説明

ファクシミリ装置

【課題】 セットした普通紙の向きや大きさに応じて自動的に印刷する文字の向きと大きさを変更可能なファクシミリ装置を提供する。
【解決手段】 制御部101は、S4ステップにおいて自動印刷設定されていると判定すると、S7ステップで普通紙がセット中であるか否かを判定し、普通紙がセットされていれば、S9ステップ及びS10ステップにおいて、セットされている普通紙の向きとサイズを検出し、S11ステップにおいてセットされている普通紙がA5サイズであると判定すると、S13ステップにおいて縮小印刷動作を行い、一方、S11ステップにおいてA4サイズがセットされていると判定すると、S12ステップにおいてそのままの文字大きさで印刷を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、普通紙に印刷可能なファクシミリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ装置には、受信した画像情報を印刷する際に普通紙に印刷を行うものとロール紙に印刷を行うものが存在する。ロール紙に印刷を行うファクシミリ装置では、例えば、特許文献1に記載されているように、画情報を受信するとロール紙をフィードさせて印刷を開始し、この印刷動作が終了するとこのロール紙をカッタで切断することで、ロール紙に印刷を行うことができる。
【0003】
一方、普通紙に印刷を行うファクシミリ装置では、画情報を受信すると普通紙をフィードさせて印刷を開始し、この印刷動作が終了すると印刷が行われた普通紙をフィードすることにより、印刷を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−143277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のようなロール紙タイプのファクシミリ装置では、印刷の済んだロール紙は柔らかく、また、印刷した画情報の量に応じて印刷済みのロール紙のサイズが異なるといった事態が生じる。この為、印刷済みのロール紙をファイル等に保管しにくいといった問題が生じる。
【0006】
一方、普通紙タイプのファクシミリ装置では、ロール紙に比べて硬く、また、A4、A5といったように印刷する普通紙のサイズが予め決められているため、印刷済みの普通紙をファイル等に保管しやすいといったメリットが存在する。
【0007】
しかしながら、普通紙タイプのファクシミリ装置は、機種によっては、A4サイズの普通紙を挿入するべきところを、ユーザが誤ってA5サイズの普通紙を挿入していたために、受信した画像がとぎれるように印刷されたり、A5普通紙のフィードが既に終了しているのにもかかわらずインクリボンの送りと印字動作が継続され、インクリボンを無駄に消費すると共に受信した画像を全て普通紙に印刷できないといった問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、請求項1に記載のファクシミリ装置は、異なるサイズの普通紙に印刷可能なファクシミリ装置であり、画情報を格納する格納手段と、当該格納手段に格納されている画情報を印刷する印刷手段と、普通紙をセットするための収納手段と、当該収納手段に収納されている普通紙の向きと大きさを検出する普通紙検出手段と、印刷動作を行う際に、前記普通紙検出手段の検出結果に基づいて、前記普通紙に印刷する文字の向きと大きさを自動的に変更するように前記印刷手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のファクシミリ装置は、異なるサイズの普通紙に印刷可能なファクシミリ装置であり、画情報を格納する格納手段と、当該格納手段に格納されている画情報を印刷する印刷手段と、普通紙をセットするための収納手段と、当該収納手段に収納されている普通紙がA4であるかA5であるかを検出する普通紙検出手段と、印刷動作を行う際に、前記普通紙検出手段が、A5普通紙が収納されていることを検出していると判定すると、前記格納手段に格納されている画情報を自動的に縮小して印刷するように前記印刷手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のファクシミリ装置は、請求項2に記載のファクシミリ装置であり、更に、前記収納手段に収納されている普通紙の向きが縦向きか或いは横向きかを検出する普通紙方向検出手段を有し、前記制御手段は、当該普通紙方向検出手段の検出結果に基づいて、印刷する文字の向きを変更するように前記印刷手段を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本願発明では、セットされた普通紙に応じて自動的に縮小印刷や印刷される文字の向きを変更することが可能であるため、従来のファクシミリ装置のように、受信した画像が途切れるように印刷されたり、A5普通紙のフィードが既に終了しているのにもかかわらずインクリボンの送りと印字動作が継続され、インクリボンを無駄に消費すると共に受信した画像を全て印刷できないといった問題が発生しない。更に、本願発明は以下に示すような効果を奏するものである。
【0012】
請求項1に記載のファクシミリ装置によると、ユーザが誤ってA5の普通紙をセットしていた場合でも、自動的に画情報が縮小されて印刷されるため、セットされている普通紙にあわせた印字動作を行うことができる。また、セットされている普通紙の向きに応じて自動的に文字の印字向きが変更されるため、全ての普通紙において印字向きを統一させることができる。
【0013】
また、請求項2に記載のファクシミリ装置によると、ユーザが誤ってA5の普通紙をセットしていた場合でも、自動的に画情報が縮小されて印刷されるため、セットされている普通紙に合わせた印字動作を行うことができる。
【0014】
更に、請求項3に記載のファクシミリ装置では、セットされている普通紙の向きに応じて自動的に文字の印字向きが変更されるため、全ての普通紙において印字向きを統一させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の斜視図である。
【図2】本実施例装置のブロック図である。
【図3】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を適用してなる実施例装置であるファクシミリ装置について説明する。尚、本実施例装置はファクシミリ装置について実施しているが、印刷機能を搭載したコピー機、プリンタ等にも同様に本発明を適用することが可能である。
【実施例】
【0017】
本発明を適用してなる実施例装置であるファクシミリ装置10の斜視図を図1に示す。ファクシミリ装置10は、FAX番号や氏名等の文字を表示する表示部109、テンキーや各種キー等からなる入力部110、ファクシミリ装置10へ普通紙をセットする際に、普通紙を受ける収納部113等を有している。
【0018】
次に、本発明の実施例にかかるファクシミリ装置10の構成を示すブロック図を図2に示す。
【0019】
制御部101は、ファクシミリ装置10の各回路と接続され、ROM(Read Only Memory)106に格納されている各種制御プログラムに基づいて動作する。
【0020】
網制御部102は、電話回線Lと接続されており、回線からの着信信号の検出機能や、回線の極性反転を検出する機能、入力部110から入力された電話番号やファクシミリ番号を回線Lへ送出する機能等を有する。
【0021】
モデム103は、制御部101と接続されており、電話回線Lを介してファクシミリ制御信号の送受信を行う機能や、画情報の変調、復調、更には符号化、復号化の機能を有する。具体的には、画情報をMH(Modified Huffman)、MR(Modified READ)、MMR(Modified Modified READ)等の符号化あるいは、これらの符号化データを復号化する機能を有する。
【0022】
読み取り部104は、制御部101と接続されており、原稿を読み取るイメージスキャナー等で構成されている。
【0023】
画情報メモリ105は、例えばフラッシュメモリからなり、電話回線Lを介して受信された画情報や読み取り部104により読み取られた画情報を格納する。
【0024】
ROM(Read Only Memory)106は、制御部101と接続されており、ファクシミリ装置を動作させる為の制御プログラムを格納する。
【0025】
RAM(Random Access Memory)107は、制御部101と接続され、電話番号や氏名等の電話帳画情報等を格納する。
【0026】
バッファメモリ108は、例えばフラッシュメモリからなり、画情報メモリ105に格納されている画情報を展開し、縮小或いはそのまま印刷部112へ出力するためのメモリである。
【0027】
表示部109は、制御部101と接続されており、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の液晶ディスプレイパネル等からなり、制御部101からの制御信号に応じて、現在の通信状態やダイヤル入力時における相手先のFAX番号など各種のテキスト情報を表示する。
【0028】
入力部110は、制御部101と接続されており、テンキーやファクシミリを開始するためのスタートキー、通話を開始するための通話キー、通話を終了するための切キー、機能キー、選択キー等の各種キーからなる。
【0029】
印刷部112は、制御部101と接続されており、バッファメモリ108に一時的に蓄積された画情報等を印刷する。
【0030】
収納部113は、制御部101と接続されており、A4サイズやA5サイズの普通紙を縦向きあるいは横向きにセットすることが可能なトレーである。
【0031】
センサ部114は、制御部101と接続されており、収納部113にセットされた普通紙の大きさと向きを検出する。このセンサ部114は、例えば少なくとも2つの光センサで構成され、制御部101は、光センサの発光部からの光を受光部により受光できたか或いは(普通紙が光を遮断したために)受光できなかったかを判定することにより、普通紙の大きさと向きを判定する。尚、センサ部114は光センサに限らず機械的なスイッチセンサでも良い。
【0032】
次に、本実施例に係わるファクシミリ装置の動作について、図3のフロー図に基づいて説明する。
【0033】
S1ステップにおいて、制御部101は、網制御部102が回線から着信信号を検出したと判定すると、S2ステップへ処理を進める。
【0034】
S2ステップにおいて、制御部101は、モデム103を制御することにより、モデム103は、電話回線Lからのファクシミリ制御信号の受信と続いて回線Lから受信した画情報の復調及び復号化を行う。
【0035】
S3ステップにおいて、制御部101は、S2ステップにて受信した画情報を画情報メモリ105に格納する。
【0036】
S4ステップにおいて、制御部101は、画情報メモリ105に格納されている画情報を自動的に印刷部112で印刷する設定がされているか否かを検出し、自動的に印刷する設定がされていればS7ステップへ処理を進め、そうでなければ、S5ステップへ処理を進める。尚、この設定は予めユーザによって行われ、この設定情報はRAM107に格納されているものとする。
【0037】
S5ステップにおいて、制御部101は、ユーザに普通紙をセットするように指示するメッセージを表示部109へ表示するように制御し、S6ステップへ処理を進める。
【0038】
S6ステップにおいて、制御部101は、入力部110より印刷指示があるか否か判定し、印刷指示があると判定するとS7ステップへ処理を進め、印刷指示がないと判定すると、S1ステップへ処理を戻る。
【0039】
S7ステップにおいて、制御部101は、センサ部114が、収納部113へ普通紙が収納されていることを検出したと判定するとS9ステップへ処理を進め、そうでなければS8ステップへ処理を進める。
【0040】
S8ステップにおいて、制御部101は、収納部113へ普通紙をセットするように促すメッセージを表示部109に表示させ、S7ステップへ処理を戻す。
【0041】
S9ステップにおいて、制御部101は、センサ部114からの出力に基づいて、収納部113へセットされている普通紙の大きさがA4サイズかA5サイズであるかを判定して、この判定した情報をRAM107へ格納する。
【0042】
S10ステップにおいて、制御部101は、センサ部114からの出力に基づいて、収納部113へセットされている普通紙の向きを判定し、この判定した情報をRAM107へ格納する。
【0043】
即ち、S9ステップとS10ステップにおいて、RAM107には、セットされた普通紙が縦向きであるか或いは横向きであるかという情報と、セットされた普通紙のサイズがA4サイズであるか或いはA5サイズであるかという情報が格納される。
【0044】
S11ステップにおいて、制御部101は、S9ステップとS10ステップの処理にてRAM107に格納された情報を読み出し、収納部113へセットされている普通紙がA4サイズの普通紙と判定されるとS12ステップへ処理を進め、A5サイズの普通紙と判定されれば、S13ステップへ処理を進める。
【0045】
S12ステップにおいて、制御部101は、画情報メモリ105に蓄積された画情報をバッファメモリ108に展開し、バッファメモリ108上で画情報の縮小処理を行ない、縮小された画情報を印刷部112へ送信した後に、A5サイズの普通紙に縮小された画情報を印刷部112で印刷させる。尚、このとき、S10ステップでRAM107に一時的に格納された縦向きか或いは横向きかを示す画情報に合わせて印刷部112が印刷動作を行う。
【0046】
S13ステップにおいて、制御部101は、画情報メモリ105に蓄積された画情報をバッファメモリ108に展開し、この画情報を印刷部112へ送信した後に、印刷部112にてA4サイズの普通紙に画情報を印刷するように制御する。尚、このとき、S10ステップでRAM107に一時的に格納された縦向きか或いは横向きかを示す画情報に合わせて印刷部112が印刷動作を行う。
【符号の説明】
【0047】
10・・・・・ファクシミリ装置
101・・・・制御部
102・・・・網制御部
103・・・・モデム
104・・・・読み取り部
105・・・・画情報メモリ
106・・・・ROM
107・・・・RAM
108・・・・バッファメモリ
109・・・・表示部
110・・・・入力部
112・・・・印刷部
113・・・・収納部
114・・・・センサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なるサイズの普通紙に印刷可能なファクシミリ装置であり、
画情報を格納する格納手段と、
当該格納手段に格納されている画情報を印刷する印刷手段と、
普通紙をセットするための収納手段と、
当該収納手段に収納されている普通紙の向きと大きさを検出する普通紙検出手段と、
印刷動作を行う際に、前記普通紙検出手段の検出結果に基づいて、前記普通紙に印刷する文字の向きと大きさを自動的に変更するように前記印刷手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項2】
異なるサイズの普通紙に印刷可能なファクシミリ装置であり、
画情報を格納する格納手段と、
当該格納手段に格納されている画情報を印刷する印刷手段と、
普通紙をセットするための収納手段と、
当該収納手段に収納されている普通紙がA4であるかA5であるかを検出する普通紙検出手段と、
印刷動作を行う際に、前記普通紙検出手段が、A5普通紙が収納されていることを検出していると判定すると、前記格納手段に格納されている画情報を自動的に縮小して印刷するように前記印刷手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のファクシミリ装置であり、更に、前記収納手段に収納されている普通紙の向きが縦向きか或いは横向きかを検出する普通紙方向検出手段を有し、
前記制御手段は、当該普通紙方向検出手段の検出結果に基づいて、印刷する文字の向きを変更するように前記印刷手段を制御することを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−199694(P2011−199694A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−65487(P2010−65487)
【出願日】平成22年3月23日(2010.3.23)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】