説明

フィルム折り癖付け装置及び自動包装機

【課題】 フィルムの長さ方向に確実に折り癖を付けることができるフィルム折り癖付け装置を提供すること
【解決手段】 帯状フィルム11を挟んで対向配置された第1癖付けローラ41と、2個の第2癖付けローラ42と、を備える。第1癖付けローラと第2癖付けローラの外周面にはこれに沿って一方に凸条が形成されていると共に他方に凸条に符合する凹溝が形成される。前記第1癖付けローラと前記第2癖付けローラ間の接触圧力により帯状フィルムの接触部位を加圧し、凹溝と凸条により折り癖をつけるように構成した

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動包装機に設置されるフィルムの長さ方向に折り癖を形成するフィルム折り癖付け装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
良く知られているように、ピロー包装機は、連続的に引き出される帯状フィルムを製袋器で筒状に形成する。これにより、帯状フィルムの両側縁は重合されるので、その重合端をセンターシール装置でシールし、筒状フィルムが形成される。一方、製袋器内には一定の間隔で順次被包装物が供給されるので、筒状フィルム内にも被包装物が所定間隔で内包され、その状態のまま筒状フィルムと被包装物が搬送されることになる。さらに、センターシール装置の下流側にはエンドシール装置が設置され、筒状フィルムの所定位置を進行方向横方向にシールするとともにカットすることにより、被包装物を密封したピロー包装体を製造するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平4−35503
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の装置では、以下に示す問題を有している。すなわち、ピロー包装体の外形は、被包装物の外形状に起因する。つまり、被包装物が箱状の場合には、包装体も箱状に形成されるが、飴,小袋等の小物品を複数個収納する場合や、練り状物等の場合には、筒状のままとなる。
【0005】
従って、筒状フィルムの両端にはエンドシールされた耳部が存在するので、包装体を自立させて陳列することはできなかった。そして、起立させようとした場合には、例えば箱などに複数の包装体を起立状態で収納することになるが、係る場合には、収納した包装体が所定数取り除かれると、残った包装体は自立できずにその箱内で倒れてしまう。
【0006】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、フィルムの長さ方向に確実に折り癖を付けることができるフィルム折り癖付け装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るフィルム折り癖付け装置は、(1)包装機本体に連続して供給される帯状フィルムに対し、その帯状フィルムの進行方向に沿った所定位置に折り目を付けるフィルム折り癖付け装置であって、前記帯状フィルムを挟んで対向配置された第1癖付けローラと、2個の第2癖付けローラと、を備え、前記第1癖付けローラと前記第2癖付けローラの外周面にはこれに沿って一方に凸条が形成されていると共に他方に前記凸条に符合する凹溝が形成され、前記第1癖付けローラと前記第2癖付けローラ間の接触圧力により前記帯状フィルムの接触部位を加圧するように構成した。
(2)前記第1癖付けローラと前記2個の第2癖付けローラを複数組み備えた。
(3)本発明に係る自動包装機は、帯状フィルムを筒状に形成する手段と、その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配設され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えた自動包装機において、前記筒状に形成する手段の上流側に、請求項1または2に記載のフィルム折り癖付け装置を設け、前記フィルム折り癖付け装置により形成される折り目は、製造される包装体の少なくとも隅部に形成されるようにした。
参考例としての自動包装機は、連続して引き出される帯状フィルムを筒状に形成する手段と、その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配設され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えた自動包装機において、前記筒状に形成する手段の上流側に、前記帯状フィルムの進行方向と直交方向に折り目を付けるフィルム折り癖付け装置を設けた。
【0008】
また、前記フィルム折り癖付け装置により形成される折り目は、前記エンドシール装置でシールされるエンドシール部位に沿って形成されるものであるとよい。さらに、前記フィルム折り癖付け装置により形成される折り目は、前記帯状フィルムを横断するように形成されるとよい。
【0009】
フィルム折り癖付け装置(第2フィルム折り癖装置)を設けると、エンドシール装置に設けた折り癖付け爪により折り癖が付けられる耳部側のフィルムの所定位置に一周にわたって折り癖を付けることができ、その折り癖によりフィルムを綺麗に折り曲げて、包装体の底面をほぼ平坦にすることができる。
【0010】
上記の自動包装機に用いられるエンドシール装置は、例えば、連続して引き出される帯状フィルムを筒状に形成する手段と、その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配設され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えた自動包装機に用いられる前記エンドシール装置を前提とする。そして、シール面を対向させた状態で昇降移動可能に配置され、前記筒状フィルムを上下から挟み込んでその筒状フィルムを横方向にエンドシール可能とする一対の上部,下部エンドシーラと、前記上部,下部エンドシーラの少なくとも一方に配置され、前記筒状フィルムを横方向にカットするカッターと、前記上部エンドシーラに取り付けられた第1折り癖付け爪と、前記下部エンドシーラに取り付けられた第2折り癖付け爪とを備える。さらに、前記第1,第2折り癖付け爪は、対向配置されるとともに、少なくとも一方の折り癖付け爪の先端が、取り付けられたエンドシーラの前記シール面よりも突出し、前記上部,下部エンドシーラが前記筒状フィルムを挟み込んだ際に、前記第1,第2折り癖付け爪が前記筒状フィルムのエンドシールされた部位に沿った位置を挟み込んで、前記筒状フィルムの横方向に延びる折り癖を付けるように構成した。そして、前記第1,第2折り癖付け爪の対向面は、傾斜面とするとよい。
【0011】
包装体のエンドシール部分(耳部)に沿って折り癖が付けられるので、例えば、包装体を箱内に収納するような場合に、折り癖が付けられた耳部側を下にして収納すると、その折り癖の部分で耳部を綺麗に折り曲げることができ、包装体の底面をほぼ平坦にすることができる。従って、自立させることができる。
【0012】
また、参考例として、自動包装機は、例えば、連続して引き出される帯状フィルムを筒状に形成する手段と、その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配設され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えた自動包装機を前提とする。そして、前記エンドシール装置は、シール面を対向させた状態で昇降移動可能に配置され、前記筒状フィルムを上下から挟み込んでその筒状フィルムを横方向にエンドシール可能とする一対の上部,下部エンドシーラを備え、前記上部エンドシーラに取り付けられた第1折り癖付け爪と、前記下部エンドシーラに取り付けられた第2折り癖付け爪とを備え、前記第1,第2折り癖付け爪は、対向配置されるとともに、少なくとも一方の折り癖付け爪の先端が、取り付けられたエンドシーラの前記シール面よりも突出し、前記上部,下部エンドシーラが前記筒状フィルムを挟み込んだ際に、前記第1,第2折り癖付け爪が前記筒状フィルムのエンドシールされた部位に沿った位置を挟み込んで、前記筒状フィルムの横方向に延びる折り癖を付けるように構成する。
【0013】
係る構成を前提とし、前記筒状に形成する手段の上流側に、前記帯状フィルムの進行方向に沿った所定位置に折り目を付ける第1フィルム折り癖付け装置を設けるようにした。
【0014】
第1フィルム折り癖付け装置を設けると、包装体の4隅に折り癖を付けることができ、被包装物の形状に関係なく、包装体の外形を略矩形状に形成できる。さらに、ガゼットを形成する場合には、そのガゼットの位置に折り癖を付けることにより、綺麗なガゼットを形成し、耳部が折り曲げやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明に係るフィルム折り癖付け装置及び自動包装機では、1つの第1癖付けローラに対して第2癖付けローラを2個設けたため、折り癖を付ける同一のフィルム部位を、2回押し付けることになり、確実に折り癖を付けることができる。
【0016】
なお、帯状フィルムの横方向に折り癖を付けるようにした場合には、包装体の底面側に一周にわたって折り癖を付けることができ、その折り癖によりフィルムを綺麗に折り曲げることができるので、より綺麗な平坦面の底面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るフィルム折り癖付け装置が適用されるピロー包装機の一例を示す図である。
【図2】ガゼット形成装置の要部を示す斜視図である。
【図3】ガゼット形成装置の要部を示す正面図である。
【図4】エンドシール装置の好適な一実施の形態を示す要部拡大図である。
【図5】ピロー包装機で製造された包装体の一例を示す図である。
【図6】使用状態を示す包装体である。
【図7】他のピロー包装機の要部を示す図である。
【図8】本発明に係る第1フィルム折り癖付け装置の一例を示す図である。
【図9】第1,第2フィルム折り癖付け装置を示す図である。
【図10】第1,第2折り癖付けローラを示す図である。
【図11】第1,第2折り癖付けローラを示す図である。
【図12】帯状フィルムに形成された折り癖を示す図である。
【図13】折り癖を付けられて形成された包装体を示す図である。
【図14】使用状態を示す包装体である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本形態では、ピロー包装機に適用した例を示している。同図に示すように、帯状フィルム11は原反ロール12から多数のテンションローラ13を介して連続して引き出されて製袋器14に導かれる。そして、製袋器14を通過することにより、帯状フィルム11は筒状に形成されて筒状フィルム15となる。
【0019】
一方、製袋器14の進行方向後方(上流側)には供給コンベア16が配設され、この供給コンベア16は、その搬出端が製袋器14の入り口近傍に位置するように配置されている。そして、この供給コンベア16は、一対のスプロケット17,17′間に渡設されたエンドレスチェーン18と、このエンドレスチェーン18の所定間隔ごとに配設されたフィンガー19とを備えて構成されている。そして、このフィンガー19にて被包装物20が押送され、上記した筒状フィルム15内に被包装物20が所定間隔ごとに順次移載されるようになっている。
【0020】
さらに、フィンガー19にて押送された被包装物20は、筒状フィルム15とともに移動し、製袋器14の次段に配設されたセンターシール装置21にて加熱し、移送途中の筒状フィルム15のフィルム重合端22が熱シールされてセンターシールが施される。
【0021】
そして、センターシールが施された筒状フィルム15は、さらに前進し次段に配設されたエンドシール装置24にて進行方向横方向にシール・カットが施されて包装体25が製造されるようになっている。また、本形態では、エンドシール装置24は、いわゆるボックスモーション型であり、上下一対のエンドシーラ24a,24bがそのシール面を常時対向させた状態のまま所定の軌跡で公転移動し、その移動途中で筒状フィルム15の所定位置をシール並びにカットする。
【0022】
つまり、まず、上下の両エンドシーラ24a,24bの対向位置に、筒状フィルム15のエンドシール位置、つまり、被包装物20が存在しない部位が来ると、エンドシーラ24a,24bが筒状フィルム15に向けて移動し、上下から挟み込む。次いで、その挟んだ状態を維持しながら一定時間筒状フィルム15の移動に合わせて水平移動する。この移動中、筒状フィルム15を加熱し、確実に熱シールする。その後、上部エンドシーラ24a内に配置したカッターにより、筒状フィルム15の熱シールしたエンドシール部を横方向にカットし、先端(エンドシール装置24の下流側)の筒状フィルムを分離し、包装体25が製造される。次いで、両エンドシーラ24a,24bが互いに筒状フィルム15(エンドシール部)から離反するとともに、筒状フィルム15の移動方向と逆方向に移動して元の位置に戻り、次のエンドシール処理に備えるようになっている。
【0023】
なお、エンドシール装置24を跨ぐとともに、下流側に延びるようにして配置された搬出コンベア26は、エンドシーラ24a,24bの前後進移動に同期して空間部分26aが移動するような動きをし、エンドシール装置24を通過する筒状フィルム15や被包装物20がスムーズに移動できるようにしている。係る構成は、通常のピロー包装装置と同様である。
【0024】
なお、本形態では、ボックスモーション型として、筒状フィルムの移動に伴い両エンドシーラ24a,24bも前進移動するようにしたが、本発明はこれに限ることはなく、両エンドシーラは昇降移動のみするようにしたものでもよい。この場合には、筒状フィルムは間欠的に搬送され、両エンドシーラで筒状フィルムを挟んでいるときは、搬送を一次停止することになる。もちろん、ボックスモーション型のエンドシール装置においても、フィルムを間欠的に搬送するようにしても良い。
【0025】
そして、本形態では、エンドシール装置24の前後に、ガゼット形成装置30を設けている。このガゼット形成装置30は、図2に示すように、筒状フィルム15の側面両側に位置するガゼット爪31と、そのガゼット爪31を移動させる駆動機構(図示せず)を備えている。
【0026】
このガゼット爪31は、両エンドシーラ24a,24bに連結され、高さ方向は所望の位置を維持しながら一体に前後進移動し、筒状フィルム15のうち、被包装物20が収納されている部分が通過している間は、図示の位置から外側に移動し、その先端31aが筒状フィルム15の側面よりもさらに外側の待機位置に位置している。
【0027】
そして、図示するように、両エンドシーラ24a,24bの前後にそれぞれ被包装物20が存在し、両エンドシーラ24a,24b間には筒状フィルム15のみが存在するような相対位置関係のときに各ガゼット爪31が内側(筒状フィルム側)に向かって移動する。そして、その先端31aが筒状フィルム15の側面に接触し、それを内方に押し込むことにより、筒状フィルム15の側面に図示のようなガゼット(折り目)33が形成される。
【0028】
さらに、このガゼット爪31の内外の移動は、例えば図3に示すように上部エンドシーラ24aに板カム35を取り付け、その板カム35のカム面35aをガゼット爪31の基端側31bに接触させる。さらに、図示省略するスプリングなどによりガゼット爪31は外側に移動する力がかかるようにする。すると、両エンドシーラ24a,24bが離反(上部エンドシーラ24aが上昇)しているときは、図示するようにガゼット爪31の先端31aは筒状フィルム15の外側に位置し、この状態から上部エンドシーラ24aが下降移動すると、それに追従して板カム35も下降するので、ガゼット爪31は、カム面35aによって押されて二点鎖線で示すように内方に進む。これにより、筒状フィルム15の側面が押し込まれてガゼット33が形成される。なお、上記した各構成は、従来公知のものと同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0029】
ここで、本発明では、図4に示すように、両エンドシーラ24a,24bの上流側の側面に、平板状の第1,第2折り癖付け爪36,37を取り付けている。上部エンドシーラ24aに取り付けた第1折り癖付け爪36は、下端36aが上部エンドシーラ24aの下端シーラ面よりも下方に突出するとともに、下方に行くに従って上部エンドシーラ24aから離れるような傾斜面36bを有する。
【0030】
一方、下部エンドシーラ24bに取り付けた第2折り癖付け爪37は、上端37aは下部エンドシーラ24bの上端シーラ面とほぼ同一位置にするとともに、下方に行くに従って下部エンドシーラ24bから離れるような傾斜面37bを有する。そして、両傾斜面36b.37bの傾斜角度はほぼ一致させている。
【0031】
これにより、同図(b)に示すように、両エンドシーラ24a,24bが互いに接近し、筒状フィルム15を横方向に挟み込んでシール・カットした場合には、両折り癖付け爪36,37も接触して筒状フィルム15を挟み込む。これに伴い、筒状フィルム15のエンドシールされる部分の直前位置は、傾斜面36b,37bに沿って折り曲げられるので、フィルムを横断するようにして折り癖が付けられる。しかも、両折り癖付け爪36,37を金属等の熱伝導性の良好な材料で形成した場合には、エンドシーラ24a,24bの熱により、両折り癖付け爪36,37もある程度温度上昇するので、筒状フィルム15を加熱しながら加圧することになるので、よりしっかりと折り癖が付けられる。
【0032】
なお、これら両折り癖付け爪36,37により筒状フィルム15のエンドシール部位の直近を挟み込んで折り癖を付ける際に、筒状フィルム(被包装物20)15の他の部分が必要以上に持ち上がったりしないように、筒状フィルム15を上から抑え込む抑え部材(図示省略)も、エンドシール装置24の上流側近傍位置に設置している。
【0033】
これにより、エンドシール装置24を通過することにより、図5に示すように、筒状フィルム15から分離した包装体25は、進行方向前方のエンドシール部位(耳部)25aに折り癖39が形成される。よって、例えば、箱内にこの折り癖39が形成された耳部25aを下にして包装体25を置くと、折り癖39に沿って耳部25aが綺麗に折れ曲がり、図6に示すように起立状態における底面が平となり安定状態で自立可能な包装体25が形成される。
【0034】
なお、上記した実施の形態では、第1,第2折り癖付け爪36,37をエンドシーラ24a,24bの上流側の側面に取り付けたが、これとは逆に下流側の側面に付けてももちろん良い。
【0035】
図6は、本発明の第2の実施の形態を示している。本形態では、上記した第1の実施の形態を基本とし、製袋器14に導かれる前の帯状フィルム11に対し、所定位置にフィルム折り癖を付けることにより、図6に示すような自立可能な包装体をより綺麗に製造可能としたものである。
【0036】
具体的には、まず、本形態では上記製袋器14に供給する経路の途中に第1フィルム折り癖付け装置40を配置している。この第1フィルム折り癖付け装置40は、帯状フィルム11の進行方向に沿って並行に折り癖を付けるための装置である。具体的には、図8に拡大して示すように、帯状フィルム11を挟んで対向配置された大径円盤状の第1癖付けローラ41と、小径円盤状の2個の第2癖付けローラ42を備えている。第1癖付けローラ41と第2癖付けローラ42は、それぞれ軸受けを兼ねた機枠43,44に取り付けられており、各癖付けローラ41,42は自転し、機枠43,44の移動とともに、一体に移動する。
【0037】
具体的には、第2癖付けローラ42が取り付けられた機枠44は、その外側(第2癖付けローラ42の設置箇所と反対側)の下方にスライダー45が取り付けられ、そのスライダー45が、側壁47に取り付けられたガイドレール46と符合し、そのガイドレール46に沿って往復移動するようになっている。このガイドレール46は、水平方向、つまり帯状フィルム11の進行方向と直交する方向に延びている。よって、スライダー45を移動させると、それに伴い機枠44ひいては第2癖付けローラ42が帯状フィルム11に対して横方向に移動する。つまり、この移動により、第2癖付けローラ42が帯状フィルム11に接触する位置の側縁から中央に向けての距離を調整することができるようになる。
【0038】
また、第1癖付けローラ41は、機枠43に軸受け支持された回転軸49に取り付けられており、この取り付け位置を軸方向に移動可能としている。これにより、対応する第2癖付けローラ42の移動に合わせて第1癖付けローラ41も横方向(帯状フィルム11に対して)に移動し、両癖付けローラ41,42が当接して帯状フィルム11の任意の位置を所定圧力で挟むことができる。さらに機枠43は、その下方位置にて支持アーム48の一端に連結されており、この支持アーム48の他端48aを中心に正逆回転可能となっている(図7参照)。
【0039】
さらに、第1癖付けローラ41が取り付けられた回転軸49は、図外の駆動モータに連結され、帯状フィルム11の搬送速度に合わせて回転するようになっている。そして、第2癖付けローラ42は、フリー状態となっており、上記回転軸49の回転に伴って回転する第1癖付けローラ41の回転力を受けて(動作中は帯状フィルム11を介して)回転するようになっている。
【0040】
さらに、第1癖付けローラ41と第2癖付けローラ42は所定の圧力で接触するようになり、その接触圧力により帯状フィルム11の接触部位を加圧して折り癖を付けるようになっている。
【0041】
なお、具体的な図示は省略するが、第1癖付けローラ41の周縁(第2癖付けローラ42との接触部位)の中心側が外側に突出する湾曲面となり、その中心位置にさらに突出する突条が形成されている。これと対になる第2癖付けローラ42は、図示省略するがその周縁(第1癖付けローラ41との接触部位)の中心位置に凹溝が形成されている。すると、係る癖付けローラ41,42で加圧された帯状フィルム11の接触部位は、突条により第2癖付けローラ42側に突出するように変形される。
【0042】
また、逆に第1癖付けローラ41の周縁の中心位置に凹溝を形成するとともに、それに対向する第2癖付けローラ42の周縁の中心位置に突条を設けると、係る両癖付けローラ41,42で加圧された帯状フィルム11の接触部位は、突条により第1癖付けローラ41側に突出するように変形される。
【0043】
このように、平坦な帯状フィルム11の一部が凹状に変形することにより、その変形した部分に沿って折り曲げやすくなり、折り癖が付けられることになる。そして、本形態では、ガゼット付きの包装体を製造するピロー包装機に適用するため、帯状フィルム11の折り癖を付けられるフィルム部位が、包装体の片側面に3本で、合計6本の折り癖を付けることになる。
【0044】
つまり、図9に示すように、回転軸49の軸方向(帯状フィルム11の横方向)に沿って6組のローラ41,42対が配置される。しかも、ガゼットを形成する片面側の中央の各1本は谷折りとなり、残りの2本は山折りになるように上記各ローラ41,42対の種類(どちらのローラに突条を用いるか)を決定し配置する。
【0045】
さらに本形態では、1つの第1癖付けローラ41に対して第2癖付けローラ42を2個設けたため、折り癖を付ける同一のフィルム部位を、2回押し付けることになり、確実に折り癖を付けることができる。なお、係る第1フィルム折り癖付け装置40の基本構成は、例えば、実公平7−23361号公報などにより公知になっている装置と同様のものを用いることができる。
【0046】
さらに本形態では、帯状フィルム11に対し、進行方向と直交方向、つまり横方向に横切るようにして折り癖を付ける第2フィルム折り癖付け装置50を設けている。この第2フィルム折り癖付け装置50は、本形態では第1フィルム折り癖付け装置40の上流側(原反ロール12側)に設置したが、下流側に付けてももちろん良い。
【0047】
第2フィルム折り癖付け装置50は、図7に示すように、水平方向に移動する帯状フィルム11を挟んで上下に対向配置された第1折り癖付けローラ51と第2折り癖付けローラ52とを備えている。そして、図9,図10に示すように、第1折り癖付けローラ51は、帯状フィルム11の幅よりも長い円筒状の回転体51aと、その回転体51aの外周面に突出配置された第1折り癖部51bを有している。同様に、第2折り癖付けローラ52は、帯状フィルム11の幅よりも長い円筒状の回転体52aと、その回転体52aの外周面に突出配置された第2折り癖部52bを有している。
【0048】
この第1折り癖部51bは、図10,図11に示すように、接触する帯状フィルム11を押し込む凸部51cを有し、第2折り癖部52bは前記凸部51cと符合する凹部52cを有する。さらに、第1,第2折り癖付けローラ51,52は同期して回転し、第1,第2折り癖部51b,52bが、タイミングを合わせて突き当たり、帯状フィルム11を上下から所定圧力で挟み込むようになる。これにより、帯状フィルム11は、凸部51cにより押し付けられ、横方向に横断するように折り癖が付けられる。
【0049】
また、図11に示すように、凸部51cと凹部52cが接触しない状態では、第1,第2折り癖付けローラ51,52の回転体51a,52a間には、所定の隙間が形成されるので、その隙間内を帯状フィルム11がスムーズに移動する。よって、帯状フィルム11の移動にタイミングを合わせながら回転体51a,52aを間欠的に回転駆動することにより、帯状フィルム11の任意の位置に、横方向に折り癖を付けることができる。この折癖を付ける位置は、具体的には、最終的な包装体で下側(底部)に来る側である。
【0050】
なお、供給コンベア16並びに製袋器14の下流側に設置する包装機本体(各シール装置,ガゼット形成装置,折り癖付け爪等)は、上記した第1の実施の形態と同様であるので、図示を省略する。
【0051】
上記のように構成すると、原反ロール12から帯状フィルム11が連続的に引き出されているので、その引き出し途中の帯状フィルム11の所定フィルム部位が第2フィルム折り癖付け装置50を通過することにより、図12に示すように、その帯状フィルム11の進行方向横方向に折り癖11aが形成される。
【0052】
さらにそのまま移動し、第1フィルム折り癖付け装置40を通過することにより、フィルムの進行方向に沿って所定位置に合計6本の折り癖(山折り用折り癖11b,谷折り用折り癖11c)が付けられる。
【0053】
このように、所定位置に折り癖11a,11b,11cが付けられた帯状フィルム11が製袋器14に導かれ、そこを通過することにより筒状フィルムに製袋される。このとき、4本の山折り用折り癖11bが製袋器14の4つ角に導かれ、綺麗な四角筒状に形成される。そして、エンドシール装置により筒状フィルムを横方向にシールするとともに、カットすることにより、図13に示すような包装体25が形成される。
【0054】
そして、ガゼット形成装置のガゼット爪31により谷折り用折り癖11cの部分を中央に押し込まれることにより、綺麗なガゼット33が形成される。また、折り癖付け爪36,37により、包装体25の一方の耳部25aに沿って折り癖39が付けられる。さらにまた、エンドシールされて形成された耳部25a,25bのうち、一方の耳部25a側には、第2フィルム折り癖付け装置50により形成された折り癖11aが形成されている。
【0055】
よって、その折り癖11a並びに折り癖39の部分で綺麗に折り曲げられ、図14に示すように耳部25a側が綺麗に折り曲げられ、平坦な底面25dを有する包装体25が形成される。従って、その底面25dにより自立することができる。なお、図中符号25eは、センターシール装置により熱シールされたセンターシール部である。
【符号の説明】
【0056】
11 帯状フィルム
11a 折り癖
11b 山折り用折り癖
11c 谷折り用折り癖
12 原反ロール
13 テンションローラ
14 製袋器
15 筒状フィルム
16 搬送コンベア
21 センターシール装置
22 フィルム重合端
24 エンドシール装置
24a 上部エンドシーラ
24b 下部エンドシーラ
25 包装体
25a,25b 耳部
25d 底部
26 供給コンベア
30 ガゼット形成装置
31 ガゼット爪
33 ガゼット
36 第1折り癖付け爪
36a 下端(先端)
36b 傾斜面
37 第2折り癖付け爪
37a 上端(先端)
37b 傾斜面
40 第1フィルム折り癖付け装置
41 第1癖付けローラ
42 第2癖付けローラ
43,44 機枠
50 第2フィルム折り癖付け装置
51 第1折り癖付けローラ
51a 回転体
51b 第1折り癖部
52 第2折り癖付けローラ
52a 回転体
52b 第2折り癖部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装機本体に連続して供給される帯状フィルムに対し、その帯状フィルムの進行方向に沿った所定位置に折り目を付けるフィルム折り癖付け装置であって、
前記帯状フィルムを挟んで対向配置された第1癖付けローラと、2個の第2癖付けローラと、を備え、
前記第1癖付けローラと前記第2癖付けローラの外周面にはこれに沿って一方に凸条が形成されていると共に他方に前記凸条に符合する凹溝が形成され、
前記第1癖付けローラと前記第2癖付けローラ間の接触圧力により前記帯状フィルムの接触部位を加圧するように構成した
ことを特徴とするフィルム折り癖付け装置。
【請求項2】
前記第1癖付けローラと前記2個の第2癖付けローラを複数組み備えたことを特徴とする請求項1に記載のフィルム折り癖付け装置。
【請求項3】
帯状フィルムを筒状に形成する手段と、その筒状に形成された筒状フィルムの重合端にシールを施すセンターシール装置と、そのセンターシール装置の下流側に配設され、前記筒状フィルムの幅方向にシール・カットを施すエンドシール装置とを備えた自動包装機において、
前記筒状に形成する手段の上流側に、請求項1または2に記載のフィルム折り癖付け装置を設け、
前記フィルム折り癖付け装置により形成される折り目は、製造される包装体の少なくとも隅部に形成されることを特徴とする自動包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−102153(P2011−102153A)
【公開日】平成23年5月26日(2011.5.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12278(P2011−12278)
【出願日】平成23年1月24日(2011.1.24)
【分割の表示】特願2009−191210(P2009−191210)の分割
【原出願日】平成12年6月12日(2000.6.12)
【出願人】(000206093)大森機械工業株式会社 (138)
【Fターム(参考)】