フィールドネットワークシステム
【課題】 ファンクションブロックの二重化が可能なフィールドネットワークシステムを実現する。
【解決手段】 フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、ファンクションブロックと、正常動作時には第1の入力端子に印加された入力を出力端子を介してファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には第2の入力端子に印加された入力を補正演算して出力端子を介してファンクションブロックに供給する入力二重化機能と、正常動作時には入力端子に印加されたファンクションブロックの出力を第1の出力端子から後段のメインのファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には入力端子に印加されたファンクションブロックの出力を補正演算して第2の出力端子から後段のサブのファンクションブロックに供給する出力二重化機能とを設ける。
【解決手段】 フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、ファンクションブロックと、正常動作時には第1の入力端子に印加された入力を出力端子を介してファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には第2の入力端子に印加された入力を補正演算して出力端子を介してファンクションブロックに供給する入力二重化機能と、正常動作時には入力端子に印加されたファンクションブロックの出力を第1の出力端子から後段のメインのファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には入力端子に印加されたファンクションブロックの出力を補正演算して第2の出力端子から後段のサブのファンクションブロックに供給する出力二重化機能とを設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムに関し、特にファンクションブロックの二重化が可能なフィールドネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開平05−076077号公報
【特許文献2】特開平10−177401号公報
【特許文献3】特開平10−177410号公報
【特許文献4】特開平11−127179号公報
【特許文献5】特開2003−195903号公報
【0004】
図8は従来のフィールド機器をモデル化したファンクションブロックの一例を示す構成ブロック図である。図8において1は入力端子、2は入力端子に入力されたデータの演算を行う演算機能、3は出力端子、4はファンクションブロックに標準パラメータ、或いは、固有のパラメータである。また、1,2,3及び4はフィールド機器をモデル化したファンクションブロック50を構成している。
【0005】
入力端子1は演算機能2の入力に接続され、演算機能2の出力は出力端子3に接続される。また、パラメータ4は演算機能2に相互に接続される。
【0006】
演算機能2は、前段のファンクションブロックから入力端子1に入力されたデータをパラメータ4に基づき適宜演算処理すると共に、出力端子3から後段のファンクションブロックに対して出力する。
【0007】
図9はこのような複数のファンクションブロックを接続して構築したPID(Proportional Integral Differential)制御を行うフィールドネットワークシステムの一例を示す構成ブロック図である。ちなみに、ネットワークとしては”FOUNDATION Fieldbus(登録商標)”を用いる。図9中”AI”はアナログ入力機能、図9中”PID”はPID制御機能、図9中”AO”はアナログ出力機能である。
【0008】
図9中”AI”に示すアナログ入力機能の出力端子は図9中”PID”に示すPID制御機能の一方の入力端子に接続され、図9中”PID”に示すPID制御機能の出力端子は図9中”AO”に示すアナログ出力機能の入力端子に接続される。
【0009】
また、図9中”AO”に示すアナログ出力機能の出力端子は図9中”PID”に示すPID制御機能の他方の入力端子に接続される。
【0010】
さらに、図10は図9に示すフィールドネットワークシステムをより具体的に説明する説明図である。図10中”AI”に示すアナログ入力機能は、図10中”IN01”、”FN01”、”OT01”及び”PR01”にそれぞれ示す入力端子、演算機能、出力端子及びパラメータから構成される。
【0011】
同様に、図10中”PID”に示すPID制御機能は、図10中”IN02”、”IN03”、”FN02”、”OT02”及び”PR02”にそれぞれ示す2つの入力端子、演算機能、出力端子及びパラメータから構成され、図10中”AO”に示すアナログ出力機能は、図10中”IN04”、”FN03”、”OT03”及び”PR03”にそれぞれ示す入力端子、演算機能、出力端子及びパラメータから構成される。
【0012】
図10中”OT01”に示す”AI”の出力端子は図10中”IN02”に示す”PID”の入力端子に接続され、図10中”OT02”に示す”PID”の出力端子は図10中”IN04”に示す”AO”の入力端子に接続される。そして、図10中”OT03”に示す”AO”の出力端子は図10中”IN03”に示す”PID”の入力端子に接続される。
【0013】
ここで、図9(図10)に示すフィールドネットワークシステムの動作を説明する。図9中”AI”に示すアナログ入力機能で取り込まれたアナログ信号は出力として図9中”PID”に示すPID制御機能に供給され、一方、図9中”AO”に示すアナログ出力機能からの出力であるアナログ信号もまた図9中”PID”に示すPID制御機能に供給される。
【0014】
そして、図9中”PID”に示すPID制御機能は、図9中”AI”に示すアナログ入力機能からのアナログ信号及び図9中”AO”に示すアナログ出力機能からのアナログ信号に基づきPID演算を行い、演算結果を図9中”AO”に示すアナログ出力機能に供給する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、図9等に示す従来例では、フィールドネットワークシステムの構築時に各ファンクションブロック(フィールド機器)間の接続先を確定する必要性があり、フィールドネットワークシステム構築後に動的に接続先を変更することは困難であると言った問題点があった。
【0016】
言い換えれば、特定の機能を二重化して必要に応じて(動的に)接続先を切り換えることが困難であると言った問題点があった。このため、従来ではケーブルを含むハードウェアをまるごと二重化することにより、冗長化を実現している。
【0017】
また、ネットワークが”FOUNDATION Fieldbus(登録商標)”であった場合、通信スケジュールはリンクアクティブスケジューラ(LAS)が管理しており、ネットワーク構築時に確定した通信経路はシステム動作中に変更できない。フィールド機器が高性能化してデータ収集管理機能、校正機能、診断機能等の高度な自律機能を有するようになっても、それらの情報のための通信経路は、ネットワーク構築時に決められた経路から逸脱することはできないと言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、ファンクションブロックの二重化が可能なフィールドネットワークシステムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器をモデル化したファンクションブロックと、ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された入力を出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には第2の入力端子に印加された入力を補正演算して前記出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給する入力二重化機能と、前記ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を第1の出力端子から後段のメインのファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を補正演算して第2の出力端子から後段のサブのファンクションブロックに供給する出力二重化機能とを備えたことにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0019】
請求項2記載の発明は、
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器と、代替機であるフィールド機器と、ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された入力を第1の出力端子から前記フィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力端子に印加された入力を補正演算して第2の出力端子から前記代替機であるフィールド機器に供給する出力二重化機能と、ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能とを備えたことにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0020】
請求項3記載の発明は、
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
センサが接続されたフィールド機器と、他のセンサが接続され、前記他のセンサの測定値に基づき前記センサの測定値をシミュレーションするコンピュータと、ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記コンピュータと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記コンピュータの出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能とを備えたことにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0021】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力二重化機能が、
前記第2の入力端子に印加された入力を補正演算して出力する入力補正演算機能と、この入力補正演算機能の出力の正当性を検証すると共に正常動作時には前記第1の入力端子に印加された入力を選択し、正常動作時以外には前記入力補正演算機能の出力を選択して前記出力端子から出力する入力比較選択機能とから構成することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0022】
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記出力二重化機能が、
入力を補正演算して前記第2の出力端子に出力する出力補正演算機能と、正常動作時には前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力し、正常動作時以外には前記入力端子に印加された入力を前記出力補正演算機能に出力する出力切替機能とから構成することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0023】
請求項6記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記出力二重化機能が、
正常動作時、或いは、正常動作時以外に関わりなく前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力すると共に前記入力端子に印加された入力を補正演算して前記第2の出力端子から出力することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0024】
請求項7記載の発明は、
請求項1記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力二重化機能、前記ファンクションブロック及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0025】
請求項8記載の発明は、
請求項2記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力二重化機能、前記フィールド機器、前記代替機であるフィールド機器及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0026】
請求項9記載の発明は、
請求項3記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記フィールド機器、前記コンピュータ及び前記入力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0027】
請求項10記載の発明は、
請求項4記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力比較選択機能が、
前記第1の入力端子に印加された入力と前記入力補正演算機能の出力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であるとして検証を行うことにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0028】
請求項11記載の発明は、
請求項10記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力比較選択機能が、
前記差分が予め設定された値を超過した場合に前記差分が小さくなるように前記入力補正演算機能のパラメータを調整することにより、第2の入力端子からの入力の値の変動等に関わりなく、入力補正演算機能のパラメータが最適に調整されサブの入力の正当性が担保されることになる。
【0029】
請求項12記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記ネットワークが、
フィールドバス、若しくは、IPネットワークであることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,4,5、6,7,8,9,10及び請求項12の発明によれば、入出力を二重化したいファンクションブロックの前段及び後段に入力二重化機能及び出力二重化機能をそれぞれ設け、正常動作時にはメインの入力を当該ファンクションブロックに供給し、正常動作時以外にはサブの入力を補正演算して当該ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時には当該ファンクションブロックの出力を後段のメインのファンクションブロックに供給し、正常動作時以外には当該ファンクションブロックの出力を補正演算して後段のサブのファンクションブロックに供給することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0031】
言い換えれば、ネットワークの通信経路に予め切り替え可能な通信経路を構築、或いは、動的な通信経路の変更か可能なネットワーク方式を導入することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0032】
また、請求項2,4,5,6,7,8,9,10及び請求項12の発明によれば、2つのフィールド機器の前段及び後段に出力二重化機能及び入力二重化機能をそれぞれ設け、正常動作時には入力をメインの出力端子からフィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力を補正演算してサブの出力端子から代替機であるフィールド機器に供給すると共に正常動作時にはメインの入力端子に印加されたフィールド機器の出力を出力し、正常動作時以外にはサブの入力端子に印加された代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して出力することにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0033】
言い換えれば、ネットワークの通信経路に予め切り替え可能な通信経路を構築、或いは、動的な通信経路の変更か可能なネットワーク方式を導入することにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0034】
また、請求項3,4,5,6,7,8,9,10及び請求項12の発明によれば、メインとなるフィールド機器が特定の測定点における測定値を他のフィールド機器の測定値に基づきコンピュータ上でシミュレーションすることにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0035】
言い換えれば、ネットワークの通信経路に予め切り替え可能な通信経路を構築、或いは、動的な通信経路の変更か可能なネットワーク方式を導入することにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0036】
さらに、請求項11の発明によれば、入力比較選択機能が、予め設定された値を超過した場合には、当該差分が小さくなるように入力補正演算機能のパラメータを調整することにより、サブの入力端子からの入力の値の変動等に関わりなく、入力補正演算機能のパラメータが最適に調整されサブの入力の正当性が担保されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るファンクションブロックの入出力を二重化したフィールドネットワークシステムの一実施例を示す構成ブロック図である。
【0038】
図1において5は二重化された入力を適宜選択して後段に出力する入力二重化機能、6は図8等に示すフィールド機器をモデル化したファンクションブロック、7は入力を二重化して後段に出力させる出力二重化機能である。
【0039】
入力二重化機能5において、図1中”IN11”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図1中”IN12”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図1中”OT11”は出力端子である。
【0040】
また、ファンクションブロック6において、図1中”IN13”は入力端子、図1中”OT12”は出力端子である。さらに、出力二重化機能7において、図1中”IN14”は入力端子、図1中”OT13”は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図1中”OT14”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0041】
図1中”OT11”に示す入力二重化機能5の出力端子は図1中”IN13”に示すファンクションブロック6の入力端子に接続され、図1中”OT12”に示すファンクションブロック6の出力端子は図1中”IN14”に示す出力二重化機能7の入力端子に接続される。
【0042】
ちなみに、図1中では図示していないが、図1中”IN11”に示す入力二重化機能5のメインの入力端子には、前段のメインのファンクションブロック(フィールド機器)の出力端子が接続され、図1中”IN12”に示す入力二重化機能5のサブの入力端子にはメインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な前段のファンクションブロック(フィールド機器)の出力端子が接続される。
【0043】
同様に、図1中”OT13”に示す出力二重化機能7のメインの出力端子は、後段のメインのファンクションブロック(フィールド機器)の入力端子に接続され、図1中”OT14”に示す出力二重化機能7のサブの出力端子は、メインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な後段のファンクションブロック(フィールド機器)の入力端子に接続される。
【0044】
また、図2は入力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。図2において8は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、9は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、10はサブの入力端子9に印加された入力を補正演算する入力補正演算機能、11はメインの入力端子8とサブの入力端子9の入力を相互比較して検証すると共に一方の入力を選択する入力比較選択機能、12は出力端子である。また、8,9,10,11及び12は入力二重化機能51を構成している
【0045】
メインの入力端子8は入力比較選択機能11の一方の入力端子に接続され、サブの入力端子9は入力補正演算機能10の入力端子に接続される。入力補正演算機能10の出力は入力比較選択機能11の他方の入力端子に接続され、入力比較選択機能11の出力は出力端子12に接続される。
【0046】
一方、図3は出力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。図3において13は入力端子、14は入力端子13からの入力を切り替える出力切替機能、15は入力に基づき出力を補正演算する出力補正演算機能、16は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、17は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。また、13,14,15,16及び17は出力二重化機能52を構成している。
【0047】
入力端子13は出力切替機能14の入力端子に接続され、出力切替機能14の一方の出力はメインの出力端子16に接続される。出力切替機能14の他方の出力は出力補正演算機能15の入力端子に接続され、出力補正演算機能15の出力はサブの出力端子17に接続される。
【0048】
ここで、図1に示す実施例の動作を図4及び図5を用いて説明する。図4は入力二重化機能の動作を説明するフロー図、図5は出力二重化機能の動作を説明するフロー図である。
【0049】
図2において、入力補正演算機能10は、メインの入力端子8からの入力とサブの入力端子9からの入力との差分を補正するように、サブの入力端子9からの入力を予め設定されているパラメータに基づき補正演算処理を行って入力比較選択機能11に供給する。
【0050】
そして、図4中”S001”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択手段11)は、通常動作であるか否かを判断する。例えば、メインの入力端子8に接続されておる前段のメインのファンクションブロック(図示せず。)からの情報の途絶やその他の要因に基づき通常動作であるか否かを判断する。
【0051】
もし、図4中”S001”で通常動作であると判断した場合には、図4中”S002”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択機能11)は、メインの入力端子8に印加された入力を選択して出力端子12から後段のファンクションブロック6に出力させる。
【0052】
また、図4中”S003”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択機能11)は、サブの入力の正当性を検証する。例えば、入力比較選択機能11は、メインの入力端子8に印加された入力とサブの入力端子9に印加された入力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であると判断する。
【0053】
もし、図4中”S001”において通常動作ではないと判断された場合には、図4中”S004”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択機能11)は、入力補正演算済みのサブの入力端子9に印加された入力、言い換えれば、入力補正演算機能10からの出力を選択して出力端子12から後段のファンクションブロック6に出力させる。
【0054】
すなわち、入力二重化機能51は、正常動作時では、前段のメインのファンクションブロック(図示せず。)からの入力を後段のファンクションブロック6に供給し、正常動作時以外では、メインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な前段のファンクションブロック(フィールド機器)からの入力を後段のファンクションブロック6に供給する。
【0055】
一方、図3において、出力補正演算機能15は、出力切替機能14からの出力をサブの出力端子17の後段に接続されているサブのファンクションブロック(図示せず。)の入力仕様等に合致するように補正演算処理を行って出力する。
【0056】
そして、図5中”S101”において出力二重化機能52(具体的には出力切替機能14)は、通常動作であるか否かを判断する。例えば、メインの出力端子16に接続されている後段のメインのファンクションブロック(図示せず。)からの異常検出やその他の要因に基づき通常動作であるか否かを判断する。
【0057】
もし、図5中”S101”において通常動作であると判断した場合には、図5中”S102”において出力二重化機能52(具体的には出力切替機能14)は、入力端子13に印加された入力である前段のファンクションブロック6の出力を切り替えてメインの出力端子16から出力させる。
【0058】
もし、図5中”S101”において通常動作ではないと判断された場合には、図5中”S103”において出力二重化機能52(具体的には出力切替機能14)は、出力補正演算済みの入力端子に印加された入力、言い換えれば、出力補正演算機能15からの出力を選択してサブの出力端子17から出力させる。
【0059】
すなわち、出力二重化機能52は、正常動作時では、前段のファンクションブロック6からの入力を後段のメインのファンクションブロックに供給し、正常動作時以外では、前段のファンクションブロック6からの入力を補正演算した上で、メインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な後段のファンクションブロック(フィールド機器)に供給する。
【0060】
この結果、入出力を二重化したいファンクションブロックの前段及び後段に入力二重化機能51及び出力二重化機能52をそれぞれ設け、正常動作時にはメインの入力を当該ファンクションブロックに供給し、正常動作時以外にはサブの入力を補正演算して当該ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時には当該ファンクションブロックの出力を後段のメインのファンクションブロックに供給し、正常動作時以外には当該ファンクションブロックの出力を補正演算して後段のサブのファンクションブロックに供給することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0061】
なお、図1に示す実施例ではフィールド機器(ファンクションブロック)を相互接続するネットワークに関しては何ら限定しておらず、ネットワークとして従来例のようにフィールドバス(登録商標)を用いても、動的に接続先の変更が可能で、自律的な通信も可能なのでIP(Internet Protocol)ネットワークを用いても構わない。
【0062】
また、図1に示す実施例では、出力二重化機能52は、正常動作時では、メインの出力端子から後段に出力し、正常動作時以外では、サブの出力端子から後段に出力しているが、正常動作等に関わりなく、メインの出力端子及びサブの出力端子から常時出力しても構わない。
【0063】
また、図1に示す実施例では、入力比較選択機能11は、メインの入力端子8からの入力とサブの入力端子9に印加された入力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であると判断しているが、予め設定された値を超過した場合には、当該差分が小さくなるように入力補正演算機能10のパラメータを調整しても構わない。
【0064】
この場合には、サブの入力端子9に印加された入力の値の変動等に関わりなく、入力補正演算機能10のパラメータが最適に調整されサブの入力の正当性が担保されることになる。
【0065】
また、図1に示す実施例では1つのファンクションブロックの入力系と出力系をメインとサブとで二重化して入出力を冗長化しているが、1つメインと複数のサブを有する3系統以上の冗長化も可能である。
【0066】
また、図1に示す実施例では1つのファンクションブロックの入力系と出力系をメインとサブとで二重化して冗長化しているが、フィールド機器自体を二重化しても構わない。
【0067】
図6はフィールド機器を二重化した場合の本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。図6において18及び21は図1に示すような二重化ファンクションブロック、19はフィールド機器(ファンクションブロック)、20はフィールド機器19の代替機となるフィールド機器(ファンクションブロック)である。
【0068】
二重化ファンクションブロック18において、図6中”IN21”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図6中”IN22”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図6中”OT21”は出力端子は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図6中”OT22”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0069】
また、フィールド機器19において、図6中”IN23”は入力端子、図6中”OT23”は出力端子であり、同様に、フィールド機器20において、図6中”IN24”は入力端子、図6中”OT24”は出力端子である。
【0070】
さらに、二重化ファンクションブロック21において、図6中”IN25”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図6中”IN26”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図6中”OT25”は出力端子は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図6中”OT26”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0071】
図6中”OT21”に示す二重化ファンクションブロック18のメインの出力端子は図6中”IN23”に示すフィールド機器19の入力端子に接続され、図6中”OT22”に示す二重化ファンクションブロック18のサブの出力端子は図6中”IN24”に示すフィールド機器20の入力端子に接続される。
【0072】
また、図6中”OT23”に示すフィールド機器19の出力端子は図6中”IN25”に示す二重化ファンクションブロック21のメインの入力端子に接続され、図6中”OT24”に示すフィールド機器20の出力端子は図6中”IN26”に示す二重化ファンクションブロック21のサブの入力端子に接続される。
【0073】
ここで、図6に示す実施例の動作を説明する。二重化ファンクションブロック18及び二重化ファンクションブロック21は前述の通りであるので説明は省略する。
【0074】
正常動作時では、二重化ファンクションブロック18の動作により、図6中”IN21”に示すメインの入力端子に印加された入力がフィールド機器19に供給され、二重化ファンクションブロック21の動作によりフィールド機器19の出力が図6中”OT25”に示すメインの出力端子から出力される。
【0075】
同様に、正常動作時以外では、二重化ファンクションブロック18の動作により、図6中”IN22”に示すサブの入力端子に印加された入力が代替機であるフィールド機器20に供給され、二重化ファンクションブロック21の動作により代替機であるフィールド機器20の出力が図6中”OT26”に示すサブの出力端子から出力される。
【0076】
但し、フィールド機器19と代替機であるフィールド機器20との性能上の差異は二重化ファンクションブロック内の入力補正演算機能や出力補正演算機能により吸収する。
【0077】
例えば、代替機であるフィールド機器20がフィールド機器19とはパラメータ(積分時間、応答時間、制御周期等)が異なる場合には、入力補正演算機能や出力補正演算機能はゲイン調整、応答時間調整、入力範囲制限、変化率制限等の処置を行う。
【0078】
また、例えば、代替機であるフィールド機器20がフィールド機器19よりも低精度、低分解能、高ノイズ等である場合には、入力補正演算機能や出力補正演算機能は平均化処理を行ったり、ヒステリシスを設けて対ノイズ性を向上させる。
【0079】
この結果、2つのフィールド機器の前段及び後段に出力二重化機能及び入力二重化機能をそれぞれ設け、正常動作時には入力をメインの出力端子からフィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力を補正演算してサブの出力端子から代替機であるフィールド機器に供給すると共に正常動作時にはメインの入力端子に印加されたフィールド機器の出力を出力し、正常動作時以外にはサブの入力端子に印加された代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して出力することにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0080】
また、代替機としてフィールド機器の代わりにコンピュータ上のシミュレーションによる仮想的なフィールド機器(以下、仮想フィールド機器と呼ぶ。)を用いても構わない。
【0081】
すなわち、図6中のフィールド機器20の代わりに仮想フィールド機器で置き換えて、正常動作時以外では、二重化ファンクションブロック18からの入力を当該仮想フィールド機器に供給し、仮想フィールド機器からの出力を二重化ファンクションブロック21の動作により取り出すことにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0082】
また、この場合には、実機であるフィールド機器19と仮想フィール機器とを比較することにより、コンピュータ上の仮想フィールド機器のシミュレーションアルゴリズムを検証することが可能になる。
【0083】
さらに、図6等に示す実施例では二重化する2つのフィールド機器19及び20の入力側及び出力側にそれぞれ二重化ファンクションブロック18及び21を設けているが、入力側に出力二重化機能を、出力側に入力二重化機能を設けてもフィール機器の二重化は可能である。
【0084】
また、図7は本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。図7においてはメインとなるフィールド機器が特定の測定点における物理量を測定するセンサであり、代替するセンサが存在しない場合を想定している。
【0085】
図7において22,23及び24は測定点における物理量を測定するセンサであるフィール機器、25はセンサであるフィールド機器からのデータを取り込むフィールド機器、26はシミュレーションを行うコンピュータ、27は図1に示すような二重化ファンクションブロックである。
【0086】
フィールド機器25において、図7中”IN31”は入力端子、図7中”OT31は出力端子であり、コンピュータ26において図7中”IN32”及び”IN33”は2つの入力端子、図7中”OT32は出力端子である。
【0087】
また、二重化ファンクションブロック27において、図7中”IN34”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図7中”IN35”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図7中”OT33”は出力端子は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図7中”OT34”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0088】
フィールド機器23の出力は図7中”IN31”に示すフィールド機器25の入力端子に入力され、フィールド機器22及びフィールド機器24の出力は図7中”IN32”及び”IN33”に示すコンピュータ26の2つの入力端子にそれぞれ入力される。
【0089】
図7中”OT31”に示すフィールド機器25の出力端子は図7中”IN34”に示す二重化ファンクションブロック27のメインの入力端子に接続され、図7中”OT32”に示すコンピュータ26の出力端子は図7中”IN35”に示す二重化ファンクションブロック27のサブの入力端子に接続される。
【0090】
ここで、図7に示す実施例の動作を説明する。通常動作時では、フィールド機器23における測定値がフィール機器25を介して図7中”IN34”に示す二重化ファンクションブロック27のメインの入力端子から取り込まれ、図7中”OT33”に示すメインの出力端子から出力される。
【0091】
一方、通常動作時以外では、フィールド機器23を代替するフィールド機器が存在しないので、コンピュータ25はフィールド機器22及びフィールド機器24の測定値に基づき不具合等の生じたフィールド機器23の測定値をシミュレーションすると共に図7中”IN35”に示す二重化ファンクションブロック27のサブの入力端子に供給する。
【0092】
例えば、フィールド機器22及びフィールド機器24の測定値を用いて直線補間等の演算(シミュレーション)を行うことにより、フィールド機器23の測定値をシミュレートする。
【0093】
この結果、メインとなるフィールド機器が特定の測定点における測定値を他のフィールド機器の測定値に基づきコンピュータ上でシミュレーションすることにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0094】
また、図7に示す実施例ではフィールド機器25及びコンピュータ26の出力側に二重化ファンクションブロック27を設けているが、出力側に入力二重化機能を設けても、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0095】
また、図1、図6及び図7等に示す実施例においてファンクションブロック、フィールド機器、コンピュータ、入力二重化機能、出力二重化機能、或いは、二重化ファンクションブロック等において内部のパラメータを外部から参照、若しくは、設定可能にしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係るファンクションブロックの入出力を二重化したフィールドネットワークシステムの一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】入力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。
【図3】出力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。
【図4】入力二重化機能の動作を説明するフロー図である。
【図5】出力二重化機能の動作を説明するフロー図である。
【図6】フィールド機器を二重化した場合の本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。
【図7】本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。
【図8】従来のフィールド機器をモデル化したファンクションブロックの一例を示す構成ブロック図である。
【図9】複数のファンクションブロックを接続して構築したPID制御を行うフィールドネットワークシステムの一例を示す構成ブロック図である。
【図10】フィールドネットワークシステムをより具体的に説明する説明図である。
【符号の説明】
【0097】
1,8,9,13 入力端子
2 演算機能
3,12,16,17 出力端子
4 パラメータ
5,51 入力二重化機能
6,50 ファンクションブロック
7,52 出力二重化機能
10 入力補正演算機能
11 入力比較選択機能
14 出力切替機能
15 出力補正演算機能
18,21,27 二重化ファンクションブロック
19,20,22,23,24,25 フィールド機器
26 コンピュータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムに関し、特にファンクションブロックの二重化が可能なフィールドネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムに関連する先行技術文献としては次のようなものがある。
【0003】
【特許文献1】特開平05−076077号公報
【特許文献2】特開平10−177401号公報
【特許文献3】特開平10−177410号公報
【特許文献4】特開平11−127179号公報
【特許文献5】特開2003−195903号公報
【0004】
図8は従来のフィールド機器をモデル化したファンクションブロックの一例を示す構成ブロック図である。図8において1は入力端子、2は入力端子に入力されたデータの演算を行う演算機能、3は出力端子、4はファンクションブロックに標準パラメータ、或いは、固有のパラメータである。また、1,2,3及び4はフィールド機器をモデル化したファンクションブロック50を構成している。
【0005】
入力端子1は演算機能2の入力に接続され、演算機能2の出力は出力端子3に接続される。また、パラメータ4は演算機能2に相互に接続される。
【0006】
演算機能2は、前段のファンクションブロックから入力端子1に入力されたデータをパラメータ4に基づき適宜演算処理すると共に、出力端子3から後段のファンクションブロックに対して出力する。
【0007】
図9はこのような複数のファンクションブロックを接続して構築したPID(Proportional Integral Differential)制御を行うフィールドネットワークシステムの一例を示す構成ブロック図である。ちなみに、ネットワークとしては”FOUNDATION Fieldbus(登録商標)”を用いる。図9中”AI”はアナログ入力機能、図9中”PID”はPID制御機能、図9中”AO”はアナログ出力機能である。
【0008】
図9中”AI”に示すアナログ入力機能の出力端子は図9中”PID”に示すPID制御機能の一方の入力端子に接続され、図9中”PID”に示すPID制御機能の出力端子は図9中”AO”に示すアナログ出力機能の入力端子に接続される。
【0009】
また、図9中”AO”に示すアナログ出力機能の出力端子は図9中”PID”に示すPID制御機能の他方の入力端子に接続される。
【0010】
さらに、図10は図9に示すフィールドネットワークシステムをより具体的に説明する説明図である。図10中”AI”に示すアナログ入力機能は、図10中”IN01”、”FN01”、”OT01”及び”PR01”にそれぞれ示す入力端子、演算機能、出力端子及びパラメータから構成される。
【0011】
同様に、図10中”PID”に示すPID制御機能は、図10中”IN02”、”IN03”、”FN02”、”OT02”及び”PR02”にそれぞれ示す2つの入力端子、演算機能、出力端子及びパラメータから構成され、図10中”AO”に示すアナログ出力機能は、図10中”IN04”、”FN03”、”OT03”及び”PR03”にそれぞれ示す入力端子、演算機能、出力端子及びパラメータから構成される。
【0012】
図10中”OT01”に示す”AI”の出力端子は図10中”IN02”に示す”PID”の入力端子に接続され、図10中”OT02”に示す”PID”の出力端子は図10中”IN04”に示す”AO”の入力端子に接続される。そして、図10中”OT03”に示す”AO”の出力端子は図10中”IN03”に示す”PID”の入力端子に接続される。
【0013】
ここで、図9(図10)に示すフィールドネットワークシステムの動作を説明する。図9中”AI”に示すアナログ入力機能で取り込まれたアナログ信号は出力として図9中”PID”に示すPID制御機能に供給され、一方、図9中”AO”に示すアナログ出力機能からの出力であるアナログ信号もまた図9中”PID”に示すPID制御機能に供給される。
【0014】
そして、図9中”PID”に示すPID制御機能は、図9中”AI”に示すアナログ入力機能からのアナログ信号及び図9中”AO”に示すアナログ出力機能からのアナログ信号に基づきPID演算を行い、演算結果を図9中”AO”に示すアナログ出力機能に供給する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、図9等に示す従来例では、フィールドネットワークシステムの構築時に各ファンクションブロック(フィールド機器)間の接続先を確定する必要性があり、フィールドネットワークシステム構築後に動的に接続先を変更することは困難であると言った問題点があった。
【0016】
言い換えれば、特定の機能を二重化して必要に応じて(動的に)接続先を切り換えることが困難であると言った問題点があった。このため、従来ではケーブルを含むハードウェアをまるごと二重化することにより、冗長化を実現している。
【0017】
また、ネットワークが”FOUNDATION Fieldbus(登録商標)”であった場合、通信スケジュールはリンクアクティブスケジューラ(LAS)が管理しており、ネットワーク構築時に確定した通信経路はシステム動作中に変更できない。フィールド機器が高性能化してデータ収集管理機能、校正機能、診断機能等の高度な自律機能を有するようになっても、それらの情報のための通信経路は、ネットワーク構築時に決められた経路から逸脱することはできないと言った問題点があった。
従って本発明が解決しようとする課題は、ファンクションブロックの二重化が可能なフィールドネットワークシステムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような課題を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器をモデル化したファンクションブロックと、ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された入力を出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には第2の入力端子に印加された入力を補正演算して前記出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給する入力二重化機能と、前記ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を第1の出力端子から後段のメインのファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を補正演算して第2の出力端子から後段のサブのファンクションブロックに供給する出力二重化機能とを備えたことにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0019】
請求項2記載の発明は、
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器と、代替機であるフィールド機器と、ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された入力を第1の出力端子から前記フィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力端子に印加された入力を補正演算して第2の出力端子から前記代替機であるフィールド機器に供給する出力二重化機能と、ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能とを備えたことにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0020】
請求項3記載の発明は、
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
センサが接続されたフィールド機器と、他のセンサが接続され、前記他のセンサの測定値に基づき前記センサの測定値をシミュレーションするコンピュータと、ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記コンピュータと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記コンピュータの出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能とを備えたことにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0021】
請求項4記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力二重化機能が、
前記第2の入力端子に印加された入力を補正演算して出力する入力補正演算機能と、この入力補正演算機能の出力の正当性を検証すると共に正常動作時には前記第1の入力端子に印加された入力を選択し、正常動作時以外には前記入力補正演算機能の出力を選択して前記出力端子から出力する入力比較選択機能とから構成することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0022】
請求項5記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記出力二重化機能が、
入力を補正演算して前記第2の出力端子に出力する出力補正演算機能と、正常動作時には前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力し、正常動作時以外には前記入力端子に印加された入力を前記出力補正演算機能に出力する出力切替機能とから構成することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0023】
請求項6記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記出力二重化機能が、
正常動作時、或いは、正常動作時以外に関わりなく前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力すると共に前記入力端子に印加された入力を補正演算して前記第2の出力端子から出力することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0024】
請求項7記載の発明は、
請求項1記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力二重化機能、前記ファンクションブロック及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0025】
請求項8記載の発明は、
請求項2記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力二重化機能、前記フィールド機器、前記代替機であるフィールド機器及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0026】
請求項9記載の発明は、
請求項3記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記フィールド機器、前記コンピュータ及び前記入力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0027】
請求項10記載の発明は、
請求項4記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力比較選択機能が、
前記第1の入力端子に印加された入力と前記入力補正演算機能の出力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であるとして検証を行うことにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【0028】
請求項11記載の発明は、
請求項10記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記入力比較選択機能が、
前記差分が予め設定された値を超過した場合に前記差分が小さくなるように前記入力補正演算機能のパラメータを調整することにより、第2の入力端子からの入力の値の変動等に関わりなく、入力補正演算機能のパラメータが最適に調整されサブの入力の正当性が担保されることになる。
【0029】
請求項12記載の発明は、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明であるフィールドネットワークシステムにおいて、
前記ネットワークが、
フィールドバス、若しくは、IPネットワークであることにより、ファンクションブロックの入出力の二重化等が可能になる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば次のような効果がある。
請求項1,4,5、6,7,8,9,10及び請求項12の発明によれば、入出力を二重化したいファンクションブロックの前段及び後段に入力二重化機能及び出力二重化機能をそれぞれ設け、正常動作時にはメインの入力を当該ファンクションブロックに供給し、正常動作時以外にはサブの入力を補正演算して当該ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時には当該ファンクションブロックの出力を後段のメインのファンクションブロックに供給し、正常動作時以外には当該ファンクションブロックの出力を補正演算して後段のサブのファンクションブロックに供給することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0031】
言い換えれば、ネットワークの通信経路に予め切り替え可能な通信経路を構築、或いは、動的な通信経路の変更か可能なネットワーク方式を導入することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0032】
また、請求項2,4,5,6,7,8,9,10及び請求項12の発明によれば、2つのフィールド機器の前段及び後段に出力二重化機能及び入力二重化機能をそれぞれ設け、正常動作時には入力をメインの出力端子からフィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力を補正演算してサブの出力端子から代替機であるフィールド機器に供給すると共に正常動作時にはメインの入力端子に印加されたフィールド機器の出力を出力し、正常動作時以外にはサブの入力端子に印加された代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して出力することにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0033】
言い換えれば、ネットワークの通信経路に予め切り替え可能な通信経路を構築、或いは、動的な通信経路の変更か可能なネットワーク方式を導入することにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0034】
また、請求項3,4,5,6,7,8,9,10及び請求項12の発明によれば、メインとなるフィールド機器が特定の測定点における測定値を他のフィールド機器の測定値に基づきコンピュータ上でシミュレーションすることにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0035】
言い換えれば、ネットワークの通信経路に予め切り替え可能な通信経路を構築、或いは、動的な通信経路の変更か可能なネットワーク方式を導入することにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0036】
さらに、請求項11の発明によれば、入力比較選択機能が、予め設定された値を超過した場合には、当該差分が小さくなるように入力補正演算機能のパラメータを調整することにより、サブの入力端子からの入力の値の変動等に関わりなく、入力補正演算機能のパラメータが最適に調整されサブの入力の正当性が担保されることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明に係るファンクションブロックの入出力を二重化したフィールドネットワークシステムの一実施例を示す構成ブロック図である。
【0038】
図1において5は二重化された入力を適宜選択して後段に出力する入力二重化機能、6は図8等に示すフィールド機器をモデル化したファンクションブロック、7は入力を二重化して後段に出力させる出力二重化機能である。
【0039】
入力二重化機能5において、図1中”IN11”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図1中”IN12”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図1中”OT11”は出力端子である。
【0040】
また、ファンクションブロック6において、図1中”IN13”は入力端子、図1中”OT12”は出力端子である。さらに、出力二重化機能7において、図1中”IN14”は入力端子、図1中”OT13”は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図1中”OT14”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0041】
図1中”OT11”に示す入力二重化機能5の出力端子は図1中”IN13”に示すファンクションブロック6の入力端子に接続され、図1中”OT12”に示すファンクションブロック6の出力端子は図1中”IN14”に示す出力二重化機能7の入力端子に接続される。
【0042】
ちなみに、図1中では図示していないが、図1中”IN11”に示す入力二重化機能5のメインの入力端子には、前段のメインのファンクションブロック(フィールド機器)の出力端子が接続され、図1中”IN12”に示す入力二重化機能5のサブの入力端子にはメインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な前段のファンクションブロック(フィールド機器)の出力端子が接続される。
【0043】
同様に、図1中”OT13”に示す出力二重化機能7のメインの出力端子は、後段のメインのファンクションブロック(フィールド機器)の入力端子に接続され、図1中”OT14”に示す出力二重化機能7のサブの出力端子は、メインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な後段のファンクションブロック(フィールド機器)の入力端子に接続される。
【0044】
また、図2は入力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。図2において8は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、9は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、10はサブの入力端子9に印加された入力を補正演算する入力補正演算機能、11はメインの入力端子8とサブの入力端子9の入力を相互比較して検証すると共に一方の入力を選択する入力比較選択機能、12は出力端子である。また、8,9,10,11及び12は入力二重化機能51を構成している
【0045】
メインの入力端子8は入力比較選択機能11の一方の入力端子に接続され、サブの入力端子9は入力補正演算機能10の入力端子に接続される。入力補正演算機能10の出力は入力比較選択機能11の他方の入力端子に接続され、入力比較選択機能11の出力は出力端子12に接続される。
【0046】
一方、図3は出力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。図3において13は入力端子、14は入力端子13からの入力を切り替える出力切替機能、15は入力に基づき出力を補正演算する出力補正演算機能、16は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、17は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。また、13,14,15,16及び17は出力二重化機能52を構成している。
【0047】
入力端子13は出力切替機能14の入力端子に接続され、出力切替機能14の一方の出力はメインの出力端子16に接続される。出力切替機能14の他方の出力は出力補正演算機能15の入力端子に接続され、出力補正演算機能15の出力はサブの出力端子17に接続される。
【0048】
ここで、図1に示す実施例の動作を図4及び図5を用いて説明する。図4は入力二重化機能の動作を説明するフロー図、図5は出力二重化機能の動作を説明するフロー図である。
【0049】
図2において、入力補正演算機能10は、メインの入力端子8からの入力とサブの入力端子9からの入力との差分を補正するように、サブの入力端子9からの入力を予め設定されているパラメータに基づき補正演算処理を行って入力比較選択機能11に供給する。
【0050】
そして、図4中”S001”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択手段11)は、通常動作であるか否かを判断する。例えば、メインの入力端子8に接続されておる前段のメインのファンクションブロック(図示せず。)からの情報の途絶やその他の要因に基づき通常動作であるか否かを判断する。
【0051】
もし、図4中”S001”で通常動作であると判断した場合には、図4中”S002”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択機能11)は、メインの入力端子8に印加された入力を選択して出力端子12から後段のファンクションブロック6に出力させる。
【0052】
また、図4中”S003”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択機能11)は、サブの入力の正当性を検証する。例えば、入力比較選択機能11は、メインの入力端子8に印加された入力とサブの入力端子9に印加された入力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であると判断する。
【0053】
もし、図4中”S001”において通常動作ではないと判断された場合には、図4中”S004”において入力二重化機能51(具体的には入力比較選択機能11)は、入力補正演算済みのサブの入力端子9に印加された入力、言い換えれば、入力補正演算機能10からの出力を選択して出力端子12から後段のファンクションブロック6に出力させる。
【0054】
すなわち、入力二重化機能51は、正常動作時では、前段のメインのファンクションブロック(図示せず。)からの入力を後段のファンクションブロック6に供給し、正常動作時以外では、メインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な前段のファンクションブロック(フィールド機器)からの入力を後段のファンクションブロック6に供給する。
【0055】
一方、図3において、出力補正演算機能15は、出力切替機能14からの出力をサブの出力端子17の後段に接続されているサブのファンクションブロック(図示せず。)の入力仕様等に合致するように補正演算処理を行って出力する。
【0056】
そして、図5中”S101”において出力二重化機能52(具体的には出力切替機能14)は、通常動作であるか否かを判断する。例えば、メインの出力端子16に接続されている後段のメインのファンクションブロック(図示せず。)からの異常検出やその他の要因に基づき通常動作であるか否かを判断する。
【0057】
もし、図5中”S101”において通常動作であると判断した場合には、図5中”S102”において出力二重化機能52(具体的には出力切替機能14)は、入力端子13に印加された入力である前段のファンクションブロック6の出力を切り替えてメインの出力端子16から出力させる。
【0058】
もし、図5中”S101”において通常動作ではないと判断された場合には、図5中”S103”において出力二重化機能52(具体的には出力切替機能14)は、出力補正演算済みの入力端子に印加された入力、言い換えれば、出力補正演算機能15からの出力を選択してサブの出力端子17から出力させる。
【0059】
すなわち、出力二重化機能52は、正常動作時では、前段のファンクションブロック6からの入力を後段のメインのファンクションブロックに供給し、正常動作時以外では、前段のファンクションブロック6からの入力を補正演算した上で、メインのファンクションブロック(フィールド機器)と代替可能な後段のファンクションブロック(フィールド機器)に供給する。
【0060】
この結果、入出力を二重化したいファンクションブロックの前段及び後段に入力二重化機能51及び出力二重化機能52をそれぞれ設け、正常動作時にはメインの入力を当該ファンクションブロックに供給し、正常動作時以外にはサブの入力を補正演算して当該ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時には当該ファンクションブロックの出力を後段のメインのファンクションブロックに供給し、正常動作時以外には当該ファンクションブロックの出力を補正演算して後段のサブのファンクションブロックに供給することにより、ファンクションブロックの入出力の二重化が可能になる。
【0061】
なお、図1に示す実施例ではフィールド機器(ファンクションブロック)を相互接続するネットワークに関しては何ら限定しておらず、ネットワークとして従来例のようにフィールドバス(登録商標)を用いても、動的に接続先の変更が可能で、自律的な通信も可能なのでIP(Internet Protocol)ネットワークを用いても構わない。
【0062】
また、図1に示す実施例では、出力二重化機能52は、正常動作時では、メインの出力端子から後段に出力し、正常動作時以外では、サブの出力端子から後段に出力しているが、正常動作等に関わりなく、メインの出力端子及びサブの出力端子から常時出力しても構わない。
【0063】
また、図1に示す実施例では、入力比較選択機能11は、メインの入力端子8からの入力とサブの入力端子9に印加された入力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であると判断しているが、予め設定された値を超過した場合には、当該差分が小さくなるように入力補正演算機能10のパラメータを調整しても構わない。
【0064】
この場合には、サブの入力端子9に印加された入力の値の変動等に関わりなく、入力補正演算機能10のパラメータが最適に調整されサブの入力の正当性が担保されることになる。
【0065】
また、図1に示す実施例では1つのファンクションブロックの入力系と出力系をメインとサブとで二重化して入出力を冗長化しているが、1つメインと複数のサブを有する3系統以上の冗長化も可能である。
【0066】
また、図1に示す実施例では1つのファンクションブロックの入力系と出力系をメインとサブとで二重化して冗長化しているが、フィールド機器自体を二重化しても構わない。
【0067】
図6はフィールド機器を二重化した場合の本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。図6において18及び21は図1に示すような二重化ファンクションブロック、19はフィールド機器(ファンクションブロック)、20はフィールド機器19の代替機となるフィールド機器(ファンクションブロック)である。
【0068】
二重化ファンクションブロック18において、図6中”IN21”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図6中”IN22”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図6中”OT21”は出力端子は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図6中”OT22”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0069】
また、フィールド機器19において、図6中”IN23”は入力端子、図6中”OT23”は出力端子であり、同様に、フィールド機器20において、図6中”IN24”は入力端子、図6中”OT24”は出力端子である。
【0070】
さらに、二重化ファンクションブロック21において、図6中”IN25”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図6中”IN26”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図6中”OT25”は出力端子は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図6中”OT26”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0071】
図6中”OT21”に示す二重化ファンクションブロック18のメインの出力端子は図6中”IN23”に示すフィールド機器19の入力端子に接続され、図6中”OT22”に示す二重化ファンクションブロック18のサブの出力端子は図6中”IN24”に示すフィールド機器20の入力端子に接続される。
【0072】
また、図6中”OT23”に示すフィールド機器19の出力端子は図6中”IN25”に示す二重化ファンクションブロック21のメインの入力端子に接続され、図6中”OT24”に示すフィールド機器20の出力端子は図6中”IN26”に示す二重化ファンクションブロック21のサブの入力端子に接続される。
【0073】
ここで、図6に示す実施例の動作を説明する。二重化ファンクションブロック18及び二重化ファンクションブロック21は前述の通りであるので説明は省略する。
【0074】
正常動作時では、二重化ファンクションブロック18の動作により、図6中”IN21”に示すメインの入力端子に印加された入力がフィールド機器19に供給され、二重化ファンクションブロック21の動作によりフィールド機器19の出力が図6中”OT25”に示すメインの出力端子から出力される。
【0075】
同様に、正常動作時以外では、二重化ファンクションブロック18の動作により、図6中”IN22”に示すサブの入力端子に印加された入力が代替機であるフィールド機器20に供給され、二重化ファンクションブロック21の動作により代替機であるフィールド機器20の出力が図6中”OT26”に示すサブの出力端子から出力される。
【0076】
但し、フィールド機器19と代替機であるフィールド機器20との性能上の差異は二重化ファンクションブロック内の入力補正演算機能や出力補正演算機能により吸収する。
【0077】
例えば、代替機であるフィールド機器20がフィールド機器19とはパラメータ(積分時間、応答時間、制御周期等)が異なる場合には、入力補正演算機能や出力補正演算機能はゲイン調整、応答時間調整、入力範囲制限、変化率制限等の処置を行う。
【0078】
また、例えば、代替機であるフィールド機器20がフィールド機器19よりも低精度、低分解能、高ノイズ等である場合には、入力補正演算機能や出力補正演算機能は平均化処理を行ったり、ヒステリシスを設けて対ノイズ性を向上させる。
【0079】
この結果、2つのフィールド機器の前段及び後段に出力二重化機能及び入力二重化機能をそれぞれ設け、正常動作時には入力をメインの出力端子からフィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力を補正演算してサブの出力端子から代替機であるフィールド機器に供給すると共に正常動作時にはメインの入力端子に印加されたフィールド機器の出力を出力し、正常動作時以外にはサブの入力端子に印加された代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して出力することにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0080】
また、代替機としてフィールド機器の代わりにコンピュータ上のシミュレーションによる仮想的なフィールド機器(以下、仮想フィールド機器と呼ぶ。)を用いても構わない。
【0081】
すなわち、図6中のフィールド機器20の代わりに仮想フィールド機器で置き換えて、正常動作時以外では、二重化ファンクションブロック18からの入力を当該仮想フィールド機器に供給し、仮想フィールド機器からの出力を二重化ファンクションブロック21の動作により取り出すことにより、フィールド機器の二重化が可能になる。
【0082】
また、この場合には、実機であるフィールド機器19と仮想フィール機器とを比較することにより、コンピュータ上の仮想フィールド機器のシミュレーションアルゴリズムを検証することが可能になる。
【0083】
さらに、図6等に示す実施例では二重化する2つのフィールド機器19及び20の入力側及び出力側にそれぞれ二重化ファンクションブロック18及び21を設けているが、入力側に出力二重化機能を、出力側に入力二重化機能を設けてもフィール機器の二重化は可能である。
【0084】
また、図7は本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。図7においてはメインとなるフィールド機器が特定の測定点における物理量を測定するセンサであり、代替するセンサが存在しない場合を想定している。
【0085】
図7において22,23及び24は測定点における物理量を測定するセンサであるフィール機器、25はセンサであるフィールド機器からのデータを取り込むフィールド機器、26はシミュレーションを行うコンピュータ、27は図1に示すような二重化ファンクションブロックである。
【0086】
フィールド機器25において、図7中”IN31”は入力端子、図7中”OT31は出力端子であり、コンピュータ26において図7中”IN32”及び”IN33”は2つの入力端子、図7中”OT32は出力端子である。
【0087】
また、二重化ファンクションブロック27において、図7中”IN34”は通常動作時に入力として機能するメインの入力端子、図7中”IN35”は通常動作時以外に入力として機能するサブの入力端子、図7中”OT33”は出力端子は通常動作時に出力として機能するメインの出力端子、図7中”OT34”は通常動作時以外に出力として機能するサブの出力端子である。
【0088】
フィールド機器23の出力は図7中”IN31”に示すフィールド機器25の入力端子に入力され、フィールド機器22及びフィールド機器24の出力は図7中”IN32”及び”IN33”に示すコンピュータ26の2つの入力端子にそれぞれ入力される。
【0089】
図7中”OT31”に示すフィールド機器25の出力端子は図7中”IN34”に示す二重化ファンクションブロック27のメインの入力端子に接続され、図7中”OT32”に示すコンピュータ26の出力端子は図7中”IN35”に示す二重化ファンクションブロック27のサブの入力端子に接続される。
【0090】
ここで、図7に示す実施例の動作を説明する。通常動作時では、フィールド機器23における測定値がフィール機器25を介して図7中”IN34”に示す二重化ファンクションブロック27のメインの入力端子から取り込まれ、図7中”OT33”に示すメインの出力端子から出力される。
【0091】
一方、通常動作時以外では、フィールド機器23を代替するフィールド機器が存在しないので、コンピュータ25はフィールド機器22及びフィールド機器24の測定値に基づき不具合等の生じたフィールド機器23の測定値をシミュレーションすると共に図7中”IN35”に示す二重化ファンクションブロック27のサブの入力端子に供給する。
【0092】
例えば、フィールド機器22及びフィールド機器24の測定値を用いて直線補間等の演算(シミュレーション)を行うことにより、フィールド機器23の測定値をシミュレートする。
【0093】
この結果、メインとなるフィールド機器が特定の測定点における測定値を他のフィールド機器の測定値に基づきコンピュータ上でシミュレーションすることにより、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0094】
また、図7に示す実施例ではフィールド機器25及びコンピュータ26の出力側に二重化ファンクションブロック27を設けているが、出力側に入力二重化機能を設けても、メインとなるフィールド機器に代替可能なフィールド機器が存在しない場合であっても二重化(冗長化)が可能になる。
【0095】
また、図1、図6及び図7等に示す実施例においてファンクションブロック、フィールド機器、コンピュータ、入力二重化機能、出力二重化機能、或いは、二重化ファンクションブロック等において内部のパラメータを外部から参照、若しくは、設定可能にしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明に係るファンクションブロックの入出力を二重化したフィールドネットワークシステムの一実施例を示す構成ブロック図である。
【図2】入力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。
【図3】出力二重化機能の具体例を示す構成ブロック図である。
【図4】入力二重化機能の動作を説明するフロー図である。
【図5】出力二重化機能の動作を説明するフロー図である。
【図6】フィールド機器を二重化した場合の本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。
【図7】本発明に係るフィールドネットワークシステムの他の実施例を示す構成ブロック図である。
【図8】従来のフィールド機器をモデル化したファンクションブロックの一例を示す構成ブロック図である。
【図9】複数のファンクションブロックを接続して構築したPID制御を行うフィールドネットワークシステムの一例を示す構成ブロック図である。
【図10】フィールドネットワークシステムをより具体的に説明する説明図である。
【符号の説明】
【0097】
1,8,9,13 入力端子
2 演算機能
3,12,16,17 出力端子
4 パラメータ
5,51 入力二重化機能
6,50 ファンクションブロック
7,52 出力二重化機能
10 入力補正演算機能
11 入力比較選択機能
14 出力切替機能
15 出力補正演算機能
18,21,27 二重化ファンクションブロック
19,20,22,23,24,25 フィールド機器
26 コンピュータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器をモデル化したファンクションブロックと、
ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された入力を出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には第2の入力端子に印加された入力を補正演算して前記出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給する入力二重化機能と、
前記ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を第1の出力端子から後段のメインのファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を補正演算して第2の出力端子から後段のサブのファンクションブロックに供給する出力二重化機能と
を備えたことを特徴とするフィールドネットワークシステム。
【請求項2】
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器と、
代替機であるフィールド機器と、
ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された入力を第1の出力端子から前記フィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力端子に印加された入力を補正演算して第2の出力端子から前記代替機であるフィールド機器に供給する出力二重化機能と、
ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能と
を備えたことを特徴とするフィールドネットワークシステム。
【請求項3】
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
センサが接続されたフィールド機器と、
他のセンサが接続され、前記他のセンサの測定値に基づき前記センサの測定値をシミュレーションするコンピュータと、
ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記コンピュータと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記コンピュータの出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能と
を備えたことを特徴とするフィールドネットワークシステム。
【請求項4】
前記入力二重化機能が、
前記第2の入力端子に印加された入力を補正演算して出力する入力補正演算機能と、
この入力補正演算機能の出力の正当性を検証すると共に正常動作時には前記第1の入力端子に印加された入力を選択し、正常動作時以外には前記入力補正演算機能の出力を選択して前記出力端子から出力する入力比較選択機能とから構成することを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項5】
前記出力二重化機能が、
入力を補正演算して前記第2の出力端子に出力する出力補正演算機能と、
正常動作時には前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力し、正常動作時以外には前記入力端子に印加された入力を前記出力補正演算機能に出力する出力切替機能とから構成することを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項6】
前記出力二重化機能が、
正常動作時、或いは、正常動作時以外に関わりなく前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力すると共に前記入力端子に印加された入力を補正演算して前記第2の出力端子から出力することを特徴とする
請求項1乃至請求項3にずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項7】
前記入力二重化機能、前記ファンクションブロック及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることを特徴とする
請求項1記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項8】
前記入力二重化機能、前記フィールド機器、前記代替機であるフィールド機器及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることを特徴とする
請求項2記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項9】
前記フィールド機器、前記コンピュータ及び前記入力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることを特徴とする
請求項3記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項10】
前記入力比較選択機能が、
前記第1の入力端子に印加された入力と前記入力補正演算機能の出力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であるとして検証を行うことを特徴とする
請求項4記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項11】
前記入力比較選択機能が、
前記差分が予め設定された値を超過した場合に前記差分が小さくなるように前記入力補正演算機能のパラメータを調整することを特徴とする
請求項10記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項12】
前記ネットワークが、
フィールドバス、若しくは、IPネットワークであることを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項1】
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器をモデル化したファンクションブロックと、
ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された入力を出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には第2の入力端子に印加された入力を補正演算して前記出力端子を介して前記ファンクションブロックに供給する入力二重化機能と、
前記ネットワークを介して前記ファンクションブロックと相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を第1の出力端子から後段のメインのファンクションブロックに供給すると共に正常動作時以外には入力端子に印加された前記ファンクションブロックの出力を補正演算して第2の出力端子から後段のサブのファンクションブロックに供給する出力二重化機能と
を備えたことを特徴とするフィールドネットワークシステム。
【請求項2】
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
フィールド機器と、
代替機であるフィールド機器と、
ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には入力端子に印加された入力を第1の出力端子から前記フィールド機器に供給し、正常動作時以外には入力端子に印加された入力を補正演算して第2の出力端子から前記代替機であるフィールド機器に供給する出力二重化機能と、
ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記代替機であるフィールド機器と相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記代替機であるフィールド機器の出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能と
を備えたことを特徴とするフィールドネットワークシステム。
【請求項3】
フィールド機器をネットワークで相互に接続して構成されるフィールドネットワークシステムにおいて、
センサが接続されたフィールド機器と、
他のセンサが接続され、前記他のセンサの測定値に基づき前記センサの測定値をシミュレーションするコンピュータと、
ネットワークを介して前記フィールド機器及び前記コンピュータと相互接続され、正常動作時には第1の入力端子に印加された前記フィールド機器の出力を出力端子から出力し、正常動作時以外には第2の入力端子に印加された前記コンピュータの出力を補正演算して前記出力端子から出力する入力二重化機能と
を備えたことを特徴とするフィールドネットワークシステム。
【請求項4】
前記入力二重化機能が、
前記第2の入力端子に印加された入力を補正演算して出力する入力補正演算機能と、
この入力補正演算機能の出力の正当性を検証すると共に正常動作時には前記第1の入力端子に印加された入力を選択し、正常動作時以外には前記入力補正演算機能の出力を選択して前記出力端子から出力する入力比較選択機能とから構成することを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項5】
前記出力二重化機能が、
入力を補正演算して前記第2の出力端子に出力する出力補正演算機能と、
正常動作時には前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力し、正常動作時以外には前記入力端子に印加された入力を前記出力補正演算機能に出力する出力切替機能とから構成することを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項6】
前記出力二重化機能が、
正常動作時、或いは、正常動作時以外に関わりなく前記入力端子に印加された入力を前記第1の出力端子から出力すると共に前記入力端子に印加された入力を補正演算して前記第2の出力端子から出力することを特徴とする
請求項1乃至請求項3にずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項7】
前記入力二重化機能、前記ファンクションブロック及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることを特徴とする
請求項1記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項8】
前記入力二重化機能、前記フィールド機器、前記代替機であるフィールド機器及び前記出力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることを特徴とする
請求項2記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項9】
前記フィールド機器、前記コンピュータ及び前記入力二重化機能の内部のパラメータが外部から参照、若しくは、設定可能であることを特徴とする
請求項3記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項10】
前記入力比較選択機能が、
前記第1の入力端子に印加された入力と前記入力補正演算機能の出力との差分を常時比較して、その差分が予め設定された値を超過しない場合は正当であるとして検証を行うことを特徴とする
請求項4記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項11】
前記入力比較選択機能が、
前記差分が予め設定された値を超過した場合に前記差分が小さくなるように前記入力補正演算機能のパラメータを調整することを特徴とする
請求項10記載のフィールドネットワークシステム。
【請求項12】
前記ネットワークが、
フィールドバス、若しくは、IPネットワークであることを特徴とする
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のフィールドネットワークシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2008−123171(P2008−123171A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305085(P2006−305085)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】
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