説明

フェニル誘導体及びそれらの免疫調節薬としての使用

本発明は、Gタンパク質結合受容体S1P1/EDG1のアゴニストであり、かつ循環および浸潤するTおよびBリンパ球の数を減少させることによりこれらの成熟、記憶または増殖に影響を及ぼさずに達成される強力かつ持続性の免疫抑制効果を有する式(I)の新規化合物を提供する。S1P1/EDG1アゴニズムの結果としての循環T/Bリンパ球の減少により、おそらくS1P1/EDG1活性化と関連した内皮細胞層機能の改善が観察されることと合わせて、このような化合物が、抑制されていない炎症性疾患を治療するために、および血管機能性を改善するために有用となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(I)のS1P1/EDG1受容体アゴニストおよび医薬組成物の製造における活性成分としてのこれらの使用に関する。また、本発明は、化合物の製造のための方法、式(I)の化合物を含む医薬組成物、並びに血管機能を改善する化合物としての、および免疫調節薬としての、単独またはその他の活性化合物もしくは療法と組み合わせたこれらの使用を含む関連した側面に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト免疫系は、感染または疾患を生じさせる外来微生物および物質から体を守るようにデザインされている。複雑な調節機構が、免疫応答が侵入する物質または生物体を標的とし、宿主を標的としないことを保証する。場合によっては、これらの制御メカニズムが制御されず、自己免疫応答を発症し得る。炎症反応が制御されない結果として、重篤な器官、細胞、組織または関節の損傷が生じる。また、現在の治療では、通常、全免疫系が抑制されて、体が感染に応答する能力が大きく損なわれてしまう。この種の典型的な薬物には、アザチオプリン、クロランブシル、シクロホスファミド、シクロスポリンまたはメトトレキセートを含む。炎症を減少させて、免疫応答を抑制する副腎皮質ステロイドは、長期治療に使用されると、副作用の原因となることがある。非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、疼痛および炎症を減少させることができるが、しかし、これらは、かなりの副作用を示す。代わりの治療には、サイトカインシグナリングを活性化し、または遮断する薬剤を含む。
【0003】
免疫調節特性をもち、免疫応答を損なうことなく、そして副作用が減少された、経口で有効な化合物は、制御されない炎症性疾患の現在の治療を大幅に向上させるであろう。
臓器移植の分野では、器官拒絶反応を防止するために宿主免疫応答を抑制しなければならない。臓器移植レシピエントは、彼らが免疫抑制剤を服用するときでも、いくらか拒絶反応を受けることがある。拒絶反応は、移植後の最初の数週に最も頻繁に生じるが、拒絶反応の発症は、移植の何月もまたは何年後でさえも生じ得る。副作用を最小にすると共に、拒絶反応から最大限保護するために、3つまたは4つまでの薬物療法の組み合わせが一般に使用されている。移植臓器の拒絶反応を治療するために使用される現在の標準薬は、T型またはB型白血球の活性化における別々の細胞内経路を妨げる。このような薬物の例には、サイトカイン放出またはシグナリングを妨げるシクロスポリン、ダクリズマブ、バシリキシマブ、エベロリムスもしくはFK506;ヌクレオチド合成を阻害するアザチオプリンもしくはレフルノミド;または白血球分化の阻害剤である15-デオキシスペルグアリンがある。
【0004】
広範な免疫抑制療法による有益な効果は、これらの効果に関連するが;しかし、これらの薬物により生じる全身的免疫抑制は、感染および悪性腫瘍に対する免疫系の防御を減弱させる。さらにまた、標準的な免疫抑制剤は、高投薬量で使用されることが多く、器官損傷を引き起こし、または促進し得る。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、Gタンパク質結合受容体S1P1/EDG1のアゴニストであり、かつ循環および浸潤するTおよびBリンパ球の数を減少させることによりこれらの成熟、記憶または増殖に影響を及ぼさずに達成される強力かつ持続性の免疫抑制効果を有する式(I)の新規化合物を提供する。S1P1/EDG1アゴニズムの結果としての循環T/Bリンパ球の減少により、おそらくS1P1/EDG1活性化と関連した内皮細胞層機能の改善が観察されることと合わせて、このような化合物が、抑制されていない炎症性疾患を治療するために、および血管機能性を改善するために有用となる。
【0006】
本発明の化合物は、単独で、またはT細胞活性化を阻害する標準薬と組み合わせて、標準的な免疫抑制療法と比較したときに感染の性向が減少した新たな免疫抑制療法を提供するために利用することができる。さらにまた、本発明の化合物は、投薬量を減少した従来の免疫抑制性療法と組み合わせて、一方では有効な免疫抑制活性を、一方では高用量の標準的な免疫抑制剤に付随した末端器官損傷の減少を提供するために使用することができる。S1P1/EDG1活性化と関連した内皮細胞層機能の改善の観察は、血管機能を改善するための化合物のさらなる利点をもたらす。
【0007】
ヒトS1P1/EDG1受容体のためのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、当技術分野において公知であり、たとえばHla, T., and Maciag, T. J. Biol Chem. 265(1990), 9308-9313;1991年10月17日に公開された国際公開公報第91/15583号;1999年9月16日に公開された国際公開公報第99/46277号に発表されている。式(I)の化合物の能力および有効性は、EC50値を決定するためのGTPγSアッセイ法を使用して、および経口投与後のラットにおける循環リンパ球を測定することによって、それぞれ評価される(実施例を参照されたい)。
【0008】
上記及び下記において使用される一般的用語は、本開示の範囲内において、特に示さない限り、好ましくは以下の意味を有する。
化合物、塩、医薬組成物、疾病等について複数形が使用される場合は、単数の化合物、塩等をも意味することが意図されている。
【0009】
式(I)の化合物に対する上記又は下記のいずれの言及も、適切かつ好都合なように、式(I)の化合物の塩、特に薬学的に許容される塩をも指すものと理解されるべきである。
【0010】
C1-5アルキルという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、1から5の炭素原子をもつ飽和した、分枝または直鎖状基を意味する。C1-5アルキル基の好ましい例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、n-ペンチルおよびイソ-ペンチルである。
同様に、C1-4アルキルという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、1から4の炭素原子をもつ飽和した、分枝または直鎖状基を意味する。C1-4アルキル基の好ましい例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチルおよびイソ-ブチルである。
【0011】
同様に、C1-3アルキルという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、1から3の炭素原子をもつ飽和した、分枝または好ましくは直鎖状基を意味し、メチル、エチル、n-プロピルまたはイソ-プロピル基を表す。
【0012】
同様に、C2-5アルキルという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、2から5の炭素原子をもつ飽和した、分枝または直鎖状基を意味する。C2-5アルキル基の好ましい例は、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、n-ペンチルおよびイソ-ペンチルである。
【0013】
同様に、C2-4アルキルという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、2から4の炭素原子をもつ飽和した、分枝または直鎖状基を意味する。C2-4アルキル基の好ましい例は、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチルおよびイソ-ブチルである。
【0014】
C1-4アルコキシという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、RがC1-4アルキルであるR-O基を意味する。C1-4アルコキシ基の好ましい例は、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシおよびイソ-ブトキシである。
【0015】
C1-3アルコキシという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、RがC1-3アルキルであるR-O基を意味する。
【0016】
同様に、C2-5アルコキシという用語は、単独で、またはその他の基と組み合わせて、RがC2-5アルキルであるR-O基を意味する。C2-5アルコキシ基の好ましい例は、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、イソ-ブトキシおよびイソ-ペントキシである。
ハロゲンという用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはフルオロまたはクロロを意味する。
【0017】
塩は、好ましくは式(I)の化合物の薬学的に許容される塩である。
薬学的に許容される塩という用語は、無毒性の無機もしくは有機酸および/または塩基付加塩を意味する、文献: 例えば"Salt selection for basic drugs", Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217。
【0018】
式(I)の化合物は、1または2以上の不斉炭素原子などの、1または2以上のキラルまたは不斉中心を含んでいてもよい。従って、式(I)の化合物は、立体異性体の混合物として、または好ましくは純粋な立体異性体として存在してもよい。立体異性体の混合物は当業者に知られた方法で分離してもよい。
【0019】
i)本発明は、式(I)の新規なフェニル化合物、およびこれらの塩に関する:
【0020】
【化1】



【0021】
式中
記号#は、そのいずれかに基Aが結合してもよい、R、RおよびRを有するフェニル環の2つの炭素原子を表し;
式中、
Aは
【0022】
【化2】

【0023】
(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表し;

は水素、C1-3アルキル、フルオロ、クロロ、メトキシまたはシアノを表し;

は、C2-5アルキルまたはC1-4アルコキシを表し;

は、水素を表し、そして基Aが、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環のRに対してパラ位に結合する場合には、Rは、加えてメチル基を表してもよく;

は、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはハロゲンを表し;

5は、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはハロゲンを表し;

6は、ヒドロキシ-C1-5-アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルキル、-CH2-(CH2)k-NR61R62、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR61R62、-CH2-(CH2)n-NHSO2R63、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R63、-CH2-(CH2)n-NHCOR64、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR64、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C2-5アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルコキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR61R62、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR61R62、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R63、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R63、-OCH2-(CH2)m-NHCOR64または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し;

61は、水素、C1-3アルキル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-エチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、1-(C1-5-アルキルカルボキシ)メチル、2-カルボキシエチルまたは2-(C1-5-アルキルカルボキシ)エチルを表し;

62は、水素、メチルまたはエチルを表し;

63は、C1-3-アルキル、メチルアミノ、エチルアミノまたはジメチルアミノを表し;

64は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-エチルまたは2,3-ジヒドロキシプロピルを表し;

kは、1、2または3の整数を表し;

mは、1または2の整数を表し;

nは、0、1または2を表し;そして

は、水素、C1-3アルキルまたはハロゲンを表す。
【0024】
ii)本発明の特定の態様は、Aが、
【0025】
【化3】



【0026】
(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表す、態様i)に記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
iii)本発明のもう一つの特定の態様は、Aが、
【0027】
【化4】

【0028】
(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表す、態様i)に記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0029】
iv)本発明のもう一つの特定の態様は、Aが、
【0030】
【化5】

【0031】
(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表す、態様i)に記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0032】
v)本発明のもう一つの特定の態様は、Aが、
【0033】
【化6】

【0034】
を表す、態様i)に記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
vi)本発明の好ましい態様は、Rがメチル基を表す、態様i)からv)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0035】
vii)本発明のもう一つの好ましい態様は、R2がn-プロピル、n-ブチル、イソブチル、イソアミル、プロポキシまたはイソプロポキシを表す、態様i)からvi)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0036】
viii)本発明のもう一つの好ましい態様は、R2がイソブチルまたはイソプロポキシを表す、態様i)からvi)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0037】
ix)本発明の好ましい態様は、Rが水素を表す、態様i)からviii)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0038】
x)本発明のもう一つの好ましい態様は、Rが水素を表し、R5がメチル、エチルまたはメトキシを表し、Rがメチル、エチルまたはハロゲンを表す、態様i)からix)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0039】
xi)本発明のもう一つの好ましい態様は、Rが水素を表し、R5およびRがメチル基を表す、態様i)からix)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0040】
xii)本発明の特に好ましい態様は、Rが水素を表し、R5がメチル基を表し、Rがエチル基を表す、態様i)からix)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0041】
xiii)本発明のもう一つの好ましい態様は、Rが水素を表し、R5がメトキシ基を表し、Rが塩素原子を表す、態様i)からix)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0042】
xiv)本発明のもう一つの好ましい態様は、R6が、ヒドロキシ-C1-5-アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、-CH2-(CH2)k-NR61R62、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR61R62、-CH2-(CH2)n-NHCOR64、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR64、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C2-5アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルコキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR61R62、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR61R62、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R63、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R63、-OCH2-(CH2)m-NHCOR64または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表す、態様i)からxiii)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0043】
xv)本発明のもう一つの好ましい態様は、R6が、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C2-5アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルコキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NHCOR64または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表す、態様i)からxiii)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0044】
xvi)本発明のもう一つの好ましい態様は、R6が、3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシまたは-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表す、態様i)からxiii)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0045】
xvii)本発明のもう一つの好ましい態様は、R6が-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し、R64がヒドロキシメチルを表す、態様i)からxiii)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0046】
xviii)本発明のもう一つの好ましい態様は、基Aが、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環のRに対してパラ位に結合する、態様i)からxvii)のいずれかに記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0047】
xix)本発明の特に好ましい態様は、Aが、
【0048】
【化7】

【0049】
(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表し;Rがメチルを表し;R2がイソブチルまたはイソプロポキシを表し;Rが水素を表し;Rが水素またはメトキシを表し;R5が水素、メチル、エチルまたはメトキシを表し;R6が3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシまたは-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し;そしてRが水素、メチル、エチルまたは塩素を表す、態様i)に記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0050】
xx)本発明のもう一つの非常に好ましい態様は、Aが、
【0051】
【化8】

【0052】
(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表し;
が水素またはC1-3アルキルを表し;

2がC2-5アルキルまたはC1-4アルコキシを表し;

が水素を表し、そして基Aが、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環のRに対してパラ位に結合する場合には、Rは加えてメチル基を表してもよく;

が水素を表し;

5がC1-3アルキルを表し;

6がヒドロキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR61R62または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し;

61およびR62が共に水素を表し;

64がヒドロキシメチルを表し;そして

がC1-3アルキルを表す、
態様i)に記載のフェニル誘導体、およびこれらの塩に関する。
【0053】
xxi)特に好ましい式(I)のフェニル化合物は:
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
N-((2R)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミド、
N-((2S)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(3-イソプロポキシ-4-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(3-イソプロポキシ-4-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
N-((2R)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミドおよび
N-((2S)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミド、
並びにそのような化合物の塩である。
【0054】
式(I)の化合物およびこれらの薬学的に許容される塩は、医薬として、たとえば経腸または非経口投与のための医薬組成物の形態で使用することができる。
医薬組成物の製造は、いずれの当業者によく知られた様式で(たとえばMark Gibson, Editor, Pharmaceutical Preformulation and Formulation, IHS Health Group, Englewood, CO, USA, 2001; Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, Philadelphia College of Pharmacy and Scienceを参照されたい)、記述された式(I)の化合物またはこれらの薬学的に許容される塩を、任意に、ガレノスの投与形態中に、適切な無毒の不活性な薬学的に許容される固体または液体の担体材料および必要に応じて、通常の薬学的アジュバントと共に、その他の治療的に有益な物質と組み合わせることによって遂行することができる。
【0055】
式(I)の化合物を含む医薬組成物は、活性化された免疫系と関連する疾患もしくは障害の予防および/または治療のために有用である。
【0056】
かかる疾患または障害は、移植された臓器、組織または細胞に対する拒絶反応;移植によってもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチを含む自己免疫性症候群;全身性エリテマトーデス;抗リン脂質抗体症候群;橋本甲状腺炎;リンパ球性甲状腺炎;多発性硬化症;重症筋無力症;I型糖尿病;ブドウ膜炎;上強膜炎;強膜炎;川崎病、ブドウ膜網膜炎;後部ブドウ膜炎;ベーチェット病関連ブドウ膜炎;ブドウ膜髄膜炎症候群;アレルギー性脳脊髄炎;慢性アレルギー性血管症;リウマチ熱、感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;炎症性および過増殖性皮膚疾患;乾癬;乾癬性関節炎;アトピー性皮膚炎;ミオパシー;筋炎;骨髄炎;接触皮膚炎;湿疹性皮膚炎;脂漏性皮膚炎;扁平苔癬;天疱瘡;水疱性類天疱瘡;表皮水疱症;蕁麻疹;血管性浮腫;脈管炎;紅斑;皮膚好酸球増加;アクネ(瘡);強皮症;円形脱毛症;角結膜炎;春季カタル性結膜炎;角膜炎;ヘルペス性角膜炎;角膜上皮性ジストロフィー;角膜白斑;眼部天疱瘡;モーレン潰瘍;潰瘍性角膜炎;強膜炎;グレーブス眼症;フォークト・小柳・原田症候群;類肉腫症;花粉アレルギー;可逆性閉塞性気道疾患;気管支喘息;アレルギー喘息;内因性喘息;外因性喘息;塵埃喘息;慢性または難治性喘息;遅発性喘息および気道過敏症;細気管支炎;気管支炎;子宮内膜症;睾丸炎;胃潰瘍;虚血性腸疾患;炎症性腸疾患;壊死性腸炎;熱傷関連腸病変;セリアック病;直腸炎;好酸球性胃腸炎;肥満細胞症;クローン病;潰瘍性大腸炎;虚血性疾患および血栓症により惹起された血管損傷;アテローム性動脈硬化症;脂肪心;心筋炎;心筋梗塞;大動脈症候群;ウイルス性疾患による悪液質;血管血栓症;偏頭痛;鼻炎;湿疹;間質性腎炎;IgA誘発腎障害;グッドパスチャー症候群;溶血性尿毒症症候群;糖尿病性腎障害;糸球体硬化;糸球体腎炎;尿細管間質性腎炎;間質性膀胱炎;多発筋炎;ギラン・バレ症候群;メニエール病;多発神経炎;多発性神経炎;脊髄炎;単神経炎;神経根障害;甲状腺機能亢進症;バセドウ病;甲状腺中毒症;真性赤血球系無形成症;再生不良性貧血;低形成貧血;特発性血小板減少性紫斑病;自己免疫性溶血性貧血;自己免疫性血小板減少症;顆粒球減少;悪性貧血;巨赤芽球性貧血;赤血球形成不全;骨粗しょう症;肺線維症;特発性間質性肺炎;皮膚筋炎;尋常性白斑;尋常性魚鱗癬;光線過敏症;皮膚T細胞リンパ腫;結節性多発性動脈炎;ハンチントン舞踏病;シデナム舞踏病;心筋症;心筋炎;強皮症;ウェーゲナー肉芽腫;シェーグレン症候群;脂肪過多;好酸球性筋膜炎;歯肉、歯周靱帯、歯槽骨、セメント質の損傷・病変;若はげまたは老年性脱毛;筋ジストロフィー;膿皮症;セザリー症候群;下垂体炎;慢性副腎機能不全;アジソン病;保存時に起る臓器の虚血・再灌流損傷;エンドトキシンショック;偽膜性結腸炎;薬物または放射線による結腸炎;虚血性急性腎不全;慢性腎不全;肺癌;リンパ起源の悪性腫瘍;急性または慢性リンパ球性白血病;リンパ腫;肺気腫;白内障;鉄沈着症;網膜色素変性;老年性黄斑変性;硝子体瘢痕化;角膜アルカリ熱傷;紅斑性皮膚炎;水疱性皮膚炎;セメント皮膚炎;歯肉炎;歯周炎;敗血症;膵炎;抹消動脈疾患;発癌;固形癌腫瘍;癌転移;高山病;自己免疫肝炎;原発性胆汁性肝硬変;硬化性胆道炎;部分肝切除;急性肝壊死;肝硬変;アルコール肝硬変;肝不全;劇症肝不全;遅発性肝不全;「慢性期急性」肝不全からなる群から選ばれるものである。
式(I)の化合物により治療および/または予防されるべき、好ましい疾患または障害は、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜および皮膚等の移植された臓器に対する拒絶反応;幹細胞移植によりもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病および潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎等の甲状腺炎、ブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎、皮膚炎等のアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱、感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形癌および腫瘍転移からなる群から選ばれるものである。
【0057】
式(I)の化合物により治療および/または予防されるべき、特に好ましい疾患または障害は、腎臓、肝臓、心臓および肺から選択される移植された臓器に対する拒絶反応;幹細胞移植によりもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、乾癬、乾癬性関節炎、クローン病および橋本甲状腺炎から選択される自己免疫症候群;およびアトピー性皮膚炎からなる群から選ばれるものである。
【0058】
本発明はまた、式(I)の化合物の薬学的に活性な量を患者に投与することを含む、本明細書において言及した疾患もしくは障害の予防または治療のための方法にも関する。
【0059】
さらにまた、式(I)の化合物は、1つまたはいくつかの免疫調節薬と組み合わせて、本明細書において言及した疾患および障害の予防および/または治療のために有用である。本発明の好ましい態様によれば、前記薬剤は、免疫抑制薬、副腎皮質ステロイド、NSAID、細胞毒、接着分子阻害剤、サイトカイン、サイトカイン阻害剤、サイトカイン受容体アンタゴニストおよび組換えサイトカイン受容体からなる群より選択される。
【0060】
また、本発明は、任意に1つまたはいくつかの免疫調節薬と組み合わせて使用するための、本明細書において言及した疾患および障害の予防または治療のための医薬組成物の製造のための、式(I)の化合物の使用に関する。
【0061】
式(I)の化合物は、以下の方法によって、実施例に示された方法によって、または類似の方法によって製造することができる。最適反応条件は、使用する具体的反応物または溶媒によって変更してもよいが、このような条件は、当業者により、ルーチンの最適化手順によって決定することができる。
【0062】
本発明の式(I)の化合物は、下記に概説した反応の一般的順序に従って製造することができる。式(I)の化合物を生じる合成の可能性のうちの少数のみを記述してある。
【0063】
【化9】

【0064】
【化10】



【0065】
構造1の[1,2,4]オキサジアゾール誘導体を表す式(I)の化合物は、キシレン、トルエン、ベンゼン、ピリジン、DMF、ジクロロメタン、酢酸、トリフルオロ酢酸などの溶媒中で、室温または高温にて、酸(たとえば、TFA、酢酸、HCl、その他)、塩基(たとえば、NaH、NaOAc、Na2CO3、K2CO3、トリエチルアミン、その他)、テトラアルキルアンモニウム塩または水除去剤(たとえば、塩化オキサリル、カルボン酸無水物、POCl3、PCl5、P4O10、モレキュラーシーブ、メトキシカルボニルスルファモイルトリエチルアンモニウムヒドロキシド(Burgess試薬)、その他)等の添加剤の存在下または非存在下において、構造2の化合物を反応させることによって製造される(文献: たとえば、C. T. Brain, J. M. Paul, Y. Loong, P. J. Oakley, Tetrahedron Lett. 40(1999) 3275-3278; A. R. Gangloff, J. Litvak, E. J. Shelton, D. Sperandio, V. R. Wang, K. D. Rice, Tetrahedron Lett.42 (2001), 1441-1443; T. Suzuki, K. Iwaoka, N. Imanishi, Y. Nagakura, K. Miyta, H. Nakahara, M. Ohta, T. Mase, Chem. Pharm. Bull. 47 (1999), 120-122; R. F. Poulain, A. L. Tartar, B. P. Deprez, Tetrahedron Lett. 42 (2001), 1495-1498; R. M. Srivastava, F. J. S. Oliveira, D. S. Machado, R. M. Souto-Maior, Synthetic Commun. 29 (1999), 1437-1450; E. O. John, J. M. Shreeve, Inorganic Chemistry27 (1988), 3100-3104; B. Kaboudin, K. Navaee, Heterocycles60 (2003), 2287-2292)。
【0066】
【化11】

【0067】
構造2の化合物は、DMF、THF、DCMなどの溶媒中で、TBTU、DCC、EDC、HBTU、PyBOP、CDIなどの1つまたは複数のカップリング試薬の存在下または非存在下において、およびトリエチルアミン、Huenigの試薬、NaH、K2CO3などの塩基の存在下または非存在下において、構造3の化合物を構造4の化合物と反応させることによって製造してもよい。
【0068】
【化12】

【0069】
同様に、構造5のヒドロキシアミジンを構造6の安息香酸と反応させることにより生成する、ヒドロキシアミジンエステル中間体の環化は、構造7の[1,2,4]オキサゾール誘導体を与える。
【0070】
【化13】

【0071】
構造4および5の化合物は、メタノール、エタノール、ピリジンなどの溶媒中で、Na2CO3、K2CO3、tert.ブチル酸カリウム塩、トリエチルアミンなどの塩基の存在下または非存在下において、それぞれ構造9および8の化合物をヒドロキシルアミンまたはその塩の1つと反応させることによって製造してもよい(文献: たとえば、T. Suzuki, K. Iwaoka, N. Imanishi, Y. Nagakura, K. Miyta, H. Nakahara, M. Ohta, T. Mase, Chem. Pharm. Bull. 47 (1999), 120-122; J. Cui, D. Crich, D. Wink, M. Lam, A. L. Rheingold, D. A. Case, W. T. Fu, Y. Zhou, M. Rao, A. J. Olson, M. E. Johnson, Bioorg. Med. Chem. 11 (2003), 3379-3392; R. Miller, F. Lang, Z. J. Song, D. Zewge, 国際公開公報第 2004/035538号 (Merck & Co., Inc., USA); B. Kaboudin, K. Navaee, Heterocycles 60(2003), 2287-2292)。
【0072】
【化14】

【0073】
構造1、2、4、6、7および9中の残基R〜Rに存在する官能基の性質に応じて、これらの官能基には、一時的な保護が必要であってもよい。適切な保護基は、当業者に公知であり、たとえばアルコールを保護するためのベンジルまたはトリアルキルシリル基、ジオールを保護するためのケタールなどを含む。これらの保護基は、標準的な方法論に従って採用してもよい(たとえば、T. W. Greene, P. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Synthesis, 3rdEdition, Wiley New York, 1991; P. J. Kocienski, Protecting Groups, Thieme Stuttgart, 1994)。あるいは、所望の残基R〜R、特にRは、それぞれ構造4および6の化合物の適切な前駆体を用いることにより、構造4および6のフェニル化合物の、それぞれ構造3および5のフェニル誘導体とのカップリングに続く後半の工程で導入してもよい。構造4、6および9のフェニル化合物またはこれらの前駆体は、商業的に入手可能であるか、または当業者に公知の手順に従って製造される。
【0074】
【化15】

【0075】
[1,3,4]オキサジアゾールまたは[1,3,4]チアジアゾール誘導体を表す式(I)の化合物は、構造3の化合物を(TBTU、DCC、EDC、HBTU、PyBOP、HOBt、CDIなどのカップリング試薬を用いて)ヒドラジンと反応させ、構造10の化合物を生成させることにより、同様に製造される。構造10の化合物は、構造6の化合物とカップリングされ、構造11の化合物を与える。構造11の化合物は、逆の反応順序に従うことにより、すなわち、最初に構造6の化合物をヒドラジンとカップリングさせ、続いて対応するヒドラジド中間体を構造3の化合物と反応させることにより製造することもできる。所望の[1,3,4]オキサジアゾール誘導体のための脱水反応は、トルエン、アセトニトリル、ジオキサン、THF、CHCl3等の溶媒中で、マイクロ波照射の存在下または非存在下、20と120℃の間の温度で、構造11の化合物を、トリフェニルホスフィン、P2O5、Burgess試薬等と組み合わせてPOCl3、CCl4またはCBr4等の試薬で処理することにより行われる。(文献: たとえば、 M. A. Garcia, S. Martin-Santamaria, M. Cacho, F. Moreno de la Llave, M. Julian, A. Martinez, B. De Pascual-Teresa, A. Ramos, J. Med. Chem. 48(2005) 4068-4075; C. T. Brain, J. M. Paul, Y. Loong, P. J. Oakley, Tetrahedron Lett. 40 (1999) 3275-3278)。同様に、[1,3,4]チアジアゾール誘導体は、構造11の化合物を、ピリジン、トルエン、THF、アセトニトリル等の溶媒の存在下または非存在下、マイクロ波照射下または非照射下で、任意にP25と組み合わせて、Lawesson試薬にて高温で環化することにより得られる(文献:たとえば、A. A. Kiryanov, P. Sampson, A. J. Seed, J. Org. Chem. 66 (2001) 7925-7929)。
【0076】
【化16】



【0077】
オキサゾールまたはチアゾール誘導体を表す式(I)の化合物は、構造12または13の化合物を、トルエン、ベンゼン、ジオキサン、THF等の溶媒中、20と120℃の間の温度で、トリフェニルホスフィンおよびトリエチルアミン、Burgess試薬、トリフルオロ酢酸無水物等と組み合わせてPOCl3、PCl5、I2で処理するか、または上述のようにピリジン、トルエン、THF、アセトニトリル等の溶媒の存在下または非存在下、マイクロ波照射下または非照射下で、任意にP25と組み合わせて、Lawesson試薬にて高温で処理することにより製造される(文献: たとえば、 N. Sato, T. Shibata, M. Jitsuoka, T. Ohno, T. Takahashi, T. Hirohashi, T. Kanno, H. Iwaasa, A. Kanatani, T. Fukami, Takehiro, Bioorg. & Med. Chem. Lett. 14(2004) 1761-1764)。構造12および13の化合物は、構造14および15の化合物を構造6および3の化合物と反応させることにより、それぞれ製造される。
【0078】
【化17】

【0079】
構造14および15のアミノケトンは、文献(たとえば、R. A. Glennon, M. L. Bondarev, N. Khorana, R. Young, J. A. May, M. R. Hellberg, M. A. McLaughlin, N. A. Sharif, J. Med. Chem. 47 (2004) 6034-6041)の手順により製造することができる。
また、2つのフェニル環と中央の5員芳香族複素環との間の結合は、いずれもパラジウムで触媒されたクロスカップリング反応を適用することによっても形成することができる。
【0080】
構造3、5および8の化合物は、商業的に入手可能な前駆物質から、1または2以上の工程で、文献の手順(たとえば、パラジウムで触媒されたSuzuki、HeckまたはStilleカップリング反応、フリーデル・クラフツ・アルキル化、グリニャール型アルキル化、フェノールアルキル化反応、フェニルリチウム誘導体への求電子試薬の添加等を用いて)に従って製造することができる。構造3の化合物の構造8の化合物への変換を行う方法、またはその逆を行う方法は、当業者に知られている。
【実施例】
【0081】
試験の部
I)化学
以下の実施例は、本発明を例証するが、これらの範囲を全く限定しない。
すべての温度は、摂氏度で述べてある。化合物は、1H-NMR(300MHz)または13C-NMR(75MHz)によって(Varian Oxford;化学シフトは、使用する溶媒と関連して、ppmで示してある;多重度:s =一重項、d =二重項、t =三重項;p =四重項、hex= 五重項、hept= 六重項、m =多重項、br =広域、結合定数は、Hzで示してある);LC-MSによって(HP 1100 Binary PumpおよびDADを備えたFinnigan Navigator、カラム:4.6×50 mm、Zorbax SB-AQ、5μm、120Å、勾配:5〜95%のアセトニトリルの水溶液、1分、0.04%のトリフルオロ酢酸を含む、流速: 4.5 mL/分)、tRは、分で示してある;TLCによって(MerckからのTLC-プレート、Silica gel 60 F254);または融点によって特徴付けてある。化合物は、調製用HPLCによって(カラム:X-terra RP18、50×19 mm、5μm、勾配:0.5%のギ酸を含む10〜95%のMeCNの水溶液)またはMPLCによって(Labomatic MD-80-100ポンプ、Linear UVIS-201検出器、カラム:350×18 mm、Labogel-RP-18-5s-100、勾配:10%のメタノール水溶液〜100%のメタノール)精製される。
【0082】
略語(本明細書で使用したもの)
aq. 水溶液
BSA ウシ血清アルブミン
Bu ブチル
CC カラムクロマトグラフィー
CDI カルボニルジイミダゾール
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタン
DIPEA ジイソプロピル-エチルアミン、Huenig塩基、エチル-ジイソプロピルアミン
DMF ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
EDC N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチル-カルボジイミド
EtOH エタノール
h 時間
HBTU O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム
ヘキサフルオロホスフェート
HOBt 1-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HV 高真空状態
LC-MS 液体クロマトグラフィー−質量分析
Lit. 文献
min 分
MPLC 中圧液体クロマトグラフィー
NaOAc 酢酸ナトリウム
NMO N-メチル-モルホリン-N-オキシド
org. 有機
prep. 調製用
PyBOP ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロ リジノ-ホスホニウム
rt 室温
sat. 飽和
S1P スフィンゴシン1-リン酸
TBTU 2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,2,3,3-テトラメチルウロニウ
ムテトラフルオロホウ酸塩
tert. 第三級
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
tR 保持時間

4-イソプロポキシ-安息香酸
【0083】
【化18】

【0084】
4-イソプロポキシ-安息香酸は、商業的に入手可能である。

4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸
【0085】
【化19】

【0086】
4-ヒドロキシ-3-メチル-安息香酸(2.00 g、13.15 mmol)のDMF(50 mL)溶液に、K2CO3(8.17 g、59.15 mmol)、続いて2-ヨウ化プロパン(6.70 g、39.44 mmol)を添加する。懸濁液を20時間還流する。混合物をろ過し、ろ液の溶媒を蒸発させる。残渣をEAに溶解し、水で洗浄する。有機抽出物を濃縮し、ヘプタン:EA 5:1で溶出するシリカゲル上のCCで分離し、得られた4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸イソプロピルを、メタノール(50 mL)および2N LiOH水溶液(10 mL)に溶解する。混合物を80℃で5時間撹拌した後、1N HCl水溶液で酸性化し、水で希釈し、EAで抽出する。有機抽出物を水で洗浄し、濃縮する。結晶生成物をHV下で乾燥し、4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸(1.77 g)を、白色の結晶として得る; LC-MS: tR = 0.90 min, [M+1]+ = 195.14。

4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-安息香酸
【0087】
【化20】

【0088】
4-ブロモ-2,6-ジメチルフェノール(4.69 g、23.3 mmol)、イソプロパノール(200 mL)中の2-ヨウ化-プロパン(15.81 g、93.0 mmol)および1N NaOH水溶液(50 mL)の混合物を、室温で24時間撹拌する。混合物をジエチルエーテルで希釈し、1N HCl水溶液および1N NaOH水溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮し、粗製5-ブロモ-2-イソプロポキシ-1,3-ジメチル-ベンゼン(4.62 g)を、オレンジ色の油状物として得る; LC-MS: tR = 1.07 min。臭化アリルをTHF(100 mL)に溶解し、-78℃に冷却する。BuLi(ヘキサン中の1.6N溶液を15 mL)をゆっくりと添加し(30 min)、混合物を-78℃で30分撹拌する。混合物をニードルで、冷却した(0℃)ジメチルカルボネート(10.7 g、118.8 mmol)のTHF(50 mL)溶液に移す。混合物を15時間撹拌し、3N LiOH(100 mL)水溶液でクェンチし、60℃で24時間撹拌する。混合物をエーテル(200 mL)および1M NaOH水溶液(100 mL)で希釈し、相を分離し、有機相をNaOH(50 mL)で再抽出する。水相をジエチルエーテル(2x50 mL)で洗浄し、25% HClでpH3に注意深く酸性化する。有機相を廃棄する。水相をDCM(5x75 mL)で抽出する。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-安息香酸(2.23 g)を、ベージュ色の固体として得る; LC-MS: tR = 0.91 min, [M+1]+ = 209.07, 1H NMR (CDCl3): δ1.34 (d, J= 6.3 Hz, 6 H), 2.34 (s, 6 H), 4.32 (hept, J = 6.0 Hz, 1H), 7.81 (s, 2 H)。

3-イソプロポキシ-4-メチル-安息香酸
【0089】
【化21】

【0090】
3-イソプロポキシ-4-メチル-安息香酸(1.70 g)を、3-ヒドロキシ-4-メチル-安息香酸(2.00 g)から、4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸と同様に製造する; LC-MS: tR = 0.91 min。

4-イソブチル-安息香酸
【0091】
【化22】

【0092】
4-イソブチル-安息香酸は商業的に入手可能である。

4-イソブチル-3-メチル-安息香酸
【0093】
【化23】

【0094】
ジオキサン(150 mL)中の4-ブロモ-3-メチル安息香酸メチル(9.47 g、39.3 mmol)、2-メチルプロピル ボロン酸(2.0 g、9.62 mmol)、K2CO3(8.13 g、58.9 mmol)およびAg2O(10.9 g、47.1 mmol)の混合物を脱気し、N2-雰囲気下に置いた後、1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-二塩化パラジウム(II) ジクロロメタン 錯体(808 mg、0.99 mmol)を添加する。混合物を75℃で24時間撹拌する。別量の1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-二塩化パラジウム(II) ジクロロメタン 錯体(808 mg、0.99 mmol)を添加し、撹拌を75℃で20時間継続する。混合物をセライト上でろ過し、ろ液の溶媒を蒸発させる。粗生成物を調製用HPLCで精製し、4-イソブチル-3-メチル安息香酸メチル(1.65 g)を無色の油状物として得る。この油状物をメタノール(50 mL)および2N LiOH(10 mL)に溶解し、室温で20時間撹拌する。混合物をHCl水溶液で酸性化し、EAで2回抽出する。合わせた有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、4-イソブチル-3-メチル-安息香酸(1.65 g)を、白色の結晶として得る; LC-MS: tR = 0.93 min, [M+1+CH3CN]+= 234.16, 1H NMR (CDCl3): δ0.87 (d, J= 6.4 Hz, 6 H), 1.75-1.91 (m, 1 H), 2.29 (s, 3 H), 2.47 (d, J = 7.3 Hz, 2 H), 7.12 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.79 (d, J = 7.9 Hz, 1 H), 7.82 (s, 1 H)。

3-イソブチル-安息香酸
【0095】
【化24】

【0096】
オーヴンで乾燥した丸底フラスコ中で、削り状Mg(1.13 g、46.6 mmol)を、THF(1 mL)中に懸濁する。混合物を最初に加熱還流している間に、1-ブロモ-3-メチルブタン(6.37、46.5 mmol)を注意深く添加する。混合物を、Mgが溶解するまで、約30分間撹拌する。その後、混合物を、ZnBr2(10.47 g、46.5 mmol)の冷やした(5℃)THF(80 mL)溶液に添加する。濃厚な懸濁液を0℃で20分撹拌した後、-75℃に冷却する。1,1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-二塩化パラジウム(II) ジクロロメタン 錯体(184 mg、0.225 mmol)、続いてメチル-3-ブロモ安息香酸(5.0 g、23.3 mmo)を添加する。混合物を室温に温め、24時間撹拌する。反応混合物を水で希釈し、EAで抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させる。粗生成物を、ヘプタン:EA 20:1で溶出するシリカゲル上のCCで精製し、3-イソブチル-安息香酸メチル(4.34 g)を、無色の油状物として得る。この物質を、メタノール(50 mL)および2N LiOH水溶液(10 mL)中に溶解し、室温で16時間撹拌する。混合物を、1N HCl水溶液を添加することにより酸性化し、EAで抽出する。有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、3-イソブチル-安息香酸(3.84 g)を、無色の油状物として得る; LC-MS: tR = 0.91 min; 1H NMR (CDCl3): δ0.87 (d, J = 6.7 Hz, 6 H), 1.77-1.94 (m, 1 H), 2.48 (d, J = 7.0 Hz, 2 H), 7.29-7.35 (m, 2 H), 7.86 (s, 1 H), 7.88-7.94 (m, 1 H)。

4,N-ジヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン
【0097】
【化25】

【0098】
表題化合物を商業的に入手可能な4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンゾニトリルから、文献(たとえばE. Meyer, A. C. Joussef, H. Gallardo, Synthesis 2003, 899-905)の手順に従って製造する; 1H NMR (CD3OD): δ7.20 (s, 2H), 2.20 (s, 6H)。

4-アリルオキシ-N-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン
【0099】
【化26】

【0100】
表題化合物を、商業的に入手可能な4-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンゾニトリルを、イソプロパノール中NaOHの存在下、室温にて臭化アリルでアルキル化することにより製造する。その後、ニトリルを、文献(例えばE. Meyer, A. C. Joussef, H. Gallardo, Synthesis 2003, 899-905)の手順に従って、ヒドロキシアミジンに変換する; 1H NMR (CD3OD): δ7.27 (s, 2 H), 6.10 (m, 1 H), 5.42 (m, 1 H), 5.26 (m, 1 H), 4.31 (dt, J = 5.6, 1.5 Hz, 2 H), 2.29 (s, 6 H)。

3-エチル-4,N-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジン
【0101】
【化27】

【0102】
表題化合物を、商業的に入手可能な2-エチル-6-メチル-フェノールから、文献(G. Trapani, A. Latrofa, M. Franco, C. Altomare, E. Sanna, M. Usala, G. Biggio, G. Liso, J. Med. Chem. 41 (1998) 1846-1854; A. K. Chakraborti, G. Kaur, Tetrahedron55 (1999) 13265-13268; E. Meyer, A. C. Joussef, H. Gallardo, Synthesis 2003, 899-905)の手順に従って製造する; LC-MS: tR = 0.55 min; 1H NMR (D6-DMSO): δ9.25 (s br, 1H), 7.21 (s, 2H), 5.56 (s, 2H), 2.55 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.15 (s, 3H), 1.10 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。

4-アリルオキシ-3-エチル-N-ヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジン
【0103】
【化28】

【0104】
表題化合物を、2-エチル-6-メチル-フェノールから文献(3-エチル-4,N-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジンを見よ。)の手順に従って製造される、3-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-ベンズアルデヒドをアルキル化することにより製造する。無水物は、その後、対応するヒドロキシアミジンに、文献(3-エチル-4,N-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジンを見よ。)の手順に従って変換される; LC-MS: tR = 0.72 min, [M+1]+ = 235.09, 1H NMR(CD3OD): δ7.31 (s, 1 H), 7.29 (s, 1 H), 6.10 (m, 1 H), 5.43 (dd, J = 17.0, 1.5 Hz, 1 H), 5.27 (dd, J = 10.3, 1.2 Hz, 1 H), 4.81 (s br, 3H), 4.31 (d, J = 5.6 Hz, 2 H), 2.67 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 2.30 (s, 3 H), 1.23 (t, J = 7.6 Hz, 4 H)。

3,5-ジエチル-4,N-ジヒドロキシ-ベンズアミジン
【0105】
【化29】

【0106】
表題化合物を、商業的に入手可能な2,6-ジエチルアニリンから、文献(G. G. Ecke, J. P. Napolitano, A. H. Filbey, A. J. Kolka, J. Org. Chem. 22 (1957) 639-642;および3-エチル-4,N-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジンについて引用された文献)の手順に従って製造する。

4-アリルオキシ-N-ヒドロキシ-2-メトキシ-ベンズアミジン
【0107】
【化30】

【0108】
表題化合物を、商業的に入手可能な4-ヒドロキシ-2-メトキシ-ベンズアルデヒドから、下記の文献の手順に従って製造する(3-エチル-4,N-ジヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジンについて引用された参考文献); LC-MS: tR = 0.64 min, [M+1]+ = 223.24, 1H NMR (D6-DMSO):δ 9.33 (s br, 1H), 7.30 (d, J =8.2 Hz, 1H), 6.60 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 2.3, 8.2 Hz, 1H), 6.10-5.94 (m, 1H), 5.50 (s, 2H), 5.40 (d, J = 17.0 Hz, 1H), 5.24 (d, J = 10.6 Hz, 1H), 4.57 (d, J = 4.7 Hz, 2H), 3.76 (s, 3H)。

4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-安息香酸ヒドラジド
【0109】
【化31】

【0110】
a) 4-ブロモ-2,6-ジメチル-フェノール(20.1 g、100 mmol)と塩化アリル(32.7 g、428 mmol)の3N NaOH(100 mL)水溶液およびイソプロパノール(250 mL)中の混合物を、60℃で15時間撹拌した後、1N NaOH水溶液(100 mL)で希釈する。混合物をジエチルエーテル(300 mL、150 mL)で抽出し、合わせた有機抽出物を1N NaOH水溶液(2x100 mL)および1M NaH2PO4水溶液(50 mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、2-アリルオキシ-5-ブロモ-1,3-ジメチル-ベンゼン(23.6 g)を、黄色の油状物として得る LC-MS: tR = 1.08 min, [M+1]+ = 241.20。
【0111】
b) 2-アリルオキシ-5-ブロモ-1,3-ジメチル-ベンゼン(23.6 g、98.0 mmol)のTHF(150 mL)溶液に、-75℃でn-BuLiの溶液(90 mL、ジエチルエーテル中1.5 M)を添加する。温度を-75℃に維持する。混合物を30分撹拌し、ダブルチップ・カヌーラを用いて、ジメチルカルボネート(21.4 g、238 mmol)の冷却した(0℃)THF(90 mL)溶液に移す。混合物を0℃で2時間撹拌した後、15時間で室温に温める。混合物の溶媒を蒸発させ、そして酢酸ブチル副生成物のほとんどを除くために、EtOH(200 mL)で再蒸発させる。混合物を2N LiOH水溶液(150 mL)およびEtOH(200 mL)中に溶解し、室温で2時間、そして60℃で1時間撹拌する。EtOHを蒸発させ、残った混合物を0.5N NaOH水溶液で希釈し、ジエチルエーテル(200 mL)で抽出する。有機抽出物を1M NaOH水溶液(5x50 mL)で洗浄し、合わせた水性洗浄液を、エーテルで(100 mL)再抽出する。水相を25% HCl水溶液で酸性化し、DCM(5x50 mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、そして真空下、60℃で15時間乾燥し、4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-安息香酸(8.0)を、黄褐色の固体として得る。LC-MS: tR = 0.90 min。
【0112】
c) 4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-安息香酸(5.26 g、25.5 mmol)のCHCl3(75 mL)溶液に、塩化チオニル(7.5 mL、103 mmol)を、室温にて添加する。混合物を2時間還流した後、溶媒を蒸発させ、粗製4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-安息香酸塩化物を、茶色がかった油状物として得る。酸塩化物のDCM(50 mL)溶液に、ヒドラジン(THF中の1M溶液を75ml)のDCM(250 mL)溶液を0℃で添加する。混合物を15時間室温で撹拌した後、ジエチルエーテルで希釈し、1N HCl水溶液(75 mL、続いて5x50 mL)で抽出する。合わせた水性抽出物を、33% KOH水溶液を添加することにより塩基性化し、DCM(5x50 mL)で抽出する。合わせたDCM抽出物を、Na2SO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させ、4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-安息香酸ヒドラジド(5.39 g)を、白色の固体として得る; LC-MS: tR = 0.71 min, [M+1]+ = 221.20, 1H NMR (D6-DMSO): δ2.22 (s, 6 H), 4.28-4.37 (m, 2 H), 4.39 (s, 2 H), 5.19-5.28 (m, 1 H), 5.36-5.47 (m, 1 H), 6.00-6.15 (m, 1 H), 7.49 (s, 2 H), 9.55 (s, 1 H)。

4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-安息香酸 ヒドラジド
【0113】
【化32】

【0114】
a) 3-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-ベンズアルデヒドを、商業的に入手可能な2-エチル-6-メチル-フェノールから、文献(G. Trapani, A. Latrofa, M. Franco, C. Altomare, E. Sanna, M. Usala, G. Biggio, G. Liso, J. Med. Chem. 41(1998) 1846-1854; A. K. Chakraborti, G. Kaur, Tetrahedron 55(1999) 13265-13268; E. Meyer, A. C. Joussef, H. Gallardo, Synthesis2003, 899-905)の手順に従って製造する; 1H NMR (CDCl3): δ9.83 (s, 1H), 7.58-7.53 (m, 2H), 5.30 (s br, 1H), 2.69 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.28 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0115】
b) 3-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-ベンズアルデヒド(8.00 g、48.7 mmol)のアセトン(130 mL)溶液に、K2CO3(20.2 g、146.2 mmol)、続いて臭化ベンジル(12.5 g、73.1 mmol)を添加する。懸濁液を、還流しながら16時間撹拌した後、ろ過し、ろ液の溶媒を真空除去する。残渣をシリカゲル上のCCで分離し、4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-ベンズアルデヒド(9.07 g)を、薄黄色の油状物として得る; LC-MS: tR = 1.09 min, [M+1]+ = 255.08。
【0116】
c) 4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-ベンズアルデヒド(5.6 g、22.0 mmol)のアセトン(150 mL)溶液に、KMnO4(4.52 g、28.6 mmol)を添加する。混合物はわずかに温かくなり(45℃)、室温で90分撹拌する。混合物をろ過し、ろ液を蒸発させる。残渣を、水および10% 酢酸水溶液で処理し、EAで抽出する。合わせた有機抽出物をMgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、そしてHV下で乾燥し、4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル安息香酸(4.38 g)を、白色の固体として得る; LC-MS: tR = 1.00 min, [M+1+CH3CN]+= 312.09。
【0117】
d) 4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル安息香酸(4.38 g、17.2 mmol)のクロロホルム(60 mL)溶液に、塩化チオニル(5 mL、68.9 mmol)を添加する。混合物を2.5時間還流した後、溶媒を真空下で蒸発させる。残った赤色の油状物をTHF(150 mL)中に溶解し、ヒドラジン水和物(3.46 g、69.3 mmol)のTHF(80 mL)溶液に滴下する。混合物を室温で2時間撹拌した後、ジエチルエーテルで希釈し、1N HCl水溶液で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、そして乾燥し、4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-安息香酸ヒドラジド(1.16 g)を、白色の固体として得る; LC-MS: tR = 0.82 min, [M+1]+= 285.47, 1H NMR (CDCl3): δ0.98 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.98 (s, 3 H), 2.39 (q, J = 7.3 Hz, 2 H), 4.49 (s, 2 H), 7.20-7.32 (m, 5 H) 7.57 (s, 1 H), 7.65 (s, 1 H), 11.23 (s, 1H)。

メタンスルホン酸 2,2-ジメチル-[1,3]ジオキサン-5-イルメチルエステル
【0118】
【化33】

【0119】
表題化合物を、B. Xu, A. Stephens, G. Kirschenheuter, A. F. Greslin, X. Cheng, J. Sennelo, M. Cattaneo, M. L. Zighetti, A. Chen, S.-A. Kim, H. S. Kim, N. Bischofberger, G. Cook, K. A. Jacobson, J. Med. Chem. 45 (2002) 5694-5709に記載された手順に従って製造する。

実施例1
【0120】
【化34】

【0121】
a) 4,N-ジヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン(2.29 g、8.88 mmol)および4-イソプロポキシ安息香酸(2.00 g、11.1 mmol)のDMF(50 mL)溶液に、TBTU(4.64 g、14.4 mmol)およびDIPEA(5.02 g、38.8 mmol)を添加する。混合物を室温で16時間撹拌した後、溶媒を真空除去する。残渣をEAで希釈し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。粗生成物を、ヘプタン:EA 4:1から1:1で溶出するシリカゲル上のCCで精製し、4-イソプロポキシ-安息香酸(4,N-ジヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン)エステル(1.36 g)を、オレンジ色の固体として得る; LC-MS: tR = 0.93 min, [M+1]+ = 343.19。
【0122】
b) 4-イソプロポキシ-安息香酸(4,N-ジヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン)エステル(1.36 g、3.97 mmol)の、アセトニトリル(25 mL)およびトルエン(25 mL)中の溶液を90℃で72時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、粗生成物をヘプタン:EA 17:3で溶出するシリカゲル上のCCで精製し、4-[5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノール(380 mg)を、褐色がかった結晶固体として得る; LC-MS: tR = 1.08 min, [M+1]+= 325.13, 1H NMR (CDCl3): δ8.14 (d, J = 5.9 Hz, 2H), 7.81 (s, 2H), 7.00 (d, J = 5.6 Hz, 2H), 4.91 (s br, 1H), 4.72-4.62 (m, 1H), 2.32 (s, 6H), 1.39 (s, 6H)。

実施例2
【0123】
【化35】

【0124】
a) 4-[5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノール(370 mg、1.14 mmol)およびエピクロロヒドリン(317 mg、3.42 mmol)のイソプロパノール(5 mL)および3N NaOH水溶液(1.5 mL)中の混合物を、室温で16時間撹拌する。混合物をEAで希釈し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。粗生成物を、調製用TLCプレート上のクロマトグラフィーにより、ヘプタン:EA 3:1で精製し、3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール(256 mg)を、白色の固体として得る; LC-MS: tR = 1.14 min, [M+1]+ = 381.18。
【0125】
b) 3-(3,5-ジメチル-4-オキシラニルメトキシ-フェニル)-5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール(250 m、0.657 mmol)の7N NH3、メタノール溶液(10 mL)中の溶液を、60℃で16時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残った残渣をHV下で乾燥し、1-アミノ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロパン-2-オール(278 mg)を、ベージュ色の油状物として得る; LC-MS: tR = 0.86 min, [M+1]+ = 398.44。

実施例3
【0126】
【化36】

【0127】
1-アミノ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロパン-2-オール(277 mg、0.698 mmol)、グリコール酸(80 mg、1.05 mmol)、DIPEA(362 mg、2.80 mmol)およびTBTU(382 mg、1.19 mmol)のDMF(10 mL)溶液を、室温で16時間撹拌した後、EAで希釈し、水で洗浄し、濃縮する。粗生成物を、調製用TLCプレート上のクロマトグラフィーにより、10%のメタノールを含むDCMで精製し、2-ヒドロキシ-N-(2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド(64 mg)を、薄黄色の固体として得る, LC-MS: tR = 0.94 min, [M+1]+ = 456.18, 1H NMR (D6-DMSO): δ1.30 (d, J = 5.9 Hz, 6 H), 2.31 (s, 6 H), 3.16-3.25 (m, 2 H), 3.63-3.79 (m, 2 H), 3.81 (d, J = 5.6 Hz, 2 H), 3.86-3.97 (m, 1 H), 4.72-4.83 (m, 1 H), 5.28 (d, J= 5.3 Hz, 1 H), 5.54 (t, J = 5.9 Hz, 1 H), 7.14 (d, J = 9.1 Hz, 2 H), 7.68 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.73 (s, 2 H), 8.08 (d, J= 9.1 Hz, 2 H)。
【0128】
実施例4から9
【0129】
【化37】

【0130】
以下の実施例は、4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸および4,N-ジヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン(実施例4から6)と4,N-ジヒドロキシ-3-エチル-5-メチル-ベンズアミジン(実施例7から9)のいずれかから、前記実施例と同様に製造する:
【0131】
【表1】

【0132】
実施例6
1H NMR (D6-DMSO): δ1.31 (d, J= 6.2 Hz, 6 H), 2.21 (s, 3 H), 2.31 (s, 6 H), 3.13-3.26 (m, 1 H), 3.36-3.47 (m, 1 H), 3.65-3.78 (m, 2 H), 3.81 (d, J= 5.3 Hz, 2 H), 3.86-3.99 (m, 1 H), 4.69-4.82 (m, 1 H), 5.28 (d, J = 5.0 Hz, 1 H), 5.54 (t, J = 5.9 Hz, 1 H), 7.18 (d, J = 9.4 Hz, 1 H), 7.68 (t, J = 5.9 Hz, 1H), 7.73 (s, 2 H), 7.94-7.99 (m, 2 H)。
【0133】
実施例9
1H NMR (D6-DMSO): δ1.20 (t, J = 7.3 Hz, 3 H), 1.32 (d, J = 6.2 Hz, 6 H), 2.21 (s, 3 H), 2.32 (s, 3 H), 2.70 (q, J = 7.6 Hz, 2 H), 3.14-3.25 (m, 1 H), 3.37-3.46 (m, 1 H), 3.68-3.77 (m, 2 H), 3.81 (d, J = 5.6 Hz, 2 H), 3.89-3.98 (m, 1 H), 4.69-4.81 (m, 1 H), 5.27 (d, J= 5.3 Hz, 1 H), 5.52 (t, J = 5.6 Hz, 1 H), 7.18 (d, J = 9.4 Hz, 1 H), 7.66 (t br, J = 5.9 Hz, 1 H), 7.74 (s, 2 H), 7.93-8.00 (m, 2 H)。
【0134】
実施例10
【0135】
【化38】

【0136】
a) 4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-安息香酸(175 mg、794 μmol)、4-アリルオキシ-N-ヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジン(165 mg、792 μmol)およびDIPEA(128 mg、993 μmol)のDCM(10 mL)中の混合物に、TBTU(321 mg、1.00 mmol)を、0℃にて添加する。混合物を0℃で1時間、続いて室温で5時間撹拌した後、EA(100 mL)で希釈し、飽和NaHCO3水溶液(2x30 mL)で洗浄する。有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、蒸発させる。残渣をジオキサン(10 mL)に溶解し、90℃で2日間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を乾燥し、粗製3-(4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-5-(4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール(346 mg)を得る; LC-MS: tR = 1.25 min, [M+1]+ = 393.47。
【0137】
b) 粗製3-(4-アリルオキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-5-(4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール(346 mg、0.794 mmol)の、アセトン(10 mL)と水(1 mL)の混合物中の溶液に、NMO(535 mg、3.96 mmol)とOsO4(36 mg、4 μmol、2.5% ブタノール溶液)を添加する。混合物を室温で2日間撹拌した後、水(50 mL)で希釈し、EA(100 mL、2x50 mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をNa2SO4上で乾燥し、ろ過し、そして濃縮する。粗生成物を、EAで溶出するシリカゲル上のCCで精製し、3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロパン-1,2-ジオール(175 mg)を、ゆっくりと固体化する無色の油状物として得る; LC-MS: tR = 1.07 min, [M+1]+ = 427.19, 1H NMR (D6-DMSO): δ1.27 (d, J= 6.3 Hz, 6 H), 2.31 (s, 6 H), 2.33 (s, 6 H), 3.51 (t, J = 5.5 Hz, 2 H), 3.71-3.78 (m, 1 H), 3.80-3.89 (m, 2 H), 4.31 (hept, J = 6.0 Hz), 4.64 (t, J = 5.5 Hz, 1 H), 4.96 (d, J = 5.3 Hz, 1 H), 7.74 (s, 2 H), 7.84 (s, 2 H)。
【0138】
実施例11
【0139】
【化39】

【0140】
3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-6-メチル-フェノキシ}-プロパン-1,2-ジオールを、4-イソプロポキシ-3,5-ジメチル-安息香酸および4-アリルオキシ-3-エチル-N-ヒドロキシ-5-メチル-ベンズアミジンから、実施例10と同様に製造する; LC-MS: tR = 1.09 min, [M+1]+ = 441.25。

実施例12から23
【0141】
【化40】

【0142】
下記の実施例は、4,N-ジヒドロキシ-3,5-ジメチル-ベンズアミジンおよび3-イソプロポキシ-4-メチル-安息香酸(実施例12から14)、4-イソブチル安息香酸(実施例15から17)、4-イソブチル-3-メチル-安息香酸(実施例18から20)または3-イソブチル安息香酸(実施例21から23)のいずれかから、前記の実施例と同様に製造される:
【0143】
【表2】

【0144】
実施例12
1H NMR (CDCl3: δ1.40 (d, J= 6.2 Hz, 6 H), 2.28 (s, 3 H), 2.33 (s, 6 H), 4.71 (hept, J = 5.9 Hz, 1H), 4.98 (s, 1 H), 7.28 (d, J = 7.6 Hz, 1 H), 7.63 (d, J = 1.5 Hz, 1 H), 7.69 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1 H), 7.82 (s, 2 H)。
【0145】
実施例15
1H NMR (D6-DSMO): δ0.87 (d, J= 6.4 Hz, 6 H), 1.82-1.96 (m, 1 H), 2.24 (s, 6H), 2.55 (d, J = 7.3 Hz, 2 H), 7.42 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 7.65 (s, 2 H), 8.06 (d, J = 8.2 Hz, 2 H), 8.95 (s, 1 H)。
【0146】
実施例20
1H NMR (CDCl3: δ0.95 (d, J = 6.4 Hz, 6 H), 1.82-1.99 (m, 1 H), 2.35 (s, 6 H), 2.39 (s, 3 H), 2.55 (d, J = 7.3 Hz, 2 H), 3.41-3.57 (m, 2 H), 3.71-3.91 (m, 3 H), 4.18 (s, 2 H), 7.04 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.83 (s, 2 H), 7.93 (d, J= 7.9 Hz), 7.97 (s, 1 H)。
【0147】
実施例24
【0148】
【化41】

【0149】
a) 4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸(1.35 g、6.95 mmol)のクロロホルム(20 mL)溶液に、塩化チオニル(2.48 g、20.9 mmol)を添加する。混合物を2時間還流した後、溶媒を真空除去し、粗製4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸 塩化物を得る; LC-MS: tR = 1.00 min。
【0150】
b) 4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-安息香酸 ヒドラジド(1.12 g、3.95 mmol)のDCM(20 mL)懸濁液に、トリエチルアミン(500 mg、4.94 mmol)を添加する。澄んだ溶液を5℃に冷却した後、4-イソプロポキシ-3-メチル-安息香酸 塩化物(700 mg、3.29 mmol)のDCM(10 mL)溶液を滴下する。懸濁液を室温で1時間撹拌した後、EAで希釈し、1N HCl水溶液、続いて水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮し、そして乾燥して、4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-安息香酸 N'-(4-イソプロポキシ-3-メチル-ベンゾイル)-ヒドラジド(1.57 g)を、白色の固体として得る; LC-MS: tR = 1.05 min, [M+1]+ = 461.66。
【0151】
c) 4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-安息香酸 N'-(4-イソプロポキシ-3-メチル-ベンゾイル)-ヒドラジド(1.57 g、3.40 mmol)およびBurgess試薬(1.06 g、4.43 mmol)のTHF(30 mL)溶液を、3分のマイクロ波照射下、110℃に加熱する。混合物を冷却し、ジエチルエーテルで希釈し、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、ろ過し、濃縮する。粗生成物を、ヘプタン:EA 5:1で溶出するシリカゲル上のCCで精製し、2-(4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-フェニル)-5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール(1.25 g)を、無色の油状物として得る; LC-MS: tR= 1.24 min, [M+1]+ = 443.58。
【0152】
d) 2-(4-ベンジルオキシ-3-エチル-5-メチル-フェニル)-5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール(1.25 g、2.82 mmol)のTHF(10 mL)溶液に、EtOH(10 mL)中のPd/C(100 mg、10% Pd)を添加する。混合物を、室温、1atmのH2下で16時間撹拌した後、触媒をろ過により除去する。ろ液を濃縮し、ヘプタン:EA 4:1から1:1で溶出するシリカゲル上のCCで分離し、2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノール(0.79 g)を、緑色を帯びた固体として得る; LC-MS: tR= 1.12 min, [M+1]+ = 353.17, 1H NMR (D6-DMSO): δ9.02 (s br, 1H), 7.90-7.86 (m, 2H), 7.70-7.66 (m, 2H), 7.13 (d, J = 9.4 Hz, 1H), 4.72 (hept, J = 5.0^9 Hz, 1H), 2.65 (q, J = 7.6 Hz, 2H), 2.26 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 1.31 (d, J = 5.9 Hz, 6 H), 1.17 (t, J = 7.6 Hz, 3H)。
【0153】
実施例25
【0154】
【化42】

【0155】
1-アミノ-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-プロパン-2-オールを、2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノールから、実施例2と同様に製造する; LC-MS: tR = 0.84 min, [M+1]+ = 426.45。

実施例26
【0156】
【化43】

【0157】
N-(3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミドを、1-アミノ-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-プロパン-2-オールから、実施例3と同様に製造する; LC-MS: tR = 0.98 min, [M+1]+ = 484.24。
【0158】
実施例27: EC50値を決定するためのGTPγS結合アッセイ法
GTPγS結合アッセイ法は、96ウェルマイクロタイタープレート(Nunc, 442587)で、組換えヒトS1P1受容体を発現するCHO細胞の膜標品を用いて200μlの最終体積で行った。アッセイ条件は、20mM Hepes(Fluka, 54461)、100mM NaCl(Fluka, 71378)、5mM MgCl2(Fluka, 63064)、0.1%のBSA(Calbiochem, 126609)、1μM GDP(Sigma, G-7127)、2.5%のDMSO(Fluka, 41644)、50pMの35S-GTPγS(Amersham Biosciences, SJ1320)である。pHは、7.4である。試験化合物を溶解して、100%のDMSOに希釈し、35S-GTPγSの非存在下で150μlの上記アッセイ緩衝液中で室温にて30分間プレインキュベートする。50μlの、35S-GTPγSの添加後、アッセイを室温にて1時間インキュベートする。アッセイをPackard Biosciencesからのセル‐ハーベスターを使用して反応混合物をMultiscreenプレート(Millipore, MAHFC1H60)に移すことによって終結させて、プレートを氷冷10mM Na2HPO4/NaH2PO4(70%/30%)で洗浄して、乾燥させ、底面を封着して、25μlのMicroScint20(Packard Biosciences, order no. 6013621)を添加後に、上部を封着する。膜結合型の35S-GTPγSをPackard BiosciencesからのTopCountで測定する。
EC50は、最大の特異的35S-GTPγS結合の50%を誘導するアゴニストの濃度である。特異的結合は、非特異的結合を最大結合から減算することによって決定する。最大結合は、10μMのS1Pの存在下においてMultiscreenプレートに結合したcpmの量である。非特異的結合は、アッセイにおけるアゴニストの非存在下での結合の量である。
表1に、本発明のいくつかの化合物のEC50値を示す。EC50値は、上記の方法に従って測定された。
表1:
【0159】
【表3】

【0160】
実施例28: インビボでの有効性の評価
式(I)の化合物の有効性は、正常圧の雄ウィスターラットに対する3〜30mg/kgの式(I)の化合物の経口投与後に、循環リンパ球を測定することによって評価する。動物は、12時間-光/暗闇サイクルで気候制御条件に収容して、通常のラット固形飼料および飲料水の自由な摂取をさせた。血液は、薬物投与前、並びに後の3、6および24時間に収集する。全血をAdvia Hematologyシステム(Bayer Diagnostics, Zurich, Switzerland)を使用する血液検査に供する。
【0161】
すべてのデータは、平均±SEMとして示してある。統計分析は、多重比較のためにStatistica(StatSoft)およびStudent-Newman-Keuls法を使用して分散分析(分散分析)によって行う。帰無仮説は、p<0.05のときに拒絶する。
【0162】
一例として、表2には、媒体だけで処理した一群の動物と比較して、正常圧の雄ウィスターラットに対する本発明の化合物の10mg/kgの経口投与の6時間後におけるリンパ球カウントに対する効果を示す。
表2:
【0163】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、およびこれらの塩:
【化1】


式中
記号#は、そのいずれかに基Aが結合してもよい、R、RおよびRを有するフェニル環の2つの炭素原子を表し;
式中、
Aは
【化2】


(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表し;
は水素、C1-3アルキル、フルオロ、クロロ、メトキシまたはシアノを表し;
は、C2-5アルキルまたはC1-4アルコキシを表し;
は、水素を表し、そして基Aが、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環のRに対してパラ位に結合する場合には、Rは、加えてメチル基を表してもよく;
は、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはハロゲンを表し;
5は、水素、C1-3アルキル、C1-3アルコキシまたはハロゲンを表し;
6は、ヒドロキシ-C1-5-アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルキル、-CH2-(CH2)k-NR61R62、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR61R62、-CH2-(CH2)n-NHSO2R63、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHSO2R63、-CH2-(CH2)n-NHCOR64、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR64、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C2-5アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルコキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR61R62、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR61R62、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R63、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R63、-OCH2-(CH2)m-NHCOR64または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し;
61は、水素、C1-3アルキル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-エチル、2,3-ジヒドロキシプロピル、カルボキシメチル、1-(C1-5-アルキルカルボキシ)メチル、2-カルボキシエチルまたは2-(C1-5-アルキルカルボキシ)エチルを表し;
62は、水素、メチルまたはエチルを表し;
63は、C1-3-アルキル、メチルアミノ、エチルアミノまたはジメチルアミノを表し;
64は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシ-1-ヒドロキシメチル-エチルまたは2,3-ジヒドロキシプロピルを表し;
kは、1、2または3の整数を表し;
mは、1または2の整数を表し;
nは、0、1または2を表し;そして
は、水素、C1-3アルキルまたはハロゲンを表す。
【請求項2】
Aが、
【化3】


(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表す、請求項1に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項3】
Aが、
【化4】


(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表す、請求項1に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項4】
Aが、
【化5】


(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表す、請求項1に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項5】
Aが、
【化6】


を表す、請求項1に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項6】
がメチル基を表す、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項7】
2がn-プロピル、n-ブチル、イソブチル、イソアミル、プロポキシまたはイソプロポキシを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項8】
2がイソブチルまたはイソプロポキシを表す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項9】
が水素を表す、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項10】
が水素を表し、R5がメチル、エチルまたはメトキシを表し、Rがメチル、エチルまたはハロゲンを表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項11】
が水素を表し、R5およびRがメチル基を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項12】
が水素を表し、R5がメチル基を表し、Rがエチル基を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項13】
が水素を表し、R5がメトキシ基を表し、Rが塩素原子を表す、請求項1〜9のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項14】
6が、ヒドロキシ-C1-5-アルキル、2,3-ジヒドロキシプロピル、-CH2-(CH2)k-NR61R62、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NR61R62、-CH2-(CH2)n-NHCOR64、-(CH2)nCH(OH)-CH2-NHCOR64、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C2-5アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルコキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NR61R62、-OCH2-CH(OH)-CH2-NR61R62、-OCH2-(CH2)m-NHSO2R63、-OCH2-CH(OH)-CH2-NHSO2R63、-OCH2-(CH2)m-NHCOR64または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項15】
6が、ヒドロキシ、ヒドロキシ-C2-5アルコキシ、ジ-(ヒドロキシ-C1-4アルキル)-C1-4アルコキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシ、2-ヒドロキシ-3-メトキシ-プロポキシ、-OCH2-(CH2)m-NHCOR64または-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項16】
6が、3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシまたは-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項17】
6が-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し、R64がヒドロキシメチルを表す、請求項1〜13のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項18】
基Aが、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環のRに対してパラ位に結合する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項19】
Aが、
【化7】


(アスタリスクは、R、RおよびRを有する式(I)のフェニル環に結合される結合を表す。)を表し;Rがメチルを表し;R2がイソブチルまたはイソプロポキシを表し;Rが水素を表し;Rが水素またはメトキシを表し;R5が水素、メチル、エチルまたはメトキシを表し;R6が3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-プロポキシ、2,3-ジヒドロキシプロポキシまたは-OCH2-CH(OH)-CH2-NHCOR64を表し;そしてRが水素、メチル、エチルまたは塩素を表す、請求項1に記載の化合物、およびこれらの塩。
【請求項20】
以下からなる群より選択される請求項1に記載の化合物:
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
N-((2R)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミド、
N-((2S)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(3-イソプロポキシ-4-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(3-イソプロポキシ-4-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2R)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
2-ヒドロキシ-N-((2S)-2-ヒドロキシ-3-{4-[5-(4-イソブチル-3-メチル-フェニル)-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル]-2,6-ジメチル-フェノキシ}-プロピル)-アセタミド、
N-((2R)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミドおよび
N-((2S)-3-{2-エチル-4-[5-(4-イソプロポキシ-3-メチル-フェニル)-[1,3,4]オキサジアゾール-2-イル]-6-メチル-フェノキシ}-2-ヒドロキシ-プロピル)-2-ヒドロキシ-アセタミド、
並びにこれらの化合物の塩。
【請求項21】
請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物またはこのような化合物の薬学的に許容される塩、および薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項22】
医薬として使用するための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、若しくはこのような化合物の薬学的に許容される塩、または請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項23】
活性化された免疫系と関連する疾患もしくは障害の予防または治療のための医薬組成物の製造のための、請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはこのような化合物の薬学的に許容される塩の使用。
【請求項24】
腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓、角膜および皮膚等の移植された臓器に対する拒絶反応;幹細胞移植によりもたらされる移植片対宿主病;関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病および潰瘍性大腸炎等の炎症性腸疾患、乾癬、乾癬性関節炎、橋本甲状腺炎等の甲状腺炎、ブドウ膜網膜炎を含む自己免疫症候群;鼻炎、結膜炎、皮膚炎等のアトピー性疾患;喘息;I型糖尿病;リウマチ熱、感染後糸球体腎炎を含む感染後自己免疫疾患;固形癌および腫瘍転移からなる群より選択される疾患もしくは障害の予防または治療のための、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
活性化された免疫系と関連する疾患もしくは障害の予防または治療のための、免疫抑制薬、副腎皮質ステロイド、NSAID、細胞障害性の薬剤、接着分子阻害剤、サイトカイン、サイトカイン阻害剤、サイトカイン受容体アンタゴニストおよび組換えサイトカイン受容体からなる群より選択される1つまたはいくつかの薬剤と組み合わせて使用するための医薬組成物の製造のための請求項1〜20のいずれか1項に記載の化合物、またはこのような化合物の薬学的に許容される塩の使用。

【公表番号】特表2010−504320(P2010−504320A)
【公表日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528816(P2009−528816)
【出願日】平成19年7月10日(2007.7.10)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052746
【国際公開番号】WO2008/035239
【国際公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(500226786)アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド (151)
【氏名又は名称原語表記】Actelion Pharmaceuticals Ltd
【住所又は居所原語表記】Gewerbestrass 16,CH−4123 Allschwil,Switzerland
【Fターム(参考)】