説明

フラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置及び画像検査方法

【課題】 フラットパネルディスプレイ用のガラス基板のパターンと周辺部の欠陥を画像処理で検出する際、ガラス基板の自重による撓みにより撮像画像に焦点ズレと照明透過光のゆがみによる階調乱れが生じ、検出精度が低下、不安定化している。
【解決手段】 ガラス基板5を載置架台4の載置板3上に載置する。画像処理手段12はラインセンサカメラ1と照明発光部8とをガラス基板5の検査対象エリアに移動させる。高さ検出センサ2はガラス基板5の撓みをラインセンサカメラ1の高さとして測定する。高さ制御機構11はこの測定結果を撓みの無い高さと比較し、給気量を制御して載置架台4の密閉空間6の内部圧力を制御し、載置板3を変形させてガラス基板5の撓みを物理的に補正する。その後、画像処理手段12は、ラインセンサカメラ1で照明発光部8からの透過光を撮像し、撮像した画像を処理して当該検査エリアのパターンと周辺部の欠陥の有無を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラズマディスプレイ及び液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイを構成する透明基板の画像検査装置及ぴ画像検査方法に係り、詳しくは、フラットパネルディスプレイを構成する透明基板の自重による撓みを補正して検査精度を向上させか、つ安定させるフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置及び画像検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在実用化されているフラットパネルディスプレイ(以下、FPD(Flat Panel Display)とも呼ぶ)は、内部に複数の薄膜状の電極回路パターンと障壁パターンをもつ。このパターンは、FPD製造工程の電極パターン形成及び障壁パターン形成工程にてFPD用ガラス基板上に印刷、露光、現像、エッチング等の作業を用いて形成される。従来、このようなパターン形成工程における欠陥検査は、パターンが微細であることから、多くの場合目視検査では行わず、自動検査機によってなされている。前記自動検査機は、画像検査機や外観検査機と称され、ガラス基板に形成されたパターン及びパターン周辺部に光を照射する工程と、光が照射されたパターン及びパターン周辺部を撮像し階調を示す撮像信号を生成する工程と、撮像信号からパターン及びパターン周辺部の欠陥となる欠損、突起等を検出する工程とを具備している。
【0003】
以下、図面を参照して従来の画像検査機の構成と動作を説明する。図6は従来の画像検査機の立体図、図7は図6の従来の画像検査機の断面図を含む機械的構成と電気的構成とを示す構成図である。従来の画像検査機は、パターン加工が施されたガラス基板5、これを載置する載置架台4、照明発光部8、ガラス基板5を挟んで照明発光部8と対称位置に配置されたラインセンサカメラ1、ラインセンサカメラ1付近からガラス基板5までの距離を測定する高さ検出センサ2、ラインセンサカメラ1を上下させ測定されたラインセンサカメラ1とガラス基板5間の距離を一定に維持する高さ維持機構15、及びラインセンサカメラ1の取り込んだ画像を撮像信号として取り出し、撮像信号から得られる画像の処理によって欠陥を抽出する画像処理手段12で構成されている。
【0004】
この画像検査機の動作では、高さ検出センサ2の高さ測定により高さ維持機構15がラインセンサカメラ1の高さをガラス基板5の表面に追従させることでラインセンサカメラ1の焦点を維持しながら、ラインセンサカメラ1と照明発光部8を走査し、ラインセンサカメラ1が照明発光部8からの透過光によりガラス基板に加工されているパターン及びパターン周辺部の撮像を行い、画像処理手段12が撮像した画像を処理することで欠陥の抽出を行う。
【0005】
撮像した画像による欠陥の抽出技術の例としては、下記の特許文献1に、シャドウマスクの欠陥検査方法及び装置が記載されている。この従来技術では、シャドウマスクを透明な載置台上に載置して下から光を照射し、光と対称位置に配置されたラインセンサカメラにてシャドウマスクを上から撮像すると、シャドウマスクの欠陥部分には、光の回折状態の違いにより階調差が発生するので、階調差の発生した撮像信号を処理することにより、欠陥を抽出している。
【特許文献1】特開平11−94758号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の画像検査機には、FPDに用いるガラス基板が自重により撓むという問題がある。このガラス基板を載置する透明な載置板も変形するため、ガラス基板の撓みを防ぐことは困難である。近年、FPDは大型化しているため、この問題が顕著になってきている。このため、上述の従来技術では、ガラス基板の撓みを測定し、その撓みの分だけラインセンサカメラの位置を一定の値に補正する方法を採っているが、ガラス基板の撓みや載置板の変形を物理的に補正するわけではないので、以下に説明するような問題には対応できない。即ち、ガラス基板のパターンの精細度が向上すると、ラインセンサカメラを構成するCCD素子に長さ方向に対応するガラス基板の撓みや載置板の変形によリ、焦点がズレたり照明透過光の方向が変化したりして、検査精度の低下や不安定化を招くという問題である。
【0007】
図7の従来の画像検査機の断面図に示すように、照明発光部8からの透過光8aを使用してパターン及ぴパターン外周部を撮像する場合、パターン及びパターン外周部には、透過光8aを遮る構造の梁等を設置することができないため、ガラス基板5の外周部のみでガラス基板5を支える載置板3を設置することになる。そのため、プラズマディスプレイ用の基板であれば、縦横1メートルの透明なガラス基板5を載置板3に搭載することになるが、この場合、ガラス自重はおよそ7kgになり、ガラス基板5の中央部は、ガラスの自重により約3ミリの撓みを生じる。プラズマディスプレイパネルの電極検査では、電極幅と放電距離及び非放電距離が大よそ100マイクロメートル程度であり、電極幅の50%程度以上の欠損を確実に検出するためには、ラインセンサカメラの1画素は10マイクロメートル以下が必要になり、一般的なラインセンサカメラの画素数4096から視野範囲は、40.96ミリメートル相当になる。
【0008】
このことから、図8に示すように、例えば、ガラス基板の長さ500ミリメートルに対しての3ミリの撓みは、ラインセンサカメラ1の画素17に対して、40.96ミリメートルの視野範囲で、246マイクロメートルの撓み16aとなる。ラインセンサカメラ1とガラス基板5の間の距離(高さ)は、高さ検出センサ2により或る一点で測定される高さにより一定に維持されるが、ラインセンサカメラ1の画素17の長さに対してガラス基板5の左の高さをL1とすると、中央部の高さはL1+(撓み16a)/2となり、右の高さはL1+(撓み16a)となる。このように、ラインセンサカメラ1の画素17の長さに対してガラス基板5の中央部と左右との高さのずれを補正できないため、ガラス基板5の左右で焦点ズレを起こし、欠陥部と非欠陥部の輝度階調に影響を与える。
【0009】
また、図9に示すように、ガラス基板5とガラス基板5に対する照明発光部8からの光の照射角8aがガラス基板5の撓みにより異なる方向の出射角8bに変化し、撮像信号の階調差に影響を与える。画像処理手段12による欠陥検出では、撮像信号で得られる画像の階調差により、パターン及びパターン周辺部の欠陥部と正常部の判定を行っている。このため、ガラス基板5の撓みが、この階調差に影響を与えると、欠陥部と正常部の階調差が少なくなり、誤判定が発生する。
【0010】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、フラットパネルディスプレイ用の透明基板の自重による撓みにより発生する撮像手段の焦点ズレや撮像信号の階調差に対する影響を無くして、撮像手段の焦点精度の向上と照明出射角の安定を図ると共に、撮像画像を安定させ、欠陥検出精度を向上させ、かつ安定させることができるフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置及び画像検査方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の課題を解決するための請求項1記載の発明は、フラットパネルディスプレイを構成する加工された透明基板を載置する載置架台と、前記載置された透明基板に発生した撓みを検出する撓み検出手段と、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の撓みを物理的に補正する撓み補正手段と、前記撓みを補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて撮像する撮像手段と、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを、備えたことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置である。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記載置架台は、透明基板を載置する透明な載置板を有して密閉空間を形成し、前記撓み補正手段は、前記密閉空間の内部圧力を制御して前記載置板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御手段を有してなることを特徴としている。
【0013】
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記載置架台は、透明基板を載置する縁部に前記透明基板を吸着して密閉空間を形成する吸着手段を有し、前記撓み補正手段は、前記密閉空間の内部圧力を制御して前記透明基板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御手段を有してなることを特徴としている。
【0014】
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記透明基板の検査エリアに移動する移動手段を備えると共に、前記撓み検出手段は、前記移動された検査エリア毎に透明基板に発生した撓みを検出するものであり、前記撓み補正手段は、前記検出された撓み量に応じて前記移動された検査エリア毎に前記透明基板の撓みを物理的に補正するものであり、前記撮像手段は、前記撓みを補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて前記検査エリア毎に撮像するものであり、前記画像処理手段は、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を前記検査エリア毎に検査するものであることを特徴としている。
【0015】
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記透明基板の検査エリアに移動する移動手段を備えると共に、前記撓み検出手段は、前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出するものであり、前記撓み補正手段は、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを物理的に補正するものであり、前記撮像手段は、前記中心部の撓みを補正した透明基板に前記検査エリア毎に照明手段からの光を透過させて撮像するものであり、前記画像処理手段は、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を前記検査エリア毎に検査するものであることを特徴としている。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記撓み検出手段は、始めにのみ前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出する手段と、前記移動された検査エリア毎に透明基板に発生した撓みを検出する手段とを兼ねるものであり、前記撓み補正手段は、始めにのみ前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを補正する手段と、前記移動された検査エリア毎に前記透明基板の撓みを物理的に補正する手段とを兼ねるものであり、前記撮像手段は、前記検査エリア毎に撓み補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて前記検査エリア毎に撮像するものであり、前記画像処理手段は、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を前記検査エリア毎に検査するものであることを特徴としている。
【0017】
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記照明手段は、載置架台の内部に配置され、前記撮像手段は、透明基板の前方に配置されていることを特徴としている。
【0018】
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置に係り、前記撮像手段は、載置架台の内部に配置され、前記照明手段は、透明基板の前方に配置されていることを特徴としている。
【0019】
また、請求項9記載の発明は、フラットパネルディスプレイを構成する加工された透明基板を載置架台に載置する載置工程と、前記載置された透明基板に発生した撓みを検出する撓み検出工程と、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の撓みを物理的に補正する撓み補正工程と、前記撓みを補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて撮像手段により撮像する撮像工程と、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を検査する画像処理工程とを、有することを特徴とするフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法である。
【0020】
また、請求項10記載の発明は、請求項9記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法に係り、前記撓み補正工程では、透明基板を載置する透明な載置板を有して形成されている前記載置架台の密閉空間の内部圧力を制御して前記載置板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御工程を有してなることを特徴としている。
【0021】
また、請求項11記載の発明は、請求項9記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法に係り、前記撓み補正工程では、透明基板を載置する前記載置架台の縁部に前記透明基板を吸着して形成される密閉空間の内部圧力を制御して前記透明基板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御工程を有してなることを特徴としている。
【0022】
また、請求項12記載の発明は、請求項9乃至11のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法に係り、前記載置工程の後に、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記透明基板の検査エリアに移動する移動工程を設け、前記撓み検出工程から前記画像処理工程までは、前記移動された検査エリアについて実行し、最後に前記移動工程から前記画像処理工程までを全ての検査エリアについて繰り返し実行する繰り返し工程を設けることを特徴としている。
【0023】
また、請求項13記載の発明は、請求項9乃至11のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法に係り、前記撓み検出工程では、前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出し、前記撓み補正工程では、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを物理的に補正し、この撓み補正工程の後に、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記中心部の撓みを補正した透明基板の検査エリアに移動する移動工程を設け、前記撮像工程から前記画像処理工程までは、前記移動された検査エリアについて実行し、最後に前記移動工程から前記画像処理工程までを全ての検査エリアについて繰り返し実行する繰り返し工程を設けることを特徴としている。
【0024】
また、請求項14記載の発明は、請求項9乃至11のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法に係り、前記載置工程の後に、前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出する中心部撓み検出工程と、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを物理的に補正する中心部撓み補正工程と、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記中心部の撓みを補正した透明基板の検査エリアに移動する移動工程とを設け、前記撓み検出工程から前記画像処理工程までは、前記移動された検査エリアについて実行し、最後に前記移動工程から前記画像処理工程までを全ての検査エリアについて繰り返し実行する繰り返し工程を設けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、この発明の構成によれば、第1の効果は、撮像されるフラットパネルディスプレイ用透明基板の自重による撓みを物理的に補正するようにしたので、撮像対象の透明基板が平坦になり、この透明基板を走査するラインセンサカメラ等の撮像手段の長さ方向に対する中央部と左右とで常に一定の距離を維持することができる。そのため、焦点の合った撮像が可能となり、検査精度が向上し、かつ安定する。
【0026】
第2の効果は、撮像されるフラットパネルディスプレイ用透明基板の自重による撓みを物理的に補正して平坦にするようにしたので、照射した照明の入射光の角度を透明基板を透過後も一律に維持することができる。そのため、撮像の輝度が安定し、検査精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
この発明は、フラットパネルディスプレイ用透明基板の画像による欠陥検査において、透明基板の自重による撓みにより発生する撮像手段の焦点ズレや撮像信号の階調差に対する影響を無くして、撮像手段の焦点精度の向上と照明光(透過光)の出射角の安定を図ると共に、撮像画像を安定させ、欠陥検出精度を向上させ、かつ安定させるという目的を、ガラス基板面とラインセンサカメラとの高さを測定する機能と、測定された高さデータを使用し、載置架台内部の密閉空間の圧力を制御することにより、載置架台の載置板を変形させてその上に載置したガラス基板の自重の影響で生じた撓みを物理的に補正したり、載置架台に吸着したガラス基板の自重の影響で生じた撓みを物理的に直接補正したりして、ガラス基板面を平坦にする機能とを、設けることで実現した。この発明の用途は特に限定しないが、プラズマディスプレイ又は液晶ディスプレイ等に用いる透明基板の欠陥検査に用いるのが好適である。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。説明は、実施例を用いて具体的に行う。
【実施例1】
【0028】
図1は、この発明の第1実施例である画像検査装置の機械的構成を示す立体図であり、図2は、図1の断面図を含むこの例の画像検査装置の機械的構成と電気的構成を示す構成図である。この例の画像検査装置は、下記のように構成されている。
【0029】
FPDを構成するパターン加工を施されたガラス基板5を搭載し、検査する台として載置架台4を設ける。載置架台4は、ガラス基板5を載置する透明ガラス製の載置板3を有し、載置架台4内部に密閉空間6を有する。密閉空間6の内部には、検査照明となる照明発光部8と照明発光部8を走査しながら移動させるリニアモータ7bを設置する。この密閉空間6の内部圧力を制御するために、給気機構部9及び排気機構部10と、内部圧力をモニタする圧力計13とを有する。載置板3は、ガラス基板5の自重による割れを防ぐための強度と内部圧力による弾性変形が生じる厚さとを有するものとする。
【0030】
ラインセンサカメラ1は、ガラス基板5の上方にリニアモータ7aにより照明発光部8と同期して走査しながら移動可能に配置され、照明発光部8からの透過光によりガラス基板5上のパターン及びパターン周辺部を撮像し、撮像した画像を撮像信号として画像処理手段12に送出する。リニアモータ7aとリニアモータ7bとは、画像処理手段12からの指令により、ラインセンサカメラ1と照明発光部8とを指定の検査エリアに移動させる。検査エリアとはラインセンサカメラ1の撮像範囲毎に複数に分割されたガラス基板5の検査対象エリアである。高さ検出センサ2は、ラインセンサカメラ1の極近くに配置され、ガラス基板5とラインセンサカメラ1の高さを測定する。高さ制御機構11は、画像処理手段12から撓み補正の指令を受けて、高さ検出センサ2からの測定結果を取り込み、載置架台4の圧力を圧力計13の測定結果を基に制御してガラス基板5の自重による撓みを載置板3の変形により補正するために、給気機構部9の給気量を制御する。画像処理手段12は、高さ制御機構11から撓み補正が完了した旨の通知を受けた後、撮像信号を取り込み、この撮像信号から得られる画像の処理、即ち、画像の階調差により、ガラス基板5上のパターン及びパターン周辺部の欠陥部と正常部の判定を行い、欠陥部を検出する。
【0031】
続いて、この例の画像検査装置の動作例を説明する。図3は、その動作の一例を示す処理手順図であり、S1〜S9は処理のステップを表す。まず、ガラス基板5のパターン及びパターン外周部を検査するため、ガラス基板5を載置架台4の載置板3上に載置する(S1)。次に、画像処理手段12は、リニアモータ7a,7bに指令して、ラインセンサカメラ1と照明発光部8とを、最初の検査対象エリアに同期して移動させる(S2)。この移動が完了すると、画像処理手段12は高さ制御機構11にガラス基板5の撓み補正を指令する。次に、高さ制御機構11は、高さ検出センサ2によって、ガラス基板5の自重による撓みをガラス基板5とラインセンサカメラ1との高さとして測定する(S3)。
【0032】
次に、高さ制御機構11は、高さ検出センサ2で測定した高さの値を撓みが無い場合の高さと比較し、撓みが予め設定された範囲内であるか否かを判定する(S4)。ここで撓みにより、ラインセンサカメラ1とガラス基板5間が設定範囲を越えて広くなっている場合には、、高さ制御機構11は、給気機構部9の給気量を増加させ、載置架台4の密閉空間6の内部圧力を高め、ガラス基板5の自重で変形した載置板3を上昇させて、この撓みを補正する(S5)。この補正の結果、逆に、ラインセンサカメラ1とガラス基板5が設定範囲を越えて狭くなってしまった場合には、、高さ制御機構11は、給気機構部9の給気量を削減することによって、載置架台4の密閉空間6の内部圧力を低くし、載置板3を低くする(S5)。これにより、ラインセンサカメラ1とガラス基板5との高さを予め設定された範囲内に収束させる。
【0033】
このようにして、ガラス基板5との高さを予め設定された範囲内に収束させた後、高さ制御機構11は撓み補正が完了した旨を画像処理手段12に通知する。これを受けて画像処理手段12は、ラインセンサカメラ1によって、照明発光部8からの透過光により当該検査エリアのパターン及びパターン外周部を撮像し、撮像した画像を取り込む(S6)。次に、画像処理手段12は、取り込んだ画像を処理してパターン及びパターン外周部の欠陥の有無を検査する(S7)。次に、画像処理手段12は、当該検査エリアが最終の検査エリアか否かを判断し(S8)、最終の検査エリアでなければ、次の検査エリアを指定して(S9)ステップS2に戻り、ラインセンサカメラ1及び照明発光部8を同期して走査しながら次の検査エリアに移動させる。その後は、ステップS7までの上記の処理を最終の検査エリアまで繰り返し実行する。
【実施例2】
【0034】
この発明の第2実施例を説明する。この例の画像検査装置の機械的構成及び電気的構成は、図1及び図2と同様である。この例の画像検査装置が第1実施例と異なる点は、高さ制御機構11で行うガラス基板の撓みの物理的な補正動作が、第1実施例のように検査エリア毎ではなく、最初にガラス基板の中心点でのみ行うことである。
【0035】
図4は、この例の動作の一例を説明する処理手順図であり、S11〜S19は処理のステップを表す。まず、ガラス基板5のパターン及びパターン外周部を検査するため、ガラス基板5を載置架台4の載置板3上に載置する(S11)。次に、画像処理手段12がリニアモータ7aに指令してラインセンサカメラ1をガラス基板5の中心部に移動させ、高さ制御機構11に撓み補正を指令する。これを受けて、高さ制御機構11は、ガラス基板5の自重による撓みを測定するため、ガラス基板5とラインセンサカメラ1との高さを高さ検出センサ2によって測定する(S12)。
【0036】
次に、高さ制御機構11は、高さ検出センサ2で測定した高さの値を撓みが無い場合の高さと比較し、撓みが予め設定された範囲内であるか否かを判定する(S13)。ここで撓みにより、ラインセンサカメラ1とガラス基板5間が設定範囲を越えて広くなっている場合には、、高さ制御機構11は、給気機構部9の給気量を増加させ、載置架台4の密閉空間6の内部圧力を高め、ガラス基板5の自重で変形した載置板3を上昇させて、この撓みを補正する(S14)。この補正の結果、逆に、ラインセンサカメラ1とガラス基板5が設定範囲を越えて狭くなってしまった場合には、、高さ制御機構11は、給気機構部9の給気量を削減することによって、載置架台4の密閉空間6の内部圧力を低くし、載置板3を低くする(S14)。これにより、ガラス基板5の中心部でのラインセンサカメラ1との高さを予め設定された範囲内に収束させる。
【0037】
このようにしてガラス基板5の中心部でのラインセンサカメラ1との高さが予め設定された範囲内に収束させた後、高さ制御機構11は撓み補正が完了した旨を画像処理手段12に通知する。これを受けて画像処理手段12は、リニアモータ7a,7bに指令して、ラインセンサカメラ1と照明発光部8とを、最初の検査対象エリアに同期して移動させる(S15)。移動後、画像処理手段12は、ラインセンサカメラ1によって、照明発光部8からの透過光により当該検査エリアのパターン及びパターン外周部を撮像し、撮像した画像を取り込む(S16)。次に、画像処理手段12は、取り込んだ画像を処理してパターン及びパターン外周部の欠陥の有無を検査する(S17)。次に、画像処理手段12は、当該検査エリアが最終の検査エリアか否かを判断し(S18)、最終の検査エリアでなければ、次の検査エリアを指定して(S19)ステップS15に戻り、ラインセンサカメラ1及び照明発光部8を同期して走査しながら次の検査エリアに移動させる。その後は、ステップS18までの上記の処理を最終の検査エリアまで繰り返し実行する。
【0038】
この実施例は、ガラス基板の撓みが中心点から点対称であり、載置板も中心点から点対称に変形することを前提として、中心点でのみガラス基板の撓みを載置板の変形により物理的に補正する。これにより、各検査エリアでのガラス基板の撓み補正を省略して、検査時間の短縮を図ることができる。
【実施例3】
【0039】
図5は、この発明の第3実施例である画像検査装置の機械的構成を示す立体図である。この実施例は、上述した載置板3の機能をガラス基板5で兼用する実施例である。即ち、載置架台4上の縁部の周囲の一部又は全部に吸引機構14を設け、載置架台4上にガラス基板5を搭載し、吸引機構14で載置架台4に気密に固定する。載置架台4とガラス基板5とで載置架台4内部に密閉空間6を作り、第1実施例や第2実施例に示したように、高さ制御機構11による密閉空間6の内部圧力を制御可能にして、ガラス基板5の撓み補正を可能にする。以上の機械的構成を除いては、図1の機械的構成及び電気的構成と同様であり、その動作例は、第1実施例又は第2実施例と同様であって容易に類推可能なので、その説明は省略する。
【0040】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限るものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上述の第1実施例と第2実施例を同時に実施しても良い。即ち、第2実施例のように、始めにガラス基板の中心点で撓み補正を行った後に、第1実施例のように各検査エリア毎に、高さ測定と、この測定結果による物理的な撓み補正を行うようにしても良い。この場合、結果エリア毎の撓み補正は不要若しくは短時間に実行できるようになる。
【0041】
また、上述の実施例では、載置架台の内部に照明発光部を配置し、この載置架台に載置されたガラス基板の上方にラインセンサカメラを配置する場合を例に説明したが、載置架台の内部にラインセンサカメラを配置し、この載置架台に載置されたガラス基板の上方に照明発光部を配置する場合についても、同様に実施することが可能である。また、ガラス基板を載置架台に水平に載置する場合を例に説明したが、傾斜させて載置するような場合にも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
この発明は、フラットパネルディスプレイとしてはプラズマディスプレイや液晶ディスプレイに限らず、例えば、有機パネルディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに広く適用可能である。また、透明基板としてはガラス基板に限らず、例えば、樹脂基板やガラスと樹脂の複合基板等を用いたフラットパネルディスプレイにも広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】この発明の第1実施例である画像検査装置の機械的構成を示す立体図である。
【図2】同画像検査装置の断面図を含む機械的構成及び電気的構成を示す構成図である。
【図3】同画像検査装置の動作の一例を示す処理手順図である。
【図4】この発明の第2実施例である画像検査装置の動作の一例を示す処理手順図である。
【図5】この発明の第3実施例である画像検査装置の機械的構成を示す立体図である。
【図6】従来の画像検査機の機械的構成を示す立体図である。
【図7】同画像検査機の断面図を含む機械的構成及び電気的構成を示す構成図である。
【図8】同画像検査機における光の出射角を説明する図である。
【図9】同画像検査機におけるラインセンサカメラ素子とガラス基板の配置図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ラインセンサカメラ(撮像手段)
2 高さ検出センサ(撓み検出手段)
3 載置板
4 載置架台
5 ガラス基板(透明基板)
6 密閉空間
7a,7b リニアモータ(移動手段)
8 照明発光部(照明手段)
9 給気機構部(圧力制御手段)
10 排気機構部(圧力制御手段)
11 高さ制御機構(圧力制御手段)
12 画像処理手段
14 吸引機構(吸着手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラットパネルディスプレイを構成する加工された透明基板を載置する載置架台と、前記載置された透明基板に発生した撓みを検出する撓み検出手段と、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の撓みを物理的に補正する撓み補正手段と、前記撓みを補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて撮像する撮像手段と、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を検査する画像処理手段とを、備えたことを特徴とするフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項2】
前記載置架台は、透明基板を載置する透明な載置板を有して密閉空間を形成し、前記撓み補正手段は、前記密閉空間の内部圧力を制御して前記載置板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御手段を有してなることを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項3】
前記載置架台は、透明基板を載置する縁部に前記透明基板を吸着して密閉空間を形成する吸着手段を有し、前記撓み補正手段は、前記密閉空間の内部圧力を制御して前記透明基板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御手段を有してなることを特徴とする請求項1記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項4】
前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記透明基板の検査エリアに移動する移動手段を備えると共に、前記撓み検出手段は、前記移動された検査エリア毎に透明基板に発生した撓みを検出するものであり、前記撓み補正手段は、前記検出された撓み量に応じて前記移動された検査エリア毎に前記透明基板の撓みを物理的に補正するものであり、前記撮像手段は、前記撓みを補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて前記検査エリア毎に撮像するものであり、前記画像処理手段は、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を前記検査エリア毎に検査するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項5】
前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記透明基板の検査エリアに移動する移動手段を備えると共に、前記撓み検出手段は、前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出するものであり、前記撓み補正手段は、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを物理的に補正するものであり、前記撮像手段は、前記中心部の撓みを補正した透明基板に前記検査エリア毎に照明手段からの光を透過させて撮像するものであり、前記画像処理手段は、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を前記検査エリア毎に検査するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項6】
前記撓み検出手段は、始めにのみ前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出する手段と、前記移動された検査エリア毎に透明基板に発生した撓みを検出する手段とを兼ねるものであり、前記撓み補正手段は、始めにのみ前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを補正する手段と、前記移動された検査エリア毎に前記透明基板の撓みを物理的に補正する手段とを兼ねるものであり、前記撮像手段は、前記検査エリア毎に撓み補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて前記検査エリア毎に撮像するものであり、前記画像処理手段は、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を前記検査エリア毎に検査するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項7】
前記照明手段は、載置架台の内部に配置され、前記撮像手段は、透明基板の前方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項8】
前記撮像手段は、載置架台の内部に配置され、前記照明手段は、透明基板の前方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査装置。
【請求項9】
フラットパネルディスプレイを構成する加工された透明基板を載置架台に載置する載置工程と、前記載置された透明基板に発生した撓みを検出する撓み検出工程と、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の撓みを物理的に補正する撓み補正工程と、前記撓みを補正した透明基板に照明手段からの光を透過させて撮像手段により撮像する撮像工程と、前記撮像した画像の処理により前記透明基板の加工部の欠陥の有無を検査する画像処理工程とを、有することを特徴とするフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法。
【請求項10】
前記撓み補正工程では、透明基板を載置する透明な載置板を有して形成されている前記載置架台の密閉空間の内部圧力を制御して前記載置板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御工程を有してなることを特徴とする請求項9記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法。
【請求項11】
前記撓み補正工程では、透明基板を載置する前記載置架台の縁部に前記透明基板を吸着して形成される密閉空間の内部圧力を制御して前記透明基板を板面の垂直方向に変形させることにより前記透明基板の撓みを補正する圧力制御工程を有してなることを特徴とする請求項9記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法。
【請求項12】
前記載置工程の後に、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記透明基板の検査エリアに移動する移動工程を設け、前記撓み検出工程から前記画像処理工程までは、前記移動された検査エリアについて実行し、最後に前記移動工程から前記画像処理工程までを全ての検査エリアについて繰り返し実行する繰り返し工程を設けることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法。
【請求項13】
前記撓み検出工程では、前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出し、前記撓み補正工程では、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを物理的に補正し、この撓み補正工程の後に、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記中心部の撓みを補正した透明基板の検査エリアに移動する移動工程を設け、前記撮像工程から前記画像処理工程までは、前記移動された検査エリアについて実行し、最後に前記移動工程から前記画像処理工程までを全ての検査エリアについて繰り返し実行する繰り返し工程を設けることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法。
【請求項14】
前記載置工程の後に、前記透明基板の中心部に発生した撓みを検出する中心部撓み検出工程と、前記検出された撓み量に応じて前記透明基板の中心部の撓みを物理的に補正する中心部撓み補正工程と、前記撮像手段及び照明手段を同期して走査しながら複数に分割した前記中心部の撓みを補正した透明基板の検査エリアに移動する移動工程とを設け、前記撓み検出工程から前記画像処理工程までは、前記移動された検査エリアについて実行し、最後に前記移動工程から前記画像処理工程までを全ての検査エリアについて繰り返し実行する繰り返し工程を設けることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1に記載のフラットパネルディスプレイ用透明基板の画像検査方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2006−38775(P2006−38775A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−222647(P2004−222647)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】