フィルム処理装置
【課題】挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持して移送する際に、挟持位置が不用意にずれることがないフィルム処理装置を提供する。
【解決手段】上流側に未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサFPが配置され、下流側に現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するフィルムスキャナーFSが配置され、上流側の受け取り位置において挟持ローラ対40により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するチャッカーCと、チャッカーCを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するチャッカーモータCMとを備え、チャッカーCが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、挟持ローラ対40の回転を阻止するブレーキゴム43aと、受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除部材5,6とを備えた。
【解決手段】上流側に未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサFPが配置され、下流側に現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するフィルムスキャナーFSが配置され、上流側の受け取り位置において挟持ローラ対40により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するチャッカーCと、チャッカーCを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するチャッカーモータCMとを備え、チャッカーCが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、挟持ローラ対40の回転を阻止するブレーキゴム43aと、受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除部材5,6とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備えたフィルム処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサと、現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナーとを結合して一体化したシステムとしては、下記特許文献1に開示される写真感光材料処理装置が公知である。フィルムプロセッサにおいて写真フィルムの現像処理を行う場合には、写真フィルムの先端にフィルムリーダと呼ばれる案内部材を取り付け、写真フィルムはこのフィルムリーダによりフィルムプロセッサ内の各部を移動する。写真フィルムの現像処理及び乾燥処理が終了すると、写真フィルムはフィルムプロセッサから排出されて搬送ユニットへ送り込まれ、まず写真フィルムとフィルムリーダを分離するために写真フィルムの先端部をカットする。フィルムリーダは所定の場所に回収され、フィルムリーダが切り離された現像済み写真フィルムは、フィルム移送ユニットにより移送されて、フィルムスキャナーに受け渡され、各コマ画像のスキャニングが行われる。すなわち、フィルム移送ユニットは搬送上流側において写真フィルムを受け取り、写真フィルムを移送して、搬送下流側において写真フィルムを受け渡す機能を有する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−234476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる場合において、フィルム移送ユニットで写真フィルムを移送する形態として、フィルム移送ユニットに挟持ローラ対を設け、写真フィルムの先端部を挟持し、この挟持状態のまま写真フィルムを受け取り位置から受け渡し位置へと移送する形態が考えられる。このように写真フィルムの先端部を挟持するだけであるから、移動の最中に外力の作用や写真フィルムのカール力などにより、不用意にローラが回転してしまい、挟持位置がずれてしまうことがある。その結果、写真フィルムの受け渡しが正常に行なわれない可能性があった。特に、フィルム移送ユニット自身に、挟持ローラ対を駆動する駆動源が設けられていなければ、移送中における挟持位置がよりずれやすい傾向がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持して移送する際に、挟持位置が不用意にずれることがないフィルム処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係るフィルム処理装置は、
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備えたフィルム処理装置であって、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
かかる構成によるフィルム処理装置の作用・効果を説明する。このフィルム処理装置は、フィルム移送ユニットを備えており、写真フィルムの先端部を挟持ローラ対により挟持した状態で、写真フィルムを上流側の受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで移送する。そして、フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段が設けられており、移動中において挟持位置がずれることを防止する。また、受け取り位置と受け渡し位置では、回転阻止状態が解除されるので、写真フィルムの受け取り動作と受け渡し動作を正常に行なうことができる。その結果、挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持して移送する際に、挟持位置が不用意にずれることがないフィルム処理装置を提供することができる。
【0008】
本発明において、フィルム移送ユニット外に、受け取り位置と受け渡し位置において、挟持ローラ対を駆動するローラ駆動源が設けられていることが好ましい。
【0009】
この構成によると、フィルム移送ユニット自身には、挟持ローラ対を駆動するための駆動源が搭載されていない。受け取り位置と受け渡し位置の夫々の位置に到着すると、フィルム移送ユニットとは別に設けられた駆動源により挟持ローラ対を駆動することができ、受け取り位置における写真フィルムの受け取り動作と、受け渡し位置における写真フィルムの受け渡し動作を行なうことができる。また、移送中は挟持ローラ対と駆動源の機械的な連結が断たれているため、挟持ローラ対による挟持位置がずれやすい傾向にあるが、本発明による回転阻止手段を設けることで、確実に挟持ローラ対の回転を阻止し、挟持位置がずれることを防止することができる。
【0010】
本発明に係る回転阻止手段は、挟持ローラ対の回転軸に対して作用するブレーキ部材と、ブレーキ部材を前記回転軸に対して押圧する付勢部材とを備えていることが好ましい。
【0011】
この構成によると、挟持ローラ対の回転軸に対してブレーキ部材を作用するようにしており、例えば、駆動ギヤに対して直接回転阻止を行なう機構に比べると、構成を簡素化することができる。ブレーキ部材の回転軸に対する押圧力は、スプリング等の付勢部材により行なうことができる。
【0012】
本発明において、受け取り位置において、前記ブレーキ部材による押圧力を徐々に付与する手段と、
受け渡し位置において、ブレーキ部材による押圧力を徐々に解除する手段を備えていることが好ましい。
【0013】
ブレーキ部材による押圧力を徐々に付与したり、徐々に解除するように構成することで、挟持ローラ対に対して衝撃力が作用することを抑制し、さらに確実に挟持位置をずれないようにすることができる。
【0014】
本発明において、前記解除手段は、受け取り位置と受け渡し位置に夫々設けられた、ブレーキ部材を前記回転軸から離間させるためのブレーキ解除部材であることが好ましい。
【0015】
受け取り位置と受け渡し位置において、ブレーキ部材を回転軸から離間させることで、受け取り位置と受け渡し位置において、余分な負荷が作用しない状態で、挟持ローラ対を駆動することができ、写真フィルムの搬送も確実に行なうことができる。
【0016】
上記課題を解決するため本発明に係る別のフィルム処理装置は、
上流側に未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサが配置され、下流側にフィルムプロセッサにより処理された現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナーが配置されたフィルム処理装置において、
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備え、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
この構成によると、前述の通り、フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、挟持ローラ対による挟持位置がずれることを防止する。また、受け取り位置と受け渡し位置では、回転阻止状態が解除されるので、写真フィルムの受け取り動作と受け渡し動作を正常に行なうことができる。従って、フィルムプロセッサで現像処理された写真フィルムを正しい姿勢でフィルムスキャナーへと受け渡すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るフィルム処理装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、フィルムプロセッサFPとフィルムスキャナーFSで構成されるフィルム処理装置FAと、プリント作成装置PAを有するプリント処理システム1全体の外観構成を示す図である。なお、プリント処理システム1は、その他の装置(例えば、注文者用受付端末、記録媒体への書き込み・読み取り装置、インターネット受け付け可能なPC端末等)を有するものであってもよい。
【0019】
<システムの全体構成>
図1において、フィルム処理装置FAは、未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサFPと、このフィルムプロセッサFPにより現像処理された現像済み写真フィルムのコマ画像を光電変換によりデジタルの画像データとして取得するためのフィルムスキャナーFSとを上下位置に配置する。そして、フィルム処理装置FAは、フィルムプロセッサFPの排出部から排出された現像済み写真フィルムをフィルムスキャナーFSの供給部へ搬送するための搬送ユニットFCを備えている。
【0020】
このフィルム処理装置FAは、通信回線を介してプリント作成装置PAに接続される。プリント作成装置PAは、通信機能、オーダー管理・制御機能、画像処理機能、プリント作成機能を有し、コンピュータ、ディスプレイ等の表示手段、キーボード、マウス等のインターフェースとを備えている。この構成によりフィルム処理装置FAで取得した画像データは、通信回線を介してプリント作成装置PAに伝送され、このプリント作成装置PAにより印画紙等のプリント媒体に画像がプリントされる。オーダー管理・制御は、画像データをオーダー単位で管理し、プリント作成の順序を設定できるように構成される。
【0021】
なお、プリント作成装置PAは銀塩式の印画紙を使用するものに限定されず、インクジェット型、昇華型のプリント作成装置を用いてもよい。
【0022】
本発明において、フィルムプロセッサFPにより現像処理される前の写真フィルム(コマ画像が潜像状態のもの)を特に未現像写真フィルムと称し、フィルムプロセッサFPにより現像処理された後の写真フィルム(コマ画像が顕在化したもの)を特に現像済み写真フィルムと称することがある。
【0023】
<フィルムプロセッサ>
フィルムプロセッサFPは、図1、2に示すように、プロセッサ本体の前部にフィルム挿入部11を配置し、プロセッサ本体内部に現像処理部12、乾燥処理部13とを備え、プロセッサ本体の後部に排出部14を配置し、フィルム挿入部11から排出部14にわたって搬送機構15を形成している。プロセッサ本体の前部位置には各種情報を表示する液晶ディスプレイ16aと複数の操作ボタン16bを有したコントロールパネル16を備え、プロセッサ本体内部にフィルムプロセッサFP全体の制御を実現する制御ユニット17を備える。プロセッサ本体の上面には、排出部14から送りだされる現像済み写真フィルムを受け止めるフィルムストッカー18が形成されている。
【0024】
フィルム挿入部11には、開閉自在な蓋体11aを備え、フィルムカートリッジCa(もしくはパトローネ)に収容されたロール状の未現像写真フィルムをセットし、搬送機構15に受け渡す作動系(フィルム駆動機構11e)と、写真フィルムの後端を切断する切断ユニット11bを備える。
【0025】
また、写真フィルムの長さの情報を得るために、搬送機構15によって搬送される写真フィルムの先端及び後端の通過を検出するローディングセンサー11cを備える。ローディングセンサー11cは、一対の光学式センサー(受光式、投光式)で構成される。このローディングセンサー11cは、フィルム先端位置(もしくはフィルムリーダの先端位置)とフィルム後端位置を検出することができる。これら検出された先端位置と後端位置情報に基づいて、写真フィルムの長さ情報を演算する。
【0026】
APSフィルムの現像処理の場合、カートリッジCaから引き出した写真フィルムの先端にフィルムリーダLを取り付け、蓋体11aを開放して、このフィルムリーダLが先行するようにフィルム挿入部11にカートリッジCaをセットする。写真フィルムFとフィルムリーダLとを接続した状態を図3に示す。フィルムリーダLは、樹脂製のフィルムと同程度の柔軟性を持つシート状部材であり、写真フィルムFよりも大きな幅寸法を有する。フィルムリーダLには、多数のパーフォレーションLaが形成されており、このパーフォレーションLaと噛み合うスプロケットにより、写真フィルムFはフィルムプロセッサFP内を搬送される。かかるパーフォレーションLaを設けることで、フィルムプロセッサFP内をすべりが生じることなく確実に写真フィルムを案内することができる。
【0027】
パーフォレーションLaは、好ましくは、図示のようにフィルムリーダLの幅方向の片側端部(図3参照)に形成されるが、両側端部に形成されていてもよい。写真フィルムFとフィルムリーダLとの連結は、図3(a)に示すように、フィルムリーダLに形成された係合突起を写真フィルムFに形成された孔に挿入することで連結してもよいし、図3(b)に示すように、粘着テープTにより写真フィルムFの先端部とフィルムリーダLとを連結してもよい。使用されるフィルムリーダLの形状・大きさは予め決まっている。また、フィルムリーダLと写真フィルムFの連結は治具を用いて行なうため、フィルムリーダLに対する写真フィルムFの連結位置(貼り付け位置)も予め決まっている。
【0028】
フィルムリーダL付きの写真フィルムFをセットして、蓋体11aを閉じた後、コントロールパネル16の所定の操作ボタン16bを操作することで制御ユニット17の制御によってフィルム搬送(ローディング)が開始され、現像処理部12での現像処理と、乾燥処理部13での乾燥処理の後に排出部14からフィルムリーダLを先頭にして写真フィルムが排出される。この場合、カートリッジ検出手段11dがカートリッジCaを検出して、次いで、蓋体11aを閉じると、ローディングが開始され、写真フィルムFが搬送開始される。
【0029】
制御ユニット17は、ローディングを開始するようにフィルムプロセッサFPの各要素を制御する。フィルム駆動機構11eが、フィルムリーダL及び写真フィルムFを圧着ローラで狭持しながら現像処理部12まで搬送し、ローディングセンサー11cが搬送されてきたフィルムリーダL及び写真フィルムの先端を検出すると、現像処理部12及び乾燥処理部13の搬送機構15が駆動され、フィルムリーダL及び写真フィルムを圧着ローラで挟持して、現像処理部側に搬送する。ここで、フィルム駆動機構11eと搬送機構15は、別駆動で動作する。なお、フィルムプロセッサFPでの「ローディング」とは、フィルムカートリッジCaから写真フィルムがフィルム駆動機構11eによって引き出され、現像処理部12に搬送される動作を意味する。
【0030】
現像処理部12は、発色現像槽、漂白槽、定着槽、安定槽を有し、現像処理部12内部において搬送機構15は、フィルムリーダL及び写真フィルムを搬送するためフィルムリーダLのパーフォレーションLaと係合する複数のスプロケット機構と圧着ローラ機構15aを備えている。また、乾燥処理部13は、現像処理部12から搬送されてきた写真フィルムを乾燥するブロワ13aを備える。同様に、乾燥処理部13にも上記スプロケット機構と圧着ローラ機構が備えられている。搬送機構15は、スプロケット機構と圧着ローラ機構15aと、これらを電動モータ(不図示)で同期駆動する駆動系を備えている。
【0031】
排出部14には、現像済み写真フィルムをフィルムプロセッサFPから排出するための排出ローラ15bが設けられている。排出ローラ15bにより排出された写真フィルムは、搬送ユニットFCに受け渡されフィルムスキャナーFSへと搬送されることになる。
【0032】
フィルムスキャナーFSは、図1,2に示すように、スキャナー本体の下部にフィルムキャリア21を配置し、このフィルムキャリア21の下側に光源ユニット22を、フィルムキャリア21の上側にズームレンズ23と光電変換ユニット24とを配置している。スキャナー本体の内部にスキャナー制御部25(制御ユニット)を配置している。フィルムスキャナーFSは、フィルムプロセッサFPに固定されており、排出部14の排出ブロック上部位置に配置されている。
【0033】
フィルムキャリア21は、フィルムプロセッサFPの前部と同じ方向に現像済み写真フィルムの供給部21aを形成し、この供給部21aからフィルムを後部側に搬送しながらスキャニングを行えるように構成される。なお、フィルムキャリア21に写真フィルムを送り出す前に、搬送ユニットFCにおいて写真フィルムからフィルムリーダLを切り離す処理がなされる。また、フィルムキャリア21は、搬送ローラ21bを駆動する搬送モータ(不図示)を備える。
【0034】
光源ユニット22は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の発光ダイオード(不図示)を有し、ズームレンズ23は、焦点距離の調節によって、写真フィルムのコマの情報を設定された拡大率で光電変換ユニット24の光電変換面に結像させる。この光電変換ユニット24は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応してCCD等の光電変換素子でなる3つのラインセンサ(不図示)を備える。
【0035】
<搬送ユニットの構成>
次に、フィルムプロセッサFPから排出された現像済み写真フィルムをフィルムスキャナーFSへ搬送するための搬送ユニットFCの構成を図4により説明する。図4に示すように、フィルムプロセッサFPの排出部14には、排出ローラ15bが設けられている。
【0036】
搬送ユニットFCは、フレームに固定された搬送ブロックBと、所定の軸芯周りに回転可能に取り付けられたチャッカーC(フィルム移送ユニットに相当)とを備えている。搬送ブロックBの下側のブロック部の上流側端部には、フィルムガイド30が設けられており、軸芯30a周りに回転可能に軸支されている。フィルムガイド30は、搬送すべき写真フィルムの幅寸法に対応したガイド部を備えており、図4に示す第1位置と想像線で示す第2位置との間をガイド切替ソレノイド31によりいずれかの位置に切り替えられる。第1位置にセットされているときは、写真フィルムをフィルムスキャナーFSの方向に導くことができる。第2位置にセットしているときは、写真フィルムはフィルムストッカー18に排出される。
【0037】
搬送経路に沿って、上流側の搬送ローラ対32aと下流側の搬送ローラ対32bとからなるローラ搬送機構32が設けられている。各搬送ローラ対32a,32bは、駆動ローラと圧着ローラにより構成され、第1駆動モータM1により同期駆動される。下流側の搬送ローラ対32bの上流側近傍に第1フィルムセンサー33とリーダセンサー34が設けられている。これらのセンサーは、発光素子と受光素子からなる光センサーであり、写真フィルムやフィルムリーダがセンサー位置を通過すると、透光状態から遮光状態に切り換わることで検出を行なう。第1フィルムセンサー33とリーダセンサー34は、図4の紙面に直交する方向から見ると同じ位置に配置されているが、幅方向において異なる位置に配置されており、写真フィルムとフィルムリーダを別々に検出することができる。
【0038】
ローラ搬送機構32の上流側・下流側搬送ローラ対32a,32bの間にはフィルム幅規制ガイド3が設けられている。このフィルム幅規制ガイド3は、写真フィルムの幅方向をガイド(規制)する機能を備えており、写真フィルム搬送時における蛇行防止や、写真フィルムとフィルムリーダを分離するときに、写真フィルムが幅方向に動かないように規制するものである。
【0039】
下流側搬送ローラ対32bの更に下流側には、写真フィルムとフィルムリーダを切り離すためのカッター35が設けられており、カットモータ36により駆動される。カットされたフィルムリーダはリーダーストッカー19に回収される。カッター35のすぐ下流側には、第2フィルムセンサー37が設けられており、フィルムリーダの先端や写真フィルムの先端を検出する。第2フィルムセンサー37も第1フィルムセンサー33と同様の光センサーで構成することができる。
【0040】
チャッカーCはフィルムリーダが切り離された写真フィルムの先端部を挟持ローラ対40により挟持し、フィルムスキャナーFSの供給部21aへと搬送する。チャッカーCは、チャッカー駆動モータにより軸芯41回りに回転可能に設けられている。チャッカーCは、図4に示すような写真フィルムを受け取る受け取り位置と、写真フィルムをフィルムスキャナーFSに受け渡し可能な受け渡し位置の間を回転可能であり、更に、ループボックス50内にループを形成するためにループ形成位置において中間停止することができる。
【0041】
搬送ユニットFCの右側の空間はループボックス50であり、写真フィルムがループを形成するための空間部が形成されている。搬送ユニットFCの上部には、第1ガイド部60と第2ガイド部61が設けられており、夫々写真フィルムを搬送するための搬送経路60a,61aが形成されている。チャッカーCが受け渡し位置に回転してきたときは、第2ガイド部61は経路外に退避するように移動し、第1ガイド部60の搬送経路60aに写真フィルムが受け渡される。
【0042】
ループボックス50の上方には第1排出経路51と第2排出経路52が設けられている。フィルムスキャナーFSによるコマ画像の読み取りが終了した写真フィルムは、第1ガイド部60と第2ガイド部61を逆方向に搬送され、第1排出経路51へと導かれる。第1排出経路51の終端はフィルムストッカー18へと連結されており、スキャニングを終了した写真フィルムはフィルムストッカー18に回収される。第1排出経路51には、写真フィルムを搬送するための搬送ローラ54が設けられており、これは第3駆動モータM3により駆動される。第3駆動モータM3と、搬送ローラ54とは、適宜の減速機構やベルト機構により連結されている。なお、第3駆動モータM3は後述するようにチャッカーCの挟持ローラ対40を駆動する機能も有している。
【0043】
フィルムプロセッサFPにより現像処理された写真フィルムは、搬送ユニットFCを介して自動的にフィルムスキャナーFSに送り込まれるが、手動でフィルムスキャナーFSに写真フィルムを供給することもできる。この場合は、第2ガイド部61を開いて、手動で写真フィルムを第1ガイド部60を介して供給部21aから供給する。例えば、焼き増しプリントの依頼で写真フィルムの現像処理を行わない場合は、手動で写真フィルムをフィルムスキャナーFSに供給する。手動で挿入された写真フィルムは、第2排出経路52から排出されるように構成されている。
【0044】
フィルムスキャナーFSには、搬送経路に沿って搬送ローラ21bが配置されており、その途中に読み取り用の開口部21cが設けられる。この開口部21cの位置に読み取り光軸SLが設定される。供給部21aには、ローディングセンサー26が設けられており、写真フィルムの先端が搬送されてきたことを検出する。この検出に基づいて、各搬送ローラ21bを回転させるための駆動モータを駆動する。また、ローディングセンサー26とは別にレディセンサー27が設けられており、このレディセンサー27による検出タイミングを基準として、写真フィルムの画像スキャニング開始が制御される。
【0045】
<制御ブロック構成>
次に、図5の制御ブロック図によりフィルム処理装置FAの制御機能について説明する。まず、フィルムプロセッサFPの制御ユニット17の主要な機能を説明する。フィルム端部検出部17aは、ローディングセンサー11cによる検出信号に基づいて、写真フィルム(フィルムリーダ)の先端位置及び後端位置を検出する。フィルム長さ演算部17bは、フィルム端部検出部17aにより検出された先端位置と後端位置の情報に基づいて、写真フィルムの長さを演算する。実際にローディングセンサー11cにより検出されるのはフィルムリーダの先端であるが、フィルムリーダの大きさは予め分かっているため、その分を差し引くことで写真フィルムの長さを演算することができる。通信制御部17cは、搬送ユニットFCやフィルムスキャナーFSとの通信を行う機能を有する。
【0046】
フィルム位置演算部17dは、写真フィルムの先端位置情報に基づいて、現像済み写真フィルムが搬送ユニットFC内に送り込まれてくるタイミングを演算する。具体的には、排出ローラ15eから所定距離の位置に写真フィルム先端が到達したことを検出する。カウント部17eは、ローディングセンサー11cにより先端が検出された時点から予め設定された所定時間をカウントする。所定時間をカウント終了した時点で、写真フィルムの先端が排出ローラ15bから所定距離の位置に到達していることになる。なお、時間をカウントするのではなく、搬送機構15による搬送量をカウントするように構成してもよい。
【0047】
搬送制御部70は、搬送ユニットFC内を搬送される写真フィルムの搬送・停止を含む駆動制御を統括的に行なう。また、フィルムプロセッサFSの制御ユニット17及びフィルムスキャナーFSのスキャナー制御部25との通信を行なう。写真フィルムの位置情報や長さ情報は、制御ユニット17からの通信によりデータを受信することができる。
【0048】
搬送量演算部71は、写真フィルムの搬送量を演算する。搬送ユニットFCにおいて写真フィルムの搬送・停止の制御を行うためには、写真フィルムの搬送量を監視することが必要である。搬送量の演算は、各モータ(パルスモータ)を駆動するために供給される駆動パルスの数や、搬送ローラに連動して回転するエンコーダからの信号に基づいて、搬送量を演算することができる。あるいはタイマーによる時間カウントを行なって搬送量を演算してもよい。
【0049】
搬送制御部70は、ガイド切替ソレノイド31、第1駆動モータM1、第2駆動モータM2、第3駆動モータM3、チャッカーモータCM、カットモータ36に対する駆動制御を行なう。第1駆動モータM1は、ローラ搬送機構32を駆動し、第2駆動モータM2と第3駆動モータM3はチャッカーCの挟持ローラ対40を駆動する。チャッカーC自身には駆動源は搭載されておらず、チャッカーCが受け取り位置にあるときは、第2駆動モータM2と挟持ローラ対40とが機械的に連結し、チャッカーCが受け渡し位置にあるときは、第3駆動モータM3と挟持ローラ対40とが機械的に連結可能に構成されている。第2駆動モータM2と第3駆動モータM3は、搬送ユニットFCのフレームに対して固定されている。
【0050】
第1・第2フィルムセンサー33,37については既に説明した通り、写真フィルム(フィルムリーダ)の先端・後端の検出を行なう。ホームリミットスイッチ35aは、カッター35がホーム位置にあるか否かを検出する。ホームリミットスイッチ35aは機械的にカッター35を検出するものであるが、光センサーなど他のタイプのセンサーを用いてもよい。
【0051】
ホームセンサー38は、チャッカーCが受け取り位置(ホーム位置)にいることを検出するためのセンサーである。ガイド検出センサー62は、第1ガイド機構60が閉じているか否かを検出するためのセンサーである。第1ガイド機構60が閉じているときに、チャッカーCにより写真フィルムをフィルムスキャナーFSに受け渡すことができる。以上の各センサー信号は、搬送制御部70に送信され、これらの検出結果に基づいて、ソレノイドやモータの駆動制御が行なわれる。
【0052】
<チャッカーの構成>
次に、チャッカーCの構成について説明する。図6は、チャッカーの内部構成を示す断面図であり、図7はチャッカーCの平面図である。ここに示すチャッカーCは、図4の紙面の裏側方向から見た構造を図示している。
【0053】
チャッカーCは、軸芯41回りに回転可能に構成されており、上流側の受け取り位置において、フィルムリーダが分離された写真フィルムを受け取り、下流側の受け渡し位置において、第1ガイド部60を経由してフィルムスキャナーFSへと写真フィルムを受け渡す。チャッカーCは、挟持ローラ対40を備えており、駆動ローラ40aと従動ローラ40bにより構成される。この挟持ローラ対40により写真フィルムFの先端部を圧着挟持した状態で、写真フィルムを移送する。図6に示すように、写真フィルムの先端が少し突出した状態になるように挟持する。
【0054】
駆動ローラ40aは駆動軸40cに取り付けられており、この駆動軸40cの端部に駆動ギヤ42が連結されている。挟持ローラ対40を駆動するための駆動源は、チャッカーCには搭載されておらず、装置本体側に設けられた駆動源を利用して挟持ローラ対40を回転駆動する。すなわち、受け取り位置においては、駆動源としての第2駆動モータM2と駆動ギヤ42とが機械的に連結され、受け渡し位置においては、駆動源としての第3駆動モータM3と駆動ギヤ42とが機械的に連結される。第2駆動モータM2と第3駆動モータM3には、不図示の減速機構が連結されており、受け取り位置と受け渡し位置において、駆動ギヤ42と減速機構の中のギヤとが噛み合うように構成される。
【0055】
このように、チャッカーCには駆動源が搭載されていないため、挟持ローラ対が外力の作用で動きやすい状態となっている。例えば、写真フィルムのカール状態や、ループを形成するときの作用により、挟持位置がずれてしまう可能性がある。そのため、写真フィルムを受け渡すときに、正しい姿勢で写真フィルムを受け渡せなくなり、搬送不良が生じる可能性がある。かかる点に鑑み、チャッカーCによる写真フィルムの移送中は、挟持ローラ対40が不用意に回転しないような回転阻止手段を設けている。
【0056】
図6に示すように、スライドブロック43の先端にブレーキゴム43a(ブレーキ部材に相当)を装着し、このブレーキゴム43aを駆動ローラ40aの駆動軸40cに押圧可能に構成している。圧縮コイルスプリング44を設けて、ブレーキゴム42aを駆動軸40cに作用させるようにしている。駆動ローラ40aと従動ローラ40bの回転中心を結んだ直線と同じ方向に押圧力が作用するように、スライドブロック43とコイルスプリング44が配置されている。スライドブロック43には、ブレーキゴム43による押圧力を解除するための解除ボス43bが一体形成されている。
【0057】
装置本体側のフレーム部材4には、第1解除部材5と第2解除部材6(これらは解除手段に相当)が取り付けられている。各解除部材5,6には、テーパ面5a,6aと解除面5b,6bが形成されている。図6に示すように、チャッカーCが受け取り位置にあるときは、解除ボス43bが解除面5bに乗り上げている。これにより、スライドブロック43とブレーキゴム43aは、駆動軸40cから離間する方向に移動し、ブレーキゴム43aによる押圧力から開放される。また、チャッカーが受け渡し位置にあるときも、解除ボス43bが解除面6bに乗り上げることで、押圧力から開放される。
【0058】
従って、受け取り位置と受け渡し位置にチャッカーCがいるときは、駆動軸40cにブレーキが作用していないため、余分な負荷が作用することなく、挟持ローラ対40を駆動することができ、写真フィルムの受け取り受け渡しを正常に行うことができる(図8参照)。チャッカーCが移動中は、解除ボス43bが解除面5b,6bから脱出しており、駆動軸40cにブレーキゴム43aが作用し、挟持ローラ対40の回転を阻止する。また、解除部材5,6にはテーパ面5a,6aが形成されており、スライドブロック43は徐々に移動するように構成される。従って、押圧力の付与と解除も徐々に行なわれることになり、挟持ローラ対40に対して衝撃力が作用することを防止する。その結果、衝撃力により挟持位置が不用意にずれることを防止することができる。
【0059】
軸芯41には左右一対の支持体45が取り付けられており、そのうちの一方の支持体45に図6に示すブレーキ機構が内蔵されている。もちろん、両方の支持体45にブレーキ機構を内蔵してもよい。
【0060】
<フィルム処理装置の動作>
次に、フィルム処理装置FAの動作について簡単に説明する。図12は、フィルム処理装置FAの動作を説明するフローチャートである。図9〜図11は、搬送ユニットにおける動作を示す作動図である。
【0061】
フィルムプロセッサFPにおいて写真フィルムの現像処理が行われると(S200)、写真フィルムFはフィルムプロセッサFSの排出ローラ15bにより排出され(S201)、搬送ユニットFC内へと送り込まれてくる。フィルムガイド30は、図4に示すように、フィルムリーダLを案内可能な位置にセットされており、排出ローラ15bの駆動により、搬送ブロックBへとフィルムリーダLを先頭に写真フィルムが案内される(S202)。
【0062】
搬送ブロックBにおいては、フィルムリーダLと写真フィルムFは、ローラ搬送機構32により駆動され、所定の位置までフィルムリーダL及び写真フィルムFを搬送させて写真フィルムを停止させる(S203)。フィルムリーダLを写真フィルムFと分離するため、カッター35を動作させて、フィルムリーダLを切り離す(S204)。分離されたフィルムリーダLは挟持ローラ対40により排出されて、リーダーストッカー19に回収される。
【0063】
引き続いて写真フィルムFのみを搬送する状態になり、チャッカーCの挟持ローラ対40により写真フィルムFの先端部を挟持する位置まで搬送する(S205)。このとき、チャッカーCは受け取り位置に待機している。挟持ローラ対40は第2駆動モータM2と連結されており、第2駆動モータM2により挟持ローラ対40が駆動される。また、解除部材5の作用により、ブレーキゴム43aは駆動軸40cから離間した状態である。
【0064】
次に、写真フィルムFを挟持した状態でチャッカーCを軸芯41周りに回転させる(S206)。この回転動作に連動して、解除ボス43bは解除部材5のテーパ面5aに沿って移動し、駆動軸40cに対して徐々に押圧力が作用する。解除部材5から解除ボス43bが離脱すると、挟持ローラ対40にブレーキが作用した状態で移動する。
【0065】
チャッカーCは、まず図10に示すような中間位置に停止し、ループボックス50内に写真フィルムFのループを形成させる(S207,S208)。ループ形成時に、挟持ローラ対40から写真フィルムを離脱させるような力が作用したとしても、ブレーキがかかっているため、挟持位置が変わってしまうなどの不具合は生じない。十分な量のループが形成されると、チャッカーCを再び回転させて、図11の状態にし、写真フィルムFを第1ガイド部60の搬送経路60aへと受け渡す(S209)。また、チャッカーCの受け渡し位置への回転により、チャッカーCにより第2ガイド機構61が押し上げられ搬送経路から退避する形になる(S210)。
【0066】
さらに、チャッカーCの受け渡し位置への移動に伴い、解除ボス43bが解除部材6のテーパ面6aに乗り上げていくため、ブレーキゴム43aによる押圧力が徐々に解除されていき、解除面6aに乗り上げた時点で完全にブレーキゴム43aは駆動軸40aから離間した状態になる。受け渡し位置において、挟持ローラ対40は第3駆動モータM3により駆動され、受け渡された写真フィルムFは、フィルムスキャナーFSへと搬送されて、コマ画像の読み取りが行なわれる(S211,S212)。
【0067】
写真フィルムの受け渡しが終了すると、チャッカーCは受け渡し位置から受け取り位置へと復帰する(S213)。この復帰動作に連動して第2ガイド機構61も元の位置に復帰し、写真フィルムを排出できる体勢が整う(S214)。フィルムスキャナーFSにおいて写真フィルムのスキャニングが終了すると、フィルムスキャナーFSから写真フィルムが排出される(S215)。写真フィルムは、第1ガイド機構60と第2ガイド機構61の各搬送経路60a,61a、切り替えガイド63の搬送面63a、ループボックス50内の第1排出経路51を通過して、フィルムストッカー18へと送り込まれる(S216)。
【0068】
<別実施形態>
本実施形態においてチャッカーCは回転駆動することで受け取り位置から受け渡し位置へと移動しているが、回転ではなく平行に移動する構成であってもよい。挟持ローラ対の駆動源をチャッカーC自身に搭載していてもよい。
【0069】
本実施形態では、駆動軸にブレーキをかける構成については、種々の変形例が可能である。例えば、凹凸の係止機構によりブレーキをかけてもよい。すなわち、チャッカーの移動中は凹凸が係合して回転を阻止し、受け取り位置と受け渡し位置においては凹凸の係合を解除するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】フィルム処理装置を有するプリント処理システム全体の外観構成を示す図
【図2】フィルム処理装置の全体構成を示す断面図
【図3】写真フィルムとフィルムリーダを連結した状態を示す図
【図4】搬送ユニットの構成を示す断面図
【図5】フィルム処理装置の制御機能を示すブロック図
【図6】チャッカーの内部構成を示す断面図
【図7】チャッカーの構成を示す平面図
【図8】チャッカーが移動中の状態を示す断面図
【図9】フィルム処理装置の動作を示す図
【図10】フィルム処理装置の動作を示す図
【図11】フィルム処理装置の動作を示す図
【図12】フィルム処理装置の動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
【0071】
1 プリント処理システム
4,5 解除部材
4a,5a テーパ面
4b,5b 解除面
32 ローラ搬送機構
40 挟持ローラ対
40a 駆動ローラ
40b 従動ローラ
41 軸芯
42 駆動ギヤ
43 スライドブロック
43a ブレーキゴム
43b 解除ボス
44 コイルスプリング
B 搬送ブロック
F 写真フィルム
FP フィルムプロセッサ
FA フィルム処理装置
FC 搬送ユニット
FS フィルムスキャナー
C チャッカー
L フィルムリーダ
M1 第1駆動モータ
M2 第2駆動モータ
M3 第3駆動モータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備えたフィルム処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサと、現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナーとを結合して一体化したシステムとしては、下記特許文献1に開示される写真感光材料処理装置が公知である。フィルムプロセッサにおいて写真フィルムの現像処理を行う場合には、写真フィルムの先端にフィルムリーダと呼ばれる案内部材を取り付け、写真フィルムはこのフィルムリーダによりフィルムプロセッサ内の各部を移動する。写真フィルムの現像処理及び乾燥処理が終了すると、写真フィルムはフィルムプロセッサから排出されて搬送ユニットへ送り込まれ、まず写真フィルムとフィルムリーダを分離するために写真フィルムの先端部をカットする。フィルムリーダは所定の場所に回収され、フィルムリーダが切り離された現像済み写真フィルムは、フィルム移送ユニットにより移送されて、フィルムスキャナーに受け渡され、各コマ画像のスキャニングが行われる。すなわち、フィルム移送ユニットは搬送上流側において写真フィルムを受け取り、写真フィルムを移送して、搬送下流側において写真フィルムを受け渡す機能を有する。
【0003】
【特許文献1】特開平11−234476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかる場合において、フィルム移送ユニットで写真フィルムを移送する形態として、フィルム移送ユニットに挟持ローラ対を設け、写真フィルムの先端部を挟持し、この挟持状態のまま写真フィルムを受け取り位置から受け渡し位置へと移送する形態が考えられる。このように写真フィルムの先端部を挟持するだけであるから、移動の最中に外力の作用や写真フィルムのカール力などにより、不用意にローラが回転してしまい、挟持位置がずれてしまうことがある。その結果、写真フィルムの受け渡しが正常に行なわれない可能性があった。特に、フィルム移送ユニット自身に、挟持ローラ対を駆動する駆動源が設けられていなければ、移送中における挟持位置がよりずれやすい傾向がある。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持して移送する際に、挟持位置が不用意にずれることがないフィルム処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため本発明に係るフィルム処理装置は、
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備えたフィルム処理装置であって、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
かかる構成によるフィルム処理装置の作用・効果を説明する。このフィルム処理装置は、フィルム移送ユニットを備えており、写真フィルムの先端部を挟持ローラ対により挟持した状態で、写真フィルムを上流側の受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで移送する。そして、フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段が設けられており、移動中において挟持位置がずれることを防止する。また、受け取り位置と受け渡し位置では、回転阻止状態が解除されるので、写真フィルムの受け取り動作と受け渡し動作を正常に行なうことができる。その結果、挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持して移送する際に、挟持位置が不用意にずれることがないフィルム処理装置を提供することができる。
【0008】
本発明において、フィルム移送ユニット外に、受け取り位置と受け渡し位置において、挟持ローラ対を駆動するローラ駆動源が設けられていることが好ましい。
【0009】
この構成によると、フィルム移送ユニット自身には、挟持ローラ対を駆動するための駆動源が搭載されていない。受け取り位置と受け渡し位置の夫々の位置に到着すると、フィルム移送ユニットとは別に設けられた駆動源により挟持ローラ対を駆動することができ、受け取り位置における写真フィルムの受け取り動作と、受け渡し位置における写真フィルムの受け渡し動作を行なうことができる。また、移送中は挟持ローラ対と駆動源の機械的な連結が断たれているため、挟持ローラ対による挟持位置がずれやすい傾向にあるが、本発明による回転阻止手段を設けることで、確実に挟持ローラ対の回転を阻止し、挟持位置がずれることを防止することができる。
【0010】
本発明に係る回転阻止手段は、挟持ローラ対の回転軸に対して作用するブレーキ部材と、ブレーキ部材を前記回転軸に対して押圧する付勢部材とを備えていることが好ましい。
【0011】
この構成によると、挟持ローラ対の回転軸に対してブレーキ部材を作用するようにしており、例えば、駆動ギヤに対して直接回転阻止を行なう機構に比べると、構成を簡素化することができる。ブレーキ部材の回転軸に対する押圧力は、スプリング等の付勢部材により行なうことができる。
【0012】
本発明において、受け取り位置において、前記ブレーキ部材による押圧力を徐々に付与する手段と、
受け渡し位置において、ブレーキ部材による押圧力を徐々に解除する手段を備えていることが好ましい。
【0013】
ブレーキ部材による押圧力を徐々に付与したり、徐々に解除するように構成することで、挟持ローラ対に対して衝撃力が作用することを抑制し、さらに確実に挟持位置をずれないようにすることができる。
【0014】
本発明において、前記解除手段は、受け取り位置と受け渡し位置に夫々設けられた、ブレーキ部材を前記回転軸から離間させるためのブレーキ解除部材であることが好ましい。
【0015】
受け取り位置と受け渡し位置において、ブレーキ部材を回転軸から離間させることで、受け取り位置と受け渡し位置において、余分な負荷が作用しない状態で、挟持ローラ対を駆動することができ、写真フィルムの搬送も確実に行なうことができる。
【0016】
上記課題を解決するため本発明に係る別のフィルム処理装置は、
上流側に未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサが配置され、下流側にフィルムプロセッサにより処理された現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナーが配置されたフィルム処理装置において、
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備え、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
この構成によると、前述の通り、フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、挟持ローラ対による挟持位置がずれることを防止する。また、受け取り位置と受け渡し位置では、回転阻止状態が解除されるので、写真フィルムの受け取り動作と受け渡し動作を正常に行なうことができる。従って、フィルムプロセッサで現像処理された写真フィルムを正しい姿勢でフィルムスキャナーへと受け渡すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係るフィルム処理装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、フィルムプロセッサFPとフィルムスキャナーFSで構成されるフィルム処理装置FAと、プリント作成装置PAを有するプリント処理システム1全体の外観構成を示す図である。なお、プリント処理システム1は、その他の装置(例えば、注文者用受付端末、記録媒体への書き込み・読み取り装置、インターネット受け付け可能なPC端末等)を有するものであってもよい。
【0019】
<システムの全体構成>
図1において、フィルム処理装置FAは、未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサFPと、このフィルムプロセッサFPにより現像処理された現像済み写真フィルムのコマ画像を光電変換によりデジタルの画像データとして取得するためのフィルムスキャナーFSとを上下位置に配置する。そして、フィルム処理装置FAは、フィルムプロセッサFPの排出部から排出された現像済み写真フィルムをフィルムスキャナーFSの供給部へ搬送するための搬送ユニットFCを備えている。
【0020】
このフィルム処理装置FAは、通信回線を介してプリント作成装置PAに接続される。プリント作成装置PAは、通信機能、オーダー管理・制御機能、画像処理機能、プリント作成機能を有し、コンピュータ、ディスプレイ等の表示手段、キーボード、マウス等のインターフェースとを備えている。この構成によりフィルム処理装置FAで取得した画像データは、通信回線を介してプリント作成装置PAに伝送され、このプリント作成装置PAにより印画紙等のプリント媒体に画像がプリントされる。オーダー管理・制御は、画像データをオーダー単位で管理し、プリント作成の順序を設定できるように構成される。
【0021】
なお、プリント作成装置PAは銀塩式の印画紙を使用するものに限定されず、インクジェット型、昇華型のプリント作成装置を用いてもよい。
【0022】
本発明において、フィルムプロセッサFPにより現像処理される前の写真フィルム(コマ画像が潜像状態のもの)を特に未現像写真フィルムと称し、フィルムプロセッサFPにより現像処理された後の写真フィルム(コマ画像が顕在化したもの)を特に現像済み写真フィルムと称することがある。
【0023】
<フィルムプロセッサ>
フィルムプロセッサFPは、図1、2に示すように、プロセッサ本体の前部にフィルム挿入部11を配置し、プロセッサ本体内部に現像処理部12、乾燥処理部13とを備え、プロセッサ本体の後部に排出部14を配置し、フィルム挿入部11から排出部14にわたって搬送機構15を形成している。プロセッサ本体の前部位置には各種情報を表示する液晶ディスプレイ16aと複数の操作ボタン16bを有したコントロールパネル16を備え、プロセッサ本体内部にフィルムプロセッサFP全体の制御を実現する制御ユニット17を備える。プロセッサ本体の上面には、排出部14から送りだされる現像済み写真フィルムを受け止めるフィルムストッカー18が形成されている。
【0024】
フィルム挿入部11には、開閉自在な蓋体11aを備え、フィルムカートリッジCa(もしくはパトローネ)に収容されたロール状の未現像写真フィルムをセットし、搬送機構15に受け渡す作動系(フィルム駆動機構11e)と、写真フィルムの後端を切断する切断ユニット11bを備える。
【0025】
また、写真フィルムの長さの情報を得るために、搬送機構15によって搬送される写真フィルムの先端及び後端の通過を検出するローディングセンサー11cを備える。ローディングセンサー11cは、一対の光学式センサー(受光式、投光式)で構成される。このローディングセンサー11cは、フィルム先端位置(もしくはフィルムリーダの先端位置)とフィルム後端位置を検出することができる。これら検出された先端位置と後端位置情報に基づいて、写真フィルムの長さ情報を演算する。
【0026】
APSフィルムの現像処理の場合、カートリッジCaから引き出した写真フィルムの先端にフィルムリーダLを取り付け、蓋体11aを開放して、このフィルムリーダLが先行するようにフィルム挿入部11にカートリッジCaをセットする。写真フィルムFとフィルムリーダLとを接続した状態を図3に示す。フィルムリーダLは、樹脂製のフィルムと同程度の柔軟性を持つシート状部材であり、写真フィルムFよりも大きな幅寸法を有する。フィルムリーダLには、多数のパーフォレーションLaが形成されており、このパーフォレーションLaと噛み合うスプロケットにより、写真フィルムFはフィルムプロセッサFP内を搬送される。かかるパーフォレーションLaを設けることで、フィルムプロセッサFP内をすべりが生じることなく確実に写真フィルムを案内することができる。
【0027】
パーフォレーションLaは、好ましくは、図示のようにフィルムリーダLの幅方向の片側端部(図3参照)に形成されるが、両側端部に形成されていてもよい。写真フィルムFとフィルムリーダLとの連結は、図3(a)に示すように、フィルムリーダLに形成された係合突起を写真フィルムFに形成された孔に挿入することで連結してもよいし、図3(b)に示すように、粘着テープTにより写真フィルムFの先端部とフィルムリーダLとを連結してもよい。使用されるフィルムリーダLの形状・大きさは予め決まっている。また、フィルムリーダLと写真フィルムFの連結は治具を用いて行なうため、フィルムリーダLに対する写真フィルムFの連結位置(貼り付け位置)も予め決まっている。
【0028】
フィルムリーダL付きの写真フィルムFをセットして、蓋体11aを閉じた後、コントロールパネル16の所定の操作ボタン16bを操作することで制御ユニット17の制御によってフィルム搬送(ローディング)が開始され、現像処理部12での現像処理と、乾燥処理部13での乾燥処理の後に排出部14からフィルムリーダLを先頭にして写真フィルムが排出される。この場合、カートリッジ検出手段11dがカートリッジCaを検出して、次いで、蓋体11aを閉じると、ローディングが開始され、写真フィルムFが搬送開始される。
【0029】
制御ユニット17は、ローディングを開始するようにフィルムプロセッサFPの各要素を制御する。フィルム駆動機構11eが、フィルムリーダL及び写真フィルムFを圧着ローラで狭持しながら現像処理部12まで搬送し、ローディングセンサー11cが搬送されてきたフィルムリーダL及び写真フィルムの先端を検出すると、現像処理部12及び乾燥処理部13の搬送機構15が駆動され、フィルムリーダL及び写真フィルムを圧着ローラで挟持して、現像処理部側に搬送する。ここで、フィルム駆動機構11eと搬送機構15は、別駆動で動作する。なお、フィルムプロセッサFPでの「ローディング」とは、フィルムカートリッジCaから写真フィルムがフィルム駆動機構11eによって引き出され、現像処理部12に搬送される動作を意味する。
【0030】
現像処理部12は、発色現像槽、漂白槽、定着槽、安定槽を有し、現像処理部12内部において搬送機構15は、フィルムリーダL及び写真フィルムを搬送するためフィルムリーダLのパーフォレーションLaと係合する複数のスプロケット機構と圧着ローラ機構15aを備えている。また、乾燥処理部13は、現像処理部12から搬送されてきた写真フィルムを乾燥するブロワ13aを備える。同様に、乾燥処理部13にも上記スプロケット機構と圧着ローラ機構が備えられている。搬送機構15は、スプロケット機構と圧着ローラ機構15aと、これらを電動モータ(不図示)で同期駆動する駆動系を備えている。
【0031】
排出部14には、現像済み写真フィルムをフィルムプロセッサFPから排出するための排出ローラ15bが設けられている。排出ローラ15bにより排出された写真フィルムは、搬送ユニットFCに受け渡されフィルムスキャナーFSへと搬送されることになる。
【0032】
フィルムスキャナーFSは、図1,2に示すように、スキャナー本体の下部にフィルムキャリア21を配置し、このフィルムキャリア21の下側に光源ユニット22を、フィルムキャリア21の上側にズームレンズ23と光電変換ユニット24とを配置している。スキャナー本体の内部にスキャナー制御部25(制御ユニット)を配置している。フィルムスキャナーFSは、フィルムプロセッサFPに固定されており、排出部14の排出ブロック上部位置に配置されている。
【0033】
フィルムキャリア21は、フィルムプロセッサFPの前部と同じ方向に現像済み写真フィルムの供給部21aを形成し、この供給部21aからフィルムを後部側に搬送しながらスキャニングを行えるように構成される。なお、フィルムキャリア21に写真フィルムを送り出す前に、搬送ユニットFCにおいて写真フィルムからフィルムリーダLを切り離す処理がなされる。また、フィルムキャリア21は、搬送ローラ21bを駆動する搬送モータ(不図示)を備える。
【0034】
光源ユニット22は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の発光ダイオード(不図示)を有し、ズームレンズ23は、焦点距離の調節によって、写真フィルムのコマの情報を設定された拡大率で光電変換ユニット24の光電変換面に結像させる。この光電変換ユニット24は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応してCCD等の光電変換素子でなる3つのラインセンサ(不図示)を備える。
【0035】
<搬送ユニットの構成>
次に、フィルムプロセッサFPから排出された現像済み写真フィルムをフィルムスキャナーFSへ搬送するための搬送ユニットFCの構成を図4により説明する。図4に示すように、フィルムプロセッサFPの排出部14には、排出ローラ15bが設けられている。
【0036】
搬送ユニットFCは、フレームに固定された搬送ブロックBと、所定の軸芯周りに回転可能に取り付けられたチャッカーC(フィルム移送ユニットに相当)とを備えている。搬送ブロックBの下側のブロック部の上流側端部には、フィルムガイド30が設けられており、軸芯30a周りに回転可能に軸支されている。フィルムガイド30は、搬送すべき写真フィルムの幅寸法に対応したガイド部を備えており、図4に示す第1位置と想像線で示す第2位置との間をガイド切替ソレノイド31によりいずれかの位置に切り替えられる。第1位置にセットされているときは、写真フィルムをフィルムスキャナーFSの方向に導くことができる。第2位置にセットしているときは、写真フィルムはフィルムストッカー18に排出される。
【0037】
搬送経路に沿って、上流側の搬送ローラ対32aと下流側の搬送ローラ対32bとからなるローラ搬送機構32が設けられている。各搬送ローラ対32a,32bは、駆動ローラと圧着ローラにより構成され、第1駆動モータM1により同期駆動される。下流側の搬送ローラ対32bの上流側近傍に第1フィルムセンサー33とリーダセンサー34が設けられている。これらのセンサーは、発光素子と受光素子からなる光センサーであり、写真フィルムやフィルムリーダがセンサー位置を通過すると、透光状態から遮光状態に切り換わることで検出を行なう。第1フィルムセンサー33とリーダセンサー34は、図4の紙面に直交する方向から見ると同じ位置に配置されているが、幅方向において異なる位置に配置されており、写真フィルムとフィルムリーダを別々に検出することができる。
【0038】
ローラ搬送機構32の上流側・下流側搬送ローラ対32a,32bの間にはフィルム幅規制ガイド3が設けられている。このフィルム幅規制ガイド3は、写真フィルムの幅方向をガイド(規制)する機能を備えており、写真フィルム搬送時における蛇行防止や、写真フィルムとフィルムリーダを分離するときに、写真フィルムが幅方向に動かないように規制するものである。
【0039】
下流側搬送ローラ対32bの更に下流側には、写真フィルムとフィルムリーダを切り離すためのカッター35が設けられており、カットモータ36により駆動される。カットされたフィルムリーダはリーダーストッカー19に回収される。カッター35のすぐ下流側には、第2フィルムセンサー37が設けられており、フィルムリーダの先端や写真フィルムの先端を検出する。第2フィルムセンサー37も第1フィルムセンサー33と同様の光センサーで構成することができる。
【0040】
チャッカーCはフィルムリーダが切り離された写真フィルムの先端部を挟持ローラ対40により挟持し、フィルムスキャナーFSの供給部21aへと搬送する。チャッカーCは、チャッカー駆動モータにより軸芯41回りに回転可能に設けられている。チャッカーCは、図4に示すような写真フィルムを受け取る受け取り位置と、写真フィルムをフィルムスキャナーFSに受け渡し可能な受け渡し位置の間を回転可能であり、更に、ループボックス50内にループを形成するためにループ形成位置において中間停止することができる。
【0041】
搬送ユニットFCの右側の空間はループボックス50であり、写真フィルムがループを形成するための空間部が形成されている。搬送ユニットFCの上部には、第1ガイド部60と第2ガイド部61が設けられており、夫々写真フィルムを搬送するための搬送経路60a,61aが形成されている。チャッカーCが受け渡し位置に回転してきたときは、第2ガイド部61は経路外に退避するように移動し、第1ガイド部60の搬送経路60aに写真フィルムが受け渡される。
【0042】
ループボックス50の上方には第1排出経路51と第2排出経路52が設けられている。フィルムスキャナーFSによるコマ画像の読み取りが終了した写真フィルムは、第1ガイド部60と第2ガイド部61を逆方向に搬送され、第1排出経路51へと導かれる。第1排出経路51の終端はフィルムストッカー18へと連結されており、スキャニングを終了した写真フィルムはフィルムストッカー18に回収される。第1排出経路51には、写真フィルムを搬送するための搬送ローラ54が設けられており、これは第3駆動モータM3により駆動される。第3駆動モータM3と、搬送ローラ54とは、適宜の減速機構やベルト機構により連結されている。なお、第3駆動モータM3は後述するようにチャッカーCの挟持ローラ対40を駆動する機能も有している。
【0043】
フィルムプロセッサFPにより現像処理された写真フィルムは、搬送ユニットFCを介して自動的にフィルムスキャナーFSに送り込まれるが、手動でフィルムスキャナーFSに写真フィルムを供給することもできる。この場合は、第2ガイド部61を開いて、手動で写真フィルムを第1ガイド部60を介して供給部21aから供給する。例えば、焼き増しプリントの依頼で写真フィルムの現像処理を行わない場合は、手動で写真フィルムをフィルムスキャナーFSに供給する。手動で挿入された写真フィルムは、第2排出経路52から排出されるように構成されている。
【0044】
フィルムスキャナーFSには、搬送経路に沿って搬送ローラ21bが配置されており、その途中に読み取り用の開口部21cが設けられる。この開口部21cの位置に読み取り光軸SLが設定される。供給部21aには、ローディングセンサー26が設けられており、写真フィルムの先端が搬送されてきたことを検出する。この検出に基づいて、各搬送ローラ21bを回転させるための駆動モータを駆動する。また、ローディングセンサー26とは別にレディセンサー27が設けられており、このレディセンサー27による検出タイミングを基準として、写真フィルムの画像スキャニング開始が制御される。
【0045】
<制御ブロック構成>
次に、図5の制御ブロック図によりフィルム処理装置FAの制御機能について説明する。まず、フィルムプロセッサFPの制御ユニット17の主要な機能を説明する。フィルム端部検出部17aは、ローディングセンサー11cによる検出信号に基づいて、写真フィルム(フィルムリーダ)の先端位置及び後端位置を検出する。フィルム長さ演算部17bは、フィルム端部検出部17aにより検出された先端位置と後端位置の情報に基づいて、写真フィルムの長さを演算する。実際にローディングセンサー11cにより検出されるのはフィルムリーダの先端であるが、フィルムリーダの大きさは予め分かっているため、その分を差し引くことで写真フィルムの長さを演算することができる。通信制御部17cは、搬送ユニットFCやフィルムスキャナーFSとの通信を行う機能を有する。
【0046】
フィルム位置演算部17dは、写真フィルムの先端位置情報に基づいて、現像済み写真フィルムが搬送ユニットFC内に送り込まれてくるタイミングを演算する。具体的には、排出ローラ15eから所定距離の位置に写真フィルム先端が到達したことを検出する。カウント部17eは、ローディングセンサー11cにより先端が検出された時点から予め設定された所定時間をカウントする。所定時間をカウント終了した時点で、写真フィルムの先端が排出ローラ15bから所定距離の位置に到達していることになる。なお、時間をカウントするのではなく、搬送機構15による搬送量をカウントするように構成してもよい。
【0047】
搬送制御部70は、搬送ユニットFC内を搬送される写真フィルムの搬送・停止を含む駆動制御を統括的に行なう。また、フィルムプロセッサFSの制御ユニット17及びフィルムスキャナーFSのスキャナー制御部25との通信を行なう。写真フィルムの位置情報や長さ情報は、制御ユニット17からの通信によりデータを受信することができる。
【0048】
搬送量演算部71は、写真フィルムの搬送量を演算する。搬送ユニットFCにおいて写真フィルムの搬送・停止の制御を行うためには、写真フィルムの搬送量を監視することが必要である。搬送量の演算は、各モータ(パルスモータ)を駆動するために供給される駆動パルスの数や、搬送ローラに連動して回転するエンコーダからの信号に基づいて、搬送量を演算することができる。あるいはタイマーによる時間カウントを行なって搬送量を演算してもよい。
【0049】
搬送制御部70は、ガイド切替ソレノイド31、第1駆動モータM1、第2駆動モータM2、第3駆動モータM3、チャッカーモータCM、カットモータ36に対する駆動制御を行なう。第1駆動モータM1は、ローラ搬送機構32を駆動し、第2駆動モータM2と第3駆動モータM3はチャッカーCの挟持ローラ対40を駆動する。チャッカーC自身には駆動源は搭載されておらず、チャッカーCが受け取り位置にあるときは、第2駆動モータM2と挟持ローラ対40とが機械的に連結し、チャッカーCが受け渡し位置にあるときは、第3駆動モータM3と挟持ローラ対40とが機械的に連結可能に構成されている。第2駆動モータM2と第3駆動モータM3は、搬送ユニットFCのフレームに対して固定されている。
【0050】
第1・第2フィルムセンサー33,37については既に説明した通り、写真フィルム(フィルムリーダ)の先端・後端の検出を行なう。ホームリミットスイッチ35aは、カッター35がホーム位置にあるか否かを検出する。ホームリミットスイッチ35aは機械的にカッター35を検出するものであるが、光センサーなど他のタイプのセンサーを用いてもよい。
【0051】
ホームセンサー38は、チャッカーCが受け取り位置(ホーム位置)にいることを検出するためのセンサーである。ガイド検出センサー62は、第1ガイド機構60が閉じているか否かを検出するためのセンサーである。第1ガイド機構60が閉じているときに、チャッカーCにより写真フィルムをフィルムスキャナーFSに受け渡すことができる。以上の各センサー信号は、搬送制御部70に送信され、これらの検出結果に基づいて、ソレノイドやモータの駆動制御が行なわれる。
【0052】
<チャッカーの構成>
次に、チャッカーCの構成について説明する。図6は、チャッカーの内部構成を示す断面図であり、図7はチャッカーCの平面図である。ここに示すチャッカーCは、図4の紙面の裏側方向から見た構造を図示している。
【0053】
チャッカーCは、軸芯41回りに回転可能に構成されており、上流側の受け取り位置において、フィルムリーダが分離された写真フィルムを受け取り、下流側の受け渡し位置において、第1ガイド部60を経由してフィルムスキャナーFSへと写真フィルムを受け渡す。チャッカーCは、挟持ローラ対40を備えており、駆動ローラ40aと従動ローラ40bにより構成される。この挟持ローラ対40により写真フィルムFの先端部を圧着挟持した状態で、写真フィルムを移送する。図6に示すように、写真フィルムの先端が少し突出した状態になるように挟持する。
【0054】
駆動ローラ40aは駆動軸40cに取り付けられており、この駆動軸40cの端部に駆動ギヤ42が連結されている。挟持ローラ対40を駆動するための駆動源は、チャッカーCには搭載されておらず、装置本体側に設けられた駆動源を利用して挟持ローラ対40を回転駆動する。すなわち、受け取り位置においては、駆動源としての第2駆動モータM2と駆動ギヤ42とが機械的に連結され、受け渡し位置においては、駆動源としての第3駆動モータM3と駆動ギヤ42とが機械的に連結される。第2駆動モータM2と第3駆動モータM3には、不図示の減速機構が連結されており、受け取り位置と受け渡し位置において、駆動ギヤ42と減速機構の中のギヤとが噛み合うように構成される。
【0055】
このように、チャッカーCには駆動源が搭載されていないため、挟持ローラ対が外力の作用で動きやすい状態となっている。例えば、写真フィルムのカール状態や、ループを形成するときの作用により、挟持位置がずれてしまう可能性がある。そのため、写真フィルムを受け渡すときに、正しい姿勢で写真フィルムを受け渡せなくなり、搬送不良が生じる可能性がある。かかる点に鑑み、チャッカーCによる写真フィルムの移送中は、挟持ローラ対40が不用意に回転しないような回転阻止手段を設けている。
【0056】
図6に示すように、スライドブロック43の先端にブレーキゴム43a(ブレーキ部材に相当)を装着し、このブレーキゴム43aを駆動ローラ40aの駆動軸40cに押圧可能に構成している。圧縮コイルスプリング44を設けて、ブレーキゴム42aを駆動軸40cに作用させるようにしている。駆動ローラ40aと従動ローラ40bの回転中心を結んだ直線と同じ方向に押圧力が作用するように、スライドブロック43とコイルスプリング44が配置されている。スライドブロック43には、ブレーキゴム43による押圧力を解除するための解除ボス43bが一体形成されている。
【0057】
装置本体側のフレーム部材4には、第1解除部材5と第2解除部材6(これらは解除手段に相当)が取り付けられている。各解除部材5,6には、テーパ面5a,6aと解除面5b,6bが形成されている。図6に示すように、チャッカーCが受け取り位置にあるときは、解除ボス43bが解除面5bに乗り上げている。これにより、スライドブロック43とブレーキゴム43aは、駆動軸40cから離間する方向に移動し、ブレーキゴム43aによる押圧力から開放される。また、チャッカーが受け渡し位置にあるときも、解除ボス43bが解除面6bに乗り上げることで、押圧力から開放される。
【0058】
従って、受け取り位置と受け渡し位置にチャッカーCがいるときは、駆動軸40cにブレーキが作用していないため、余分な負荷が作用することなく、挟持ローラ対40を駆動することができ、写真フィルムの受け取り受け渡しを正常に行うことができる(図8参照)。チャッカーCが移動中は、解除ボス43bが解除面5b,6bから脱出しており、駆動軸40cにブレーキゴム43aが作用し、挟持ローラ対40の回転を阻止する。また、解除部材5,6にはテーパ面5a,6aが形成されており、スライドブロック43は徐々に移動するように構成される。従って、押圧力の付与と解除も徐々に行なわれることになり、挟持ローラ対40に対して衝撃力が作用することを防止する。その結果、衝撃力により挟持位置が不用意にずれることを防止することができる。
【0059】
軸芯41には左右一対の支持体45が取り付けられており、そのうちの一方の支持体45に図6に示すブレーキ機構が内蔵されている。もちろん、両方の支持体45にブレーキ機構を内蔵してもよい。
【0060】
<フィルム処理装置の動作>
次に、フィルム処理装置FAの動作について簡単に説明する。図12は、フィルム処理装置FAの動作を説明するフローチャートである。図9〜図11は、搬送ユニットにおける動作を示す作動図である。
【0061】
フィルムプロセッサFPにおいて写真フィルムの現像処理が行われると(S200)、写真フィルムFはフィルムプロセッサFSの排出ローラ15bにより排出され(S201)、搬送ユニットFC内へと送り込まれてくる。フィルムガイド30は、図4に示すように、フィルムリーダLを案内可能な位置にセットされており、排出ローラ15bの駆動により、搬送ブロックBへとフィルムリーダLを先頭に写真フィルムが案内される(S202)。
【0062】
搬送ブロックBにおいては、フィルムリーダLと写真フィルムFは、ローラ搬送機構32により駆動され、所定の位置までフィルムリーダL及び写真フィルムFを搬送させて写真フィルムを停止させる(S203)。フィルムリーダLを写真フィルムFと分離するため、カッター35を動作させて、フィルムリーダLを切り離す(S204)。分離されたフィルムリーダLは挟持ローラ対40により排出されて、リーダーストッカー19に回収される。
【0063】
引き続いて写真フィルムFのみを搬送する状態になり、チャッカーCの挟持ローラ対40により写真フィルムFの先端部を挟持する位置まで搬送する(S205)。このとき、チャッカーCは受け取り位置に待機している。挟持ローラ対40は第2駆動モータM2と連結されており、第2駆動モータM2により挟持ローラ対40が駆動される。また、解除部材5の作用により、ブレーキゴム43aは駆動軸40cから離間した状態である。
【0064】
次に、写真フィルムFを挟持した状態でチャッカーCを軸芯41周りに回転させる(S206)。この回転動作に連動して、解除ボス43bは解除部材5のテーパ面5aに沿って移動し、駆動軸40cに対して徐々に押圧力が作用する。解除部材5から解除ボス43bが離脱すると、挟持ローラ対40にブレーキが作用した状態で移動する。
【0065】
チャッカーCは、まず図10に示すような中間位置に停止し、ループボックス50内に写真フィルムFのループを形成させる(S207,S208)。ループ形成時に、挟持ローラ対40から写真フィルムを離脱させるような力が作用したとしても、ブレーキがかかっているため、挟持位置が変わってしまうなどの不具合は生じない。十分な量のループが形成されると、チャッカーCを再び回転させて、図11の状態にし、写真フィルムFを第1ガイド部60の搬送経路60aへと受け渡す(S209)。また、チャッカーCの受け渡し位置への回転により、チャッカーCにより第2ガイド機構61が押し上げられ搬送経路から退避する形になる(S210)。
【0066】
さらに、チャッカーCの受け渡し位置への移動に伴い、解除ボス43bが解除部材6のテーパ面6aに乗り上げていくため、ブレーキゴム43aによる押圧力が徐々に解除されていき、解除面6aに乗り上げた時点で完全にブレーキゴム43aは駆動軸40aから離間した状態になる。受け渡し位置において、挟持ローラ対40は第3駆動モータM3により駆動され、受け渡された写真フィルムFは、フィルムスキャナーFSへと搬送されて、コマ画像の読み取りが行なわれる(S211,S212)。
【0067】
写真フィルムの受け渡しが終了すると、チャッカーCは受け渡し位置から受け取り位置へと復帰する(S213)。この復帰動作に連動して第2ガイド機構61も元の位置に復帰し、写真フィルムを排出できる体勢が整う(S214)。フィルムスキャナーFSにおいて写真フィルムのスキャニングが終了すると、フィルムスキャナーFSから写真フィルムが排出される(S215)。写真フィルムは、第1ガイド機構60と第2ガイド機構61の各搬送経路60a,61a、切り替えガイド63の搬送面63a、ループボックス50内の第1排出経路51を通過して、フィルムストッカー18へと送り込まれる(S216)。
【0068】
<別実施形態>
本実施形態においてチャッカーCは回転駆動することで受け取り位置から受け渡し位置へと移動しているが、回転ではなく平行に移動する構成であってもよい。挟持ローラ対の駆動源をチャッカーC自身に搭載していてもよい。
【0069】
本実施形態では、駆動軸にブレーキをかける構成については、種々の変形例が可能である。例えば、凹凸の係止機構によりブレーキをかけてもよい。すなわち、チャッカーの移動中は凹凸が係合して回転を阻止し、受け取り位置と受け渡し位置においては凹凸の係合を解除するようにする。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】フィルム処理装置を有するプリント処理システム全体の外観構成を示す図
【図2】フィルム処理装置の全体構成を示す断面図
【図3】写真フィルムとフィルムリーダを連結した状態を示す図
【図4】搬送ユニットの構成を示す断面図
【図5】フィルム処理装置の制御機能を示すブロック図
【図6】チャッカーの内部構成を示す断面図
【図7】チャッカーの構成を示す平面図
【図8】チャッカーが移動中の状態を示す断面図
【図9】フィルム処理装置の動作を示す図
【図10】フィルム処理装置の動作を示す図
【図11】フィルム処理装置の動作を示す図
【図12】フィルム処理装置の動作を説明するフローチャート
【符号の説明】
【0071】
1 プリント処理システム
4,5 解除部材
4a,5a テーパ面
4b,5b 解除面
32 ローラ搬送機構
40 挟持ローラ対
40a 駆動ローラ
40b 従動ローラ
41 軸芯
42 駆動ギヤ
43 スライドブロック
43a ブレーキゴム
43b 解除ボス
44 コイルスプリング
B 搬送ブロック
F 写真フィルム
FP フィルムプロセッサ
FA フィルム処理装置
FC 搬送ユニット
FS フィルムスキャナー
C チャッカー
L フィルムリーダ
M1 第1駆動モータ
M2 第2駆動モータ
M3 第3駆動モータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備えたフィルム処理装置であって、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするフィルム処理装置。
【請求項2】
フィルム移送ユニット外に、受け取り位置と受け渡し位置において、挟持ローラ対を駆動するローラ駆動源が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルム処理装置。
【請求項3】
前記回転阻止手段は、挟持ローラ対の回転軸に対して作用するブレーキ部材と、ブレーキ部材を前記回転軸に対して押圧する付勢部材とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム処理装置。
【請求項4】
受け取り位置において、前記ブレーキ部材による押圧力を徐々に付与する手段と、
受け渡し位置において、ブレーキ部材による押圧力を徐々に解除する手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載のフィルム処理装置。
【請求項5】
前記解除手段は、受け取り位置と受け渡し位置に夫々設けられた、ブレーキ部材を前記回転軸から離間させるためのブレーキ解除部材であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルム処理装置。
【請求項6】
上流側に未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサが配置され、下流側にフィルムプロセッサにより処理された現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナーが配置されたフィルム処理装置において、
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備え、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするフィルム処理装置。
【請求項1】
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備えたフィルム処理装置であって、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするフィルム処理装置。
【請求項2】
フィルム移送ユニット外に、受け取り位置と受け渡し位置において、挟持ローラ対を駆動するローラ駆動源が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフィルム処理装置。
【請求項3】
前記回転阻止手段は、挟持ローラ対の回転軸に対して作用するブレーキ部材と、ブレーキ部材を前記回転軸に対して押圧する付勢部材とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム処理装置。
【請求項4】
受け取り位置において、前記ブレーキ部材による押圧力を徐々に付与する手段と、
受け渡し位置において、ブレーキ部材による押圧力を徐々に解除する手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載のフィルム処理装置。
【請求項5】
前記解除手段は、受け取り位置と受け渡し位置に夫々設けられた、ブレーキ部材を前記回転軸から離間させるためのブレーキ解除部材であることを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルム処理装置。
【請求項6】
上流側に未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサが配置され、下流側にフィルムプロセッサにより処理された現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナーが配置されたフィルム処理装置において、
上流側の受け取り位置において挟持ローラ対により写真フィルムの先端部を挟持し、写真フィルムを挟持した状態で受け取り位置から下流側の受け渡し位置まで写真フィルムを移送するフィルム移送ユニットと、
このフィルム移送ユニットを受け取り位置から受け渡し位置へと駆動するユニット駆動源とを備え、
フィルム移送ユニットが受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に、前記挟持ローラ対の回転を阻止する回転阻止手段と、
受け取り位置と受け渡し位置において、回転阻止状態を解除する解除手段とを備えたことを特徴とするフィルム処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−206314(P2007−206314A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24272(P2006−24272)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
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