説明

フェニルエテンスルホンアミド誘導体含有医薬

【課題】 N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその塩の具体的な疾患に対する治療可能性の解明と新規治療薬の創製
【解決手段】 N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する前立腺癌などのエンドセリン誘発性疾患の疼痛緩和剤;造骨性病変の改善剤;造骨に伴う疼痛緩和剤;前立腺癌の骨転移による造骨性病変改善剤;前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和剤;前立腺癌の癌細胞増殖抑制剤び/又は前立腺癌の進展抑制剤

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、とりわけ前立腺癌等のエンドセリン誘発性疾患の疼痛緩和剤;造骨性病変の改善剤及び/又は造骨に伴う疼痛緩和剤;前立腺癌の骨転移による造骨性病変の改善剤及び/又は前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和剤;前立腺癌の癌細胞増殖抑制剤;或いは、前立腺癌の進展抑制剤;に係るものである。
【背景技術】
【0002】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその塩は国際公開第97/22595号公報に記載されており、エンドセリンETA受容体に対するET−1の結合抑制作用、及び、ET−1誘発性の血管収縮・昇圧に対する抑制作用が開示され、心血管系疾患を初めとする、エンドセリンが関与する種々の疾患の処置に用いることができることが示唆されている。
【特許文献1】国際公開第97/22595号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は新規な治療薬の創製を目的として、N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその塩の更に具体的な疾患に対する治療可能性について鋭意検討を行った。
【課題を解決するための手段】
【0004】
その結果、本発明者はN−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその塩が、癌(特に前立腺癌、乳癌、卵巣癌)、関節炎、前立腺炎、神経膠腫、末梢動脈閉塞症、月経困難症、片頭痛、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血、糖尿病性神経障害、リウマチ、緑内障、消化性潰瘍、出産時の陣痛等のエンドセリン誘発性疾患の疼痛の緩和に有効であることを見い出し、発明を完成させた。
ET−1はヒトや実験動物において疼痛を誘発することが報告されている。例えばヒトの上腕動脈にET−1を投与すると虚血性の筋肉痛が惹起される(J.Hypertension,8,811-817,1990)。また、疼痛モデルとして汎用されているマウスホルマリン疼痛モデルにおいて、ET−1がホルマリンによる疼痛のfirst phaseおよびsecond phaseを有意に増強することが報告されている(Can.J.Physiol.Pharmacol.,75,596-600,1997)。本モデルにおいてfirst phaseは知覚神経の直接刺激による疼痛を、second phaseは炎症性二次反応による疼痛を意味している(Pain,38,247-352,1989)。
本発明の有効成分は、後記の試験例1に示すようにマウスホルマリン疼痛モデルにおいてET−1による疼痛の増強に対して抑制作用を示した。
【0005】
また、本発明者はN−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその塩が、造骨性病変の改善及び/又は造骨に伴う疼痛の緩和に有効であることを見出して、発明を完成させた。
破骨細胞抑制作用を有し、骨代謝を改善させるビスホスホネート類は、乳癌の骨転移に伴う骨痛を改善する効果を有することから、長期的な骨病変の改善は骨痛の改善に結びつくと考えられる。前立腺癌患者においては、乳癌骨転移患者と異なり造骨性の骨転移病変が観察されるが(Semin.,Oncol.,21,630-656,1996)、骨芽細胞に作用して骨代謝を改善させる薬剤は、前立腺癌の骨転移に伴う骨痛を改善する効果を有すると予想される。
ET−1は、マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1及びラット頭蓋骨から初代培養した骨芽細胞に対して、ETA受容体を介して細胞内Ca2+濃度の上昇やDNA合成増加、ALP活性低下作用を示すことが報告されている(Am.J.Physiol.,257,E797-E803,1989 / Biochem.Biophys.Res.Commun.,170(3),998-1005,1990 / Bone,21(2),143-146,1997)。
本発明の有効成分は、後記の試験例2に示すようにマウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1のET−1誘発細胞応答反応に対して抑制作用を示した。
【0006】
また、本発明者はN−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその塩が、前立腺癌の骨転移に伴う疼痛の緩和、或いは、前立腺癌の骨転移による造骨性病変の改善に有効であることを見出して、発明を完成させた。
ヒト前立腺癌細胞株がET−1産生能を有すること(Nat.Med.,1(9),944-949,1995)及びETA受容体を介して増殖能を示すこと(Cancer Res,56,663-668,1996)、骨転移を有する前立腺癌患者では、骨転移を有さない前立腺癌患者に比べて血漿中ET−1濃度が上昇していること(Nat.Med.,1(9),944-949,1995)が報告されており、これら報告と試験例1及び2の結果を併せて考えると、本発明の有効成分は、とりわけ、前立腺癌患者の骨転移に伴う疼痛改善、或いは、前立腺癌の骨転移による造骨性病変の改善に有効であることが強く示唆される。更には、本発明の有効成分は後記の試験例5に示すように、前立腺癌患者の疼痛スコア及び鎮痛薬の使用量を低下させ、骨代謝マーカーを減少させた。
【0007】
また、本発明者はN−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその塩が、前立腺癌の癌細胞増殖抑制に有効であることを見い出し発明を完成させた。
本発明の有効成分は、後記の試験例3と4に示すように、ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞のET−1による細胞増殖に対し抑制効果を示した。
【0008】
また、本発明者はN−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその塩が、前立腺癌の進展抑制に有効であることを見い出し発明を完成させた。
本発明の有効成分は、後記の試験例5に示すように、前立腺癌患者の前立腺癌マーカーの増大を抑制、或いは、低下させた。
【0009】
即ち、本発明は、N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する、癌(特に前立腺癌、乳癌、卵巣癌)、関節炎、前立腺炎、神経膠腫、末梢動脈閉塞症、月経困難症、片頭痛、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血、糖尿病性神経障害、リウマチ、緑内障、消化性潰瘍、出産時の陣痛等のエンドセリン誘発性疾患の疼痛緩和剤;造骨性病変の改善剤;及び/又は造骨に伴う疼痛緩和剤;とりわけ、前立腺癌の骨転移による造骨性病変改善剤;及び/又は前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和剤;に関する。
【0010】
更に、本発明は、N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する前立腺癌の癌細胞増殖抑制剤び/又は前立腺癌の進展抑制剤に関する。
【0011】
尚、本発明の有効成分は特に経口吸収性に優れる為、優れた経口治療薬となりうる。本発明の有効成分は、後記の試験例6に示すように、ヒトに経口投与した時の血漿中濃度は公知ETA受容体拮抗薬であるABT-627〔1−(N,N−ジブチルカルバモイルメチル)−2(R)−(4−メトキシフェニル)−4(S)−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピロリジン−3(R)−カルボン酸〕の1/2量でAUCが約18倍と顕著に優れている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、臨床において有効な優れた前立腺癌の経口治療薬を提供できる。即ち、癌(特に前立腺癌、乳癌)、関節炎、前立腺炎、神経膠腫、末梢動脈閉塞症、月経困難症、片頭痛、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血、糖尿病性神経障害、リウマチ、緑内障、消化性潰瘍、出産時の陣痛等のエンドセリン誘発性疾患の疼痛緩和薬を提供することができる。また、造骨性病変の改善薬及び/又は造骨に伴う疼痛緩和薬、とりわけ、前立腺癌の骨転移による造骨性病変改善薬及び/又は前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和薬を提供することができる。更に、前立腺癌の癌細胞増殖抑制薬及び/又は前立腺癌の進展抑制薬を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の医薬の有効成分は、N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩である。かかる塩とは、前記国際公開第97/22595号に記載された塩が挙げられ、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マイレン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。特に好ましいものとしてカリウム塩が挙げられる。
また、本発明の有効成分には各種異性体の混合物及びその単離されたもの、水和物、溶媒和物の全てが含まれる。また本発明有効成分中には結晶多形を有する化合物もあり、それら結晶形の全てを包含する。
これらの化合物は前記の国際公開第97/22595号に記載された製法により、或いはそれに準じて容易に入手可能である。
【0014】
本発明の薬剤は、経口または非経口投与に適した有機又は無機の担体、賦形剤、その他の添加剤を用いて、常法に従って、経口固形製剤、経口液状製剤または注射剤として調製することができる。本発明の医薬の有効成分は優れた経口吸収性を有することから、本発明の薬剤は経口製剤に適する。最も好ましいのは患者が自ら容易に服用でき且つ保存、持ち運びに便利な経口固形製剤である。
経口固形製剤としては、錠剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、徐放剤等が用いられる。このような固形製剤においては、一つ又はそれ以上の活性物質が、少なくとも一つの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、微結晶セルロース、デンプン、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムと混合される。組成物は常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)のような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、スターチ、タルクのような潤滑剤;繊維素グリコール酸カルシウム、カルメロースカルシウムのような崩壊剤;ラクトースのような安定化剤;グルタミン酸又はアスパラギン酸のような溶解補助剤;ポリエチレングリコールのような可塑剤;酸化チタン、タルク、黄色酸化鉄のような着色剤;を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、寒天、ペクチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
【0015】
経口液状製剤は、製薬学的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
静注、筋注、皮下注などの注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を包含する。水性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩水が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤の希釈剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80等がある。
このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤(例えばラクトース)、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸)のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保管フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
【0016】
本発明の有効成分化合物の投与量は、投与ルート、疾患の症状、投与対象の年齢、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定されるが、通常経口投与の場合成人1人当たり有効成分約0.1乃至500mg/日、好ましくは1乃至250mg/日であり、これを1回〜2回に分けて投与される。
【0017】
尚、本発明の薬剤は他の疼痛緩和剤と同時にまたは時間をおいて併用することができる。例えば、前立腺癌、乳癌などの癌性疼痛に対しては、WHO方式癌性疼痛治療法で使用されているモルヒネ等の強オピオイド鎮痛薬、ペンタゾシン、ブプレノルフィン等の弱オピオイド鎮痛薬、インドメタシン、イブプロフェン等の非ステロイド性抗炎鎮痛薬が挙げられる。
更に、本発明の薬剤は、エンドセリン誘発性疾患の治療に用いられる他の薬剤と同時または時間をおいて併用することができる。例えば、本発明の薬剤と併用することが可能である前立腺癌の治療剤として、イホスファミド、テガフール・ウラシル等の抗悪性腫瘍剤、エチニルエストラジオール等の卵胞ホルモン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン、ベメタゾン等の副腎皮質ホルモン、酢酸クロルマジノン等の黄体ホルモン、酢酸リュープロレリン等のLH−RH誘導体、酢酸ゴセレリン等のLH−RHアゴニスト、シスプラチン等の抗悪性腫瘍白金錯体化合物、フルタミド等の抗アンドロゲン剤、ホスフェストロール、リン酸エストラムスチンナトリウム等の前立腺癌治療剤、硫酸ペプロマイシン等の抗腫瘍性抗生物質が挙げられる。
【実施例】
【0018】
以下に実施例及び試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。尚、以下の実施例等において用いる化合物1はN−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド・カリウム塩を意味する。
実施例1 カプセル錠
【表1】

上記成分を混合し、カプセルに充填してカプセル剤を製造した。
【0019】
試験例1 マウスホルマリン疼痛モデルのET−1による疼痛増強作用に対する化合物1の抑制効果
(方法)
(1)使用動物
実験には、雄性ICR系マウス(5週齢,日本SLC)を用いた。
(2)疼痛反応測定
マウスを観察用ケージに入れ5分間以上環境に慣らした後、マウスの左後肢足蹠内に生理食塩水を、右後肢足蹠内に0.7%ホルマリン含有生理食塩水をそれぞれ20μlずつ皮下投与した。その直後より出現するlickingおよびbiting反応の持続時間を5分ごとに40分間計測した。計測終了後、両足首を切断して重量を測定した。ホルマリン投与直後から5分間の反応時間をfirst phase、投与後10分から40分まで30分間の反応時間の総計をsecond phaseとして疼痛の指標とした。また右足重量 - 左足重量 (mg)により算出される浮腫を炎症性反応の指標とした。
またLicking反応時間の計測はすべて10:00から18:00の間に行った。
【0020】
(3)被検薬
ET-1を含む0.7% ホルマリン含有生理食塩水を3,10,30pmol/pawの用量で右後肢足蹠内に皮下投与し、ホルマリン疼痛および浮腫に対するET-1の増強作用を検討した。
化合物1(0.3〜3mg/kg)を1ml/100gの容量で経口投与し、投与後60分にET-1(10pmol/paw)を含む0.7%ホルマリン含有生理食塩水を右後肢足蹠内に皮下投与し、ホルマリン疼痛および浮腫のET-1誘発の増強作用に対する化合物1の効果を検討した。
(4)統計処理
結果は平均値±標準誤差で示した。二群間の有意差検定は、対応のないstudentのt検定によりp値を算出した。多群間の有意差検定は一元配置分散分析で解析し、Dunnettの多重比較によりp値を算出した。p値が5%以下の場合を有意とした。
【0021】
(結果)
(1)ホルマリン疼痛及び浮腫のET−1による増強作用
0.7%ホルマリン溶液をマウス後肢足蹠内に皮下投与することにより2相性の疼痛反応が認められた。投与直後から5分以内に出現する一過性の疼痛反応(lickingおよびbiting反応; first phase)と、ホルマリン溶液投与後20分前後をピークとする持続性の疼痛反応(second phase)が認められた。(図1A、1B)。また、0.7%ホルマリン溶液投与により後肢に浮腫が惹起された(図1C)。
ホルマリン溶液とET-1(3,10,30 pmol/paw)を同時に投与すると、first phase、second phase及び浮腫が用量依存的にかつ有意に増強された(図1A,1B,1C)。
(2)ホルマリン疼痛のET-1による増強作用に対する被検薬の作用
化合物1(0.3,1,3mg/kg,p.o.)は、ET-1(10pmol/paw)誘発のホルマリン疼痛(first phase、second phase)及び浮腫の増強作用を有意に抑制した(図2A,2B,2C)。
【0022】
試験例2 骨芽細胞様細胞MC3T3-E1のET−1誘発細胞増殖に対する抑制試験
(方法)
(1)使用細胞
実験には、マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1を用いた(Journal of Cell Biology,96(1),191-198,1983)。
(2)細胞内Ca2+濃度測定
細胞をセルデスク(径13.5mm)上に培養し、コンフルエントに達した後、血清非存在下で約12時間以上培養後実験に用いた。細胞にHank's balanced salt solution(HBSS)(140mM NaCl,4mM KCl,1mM K2HPO4, 1mM MgCl2,1mM CaCl2,10mM glucose,20mM Hepes,pH=7.4)中でFura 2-AM(4μM)を添加して37℃、1時間インキュベーションした。HBSSが入った石英セル中にセルデスクを固定し、細胞内Ca2+測定装置(CAF-110)内に石英セルを装着して37℃、スターラーによる攪拌条件下で定常状態になってから実験を開始した。細胞内Ca2+濃度の測定は、340/380nm励起波長による500nmの蛍光強度比を測定し、得られた蛍光強度比から計算式によって細胞内Ca2+濃度を算出した(J.Biol.Chem.,260,3440-3450,1985)。
(3)DNA合成量測定
DNA合成量は、[3H]ラベルしたthymidineの取り込み量を測定した。細胞を96穴プレートにFCS 0.2%の培地を用いて1.5×104cells/wellの割合で蒔いて2日間培養した。その後溶媒及びET-1を加え24時間培養した。続いて培養液中に[3H-methyl]-thymidine,0.5μCi/wellを添加し6時間パルスラベルした。続いて最終濃度0.2% となるようにSDS溶液を添加し細胞を溶解させた後、DNA合成に使用された[3H-methyl]-thymidineの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。対照として溶媒を添加した測定値を100%とし、DNA合成増加率を算出した。
【0023】
(4)細胞数測定
細胞数は、Cell Counting Kit (DOJINDO)の試薬溶液を用いて測定した。細胞を24穴プレートにFCS 0.5%の培地を用いて1.0×104cells/wellの割合で蒔いて1日間培養した。その後溶媒及びET-1を加え72時間培養した。続いて培養液中に試薬溶液を100μl/well添加し、37℃、3時間インキュベーションした。反応後、24穴プレートの各穴から200μlずつ96穴プレートに移し、吸光度(波長405nm、参照波長650nm)をプレートリーダーで測定した。対照として溶媒を加えた測定値を100%とし、細胞数増加率を算出した。
(5)被検薬
それぞれの実験において、最終濃度としてET-1 10-13〜10-6M、化合物1 10-12〜10-4Mの濃度範囲(いずれも10倍比)で実験を行った。化合物1は、細胞内Ca2+濃度測定においてはET-1添加約2分前、それ以外の実験においてはET-1添加約2時間前に添加した。
(6)統計処理
結果は平均値±標準誤差で示した。群間の有意差検定は一元配置分散分析で解析し、Dunnetの多重比較によりp値を算出した。p値が5%以下の場合を有意とした。各実験のET-1のEC50値および化合物のIC50値は、Logistic回帰法により算出した。
【0024】
(結果)
(1)MC3T3-E1のET-1誘発細胞内Ca2+濃度上昇に対する化合物1の抑制効果
マウス骨芽細胞様細胞であるMC3T3-E1において、ET-1(10-12〜10-6M)は濃度依存的に細胞内Ca2+濃度を上昇させた(図3A)。ET-1のEC50値は7.39×10-9Mであった。化合物1(10-12〜10-4M)は、ET-1(10-8M)により誘発された細胞内Ca2+濃度上昇作用を濃度依存的に抑制した(図3B)。化合物1のIC50値は1.02×10-8Mであった。
(2)MC3T3-E1のET-1誘発細胞増殖に対する化合物1の抑制効果
マウス骨芽細胞様細胞であるMC3T3-E1において、ET-1(10-13〜10-6M)は[3H]-thymidineの取り込みを濃度依存的に有意に上昇させDNA合成を増加させた(図4A)。ET-1のEC50値は9.84×10-12Mであった。化合物1(10-12〜10-6M)は、ET-1(10-10M)により誘発された[3H]-thymidineの取り込み上昇作用を濃度依存的に抑制した(図4B)。化合物1のIC50値は1.15×10-8Mであった。
同様に、WST-1による細胞数測定実験においても、ET-1(10-12〜10-6M)はMC3T3-E1の細胞数を濃度依存的に有意に上昇させた(図5A)。ET-1のEC50値は2.20×10-11Mであった。化合物1(10-11〜10-6M)は、ET-1(10-9M)により誘発された細胞数上昇作用を濃度依存的に抑制した(図5B)。化合物1のIC50値は9.54×10-9Mであった。
【0025】
試験例3 ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞のET−1誘発細胞増殖に対する抑制試験(1)
(方法)
(1)使用細胞
実験にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞株であるPPC-1を用いた(International Journal of Cancer,44,898-903,1989)。
(2)PPC-1細胞増殖に対するET-1の作用および被検薬による増殖抑制効果の検討
細胞増殖の指標としてDNA合成量を測定した。DNA合成量は、[3H]ラベルしたth
ymidineの取り込み量を測定した。細胞を96穴プレートにFCS無添加の培地を用いて1×104cells/wellの割合で蒔いて5日間培養した。その後溶媒及びET-1を加え24時間培養した。続いて培養液中に[3H-methyl]-thymidine,0.5μCi/wellを添加し6時間パルスラベルした。続いて最終濃度0.2 %となるようにSDS溶液を添加し細胞を溶解させた後、DNA合成に使用された[3H-methyl]-thymidineの放射活性を液体シンチレーションカウンターで測定した。対照として溶媒を添加した測定値を100%とし、DNA合成増加率を算出した。
(3)被検薬
本実験において、最終濃度としてET-1 10-13〜10-6M(10倍比)、化合物1 10-10〜3×10-6Mの濃度範囲(3倍比)で実験を行った。化合物1は、ET-1添加約2時間前に添加した。
(4)統計処理
結果は平均値±標準誤差で示した。群間の有意差検定は一元配置分散分析で解析し、Dunnettの多重比較によりp値を算出した。p値が5%以下の場合を有意とした。化合物1のIC50値はlogistic回帰法により算出した。
【0026】
(結果)
図6Aに示すように、ホルモン非感受性ヒト前立腺癌細胞株PPC-1において、ET-1 (10-13〜10-6 M) は濃度依存的に [3H]-thymidineの取り込みを上昇させ、細胞増殖促進作用を示した。ET-1の作用は10-8M以上で有意であった。化合物1(10-10〜3×10-6M)はET-1(10-8M)で誘発されるPPC-1細胞増殖促進を濃度依存的に抑制し、IC50値は28±9.8 nMであった (図6B)。化合物1の抑制作用は3×10-7M以上で有意であった。
【0027】
試験例4 ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞のET−1誘発細胞増殖に対する抑制試験(2)
(方法)
(1)使用細胞
実験にはホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞株であるPPC-1を用いた(International Journal of Cancer,44,898-903,1989)。
(2)ET-1による増殖反応および被検薬によるET-1誘発増殖抑制効果の検討
細胞数は、alamar blueの試験溶液を用いて測定した。24wellプレートに細胞を2×104cells/well蒔き込み、接着後培地をFCS非添加の培地に変換してさらに24時間培養した。その後溶媒及びET-1を(10-11〜10-6M)添加し、96時間培養した。培地の最終容量は500μlとし、培養液中にalamar blueを50μl添加し4時間インキュベーションした。反応後24wellプレートの各穴から反応液を100μl採取し、96wellプレートに移しかえ、吸光度(波長405nm,参照波長650nm)をプレートリーダーで測定した。対照として溶媒を加えた測定値を100%とし、細胞数増加率を算出した。
化合物の抑制効果の検討には、化合物1を10-9〜-10-5Mの最終濃度で、ET-1を10-7M添加30分前に添加した。
また本実験においてET-1の崩壊が懸念されたため、刺激後48時間で新しいET-1添加培地と交換した。
【0028】
(結果)
表2に示すように、ET-1は10-11MからET-1によるPPC-1の細胞増殖作用が観察された。
【表2】

また、表3に示すように化合物1は10-6MからET-1 10-7MによるPPC-1の細胞増殖を抑制した。
【表3】

【0029】
試験例5 前立腺癌患者に対する臨床試験
(方法)
前立腺癌患者に対する臨床試験は以下の条件で行った。
対象:ホルモン非依存性の又は抗アンドロゲン療法後に再発したステージD2の前立腺癌患者18名(45歳以上)
披検薬:化合物1
剤形:2、10及び40mg錠
用量:2、4、10、20、60、120及び240mg/日(1日1又は2回投与)
投与期間:4週間(28日)
評価指標:以下の項目を投与前後に測定した。
(1)前立腺特異抗原(PSA)
(2)骨マーカー(骨アルカリフォスファターゼ又はデオキシピリジノリン)
(3)骨疼痛(疼痛スコアVAS(visual analogue scale)の変化/鎮痛薬の使用量の変化)
【0030】
(結果)
化合物1は2mg/日の用量から各効果指標の改善が認められた。化合物1は、患者18名中9名の疼痛スコアVASを改善させた。化合物1は患者18名中4名の鎮痛薬の使用量を低下させた。化合物1は患者10名の前立腺癌マーカーPSAを改善させ、2名のPSAを維持させた。化合物1は患者18名中11名の骨代謝マーカー骨アルカリフォスファターゼを減少させ、患者18名中14名の骨代謝マーカーデオキシピリジノリン/クレアチニン比を約40%改善させた。
【0031】
試験例6 ヒトに経口投与した時の血漿中濃度
(方法)
化合物1の経口投与時の薬物動態、忍容性および安全性を評価する目的で前立腺摘出手術を施行した進行性前立腺癌患者3名を対象として化合物1を10mg単回投与した。化合物1の血漿中未変化体濃度を測定するために、投与前ならびに投与後30分、1時間、1時間30分、2時間、3時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間、36時間及び48時間の各時点でヘパリンリチウムを含むポリエチレンチューブに血液を6 mlづつ採取し、速やかに遠心分離(4℃,10分間,3500rpm)して血漿を得た。血漿サンプルは濃度測定までマイナ
ス70℃にて冷凍保存した。血漿中濃度はLC−MS/MS法を用いて測定した。
【0032】
(結果)
表4に示す通り、化合物1を10mg単回経口投与時のCmax及びAUCは、ABT-627を20mg投与時と比べて各々約11倍及び約18倍高い値を示した。
【表4】

【0033】
試験例1の結果から、化合物1がエンドセリン誘発性の疾患の疼痛緩和剤として有用であることが確認された。
試験例2の結果から、化合物1が造骨性の骨病変を改善し、造骨に伴う疼痛緩和剤として有用であることが確認された。
また試験例2において、ET-1は1×10-11M程度の非常に低濃度から骨芽様細胞の細胞応答を引き起こすことが示された。ヒト前立腺癌細胞株のET-1産生能に関する報告では約数十pg/ml 106cells/24hrのET-1産生が報告されている(Nat.Med.,1(9),944-949,1995)。この濃度は約1×10-11Mにあたり、試験例2の結果は、前立腺癌の骨転移患者の骨転移部位において、前立腺癌細胞から産生されたET-1が造骨性の骨病変を形成しうる可能性を強く示唆する知見である。試験例2において、化合物1は、10nM付近の低濃度で骨芽様細胞のET-1による細胞応答を抑制することが示された。よって化合物1は、ET-1の関与が示唆されている前立腺癌患者の造骨性骨病変に対して改善効果を示すことが強く示唆された。更に試験例1の結果を併せて考えると、化合物1は、前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和剤として有用であることが強く示唆された。
また、試験例5の結果によっても、化合物1が前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和剤として有用であることが確認された。
【0034】
試験例3及び4の結果から、化合物1がホルモン抵抗性の前立腺癌の癌細胞増殖抑制剤として有用であることが確認され、化合物1は前立腺癌の進展抑制効果を示すことが強く示唆された。
また、試験例5の結果によっても、化合物1が前立腺癌の進展抑制剤として有効であることが確認された。
【0035】
更には、試験例6において、化合物1は公知ETA受容体拮抗剤として知られるABT-627の1/2の用量でAUCが約18倍と高く、化合物1の経口投与時の経口吸収性及び薬物動態は特に優れていることが示唆された。ヒトETA受容体に対する親和性(Ki値)は化合物1が0.697nM(WO97/22595)、ABT-627が0.48nM(J.Pharmacol.Exp.Ther.,276,473-481,1996)とほぼ同等であるが、化合物1はABT-627よりも優れた経口治療薬として期待される。
また、試験例5において、化合物1は2mgの用量から有効性を示し、これは前立腺癌患者に対して10mgの用量から有意な疼痛改善が報告されたABT-627(Proceedings of ASCO,Vol.19,1314,2000)の1/5の量であり、化合物1は前立腺癌の優れた経口治療薬であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明によれば、臨床において有効な優れた前立腺癌の経口治療薬を提供できる。即ち、癌(特に前立腺癌、乳癌)、関節炎、前立腺炎、神経膠腫、末梢動脈閉塞症、月経困難症、片頭痛、狭心症、急性心筋梗塞、脳梗塞、くも膜下出血、糖尿病性神経障害、リウマチ、緑内障、消化性潰瘍、出産時の陣痛等のエンドセリン誘発性疾患の疼痛緩和薬を提供することができる。また、造骨性病変の改善薬及び/又は造骨に伴う疼痛緩和薬、とりわけ、前立腺癌の骨転移による造骨性病変改善薬及び/又は前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和薬を提供することができる。更に、前立腺癌の癌細胞増殖抑制薬及び/又は前立腺癌の進展抑制薬を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】ホルマリン疼痛に対するET-1による増強作用(A.First Phase、B.Second Phase、C.浮腫)を示す。
【図2】ホルマリン疼痛のET-1による増強作用に対する化合物1の抑制作用(A.First Phase、B.Second Phase、C.浮腫)を示す。
【図3】マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1のET-1誘発細胞内Ca2+濃度上昇に対する化合物1の抑制効果を示す。
【図4】マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1のET-1誘発細胞増殖([3H]-thyamidine取り込み)に対する化合物1の抑制効果を示す。
【図5】マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1のET-1誘発細胞増殖(細胞数)に対する化合物1の抑制効果を示す。
【図6】ホルモン非依存性ヒト前立腺癌細胞PPC-1のET-1誘発細胞増殖に対する化合物1の抑制効果を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有するエンドセリン誘発性疾患の疼痛緩和剤。
【請求項2】
エンドセリン誘発性疾患が前立腺癌である請求項1記載の疼痛緩和剤。
【請求項3】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する造骨性病変の改善剤。
【請求項4】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する造骨に伴う疼痛緩和剤。
【請求項5】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する前立腺癌の骨転移に伴う疼痛緩和剤。
【請求項6】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミド又はその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する前立腺癌の骨転移による造骨性病変の改善剤。
【請求項7】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する前立腺癌の癌細胞増殖抑制剤。
【請求項8】
前立腺癌がホルモン非依存性前立腺癌である請求項7記載の癌細胞増殖抑制剤。
【請求項9】
N−[6−メトキシ−5−(2−メトキシフェノキシ)−2−(2−ピリミジニル)−4−ピリミジニル]−2−フェニルエテンスルホンアミドまたはその製薬学的に許容される塩を有効成分として含有する前立腺癌の進展抑制剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−176542(P2006−176542A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−90667(P2006−90667)
【出願日】平成18年3月29日(2006.3.29)
【分割の表示】特願2000−328374(P2000−328374)の分割
【原出願日】平成12年10月27日(2000.10.27)
【出願人】(000006677)アステラス製薬株式会社 (274)
【Fターム(参考)】