フィルム接続装置及びPTPシートの製造装置
【課題】接着テープの接着剤がポケット部内の異物となってしまうといった事態を回避することのできるフィルム接続装置、及び、PTPシートの製造装置を提供する。
【解決手段】PTP包装機の最上流側において、PTPシートの容器フィルムの原料となる帯状の包装用フィルム3Aが巻回されている。PTP包装機は、包装用フィルム3Aが消費された場合にその終端と別の包装用フィルム3Bの始端とを突き合わせた状態で両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPを貼付けるフィルム接続装置51を備える。両フィルム3A,3Bの接続に際し、ポケット部側の面にて支持板63A,63Bで支持された状態で、その反対側面において接着テープTPがテープ支持台65の押しつけにより貼付けられるため、その後のポケット部形成工程においてプラグが突き上げられる場合に、プラグ先端面が接着テープTPの接着面に接触してしまうことがない。
【解決手段】PTP包装機の最上流側において、PTPシートの容器フィルムの原料となる帯状の包装用フィルム3Aが巻回されている。PTP包装機は、包装用フィルム3Aが消費された場合にその終端と別の包装用フィルム3Bの始端とを突き合わせた状態で両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPを貼付けるフィルム接続装置51を備える。両フィルム3A,3Bの接続に際し、ポケット部側の面にて支持板63A,63Bで支持された状態で、その反対側面において接着テープTPがテープ支持台65の押しつけにより貼付けられるため、その後のポケット部形成工程においてプラグが突き上げられる場合に、プラグ先端面が接着テープTPの接着面に接触してしまうことがない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム接続装置、及び、該フィルム接続装置を備えたPTPシートの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部を備えた容器フィルムと、ポケット部を塞ぐようにして容器フィルムに取着されたアルミニウム製のカバーフィルムとを有している。そして、各ポケット部には錠剤が収容されている。
【0003】
このようなPTPシートを製造するに際しては、PTP包装機と称される製造装置が用いられる。PTP包装機の最上流側では、帯状のフィルムがロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたフィルムは、下流側に向けて搬送されるようになっており、当該フィルムの搬送経路に沿って、加熱手段、ポケット部形成手段、錠剤充填手段、シール手段、打抜・切断手段等が順に配設されている。加熱手段においては帯状のフィルムが加熱、軟化され、ポケット部形成手段においては、被充填物(ワーク)を収容するためのポケット部が成形される。続く錠剤充填手段においては、前記ポケット部にワークが投入、充填される。さらにシール手段においては、容器フィルムのうちポケット部が形成されていない領域(フランジ部分)に、アルミニウム等からなるカバーフィルムが取着される。そして、打抜・切断手段では、打抜き、或いは、切断によって最終製品たるPTPシートが切り離される。
【0004】
このような各種工程が順次円滑に実行されるためには、当該PTP包装機の最上流側では、帯状のフィルムの供給を絶え間なく行う機構が必要とされる。上述のとおり、製造装置の最上流側では、帯状のフィルムがロール状に巻回されており、その繰出端側は、駆動ローラ等からなるフィルム供給手段を経て、前記加熱手段の方へと案内される。フィルムの供給を絶え間なく行うためには、前記ロール状に巻回されたフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端部分と、別のロール状に巻回された帯状の始端部分とを接続する必要がある。
【0005】
従来、かかる接続装置としては、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状の始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−67375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記ポケット部の形成に際しては、プラグ成形やプラグアシスト圧空成形等、フィルムを少なくともプラグで押圧するという手法が採用されるのが一般的である。この場合、連続してフィルムが供給される都合上、接着テープによる接続部位においても、プラグで押圧されることによりポケット部が形成される(勿論、当該接続部位は後に製品から除外される)。
【0007】
しかしながら、従来の接続装置は、構造上、ポケット部の外側(後に形成されるポケット部の膨出する側)から接着テープが貼付けられていた。このため、図13に示すように、前記接続部位においてポケット部100が一方へ膨出して形成される場合には、両フィルム101,102の突き合わせ部分が開いてしまい、プラグ103の先端面が接着テープ104の接着面に接触してしまうおそれがある。そして、この場合には、プラグ103の先端面に接着テープ104の接着剤が付着してしまうおそれがあり、当該接着剤が、後に形成される正規ポケット部内での異物となってしまうことが懸念される。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接着テープの接着剤がポケット部内の異物となってしまうといった事態を回避することのできるフィルム接続装置、及び、該フィルム接続装置を備えたPTPシートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0010】
手段1.一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するためのPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給される前記容器フィルムの原料となるロール状に巻回された帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【0011】
手段1によれば、下流側へと供給されるロール状に巻回された帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とが突き合わされた状態で、両フィルムに跨るように接着テープが貼付けられる。このように両フィルムの端縁同士が重なり合うことなく突き合わされた状態で接続されることから、接続部位の厚みが極端に増大してしまうことがなくて済む。
【0012】
また、PTPシートの製造装置の構造上、接続部位においてもプラグ等でポケット部が形成されるのが一般的であるところ、手段1では、両フィルムが、ポケット部の形成される一方の面において支持手段にて支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において両フィルムに跨るように接着テープが貼付手段によって貼付けられる。このため、ポケット部の内側(後に形成されるポケット部の膨出する側とは反対側)から接着テープが貼付けられることとなる。従って、前記接続部位においてポケット部が一方へ膨出して形成される場合に、両フィルムの突き合わせ部分が開いてしまったとしても、プラグの先端面が接着テープの接着面に接触してしまうことがない。そのため、プラグの先端面に接着テープの接着剤が付着してしまうことに起因する悪影響、すなわち、接着剤が、後に形成される正規ポケット部内での異物となってしまうといった事態を回避することができる。
【0013】
手段2.一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するための装置に関し、
前記容器フィルムの原料となる帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することによって、前記ポケット部が前記一方へ膨出して形成されるよう構成されてなるPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給されるロール状に巻回された前記帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【0014】
手段2においても、基本的には手段1と同様の作用効果が奏される。
【0015】
手段3.前記両フィルムが重なり合った状態で、前記一方の面とは反対側の他方の面において、前記両フィルムを支持するフィルム受け手段と、
前記フィルム受け手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面から前記両フィルムをその重なり合った部位にて切断することで、前記フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態とし得る切断手段と
を具備することを特徴とする手段1又は2に記載のフィルム接続装置。
【0016】
手段3によれば、両フィルムをその重なり合った部位にて切断手段によって切断することで、フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態とすることができる。このため、両フィルムを突き合わせ状態とするべく、精密に位置合わせを行い得る位置調整手段等を用いずとも済み、装置の複雑化、大型化を防止することができる。また、当該切断手段が設けられている側とは反対側から接着テープを貼付けることで、接続装置に関してより一層のコンパクト化を図ることができる。
【0017】
手段4.前記切断手段にて切断される際には、前記支持手段にて、前記両フィルムを前記一方の面においても支持するようにしたことを特徴とする手段3に記載のフィルム接続装置。
【0018】
手段4によれば、切断手段にて切断される際には、前記フィルム受け手段と支持手段とにより、両フィルムの各面が支持される。換言すれば、フィルム受け手段と支持手段とで両フィルムが挟持される。このため、切断に際してフィルムの位置ずれ等が起こりにくく、より正確な切断を実現することができる。
【0019】
手段5.前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうのを防止するべく、前記端材と帯状のフィルムとを強制的に離間させる端材離間手段を具備することを特徴とする手段3又は4に記載のフィルム接続装置。
【0020】
手段5によれば、端材離間手段によって、前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材と帯状のフィルムとが強制的に離間させられ、もって、端材が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうという事態の防止が図られる。その結果、端材がPTPシートの製造装置を構成する各手段に案内されてしまうことによる各種不具合を防止することができる。
【0021】
手段6.前記端材離間手段は、前記フィルム受け手段及び前記支持手段のうち少なくとも一方に設けられた吸引手段であることを特徴とする手段5に記載のフィルム接続装置。
【0022】
手段6によれば、端材が吸引手段により吸引されることで、端材が帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうといった事態が防止される。また、吸引手段がフィルム受け手段及び支持手段のうち少なくとも一方に設けられていることから、別途吸引のための装置を外部に設ける場合に比べ、さらなる装置のコンパクト化が図られる。
【0023】
手段7.前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材を収容する端材収容手段を設けたことを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載のフィルム接続装置。
【0024】
手段7によれば、端材収容手段によって、切断で発生したフィルムの端材が収容される。このため、接続装置を含むPTPシートの製造装置が整然とし、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0025】
手段8.手段1乃至7のいずれかに記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置。
【0026】
手段9.手段1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置であって、
前記帯状のフィルムを加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により軟化状態にある前記帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することで前記一方へ膨出するようポケット部を形成するポケット部形成手段と、
前記ポケット部に錠剤を充填する錠剤充填手段と、
前記錠剤の充填されたポケット部を塞ぐように前記容器フィルムにカバーフィルムを取着するシール手段と、
前記カバーフィルムの取着されたPTPフィルムを、PTPシート単位に切断又は打抜く切断・打抜き手段とを具備することを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0027】
手段8,9のように、上述した各手段の技術思想をPTPシートの製造装置に具現化することもできる。
【0028】
手段10.前記錠剤充填手段は、水平状態で搬送される帯状のフィルムのポケット部に対し錠剤を落下充填するものであり、当該錠剤充填手段と前記帯状のフィルムの非ポケット部との距離が、前記帯状のフィルムの厚みと前記接着テープの厚みとの和よりも短く設定されていることを特徴とする手段9に記載のPTPシートの製造装置。
【0029】
手段10のように、錠剤充填手段と帯状のフィルムの非ポケット部との距離が、帯状のフィルムの厚みと接着テープの厚みとの和よりも短く設定されていると、フィルム同士を重ね合わせた状態で接着テープを貼付けたのでは、接続部分の厚みが増大してしまい、接続部位が錠剤充填手段を通過する際に引っかかってしまうことが懸念される。この点、上記各手段のように、両フィルムの端縁同士が重なり合うことなく突き合わされた状態で接続されることから、接続部位の厚みが増大してしまうことがなく、上記引っかかり等の懸念も払拭できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、PTPシート(ブリスターシート)1は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には錠剤5が1つずつ収容されている。そして、このようなPTPシート1は、専用のPTP包装機10(PTPシートの製造装置)にて製造される。
【0031】
そこで次に、PTPシート1を製造するためのPTP包装機10の概略について、図3に基づき説明する。
【0032】
PTP包装機10の最上流側において、前記容器フィルム3の原料となるロール状に巻回された帯状の包装用フィルム3Aが、ロール状に巻回されている。当該包装用フィルム3Aは、上述したようにPP等の比較的硬質で所定の剛性を有する合成樹脂によって構成され(PVC等の他の熱可塑性樹脂材料により構成してもよい)、透明又は半透明を呈している。
【0033】
PTP包装機10は、バッファ手段11を具備しており、ロール状に巻回された包装用フィルム3Aは、当該バッファ手段11に至るまでは連続的に供給されるとともに、バッファ手段11の下流側においては、少なくともポケット部2が形成されるまでは間欠的に移送されるようになっている。
【0034】
当該バッファ手段11の下流側における包装用フィルム3Aの移送経路に沿って、加熱手段12とポケット部形成手段13とが順に並設されている。これら加熱手段12及びポケット部形成手段13によって、前記ポケット部2が形成されるようになっている。本実施形態では、ポケット部形成手段13は複数本のプラグ14を具備する雄型15を備えている。
【0035】
そして、前記加熱手段12においては、包装用フィルム3Aのうち、ポケット部2に対応する部位が部分的に加熱される。次に、ポケット部形成手段13においては、包装用フィルム3Aが部分的に軟化した状態において、一時的に水平状態に挟持固定された包装用フィルム3Aに対して、該包装用フィルム3Aの下方に待機している雄型15(プラグ14)が上動させられることで、前記加熱軟化部分が上方に突き上げられ、これにより、包装用フィルム3Aにポケット部2が成形される(図11参照)。このように、本実施形態では、所謂「プラグ成形法」によってポケット部2が成形されるようになっている。尚、当該ポケット部2の成形は、包装用フィルム3Aの移送動作間のインターバルの際に行われる。
【0036】
ポケット部2が形成された包装用フィルム3Aの移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤充填手段としての錠剤投入装置16が設けられている。本実施形態では、錠剤投入装置16としては、公知の筒状の錠剤供給シュートが用いられている。本実施形態では、図10に示すように、当該錠剤投入装置16から、水平状態で搬送される帯状の包装用フィルム3Aのポケット部2に対し錠剤5を落下充填するものであり、当該錠剤投入装置16の下端と包装用フィルム3Aの非ポケット部(一般面)との距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと後記する接着テープTPの厚みTT(図9(b)参照)との和(FT+TT)よりも短く設定されている。
【0037】
また、ポケット部2に錠剤5が充填された包装用フィルム3Aの移送経路に沿って、異物混入の有無等を検査する検査装置17が設けられており、さらにその下流側において、加熱ロール19による加熱・押圧により、帯状のカバーフィルム4を貼着するフィルム受けロール18が配設されている。本実施形態では、加熱ロール19及びフィルム受けロール18により、シール手段が構成されており、これより下流側においては、包装用フィルム3Aとカバーフィルム4とが一体となったPTPフィルム6(図1(b)参照)が移送されるようになっている。
【0038】
また、フィルム受けロール18の下流では、PTPフィルム6の移送経路に沿って、異物混入の有無等を検査する検査装置21が配設されている。この検査装置21は、上述の検査装置17とは反対側の面からの検査を行うものである。
【0039】
検査装置21の下流ではPTPフィルム6の移送経路に沿って、スリットを形成するスリット成形装置22、ロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付す刻印装置23及びPTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜くシート打抜装置24が順に配設されている。シート打抜装置24は、固定型31及び可動型32により、PTPシート1の打抜きを行う。シート打抜装置24の下側には、落下するPTPシート1を貯留するための完成品用ホッパ25が設けられている。
【0040】
PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、上述した各種工程が適切に実行されるように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の包装用フィルム3A(3B)を絶え間なく供給する機構が必要とされる。そのために、ロール状に巻回された包装用フィルム3Aとは別に、当該包装用フィルム3Aが消費された場合に備えて、ロール状に巻回された別の包装用フィルム3Bが用意されている。そして、前記包装用フィルム3Aが消費された場合に、当該包装用フィルム3Aの終端と、別の包装用フィルム3Bの始端とを突き合わせた状態で、両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPを貼付けることで、両フィルム3A,3Bを接続することが行われる。そのためのフィルム接続装置51が、前記バッファ手段11の上流側において設けられている。
【0041】
以下においては、当該フィルム接続装置51について、図4等に基づいてより具体的に説明する。但し、各部材等を支持するための機構等(例えば、壁やフレーム等)については、図面の煩雑化を防ぐ観点から、その図示を省略することとしている。
【0042】
図4に示すように、フィルム接続装置51は、包装用フィルム3A,3Bの移送経路にほぼ沿った高さにおいて前後一対の固定板52A,52Bを備えている。また、各固定板52A,52Bには、支軸53A,53Bを介してフィルム受け手段としての受け板54A,54Bが回動可能に支持されている。当該受け板54A,54Bは、同図に示す待機位置と、例えば図5に示す受け位置との間で回動(切り替え)可能となっている。受け板54A,54Bが受け位置にあるとき、その上面が丁度包装用フィルム3A,3Bの移送経路と同じ高さとなり、包装用フィルム3A,3Bを下面側から支持できるようになっている。
【0043】
当該受け板54A,54Bのうち包装用フィルム3A,3Bの当接し得る面には、包装用フィルム3A,3Bの支持(挟持)をより確実に行うためのゴム部材55A,55Bが設けられている。また、一方の受け板54Aの先端部分には、後述するカッター56を受け止めるための硬質樹脂製の樹脂プレート57が設けられている。
【0044】
受け板54A,54Bには、複数本の透孔が設けられており、各透孔には、プッシュピン58A,58Bが出没可能に挿通されている。さらに、前記固定板52A,52Bの下面には、前記受け板54A,54Bを受け止めるためのストッパ59A,59Bが固定されている。そして、受け板54A,54Bが図5に示す受け位置にある場合には、前記プッシュピン58A,58Bは、自重によりその先端側がゴム部材55A,55Bよりも内側に没入した状態とされる。これに対し、受け板54A,54Bが図4に示す待機位置にある場合には、プッシュピン58A,58Bの基端側が前記ストッパ59A,59Bに当接し、プッシュピン58A,58Bはその先端側がゴム部材55A,55Bよりも外側に突出した状態とされるようになっている。
【0045】
さらに、前記各受け板54A,54Bの下方には、その待機位置に対応して端材収容手段としての端材収容箱61A,61Bが設けられている。尚、前記各受け板54A,54Bには、ゴム部材55A,55Bの表面に開口し、前記支軸53A,53B側に連通する吸引孔(図示せず)が設けられており、当該吸引孔を介して後記する端材99が吸引されるようになっている。
【0046】
一方、前記包装用フィルム3A,3Bの上方においても、支軸62A,62Bを介して支持手段としての支持板63A,63Bが回動可能に支持されている。当該支持板63A,63Bは、図4に示す待機位置と、例えば図5に示す支持位置との間で回動(切り替え)可能となっている。支持板63A,63Bが支持位置にあるとき、その下面が丁度包装用フィルム3A,3Bの移送経路とほぼ同じ高さとなり、包装用フィルム3A,3Bを上面側から支持できるようになっている。すなわち、前記受け板54A,54Bと支持板63A,63Bとにより、包装用フィルム3A,3Bが挟持されるようになっている。
【0047】
当該支持板63A,63Bのうち包装用フィルム3A,3Bの当接し得る面にも、包装用フィルム3A,3Bの支持(挟持)をより確実に行うためのゴム部材64A,64Bが設けられている。また、両支持板63A,63B間の隙間部分には、切断手段としてのカッター56が設けられており、該カッター56は図示しない駆動手段により上下方向及び紙面奥行き方向(包装用フィルム3A,3Bの幅方向)に移動可能となっている。
【0048】
また、各支持板63A,63Bにも、ゴム部材64A,64Bの表面に開口し、前記支軸62A,62B側に連通する吸引孔(図示せず)が設けられており、当該吸引孔を介して後記する端材99が吸引されるようになっている。本実施形態では、前記受け板54A,54B及び支持板63A,63Bに設けられた吸引孔及び図示しない吸引のための機構等(例えばバキュームポンプ等)により、吸引手段、強制離間手段が構成されている。
【0049】
さらに、包装用フィルム3A,3Bの移送経路よりも下方において、前記一対の受け板54A,54Bの中間部位には、テープ支持台65が昇降可能に設けられている。また、テープ支持台65の近傍には、図示しない接着テープ把持手段、接着テープ切断手段等が設けられている。かかる構成下、上面に接着剤層が設けられてなる所定長の接着テープTPが、前記テープ支持台65上に載置可能となっている。尚、前記受け板54A,54B及び支持板63A,63Bの回動動作や、テープ支持台65の昇降動作は、図示しないモータやカム機構、或いはシリンダ等、任意の駆動手段より実現可能である。本実施形態では、テープ支持台65及びこれを駆動する駆動手段によって貼付手段が構成されている。また、上記各駆動手段は、図示しない制御装置によって制御される。当該制御装置は、CPU、RAM、ROM、I/Oなどを備えたいわゆるコンピュータシステムとして構成されており、各センサからの検出結果等に基づき、ROMに記憶されたプログラムに基づいて各種制御を実現可能である。
【0050】
次に、包装用フィルム3A,3Bを接着テープTPで接続する際のフィルム接続装置51の動作等について説明する。
【0051】
尚、包装用フィルム3Aが消費されると、該包装用フィルム3Aの終端と別の包装用フィルム3Bの始端とが接続されて、絶え間なく包装用フィルムの供給が可能となる点については既述した。ここで、フィルム接続装置51による接続期間中においては、別の包装用フィルム3Bの繰出しは事実上不可能であり、別の包装用フィルム3Bの繰出しは停止されている。一方で、当該接続期間においても包装用フィルム3Aの供給は必要である。かかる絶え間ない供給を可能にするため、本実施形態では、包装用フィルム3Aの巻回残量が所定量以下であることがセンサ(図示略)等で確認されると、一時的にその繰出し量が増大させられる(繰出し速度が増大する)。これにより、前記バッファ手段11において、より多くの包装用フィルム3Aが蓄えられる。バッファ手段11としては、図示しないダンサローラ群によって構成されていてもよいし、フィルムを弛ませた状態にて収容可能な収容ボックス等によって構成されていてもよい。そして、その蓄えられた包装用フィルム3Aが繰り出されている期間中に、両フィルム3A,3Bの接続が実行される構成となっている。
【0052】
さて、本実施形態では、バッファ手段11における前記包装用フィルム3Aの所定量の蓄えが完了した時点以降、包装用フィルム3A,3Bの接続が実行される。すなわち、まず図4に示すように、包装用フィルム3Aの終端部分が、カッタ56で切断され得る位置(例えば受け位置における受け板54B上に架かる位置)において位置決めされる。また、図示しないチャック等により、ロール状に巻回された別の包装用フィルム3Bの始端部分が引き出され、当該始端部分が、前記包装用フィルム3Aの終端部分上に重なり合うようにして位置決めされる。尚、本例では、別の包装用フィルム3Bの始端部分が、包装用フィルム3Aの終端部分上に重なり合うようにして位置決めされることとなっているが、その上下関係が逆、つまり、別の包装用フィルム3Bの始端部分上に、包装用フィルム3Aの終端部分が重なり合うようにして位置決めされることとなっていてもよい。
【0053】
また、図5に示すように、受け板54A,54Bが回動され、それまでの待機位置から受け位置に切り替えられる。これにより、包装用フィルム3A,3Bが下面側から支持される。
【0054】
さらに、同図に示すように、支持板63A,63Bが回動され、それまでの待機位置から支持位置に切り替えられる。これにより、包装用フィルム3A,3Bが上面側からも支持される。つまり、包装用フィルム3A,3Bが、受け板54A,54B(のゴム部材55A,55B)及び支持板63A,63B(のゴム部材64A,64B)によって挟持される。
【0055】
尚、前記受け板54A,54Bは、前記別の包装用フィルム3Bの始端部分が引き出され、前記包装用フィルム3A上に位置決めされる段階において、予め受け位置に切り替えられていてもよいし、両フィルム3A,3Bが位置決めされた後、受け板54A,54B及び支持板63A,63Bがほぼ同時に受け位置、支持位置に切り替えられることとしてもよい。
【0056】
次に、同図に示すように、カッター56が下動させられるとともに、紙面手前方向から奥行き方向へと移動させられることで、重ね合わせられている両包装用フィルム3A,3Bが幅方向に切断される。このとき、カッター56による切断応力が受け板54Aで受け止められる。より詳しくは、カッター56の刃先が樹脂プレート57に当接するようにして切断が実施される。これにより、ゴム部材55A,55B,64A,64Bが損傷を受けたりするのが防止されるとともに、金属に当たってカッター56の刃先が刃こぼれしたりするといった事態の抑制が図られる。
【0057】
また、当該切断とともに、前記吸引手段による吸引が開始される。これにより、切断により生じた端材99が受け板54B及び支持板63A(又は、受け板54A及び支持板63B)に吸着されられる。
【0058】
さらに、図6(a),(b)に示すように、受け板54A,54Bが回動され、それまでの待機位置から受け位置に切り替えられる。これにより、包装用フィルム3Aの終端と、別の包装用フィルム3Bの始端とが突き合わせ状態とされるとともに、吸引されている端材99が包装用フィルム3A(又は3B)の終端から切り離され、受け板54B(又は54A)に吸着されたまま下方へ移動させられる。そして、受け板54A,54Bが待機位置に切り替えられた時点で、前記吸引が解除される。これにより、それまで受け板54B(又は54A)に吸着されていた端材99が自由落下し、下方に位置する端材収容箔61B(又は61A)内に収容される。
【0059】
ここで、前記受け板54A,54Bには、プッシュピン58A,58Bが設けられており、受け板54A,54Bが待機位置に切り替えられることで、プッシュピン58A,58Bの基端側が前記ストッパ59A,59Bに当接し、プッシュピン58A,58Bの先端側がゴム部材55A,55Bよりも外側に突出する。このため、端材99は強制的に受け板54B(又は54A)から切り離されることとなる。従って、吸引を解除した後において端材99がゴム部材55B(又は55A)に密着したままとなってしまうといった事態が回避される。
【0060】
次に、テープ支持台65が上昇させられる。勿論、当該上昇に際しては、テープ支持台65の上面には、所定長の接着テープTPが載置されている。そして、図7に示すように、テープ支持台65が上昇してゆき、前記支持板63A,63Bに押しつけられることで、突き合わせ状態となっている両包装用フィルム3A,3Bの下面に対し、接着テープTPが、両フィルム3A,3Bに跨るように貼付けられる。
【0061】
その後、図8に示すようにテープ支持台65が下降させられ、また、図9に示すように支持板63A,63Bが回動させられ待機位置へと切り替えられる。これにより、フィルムの接続が完了し、図9(b)に示すように、突き合わせ状態となっている両包装用フィルム3A,3Bの下面に跨るように接着テープTPが貼付けられた接続部位が、移送可能な状態とされる。従って、これ以降、別の包装用フィルム3Bが繰り出され、下流側への供給が可能となる。尚、当該包装用フィルム3Bが消費された場合には、上記同様、さらに別の包装用フィルムの始端が(前記包装用フィルム3Aが巻回支持されていた場所にて)繰り出されて、同様の接続作業が実行される。
【0062】
以上詳述したように、本実施形態によれば、下流側へと供給されるロール状に巻回された包装用フィルム3Aが消費された場合に、当該フィルム3Aの終端と、別のロール状に巻回された帯状の包装用フィルム3Bの始端とが「突き合わされた状態」で、両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPが貼付けられる。このように両包装用フィルム3A,3Bの端縁同士が重なり合うことなく突き合わされた状態で接続されることから、接続部位の厚みが極端に増大してしまうことがなくて済む。そのため、本実施形態のように、錠剤投入装置16の下端と包装用フィルム3Aの非ポケット部(一般面)との距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと接着テープTPの厚みTTとの和(FT+TT)よりも短く設定されているような場合であっても、両包装用フィルム3A,3Bの接続部位が錠剤投入装置16を通過する際に引っかかってしまうという懸念を払拭することができる。
【0063】
また、本実施形態では、前記接着テープTPの接続部位においてもプラグ14が突き上げられ、ポケット部2が形成される構成となっている。このような構成下、本実施形態では、両包装用フィルム3A,3Bの接続に際し、例えば図7に示すように、ポケット部2の形成される一方の面(図の上面)において支持板63A,63Bにて支持された状態で、当該一方の面とは反対側の面(図の下面)において両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPがテープ支持台65の押しつけによって貼付けられる。このため、ポケット部2の内側(後に形成されるポケット部2の膨出する側とは反対側)から接着テープTPが貼付けられることとなる。従って、図12に示すように、前記接続部位においてプラグ14が突き上げられてポケット部2が一方へ膨出して形成される場合に、たとえ両フィルム3A,3Bの突き合わせ部分が開いてしまったとしても、プラグ14の先端面が接着テープTPの接着面に接触してしまうことがない。そのため、プラグ14の先端面に接着テープTPの接着剤が付着してしまうことに起因する悪影響、すなわち、接着剤が、後に形成される正規のポケット部2内での異物となってしまうといった事態を回避することができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、両包装用フィルム3A,3Bをその重なり合った部位にてカッター56によって切断することで、包装用フィルム3Aの終端と、別の包装用フィルム3Bの始端とを突き合わせた状態とすることができる。このため、両フィルムを突き合わせ状態とするべく、精密に位置合わせを行い得る位置調整手段等を別途用いずとも済み、装置の複雑化、大型化を防止することができる。
【0065】
また、本実施形態では、カッター56が設けられている側(包装用フィルム3A,3Bの上側)とは反対側(包装用フィルム3A,3Bの下側)から接着テープTPを貼付けることとしているため、フィルム接続装置51に関してより一層のコンパクト化を図ることができる。
【0066】
併せて、カッター56にて切断される際には、包装用フィルム3A,3Bが、受け板54A,54B(のゴム部材55A,55B)及び支持板63A,63B(のゴム部材64A,64B)によって挟持される。このため、切断に際して包装用フィルム3A,3Bの位置ずれ等が起こりにくく、より正確な切断を実現することができる。
【0067】
さらに、メンテナンスが比較的困難な固定板52A,52Bよりも下方位置においては、カッター56による切断によって発生した端材99が、包装用フィルム3A,3Bから強制的に離間させられる。これにより、端材99が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうという事態の防止が図られる。また、清掃等のメンテナンス作業の簡素化をも図ることができる。
【0068】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0069】
(a)上記実施形態では、ポケット部形成手段13において、いわゆるプラグ成形を採用し、ポケット部2を形成することとしているが、ポケット部2の形成手法としては必ずしもプラグ成形に限られるものではなく、例えば、プラグアシスト圧空成形法等、少なくともプラグを用いた各種の成形法を採用することができる。
【0070】
(b)上記実施形態では、2つの包装用フィルム3A,3Bを備えている場合について具体化しているが、3つ以上の包装用フィルムを備える構成としてもよい。
【0071】
(c)上記実施形態では、ポケット部2が図の上側に膨出形成される場合において、包装用フィルム3A,3Bの少なくとも上面を支持した状態で、包装用フィルム3A,3Bの下側から接着テープTPを貼付ける構成を採用している。これに対し、その上下関係を逆にしてもよい。例えば、ポケット部2が図の下側に膨出形成される場合には、包装用フィルム3A,3Bの少なくとも下面を支持した状態で、包装用フィルム3A,3Bの上側から接着テープTPを貼付ける構成を採用してもよい。
【0072】
(d)上記実施形態では、カッター56にて切断される際には、包装用フィルム3A,3Bが、受け板54A,54B及び支持板63A,63Bによって挟持されることとしているが、少なくとも受け板54A,54Bで支持されていればよく、必ずしも挟持されていなくてもよい。
【0073】
(e)また、上記実施形態におけるゴム部材55A,55B,64A,64Bを適宜省略することとしてもよいし、ゴムに代えて樹脂材料(例えば熱可塑性エラストマー等の軟質樹脂材料等)を採用することとしてもよい。
【0074】
(f)カッター56の切断による端材99の発生が一方の側であること、つまり、両包装用フィルム3A,3Bの重ね合わせの上下関係が一定であることが確実であれば、他方の側の吸引手段や端材収容箱61A,61B等を省略することとしてもよい。
【0075】
(g)上記実施形態においては、支持板63A,63Bに吸着された端材については特に言及していないが、下側と同様に端材収容箱(図示略)を設けることとしてもよいし、ロール状の包装用フィルムを新たに設置するのに併せて人手により除去することとしてもよい。
【0076】
(h)両包装用フィルム3A,3Bを正確に突き合わせ状態で位置決めできるのであれば、カッタ56による切断工程を省略することとしてもよい。
【0077】
(i)上記実施形態では、テープ支持台65を上昇させることで接着テープTPを貼付けることとしているが、他の手法で貼付けることとしてもよい。例えば、接着テープTPの両端をチャック等で掴んで貼付けるよう構成することも可能である。
【0078】
(j)上記実施形態では、錠剤投入装置16の下端と包装用フィルム3Aの非ポケット部(一般面)との距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと接着テープTPの厚みTTとの和(FT+TT)よりも短く設定されているが、必ずしもそのような構成となっていなくてもよく、前記距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと後記する接着テープTPの厚みTTとの和(FT+TT)よりも長くてもよい。また、錠剤投入装置16は、シュートタイプでなくてもよく、例えば回転ドラム式の錠剤投入装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPフィルムを示す斜視図である。
【図2】PTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】PTP包装機の概略構成を説明するための模式図である。
【図4】フィルム接続装置を説明するための模式図である。
【図5】(a)はフィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図であり、(b)は(a)のα部分を示す拡大図である。
【図6】(a)はフィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図であり、(b)は(a)のα部分を示す拡大図である。
【図7】フィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図である。
【図8】フィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図である。
【図9】(a)はフィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図であり、(b)は接着テープによるフィルム接続部分を模式的に示す(フィルム及び接着テープを実際よりも厚く記載している)拡大断面図である。
【図10】錠剤投入装置と包装用フィルムとの位置関係を説明する断面模式図である。
【図11】プラグによるポケット成形時における包装用フィルムを示す拡大断面図である。
【図12】プラグによるポケット成形時における両包装用フィルムの接続部分を示す拡大断面図である。
【図13】従来の不具合を説明するための拡大断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、3A,3B…包装用フィルム、4…カバーフィルム、5…錠剤、10…PTPシートの製造装置としてのPTP包装機、12…加熱手段、13…ポケット部形成手段、14…プラグ、16…錠剤充填手段としての錠剤投入装置、18…シール手段を構成するフィルム受けロール、19…シール手段を構成する加熱ロール、24…切断・打抜き手段を構成するシート打抜装置、51…フィルム接続装置、54A,54B…フィルム受け手段として受け板、56…切断手段としてのカッター、61A,61B…端材収容手段としての端材収容箱、63A,63B…支持手段としての支持板、65…貼付手段を構成するテープ支持台、99…端材、TP…接着テープ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム接続装置、及び、該フィルム接続装置を備えたPTPシートの製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、PTPシート(ブリスターシート)は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部を備えた容器フィルムと、ポケット部を塞ぐようにして容器フィルムに取着されたアルミニウム製のカバーフィルムとを有している。そして、各ポケット部には錠剤が収容されている。
【0003】
このようなPTPシートを製造するに際しては、PTP包装機と称される製造装置が用いられる。PTP包装機の最上流側では、帯状のフィルムがロール状に巻回されている。ロール状に巻回されたフィルムは、下流側に向けて搬送されるようになっており、当該フィルムの搬送経路に沿って、加熱手段、ポケット部形成手段、錠剤充填手段、シール手段、打抜・切断手段等が順に配設されている。加熱手段においては帯状のフィルムが加熱、軟化され、ポケット部形成手段においては、被充填物(ワーク)を収容するためのポケット部が成形される。続く錠剤充填手段においては、前記ポケット部にワークが投入、充填される。さらにシール手段においては、容器フィルムのうちポケット部が形成されていない領域(フランジ部分)に、アルミニウム等からなるカバーフィルムが取着される。そして、打抜・切断手段では、打抜き、或いは、切断によって最終製品たるPTPシートが切り離される。
【0004】
このような各種工程が順次円滑に実行されるためには、当該PTP包装機の最上流側では、帯状のフィルムの供給を絶え間なく行う機構が必要とされる。上述のとおり、製造装置の最上流側では、帯状のフィルムがロール状に巻回されており、その繰出端側は、駆動ローラ等からなるフィルム供給手段を経て、前記加熱手段の方へと案内される。フィルムの供給を絶え間なく行うためには、前記ロール状に巻回されたフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端部分と、別のロール状に巻回された帯状の始端部分とを接続する必要がある。
【0005】
従来、かかる接続装置としては、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状の始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−67375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記ポケット部の形成に際しては、プラグ成形やプラグアシスト圧空成形等、フィルムを少なくともプラグで押圧するという手法が採用されるのが一般的である。この場合、連続してフィルムが供給される都合上、接着テープによる接続部位においても、プラグで押圧されることによりポケット部が形成される(勿論、当該接続部位は後に製品から除外される)。
【0007】
しかしながら、従来の接続装置は、構造上、ポケット部の外側(後に形成されるポケット部の膨出する側)から接着テープが貼付けられていた。このため、図13に示すように、前記接続部位においてポケット部100が一方へ膨出して形成される場合には、両フィルム101,102の突き合わせ部分が開いてしまい、プラグ103の先端面が接着テープ104の接着面に接触してしまうおそれがある。そして、この場合には、プラグ103の先端面に接着テープ104の接着剤が付着してしまうおそれがあり、当該接着剤が、後に形成される正規ポケット部内での異物となってしまうことが懸念される。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、接着テープの接着剤がポケット部内の異物となってしまうといった事態を回避することのできるフィルム接続装置、及び、該フィルム接続装置を備えたPTPシートの製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的等を解決するのに適した各手段につき項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する手段に特有の作用効果等を付記する。
【0010】
手段1.一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するためのPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給される前記容器フィルムの原料となるロール状に巻回された帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【0011】
手段1によれば、下流側へと供給されるロール状に巻回された帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とが突き合わされた状態で、両フィルムに跨るように接着テープが貼付けられる。このように両フィルムの端縁同士が重なり合うことなく突き合わされた状態で接続されることから、接続部位の厚みが極端に増大してしまうことがなくて済む。
【0012】
また、PTPシートの製造装置の構造上、接続部位においてもプラグ等でポケット部が形成されるのが一般的であるところ、手段1では、両フィルムが、ポケット部の形成される一方の面において支持手段にて支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において両フィルムに跨るように接着テープが貼付手段によって貼付けられる。このため、ポケット部の内側(後に形成されるポケット部の膨出する側とは反対側)から接着テープが貼付けられることとなる。従って、前記接続部位においてポケット部が一方へ膨出して形成される場合に、両フィルムの突き合わせ部分が開いてしまったとしても、プラグの先端面が接着テープの接着面に接触してしまうことがない。そのため、プラグの先端面に接着テープの接着剤が付着してしまうことに起因する悪影響、すなわち、接着剤が、後に形成される正規ポケット部内での異物となってしまうといった事態を回避することができる。
【0013】
手段2.一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するための装置に関し、
前記容器フィルムの原料となる帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することによって、前記ポケット部が前記一方へ膨出して形成されるよう構成されてなるPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給されるロール状に巻回された前記帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【0014】
手段2においても、基本的には手段1と同様の作用効果が奏される。
【0015】
手段3.前記両フィルムが重なり合った状態で、前記一方の面とは反対側の他方の面において、前記両フィルムを支持するフィルム受け手段と、
前記フィルム受け手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面から前記両フィルムをその重なり合った部位にて切断することで、前記フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態とし得る切断手段と
を具備することを特徴とする手段1又は2に記載のフィルム接続装置。
【0016】
手段3によれば、両フィルムをその重なり合った部位にて切断手段によって切断することで、フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態とすることができる。このため、両フィルムを突き合わせ状態とするべく、精密に位置合わせを行い得る位置調整手段等を用いずとも済み、装置の複雑化、大型化を防止することができる。また、当該切断手段が設けられている側とは反対側から接着テープを貼付けることで、接続装置に関してより一層のコンパクト化を図ることができる。
【0017】
手段4.前記切断手段にて切断される際には、前記支持手段にて、前記両フィルムを前記一方の面においても支持するようにしたことを特徴とする手段3に記載のフィルム接続装置。
【0018】
手段4によれば、切断手段にて切断される際には、前記フィルム受け手段と支持手段とにより、両フィルムの各面が支持される。換言すれば、フィルム受け手段と支持手段とで両フィルムが挟持される。このため、切断に際してフィルムの位置ずれ等が起こりにくく、より正確な切断を実現することができる。
【0019】
手段5.前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうのを防止するべく、前記端材と帯状のフィルムとを強制的に離間させる端材離間手段を具備することを特徴とする手段3又は4に記載のフィルム接続装置。
【0020】
手段5によれば、端材離間手段によって、前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材と帯状のフィルムとが強制的に離間させられ、もって、端材が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうという事態の防止が図られる。その結果、端材がPTPシートの製造装置を構成する各手段に案内されてしまうことによる各種不具合を防止することができる。
【0021】
手段6.前記端材離間手段は、前記フィルム受け手段及び前記支持手段のうち少なくとも一方に設けられた吸引手段であることを特徴とする手段5に記載のフィルム接続装置。
【0022】
手段6によれば、端材が吸引手段により吸引されることで、端材が帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうといった事態が防止される。また、吸引手段がフィルム受け手段及び支持手段のうち少なくとも一方に設けられていることから、別途吸引のための装置を外部に設ける場合に比べ、さらなる装置のコンパクト化が図られる。
【0023】
手段7.前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材を収容する端材収容手段を設けたことを特徴とする手段3乃至6のいずれかに記載のフィルム接続装置。
【0024】
手段7によれば、端材収容手段によって、切断で発生したフィルムの端材が収容される。このため、接続装置を含むPTPシートの製造装置が整然とし、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0025】
手段8.手段1乃至7のいずれかに記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置。
【0026】
手段9.手段1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置であって、
前記帯状のフィルムを加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により軟化状態にある前記帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することで前記一方へ膨出するようポケット部を形成するポケット部形成手段と、
前記ポケット部に錠剤を充填する錠剤充填手段と、
前記錠剤の充填されたポケット部を塞ぐように前記容器フィルムにカバーフィルムを取着するシール手段と、
前記カバーフィルムの取着されたPTPフィルムを、PTPシート単位に切断又は打抜く切断・打抜き手段とを具備することを特徴とするPTPシートの製造装置。
【0027】
手段8,9のように、上述した各手段の技術思想をPTPシートの製造装置に具現化することもできる。
【0028】
手段10.前記錠剤充填手段は、水平状態で搬送される帯状のフィルムのポケット部に対し錠剤を落下充填するものであり、当該錠剤充填手段と前記帯状のフィルムの非ポケット部との距離が、前記帯状のフィルムの厚みと前記接着テープの厚みとの和よりも短く設定されていることを特徴とする手段9に記載のPTPシートの製造装置。
【0029】
手段10のように、錠剤充填手段と帯状のフィルムの非ポケット部との距離が、帯状のフィルムの厚みと接着テープの厚みとの和よりも短く設定されていると、フィルム同士を重ね合わせた状態で接着テープを貼付けたのでは、接続部分の厚みが増大してしまい、接続部位が錠剤充填手段を通過する際に引っかかってしまうことが懸念される。この点、上記各手段のように、両フィルムの端縁同士が重なり合うことなく突き合わされた状態で接続されることから、接続部位の厚みが増大してしまうことがなく、上記引っかかり等の懸念も払拭できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1及び図2に示すように、PTPシート(ブリスターシート)1は、例えばPP(ポロプロピレン)よりなり複数のポケット部2を備えた容器フィルム3と、ポケット部2を塞ぐようにして容器フィルム3に取着されたアルミニウム製のカバーフィルム4とを有している。各ポケット部2には錠剤5が1つずつ収容されている。そして、このようなPTPシート1は、専用のPTP包装機10(PTPシートの製造装置)にて製造される。
【0031】
そこで次に、PTPシート1を製造するためのPTP包装機10の概略について、図3に基づき説明する。
【0032】
PTP包装機10の最上流側において、前記容器フィルム3の原料となるロール状に巻回された帯状の包装用フィルム3Aが、ロール状に巻回されている。当該包装用フィルム3Aは、上述したようにPP等の比較的硬質で所定の剛性を有する合成樹脂によって構成され(PVC等の他の熱可塑性樹脂材料により構成してもよい)、透明又は半透明を呈している。
【0033】
PTP包装機10は、バッファ手段11を具備しており、ロール状に巻回された包装用フィルム3Aは、当該バッファ手段11に至るまでは連続的に供給されるとともに、バッファ手段11の下流側においては、少なくともポケット部2が形成されるまでは間欠的に移送されるようになっている。
【0034】
当該バッファ手段11の下流側における包装用フィルム3Aの移送経路に沿って、加熱手段12とポケット部形成手段13とが順に並設されている。これら加熱手段12及びポケット部形成手段13によって、前記ポケット部2が形成されるようになっている。本実施形態では、ポケット部形成手段13は複数本のプラグ14を具備する雄型15を備えている。
【0035】
そして、前記加熱手段12においては、包装用フィルム3Aのうち、ポケット部2に対応する部位が部分的に加熱される。次に、ポケット部形成手段13においては、包装用フィルム3Aが部分的に軟化した状態において、一時的に水平状態に挟持固定された包装用フィルム3Aに対して、該包装用フィルム3Aの下方に待機している雄型15(プラグ14)が上動させられることで、前記加熱軟化部分が上方に突き上げられ、これにより、包装用フィルム3Aにポケット部2が成形される(図11参照)。このように、本実施形態では、所謂「プラグ成形法」によってポケット部2が成形されるようになっている。尚、当該ポケット部2の成形は、包装用フィルム3Aの移送動作間のインターバルの際に行われる。
【0036】
ポケット部2が形成された包装用フィルム3Aの移送経路に沿って、ポケット部2に錠剤5を自動的に充填する錠剤充填手段としての錠剤投入装置16が設けられている。本実施形態では、錠剤投入装置16としては、公知の筒状の錠剤供給シュートが用いられている。本実施形態では、図10に示すように、当該錠剤投入装置16から、水平状態で搬送される帯状の包装用フィルム3Aのポケット部2に対し錠剤5を落下充填するものであり、当該錠剤投入装置16の下端と包装用フィルム3Aの非ポケット部(一般面)との距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと後記する接着テープTPの厚みTT(図9(b)参照)との和(FT+TT)よりも短く設定されている。
【0037】
また、ポケット部2に錠剤5が充填された包装用フィルム3Aの移送経路に沿って、異物混入の有無等を検査する検査装置17が設けられており、さらにその下流側において、加熱ロール19による加熱・押圧により、帯状のカバーフィルム4を貼着するフィルム受けロール18が配設されている。本実施形態では、加熱ロール19及びフィルム受けロール18により、シール手段が構成されており、これより下流側においては、包装用フィルム3Aとカバーフィルム4とが一体となったPTPフィルム6(図1(b)参照)が移送されるようになっている。
【0038】
また、フィルム受けロール18の下流では、PTPフィルム6の移送経路に沿って、異物混入の有無等を検査する検査装置21が配設されている。この検査装置21は、上述の検査装置17とは反対側の面からの検査を行うものである。
【0039】
検査装置21の下流ではPTPフィルム6の移送経路に沿って、スリットを形成するスリット成形装置22、ロットナンバー等の識別情報を示す刻印を付す刻印装置23及びPTPフィルム6をPTPシート1単位に打抜くシート打抜装置24が順に配設されている。シート打抜装置24は、固定型31及び可動型32により、PTPシート1の打抜きを行う。シート打抜装置24の下側には、落下するPTPシート1を貯留するための完成品用ホッパ25が設けられている。
【0040】
PTP包装機10の概略は以上のとおりであるが、上述した各種工程が適切に実行されるように、PTP包装機10の最上流側では、帯状の包装用フィルム3A(3B)を絶え間なく供給する機構が必要とされる。そのために、ロール状に巻回された包装用フィルム3Aとは別に、当該包装用フィルム3Aが消費された場合に備えて、ロール状に巻回された別の包装用フィルム3Bが用意されている。そして、前記包装用フィルム3Aが消費された場合に、当該包装用フィルム3Aの終端と、別の包装用フィルム3Bの始端とを突き合わせた状態で、両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPを貼付けることで、両フィルム3A,3Bを接続することが行われる。そのためのフィルム接続装置51が、前記バッファ手段11の上流側において設けられている。
【0041】
以下においては、当該フィルム接続装置51について、図4等に基づいてより具体的に説明する。但し、各部材等を支持するための機構等(例えば、壁やフレーム等)については、図面の煩雑化を防ぐ観点から、その図示を省略することとしている。
【0042】
図4に示すように、フィルム接続装置51は、包装用フィルム3A,3Bの移送経路にほぼ沿った高さにおいて前後一対の固定板52A,52Bを備えている。また、各固定板52A,52Bには、支軸53A,53Bを介してフィルム受け手段としての受け板54A,54Bが回動可能に支持されている。当該受け板54A,54Bは、同図に示す待機位置と、例えば図5に示す受け位置との間で回動(切り替え)可能となっている。受け板54A,54Bが受け位置にあるとき、その上面が丁度包装用フィルム3A,3Bの移送経路と同じ高さとなり、包装用フィルム3A,3Bを下面側から支持できるようになっている。
【0043】
当該受け板54A,54Bのうち包装用フィルム3A,3Bの当接し得る面には、包装用フィルム3A,3Bの支持(挟持)をより確実に行うためのゴム部材55A,55Bが設けられている。また、一方の受け板54Aの先端部分には、後述するカッター56を受け止めるための硬質樹脂製の樹脂プレート57が設けられている。
【0044】
受け板54A,54Bには、複数本の透孔が設けられており、各透孔には、プッシュピン58A,58Bが出没可能に挿通されている。さらに、前記固定板52A,52Bの下面には、前記受け板54A,54Bを受け止めるためのストッパ59A,59Bが固定されている。そして、受け板54A,54Bが図5に示す受け位置にある場合には、前記プッシュピン58A,58Bは、自重によりその先端側がゴム部材55A,55Bよりも内側に没入した状態とされる。これに対し、受け板54A,54Bが図4に示す待機位置にある場合には、プッシュピン58A,58Bの基端側が前記ストッパ59A,59Bに当接し、プッシュピン58A,58Bはその先端側がゴム部材55A,55Bよりも外側に突出した状態とされるようになっている。
【0045】
さらに、前記各受け板54A,54Bの下方には、その待機位置に対応して端材収容手段としての端材収容箱61A,61Bが設けられている。尚、前記各受け板54A,54Bには、ゴム部材55A,55Bの表面に開口し、前記支軸53A,53B側に連通する吸引孔(図示せず)が設けられており、当該吸引孔を介して後記する端材99が吸引されるようになっている。
【0046】
一方、前記包装用フィルム3A,3Bの上方においても、支軸62A,62Bを介して支持手段としての支持板63A,63Bが回動可能に支持されている。当該支持板63A,63Bは、図4に示す待機位置と、例えば図5に示す支持位置との間で回動(切り替え)可能となっている。支持板63A,63Bが支持位置にあるとき、その下面が丁度包装用フィルム3A,3Bの移送経路とほぼ同じ高さとなり、包装用フィルム3A,3Bを上面側から支持できるようになっている。すなわち、前記受け板54A,54Bと支持板63A,63Bとにより、包装用フィルム3A,3Bが挟持されるようになっている。
【0047】
当該支持板63A,63Bのうち包装用フィルム3A,3Bの当接し得る面にも、包装用フィルム3A,3Bの支持(挟持)をより確実に行うためのゴム部材64A,64Bが設けられている。また、両支持板63A,63B間の隙間部分には、切断手段としてのカッター56が設けられており、該カッター56は図示しない駆動手段により上下方向及び紙面奥行き方向(包装用フィルム3A,3Bの幅方向)に移動可能となっている。
【0048】
また、各支持板63A,63Bにも、ゴム部材64A,64Bの表面に開口し、前記支軸62A,62B側に連通する吸引孔(図示せず)が設けられており、当該吸引孔を介して後記する端材99が吸引されるようになっている。本実施形態では、前記受け板54A,54B及び支持板63A,63Bに設けられた吸引孔及び図示しない吸引のための機構等(例えばバキュームポンプ等)により、吸引手段、強制離間手段が構成されている。
【0049】
さらに、包装用フィルム3A,3Bの移送経路よりも下方において、前記一対の受け板54A,54Bの中間部位には、テープ支持台65が昇降可能に設けられている。また、テープ支持台65の近傍には、図示しない接着テープ把持手段、接着テープ切断手段等が設けられている。かかる構成下、上面に接着剤層が設けられてなる所定長の接着テープTPが、前記テープ支持台65上に載置可能となっている。尚、前記受け板54A,54B及び支持板63A,63Bの回動動作や、テープ支持台65の昇降動作は、図示しないモータやカム機構、或いはシリンダ等、任意の駆動手段より実現可能である。本実施形態では、テープ支持台65及びこれを駆動する駆動手段によって貼付手段が構成されている。また、上記各駆動手段は、図示しない制御装置によって制御される。当該制御装置は、CPU、RAM、ROM、I/Oなどを備えたいわゆるコンピュータシステムとして構成されており、各センサからの検出結果等に基づき、ROMに記憶されたプログラムに基づいて各種制御を実現可能である。
【0050】
次に、包装用フィルム3A,3Bを接着テープTPで接続する際のフィルム接続装置51の動作等について説明する。
【0051】
尚、包装用フィルム3Aが消費されると、該包装用フィルム3Aの終端と別の包装用フィルム3Bの始端とが接続されて、絶え間なく包装用フィルムの供給が可能となる点については既述した。ここで、フィルム接続装置51による接続期間中においては、別の包装用フィルム3Bの繰出しは事実上不可能であり、別の包装用フィルム3Bの繰出しは停止されている。一方で、当該接続期間においても包装用フィルム3Aの供給は必要である。かかる絶え間ない供給を可能にするため、本実施形態では、包装用フィルム3Aの巻回残量が所定量以下であることがセンサ(図示略)等で確認されると、一時的にその繰出し量が増大させられる(繰出し速度が増大する)。これにより、前記バッファ手段11において、より多くの包装用フィルム3Aが蓄えられる。バッファ手段11としては、図示しないダンサローラ群によって構成されていてもよいし、フィルムを弛ませた状態にて収容可能な収容ボックス等によって構成されていてもよい。そして、その蓄えられた包装用フィルム3Aが繰り出されている期間中に、両フィルム3A,3Bの接続が実行される構成となっている。
【0052】
さて、本実施形態では、バッファ手段11における前記包装用フィルム3Aの所定量の蓄えが完了した時点以降、包装用フィルム3A,3Bの接続が実行される。すなわち、まず図4に示すように、包装用フィルム3Aの終端部分が、カッタ56で切断され得る位置(例えば受け位置における受け板54B上に架かる位置)において位置決めされる。また、図示しないチャック等により、ロール状に巻回された別の包装用フィルム3Bの始端部分が引き出され、当該始端部分が、前記包装用フィルム3Aの終端部分上に重なり合うようにして位置決めされる。尚、本例では、別の包装用フィルム3Bの始端部分が、包装用フィルム3Aの終端部分上に重なり合うようにして位置決めされることとなっているが、その上下関係が逆、つまり、別の包装用フィルム3Bの始端部分上に、包装用フィルム3Aの終端部分が重なり合うようにして位置決めされることとなっていてもよい。
【0053】
また、図5に示すように、受け板54A,54Bが回動され、それまでの待機位置から受け位置に切り替えられる。これにより、包装用フィルム3A,3Bが下面側から支持される。
【0054】
さらに、同図に示すように、支持板63A,63Bが回動され、それまでの待機位置から支持位置に切り替えられる。これにより、包装用フィルム3A,3Bが上面側からも支持される。つまり、包装用フィルム3A,3Bが、受け板54A,54B(のゴム部材55A,55B)及び支持板63A,63B(のゴム部材64A,64B)によって挟持される。
【0055】
尚、前記受け板54A,54Bは、前記別の包装用フィルム3Bの始端部分が引き出され、前記包装用フィルム3A上に位置決めされる段階において、予め受け位置に切り替えられていてもよいし、両フィルム3A,3Bが位置決めされた後、受け板54A,54B及び支持板63A,63Bがほぼ同時に受け位置、支持位置に切り替えられることとしてもよい。
【0056】
次に、同図に示すように、カッター56が下動させられるとともに、紙面手前方向から奥行き方向へと移動させられることで、重ね合わせられている両包装用フィルム3A,3Bが幅方向に切断される。このとき、カッター56による切断応力が受け板54Aで受け止められる。より詳しくは、カッター56の刃先が樹脂プレート57に当接するようにして切断が実施される。これにより、ゴム部材55A,55B,64A,64Bが損傷を受けたりするのが防止されるとともに、金属に当たってカッター56の刃先が刃こぼれしたりするといった事態の抑制が図られる。
【0057】
また、当該切断とともに、前記吸引手段による吸引が開始される。これにより、切断により生じた端材99が受け板54B及び支持板63A(又は、受け板54A及び支持板63B)に吸着されられる。
【0058】
さらに、図6(a),(b)に示すように、受け板54A,54Bが回動され、それまでの待機位置から受け位置に切り替えられる。これにより、包装用フィルム3Aの終端と、別の包装用フィルム3Bの始端とが突き合わせ状態とされるとともに、吸引されている端材99が包装用フィルム3A(又は3B)の終端から切り離され、受け板54B(又は54A)に吸着されたまま下方へ移動させられる。そして、受け板54A,54Bが待機位置に切り替えられた時点で、前記吸引が解除される。これにより、それまで受け板54B(又は54A)に吸着されていた端材99が自由落下し、下方に位置する端材収容箔61B(又は61A)内に収容される。
【0059】
ここで、前記受け板54A,54Bには、プッシュピン58A,58Bが設けられており、受け板54A,54Bが待機位置に切り替えられることで、プッシュピン58A,58Bの基端側が前記ストッパ59A,59Bに当接し、プッシュピン58A,58Bの先端側がゴム部材55A,55Bよりも外側に突出する。このため、端材99は強制的に受け板54B(又は54A)から切り離されることとなる。従って、吸引を解除した後において端材99がゴム部材55B(又は55A)に密着したままとなってしまうといった事態が回避される。
【0060】
次に、テープ支持台65が上昇させられる。勿論、当該上昇に際しては、テープ支持台65の上面には、所定長の接着テープTPが載置されている。そして、図7に示すように、テープ支持台65が上昇してゆき、前記支持板63A,63Bに押しつけられることで、突き合わせ状態となっている両包装用フィルム3A,3Bの下面に対し、接着テープTPが、両フィルム3A,3Bに跨るように貼付けられる。
【0061】
その後、図8に示すようにテープ支持台65が下降させられ、また、図9に示すように支持板63A,63Bが回動させられ待機位置へと切り替えられる。これにより、フィルムの接続が完了し、図9(b)に示すように、突き合わせ状態となっている両包装用フィルム3A,3Bの下面に跨るように接着テープTPが貼付けられた接続部位が、移送可能な状態とされる。従って、これ以降、別の包装用フィルム3Bが繰り出され、下流側への供給が可能となる。尚、当該包装用フィルム3Bが消費された場合には、上記同様、さらに別の包装用フィルムの始端が(前記包装用フィルム3Aが巻回支持されていた場所にて)繰り出されて、同様の接続作業が実行される。
【0062】
以上詳述したように、本実施形態によれば、下流側へと供給されるロール状に巻回された包装用フィルム3Aが消費された場合に、当該フィルム3Aの終端と、別のロール状に巻回された帯状の包装用フィルム3Bの始端とが「突き合わされた状態」で、両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPが貼付けられる。このように両包装用フィルム3A,3Bの端縁同士が重なり合うことなく突き合わされた状態で接続されることから、接続部位の厚みが極端に増大してしまうことがなくて済む。そのため、本実施形態のように、錠剤投入装置16の下端と包装用フィルム3Aの非ポケット部(一般面)との距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと接着テープTPの厚みTTとの和(FT+TT)よりも短く設定されているような場合であっても、両包装用フィルム3A,3Bの接続部位が錠剤投入装置16を通過する際に引っかかってしまうという懸念を払拭することができる。
【0063】
また、本実施形態では、前記接着テープTPの接続部位においてもプラグ14が突き上げられ、ポケット部2が形成される構成となっている。このような構成下、本実施形態では、両包装用フィルム3A,3Bの接続に際し、例えば図7に示すように、ポケット部2の形成される一方の面(図の上面)において支持板63A,63Bにて支持された状態で、当該一方の面とは反対側の面(図の下面)において両フィルム3A,3Bに跨るように接着テープTPがテープ支持台65の押しつけによって貼付けられる。このため、ポケット部2の内側(後に形成されるポケット部2の膨出する側とは反対側)から接着テープTPが貼付けられることとなる。従って、図12に示すように、前記接続部位においてプラグ14が突き上げられてポケット部2が一方へ膨出して形成される場合に、たとえ両フィルム3A,3Bの突き合わせ部分が開いてしまったとしても、プラグ14の先端面が接着テープTPの接着面に接触してしまうことがない。そのため、プラグ14の先端面に接着テープTPの接着剤が付着してしまうことに起因する悪影響、すなわち、接着剤が、後に形成される正規のポケット部2内での異物となってしまうといった事態を回避することができる。
【0064】
さらに、本実施形態では、両包装用フィルム3A,3Bをその重なり合った部位にてカッター56によって切断することで、包装用フィルム3Aの終端と、別の包装用フィルム3Bの始端とを突き合わせた状態とすることができる。このため、両フィルムを突き合わせ状態とするべく、精密に位置合わせを行い得る位置調整手段等を別途用いずとも済み、装置の複雑化、大型化を防止することができる。
【0065】
また、本実施形態では、カッター56が設けられている側(包装用フィルム3A,3Bの上側)とは反対側(包装用フィルム3A,3Bの下側)から接着テープTPを貼付けることとしているため、フィルム接続装置51に関してより一層のコンパクト化を図ることができる。
【0066】
併せて、カッター56にて切断される際には、包装用フィルム3A,3Bが、受け板54A,54B(のゴム部材55A,55B)及び支持板63A,63B(のゴム部材64A,64B)によって挟持される。このため、切断に際して包装用フィルム3A,3Bの位置ずれ等が起こりにくく、より正確な切断を実現することができる。
【0067】
さらに、メンテナンスが比較的困難な固定板52A,52Bよりも下方位置においては、カッター56による切断によって発生した端材99が、包装用フィルム3A,3Bから強制的に離間させられる。これにより、端材99が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうという事態の防止が図られる。また、清掃等のメンテナンス作業の簡素化をも図ることができる。
【0068】
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0069】
(a)上記実施形態では、ポケット部形成手段13において、いわゆるプラグ成形を採用し、ポケット部2を形成することとしているが、ポケット部2の形成手法としては必ずしもプラグ成形に限られるものではなく、例えば、プラグアシスト圧空成形法等、少なくともプラグを用いた各種の成形法を採用することができる。
【0070】
(b)上記実施形態では、2つの包装用フィルム3A,3Bを備えている場合について具体化しているが、3つ以上の包装用フィルムを備える構成としてもよい。
【0071】
(c)上記実施形態では、ポケット部2が図の上側に膨出形成される場合において、包装用フィルム3A,3Bの少なくとも上面を支持した状態で、包装用フィルム3A,3Bの下側から接着テープTPを貼付ける構成を採用している。これに対し、その上下関係を逆にしてもよい。例えば、ポケット部2が図の下側に膨出形成される場合には、包装用フィルム3A,3Bの少なくとも下面を支持した状態で、包装用フィルム3A,3Bの上側から接着テープTPを貼付ける構成を採用してもよい。
【0072】
(d)上記実施形態では、カッター56にて切断される際には、包装用フィルム3A,3Bが、受け板54A,54B及び支持板63A,63Bによって挟持されることとしているが、少なくとも受け板54A,54Bで支持されていればよく、必ずしも挟持されていなくてもよい。
【0073】
(e)また、上記実施形態におけるゴム部材55A,55B,64A,64Bを適宜省略することとしてもよいし、ゴムに代えて樹脂材料(例えば熱可塑性エラストマー等の軟質樹脂材料等)を採用することとしてもよい。
【0074】
(f)カッター56の切断による端材99の発生が一方の側であること、つまり、両包装用フィルム3A,3Bの重ね合わせの上下関係が一定であることが確実であれば、他方の側の吸引手段や端材収容箱61A,61B等を省略することとしてもよい。
【0075】
(g)上記実施形態においては、支持板63A,63Bに吸着された端材については特に言及していないが、下側と同様に端材収容箱(図示略)を設けることとしてもよいし、ロール状の包装用フィルムを新たに設置するのに併せて人手により除去することとしてもよい。
【0076】
(h)両包装用フィルム3A,3Bを正確に突き合わせ状態で位置決めできるのであれば、カッタ56による切断工程を省略することとしてもよい。
【0077】
(i)上記実施形態では、テープ支持台65を上昇させることで接着テープTPを貼付けることとしているが、他の手法で貼付けることとしてもよい。例えば、接着テープTPの両端をチャック等で掴んで貼付けるよう構成することも可能である。
【0078】
(j)上記実施形態では、錠剤投入装置16の下端と包装用フィルム3Aの非ポケット部(一般面)との距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと接着テープTPの厚みTTとの和(FT+TT)よりも短く設定されているが、必ずしもそのような構成となっていなくてもよく、前記距離CLが、包装用フィルム3Aの厚みFTと後記する接着テープTPの厚みTTとの和(FT+TT)よりも長くてもよい。また、錠剤投入装置16は、シュートタイプでなくてもよく、例えば回転ドラム式の錠剤投入装置を用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】(a)はPTPシートを示す斜視図であり、(b)はPTPフィルムを示す斜視図である。
【図2】PTPシートを示す部分拡大断面図である。
【図3】PTP包装機の概略構成を説明するための模式図である。
【図4】フィルム接続装置を説明するための模式図である。
【図5】(a)はフィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図であり、(b)は(a)のα部分を示す拡大図である。
【図6】(a)はフィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図であり、(b)は(a)のα部分を示す拡大図である。
【図7】フィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図である。
【図8】フィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図である。
【図9】(a)はフィルム接続装置の動作の一態様を示す模式図であり、(b)は接着テープによるフィルム接続部分を模式的に示す(フィルム及び接着テープを実際よりも厚く記載している)拡大断面図である。
【図10】錠剤投入装置と包装用フィルムとの位置関係を説明する断面模式図である。
【図11】プラグによるポケット成形時における包装用フィルムを示す拡大断面図である。
【図12】プラグによるポケット成形時における両包装用フィルムの接続部分を示す拡大断面図である。
【図13】従来の不具合を説明するための拡大断面図である。
【符号の説明】
【0080】
1…PTPシート、2…ポケット部、3…容器フィルム、3A,3B…包装用フィルム、4…カバーフィルム、5…錠剤、10…PTPシートの製造装置としてのPTP包装機、12…加熱手段、13…ポケット部形成手段、14…プラグ、16…錠剤充填手段としての錠剤投入装置、18…シール手段を構成するフィルム受けロール、19…シール手段を構成する加熱ロール、24…切断・打抜き手段を構成するシート打抜装置、51…フィルム接続装置、54A,54B…フィルム受け手段として受け板、56…切断手段としてのカッター、61A,61B…端材収容手段としての端材収容箱、63A,63B…支持手段としての支持板、65…貼付手段を構成するテープ支持台、99…端材、TP…接着テープ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するためのPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給される前記容器フィルムの原料となるロール状に巻回された帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【請求項2】
一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するための装置に関し、
前記容器フィルムの原料となる帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することによって、前記ポケット部が前記一方へ膨出して形成されるよう構成されてなるPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給されるロール状に巻回された前記帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【請求項3】
前記両フィルムが重なり合った状態で、前記一方の面とは反対側の他方の面において、前記両フィルムを支持するフィルム受け手段と、
前記フィルム受け手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面から前記両フィルムをその重なり合った部位にて切断することで、前記フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態とし得る切断手段と
を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム接続装置。
【請求項4】
前記切断手段にて切断される際には、前記支持手段にて、前記両フィルムを前記一方の面においても支持するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のフィルム接続装置。
【請求項5】
前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうのを防止するべく、前記端材と帯状のフィルムとを強制的に離間させる端材離間手段を具備することを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルム接続装置。
【請求項6】
前記端材離間手段は、前記フィルム受け手段及び前記支持手段のうち少なくとも一方に設けられた吸引手段であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム接続装置。
【請求項7】
前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材を収容する端材収容手段を設けたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のフィルム接続装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置であって、
前記帯状のフィルムを加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により軟化状態にある前記帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することで前記一方へ膨出するようポケット部を形成するポケット部形成手段と、
前記ポケット部に錠剤を充填する錠剤充填手段と、
前記錠剤の充填されたポケット部を塞ぐように前記容器フィルムにカバーフィルムを取着するシール手段と、
前記カバーフィルムの取着されたPTPフィルムを、PTPシート単位に切断又は打抜く切断・打抜き手段とを具備することを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項10】
前記錠剤充填手段は、水平状態で搬送される帯状のフィルムのポケット部に対し錠剤を落下充填するものであり、当該錠剤充填手段と前記帯状のフィルムの非ポケット部との距離が、前記帯状のフィルムの厚みと前記接着テープの厚みとの和よりも短く設定されていることを特徴とする請求項9に記載のPTPシートの製造装置。
【請求項1】
一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するためのPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給される前記容器フィルムの原料となるロール状に巻回された帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【請求項2】
一方に膨出するポケット部を具備し、該ポケット部内部に錠剤が充填されてなる容器フィルムと、前記ポケット部を塞ぐように前記容器フィルムに取着されたカバーフィルムとからなるPTPシートを製造するための装置に関し、
前記容器フィルムの原料となる帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することによって、前記ポケット部が前記一方へ膨出して形成されるよう構成されてなるPTPシートの製造装置に用いられ、
下流側へと供給されるロール状に巻回された前記帯状のフィルムが消費された場合に、当該フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態で、両フィルムに跨るように接着テープを貼付けることで、両フィルムを接続するフィルム接続装置において、
前記両フィルムを、前記ポケット部が形成される前記一方の面において支持可能な支持手段と、
前記支持手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面とは反対側の面において前記両フィルムに跨るように前記接着テープを貼付ける貼付手段と
を具備することを特徴とするフィルム接続装置。
【請求項3】
前記両フィルムが重なり合った状態で、前記一方の面とは反対側の他方の面において、前記両フィルムを支持するフィルム受け手段と、
前記フィルム受け手段にて前記両フィルムが支持された状態で、前記一方の面から前記両フィルムをその重なり合った部位にて切断することで、前記フィルムの終端と、別のロール状に巻回された帯状のフィルムの始端とを突き合わせた状態とし得る切断手段と
を具備することを特徴とする請求項1又は2に記載のフィルム接続装置。
【請求項4】
前記切断手段にて切断される際には、前記支持手段にて、前記両フィルムを前記一方の面においても支持するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のフィルム接続装置。
【請求項5】
前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材が、帯状のフィルムと共に下流側へ供給されてしまうのを防止するべく、前記端材と帯状のフィルムとを強制的に離間させる端材離間手段を具備することを特徴とする請求項3又は4に記載のフィルム接続装置。
【請求項6】
前記端材離間手段は、前記フィルム受け手段及び前記支持手段のうち少なくとも一方に設けられた吸引手段であることを特徴とする請求項5に記載のフィルム接続装置。
【請求項7】
前記切断手段による切断によって発生したフィルムの端材を収容する端材収容手段を設けたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか1項に記載のフィルム接続装置。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のフィルム接続装置を具備してなるPTPシートの製造装置であって、
前記帯状のフィルムを加熱する加熱手段と、
前記加熱手段により軟化状態にある前記帯状のフィルムを、少なくともプラグで押圧することで前記一方へ膨出するようポケット部を形成するポケット部形成手段と、
前記ポケット部に錠剤を充填する錠剤充填手段と、
前記錠剤の充填されたポケット部を塞ぐように前記容器フィルムにカバーフィルムを取着するシール手段と、
前記カバーフィルムの取着されたPTPフィルムを、PTPシート単位に切断又は打抜く切断・打抜き手段とを具備することを特徴とするPTPシートの製造装置。
【請求項10】
前記錠剤充填手段は、水平状態で搬送される帯状のフィルムのポケット部に対し錠剤を落下充填するものであり、当該錠剤充填手段と前記帯状のフィルムの非ポケット部との距離が、前記帯状のフィルムの厚みと前記接着テープの厚みとの和よりも短く設定されていることを特徴とする請求項9に記載のPTPシートの製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−213947(P2008−213947A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49189(P2007−49189)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]