説明

フッ素化エーテル化合物及びその使用方法

式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物。それぞれのRfは、独立してRf−(O)−CHF−(CF−、[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−、CFCFH−O−(CF−、CF−(O−CF−、及びCF−O−(CF−O−CF−から選択される部分的にフッ素化された又は完全にフッ素化された基である。液体の表面張力の低減、発泡体の製造、及びその化合物を用いる表面処理の方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許仮出願第61/081942号(2008年7月18日出願)(その開示全部が、本発明において参考として含まれる)に対する優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
フルオロケミカルは、長年にわたって種々の用途に使用されてきた。例えば、フッ素化界面活性剤は種々の配合物(例えば、コーティング及び発泡体)に添加されてきた。配合物(例えば、コーティング配合物)にフッ素化界面活性剤を加えることで、例えば、濡れ挙動、平滑特性、及び保存安定性(例えば、相分離又は泡半減期に対して)を改善し、配合物の特性を向上させることができる。他の用途では、フルオロケミカルは、様々な材料(例えば、セラミックス、金属、布、プラスチック、及び多孔質の石)に疎水性及び嫌油性などの特性を提供するのに使用されてきた。
【0003】
幅広く従来使用されてきた多くのフッ素化界面活性剤及び撥水撥油剤としては、長鎖ペルフルオロアルキル基(例えば、ペルフルオロオクチル基)が挙げられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、業界は、ペルフルオロオクチルフッ素化界面活性剤を使用しない傾向にあり、その結果、様々な用途に使用することができる新しいタイプの界面活性剤が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、少ない数(例えば、最大4)のペルフルオロ化された連続炭素原子を含む、部分的にフッ素化されたポリエーテル基及び/又は完全にフッ素化されたポリエーテル基を有する化合物を提供する。この化合物は、例えば、界面活性剤又は表面処理剤として有用であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、予想外にも、ペルフルオロ化された炭素原子をより多く有する完全にフッ素化された界面活性剤に相当する、又はより高い程度まで、水の表面張力を下げる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示される化合物は、予想外にも、ペルフルオロ化された炭素原子をより多く有する処理組成物に相当する程度にまで、水及び/又はヘキサデカンに対する接触角を上げる。
【0006】
1つの態様では、本開示は式
(Rf−Q−X)−Z
式中、
Rfは、
Rf−(O)−CHF−(CF−、
[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−、
CFCFH−O−(CF−、
CF−(O−CF−、及び
CF−O−(CF−O−CF−、からなる群から選択され、
Qは、結合、−C(O)O−+NH(R’)−、−C(O)−N(R’)−、及び−C(O)−O−からなる群から選択され、ここで、R’は、水素及び1〜4個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、
Xは、アルキレン、アリールアルキレン、及びポリ(アルキレンオキシ)からなる群から選択され、ここで、アルキレン及びアリールアルキレンは、それぞれ任意に、エーテル、アミン、エステル、アミド、カルバメート、及び尿素からなる群から独立して選択される少なくとも1つの官能基によって中断され、
Zは、アンモニウム基、アミン−オキシド基、アミン、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、ホスホネート、及び両性基からなる群から選択され、ただし、Xが少なくとも10個の炭素原子を有するアルキレンのとき、Zは、水素であってもよく、更にXがポリ(アルキレンオキシ)のとき、Zは、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から選択されてもよく、
Rf及びRfは、独立して1〜10個の炭素原子を有し、かつ任意に少なくとも1つの酸素原子によって中断されている、部分的に又は完全にフッ素化されたアルキル基を表し、
Lは、F及びCFからなる群から選択され、
Wは、アルキレン及びアリーレンからなる群から選択され、
rは、0又は1であり、ここで、rが0のとき、Rfは、少なくとも1つの酸素原子で中断され、
sは、1又は2であり、ここで、sが2のとき、Zは、アンモニウム基、ホスフェート、サルフェート、及びホスホネートからなる群から選択され、
tは、0又は1であり、
mは、1、2、又は3であって、
nは、0又は1であり、
それぞれのpは、独立して1〜6の数であり、
zは、2〜7の数である、で表される化合物を提供する。
【0007】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される化合物及び少なくとも1つの溶媒又は水を含む組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、非フッ素化ポリマーを更に含む。
【0008】
別の態様では、本開示は、本明細書に開示される化合物及び少なくとも1つの溶媒又は水を含む組成物で表面を処理することを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、表面は、少なくとも1つのポリマー、セラミックス(すなわち、ガラス、結晶性セラミックス、ガラスセラミックス、及びこれらの組み合わせ)、天然石(例えば、砂岩、石灰岩、大理石、及び花崗岩)又は人造若しくは人工石などの石、コンクリート、ラミネート、金属、又は木を含む。これら実施形態のいくつかにおいて、Zは、ホスフェート基又はホスホネート基である。
【0009】
別の態様では、本開示は表面を有する物品を提供し、少なくともその表面の一部が本明細書に開示される化合物と接触する。いくつかの実施形態では、表面は、少なくとも1つのポリマー、セラミックス(すなわち、ガラス、結晶性セラミックス、ガラスセラミックス、及びこれらの組み合わせ)、天然石(例えば、砂岩、石灰岩、大理石、及び花崗岩)又は人造若しくは人工石などの石、コンクリート、ラミネート、金属、又は木を含む。これら実施形態のいくつかにおいて、Zは、ホスフェート基又はホスホネート基である。
【0010】
別の態様では、本開示は、液体の表面張力を減少させる方法を提供し、方法は、少なくとも液体と、液体の表面張力を減少させるのに十分な量の本明細書に開示される化合物とを組み合わせることを含む。
【0011】
別の態様では、本開示は、発泡体を作製する方法を提供し、方法は、少なくとも液体、気体、及び本開示による化合物を組み合わせて発泡体を作製することを含む。これら実施形態のいくつかにおいて、液体は、水である。これら実施形態のいくつかにおいて、液体は、炭化水素液である。
【0012】
この出願では、
用語「a」、「an」、及び「the」は、用語「少なくとも1つ」と同じ意味で使用される。
【0013】
列挙の前の語句「少なくとも1つの」は、列挙された項目の任意の1つ、及び列挙された項目の2つ又はそれ以上の任意の組み合わせを意味する。
【0014】
「アルキル基」及び接頭辞「アルキ(alk-)」は、直鎖基及び分枝基の両方並びに環状基を含む。いくつかの実施形態では、特に定めのない限り、アルキル基は、最大30個の炭素(いくつかの実施形態では、最大20、15、12、10、8、7、6、又は5個の炭素)を有する。環状基は、単環式又は多環式であることができ、かついくつかの実施形態では、3〜10個の環炭素原子を有する。
【0015】
「アルキレン」は、上記で定義した「アルキル」基の二価形態である。
【0016】
「アリールアルキレン」は、アリール基が結合している「アルキレン」部分を指す。
【0017】
用語「アリール」は、本明細書で使用するとき、炭素環式芳香環、又は例えば、1、2、又は3個の環を有し、所望により環内に少なくとも1個のヘテロ原子(例えば、O、S、又はN)を含有する環構造を含む。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フルオレニル、並びにフリル、チエニル、ピリジル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、トリアゾリル、ピロリル、テトラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、及びチアゾリルが挙げられる。
【0018】
「アリーレン」は、上記で定義した「アリール」基の二価形である。
【0019】
本出願では、特に明記しない限り、全ての数値の範囲はそれらの端点及び端点間の非整数値を含む。
【発明を実施するための形態】
【0020】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物について、
Rfは、
Rf−(O)−CHF−(CF− I、
[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W− II、
CFCFH−O−(CF− III、
CF−(O−CF− IV、及び
CF−O−(CF−O−CF− V、
からなる群から選択される。
【0021】
式(Rf−Q−X)−Zのいくつかの実施形態では、Rfは、Rf−(O)−CHF−(CF−、[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−、及びCFCFH−O−(CF−からなる群から選択される。式(Rf−Q−X)−Zのいくつかの実施形態では、Rfは、CF−(O−CF−及びCF−O−(CF−O−CF−からなる群から選択される。
【0022】
式(Rf−Q−X)−Zのいくつかの実施形態において、Rfは、1モル当たり最大600グラム(いくつかの実施形態では、1モル当たり最大500、400、又は更には最大300グラム)の分子量を有する。
【0023】
式I及びIIにおいて、Rf及びRfは、独立して1〜10個の炭素原子を有する部分的に又は完全にフッ素化されたアルキル基を表し、かつ任意に少なくとも1つの酸素原子によって中断されている。Rf及びRfは、直鎖及び分枝アルキル基を包含する。いくつかの実施形態では、Rf及び/又はRfはm、直鎖である。いくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して最大6個(いくつかの実施形態では、5、4、3、2、又は1個)の炭素原子を有する完全にフッ素化された(すなわち、ペルフルオロ化された)アルキル基を表す。いくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して少なくとも1つの酸素原子によって中断される完全にフッ素化されたアルキル基を表し、酸素原子間のアルキル基は、最大6個(いくつかの実施形態では、5、4、3、2、又は1個)の炭素原子を有し、末端のアルキル基は、最大6個(いくつかの実施形態では、5、4、3、2、又は1個)の炭素原子を有する。いくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して最大6個(いくつかの実施形態では、5、4、3、2、又は1個)の炭素原子及び最大2個の水素原子を有する部分的にフッ素化されたアルキル基を表す。いくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して少なくとも1つの酸素原子によって中断されている最大2個の水素原子を有する部分的にフッ素化されたアルキル基を表し、酸素原子間のアルキル基は、最大6個(いくつかの実施形態では、5、4、3、2、又は1個)の炭素原子を有し、末端のアルキル基は、最大6個(いくつかの実施形態では、5、4、3、2、又は1個)の炭素原子を有する。
【0024】
式I及びIIのいくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して式
−[OR−[OR
で表される。
【0025】
は、1〜6個(いくつかの実施形態では、1〜4個)の炭素原子を有するペルフルオロ化されたアルキル基である。R及びRは、それぞれ独立して1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化されたアルキレンである。x及びyは、それぞれ独立して0〜4の数であり、xとyの合計は、少なくとも1である。これらの実施形態のいくつかにおいて、tは、1であり、rは、1である。
【0026】
式I及びIIのいくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して式
−[OR−[OR−O−CF
で表される。
【0027】
は、1〜6個(いくつかの実施形態では、1〜4個)の炭素原子を有するペルフルオロ化されたアルキル基である。R及びRは、それぞれ独立して1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化されたアルキレンである。a及びbは、それぞれ独立して0〜4の数である。これら実施形態のいくつかにおいて、tは、0であり、rは、0である。
【0028】
式I及びIIのいくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して式R−(OCF−で表され、式中、pは、1〜6(いくつかの実施形態では、1〜4)であり、Rは、1、2、3、4、5又は6個の炭素原子及び1又は2個の水素原子を有する部分的にフッ素化されたアルキル基、並びに1、2、3又は4個の炭素原子を有する完全にフッ素化されたアルキル基からなる群から選択される。
【0029】
式I及びIIのいくつかの実施形態では、Rf及びRfは、独立して式R−O−(CF−で表され、式中、pは、1〜6(いくつかの実施形態では、1〜4)であり、Rは、1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子及び1又は2個の水素原子を有する部分的にフッ素化されたアルキル基、並びに1、2、3又は4個の炭素原子を有する完全にフッ素化されたアルキル基からなる群から選択される。
【0030】
式IIにおいて、Lは、F及びCFからなる群から選択される。式IIのいくつかの実施形態では、Lは、Fである。他の実施形態において、Lは、CFである。
【0031】
式IIにおいて、Wは、アルキレン及びアリーレンからなる群から選択される。アルキレンは、1〜10個(いくつかの実施形態では、1〜4個)の炭素原子を有する直鎖、分枝、及び環状アルキレン基を含む。いくつかの実施形態において、Wは、メチレンである。いくつかの実施形態において、Wは、エチレンである。アリーレンは、1又は2個の芳香環を有し、任意で少なくとも1つのヘテロ原子(例えば、N、O又はS)を環内に有し、任意で少なくとも1つのアルキル基又はハロゲン原子で置換される基を含む。いくつかの実施形態において、Wは、フェニレンである。
【0032】
式IIにおいて、tは、0又は1である。いくつかの実施形態では、tは、1である。いくつかの実施形態では、tは、0である。tが0である実施形態において、Rfは、典型的には少なくとも1つの酸素原子によって中断される。
【0033】
式IIにおいて、mは、1、2又は3である。いくつかの実施形態では、mは、1である。
【0034】
式Iにおいて、nは、0又は1である。いくつかの実施形態では、nは、0である。いくつかの実施形態では、nは、1である。
【0035】
式IIIにおいて、pは、1〜6の数(すなわち、1、2、3、4、5、又は6)である。いくつかの実施形態では、pは、1、2、5、又は6である。いくつかの実施形態では、pは、3である。いくつかの実施形態では、pは、1又は2である。いくつかの実施形態では、pは、5又は6である。
【0036】
式IVにおいて、zは、2〜7の数(すなわち、2、3、4、5、6、又は7)である。いくつかの実施形態では、zは、2〜6、2〜5、2〜4、又は3〜4の数である。
【0037】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式III(すなわち、CFCFH−O−(CF−)で表されるRf基を有する。これら実施形態のいくつかにおいて、Rfは、CFCFH−O−(CF−及びCFCFH−O−(CF−からなる群から選択される。
【0038】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式Iで表されるRf基を有する。これら実施形態のいくつかにおいて、Rfは、
−O−CHF−、
CF−O−CFCF−CF−O−CHF−、
CFCFCF−O−CFCF−CF−O−CHF−、
CF−O−CF−CF−O−CHF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−、及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−
からなる群から選択される。
【0039】
これらの実施形態の他のものでは、Rfは、
CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF
からなる群から選択される。
【0040】
これらの実施形態の他のものでは、Rfは、
CF−O−CF−CHF−、
−O−CF−CHF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−、及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−
からなる群から選択される。
【0041】
これらの実施形態の他のものでは、Rfは、
CF−O−CF−CHF−CF−、
−O−CF−CHF−CF−、
−O−CF−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−CF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−、及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF
からなる群から選択される。
【0042】
これらの実施形態の他のものでは、Rfは、
CF−O−CFCF−CF−O−CHF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−、及び
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−CF
からなる群から選択される。
【0043】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式IIで表されるRf基を有する。これら実施形態のいくつかにおいて、Lは、F、mは、1、及びWは、アルキレンである。これら実施形態のいくつかにおいて、Rfは、
CF−O−CHF−CF−O−CH−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−O−CH
−O−CHF−CF−O−CH−、
−O−CHF−CF−O−CH−CH−、
−O−CF−CF−O−CHF−CF−OCH−、及び
−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−OCH
からなる群から選択される。
【0044】
これらの実施形態の他のものでは、Rfは式、
−O−CF−CHF−CF−OCH−で表される。これらの実施形態の他のものでは、Rfは、
CF−CHF−CF−O−CH−、及び
−CF−CHF−CF−OCH
からなる群から選択される。
【0045】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式IV(すなわち、CF−(O−CF−)で表されるRf基を有する。これら実施形態のいくつかにおいて、zは、2〜6、2〜5、2〜4、3〜5、又は3〜4の数である。
【0046】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、式V(すなわち、CF−O−(CF−O−CF−)で表されるRfを有する。
【0047】
式(Rf−Q−X)−Zにおいて、Qは、結合、−C(O)O−+NH(R’)−、−C(O)−N(R’)−、及び−C(O)−O−からなる群から選択され、式中、R’は、水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、又はsec−ブチル)である。いくつかの実施形態では、Qは、−C(O)−N(R’)−及び−C(O)−O−からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Qは、結合及び−C(O)−N(R’)−からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Qは、−C(O)−N(R’)−である。いくつかの実施形態では、Qは、−C(O)O−+NH(R’)−である。いくつかの実施形態では、R’は水素又はメチルである。いくつかの実施形態では、R’は水素である。当然のことながら、Qが結合のとき、式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物は、式(Rf−X)−Zで表すこともできる。
【0048】
式(Rf−Q−X)−Zでは、Xは、アルキレン及びアリールアルキレンからなる群から選択され、アルキレン及びアリールアルキレンは、それぞれ任意に、エーテル(すなわち、−O−)、アミン(すなわち、−N(R)−)、エステル(すなわち、−O−C(O)−又は−C(O)−O−)、アミド(すなわち、−N(R’)−C(O)−又は−C(O)−N(R’)−)、カルバメート(すなわち、−N(R’)−C(O)−O−又は−O−C(O)−N(R’)−)、及び尿素(すなわち、−N(R’)−C(O)−N(R’)−)からなる群から独立して選択される少なくとも1つの官能基によって中断され、これらの官能基のうちの任意において、R’は、上記実施形態のうちの任意で定義されるものである。いくつかの実施形態では、Xは、最大5個の炭素原子を有するアルキレンである。いくつかの実施形態では、Xは、少なくとも10個(例えば、少なくとも12、15、18、20、22、25、28、又は30個)の炭素原子を有するアルキレンである。いくつかの実施形態では、Xは、少なくとも1つのエーテル基によって任意に中断されるアルキレンである。これら実施形態のいくつかにおいて、Xは、ポリ(アルキレンオキシ)基である。これら実施形態のいくつかにおいて、Xは、−[EO]−[RO]−[EO]−、又は−[RO]−[EO]−[RO]−であり、式中、EOは、−CHCHO−を表し、それぞれのROは、独立して−CH(CH)CHO−、−CHCH(CH)O−、−CH(CHCH)CHO−、−CHCH(CHCH)O−、又は−CHC(CHO−(いくつかの実施形態では、−CH(CH)CHO−、又は−CHCH(CH)O−)を表し、それぞれのfは、独立して1〜150(いくつかの実施形態では、7〜約150、14〜約125、5〜15、又は9〜13)であり、それぞれのgは、独立して0〜55(いくつかの実施形態では、約21〜約54、15〜25、9〜約25、又は19〜23)である。
【0049】
式(Rf−Q−X)−Zにおいて、Zは、アンモニウム基、アミン−オキシド基、アミン、カルボキシレート(すなわち、−COY)、スルホネート(すなわち、−SOY)、サルフェート(すなわち、−O−SOY又は(−O)−SOY)、ホスフェート(すなわち、−O−P(O)(OY)又は(−O)−P(O)OY)、ホスホネート(すなわち、−P(O)(OY))、及び両性基からなる群から選択され、ただし、Xが少なくとも10個の炭素原子を有するアルキレンのとき、Zは、水素であってもよく、更にXがポリ(アルキレンオキシ)のとき、Zは、ヒドロキシル(すなわち、−OH)又はアルコキシ(すなわち、−O−アルキル)であってもよい。アンモニウム基としては、式−[N(R)で表されるものが挙げられ、式中、それぞれのRは、独立して水素、アルキル、又はアリールであり、ここで、アルキル及びアリールは、少なくとも1つのハロゲン基、アルコキシ基、ニトロ基、又はニトリル基で任意に置換され、アリールは更に、アルキルで任意に置換されてよく、式中、Mは、対アニオンである。アンモニウム基として更に、1つ又は2つの芳香環又は飽和環、並びに正電荷を持つ窒素原子を有する環系(例えば、ピロリウム、ピリミジニウム、ピラゾリウム、イソオキサゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、イソチアゾリウム、ピリジニウム、ピラジニウム、ピリダジニウム、イミダゾリウム、イソインドリウム、インドリウム、プリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ナフチリジニウム、キノキサリニウム、キナゾリニウム、フタラジニウム、インダゾリウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼピニウム、又はピペラジニウム)が挙げられる。アミン−オキシド基としては、式−N(O)(Rで表されるものが挙げられ、式中、それぞれのRは、独立して水素、アルキル又はアリールであり、ここで、アルキル及びアリールは、Rについて上述したように、並びに1つ又は2つの芳香族又は飽和環、及びN−酸化物(例えば、ピロリウム、ピリミジニウム、ピラゾリウム、イソオキサゾリウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、イソチアゾリウム、ピリジニウム、ピラジニウム、ピリダジニウム、イミダゾリウム、イソインドリウム、インドリウム、プリニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、ナフチリジニウム、キノキサリニウム、キナゾリニウム、フタラジニウム、インダゾリウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、アゼピニウム、又はピペラジニウムのN−酸化物)を有する環系で任意に置換される。アミンとしては、式−NRで表されるものが挙げられ、式中、それぞれのRは、独立して水素、アルキル又はアリールであり、ここで、アルキル及びアリールは、上記のように任意に置換され、又は2つのR基が結合して、任意に少なくとも1つのO、N、又はSを含み、かつ任意に1〜6個の炭素原子を有するアルキルによって置換される5〜7員環を形成することができる。両性基としては、アンモニウム基、及びカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート基のいずれかの両方を有するものが挙げられる。
【0050】
いくつかの実施形態では、Zは、アンモニウム基、アミン−オキシド基、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、ホスホネート、及び両性基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Zは、アンモニウム基、アミン−オキシド基、及び両性基からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、Zは、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、及びホスホネートからなる群から選択される。
【0051】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物のいくつかの実施形態では、Zは、−[N(R)、−N(O)(R、−N(R)−X−SOA、及び−N(R)−X−COAからなる群から選択される。これら実施形態のいくつかにおいて、Zは、−[N(R)である。別の実施形態では、Zは、−N(O)(R、−N(R)−X−SOA、又は−N(R)−X−COAである。
【0052】
Zの上記実施形態のうちの任意のものでは、それぞれのRは、独立して水素、及び1〜6個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はn−ヘキシル)からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、それぞれのRは、独立して水素又はメチルである。
【0053】
Zの上記実施形態のうちの任意のものでは、それぞれのRは、独立して水素、及び1〜6個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、又はn−ヘキシル)からなる群から選択され、ここで、アルキルは、任意に少なくとも1つのハロゲン、アルコキシ、ニトロ、又はニトリル基により置換され、又は2つのR基は、結合して、任意に少なくとも1つのO、N、又はSを含み、かつ任意に1〜6個の炭素原子を有するアルキルによって置換される5〜7員環を形成することができる。いくつかの実施形態では、それぞれのRは、独立して水素又はメチルである。
【0054】
Zの上記実施形態のうちの任意のものでは、それぞれのXは、アルキレン及びアリールアルキレンからなる群から選択され、ここで、アルキレン及びアリールアルキレンは、それぞれ任意に、少なくとも1つのエーテル結合によって中断されている。いくつかの実施形態では、Xは、最大5個の炭素原子を有するアルキレンである。
【0055】
Zの上記実施形態のうちの任意のものでは、Mは、対アニオンである。典型的な対アニオンとしては、ハロゲン化物(すなわち、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、有機酸塩(例えば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、又はクエン酸塩)、有機スルホン酸又は硫酸塩(例えば、アルキルサルフェート又はアルカンスルホネート)、硝酸塩、及びテトラフルオロホウ酸塩が挙げられる。有機酸塩及びスルホン酸塩は、部分的にフッ素化又はペルフルオロ化されてよい。いくつかの実施形態では、酸塩は、RfC(O)Oであり、式中、Rfは、上記実施形態のうちの任意で定義されるものである。いくつかの実施形態では、Mは、塩化物、臭化物、又はヨウ化物(すなわち、Cl−、Br−、又はI−)である。いくつかの実施形態では、Mは、塩化物、酢酸塩、ヨウ化物、臭化物、メチルサルフェート、エチルサルフェート、及びギ酸塩からなる群から選択される。
【0056】
Zの上記実施形態のうちの任意のものでは、Aは、水素及び遊離アニオンからなる群から選択される。
【0057】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物のいくつかの実施形態では、Zは、−P(O)(OY)、−O−P(O)(OY)、−SOY、−O−SOY、及び−COYからなる群から選択される。いくつかの実施形態では、sは、2であり、Zは、(−O)−P(O)(OY)である。これら実施形態のいくつかにおいて、Yは、水素である。これらの実施形態の他のものでは、Yは、対カチオンである。Yの対カチオンの例には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、及びリチウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム及びマグネシウム)、アンモニウム、アルキルアンモニウム(例えば、テトラアルキルアンモニウム)、及び正電荷を持つ窒素原子を有する5〜7員複素環基(例えば、ピロリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン、トリアゾリウムイオン、イソオキサゾリウムイオン、オキサゾリウムイオン、チアゾリウムイオン、イソチアゾリウムイオン、オキサジアゾリウムイオン、オキサトリアゾリウムイオン、ジオキサゾリウムイオン、オキサチアゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピリダジニウムイオン、ピリミジニウムイオン、ピラジニウムイオン、ピペラジニウムイオン、トリアジニウムイオン、オキサジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、オキサチアジニウムイオン、オキサジアジニウムイオン、及びモルフォリニウムイオン)が挙げられる。例えば、従来の酸塩基化学を用いて、Y基を相互変換することができる。
【0058】
本開示の化合物のいくつかの実施形態では、Zは、−[N(R)であり、式中、それぞれのRは、独立して水素又はメチルであり、式中、M−は、塩化物、酢酸塩、ヨウ化物、臭化物、メチルサルフェート、エチルサルフェート、及びギ酸塩からなる群から選択される。
【0059】
本開示の化合物のいくつかの実施形態では、Qは、−C(O)−N(R’)−であり、式中、Xは、最大5個(例えば、1、2、3、4、5個)の炭素原子を有するアルキレンである。
【0060】
本開示の化合物のいくつかの実施形態では、Qは、−C(O)O−+NH(R’)−であり、Xは、最大5個の炭素原子を有するアルキレン、−[EO]−[RO]−[EO]−、及び−[RO]−[EO]−[RO]−からなる群から選択され、式中、EOは、−CHCHO−を表し、それぞれのROは、独立して−CH(CH)CHO−、−CHCH(CH)O−、−CH(CHCH)CHO−、−CHCH(CHCH)O−、又は−CHC(CHO−(いくつかの実施形態では、−CH(CH)CHO−又は−CHCH(CH)O−)を表し、それぞれのfは、独立して1〜150(いくつかの実施形態では、7〜約150、14〜約125、5〜15、又は9〜13)の数であり、それぞれのgは、独立して0〜55(いくつかの実施形態では、約21〜約54、15〜25、9〜約25、又は19〜23)の数である。これら実施形態のいくつかにおいて、化合物は、[Rf−C(O)O−+NH(R’)−X]−NH(R)RfC(O)O、及びRf−C(O)O−+NH(R’)−X−NH(R)RfC(O)Oからなる群から選択される式で表され、式中、それぞれのRは、独立して水素及び1〜6個(例えば、1〜4個、1〜3個、又は1〜2個)の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される。
【0061】
本開示の化合物のいくつかの実施形態では、Zは、−N(O)(R、−N(R)−X−SOA、又は−N(R)−X−COAであり、式中、それぞれのR及びRは、独立して水素又はメチルであり、式中Xは、最大5個の炭素原子を有するアルキレンである。
【0062】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物のいくつかの実施形態では、X−Zは、
−[EO]−[RO]−[EO]−R、及び
−[RO]−[EO]−[RO]−R
からなる群から選択され、
式中、
EOは、−CHCHO−を表し、
それぞれのROは、独立して−CH(CH)CHO−、−CHCH(CH)O−、−CH(CHCH)CHO−、−CHCH(CHCH)O−、又は−CHC(CHO−(いくつかの実施形態では、−CH(CH)CHO−、又は−CHCH(CH)O−)を表し、
は、水素又は最大4個の炭素原子を有するアルキル(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、又はイソブチル)であり、
それぞれのfは、独立して1〜150(いくつかの実施形態では、7〜約150、14〜約125、5〜15、又は9〜13)の数であり、
それぞれのgは、独立して0〜55(いくつかの実施形態では、約21〜約54、15〜25、9〜約25、又は19〜23)の数である。
【0063】
いくつかの実施形態では、それぞれのgは、0である。
【0064】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物を、例えば、部分的に又は完全にフッ素化されたカルボン酸、その塩、カルボン酸エステル、又はカルボン酸ハロゲン化物を原料として調製することができる。部分的にフッ素化された又は完全にフッ素化されたカルボン酸及びその塩、カルボン酸エステル、並びにカルボン酸ハロゲン化物は、既知の方法で調製することができる。例えば、出発原料は、式Rf−(O)−CHF−(CF−C(O)G又は[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−C(O)Gで表され、式中、Gは、−OH、−O−アルキル(例えば、1〜4個の炭素原子を有する)、又は−Fを表し、Rf、Rf、n、m、L、t、r、及びWは、上記実施形態のうちの任意で定義されるものであり、式VI又はVIIのフッ素化オレフィンから調製することができ、
Rf−(O)−CF=CF VI、又は
Rf−(O)−CF=CF VII、
式中、Rf、Rf、及びtは、上記の定義の通りである。多くの式VI又はVIIの化合物(例えば、ペルフルオロ化ビニルエーテル及びペルフルオロ化アリルエーテル)が既知であり、商業的供給源(例えば、3M Company(St.Paul,MN)、及びE.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington,DE))から入手することができる。その他は、既知の方法(例えば、米国特許第5,350,497号(Hungら)及び同6,255,536号(Wormら)によって調製することができる。
【0065】
式Rf−(O)−CHF−(CF−C(O)G(式中、nは、0)の化合物を、例えば、式VIIのフッ素化オレフィンを塩基(例えば、アンモニア、アルカリ金属水酸化物、及びアルカリ土類金属水酸化物)と反応させることにより調製することができる。あるいは、例えば、式VIIのフッ素化オレフィンは、アルカリ媒体中で脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−ブタノール、及びt−ブタノール)と反応させることができ、得られたエーテルを酸性条件下で分解して、式Rf−(O)−CHF−(CF−C(O)G(式中、nは、0)のフッ素化カルボン酸を提供することができる。式Rf−(O)−CHF−(CF−C(O)G(式中、nは、1)の化合物は、例えば、式VIIのフッ素化オレフィンをメタノールとフリーラジカル反応させ、次いで得られた反応生成物を従来の方法を用いて酸化することにより調製することができる。これらの反応条件は、例えば、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hintzerら)に記載されており、式Rf−(O)−CHF−(CF−C(O)Gの化合物の調製に関する当該公報の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの方法は、例えば、構造的に純粋な化合物(例えば、他のフッ素化セグメントを含む他の化合物を含まない)を提供するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも95%(例えば、96、97、98、又は99%)純粋である。
【0066】
式VI又はVIIのフッ素化ビニルエーテル(式中、r及び/又はtは、1)は、フッ化物源(例えば、五フッ化アンチモン)の存在下で、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,987,254号(Schwertfegerら)の1列、45行目〜2列、42行目に記載の方法にしたがって、式Rf−O−CFC(O)Fのカルボン酸フッ化物に(例えば、酸素で)酸化することができる。この方法に従って調製することができる化合物の例には、CF−(CF−O−CF−C(O)−CH及びCF−O−(CF−O−CF−C(O)−CHが挙げられ、この化合物は、米国特許第2007/0015864号(Hintzerら)に記載されており、当該明細書におけるこれら化合物の調製に関する開示は、参照により本明細書に組み込まれる。これらの方法は、例えば、構造的に純粋な化合物(例えば、他のフッ素化セグメントを含む他の化合物を含まない)を提供するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも95%(例えば、96、97、98、又は99%)純粋である。
【0067】
式[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−C(O)Gの化合物は、例えば、以下の反応:
【0068】
【化1】

【0069】
にしたがって、式VIのフッ素化オレフィンと、式VIIIのヒドロキシル化合物を反応させることで調製することができ、式中、Rf及びtは、上記の定義の通りであり、mは、1、2、又は3であり、Wは、アルキレン又はアリーレンであり、Gは、上記の定義の通りである。典型的には、Gは、−O−アルキル(例えば、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する)を表す。式VIIIの化合物は、例えば、商業的供給源から入手可能であるか、既知の方法によって調製できる。反応は、例えば、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hintzerら)に記載される条件下で実施されることができ、式[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−C(O)Gの化合物の調製に関する当該公報の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
式CFCFH−O−(CF−C(O)Gのフッ素化カルボン酸及びそれらの誘導体は、例えば、次の反応に従った、ペルフルオロ化された2官能性酸フッ化物の脱カルボニルによって調製することができる。
【0071】
【化2】

【0072】
この反応は、典型的には、既知の方法(例えば、米国特許第3,555,100号(Garthら)が参照され、この開示は、二官能性酸フッ化物の脱カルボニルに関して、本明細書に参照として組み込まれる)によって、水及び塩基(例えば、金属水酸化物又は金属炭酸塩)の存在下で高温において行なわれる。
【0073】
式IXの化合物は、例えば、式Xのペルフルオロ化された二酸フッ化物とヘキサフルオロプロピレンオキシドを、反応:
【0074】
【化3】

【0075】
にしたがって結合することにより得られる。
【0076】
式Xの化合物は、例えば、式CHOCO(CHp−1COOCHの2官能性エステル、又は式:
【0077】
【化4】

【0078】
のラクトンを電気化学的フッ素化又は直接フッ素化することにより得られる。
【0079】
電気化学的フッ素化を行うための一般的な手順は、例えば、米国特許第2,713,593号(Briceら)及び1998年11月12日に公開された、国際公開第98/50603号に記載されている。直接フッ素化を行うための一般的な手順は、例えば、米国特許第5,488,142号(Fallら)に記載されている。
【0080】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物の調製に有用ないくつかのカルボン酸及びカルボン酸フッ化物が市販されている。例えば、式CF−[O−CF1〜3C(O)OHのカルボン酸は、Anles Ltd.(St.Petersburg,Russia)から入手できる。
【0081】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物を、例えば、部分的に又は完全にフッ素化されたカルボン酸、その塩、その酸フッ化物、又はカルボン酸エステル(例えば、Rf−C(O)−OCH)から、従来の様々な方法を用いて調製することができる。例えば、以下の反応順序にしたがって、メチルエステルを式NH−X−Zを有するアミンと処理することができる。
【0082】
Rf−C(O)−OCH+NH−X−Z→Rf−C(O)−NH−X−Z
この系列において、Rf、X及びZは、上記実施形態のうちの任意で定義されるものである。式NH−X−Zを有するいくつかのアミン、例えば、アミノ酸(例えば、サルコシン、7−アミノヘプタン酸、12−アミノドデカン酸、及び3−アミノプロピルホスホン酸)、脂肪族アミン(例えば、ドデシルアミン及びヘキサデシルアミン)、及び二官能性アミン(例えば、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン)が、市販されている。この反応は、例えば、高温(例えば、最大80℃、70℃、60℃、又は50℃)で実施することができ、そのまま又は好適な溶媒中で実施できる。
【0083】
式Rf−C(O)−NH−X−Zで表される化合物は、従来の手技を用いてZ基の官能基変換も受けることができる。例えば、両性基を含有する化合物を含む本開示の第四級アンモニウム化合物は、式NH−X−NRを有するアミン(例えば、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン)を用いて、最初の工程でアミノ官能化アミドを提供し、続いてそれを酸(例えば、塩化水素酸又は酢酸)又はアルキル化剤(例えば、ジエチルサルフェート、プロパンスルトン、ヨードメタン、ブロモブタン、又はクロロメタン)との反応により四級化できることにより、調製できる。酸又はアルキル化剤との反応は、室温又は高温(例えば、最大60℃又は50℃)で実施できる。また、アミノ官能化アミドは、過酸化水素又は過酸(例えば、過安息香酸又は過酢酸)と、任意に、高温(例えば、60℃〜70℃)で、かつ好適な溶媒(例えば、エタノール)中で処理し、Zがアミンオキシド基である式の化合物を提供することができる。
【0084】
式(Rf−Q−X)−Zで表される化合物はまた、例えば、カルボン酸エステル(例えば、Rf−C(O)−OCH)を式NH−X”−OHを有するアミノアルコール(例えば、エタノールアミン)と反応させ、以下の反応順序にしたがってヒドロキシル置換Rf−(CO)NHX”OHを調製することにより調製することもでき、式中、Rfは、上記実施形態のうちの任意で定義されるものであり、sは、1又は2であり、X”は、Xの前駆体であり、ここで、Xは、上記実施形態のうちの任意で定義されるものである。
【0085】
Rf−C(O)−OCH+NH−X”−OH→Rf−C(O)−NH−X”−OH→(Rf−C(O)−NH−X)−Z
上記のNH−X−Zとの反応条件を、NH−X”−OHとの反応に利用できる。ヒドロキシル置換化合物Rf−(CO)NHX”OHは、続いて、例えば、ホスホノ酢酸、ホスホノプロピオン酸、又はオキシ塩化リン(V)と処理し、本開示のホスホネート又はホスフェートを提供することができる。ホスホノ酢酸又はホスホノプロピオン酸との反応は、例えば、好適な溶媒(例えば、メチルイソブチルケトン又はメチルエチルケトン)中で、任意に、触媒(例えば、メタンスルホン酸)の存在下で、かつ任意に、高温(例えば、最大で溶媒の還流温度)で実施することができる。式Rf−C(O)−NH−X”−OHで表されるヒドロキシル置換化合物のオキシ塩化リン(V)との反応は、例えば、好適な溶媒(例えば、トルエン)中で、任意に、高温(例えば、溶媒の還流温度)で実施することができる。1又は2当量のヒドロキシル置換化合物を用い、式(Rf−C(O)−NH−X)−Z(式中、Zはホスフェート、sは、1又は2)を有する化合物を提供することができる。1当量のヒドロキシル置換化合物を用いる場合、同量の水又はアルコールを添加してよい。
【0086】
式Rf−Q−X−Zで表される化合物はまた、例えば、式Rf−C(O)−OCHのエステル、又は式Rf−C(O)−OHのカルボン酸を、従来の方法を用いて(例えば、水酸化ホウ素ナトリウムなどの水酸化物の還元)、以下の反応系列に示される式Rf−CHOHのヒドロキシル置換化合物に還元することにより調製することができ、式中、Rf、X及びZは、上記実施形態のうちのいずれかで定義されるものである。
【0087】
Rf−C(O)−OCH→Rf−CHOH→Rf−X−Z
式Rf−CHOHのヒドロキシル置換化合物を、続いて、上述の手技のいずれかを用いて、例えば、ホスフェート又はホスホン酸塩に変換することができる。
【0088】
本開示の化合物はまた、以下の反応系列にしたがって、例えば、式Rf−C(O)−OHで表されるカルボン酸のエポキシド又はエポキシド混合物との反応により調製することもでき、式中、Rf、f、g及びRは、上記実施形態のうちのいずれかで定義されるものであり、Rは、水素、メチル、エチル、又はこれらの組み合わせである。
【0089】
【化5】

【0090】
この反応は、例えば、三フッ化ホウ素(例えば、三フッ化ホウ素エーテラート、三フッ化ホウ素テトラヒドロピラン、及び三フッ化ホウ素テトラヒドロフラン)、五フッ化リン、五フッ化アンチモン、塩化亜鉛、及び臭化アルミニウムの複合体などのルイス酸触媒の存在下で、実施することができる。この反応はまた、(CFSOCH存在下で実施することもできる。開環重合は、そのまま、又は炭化水素溶媒(例えば、トルエン)又はハロゲン化溶媒(例えば、ジクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエチレン、又はジクロロエタン)などの好適な溶媒中で実施することができる。この反応は、室温付近又はそれ以下(例えば、約0℃〜40℃の範囲内)で実施することができる。この反応はまた、室温以上(例えば、最大40℃、60℃、70℃、90℃、又は最大で溶媒の還流温度)で実施することもできる。
【0091】
本開示の化合物はまた、例えば、式Rf−C(O)−OH(式中、Rfは、上記実施形態のうちのいずれかで定義されるもの)で表されるカルボン酸の、ジアミン又はトリアミン(例えば、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン又はジエチレントリアミン)との反応により調製することもできる。カルボン酸及びジアミン又はトリアミンの当量を調節し、モノ塩、ジ塩、又はトリ塩を提供することができる。例えば、式Rf−C(O)−OHで表されるカルボン酸を、1当量のジアミンと反応させ、式Rf−Q−X−Z(式中、Qは、−C(O)O−+NH(R’)−であり、Zは、アミン(例えば、一級、二級、又は三級アミン)である)を有する化合物を提供してよい。2当量の式Rf−C(O)−OHで表されるカルボン酸を、ジアミンと反応させ、例えば、式Rf−Q−X−Z(式中、Qは、−C(O)O−+NH(R’)−であり、Zは式−[NH(R)RfC(O)Oを有するアンモニウム基である)を有する化合物を提供してもよい。更なる例では、3当量の式Rf−C(O)−OHで表されるカルボン酸を、トリアミンと反応させ、例えば、式(Rf−Q−X)−Z(式中、Qは、−C(O)O−+NH(R’)−であり、Zは、式(−)[NHR]RfC(O)Oを有するアンモニウム基である)を有する化合物を提供してよい。例えば、カルボン酸及びジアミン又はトリアミンを、室温で又は任意に高温で、かつ任意に好適な溶媒(例えば、エタノール)中で撹拌することにより、塩を調製することができる。
【0092】
本開示の化合物は(例えば、水又は有機溶媒の少なくとも一方の)濃縮物の中に処方することができ、その場合、化合物は、濃縮物の総重量を基準として、少なくとも10、20、30、又は更には少なくとも40重量パーセントの量で存在する。濃縮物の調製技術は、当該技術分野において既知である。
【0093】
いくつかの実施形態では、本開示は、水又は水相溶性有機溶媒の少なくとも1つと、本開示の化合物と、を含む組成物を提供する。いくつかのこれら実施形態では、Zは、アンモニウム基、アミン−オキシド基、アミン、ヒドロキシル、アルコキシ、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、ホスホネート、及び両性基からなる群から選択される。
【0094】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物及び/又は本開示の方法を実施するのに有用な組成物は、水及び非フッ素化ポリマーを含有してよい。これらの水性組成物は、例えば、コーティング(例えば、床仕上げ材、ワニス、自動車用コーティング、船舶用コーティング、シーラー、プラスチックレンズのハードコート、金属缶又は金属コイル用コーティング、及びインク)として有用であり得る。水性組成物内にて使用する場合(例えば、コーティング用)、本開示の化合物は、水溶液又は分散体に、例えば、溶液又は分散体の重量を基準にして、約0.001重量%〜約1重量%、約0.001重量%〜約0.5重量%、又は約0.01重量%〜約0.3重量%の最終濃度で処方することができる。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、基材表面上のコーティング(例えば、水性コーティング)の湿潤化及び/又は平滑化を増強することができ、コーティング組成物中の構成成分(例えば、増粘剤又は顔料)のより良好な分散能を提供できる。
【0095】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を含む水性組成物(例えば、コーティング用)は、少なくとも1つの非フッ素化ポリマー、典型的にはフィルム形成ポリマーを含有する。好適なポリマーの例としては、アクリルポリマー(例えば、ポリ(メチルメタクリレート−コ−エチルアクリレート)又はポリ(メチルアクリレート−コ−アクリル酸));ポリウレタン(例えば、脂肪族、脂環式又は芳香族ジイソシアネートと、ポリエステルグリコール又はポリエーテルグリコールとの反応生成物);ポリオレフィン(例えば、ポリスチレン);スチレンとアクリレートとのコポリマー(例えば、ポリ(スチレン−コ−ブチルアクリレート);ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートイソフタレート、又はポリカプロラクトン);ポリアミド(例えば、ポリヘキサメチレンアジパミド);ビニルポリマー(例えば、ポリ(ビニルアセテート/メチルアクリレート)、ポリ(ビニリデンクロライド/ビニルアセテート);ポリジエン(例えば、ポリ(ブタジエン/スチレン));セルロースエーテル及びセルロースエステルを含むセルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、又はセルロースアセテート/ブチレート)、ウレタン−アクリレートコポリマー、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。このようなポリマーの水性エマルション又はラテックスを調製する方法及び材料はよく知られていて、市販供給源から入手可能である。いくつかの実施形態では、非フッ素化ポリマーは、アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリスチレン、又はスチレン−アクリレート共重合体のうちの少なくとも1つである。
【0096】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物を含む水性組成物は、多価アルコールのエーテル(例えば、エチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はモノエチル)エーテル、2−ブトキシエタノール(すなわち、ブチルセロソルブ)、又はジ(プロピレングリコール)メチルエーテル(DPM))、アルキレングリコール及びポリアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、へキシレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール)、並びに2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート(例えば、Eastman Chemical Company(Kingsport,TN)から商品名「TEXANOL」として入手可能なエステルアルコール)を含む、1つ以上の水相溶性溶媒(例えば、合体性溶媒)を含むことができる。組成物に添加することができる他の水相溶性有機溶媒としては、1〜4個の炭素原子を有するアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、又はイソブタノール);アミド及びラクタム(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、又はN−メチルピロリドン);ケトン及びケトアルコール(例えば、アセトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール);エーテル(例えば、テトラヒドロフラン又はジオキサン);1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン;及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0097】
用途に応じて、本開示の化合物を含む水性組成物は、少なくとも1つの添加剤(例えば、殺生物剤、充填剤、追加の平滑剤、乳化剤、消泡剤、防食剤、分散剤、及びさび止め剤)を含んでもよい。水性組成物はまた、任意に、少なくとも1つの顔料を含有してもよい。
【0098】
非フッ素化ポリマーと本開示の化合物とを含む水性組成物を表面に(例えば、コーティング用途で)塗布すると、水及び溶媒は典型的には蒸発し、ポリマー粒子は凝結して連続膜を形成する。水性組成物を表面に塗布し、乾燥させ、かつ任意に加熱することができ、固体コーティングを有する表面が残る。本開示の化合物を加えることで、基材を湿潤させるコーティング能力が改善され、及び/又は膜の形成中に均等に水を蒸発させる(すなわち、平らにする)ことで、いくつかの組成物の膜形成特性を改善できる。
【0099】
本発明の化合物を加えることにより改良され得る水性組成物としては、床磨き剤及び仕上げ剤、種々の基材(例えば、木製床)のためのワニス、写真用フィルムの製造において適用される水性ゲル、自動車用又は船舶用コーティング(例えば、プライマー、ベースコート、又はトップコート)、多孔質基材(例えば、木材、コンクリート、又は天然石)のためのシーラー、プラスチックレンズのためのハードコート、金属基材(例えば、缶、コイル、電子的構成要素、又は標識)のためのコーティング、インク(例えば、ペン若しくはグラビア、スクリーン印刷、又は熱印刷のためのもの)、並びに電子デバイスの製造において使用されるコーティング(例えば、フォトレジストインク)が挙げられる。水性組成物は、透明であるか、又は着色されてよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、本開示のいくつかの実施形態の化合物を含む水性組成物、及び非フッ素化ポリマーは、アルカリ性の水系コーティング組成物、例えば、アミンで安定化された床材組成物として有用であり得る。これら実施形態のいくつかにおいて、化合物は、少なくとも1つのカルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネート基を含む。
【0101】
本開示の表面処理を含む方法は、当業者に既知の様々な適用方法(例えば、ブラッシング、モッピング、パディング、バーコーティング、スプレー(例えば、スプレーボトルを用いて)、ディップコーティング(すなわち、基材を処方剤に浸漬する)、グラビアコーティング、ロールコーティング、スピンコーティング、フローコーティング、バキュームコーティング、ペインティング、及びワイピング(例えば、スポンジ又は布を用いて)を用いて、実施することができる。適切な大きさの平坦基材を処理するとき、ナイフコーティング又はバーコーティングを用いて、基材上の均一なコーティングを確実にすることができる。
【0102】
本開示の表面処理を含む方法のいくつかの実施形態では、表面は、ビニルコンポジションタイル、ビニルシートフローリング、リノリウム、ラバーシーティング、ラバータイル、コルク、合成スポーツフローリング及びビニルアスベストタイル、並びにテラゾー、コンクリート、ウッドフローリング、竹、ウッドラミネート、人工木製品(例えば、木材/エポキキシブレンド、Pergo(Kingsport,TN)から商品名「PERGO」で、及びDIAN(Gardena,CA)から商品名「PARQUET BY DIAN」で入手可能なもののような永久コーティングされた基材)、石、大理石、スレート、セラミックスタイル、グラウト、及びドライシェークフローリングなどの非弾力性の床基材の少なくとも1つを含む床表面である。
【0103】
本開示の化合物はまた、洗浄溶液中の添加剤としても有用であり得、表面及び/又は除去すべき汚染物質に向上した濡れ性を提供できる。いくつかの実施形態では、本開示の表面処理を含む方法は、表面を洗浄することを包含する。洗浄溶液は典型的には、溶液の総重量を基準として、本開示の化合物を約0.001重量%〜約1重量%、又は約0.001重量%〜約0.5重量%含むように処方される。硬表面を洗浄するために、本開示の化合物を含む水溶液を、窓ガラス、鏡、若しくはセラミックスタイルなどの硬表面にスプレーして(例えば、スプレーボトルから)、又は別の方法で塗布し、表面を紙又は布地ワイプできれいに拭く。汚染された部分は、水溶液に浸されるか、又は浸漬されてもよい。電子材料の製造に使用される洗浄方法において、典型的には、洗浄溶液は、槽中に配置され、電子部品は、その槽に浸漬されるか、又はコンベヤーベルト上の槽を通過する。
【0104】
水又は水相溶性溶媒の少なくとも1つと本開示の化合物とを含む組成物のいくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つのガスを更に含む(すなわち、組成物は発泡体である)。
【0105】
本開示の化合物のいくつかの実施形態では、Xは、少なくとも10(例えば、少なくとも12、15、18、20、22、25、28、又は30)個の炭素原子を有するアルキレンである。これらの化合物は、例えば、炭化水素溶媒を含む組成物の表面張力を低下させるのに有用であり得る。好適な炭化水素溶媒としては、原油、精製炭化水素(例えば、ガソリン、ケロセン、及びディーゼル)、パラフィン系及びイソパラフィン系炭化水素(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、高級アルカン、並びにフランス、パリのTotal Finaから商品名「ISANE IP 130」及び「ISANE IP 175」で入手され、及びテキサス州、ヒューストン(Houston)のExxon Mobil Chemicalsから商品名「ISOPAR」で入手される、イソパラフィン系溶媒、鉱油、リグロイン、ナフテン、芳香族化合物(例えば、キシレン及びトルエン)、天然ガス縮合物、並びにこれらの組み合わせ(混和性又は不混和性のいずれか)が挙げられる。いくつかの実施形態では、炭化水素溶媒と本開示の化合物とを含む組成物は、少なくとも1つのガスを更に含む(すなわち、組成物は発泡体である)。
【0106】
典型的には、本開示の及び/又は本開示によって調製される組成物(例えば、水性発泡体又は炭化水素発泡体)は、組成物の総重量を基準として、少なくとも0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035、0.04、0.045、0.05、0.055、0.06、0.065、0.07、0.075、0.08、0.085、0.09、0.095、0.1、0.15、0.2、0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、又は5重量%、最大5、6、7、8、9、又は10重量パーセントの、本開示の少なくとも1つの化合物を含む。例えば、発泡体中の本開示の化合物の量は、組成物の総重量を基準として、0.01重量%〜10重量%、0.1重量%〜10重量%、0.1重量%〜5重量%、1重量%〜10の範囲、又は1重量%〜5重量%の範囲であってよい。より少量及びより多量の化合物を組成物(例えば、発泡体)中に使用することもでき、これらの量は一部の用途にとって望ましい場合がある。
【0107】
液体(例えば、水又は溶媒)を含む組成物及び本開示の化合物中に気泡(例えば、窒素、二酸化炭素、及び空気)を形成することは、種々のメカニズム(例えば、機械的及び化学的メカニズム)を使用して実施することができる。有用な機械的発泡メカニズムには、組成物をかき混ぜること(例えば、振盪、撹拌、及び泡立て)、ガスを組成物に注入すること(例えば、組成物の表面の真下にノズルを挿入して、ガスを配合物中に吹き込む)及びこれらの組み合わせが挙げられる。有用な化学的発泡メカニズムとしては、化学反応(組成物成分(例えば、熱分解によってガスを放出する成分)の分解)によるガスのその場発生、組成物成分(例えば、液体ガス)を蒸発させること、及び組成物の圧力を下げること又は組成物を加熱することによって組成物中のガスを揮発させることが挙げられる。本開示の発泡体及び/又は本開示の方法より調製される発泡体は、全発泡体体積の10%〜90%の範囲の容積比にて気泡を含む。
【0108】
本開示の化合物は、例えば、撥油及び/又は撥水処理を基材(繊維状基材、例えば、布地、不織布、カーペット、及び皮製品を含む)にもたらす泡状の有用な添加剤であってよい。
【0109】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、様々な表面に撥水撥油特性をもたらし、これら表面の洗浄能を向上できる。本開示の化合物で処理される表面を有する本開示の物品は、非染み性、簡単な洗浄方法での染み剥離性、撥油性(例えば、指紋耐性)、石灰沈着物耐性、又は使用からの損耗及び磨耗、洗浄などの要素に起因するすり減りへの耐性の少なくとも1つであり得る。これら実施形態のいくつかにおいて、Zは、ホスフェート基又はホスホネート基である。
【0110】
本開示による及び/又は本開示を実施する(例えば、コーティング又は洗浄溶液組成物及び発泡体)のに有用な化合物の上記実施形態のいずれかにおいて、本開示の化合物は、単独で又は非フッ素化界面活性剤(例えば、炭化水素又はシリコーン界面活性剤)と組み合わせて使用して、所望の表面張力の低減又は湿潤の改善を引き起こすことができる。有用な補助界面活性剤は、例えば、D.R.Karsa編、「Industrial Applications Of Surfactants」、Royal Society of Chemistry、London、及びM.Rosen著、「Surfactants and Interfacial Phenomena」、Wiley−Interscience、New Yorkに見出すことができる。
【0111】
本明細書に開示される化合物は、少ない数(例えば、最大4)のペルフルオロ化された連続炭素原子を含む、部分的にフッ素化されたポリエーテル基及び/又は完全にフッ素化されたポリエーテル基を有しており、有用な界面活性剤特性を有することが本明細書で実証され、より多い数のペルフルオロ化された連続炭素原子を有する界面活性剤に対する、より低コストの代替品を提供し得る。本明細書に開示される化合物は、例えば、非イオン性、アニオン性、カチオン性、又は双極性界面活性剤として有用であり得る。
【0112】
迅速なスプレー及び濡れプロセスが要求される一部の用途(例えば、車体のペイント、金属加工、製紙、及び織物製造)では、ミリ秒以内で表面張力を低減できる極めて動的な界面活性剤の使用が有益である。いくつかの実施形態では、本開示は、最もよく知られた動的界面活性剤(例えば、米国特許第5,503,967号の21列10行目、並びに米国特許第5,453,539号及び同第5,536,425号におけるペルフルオロポリエーテル塩を参照)の性能に匹敵する動的界面活性剤(例えば、式[Rf−C(O)O−+NH(R’)−X]−NH(R)RfC(O)O、又はRf−C(O)O−+NH(R’)−X−NH(R)RfC(O)Oで表される化合物)を提供する。
【0113】
本開示の化合物は、組み合わされる液体の表面張力を低減させる。いくつかの実施形態において、液体の表面張力は、少なくとも10%(いくつかの実施形態では、少なくとも20%、30%、40%、50%、60%、又は更には70%)低減する。いくつかの実施形態では、液体の表面張力は、同等の液体が、一定量の界面活性剤(ここで、界面活性剤は、Rfが式C−O−CF(CF)−で表される基で置換される以外は同じ化合物であり、かつ界面活性剤の重量が化合物の重量と同じである)と組み合わされるとき以上の程度にまで低減される。用語「同等の液体」は、界面活性剤の特性以外は全ての点で同じ液体を意味する。
【0114】
本開示の実施形態を以降の非限定実施例によって更に例示するが、これら実施例において列挙される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0115】
以下の実施例では、特に断りのない限り、全ての試薬はSigma−Aldrich(St.Louis,MO)、又はBornem(Belgium)から入手した。特に断りのない限り、報告される全ての百分率及び比は、重量による。
【0116】
実施例1:CFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
ペルフルオロ−3,7−ジオキサオクタン酸(CFOCFCFCFOCFC(O)OCH)のメチルエステルを、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hintzerら)に記載されている化合物1の調製の方法に従って調製した(この調製の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0117】
成分B
撹拌棒、温度計、及び濃縮器を取り付けた三つ口の100mLのフラスコに、18グラム(0.05モル)の成分Aのメチルエステル及びジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)(5.1グラム、0.05モル)を入れた。反応混合物を、加熱マントルを用いて50℃で3時間、窒素下で加熱した。続いてメタノールを減圧下で除去した。酢酸(3グラム、0.05モル)を加え、生じた混合物を窒素下30℃にて2時間撹拌した。透明黄色のやや粘稠な液体が得られ、プロトン及び19F核磁気共鳴(NMR)分光法によりCFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CHであると確認された。
【0118】
実施例2:CFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHCHN(CH
撹拌棒、温度計、及び濃縮器を取り付けた三つ口の100mLのフラスコに、18グラム(0.05モル)の実施例1成分Aのメチルエステル及びDMAPA(5.1グラム、0.05モル)を入れた。反応混合物を、加熱マントルを用いて50℃で3時間、窒素下で加熱した。続いてメタノールを減圧下で除去した。エタノール(24グラム)及び8.4グラム(0.075モル)の30%過酸化水素水を加え、混合物を70℃で6時間加熱した。CFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHCHN(CHOの透明でやや琥珀色の溶液が得られた。
【0119】
実施例3:CFOCFCFCFOCHFCFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
3−H−ペルフルオロ−4,8−ジオキサノナン酸(CFO(CFOCHFCFCOOCH)のメチルエステルを、米国特許出願公開第2007/0142541号(Hintzerら)に記載されている化合物2の合成の方法に従って調製した(この合成の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0120】
成分B
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに19.6グラムのCFO(CFOCHFCFCOOCHを用いた以外は、実施例1の成分Bにおける方法に従った。
【0121】
実施例4:CFOCFCFCFOCHFCFC(O)NHCHCHCHN(CH
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに19.6グラムのCFO(CFOCHFCFCOOCH(実施例3の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0122】
実施例5:CFCFCFOCHFCFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
3−H−ペルフルオロ−4−オキサヘプタン酸(COCHFCFCOOCH)のメチルエステルを、米国特許出願公開第2007/0142541号(Hintzerら)に記載されている化合物4の合成の方法に従って調製した(この合成の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0123】
成分B
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、16.3グラムのCFCFCFOCHFCFCOOCHを用いた以外は、実施例1の成分Bにおける方法に従った。
【0124】
実施例6:CFCFCFOCHFCFC(O)NHCHCHCHN(CH
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに16.3グラムのCFCFCFOCHFCFCOOCH(実施例5の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0125】
実施例7:CFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸(Anles Ltd.(St.Petersburg,Russia)より入手)のメチルエステルを、50%含水硫酸を用いてメタノール中でエステル化することにより調製した。反応混合物をフラッシュ蒸留することによって、2相の留出物が得られた。下相を分留し、CFOCFOCFOCFCOOCHを得た。
【0126】
成分B
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、16.4グラムのCFOCFOCFOCFCOOCHを用いた以外は、実施例1の成分Bにおける方法に従った。
【0127】
実施例8:CFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHCHN(CH
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、16.4グラムのCFOCFOCFOCFCOOCH(実施例7の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0128】
実施例9:CFOCFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
ペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸(Anles Ltd.(St.Petersburg,Russia)より入手)のメチルエステルを、50%含水硫酸を用いてメタノール中でエステル化することにより調製した。反応混合物をフラッシュ蒸留することによって、2相の留出物が得られた。下相を分留し、CFOCFOCFOCFOCFCOOCHを得た。
【0129】
成分B
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、19.6グラムのCFOCFOCFOCFOCFCOOCHを用いた以外は、実施例1の成分Bにおける方法に従った。
【0130】
実施例10:CFOCFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHCHN(CH
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに19.6グラムのCFOCFOCFOCFOCFCOOCH(実施例9の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0131】
実施例11:CFOCFCFCFOCHFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
2−H−ペルフルオロ−3,7−ジオキサオクタン酸(CFOCFCFCFOCHFCOOCH)のメチルエステルを、米国特許出願公開第2007/0142541号(Hintzerら)における化合物3の合成(パラグラフ[0062])に記載されている方法に従って調製した(この合成の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0132】
成分B
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、18グラムのCFOCFCFCFOCHFCOOCHを用いた以外は、実施例1の成分Bにおける方法に従った。
【0133】
実施例12:CFOCFCFCFOCHFC(O)NHCHCHCHN(CH
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、18グラムのCFOCFCFCFOCHFCOOCH(実施例11の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0134】
実施例13:CFCFCFOCHFC(O)NHCHCHCH(CHOC(O)CH
成分A
2−H−ペルフルオロ−3−オキサヘキサン酸(CFCFCFOCHFCOOCH)のメチルエステルを、米国特許出願公開第2007/0142541号(Hintzerら)における化合物5の合成に記載されている方法に従って調製した(この合成の開示は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0135】
成分B
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、13.8グラムのCFCFCFOCHFCOOCHを用いた以外は、実施例1の成分Bにおける方法に従った。
【0136】
実施例14:CFCFCFOCHFC(O)NHCHCHCHN(CH
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、13.8グラムのCFCFCFOCHFCOOCH(実施例13の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0137】
実施例15:CFOCFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHCH(CHCHCHCHSO
撹拌棒、温度計、及び濃縮器を取り付けた三つ口の100mLのフラスコに、19.6グラム(0.05モル)のCFOCFOCFOCFOCFCOOCH(実施例9の成分Aに記載の方法で調製)及びDMAPA(5.1グラム、0.05モル)を入れた。反応混合物を、加熱マントルを用いて50℃で3時間、窒素雰囲気下で加熱した。続いてメタノールを減圧下で除去した。1,3−プロパンスルトン(6.1グラム、0.05モル)を加え、発熱反応が生じた。反応混合物を、50℃で3時間更に加熱し、15グラムのエタノール及び15グラムの脱イオン水を加えた。CFOCFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHCH(CHCHCHCHSOの透明琥珀色の溶液が得られた。
【0138】
実施例16:CFOCFCFCFOCHFCFC(O)NHCHCHCH(CHCHCHCHSO
CFOCFOCFOCFOCFCOOCHの代わりに、19.6グラムのCFO(CFOCHFCFCOOCH(実施例3の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例15の方法に従った。
【0139】
実施例17:CFOCFCFCFOCFC(O)O(CHCHO)
撹拌棒、加熱マントル、ドライアイス濃縮器、及び温度計を取り付けた三つ口の100mLのフラスコに、80℃に加熱された17.3グラム(0.05モル)のCFOCFCFCFOCFC(O)OHを入れた。エチレンオキシド(2.2グラム、0.05モル)を加え、エチレンオキシドの縮合滴がみられなくなるまで反応混合物を加熱した。混合物を窒素下で30℃まで冷却し、続いて0.2グラムの三フッ化ホウ素ジエチルエーテラートを加えた。混合物を80℃まで加熱し、更にエチレンオキシド(8.8グラム、0.2モル)を、エチレンオキシドの還流を穏やかに維持するのに十分な速度で約30分間かけて加えた。添加後、還流がみられなくなるまで、3時間加熱を継続した。続いて反応混合物を、減圧下80℃で濃縮し、褐色の液体を得た。
【0140】
CFOCFCFCFOCFC(O)OHを、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hintzerら)に記載されている化合物1の調製の方法に従って調製された(この調製の開示は参照により本明細書に組み込まれる)CFOCFCFCFOCFC(O)ONHから調製した。アンモニウム塩を硫酸で処理し、下相を分離して蒸留した。
【0141】
実施例18:CFOCFOCFOCFOCFC(O)O(CHCHO)
CFOCFCFCFOCFC(O)OHの代わりに、18.9グラムのペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸(Anles Ltd.(St.Petersburg,Russia)より入手)を用いた以外は、実施例17の方法に従った。
【0142】
実施例19:CFOCFCFCFOCFC(O)N(CH)CHC(O)O−K+
撹拌棒、温度計、及び濃縮器を取り付けた三つ口の100mLのフラスコに、18グラム(0.05モル)のCFOCFCFCFOCFC(O)OCH(実施例1、成分Aで調製)及び乾燥サルコシン(4.5グラム、0.05モル)を入れた。反応混合物を、加熱マントルを用いて60℃で48時間、窒素下で加熱し、その後約30℃に冷却した。イソプロパノール(23グラム)及び水酸化カリウム(2.8グラム、0.05モル)を加え、CFOCFCFCFOCFC(O)N(CH)CHC(O)O−K+の溶液を得た。
【0143】
実施例20:CFOCFOCFOCFOCFC(O)N(CH)CHC(O)O−K+
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、19.6グラムのCFOCFOCFOCFOCFCOOCH(実施例9の成分Aに記載の方法で調製)を用いた以外は、実施例19の方法に従った。
【0144】
実施例21:CFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHOC(O)CHP(O)(OH)
成分A
実施例1、成分Aで調製されたCFOCFCFCFOCFC(O)OCHを、米国特許第7,094,829号(Audenaertら)の16列37〜62行目に記載されている方法(この方法の開示は参照により本明細書に組み込まれる)に従って、エタノールアミンと処理した。
【0145】
成分B
撹拌棒、温度計、濃縮器、及びディーン・スターク・トラップを取り付けた三つ口の100mLのフラスコに、3.9グラム(0.01モル)の成分Aの物質、2−ホスホノ酢酸(1.4グラム、0.01モル)、メチルイソブチルケトン(26グラム)、及びメタンスルホン酸(0.05グラム)を入れた。反応混合物を還流下で約6時間加熱した。反応の全過程にわたって、約0.2グラムの水をディーン・スターク・トラップから回収した。CFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHOC(O)CHP(O)O(OH)が、メチルイソブチルケトン中の褐色溶液として得られた。
【0146】
実施例22:CFOCFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHOC(O)CHP(O)(OH)
実施例22は、成分Aにおいて、実施例9の成分Aに記載されるメチルエステルを使うこと、及び実施例21の成分BにおけるCFOCFCFCFOCFC(O)NHCHCHOHの代わりに、4.2グラムのCFOCFOCFOCFOCFC(O)NHCHCHOHを用いた以外は、実施例21の方法を用いて調製した。
【0147】
比較例A:
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、16.3グラムのCFCFCFOCF(CF)COOCH(Hoechst AG(Germany)から入手)を用いた以外は、実施例1の成分Bの方法に従った。
【0148】
比較例B:
CFOCFCFCFOCFC(O)OCHの代わりに、16.3グラムのCFCFCFOCF(CF)COOCH(Hoechst AG(Germany)から入手)を用いた以外は、実施例2の方法に従った。
【0149】
比較例C:
ペルフルオロヘキサン酸(ABCS GmBh(Germany)から入手)(3.1グラム、0.01モル)を、脱イオン水5グラム及びイソプロパノール5グラム中の水酸化カリウム(0.6グラム、0.01モル)で中和した。室温で30分間撹拌後、透明溶液が得られた。
【0150】
表面張力測定値
実施例1〜20を、表1(下記)に示す濃度まで脱イオン水で希釈した。実施例1〜20を含有する溶液の表面張力を、Kruss K−12張力計(Kruss GmbH(Hamburg、Germany)から入手)を使用して、Du Nouyリング法を用いて20℃で測定した。結果を表1(下記)にまとめる。
【0151】
【表1−1】

【0152】
【表1−2】

【0153】
ガラス上の動的接触角
動的前進及び後退接触角を、クリュス(Kruss)DSA 100(クリュス社(Kruss GmbH)から入手)を使用して、平面ガラス(フランスのAqua Productionから入手)上で測定した。実施例21及び22は、メチルイソブチルケトン中20%固体となるまで希釈した。これらを室温で、K Hand Coater Bar nr3(RK Print Coat Ltd.、UKから入手)を用いて塗布し、24マイクロメートルのウェット膜を付着させ、室温でコーティングを乾燥させた。1時間後に、前進及び後退接触角を室温で測定した。比較の目的で、フルオロケミカルポリマーガラスコーティングを、3M Company(St.Paul,MN)から商品名「ECC−4000」で入手し、比較実施例Dとして使用した。比較実施例Dを0.1%濃度でスプレー塗布した。結果を表2(下記)にまとめる。
【0154】
【表2】

【0155】
実施例23:(CFCFH−O−(CFCHO)P(O)O−+NH
成分A
米国特許出願公開第2007/0276103号の実施例3に記載の方法に従って調製した、CFCFH−O−(CFCOOH(426グラム、1.0モル)を、メタノール(200グラム、6.3モル)及び濃縮硫酸(200グラム、2.0モル)を用いて65℃でエステル化した。反応混合物を水で洗い、172℃で蒸留して383グラムのCFCFH−O−(CFCOOCHを得、これを繰り返して得られた物質を合わせて、成分Bで使用した。
【0156】
成分B
機械的撹拌機及び窒素バブラーを備えた5Lの丸底フラスコに、1Lの1,2−ジメトキシエタン及び水素化ホウ素ナトリウム(76グラム、2.0モル)を充填し、80℃に加熱した。成分Aに記載したように調製したCFCFH−O−(CFCOOCH(713グラム、1.67モル)を、1時間にわたって撹拌スラリーに加えた。濃縮硫酸の混合物(198グラム)及び水(1.0L)を反応混合物に加えた。下相を分離し、溶媒を蒸留して除去した。更に蒸留して506グラムのCFCFH−O−(CFCHOH(沸点173℃)を得、この構造をフーリエ変換赤外分光法(FTIR)、及びH及び19F核磁気共鳴(NMR)分光法によって確認した。
【0157】
成分C
電磁攪拌棒、温度計、窒素に連結された冷水凝縮器を備えた三つ口の100mLのフラスコに、オキシ塩化リン(V)(3.1グラム、20mmol)及び6グラムのトルエンを充填した。溶液を氷水浴で0℃まで冷却し、温度を5℃より低く維持しながら、注射器を用いてゆっくりと水(0.36グラム、20mmol)を溶液に加えた。反応混合物を約0℃で1時間撹拌した。次いで、トルエン16グラム中の成分Bの物質の一部(15.9グラム、0.040モル)の溶液を加えた。この溶液を110℃で24時間加熱し、室温まで冷却した。溶媒を減圧下で除去した。
【0158】
成分D
成分Cの物質の一部(2.5グラム)を7.5グラムの水で希釈し、5%アンモニア水を用いてpHを約9に調整した。得られた溶液をイソプロピルアルコールで総量150グラムまで希釈し、2重量%の溶液を得た。
【0159】
実施例24:(CFCFH−O−(CFCHO)P(O)O−+NH
成分A
米国特許出願公開第2004/0116742号に記載のように調製されたFC(O)CF(CF)−O−(CFCOF(503グラム、1.4モル)を、炭酸ナトリウム(387グラム、3.7モル)及びジグリム(650グラム)の撹拌混合液に、78℃で2時間かけて添加した。この反応は、二酸化炭素ガスを放出した。蒸留水(35グラム、1.9モル)を85℃で加え、次いで反応混合物を165℃に加熱し、その温度で30分間維持した。この反応を冷却し、硫酸(250グラム、2.6モル)/水1250グラムを加えた。2つの層が形成され、上層を33%硫酸で洗浄し、続いてメタノール(200グラム、6.3モル)及び濃縮硫酸(200グラム、2.0モル)を用いて65℃でエステル化した。反応混合物を水で洗い、52℃、2.0×10Pa(15mmHg)で蒸留して、258グラムのCFCFH−O−(CFCOOCHを得た。
【0160】
成分B
CF−CFH−O−(CF−CH−OHを、200グラム(0.6モル)のCF−CFH−O−(CF−C(O)O−CHを30グラム(0.79モル)の水酸化ホウ素ナトリウム/0.2Lの1,2−ジメトキシエタンで還元した以外は、実施例23、成分Bの方法に従って調製した。反応の最終時点で、150グラムの濃縮硫酸/0.3Lの水を加え、130℃の沸点を有する115グラムのCF−CFH−O−(CF−CH−OHを得た。
【0161】
成分C
(CFCFH−O−(CFCHO)P(O)O−+NHを、5グラムのトルエンを用い、成分Bの材料(12.7グラム、40mmol)/13グラムのトルエンの溶液を加えた以外は、実施例23、成分C及びDの方法に従って調製した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧下で除去し、11.6グラムの液体を得た。液体の一部(3グラム)を7グラムの水で希釈し、5%アンモニア水を用いてpHを約9に調整した。得られた溶液をイソプロピルアルコールで総量150グラムまで希釈し、2重量%の溶液を得た。
【0162】
表面張力測定値
Kruss K12張力計(Kruss、米国ノースカロライナ州、シャーロット(Charlotte)より購入)を使用して、実施例23〜24の表面張力を測定した。それぞれの実施例に関し、2%イソプロパノール/水溶液を水に滴下し、得られた溶液の表面張力を室温で測定した。結果を下記の表3に示す。
【0163】
【表3】

【0164】
実施例25:(CFOCFOCFOCFC(O)ONHCHCHCHH(CH
ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸(31.2グラム、0.1モル)(Anles Ltd.から入手)、及び31グラムのエタノールを、攪拌棒、温度計、及び凝縮器を取り付けた250mLの三つ口フラスコに加え、5.1グラム(0.05モル)のDMAPAを約15分かけて撹拌しながら滴下して加えた。添加後、反応混合物を室温で約2時間撹拌し、(CFOCFOCFOCFC(O)ONHCHCHCHH(CHの透明でやや黄色の溶液を得た。
【0165】
実施例26:(CFOCFOCFOCFC(O)ONHCH(CH)CH(OCHCH(CH))(OCHCH(OCHCH(CH))3.6〜xNH
実施例26を、DMAPAの代わりに、30グラムのポリエーテルアミン(Huntsman Corporation(The Woodlands,TX)から、商品名「JEFFAMINE ED−600」で入手)を用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0166】
実施例27:(CFOCFOCFOCFOCFC(O)ONHCHCHCHH(CH
実施例27を、ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸の代わりに、37.8グラムのペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸(Anles Ltd.から入手)を用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0167】
実施例28:(CFOCFOCFOCFOCFC(O)ONHCH(CH)CH(OCHCH(CH))(OCHCH(OCHCH(CH))3.6〜xNH
実施例28を、ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸の代わりに37.8グラムのペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸(Anles Ltd.から入手)を用い、DMAPAの代わりに、30グラムのポリエーテルアミン(Huntsman Corporationから商品名「JEFFAMINE ED−600」で入手)を用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0168】
実施例29:CFOCFOCFOCFC(O)O−+NHCHCHCHN(CH
実施例29を、10.2グラム(0.1モル)のDMAPAを用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0169】
実施例30:(CFOCFOCFOCFC(O)ONHCHCHNHCHCH
実施例30を、DMAPAの代わりに3.4グラム(0.03モル)のジエチレントリアミンを用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0170】
実施例31:CFOCFOCFOCFOCFC(O)O−+NHCHCHCHN(CH
実施例31を、ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸の代わりに37.8グラムのペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸(Anles Ltd.から入手)を用い、10.2グラム(0.1モル)のDMAPAを用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0171】
実施例32:(CFOCFOCFOCFOCFC(O)ONHCHCHNHCHCH
実施例32を、ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸の代わりに37.8グラムのペルフルオロ−3,5,7,9−テトラオキサデカン酸(Anles Ltd.から入手)を用い、DMAPAの代わりに3.4グラム(0.03モル)のジエチレントリアミンを用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0172】
実施例33:(CFOCFCFCFOCHFC(O)ONHCHCHCHH(CH
実施例33を、ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸の代わりに34.1グラムの2−H−ペルフルオロ−3,7−ジオキサオクタン酸を用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0173】
2−H−ペルフルオロ−3,7−ジオキサオクタン酸を、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hintzerら)における化合物12の調製に記載されている方法(この調製の開示は参照により本明細書に組み込まれる)に従って調製されたCFOCFCFCFOCHFC(O)ONHから調製した。アンモニウム塩を硫酸で処理し、下相を分離して蒸留した。
【0174】
実施例34:(CFOCFCFCFOCHFCFC(O)ONHCHCHCHH(CH
実施例34を、ペルフルオロ−3,5,7−トリオキサオクタン酸の代わりに39.2グラムの3−H−ペルフルオロ−4,8−ジオキサノナン酸を用いた以外は、実施例25の方法に従って調製した。
【0175】
3−H−ペルフルオロ−4,8−ジオキサノナン酸を、米国特許出願公開第2007/0015864号(Hintzerら)における化合物11の調製に記載されている方法(この調製の開示は参照により本明細書に組み込まれる)に従って調製されたCFOCFCFCFOCHFCFC(O)ONHから調製した。アンモニウム塩を硫酸で処理し、下相を分離して蒸留した。
【0176】
動的表面張力測定
実施例25〜34を、表4(下記)に示す濃度まで脱イオン水で希釈した。実施例25〜34を含有する溶液の表面張力を、Kruss張力計(Kruss GmbHから商品名「KRUSS BUBBLE PRESSURE TENSIOMETER BP2」で入手)を使用して、最高泡圧力法及び様々な表面齢を用いて22℃で測定した。100ミリ秒の表面齢について、結果を表4(下記)にまとめる。
【0177】
【表4】

【0178】
本開示の様々な修正及び変更は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者によってなされることができ、また、本開示は、上記で説明した例示的な実施形態に過度に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
(Rf−Q−X)−Zで表される化合物であって、
式中、
Rfは、
Rf−(O)−CHF−(CF−、
[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−、
CFCFH−O−(CF−、
CF−(O−CF−、及び
CF−O−(CF−O−CF−からなる群から選択され、
Qは、結合、−C(O)O−+NH(R’)−、−C(O)−N(R’)−、及び−C(O)−O−からなる群から選択され、ここで、R’は、水素及び1〜4個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、
Xは、アルキレン、アリールアルキレン、及びポリ(アルキレンオキシ)からなる群から選択され、ここで、アルキレン及びアリールアルキレンは、それぞれ任意に、エーテル、アミン、エステル、アミド、カルバメート、及び尿素からなる群から独立して選択される少なくとも1つの官能基によって中断され、
Zは、アンモニウム基、アミン−オキシド基、アミン、カルボキシレート、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、ホスホネート、及び両性基からなる群から選択され、ただし、Xが少なくとも10個の炭素原子を有するアルキレンのとき、Zは、水素であってもよく、更にXがポリ(アルキレンオキシ)のとき、Zは、ヒドロキシル及びアルコキシからなる群から選択されてもよく、
Rf及びRfは、独立して、1〜10個の炭素原子を有し、かつ任意に少なくとも1つの酸素原子によって中断される、部分的に又は完全にフッ素化されたアルキル基を表し、
Lは、F及びCFからなる群から選択され、
Wは、アルキレン及びアリーレンからなる群から選択され、
rは、0又は1であり、rが0のとき、Rfは、少なくとも1つの酸素原子で中断され、
sは、1又は2であり、ここでsが2のとき、Zは、アンモニウム基、ホスフェート、及びホスホネートからなる群から選択され、
tは、0又は1であり、
mは、1、2、又は3であって、
nは、0又は1であり、
それぞれのpは、独立して1〜6の数であり、
zは、2〜7の数である、化合物。
【請求項2】
Rfが、
Rf−(O)−CHF−(CF−、
[Rf−(O)−C(L)H−CF−O]−W−、及び
CFCFH−O−(CF−からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
t及びrがそれぞれ1であり、Rf及びRfが、独立して、
1〜6個の炭素原子を有する完全にフッ素化された脂肪族基、及び
式:
Rf−〔OR−〔OR−、
式中、
Rfは、1〜6個の炭素原子を有するペルフルオロ化された脂肪族基であって、
Rf及びRfは、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化されたアルキレンであって、
x及びyは、それぞれ独立して、0〜4の数であって、xとyとの合計が少なくとも1である、で表される完全にフッ素化された基からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
t及びrがそれぞれ0であり、Rf及びRfが、独立して、式:
Rf−〔OR−〔OR−O−CF−、
式中、
Rfは、1〜6個の炭素原子を有するペルフルオロ化された脂肪族基であって、
Rf及びRfは、それぞれ独立して、1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化されたアルキレンであって、
a及びbがそれぞれ独立して0〜4の数である、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項5】
Rfが、
−O−CHF−、
CF−O−CFCF−CF−O−CHF−、
CFCFCF−O−CFCF−CF−O−CHF−、
CF−O−CF−CF−O−CHF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−、
CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CHF−CF−、
CF−O−CF−CHF−、
−O−CF−CHF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−、
CF−O−CF−CHF−CF−、
F5−O−CF−CHF−CF−、
−O−CF−CHF−CF−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−CF−、
CF−O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−、
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−、及び
CF−(O−CF−O−CF−CF−O−CF−CHF−CF−からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項6】
Rfが、CF−O−CFCF−CF−O−CHF−、CF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−、CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−、及びCF−O−CF−CF−CF−O−CF−CHF−CF−からなる群から選択される、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Rfが、
CF−O−CHF−CF−O−CH−、
CF−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−O−CH−、
−O−CHF−CF−O−CH−、
−O−CHF−CF−O−CH−CH−、
−O−CF−CF−O−CHF−CF−OCH−、
−O−CF−CF−CF−O−CHF−CF−OCH−、
−O−CF−CHF−CF−OCH−、
CF−CHF−CF−O−CH−、及び
−CF−CHF−CF−OCH−からなる群から選択される、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項8】
RfがCFCFH−O−(CF−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
Rfが、CFCFH−O−(CF−及びCFCFH−O−(CF−からなる群から選択される、請求項7に記載の化合物。
【請求項10】
Rfが、CF−(O−CF−であり、zが、3又は4である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
Rfが、CF−O−(CF−O−CF−である、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
Qが、−C(O)−N(R’)−であり、Xが、最大5個の炭素原子を有するアルキレンである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
Qが、−C(O)O−+NH(R’)−であり、Xが、最大5個の炭素原子を有するアルキレン、−[EO]−[RO]−[EO]−、及び−[RO]−[EO]−[RO]−からなる群から選択され、
式中、
EOは、−CHCHO−を表し、
それぞれのROは、独立して、−CH(CH)CHO−、−CHCH(CH)O−、−CH(CHCH)CHO−、−CHCH(CHCH)O−、又は−CHC(CHO−を表し、
それぞれのfは、独立して1〜150の数であり、
それぞれのgは、独立して0〜55の数である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
前記化合物が、
[Rf−C(O)O−+NH(R’)−X]−NH(R)RfC(O)O−及び
Rf−C(O)O−+NH(R’)−X−NH(R)RfC(O)O−からなる群から選択される式で表され、式中、それぞれのRは、独立して水素及び1〜6個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択される、請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
Zが、−[N(R)M−、−N(O)(R、−N(R)−X−SOA、及び−N(R)−X−COAからなる群から選択され、式中、
それぞれのRは、独立して水素及び1〜6個の炭素原子を有するアルキルからなる群から選択され、
それぞれのRは、独立して水素及び炭素原子1〜6個を有するアルキルからなる群から選択され、ここで、アルキルは任意に、少なくとも1つのハロゲン、アルコキシ、ニトロ、又はニトリル基によって置換され、又は2つのR基が結合して、任意に少なくとも1つのO、N、又はSを含み、かつ任意に炭素原子1〜6個を有するアルキルによって置換される5〜7員環を形成することができ、
それぞれのXは、アルキレン及びアリールアルキレンからなる群から選択され、アルキレン及びアリールアルキレンがそれぞれ任意に少なくとも1つのエーテル結合によって中断されており、
は、対アニオンであって、
Aは、水素及び遊離アニオンからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
Zが、−[N(R)であり、
式中、それぞれのRは、独立して水素又はメチルであり、M−は、塩化物、酢酸塩、ヨウ化物、臭化物、メチルサルフェート、エチルサルフェート、及びギ酸塩からなる群から選択される、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
Zが、−N(O)(R、−N(R)−X−SOA、又は−N(R)−X−COAであり、式中、それぞれのR及びRは、独立して水素又はメチルであり、ここで、X1は、最大5個の炭素原子を有するアルキレンである、請求項15に記載の化合物。
【請求項18】
Zが、−P(O)(OY)、−O−P(O)(OY)、−SOY、−O−SOY、及び−COYからなる群から選択され、Yが、水素及び対カチオンからなる群から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
X−Zが、
−[EO]−[RO]−[EO]−R、及び
−[RO]−[EO]−[RO]−Rからなる群から選択され、
式中、
EOは、−CHCHO−を表し、
それぞれのROは、独立して−CH(CH)CHO−、−CHCH(CH)O−、−CH(CHCH)CHO−、−CHCH(CHCH)O−、又は−CHC(CHO−を表し、
は、水素又は最大4個の炭素原子を有するアルキルであり、
それぞれのfは、独立して1〜150の数であり、
それぞれのgは、独立して0〜55の数である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物と、有機溶媒又は水の少なくとも1つと、を含む、組成物。
【請求項21】
非フッ素化ポリマーを更に含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記非フッ素化ポリマーが、アクリル系ポリマー、ポリウレタン、ポリオレフィン、スチレン−アクリレート共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ビニルポリマー、ポリジエン、又はセルロース系ポリマーのうちの少なくとも1つである、請求項21に記載の水性組成物。
【請求項23】
請求項20〜22のいずれか一項に記載の組成物で表面を処理することを含む、方法。
【請求項24】
表面の少なくとも一部分が、請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物と接触する、該表面を含む物品。
【請求項25】
発泡体の作製方法であって、少なくとも液体、ガス、及び請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物を組み合わせることを含む、方法。
【請求項26】
液体の表面張力を減少させる方法であって、少なくとも該液体と、該液体の表面張力を減少させるのに十分な量の請求項1〜19のいずれか一項に記載の化合物とを組み合わせることを含む、方法。
【請求項27】
前記液体の表面張力を、同等の液体を一定量の界面活性剤と組み合わせるとき以上の程度にまで低減する方法であって、該界面活性剤において、Rfが、式C−O−CF(CF)−で表される基で置換される以外は同じ化合物であり、かつ界面活性剤の重量が、前記化合物の重量と同じである、請求項26に記載の方法。

【公表番号】特表2011−528659(P2011−528659A)
【公表日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−518865(P2011−518865)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【国際出願番号】PCT/US2009/050627
【国際公開番号】WO2010/009191
【国際公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】