説明

フィーダーデバイスから放出される物品、特にシートフィーダーから放出されるシート物品を検知及びカウントするためのデバイス及び方法

フィーダーデバイスから放出される物品、特にシートフィーダーから放出されるシート物品を検知及びカウントするためのデバイス及び方法を記述する。本デバイスは:信号発生器(12)によって作動され、前記シート物品(3)の通過領域(9)において電磁場を発生させる電磁共振器(11);一枚以上重なり合うシート物品(3)の通過後に電磁場において誘発された擾乱を検知するための、電磁共振器(11)に接続されたセンサ(13);及び、通過領域(9)を時々通過するシート物品(3)の枚数を計算するための、センサ(13)に接続された制御ユニット(14)を備える。特に、電磁共振器(11)は凹型であり、その中には開口(7)が作られ、それによって前記凹み(8)を外部と連通させており;それによって、共振器(11)は、開口(7)が通過領域(9)に配置されるように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、束が包装された際に郵送されるための、例えば紙の文書や挿入物等の、シート物品の束の包装機械の技術分野に関する。特に、本発明は、前記包装機械に含まれるフィーダーデバイスによって放出されるシート物品を検知及びカウントするためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
上述のタイプの既知の包装機械は、所定の間隔で離間した成形ストライカによって、進行方向に生じる対応する物品の束を移動させるコンベヤ部材、コンベヤ部材の上流に配置され、対応する成形ストライカによって途中で捕獲されるための、ここではシート物品(即ち、雑誌、ひとまとまりの物等)をコンベヤ部材上に断続的に放出する第1のフィーダーデバイス、前進中に漸次束を形成するために、夫々のシート物品(例えば、紙の挿入物等としてのシート物品)を適切な位相関係でコンベヤ部材上に放出する、コンベヤ部材の進行に沿ってカスケード状に配置される複数のフィーダーデバイス、及び、例えばその束を包装材に導入したりプラスチック又は紙のフィルムやシートで巻装したりするために、このように形成された束を夫々包装するための、コンベヤ部材の下流に配置されたステーションを備える。
【0003】
普及した構造構成によれば、フィーダーデバイスは、前記コンベヤ部材と繋がる出力区域に向かって把持されたシート物品を引きずるための、二つの能動対向ブランチとして、下ブランチ及び上ブランチを提供するよう互いに配置された二つのエンドレスベルトコンベヤを備え、特に、上コンベヤは、残りの駆動ギヤの大きさよりもかなり大きなドラムによって画定された被駆動ギヤ、被駆動ギヤ及び緩衝(スナバ)プーリーを有し、且つ、公知の方法に従って、フィーダーのフレームに一体となった、その上に配置された束の最下部からここでは物品の一つを取り出し、且つ、前記ドラムの下側プロファイル(外形)の区域の回りに部分的に延出する2つの対向ブランチが前記物品を把持するまでその物品を引きずるための吸引手段を備える。
【0004】
かかるフィーダーデバイスは、ドラムと接触している、上記対向ブランチの決まった下部と相互作用する手段を伴い、それらの手段は、0枚、1枚、又は2枚以上重なり合うシート物品の通過を検知するためであり、それら手段の制御機能は、1枚のシート物品の代わりに、シート物品が通過しない又は2枚又はそれ以上の重なり合うシート物品が通過する場合にエラー信号を発生することを目的とする。通例、それらの制御手段は、1枚又はそれ以上のシート物品の通過後に、前記ベルト部が受ける変化(シフト)に比例して、それ自体の1本の検知アームの回転を引き起こすための、下コンベヤの前記ベルト部と相互作用する機械的増幅器、前記アームに関係する領域に対して垂直な方向を観測して前記アームに干渉する近接センサを備える。機械的増幅器は、例えば、フィーダーデバイスのフレーム上に回転自在に保持されたシャフトであることが出来、このシャフトは、片側が横方向検知アームで制限され、他方側が、下コンベヤの前記ベルト部上を転がる、小アームとフレームとの間に置かれた弾性手段によってベルト部に接触しているアイドルローラ(いわゆる“フィーラー”)を反対側に備える前記小アームで制限されている。従って、ローラによって途中で捕獲されるベルト部上のシート物品の通過に続き、検知アームは、通過する物品の厚みが大きくなるのと同程度に著しい偏位を実行しながら、安定休止位置から第1の角度位置まで一時的な回転を実行し、通過し終えたら、検知アームは元の安定バランス位置に戻る。
【0005】
この近接センサは、シート物品が通過する時のみ、最小所定時間、光ビームを中断するために、検知アームが第1の角度位置に安定している時、センサの光学ビームが検知アームを観測するように配置される。例えばフィーダーデバイスと関連するローカルコンピュータユニットは、近接センサによって供給される信号を受信し、例えば、このコンピュータユニットは、もし、シート物品がフィーダーの出力に必要とされる場合に、決められた時間における1枚のシート物品の通過を示す、近接センサによって発生される相対信号が連絡しないならば、生産の停止が続く、エラー状態を定義することが出来る。類似の解決法が、たとえ多くの欠点を示していても、この分野において大いに普及しており、関連する厚み(従って、例えば60マイクロメーターより大きい)のシート物品が、実のところ、機械的増幅器に対する著しい機械的ストレスを決定し、フィーダーの動作速度の上限ひいてはフィーダーが一体化された包装機械の生産性を決定し、更に、そのような上限は、対向するブランチ同士間における2枚又はそれ以上の重なり合うシート物品の望ましくない通過によって引き起こされるストレスの“ピーク”に前記増幅器が耐え得るように更に低くされなければならない。対向するブランチ同士間を通過する物品の厚みの変化は検知アームの異なる角度偏位に一致するので、光ビームを発するセンサの位置もまたフィーダーデバイスに装填された物品のフォーマット変更が要求される度に調節されなければならず、明らかに、この操作は、益々高まる生産性への差し迫った要求に比較して、専門職員、多数の技術試験、適当なデバイス及び大幅な時間を必要とする。更に、必要調節回数は、コンベヤ部材に関連するフィーダーデバイスの総数に従って増加し(明白なコスト的理由から、コンベヤ毎に一人のオペレータと必要な装置を配することは不可能である)、従って包装機械はより複雑になるため耐えることが出来なくなる。
【0006】
一般的に、フィーダーデバイスによって放出されるシート物品を検知及びカウントするためのデバイスは、エラーを検知することを課され、また、適切に機能するために包装機械の生産性に大幅な制限を定めるので、不利であると言える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、公知の解決策に特有の上述の欠点を申し分なく解決することが出来る、フィーダーデバイスから断続的に放出されるシート物品を検知及びカウントするデバイスを提供することであり、従って、信頼でき、正確で、機能的且つコンパクトで、公知のタイプのフィーダーデバイス内に容易に一体化されることも出来、且つそのコストは、求められるべき利益に対して比較的に削減された、新たに設計されたデバイスを提供することである。
【0008】
本発明のその他の目的は、公知の解決策に特有の上述の欠点を申し分なく解決することが出来る、フィーダーデバイスから断続的に放出されるシート物品を検知及びカウントする方法を提供することであり、従って、フィーダーデバイスから放出されるシート物品を確実かつ正確に検知及びカウントすることが出来、且つその実施コストは、求められるべき利益に対して比較的に削減された、必須数の動作ステップによって特徴付けられた、新たに設計された方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、それぞれ請求項1及び7によるデバイス及び方法によって達成される。
【0010】
フィーダーデバイスによって放出されるシート物品、特にシートフィーダーによって放出されるシート物品を検知及びカウントするデバイスは、当該デバイスが、信号発生器によって供給される第1の信号によって作動され、前記シート物品の通過領域に電磁場を発生する電磁共振器、1枚のシート物品の通過又は複数の重なり合うシート物品の通過に続いて前記電磁場において誘発された擾乱を確認する第2の信号を検知するための前記電磁共振器の出力に接続されたセンサ、及び、前記通過領域を時々通過する前記シート物品の数を計算するために前記センサに接続された制御ユニットを備えることを特徴とする。
【0011】
従属クレームでは、電磁共振器は凹型の共振器であり、この凹みを外部と連通させている開口が作られること、及び、前記電磁共振器は前記開口が前記シート物品の前記通過領域に配置されることは明確である。
【0012】
フィーダーデバイスによって放出されるシート物品、特にシートフィーダーによって放出されるシート物品を検知及びカウントする方法は、以下の動作ステップ、前記フィーダーデバイスによって断続的にシート物品を放出するステップ、このように放出された前記シート物品を所定の電磁場が働く通過領域を横断して搬送するステップ、前記1枚のシート物品の通過後又は複数の前記重なり合うシート物品の通過後、前記電磁場に誘発された擾乱を検知するステップ、先行するステップにおいて実行された測定に従って前記通過領域を時々横断して通過する前記シート物品の数を計算するステップ、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
先行する記述から明らかでない発明の特徴は、請求項によって、また添付の図面によって、以下においてより明らかになるだろう。
【0014】
【図1】シート物品を検知及びカウントする発明のデバイスが一体化された、公知のタイプのフィーダーデバイスの側面概略図を示す。
【図2】図1の検知及びカウントするデバイスの機能図を示す。
【図3A】図1に示される凹型電磁共振器を示す。
【図3B】図3Aの変形を示す。
【図4A】電磁共振器によって発せられる信号の周波数に従う振幅の説明的グラフを示し、当グラフは、#0、#1、#2(夫々、シート物品が通過しない、1枚のシート物品が通過、2枚の重なり合うシート物品が通過)によって示される3つの機能構成に関連する3本の曲線を示す。
【図4B】電磁共振器によって発せられる信号の周波数に従う位相変位の説明的グラフを示し、当グラフは、#0、#1、#2(夫々、シート物品が通過しない、1枚のシート物品が通過、2枚の重なり合うシート物品が通過)によって示される3つの重要な機能構成に関連する3本の曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1では、シート物品を検知及びカウントする本発明のデバイス100が一体化された、概ね上述のタイプの、公知のタイプのフィーダーデバイスが完全なかたちで参照番号10によって示される。
【0016】
図示のフィーダーデバイス10は、包装機械(発明に関連がないため図示せず)の前記コンベヤ部材(図示せず)と繋がる出力区域Uに向かって把持したシート物品を引き摺るための、二つの能動対向ブランチとして、下ブランチ21及び上ブランチ22を提供するように互いに配置された二つのエンドレスベルトコンベヤ1、2を備え、特に、上コンベヤ1は、残りの駆動ギヤの大きさよりもかなり大きなドラム4によって画定された被駆動ギヤ、被駆動ギヤ、及び緩衝プーリーを有し、且つ、例えば、公知の方法に従ってフィーダー10のフレーム6に一体化され、上に配置された束5の最下部からここでは物品3の一つを取り出すため、且つ、前記ドラム4の下側プロファイルの区域の回りに部分的に延出する2つの対向ブランチ21、22が当該物体を把持するまで当該物体を引きずるための把持手段(図示せず)を備える。
【0017】
本発明の検知及びカウントするデバイス100は、束5から放出され、以下においてより良く記述されるだろう方法に従って出力区域Uに向かって移動される各シート物体が流れる通路の一部分に機能的に配置され、図1に示される例では、デバイス100はフレーム6に固定され、2つのベルトコンベヤ1、2の対向ブランチ21,22の上流に配置される。
【0018】
検知及びカウントするデバイス100は、凹型の電磁共振器11を備え、電磁共振器11には、外部と連通する前記凹み8を形成する開口7が作成され、電磁共振器11は、対向ブランチ21、22の直ぐ上流に配置され、且つフィーダー10の出力区域Uに向かって搬送されるシート物体3が通過することになっている領域9に開口7が配置されるように位置決めされる。しかしながら、一般に、電磁共振器11は、束5から放出され、フィーダー10の出力区域Uに向かって搬送されるシート物体3が流れる通路のどの部分にも配置されることが出来、特定の例として、共振器11は、出力区域Uと包装機械のコンベヤ部材との間、即ち、フィーダー10の外部に機能的に設置されることが出来る。
【0019】
本発明のデバイス100は、通過領域9と一致する凹み8及び開口7における電磁場を画定する信号S1を電磁共振器11に供給する信号発生器12、1枚のシート物体3又は複数の重なり合うシート物体3の通過領域9における通過に続いて電磁場に誘発された擾乱を確認する信号S2を検知する、前記電磁共振器11の出力に接続されたセンサ13、センサ13によって供給されたアナログ信号をデジタル形式に変換するためのアナログデジタル変換器15、及び、検知及びカウントするデバイス100の機能の全体を制御し、その他の図示しない外部ユニット、例えばオペレータ用の制御パネル及び/又は包装機械の電気機械機器に接続される、信号発生器12及びアナログデジタル変換器15に接続された制御ユニット14も備える。
【0020】
信号発生器12は、例えば、発振電子回路及び/又は数値制御回路DDS(直接デジタルシンセサイザー)を備え、電磁共振器11の入力に1MHzから100GHzの間の周波数を有する高周波信号S1を供給する。
【0021】
例として、センサ13は、代わりに、電磁共振器11によって受信される高周波信号S2を、振幅(電力)及びその信号S2の位相に従ってそれらの値が変化する直流電流(DC)の2つの信号に変換する検知器デバイスとする。
【0022】
添付の図面では、凹型電磁共振器11の多様な例示的実施形態を示し、図1、図3Bでは、電磁共振器11は長手方向に延出し、矩形の横断面を有し、開口7は、前記共振器11を2つの別個の対向部16、17に分割する略縦方向の進行方向に従って作られ、図3Aは、前記共振器11を2つの別個の対向部16、17に分割する略縦方向の進行方向に従って作られる開口7によって同様に特徴付けられる、円筒形状を有する電磁共振器11のその他の例を示し、図2の略図では、電磁共振器11は図1、図3Bに示されるものと似ているが、所定の深さの開口7を有する独特な本体を有する点で異なる。電磁共振器11の凹み8は、例えば空気又はテフロン(登録商標)が関与してもよい。
【0023】
本発明の検知及びカウントするデバイス100の機能は、上述したように凹型電磁共振器11の適切な配置のおかげでシート物体3の通過領域9と一致する開口7において働く電磁場の擾乱を検知することに基づく。電磁場のそのような擾乱は、通過領域9を横断する1枚のシート物体3の通過又はフィーダー10の束5の最下部から誤って引き抜かれた2枚以上の重なり合うシート物体3の通過によって引き起こされる。
【0024】
従って、開口7は、1枚又はそれ以上の重なり合うシート物体3の通過を可能にし、且つ前記シート物体3の通過を検知するために所定の電磁場を画定するように形成され、大きさが決定される。
【0025】
本発明の検知及びカウントするデバイス100の機能は、本発明の目的でもある、フィーダーデバイス10によって断続的に放出されるシート物品を検知及びカウントする方法についての以下の記述から概して由来し、その方法は以下の動作ステップからなる。
a.フィーダーデバイス10の束5からシート物品3を断続的に放出するステップ、
b.信号発生器12によって画定された所定の電磁場が働く通過領域9を横断してシート物品3を搬送するステップ、
c.前記1枚のシート物品3の通過後又は複数の重なり合うシート物品3の通過後に電磁場において誘発された擾乱を検知するステップ、
d.先のステップにおいて実行された測定に従って通過領域9を横断して時々通過するシート物品3の数を計算するステップ。
【0026】
以下では、本発明の目的である、検知及びカウントするデバイス100の考え得る機能方法のうち一つをより詳細に記述する。
【0027】
図4Aは、電磁共振器11の入力に予め決められた振幅及び位相の信号S1が印加される時の周波数に従う信号S2の振幅変化の説明的グラフを示し、本グラフは、通過領域9において、シート物品3が通過しない(曲線#0)、シート物品が1枚だけ通過する(曲線#1)又は2枚の重なり合うシート物品が通過する(曲線#2)場合における、電磁共振器11の異なる挙動を表す#0、#1、#2によって示される3本の曲線を示す。注目されるように、3本の曲線は、対応する基準曲線を中心とする周波数で共鳴する(共鳴周波数)、電磁共振器に特有の鐘状に走る。
【0028】
図4Bも同様に考察出来る。図4Bは、電磁共振器11の入力に予め決められた振幅及び位相の信号S1が印加される時の周波数に従う信号S2の位相変化の説明的グラフを示し、本グラフは、通過領域9において、シート物品3が通過しない(曲線#0)、シート物品が1枚だけ通過する(曲線#1)又は2枚の重なり合うシート物品が通過する(曲線#2)場合における、電磁共振器11の異なる挙動を表す#0、#1、#2によって示される3本の曲線を示す。
【0029】
は、“負荷の無い”電磁共振器(シート物品なし、曲線#0)の共鳴周波数を示し、Qが通過領域9において通過するシート物品3が1枚もない時の電磁共振器11のメリット係数である、実践では、好ましくはF−5/QとF+5/Qの間の信号S1の周波数Fを選択することを提案する。
【0030】
図4A,4Bに示されるグラフは、A(F)、P(F)を夫々通過領域9においてシート物品3が1枚もない時の信号S2の振幅及び位相として、A(F)、P(F)を夫々通過領域9においてシート物品3が1枚だけある時の信号S2の振幅及び位相として、A(F)、P(F)を夫々通過領域9においてシート物品3が2枚ある時の信号S2の振幅及び位相として定義する。
【0031】
1枚だけシート物品3が通過領域9を通過する時の信号S2が受ける減衰及び位相変位を
ΔA(F)=|A(F)−A(F)|
ΔP(F)=|P(F)−P(F)|
として、また、2枚の重なり合うシート物品3が通過領域9を通過する時の信号S2が受ける減衰及び位相変位を
ΔA(F)=|A(F)−A(F)|
ΔP(F)=|P(F)−P(F)|
として定義することが出来る。
【0032】
概括的に言えば、信号S2が受ける減衰及び位相変位は、代わりに、
ΔA(F)=|A(F)−A(F)|
ΔP(F)=|P(F)−P(F)|
として定義でき、A(F)、P(F)は、夫々通過領域9における0、1、2又はそれ以上の重なり合うシート物品3の通過後の周波数FSで検知される信号S2の振幅及び位相変位である。
【0033】
通過領域9を夫々1枚のシート物品3又は2枚の重なり合うシート物品3が通過する場合に信号S2が受ける減衰ΔA(F)、ΔA(F)が既知であると、TA<TAである適当な閾値TA、TAを与え、
―もしΔA(F)が下限閾値TAよりも大きく上限閾値TAよりも小さい場合、通過領域9には1枚のシート物品3が存在し、
―もしΔA(F)が下限閾値TAよりも小さい場合、通過領域9にはシート物品3が存在せず、
―もしΔA(F)が上限閾値TAよりも大きい場合、通過領域9には少なくとも2枚の重なり合うシート物品3が存在し、それによって束5の最下部からのシート物品3の引き抜きエラーが検知可能であるようにすることが出来る。
【0034】
同様に、通過領域9を夫々1枚のシート物品3又は2枚の重なり合うシート物品3が通過する場合に信号S2が受ける位相変位ΔP(F)、ΔP(F)が既知であると、TP<TPである適当な閾値TP、TPを与え、
―もしΔP(F)が下限閾値TPよりも大きく上限閾値TPよりも小さい場合、通過領域9には1枚のシート物品3が存在し、
―もしΔP(F)が下限閾値TPよりも小さい場合、通過領域9にはシート物品3が存在せず、
―もしΔP(F)が上限閾値TPよりも大きい場合、通過領域9には少なくとも2枚の重なり合うシート物品3が存在し、それによって束5の最下部からのシート物品3の引き抜きエラーが検知可能であるようにすることが出来る。
【0035】
全ての上述した計算動作は、アナログデジタル変換器15(或いは、これは、前記制御ユニット14に一体化されることが出来る)を介して検知器デバイス13によって供給されるデータに従って、制御ユニット14によって実行されることが出来る。
【0036】
先行の記述から、通過領域9を横断して通過するシート物品3を検知及びカウントするためには、信号S2の減衰及び位相変位へ夫々戻ることが可能な、信号S2の振幅又は位相検知だけを考慮することで十分であることは明らかである。或いは、このように、検知器デバイス13は、信号S2の振幅又は位相に従ってその値が変化する、直流電流(DC)で発せられる信号のみを供給するように選択されることが出来る。
【0037】
通過領域9を横断して通過するシート物品3の数をカウントすることを可能にする上述の動作を実行するためには、シート物品3が通過しない(値A(F)、P(F))、1枚だけシート物品3が通過する(値A(F)、P(F))及び2枚の重なり合うシート物品3(値A(F)、P(F))の場合に、自由に予備選択された周波数Fでの信号S2の振幅及び/又は位相の予備測定を行うことが必要とされ;次に、これらの値を知ることによって、振幅TA、TA及び周波数TP、TPの上述の閾値を定義することが可能になる。
【0038】
実際面では、制御ユニット14は、通過領域9をシート物品3が通過しない時、一回だけ予備選択された周波数Fでの信号S2の振幅及び位相の測定を実行し、値A(F)、P(F)を記憶することが出来、シート物品3のフォーマット変更の際には、例えば、制御パネル(図示せず)を介して、オペレータが制御ユニット14にて新しいフォーマットに従うシート物品3が束5から放出される間の捕捉予備段階の流れを制御し、制御ユニット14自体が新たな値A(F)、P(F)を記憶出来るようにする。シート物品3の材質及び/又は寸法及び/又は厚みが変化する前記シート物品3のフォーマット変更の際には、図4A、4Bのグラフにおいて#1によって示される曲線は、より顕著な変化を受ける可能性があることは明確にされるべきであり、そのことはシート物品3をカウントするために考慮されなければならない。
【0039】
あらゆるタイプのシート物品3に関連する値A(F)、P(F)は、結果的に、制御ユニット14の記憶装置に予め組み込まれることが可能であり、或いは、始動捕捉段階を実行することによってフォーマット変更の際に時ある毎に記憶されることが出来、そのような場合、制御パネルからオペレータは、利用可能なフォーマットのリストによって新たに予備選択されたフォーマットを選択することが出来、或いは、前記捕捉段階を制御することが出来る。
【0040】
これは、きわめて有利である、というのは、例えば上述の制御パネルとしての、制御ユニット14に接続された標準的なユーザインターフェースを介して、制御ユニット14によって行われる必須な制御によって実行されることが出来るシート物品3のフォーマット変更動作を非常に容易で迅速なものにするからであり、従って、検知及びカウントするデバイス100の機械部を調節するための熟練者による手動の介入は必要とされない。
【0041】
値A(F)、P(F)は、新たなフォーマットに従う2枚の重なり合うシート物品3が通過する場合の更なる捕捉段階によって、又は、既に捕捉した値A(F)、P(F)に基づく計算アルゴリズムによって決定されることが出来る。しかしながら、これらの値A(F)、P(F)は、振幅TA、TA及び位相TP、TPの閾値を決定するのに不可欠ではないことは明確であるべきである。
【0042】
概括的に言えば、制御ユニット14は、シート物品3を検知及びカウントするためにデバイス100の異なる機能方法を提供し、そこで、F−5/QとF+5/Qとの間の周波数の換算値を表す信号S2の複数の振幅値及び/又は位相値を検知することに基づくより複雑な計算アルゴリズムを実行することも出来る。
【0043】
請求項によれば、最終的には、本発明を実現するために、デバイス100において、凹型の電磁共振器とは異なる電磁共振器を使用することが出来ることは明確にされるべきであり、それら共振器は添付の図面に示される。
【0044】
本発明は、公知のデバイスに特有の序文で嘆かれた全ての欠点を素晴らしく解決しながら、初めに述べた目的を満足するフィーダーデバイスによって断続的に放出されるシート物品を検知及びカウントするためのデバイスを定義し、従って、公知のタイプのフィーダーデバイス内に容易に一体化することも出来、且つそのコストは達成される利益に対して比較的削減される、信頼性のある、正確で、コンパクトで、汎用的なデバイスが定義されている点で有利である。
【0045】
従って、このように定義された検知及びカウントするデバイスは、シートフィーダー10が正確に機能していることを常に監視する機能を有し、フィーダー10の束5から多く重なり合うシート物品3が誤って放出された場合に、そのようなデバイス100が誤った状態を検知する。限定はしない例として、制御ユニット14により処理されたそのような誤った状態の後には、包装機械の中央処理装置への対応するエラー信号伝達、制御パネル上でのエラー信号伝達及び/又は音響信号の放出が続くことが出来る。
【0046】
本発明は、公知のデバイスに特有の序文で嘆かれた全ての欠点を素晴らしく解決しながら、最初に述べた目的を満足するフィーダーデバイスによって断続的に放出されるシート物品を検知及びカウントするための方法を定義し、従って、フィーダーデバイスによって放出されたシート物品を正確かつ確実に検知及びカウントすることを可能にし、その実施コストは達成される利益に対して比較的削減される、必須数の動作ステップによって特徴付けられた、新たに設計された方法が定義されている点で更に有利である。
【0047】
先行する記述は、単に例示であり制限するものではないことが意図されており、従って、考え得る実際に適用可能な変更は、以下の請求項によって定義されるように、本発明の保護範囲に含まれることが意図されている。
【符号の説明】
【0048】
1 エンドレスベルトコンベヤ
2 エンドレスベルトコンベヤ
3 シート物品
4 ドラム
5 束
6 フレーム
7 開口
8 凹み
9 通過領域
10 フィーダーデバイス
11 電磁共振器
12 信号発生器
13 センサ
14 制御ユニット
15 アナログデジタル変換器
16、17 対向部
21、22 対向ブランチ
100 デバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーダーデバイスによって放出されるシート物品、特にシートフィーダーによって放出されるシート物品を検知及びカウントするデバイスであり、当該デバイスは、信号発生器(12)によって供給される信号(S1)によって作動され、前記シート物品(3)の通過領域(9)に電磁場を発生する電磁共振器(11)、1枚のシート物品(3)の通過又は複数の重なり合うシート物品(3)の通過に続いて前記電磁場において誘発された擾乱を確認する信号(S2)を検知するための前記電磁共振器(11)の出力に接続されたセンサ(13)、及び、前記通過領域(9)を時々通過する前記シート物品(3)の数を計算するための前記センサ(13)に接続された制御ユニット(14)からなることを特徴とするデバイス。
【請求項2】
電磁共振器(11)は凹型の共振器であり、当該共振器において開口(7)が作られ、それによって前記凹み(8)を外部と連通させていること、及び、前記電磁共振器(11)は、前記開口(7)が前記シート物品(3)の前記通過領域(9)に配置されるように配置されることを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記開口(7)は、前記凹型共振器(11)を2つの別個の対向部(16、17)に分割することを特徴とする請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記センサ(13)は、前記電磁共振器(11)の出力に提供される前記信号(S2)の振幅又は電力を検知するための検知器であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記センサ(13)は、前記電磁共振器(11)の出力に提供される前記信号(S2)の位相を検知するための検知器であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記信号発生器は、電磁共振器(11)の入力に1MHzから100GHzの間の周波数を有する前記一つの信号(S1)を供給することを特徴とする請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
フィーダーデバイスによって放出されるシート物品、特にシートフィーダーによって放出されるシート物品を検知及びカウントする方法であって、当該方法は以下の動作ステップ、
a.前記フィーダーデバイス(10)によってシート物品(3)を放出するステップ、
b.このように放出された前記シート物品(3)を所定の電磁場が働く通過領域(9)を横断して搬送するステップ、
c.前記1枚のシート物品(3)の通過後又は複数の前記重なり合うシート物品(3)の通過後に前記電磁場に誘発された擾乱を検知するステップ、
d.先のステップにおいて実行された測定に従って前記通過領域(9)を時々に横断して通過する前記シート物品(3)の数を計算するステップ、
を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【公表番号】特表2010−523440(P2010−523440A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502605(P2010−502605)
【出願日】平成20年4月14日(2008.4.14)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000895
【国際公開番号】WO2008/125959
【国際公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【出願人】(508215094)シー.エム.シー.,エス.アール.エル. (2)
【Fターム(参考)】