説明

フケやカユミを防ぐ頭髪洗浄剤組成

【課題】 トリクロサン、トリクロカルバン、ピロクトンオーラミン、ジンクピリチオン、二硫化セレン、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、ヒノキチオール、オクトピロックス、感光素201号(ピオニン)等の抗菌剤及び殺菌剤を加えることにより、一般にフケ菌といわれる好脂性真菌を殺菌もしくは減菌させることを目的として殺菌剤もしくは抗菌剤の開発されてきた。
ところがこれまでフケおよびカユミに対して過去抗菌剤または殺菌剤を配合された頭髪洗浄剤を使用し効果の無かった検体が存在した。
【解決方法】 2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインにラウリル硫酸ナトリウムを少量加え、増粘剤にキサンタンガムを使用し、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンやポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンとジメチコンを少量配合した。

【発明の詳細な説明】
頭髪洗浄剤の下記組成において、頭皮のフケ防止及びカユミ防止効果を発揮した。
表1のように通常の頭髪に使用される界面活性剤にポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンとジメチコンを加えた頭髪洗浄物や、表2のように通常の頭髪に使用される界面活性剤にPEG−15ラウリルジメチコンジメチコンクロスポリマーとジメチコンを加えた頭髪洗浄物を作成し、30日間についてフケを防止することができた。
また表3のように表1の頭髪洗浄物にフケ菌である好脂性真菌の殺菌効果がある、オクトピロックスを配合することにより皮脂の分泌が多く効果が得られなかった被験者についてもフケを防止する効果を発揮し、カユミが減少した。
表1
成分 パーセント
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 11.50%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.50%
ラウリル硫酸ナトリウム 2.00%
クエン酸 0.05%
キサンタンガム 0.20%
パラベン 0.30%
精製水 82.05%
ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン 0.30%
ジメチコン 0.10%
表2
成分 パーセント
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 11.50%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.50%
ラウリル硫酸ナトリウム 2.00%
クエン酸 0.05%
キサンタンガム 0.20%
パラベン 0.30%
精製水 82.05%
PEG−15ラウリルジメチコンジメチコン
クロスポリマー 0.30%
ジメチコン 0.10%
表3
成分 パーセント
2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン 11.50%
ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド 3.50%
ラウリル硫酸ナトリウム 2.00%
クエン酸 0.05%
キサンタンガム 0.20%
パラベン 0.30%
精製水 81.55%
ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコン 0.30%
ジメチコン 0.10%
オクトピロックス 0.50%
【発明の名称】
フケやカユミを防ぐ頭髪洗浄剤組成
【技術分野】
【0001】
本発明は有効なフケ抑制効果をもち、頭皮及び皮膚に対して安全で良好な使用感を有し、さらにフケ及びカユミの元になる菌に対する抗菌剤及び殺菌剤の効果を高める。
【背景技術】
【0002】
これまでは洗浄剤の組成に関して考慮せず、トリクロサン、トリクロカルバン、ピロクトンオーラミン、ジンクピリチオン、二硫化セレン、3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、ヒノキチオール、オクトピロックス、感光素201号(ピオニン)等の抗菌剤及び殺菌剤を加えることにより、一般にフケ菌といわれる好脂性真菌を殺菌もしくは減菌させることを目的として殺菌剤もしくは抗菌剤の開発されてきた。
【0003】
上記等の殺菌剤や抗菌剤を常用しても、フケ及びカユミ防止効果が防止できなかった。
本発明者はこれらの原因を配合されている抗菌剤もしくは殺菌剤に対する耐性菌が増殖していることや、また洗髪期間が短く頭皮からの皮脂が原因ではなく、洗浄成分中に指通りやクシ通り等の目的で含まれるカチオン化セルロース、カチオン化グワーガム等に代表される風合いや改良する目的で配合されているカチオン性高分子成分等が頭皮や毛髪に残留し好脂性真菌が増える原因になる事を見出した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カチオン化セルロース、カチオン化グワーガム等に代表されるカチオン高分子成分等を配合せず風合いや指通りやクシ通りを良くすることや、十分な皮脂等に対する洗浄性を確保しながら、殺菌剤もしくは抗菌剤を配合したとき十分に効果を発揮する事。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は好脂性真菌を殺菌もしくは抗菌目的で配合される成分と既存の洗浄成分において等モル同士での組み合わせについて相性が良い配合を検討した結果、酸性化での、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインにおいてほとんどが良好であったので、頭皮や皮膚の刺激性を考慮し弱酸性とした。
上記界面活性剤にアニオン性界面活性剤を少量加えるとさらに風合いが向上したので、今回の試作品において代表的界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウムを少量加え、増粘剤はのこりにくいキサンタンガムを使用し、カチオン化セルロース、カチオン化グワーガム等に代表されるカチオン高分子成分等を配合せず、ポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンやポリグリセリル−3ジシロキサンジメチコンを加え、さらに風合いを改良するためジメチコンを少量配合した。
【発明の効果】
【0006】
本発明の効果としてこれまでフケおよびカユミに対して過去抗菌剤または殺菌剤を配合された頭髪洗浄剤を使用し効果の無かった検体8人を集め実際にフケに対し30日間の効果を検証した結果、良好な結果が得られた。
効果のなかった検体に殺菌剤であるオクトピロックスを配合し再度同様な実験を行った結果、良好な結果が得られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本品は皮脂を落とす為きれいに洗い、界面活性剤等が残存しないよう良く流し、皮脂の分泌量が多い人は同処方に殺菌剤が配合されている頭髪洗浄剤で毎日洗浄することが非常に効果があった。
【実施例1】
【0008】
【表1】

(実験条件として各個人での洗髪期間、洗髪方法でお願いした。なお洗浄については良く洗いすすぐよう指導した。)
表1のように十分な実際の効果を発揮した。
【実施例2】
【0009】
【表2】

(実験条件として表1を実施後に再度フケが発生後とし、各個人での洗髪期間、洗髪方法でお願いした。なお洗浄については良く洗いすすぐよう指導した。)
表2のように十分な実際の効果を発揮した。
【実施例3】
【0010】
さらに実験体E、Hについて上記洗浄剤成分に殺菌剤であるオクトピロックスを加え、再度同様な試験を行った。
【表3】

(実験条件として毎日洗髪し、通常の洗髪方法でお願いした。なお洗浄については良く洗いすすぐよう指導した。)
実験体E、Hについて洗髪期間について調べたところ、毎日洗髪していず、また頭皮を洗髪した翌日スコープで調べたところ非常に皮脂が多いことが判った。
実験体E、Hに毎日洗浄させるとともに、洗浄剤組成物の組成中にオクトピロックスを加えることにより、フケ、カユミ等を取り除くことができた。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明の活用例としてカチオン化セルロース、カチオン化グワーガム等に代表されるカチオン高分子成分等を配合せず、シリコン系誘導体など好脂性真菌が増殖されにくい成分にすることでフケ、カユミを防ぐことができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アニオン性界面活性剤および両性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤のいずれか、もしくはそれらの組み合わせによる洗浄剤組成に、ジメチコン及びポリオキシエチレン、ポリグリセリル、アルキル基、アミノ酸等のシリコン誘導体を配合することによる頭髪用洗浄剤組成物
【請求項2】
請求項1にトリクロサン、トリクロカルバン、ピロクトンオーラミン、ジンクピリチオン、二硫化セレン及び3−メチル−4−(1−メチルエチル)フェノール、ヒノキチオール、オクトピロックス、感光素201号(ピオニン)等の抗菌剤及び殺菌剤を加えさらなるフケやカユミ防止効果が得られる頭髪用洗浄剤組成物

【公開番号】特開2006−298891(P2006−298891A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153071(P2005−153071)
【出願日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(505194169)
【Fターム(参考)】