フィルタエレメント
【課題】 ひとつのエレメントで、エンジンの吸気脈動によるダスト透過量を少なくできる性能を保持しながら、エンジンから漏れてくる燃料蒸気も同時に吸着できる性能を兼備させることが可能なフィルタエレメントを提供する。
【解決手段】 フィルタエレメントを不織布の積層構造とし、不織布各層の平均繊維径を上流側より下流側の方が連続的あるいは段階的に小さくなるようにして、その上流側を粗層、下流側を密層に形成する。上記不織布の層間に粒状活性炭を付着させる。
【解決手段】 フィルタエレメントを不織布の積層構造とし、不織布各層の平均繊維径を上流側より下流側の方が連続的あるいは段階的に小さくなるようにして、その上流側を粗層、下流側を密層に形成する。上記不織布の層間に粒状活性炭を付着させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エンジンの吸気脈動によるダスト透過量が少ないと同時にエンジンから漏れた燃料蒸気を吸着できる自動車、内燃機関などのエアクリーナ等として有用なフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車、自動二輪車などの動力源では、エンジンの吸気系において、エアクリーナ用のフィルタエレメントでダストを捕集し、清浄な空気をエンジンヘ供給している。一方、エンジンの停止時には、エンジンから漏出した燃料蒸気が吸気系を通ってエアクリーナに至りエアクリーナを通して大気中に放出されてしまうことがあった。このため、下記特許文献１では、空気中のダスト（カーボンダストを含む）を捕捉するフィルタエレメントの下流側に、別途燃料蒸気を吸着する吸着フィルタを設置して燃料蒸気の大気中への放出を抑制するようにしている。
【特許文献１】特開２００２−２７６４８６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、上記特許文献１では、フィルタエレメントとは別に吸着フィルタを製作し所定の位置に設置する余分な手間を要し、通気抵抗が大きくなるとともにコストが嵩む問題がある。また、上記吸着フィルタは多数の粒状活性炭を不織布と耐熱性ネットで両側から挟み込んだシート状の構造であり、その製作には煩雑な作業を要するものである。
【０００４】
本発明は、上記の問題に鑑み、ひとつのエレメントで、エンジンの吸気脈動によるダスト透過量を少なくできる性能を保持しながら、エンジンから漏れてくる燃料蒸気も同時に吸着できる性能を兼備させることが可能なフィルタエレメントを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、上記目的を達成するため、フィルタエレメントを複数の不織布を積層しかつその上流側を粗層、下流側を密層に形成し、その不織布の層間に粒状活性炭を付着させたことを手段とするものである。
【０００６】
本発明では、エンジンの吸気系路に取り付けられるエアフィルタとして、濾材を構成する濾過材を不織布の積層構造とし、不織布各層の平均繊維径を上流側より下流側の方が連続的あるいは段階的に小さくなるようにし、層間に付着させる粒状活性炭を保持し下流側へ透過しないようにしてある。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、密度勾配を設けた不織布層間に粒状活性炭を保持させたので、濾過材として不織布を用いて脈動によるダスト透過量を少なくできるとともに、粒状活性炭により燃料蒸気の吸着性能を有するので、漏出した蒸発ガソリンを吸着し、公害対策として、これの大気への流出を防止することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明について説明する。なお、以下の実施例ではフィルタエレメントとして各不織布層を平板状に形成した例を示すが、積層した不織布層を襞折り状に形成しても差し支えない。
【実施例１】
【０００９】
図１は、本発明のフィルタエレメントを示す概略断面図である。この例では、フィルタエレメント１０は複数の不織布層で構成され、ポリエステル繊維（６．６ｄｔ）と溶融繊維（４．４ｄｔ）を混合してなる不織布で平板状に構成された上流側の第１不織布層１１（目付６０ｇ／ｍ２）と、その下流側にポリエステル繊維（４．４ｄｔ）と溶融繊維（２．２ｄｔ）を混合してなる不織布で平板状に構成された中間の第２不織布層１２（目付８０ｇ／ｍ２）と、その下流側にポリエステル繊維（１．３ｄｔ）と溶融繊維（２．２ｄｔ）を混合してなる不織布で平板状に構成された下流側の第３不織布層１３（目付１２０ｇ／ｍ２）を積層して形成している。上記のとおり、フィルタエレメント１０は、上流側から下流側に向かって粗層、中間層、密層の密度勾配を有しているが、第２不織布層１２と第３不織布層１３の層間に粒状活性炭（５０〜２００μｍ）１４が付着している。この粒状活性炭１４はあらかじめ密層である第３不織布層１３の上流側面に吹き付けられて保持されており、その後第２不織布層１２に積層することによりサンドイッチ状に挟持されている。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明のフィルタエレメントの一実施例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【００１１】
１０ フィルタエレメント
１１ 第１不織布層
１２ 第２不織布層
１３ 第３不織布層
１４ 粒状活性炭
【技術分野】
【０００１】
本発明は、エンジンの吸気脈動によるダスト透過量が少ないと同時にエンジンから漏れた燃料蒸気を吸着できる自動車、内燃機関などのエアクリーナ等として有用なフィルタエレメントに関する。
【背景技術】
【０００２】
自動車、自動二輪車などの動力源では、エンジンの吸気系において、エアクリーナ用のフィルタエレメントでダストを捕集し、清浄な空気をエンジンヘ供給している。一方、エンジンの停止時には、エンジンから漏出した燃料蒸気が吸気系を通ってエアクリーナに至りエアクリーナを通して大気中に放出されてしまうことがあった。このため、下記特許文献１では、空気中のダスト（カーボンダストを含む）を捕捉するフィルタエレメントの下流側に、別途燃料蒸気を吸着する吸着フィルタを設置して燃料蒸気の大気中への放出を抑制するようにしている。
【特許文献１】特開２００２−２７６４８６号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
しかし、上記特許文献１では、フィルタエレメントとは別に吸着フィルタを製作し所定の位置に設置する余分な手間を要し、通気抵抗が大きくなるとともにコストが嵩む問題がある。また、上記吸着フィルタは多数の粒状活性炭を不織布と耐熱性ネットで両側から挟み込んだシート状の構造であり、その製作には煩雑な作業を要するものである。
【０００４】
本発明は、上記の問題に鑑み、ひとつのエレメントで、エンジンの吸気脈動によるダスト透過量を少なくできる性能を保持しながら、エンジンから漏れてくる燃料蒸気も同時に吸着できる性能を兼備させることが可能なフィルタエレメントを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本発明は、上記目的を達成するため、フィルタエレメントを複数の不織布を積層しかつその上流側を粗層、下流側を密層に形成し、その不織布の層間に粒状活性炭を付着させたことを手段とするものである。
【０００６】
本発明では、エンジンの吸気系路に取り付けられるエアフィルタとして、濾材を構成する濾過材を不織布の積層構造とし、不織布各層の平均繊維径を上流側より下流側の方が連続的あるいは段階的に小さくなるようにし、層間に付着させる粒状活性炭を保持し下流側へ透過しないようにしてある。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、密度勾配を設けた不織布層間に粒状活性炭を保持させたので、濾過材として不織布を用いて脈動によるダスト透過量を少なくできるとともに、粒状活性炭により燃料蒸気の吸着性能を有するので、漏出した蒸発ガソリンを吸着し、公害対策として、これの大気への流出を防止することができる
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下に、添付図面を参照しつつ本発明について説明する。なお、以下の実施例ではフィルタエレメントとして各不織布層を平板状に形成した例を示すが、積層した不織布層を襞折り状に形成しても差し支えない。
【実施例１】
【０００９】
図１は、本発明のフィルタエレメントを示す概略断面図である。この例では、フィルタエレメント１０は複数の不織布層で構成され、ポリエステル繊維（６．６ｄｔ）と溶融繊維（４．４ｄｔ）を混合してなる不織布で平板状に構成された上流側の第１不織布層１１（目付６０ｇ／ｍ２）と、その下流側にポリエステル繊維（４．４ｄｔ）と溶融繊維（２．２ｄｔ）を混合してなる不織布で平板状に構成された中間の第２不織布層１２（目付８０ｇ／ｍ２）と、その下流側にポリエステル繊維（１．３ｄｔ）と溶融繊維（２．２ｄｔ）を混合してなる不織布で平板状に構成された下流側の第３不織布層１３（目付１２０ｇ／ｍ２）を積層して形成している。上記のとおり、フィルタエレメント１０は、上流側から下流側に向かって粗層、中間層、密層の密度勾配を有しているが、第２不織布層１２と第３不織布層１３の層間に粒状活性炭（５０〜２００μｍ）１４が付着している。この粒状活性炭１４はあらかじめ密層である第３不織布層１３の上流側面に吹き付けられて保持されており、その後第２不織布層１２に積層することによりサンドイッチ状に挟持されている。
【図面の簡単な説明】
【００１０】
【図１】本発明のフィルタエレメントの一実施例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
【００１１】
１０ フィルタエレメント
１１ 第１不織布層
１２ 第２不織布層
１３ 第３不織布層
１４ 粒状活性炭
【特許請求の範囲】
【請求項１】
複数の不織布を積層しかつその上流側を粗層、下流側を密層に形成してなるエレメントであって、前記不織布の層間に粒状活性炭を付着させたことを特徴とするフィルタエレメント。
【請求項１】
複数の不織布を積層しかつその上流側を粗層、下流側を密層に形成してなるエレメントであって、前記不織布の層間に粒状活性炭を付着させたことを特徴とするフィルタエレメント。
【図１】
【公開番号】特開２００６−２１８３９６（Ｐ２００６−２１８３９６Ａ）
【公開日】平成１８年８月２４日（２００６．８．２４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３４１４７（Ｐ２００５−３４１４７）
【出願日】平成１７年２月１０日（２００５．２．１０）
【出願人】（０００１０８４９８）タイガースポリマー株式会社 (187)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年８月２４日（２００６．８．２４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年２月１０日（２００５．２．１０）
【出願人】（０００１０８４９８）タイガースポリマー株式会社 (187)
【Ｆターム（参考）】
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