説明

フラットケーブル防水コネクタおよびその製造方法

【課題】防水性能が得られ、かつ組み付け作業が容易となるフラットケーブル防水コネクタおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】導体配線11aが絶縁フィルム12aによって被覆される絶縁被覆部12を有してなるフラットケーブル10と、導体配線11aに接合される端子20と、端子20と接続相手端子51とが接続されるように接続相手コネクタ50と嵌合されるコネクタハウジング30とを有してなるフラットケーブル防水コネクタにおいて、コネクタハウジング30は、導体配線11aと端子20との接合部40を覆うように前記フラットケーブルの延在方向端部10aに一体成形されてなるモールド部32を有してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットケーブル防水コネクタおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、狭い空間での配索を可能とするものとして可撓性を有してなる平板状のフラットケーブルが用いられる。このフラットケーブルは、接続相手コネクタの端子と接続される端子が、フラットケーブルの導体配線が露出された部分に接続されるようになっている。このような導体配線と端子の接合部は防水処理を施す必要がある。このため、防水性能を有するフラットケーブル防水コネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載されたフラットケーブル防水コネクタは、コネクタハウジングとフラットケーブルとの間に防水詮が設けられるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−171597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたフラットケーブル防水コネクタでは、コネクタハウジングと防水詮との組み付け作業が必要になるため、組み付け作業が煩雑になるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、防水性能が得られ、かつ組み付け作業が容易となるフラットケーブル防水コネクタおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項1にかかるフラットケーブル防水コネクタは、導体配線が絶縁フィルムによって被覆される絶縁被覆部を有してなるフラットケーブルと、前記導体配線に接合される端子と、前記端子と接続相手端子とが接続されるように接続相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングとを有してなるフラットケーブル防水コネクタにおいて、前記コネクタハウジングは、前記導体配線と前記端子との接合部を覆うように前記フラットケーブルの延在方向端部に一体成形されてなるモールド部を有してなること特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項2にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上記の発明において、前記モールド部は、前記接合部を覆う防水モールド部および前記防水モールド部に比して前記フラットケーブルの延在方向奥側で前記フラットケーブルを覆う保持モールド部を有してなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項3にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上記の発明において、前記絶縁被覆部は、前記絶縁被覆部の短手方向で向かい合う側端部、かつ前記コネクタハウジングに少なくとも一部が覆われる位置に形成された一対の切り欠きである切り欠き部、あるいは前記コネクタハウジングに覆われる位置に形成されてなる貫通孔を有してなることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の請求項4にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上記の発明において、前記コネクタハウジングは、接続相手コネクタの少なくとも一部を収容するフード部を有して接続相手コネクタと嵌合される嵌合部を有してなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の請求項5にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上記の発明において、前記嵌合部は、接続相手コネクタとの嵌合状態を保持するための嵌合ロック部を有してなることを特徴とする。
【0012】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の請求項6にかかるフラットケーブル防水コネクタの製造方法は、導体配線が絶縁フィルムによって被覆される絶縁被覆部を有してなるフラットケーブルと、前記導体配線に接合される端子と、前記端子と接続相手端子とが接続されるように接続相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングとを有してなるフラットケーブル防水コネクタの製造方法において、前記コネクタハウジングを前記導体配線と前記端子との接合部および前記フラットケーブルに一体成形する一体成形ステップを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の請求項1にかかるフラットケーブル防水コネクタは、前記コネクタハウジングが、前記導体配線と前記端子との接合部を覆うように前記フラットケーブルの延在方向端部に一体成形されてなるので、前記コネクタハウジングと前記フラットケーブルとの間に防水詮を組み付けることなく防水性能を得ることができ、結果的に防水性能が得られ、かつ組み付け作業が容易となる。
【0014】
本発明の請求項2にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記モールド部が、前記接合部を覆う防水モールド部および前記防水モールド部に比して前記フラットケーブルの延在方向奥側で前記フラットケーブルを覆う保持モールド部を有してなるので、前記防水モールド部にかかる付加が前記保持モールド部によって低減され、前記防水モールド部の損傷を防止することができ、結果的に前記防水モールド部の防水性能を向上させることができる。
【0015】
本発明の請求項3にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記コネクタハウジングを形成する樹脂が前記一対の切り欠き部、あるいは前記貫通孔に入り込むことによって前記コネクタハウジングが前記フラットケーブルに強固に保持される。
【0016】
本発明の請求項4にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記コネクタハウジングが、接続相手コネクタの少なくとも一部を収容するフード部を有して接続相手コネクタと嵌合される嵌合部を有してなるので、前記端子と接続相手端子との接続部分の防水性能を確保することができる。
【0017】
本発明の請求項5にかかるフラットケーブル防水コネクタは、上述した請求項1と同様の効果を奏するとともに、前記嵌合部が、接続相手コネクタとの嵌合状態を保持するための嵌合ロック部を有してなるので、前記コネクタハウジングと接続相手コネクタとの嵌合状態をより強固に保持することができる。
【0018】
本発明の請求項6にかかるフラットケーブル防水コネクタの製造方法は、前記コネクタハウジングを前記導体配線と前記端子との接合部および前記フラットケーブルに一体成形する一体成形ステップを含むので、前記コネクタハウジングと前記フラットケーブルとの間に防水詮を組み付けることなく防水性能を得ることができ、結果的に防水性能が得られ、かつ組み付け作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるフラットケーブル防水コネクタの斜視図である。
【図2】図2は、図1に示したフラットケーブル防水コネクタの上面図である。
【図3】図3は、図2に示したフラットケーブル防水コネクタのA−A線断面図である。
【図4】図4は、図1に示したモールド部周辺の拡大図である。
【図5】図5は、図1に示したフラットケーブルおよびフラットケーブルに接続された端子の図である。
【図6】図6は、図1に示したフラットケーブル防水コネクタと、図1に示したコネクタハウジングに嵌合される前の接続相手コネクタとを示した図である。
【図7】図7は、図6に示したコネクタハウジングと接続相手コネクタが嵌合した状態でのB―B線断面図である。
【図8】図8は、図1に示したフラットケーブル防水コネクタの製造方法を示した図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態の変形例1のフラットケーブル防水コネクタの斜視図である。
【図10】図10は、図9に示したフラットケーブルおよびフラットケーブルに接続された端子の図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態の変形例2のフラットケーブル防水コネクタの斜視図である。
【図12】図12は、図11に示したフラットケーブルおよびフラットケーブルに接続された端子の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明にかかるフラットケーブル防水コネクタおよびその製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態にかかるフラットケーブル防水コネクタ1の斜視図である。図2は、図1に示したフラットケーブル防水コネクタ1の上面図である。図3は、図2に示したフラットケーブル防水コネクタ1のA−A線断面図である。図4は、図1に示したモールド部32周辺の拡大図である。図5は、図1に示したフラットケーブル10およびフラットケーブル10に接合された端子20の図である。図6は、図1に示したフラットケーブル防水コネクタ1と、図1に示したコネクタハウジング30に嵌合される前の接続相手コネクタ50とを示した図である。図7は、図5に示したコネクタハウジング30と接続相手コネクタ50が嵌合した状態でのB―B線断面図である。
フラットケーブル防水コネクタ1は、図1−図4に示すように、フラットケーブル10、三つの端子20、およびコネクタハウジング30を有してなる。
【0022】
フラットケーブル10は、図5に示すように、導体部11および絶縁被覆部12を有してなる。
導体部11は、銅あるいは銅合金等からなり、かつ可撓性を有する導体配線11aを三本有してなる。これら三本の導体配線11aの各導体配線11aは、端子20の並列間隔に応じて並設されている。
なお、この実施の形態では、導体部11が三本の導体配線11aを有してなるものを例示したが、これに限定されない。すなわち、導体配線11aの数は一本以上であればよい。
絶縁被覆部12は、導体部11がポリプロピレン等の絶縁フィルム12aによって被覆された部分である。
この絶縁被覆部12は、一対の切り欠き部12bを有してなる。一対の切り欠き部12bは、絶縁被覆部12の短手方向で向かい合う側端部12d、かつコネクタハウジング30に少なくとも一部が覆われる位置に形成された矩形状の切り欠きである。なお、本発明の実施の形態では、この一対の切り欠き部12bの各切り欠き部12bは、フラットケーブル10の延在方向で、コネクタハウジング30のフラットケーブル10の取り付け側端30a位置にほぼ等しい位置に形成されてなる。
【0023】
このような、フラットケーブル10は、図5に示すように、導体部11が絶縁フィルム12aによって平板状に被覆されることによって可撓性を有するようになっている。また、このフラットケーブル10は、端子20と接続される側の端部10aの絶縁フィルム12aが除去され、各導体配線11aが露出された状態になっており、この露出された各導体配線11aに各端子20が接合されるようになっている。
【0024】
次に、三つの端子20について説明する。
三つの端子20の各端子20は、導体配線11aに対応した形状をなし、各導体配線11aに超音波溶接、圧着等の方法によって接合される。この実施の形態では、各端子20が雄型端子であり、導体配線11aと接合される側の端部20aと対向する端部20bが後述する相手接続端子41に接続されるようになっている。
なお、この実施の形態では、フラットケーブル防水コネクタ1が、三つの端子20を有してなるものを例示したが、これに限らない。すなわち、端子20は導体配線11aの本数に応じた数だけ設ければよい。
【0025】
次に、コネクタハウジング30について説明する。
コネクタハウジング30は、合成樹脂からなり、図6および図7に示すように、端子20と、接続相手端子51とが接続されるように既存の接続相手コネクタ50と嵌合されるものである。
このコネクタハウジング30は、導体配線11aと端子20との接合部40、およびフラットケーブル10に一体成形されてなり、相手接続コネクタ40と嵌合される嵌合部31と、モールド部32とを有してなる。
【0026】
嵌合部31は、断面外形が長円形状の筒状をなし、内部に接続相手コネクタ50を嵌入するようになっている。すなわち、接続相手コネクタ50が嵌合部31に嵌入されることによって、端子20が接続相手端子51に接続されるようになっている。また嵌合部31は、フード部31aおよび嵌合ロック部31bを有してなる。
フード部31aは、接続相手コネクタ50の少なくとも一部を収容する部分である。
嵌合ロック部31bは、接続相手コネクタ50との嵌合状態を保持するための部分である。この嵌合ロック部31bは、例えば、嵌合部31の外表面から嵌入方向に沿って直線状に延びる突出部分である。接続相手コネクタ50には、図6に示すように、嵌合ロック部31bを覆うように形成された接続相手側嵌合ロック部50aが嵌合ロック部31bに対応して設けられている。このため、コネクタハウジング30と接続相手コネクタ50とが嵌合された場合、嵌合ロック部31bと接続相手側嵌合ロック部50aとが嵌合されることによって嵌合状態をより強固に保持できるようになっている。
【0027】
モールド部32は、接合部40をモールドするとともにフラットケーブル10の端子20が接続される側の端部10a、すなわちフラットケーブル10の延在方向端部10aを嵌合部31と一体的に保持する部分である。より具体的には、モールド部32は、図4に示すように、防水シール部32aおよび保持部32bを有してなる。
防水モールド部32aは、嵌合部31からフラットケーブル10の延在方向に向けて延出されて接合部40を防水可能に覆う部分である。このため、接合部40がコネクタハウジング30によって強く密着されるので、接合部40における防水性が高められるようになっている。
保持モールド部32bは、防水モールド部32aに比してフラットケーブル10の延在方向奥側でフラットケーブル10を覆う部分である。より具体的には、防水モールド部32aからさらにフラットケーブル10の延在方向に向けて延出されてフラットケーブル10の延在方向端部10aを覆う部分である。このため、延在方向端部10aがより広い領域でコネクタハウジング30によって覆われるので、フラットケーブル10が保持モールド部32bによって安定的に保持されるようになっている。
このため、防水モールド部32aにかかる付加が保持モールド部32bによって低減され、防水モールド部32aの損傷を防止することができ、結果的に防水モールド部32aの防水性能を向上させることができる。
【0028】
このような、コネクタハウジング30は、コネクタハウジング30を形成する合成樹脂が接合部40およびフラットケーブル10に一体成形されるので、コネクタハウジング30が、接合部40およびフラットケーブル10を覆うようにして密着されるようになっている。このため、コネクタハウジング30とは別に防水詮を組み付ける必要なく、コネクタハウジング30によって防水性能が得られるようになっている。
しかも、コネクタハウジング30の取り付け側端30aが、フラットケーブル10の延在方向で、一対の切り欠き部12bとほほ等しい位置に配置されている。このため、コネクタハウジング30を形成する樹脂が一対の切り欠き部12bに入り込むことによってコネクタハウジング30がフラットケーブル10に強固に保持されるようになっている。また、図2に示すように切り欠き部12bを形成する辺のうち、フラットケーブル10の延在方向に交わる方向の一辺を覆うように樹脂が形成されるので、フラットケーブル10がフラットケーブル10の延在方向(図2中矢印D方向)の引っ張り力に対して高い保持力で保持されるようになっている。
【0029】
次に、図8を用いてフラットケーブル防水コネクタ1の製造方法について説明する。図8は、図1に示したフラットケーブル防水コネクタ1の製造方法を示した図である。
まず、延在方向端部10aの絶縁フィルム12を除去し、各導体配線11aの端部を露出させ、この露出された各導体配線11aの端部と各端子20とを超音波溶接、圧着等の方法によって接合する(図8(a)参照)。
その後、フラットケーブル10に一対の切り欠き部12bを形成する(図8(b)参照)。この一対の切り欠き部12bは、絶縁被覆部12の短手方向で向かい合う側端部12d、かつコネクタハウジング30に少なくとも一部が覆われる位置に形成される。より具体的には、一対の切り欠き部12bの各切り欠き部12bは、コネクタハウジング30の取り付け側端30a位置にほぼ等しい位置に形成される。
その後、接合部40を覆うようにフラットケーブル10の延在方向端部10aにコクタハウジング30を一体成形する(図8(c)参照)。これによって、コネクタハウジング30が、接合部40およびフラットケーブル10を覆うようにして密着される。
【0030】
本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1は、コネクタハウジング30が、導体配線11aと端子20との接合部40を覆うようにフラットケーブル10の延在方向端部10aに一体成形されてなるモールド部32を有してなるので、コネクタハウジング30とフラットケーブル10との間に防水詮を組み付けることなく防水性能を得ることができ、結果的に防水性能が得られ、かつ組み付け作業が容易となる。
【0031】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1は、コネクタハウジング30を形成する樹脂が接合部40を覆っているので、接合部40の強度を向上させることができる。
【0032】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1は、コネクタハウジング30を形成する樹脂が一対の切り欠き部12bに入り込むことによってコネクタハウジング30がフラットケーブル10に強固に保持される。
【0033】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1は、モールド部32が、接合部40を覆う防水モールド部32aおよび防水モールド部32aに比してフラットケーブル10の延在方向奥側でフラットケーブル10を覆う保持モールド部32bを有してなるので、防水モールド部32aにかかる付加が保持モールド部32bによって低減され、防水モールド部32aの損傷を防止することができ、結果的に防水モールド部32aの防水性能を向上させることができる。
【0034】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1は、コネクタハウジング30が、接続相手コネクタ50の少なくとも一部を収容するフード部31aを有して接続相手コネクタ50と嵌合される嵌合部31を有してなるので、端子20と接続相手端子51との接続部分の防水性能を確保することができる。
【0035】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1は、嵌合部31が、接続相手コネクタ50との嵌合状態を保持するための嵌合ロック部31bを有してなるので、コネクタハウジング30と接続相手コネクタ50との嵌合状態をより強固に保持することができる。
【0036】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1の製造方法は、コネクタハウジング30が導体配線11aと端子20との接合部40およびフラットケーブル10に一体成形される一体成形ステップを含むので、コネクタハウジング30とフラットケーブル10との間に防水詮を組み付けることなく防水性能を得ることができ、結果的に防水性能が得られ、かつ組み付け作業が容易となる。
【0037】
(変形例1)
次に、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタの変形例1について図9および図10を用いて説明する。
図9は、本発明の実施の形態の変形例1のフラットケーブル防水コネクタ2の斜視図である。図10は、図9に示したフラットケーブル60およびフラットケーブル60に接続された端子20の図である。
この変形例1のフラットケーブル防水コネクタ2は、一対の切り欠き部12bに加えてさらに一対の切り欠き部12cがフラットケーブル60に形成されている点でフラットケーブル防水コネクタ1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0038】
一対の切り欠き部12cは、絶縁被覆部12の短手方向で向かい合う側端部12d、かつコネクタハウジング30に全てが覆われる位置に形成された矩形状の切り欠きである。
この変形例1のフラットケーブル防水コネクタ2は、コネクタハウジング30を形成する樹脂が一対の切り欠き部12b、さらには一対の切り欠き部12cに入り込むことによってコネクタハウジング30がフラットケーブル10に強固に保持されるようになっている。
【0039】
(変形例2)
次に、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタの変形例2について図11および図12を用いて説明する。図11は、本発明の実施の形態の変形例2のフラットケーブル防水コネクタ3の斜視図である。図12は、図11に示したフラットケーブル70およびフラットケーブル70に接続された端子20の図である。
この変形例2のフラットケーブル防水コネクタ3は、一対の切り欠き部12bに代わって貫通孔12eがフラットケーブル70の絶縁被覆部12に形成されている点でフラットケーブル防水コネクタ1と異なる。
なお、その他の構成は実施の形態と同様であり、実施の形態と同一構成部分には同一符号を付している。
【0040】
貫通孔12eは、コネクタハウジング30に覆われる位置に形成されてなる。この変形例2では、図12に示すように、貫通孔12eは、導体配線11aの間に形成されている。
なお、貫通孔12eの形成位置は、導体配線11aの間に限定されない。すなわち、コネクタハウジング30に覆われる位置であればその他の位置に形成されてもよい。
この変形例2のフラットケーブル防水コネクタ3は、コネクタハウジング30を形成する樹脂が貫通孔12eに入り込むことによってコネクタハウジング30がフラットケーブル10に強固に保持されるようになっている。
【0041】
なお、本発明の実施の形態にかかるフラットケーブル防水コネクタ1,2は、矩形状の切り欠き部12b,12cを有するものを例示したが、これに限らず、その他の形状の切り欠きを形成してもよい。例えば、U字状の切り欠きであっても構わない。
【0042】
なお、本発明の実施の形態にかかるフラットケーブル防水コネクタ1,2は、一対の切り欠き部12bの各切り欠き部12bが、コネクタハウジング30の取り付け側端30a位置にほぼ等しい位置に形成されるものを例示したが、これに限らない。すなわち、一対の切り欠き部12bが、絶縁被覆部12の短手方向で向かい合う側端部12d、かつコネクタハウジング30に少なくとも一部が覆われる位置に形成されていればよい。例えば、コネクタハウジング30が一対の切り欠き部12bの各切り欠き部12bの全体を覆うようにしてもよい。
【0043】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1,2,3は、端子20が雄端子であるものを例示したが、これに限らず雌端子であってもよい。
【0044】
また、本発明の実施の形態のフラットケーブル防水コネクタ1,2,3は、コネクタハウジング30が、断面外形が長円形状の筒状の嵌合部31を有してなり、内部に接続相手コネクタ50を嵌入するようになっているものを例示したが、これに限らない。すなわち、接続相手コネクタ50と嵌合される形状であればその他の形状を用いても構わない。
【0045】
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0046】
1、2、3 フラットケーブル防水コネクタ
10、60、70 フラットケーブル
10a 延在方向端部
11 導体部
11a 導体配線
12 絶縁被覆部
12a 絶縁フィルム
12b、12c 切り欠き部
12d 側端部
12e 貫通孔
20 端子
20a、20b 端部
30 コネクタハウジング
30a 取り付け側端
31 嵌合部
31a フード部
31b 嵌合ロック部
32 モールド部
32a 防水モールド部
32b 保持モールド部
40 接合部
50 接続相手コネクタ
50a 接続相手側嵌合ロック部
51 接続相手端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体配線が絶縁フィルムによって被覆される絶縁被覆部を有してなるフラットケーブルと、前記導体配線に接合される端子と、前記端子と接続相手端子とが接続されるように接続相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングとを有してなるフラットケーブル防水コネクタにおいて、
前記コネクタハウジングは、
前記導体配線と前記端子との接合部を覆うように前記フラットケーブルの延在方向端部に一体成形されてなるモールド部を有してなること特徴とするフラットケーブル防水コネクタ。
【請求項2】
前記モールド部は、
前記接合部を覆う防水モールド部および前記防水モールド部に比して前記フラットケーブルの延在方向奥側で前記フラットケーブルを覆う保持モールド部を有してなることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル防水コネクタ。
【請求項3】
前記絶縁被覆部は、
前記絶縁被覆部の短手方向で向かい合う側端部、かつ前記コネクタハウジングに少なくとも一部が覆われる位置に形成された一対の切り欠きである切り欠き部、あるいは前記コネクタハウジングに覆われる位置に形成されてなる貫通孔
を有してなることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットケーブル防水コネクタ。
【請求項4】
前記コネクタハウジングは、
接続相手コネクタの少なくとも一部を収容するフード部を有して接続相手コネクタと嵌合される嵌合部を有してなることを特徴とする請求項1、2または3に記載のフラットケーブル防水コネクタ。
【請求項5】
前記嵌合部は、
接続相手コネクタとの嵌合状態を保持するための嵌合ロック部を有してなることを特徴とする請求項4に記載のフラットケーブル防水コネクタ。
【請求項6】
導体配線が絶縁フィルムによって被覆される絶縁被覆部を有してなるフラットケーブルと、前記導体配線に接合される端子と、前記端子と接続相手端子とが接続されるように接続相手コネクタと嵌合されるコネクタハウジングとを有してなるフラットケーブル防水コネクタの製造方法において、
前記コネクタハウジングを前記導体配線と前記端子との接合部および前記フラットケーブルに一体成形する一体成形ステップ
を含むことを特徴とするフラットケーブル防水コネクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−38039(P2013−38039A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−175612(P2011−175612)
【出願日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】