社名・部署名等について記載ミスを防止し、原稿の作成時間を短縮することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、コード情報を読み取って原稿の内容を自動的に送信するだけでなく、既存のファクシミリ機を有効に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明を実施するための最良の形態について、図1〜図8を参照しながら説明する。図1には本発明の概要を模式的に表す。図2、図3には通信制御処理の手続き例をフローチャートで表す。図2と図3の間は結合子J2、J4でそれぞれ処理が継続する。図4、図7には、切換手段による切り換え例を図1に記載した要素の一部を用いて表す。図5には原稿の記載例を表し、図6、図7には送信時における原稿の内容を表す。
【0016】
図1において、本発明のファクシミリ機10は、ファクシミリ回線22と既存のファクシミリ機30との間に介在して接続される。このファクシミリ機10は、送信ボタン12、スキャナ14、情報取得手段16、ダイヤル送信手段18、信号記憶手段20、切換手段24、信号伝達手段26、信号検出手段28などを有する。
【0017】
操作者が操作する操作部材の一つとして送信ボタン12を図示したが、他にはテンキー(電話番号入力用ボタン)や短縮ダイヤル等の登録用ボタンなどがある。スキャナ14は「スキャナ」とも呼ばれ、原稿Paの記載内容(すなわちコード情報Pbや記載内容Pc等)を読み取る。本例のコード情報Pbは、記録可能な情報量を多くするために二次元バーコードを適用している。このコード情報Pbは、原稿Paにおける任意の位置に記載できるが、一定の位置(例えば図5に表す原稿Paの左上隅部)に記載されると抽出が容易になる。記載内容Pcは通信文や絵図などが該当する。情報取得手段16は、スキャナ14によって読み取られたデータのうち、コード情報Pbにかかるデータに基づいて種々の情報を取得する。取得する情報としては、例えば送信先番号、送信先や送信元の記載情報(すなわち会社名・部署名等)などが該当する。ダイヤル送信手段18は、情報取得手段16によって取得した送信先番号にファクシミリ回線22を介してダイヤルし、スキャナ14で読み取ったデータ(すなわち原稿Paの記載内容の全部または一部)や必要なデータを送信する。
【0018】
信号記憶手段20はファクシミリ機10に備えたメモリ内に設けられた記憶領域であって、既存のファクシミリ機30が送信した信号を記憶する。信号伝達手段26は、既存のファクシミリ機30が送信した信号をファクシミリ回線22に伝達するとともに、ファクシミリ回線22からの信号を既存のファクシミリ機30に伝達する機能を実現する。
【0019】
ファクシミリ機10で実行される通信制御処理の手続き例について、図2、図3に表したフローチャートを参照しながら説明する。この通信制御処理は、ファクシミリ機10の電源が投入されてから遮断されるまでの間において繰り返し実行される。
【0020】
図2において、まずファクシミリ回線22と既存のファクシミリ機30との間で信号伝達手段26による信号伝達を行うため、図4(A)に太い実線で表す接続形態のように切換手段24を第2モードに切り換える〔ステップS10〕。なお、この切り換えはモードの初期設定であるので、ファクシミリ機10の電源投入時に実行すれば足りる。
【0021】
次に送信ボタン12が操作されたか否かを判別する〔ステップS12〕。もし送信ボタン12が操作されたときは(YES)、スキャナ14が読み取った原稿Paの記載内容にかかるデータをメモリに記憶し〔ステップS16〕、記憶したデータの中からコード情報Pbにかかるデータを抽出し、当該コード情報Pbに基づいて情報取得手段16が所定の情報を取得する〔ステップS18〕。情報取得手段16が取得する所定の情報としては、例えば送信先番号や、送信先や送信元に関する情報(すなわち会社名・部署名・役職名・担当者名等)などが該当する。
【0022】
送信ボタン12の操作に基づいて送信先番号宛に原稿Paの内容を送信しなければならないが、切換手段24は第2モードに切り換わっているのでファクシミリ回線22と既存のファクシミリ機30との間で通信が行われているか否かを判別する〔ステップS20〕。もし信号検出手段28が既存のファクシミリ機30から出力された送信信号を検出したときは、ファクシミリ回線22と既存のファクシミリ機30との間で通信が行われていると判断して処理を待機する(YES)。
【0023】
もし信号検出手段28が既存のファクシミリ機30からの送信信号を検出しないときは、ファクシミリ回線22と既存のファクシミリ機30との間で通信が行われていないと判断し(ステップS20でNO)、ファクシミリ機10とファクシミリ回線22との間で信号伝達を行うため、図4(B)に太い実線で表す接続形態のように切換手段24を第1モードに切り換える〔ステップS22〕。
【0024】
第1モードに切り換えた後は、ステップS18で取得した送信先番号にダイヤルするとともに〔ステップS24〕、送信可能な否かを判別する〔ステップS26〕。もし通信回線の故障や通話中などを要因として送信できないときは、当該要因が解消するまで待機する(NO)。ただし、一定時間(例えば5分間)を超えても要因が解消できない場合には、二点鎖線で示すように後述するステップS40に移行するように制御してもよい。
【0025】
もし送信可能なときは(ステップS26でYES)、ステップS18で送信先や送信元に関する情報を取得した場合には当該情報を設定し〔ステップS28〕、図3に移行して原稿の内容を送信する〔ステップS30〕。ここで、ステップS28の設定の有無に応じて、送信する原稿Paの内容がどのように変わるかについて、図5に表した原稿Paを例に説明する。もしステップS28の設定を行わなければ、当該原稿Paに記載された通りの内容をそのままステップS30で送信する。一方、ステップS28の設定を行う場合には、図6に表すようにコード情報Pbに代えてヘッダーPdを記載して記載内容PcとともにステップS30で送信してもよく、図7に表すようにコード情報Pbに加えてヘッダーPdを記載して記載内容PcとともにステップS30で送信してもよい。ヘッダーPdには、例えば日付情報Pe、送信先情報Pf、送信元情報Pgなどが該当する。送信先情報Pfや送信元情報Pgは、例えば会社名・部署名・役職名・担当者名等が該当する。
【0026】
もし上記ステップS30で送信を開始してから終了するまでの間に(ステップS36でNO)、信号検出手段28が既存のファクシミリ機30からの送信信号(送信先番号等を含む)を検出した場合は(ステップS32でYES)、図8(A)に太い実線で表す接続形態のように切換手段24を切り換えたうえで、当該送信信号を信号記憶手段20に記憶する〔ステップS34〕。その後にファクシミリ機10の送信を終えると(ステップS36でYES)、ステップS10と同様に第2モードに切り換える。
【0027】
そして、信号記憶手段20に送信信号の記憶があるときは(ステップS40でYES)、図8(B)に太い実線で表す接続形態のように切換手段24を切り換えたうえで、記憶された送信先番号にダイヤルして原稿の内容に関する送信信号を送信する〔ステップS42〕。なお、記憶された送信信号を送信している間に、さらに既存のファクシミリ機30からの送信信号を検出したときは切換手段24中の二点鎖線で表す接続形態で既存のファクシミリ機30から信号記憶手段20に記憶すればよい。追加して記憶した送信信号は、現在送信中の送信信号を処理を終えた後に続けて送信する。ステップS34の記憶およびステップS42の送信を行うことによって、既存のファクシミリ機30はファクシミリ機10の使用状態にかかわらず送信を行うことができ、しかも原稿の内容を確実に送信先に伝達することができる。
【0028】
上述した実施の形態によれば、以下に表す各効果を得ることができる。
(1)図3、図4に表した通信制御処理に従って、ダイヤル送信手段18が原稿Paに記載されたコード情報Pbを読み取って送信先番号に原稿Paの内容を送信するとともに(第1モード;図4(B)を参照)、当該ダイヤル送信手段18による送信以外は切換手段24が既存のファクシミリ機30をファクシミリ回線22に接続するように切り換え、信号伝達手段26が既存のファクシミリ機30の信号を伝達する構成とした(第2モード;図4(B)を参照)。したがって、コード情報Pbを読み取って送信先番号に原稿Paの内容を自動的に送信でき、モードの切り換えによって既存のファクシミリ機30も有効に利用できる。
【0029】
(2)送信ボタン12が操作された場合にのみダイヤル送信手段18による送信に切り換え(第1モード;図3のステップS12〜図4のステップS30を参照)、他は信号伝達手段26による信号伝達に切り換える(第2モード;図3のステップS10、図4のステップS38を参照)。したがって、ファクシミリ機10を利用する以外は既存のファクシミリ機30を確実に、しかも優先的に利用することができる。
【0030】
(3)既存のファクシミリ機30による送信が行われているときにファクシミリ機10を利用する場合には、ダイヤル送信手段18による送信を行わないように制限した(図3のステップS20を参照)。その後に既存のファクシミリ機30による通信を終えると、ダイヤル送信手段18による送信を行った(図3のステップS24〜図4のステップS30を参照)。したがって、既存のファクシミリ機30による送信の阻害を最小限に抑え、かつファクシミリ機10による原稿Paの内容を確実に送信することができる。
【0031】
(4)ファクシミリ機10による送信が行われているときに既存のファクシミリ機30が利用される場合には、既存のファクシミリ機30から送信された信号等を一時的に信号記憶手段20に記憶した(図4のステップS32、S34を参照)。その後にファクシミリ機10による送信を終えると、信号記憶手段20に記憶された信号を自動的にファクシミリ回線22に伝達した(図4のステップS40、S42を参照)。したがって、ファクシミリ機10による原稿Paの内容を送信しながらも、既存のファクシミリ機30からの送信も確実に行うことができる。
【0032】
(5)情報取得手段16がコード情報Pbに基づいて送信先情報Pfおよび送信元情報Pgのうち一方または双方を取得し、ダイヤル送信手段18が取得した情報を原稿Paに設定するので(図3のステップS16、S18、S28および図6、図7を参照)、本来の原稿Pa(特に記載内容Pc)には送信先に伝えたい内容だけを記載すればよい。したがって、送信先や送信元の会社名・部署名等について記載ミスを防止し、原稿Paの作成時間を短縮することが可能になる。
【0033】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための最良の形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することができる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0034】
(1)上述した実施の形態では、原稿Paに記載するコード情報Pbとして二次元バーコードを適用した(図5を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、一次元バーコードを適用してもよく、図9に示すように文字そのものをコード情報Pbとして適用してもよい。一次元バーコードは数字しか記録できないので、情報取得手段16は送信先番号を取得できるにとどまる。図9のコード情報Pbには、送信先の会社名・部署名・担当者名を記載している。この場合、情報取得手段16は文字認識機能を備え、かつ認識したデータ(本例では会社名・部署名・担当者名のいずれか)に対応する送信先番号を予めメモりに記憶させておく必要がある。したがって、原稿Paには通常通りの記載をするだけで送信先番号を特定し、当該送信先番号にダイヤルして送信を行えるので、原稿Paへの記載に対する負担が無い。
【0035】
コード情報Pbにかかる他の例としては、送信先番号や会社名・部署名・担当者名等に関連付けた固有の数字・英字・記号・符号等の記載や、原稿Paの表面や内部に備えた磁性体(磁気による記録)、原稿Paに設けた孔(紙テープ用の穿孔に類似させた記録)、原稿Paの表面や内部に備えたICチップ(ICによる記録)などが該当する。いずれの記載方法であっても、コード情報Pbから送信先番号や会社名・部署名・担当者名等を特定することによって、送信先に確実に送信することができる。
【0036】
(2)上述した実施の形態では、切換手段24は送信側を切り換えるように構成した(図4、図8を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、受信側を切り換えるように切換手段24を構成してもよい。例えば、ファクシミリ回線22からの信号を信号記憶手段20に記憶するように切り換えたり、信号記憶手段20に記憶した信号を既存のファクシミリ機30に伝達するように切り換える形態が該当する。この構成によれば、コード情報Pbを含むような信号を受信したときにファクシミリ機10で印刷したり、備え付けの表示装置(例えば液晶表示器)による表示ができ、しかも送信されてきた原稿に記載ミスがあった場合でも正確な送信元を特定することができる。
【0037】
(3)上述した実施の形態では、コード情報Pbに基づいて送信先や送信元の会社名・部署名等のような一定の項目をヘッダーPdとして原稿Pa内に設定したうえで送信する構成とした(図6、図7を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、ヘッダーPdとして原稿Pa内に設定する項目を指定したり解除する項目編集手段を備える構成としてもよい。この項目編集手段は、送信ボタン12と同様のボタンを操作したりメニューの選択を行ったときに実行され、会社名・部署名・役職名・担当者名等のような項目の中から設定すべき項目を選択して指定したり、選択した項目を設定する位置・文字サイズ・装飾等を指定したり、既に指定された項目を解除するなどを実現する。この構成によれば、送信先に対応した原稿PaのヘッダーPdを自動的に設定することが可能になる。ヘッダーに限らず、原稿Paの下側に記載するフッターとして設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の概要を模式的に表す図である。
【図2】通信制御処理を表すフローチャートである。
【図3】図2に続く通信制御処理を表すフローチャートである。
【図4】切換手段による切り換え例を説明する図である。
【図5】原稿の記載例を説明する図である。
【図6】送信時における原稿の内容を説明する図である。
【図7】送信時における原稿の内容を説明する図である。
【図8】切換手段による切り換え例を説明する図である。
【図9】コード情報の一例を表す図である。
【符号の説明】
【0039】
10 ファクシミリ機
12 送信ボタン
14 スキャナ
16 情報取得手段
18 ダイヤル送信手段
20 信号記憶手段
22 ファクシミリ回線
24 切換手段
26 信号伝達手段
28 信号検出手段
30 既存のファクシミリ機
Pa 原稿
Pb コード情報
Pc 記載内容
Pd ヘッダー
Pe 日付情報
Pf 送信先情報
Pg 送信元情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コード情報が記載された原稿を読み取るスキャナを備えたファクシミリ機であって、
ファクシミリ回線と既存のファクシミリ機との間に介在して接続され、
前記スキャナによって読み取ったコード情報から送信先番号を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得した送信先番号に前記ファクシミリ回線を介してダイヤルし、前記原稿の内容を送信するダイヤル送信手段と、
前記既存のファクシミリ機が送信した信号を前記ファクシミリ回線に伝達するとともに、前記ファクシミリ回線からの信号を前記既存のファクシミリ機に伝達する信号伝達手段と、
前記ダイヤル送信手段による送信を行う第1モードと、前記信号伝達手段による信号伝達を行う第2モードとを切り換える切換手段とを有するファクシミリ機。
【請求項2】
請求項1に記載したファクシミリ機であって、
切換手段は、送信ボタンが操作された場合に第1モードに切り換えてダイヤル送信手段による送信を行い、当該送信を終えると第2モードに切り換えて信号伝達手段による信号伝達を行うように構成されたファクシミリ機。
【請求項3】
請求項1または2に記載したファクシミリ機であって、
既存のファクシミリ機が送信した信号を検出する信号検出手段を有し、
切換手段は、信号検出手段が信号を検出してから当該信号を検出しなくなるまでの間は第2モードを維持し、ダイヤル送信手段による送信を行わないように制限する構成されたファクシミリ機。
【請求項4】
請求項1または2に記載したファクシミリ機であって、
既存のファクシミリ機が送信した信号を記憶する信号記憶手段を有し、
切換手段は、第1モードに切り換えているときには前記既存のファクシミリ機が送信した信号を前記信号記憶手段に記憶し、ダイヤル送信手段による送信を終えた後に第2モードに切り換えて前記信号記憶手段に記憶された信号をファクシミリ回線に伝達するように構成されたファクシミリ機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載したファクシミリ機であって、
情報取得手段は、スキャナによって読み取ったコード情報に基づいて、送信先に関する情報および送信元に関する情報のうちで一方または双方を取得し、
ダイヤル送信手段は、前記情報取得手段によって取得した情報が受信側用紙における所定の位置に記載されるようにファクシミリ用の信号に変換し、原稿の内容とともに送信するように構成されたファクシミリ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−251490(P2007−251490A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−70766(P2006−70766)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【出願人】(391006348)株式会社タイテック (79)
【Fターム(参考)】