説明

フルオロポリマー組成物、コートされた物品、およびその製造方法

モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマーを含むフルオロポリマー組成物であって、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、前記フルオロポリマーが、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する組成物、該フルオロポリマーを含むコートされた物品、およびそれを製造するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロポリマー組成物および同組成物の製造方法に関し、より詳しくは、平滑なコーティング、良い流動化、良い剥離特性、および良い帯電性を提供することができるフルオロポリマーに関する。別の態様において、本発明は、フルオロポリマー組成物を含むコートされた物品に関する。
【背景技術】
【0002】
特定のフッ素含有ポリマー(「フルオロポリマー」とも称される)は、良い耐化学薬品性、すぐれた剥離、良い耐熱性および電気絶縁などの望ましい性質を有することが知られている。すぐれた剥離性質は、調理物品、例えば、フライパン、炊飯器、グリル、および耐熱皿をコーティングするのに有用であるように溶融流動性であるフルオロポリマー、特にフルオロポリマー粉末をもたらしている。また、フルオロポリマーは、複写機およびプリンターのためのフューザーロール(fuser rolls)またはベルト、容器、および化学プロセス用反応器などの多くの工業用途において使用されている。
【0003】
フルオロポリマーは、多数の従来の方法、例えば、分散コーティングによってまたは粉末コーティングによって基材上にコートされてもよい。基材を粉末コーティングするとき、粉末粒度分布は粉末供給システム、帯電システムおよび最終フィルム特性に影響を与えることがある。供給原料のホッパー供給のために、ポンプを通って吹付け装置から出るばらつきのない流れを達成するために粉末の一定の均一な流動化が必要とされる。微細粒子の濃度が非常に高い場合、粉末コーティング材料が凝集して流動化を抑える傾向がある。空気圧力が高くなると凝集の若干を軽減する場合があるが、これは、流動化床において噴出を起こすことがある。噴出(geysering)とは、流動粉末の表面が床表面およびデッドスポットからの大きな噴出物と不整合になるとき、この条件が空気を急増させ、不整合な量の粉末を吹付け装置に供給する場合があることを意味する。これは、不整合なフィルム厚さ、およびおそらく表面の欠陥をもたらす場合がある。ひどい場合、吹付け装置は大きな容積の粉末を表面上に出して、粉末のしみだらけのマウンドを残す場合がある。高濃度の微細粒子と共に粉末の湿分含有量が高くなると、付加的な凝集の要因になる場合がある。
【0004】
また、粒度は、帯電システムに影響を与えることがあり、すなわち、粒度は、粉末供給の静電気学に影響を与える場合がある。微細粒子と関連した逆イオン化(Back−ionization)は、より薄いフィルムにおいて表面破裂の要因になることがある。他方、より大きい粒子は、直線移動をし、静電力線によってだけ影響を与えられる可能性がいっそう高い。これらの性質は、粉末コーティングのトランスファー効率に影響を与えることがある。
【0005】
また、厚さおよび平滑さなどのフィルム特性は、粒度によって影響を与えられる。概して、より粗い粉末(より大きい粒度)はより厚いフィルムを形成し、一方、より微細な粉末(より小さい粒度)は、より薄いフィルムを提供する。大きい粒子、特に、高分子量を有する大きい粒子は、溶融および流動するのにより長くかかり、加工の間、完全に平らにならず、粗面につながる場合がある。粉末が非常に粗い場合、それは、「オレンジピール」と呼ばれる過度のテキスチャーをもたらすことがある。他方、過剰な微粉のために、フィルムが自己限定点により速く達して逆イオン化を開始し、「静電オレンジピール」をもたらす場合がある。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、良い堆積性質を提供する粉末コーティング、特にフルオロポリマー粉末コーティングに対する需要が存在することを理解する。良い堆積性質には、例えば、フルオロポリマーの流動化、静電粉末塗装においての帯電性、およびコートされた物品の平滑さの1つまたは複数の改良が挙げられる。
【0007】
本発明の一態様において、フルオロポリマー粉末を製造するための方法が提供される。前記方法は、第1のフルオロポリマーの粗い部分を分級して、モードの、D95に対する比が0.75以上であるフルオロポリマー粒度分布を有する第2のフルオロポリマーを提供する工程を含む。第2のフルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、前記方法は、前記フルオロポリマーの末端基の数を100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基に低減する工程をさらに含む。
【0008】
別の態様において、本発明は、モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマーを含むフルオロポリマー粉末に関する。フルオロポリマーがテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、それは、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する。
【0009】
別の態様において、本発明は、モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマーを含むコートされた物品に関する。フルオロポリマーは、基材上に層を形成する。フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、それは、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する。コーティングは、Raによって測定されたとき、3ミクロン以下の粗さを有してもよい。
【0010】
さらに別の好ましい態様において、本発明のフルオロポリマーは、30〜70ミクロンのモードを有し、約75ミクロンより大きい粒子を実質的に含有しない。さらに、フルオロポリマーがテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、フルオロポリマーは、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する。
【0011】
定義
本発明の目的のために、本出願において使用された以下の用語は以下のように定義される。
「微細粒子」は、10ミクロン未満の粒子を意味する。
「粗い粒子」は、分布の65%百分位数より大きい粒子を意味する。
「D50」は、容積%によって測定された時に粒子の50%が、ミクロン単位の相当する直径よりも小さいことを意味する。
「体積パーセント粒度」は、D50において容積モードで粒度分析器によって測定された時の(例えばコールターカウンターまたは光散乱)等価球形粒子直径を意味する。
「D95」は、体積パーセントエレクトロゾーン・センシング方法(例えばコールターカウンター)によって測定された時に粒子の95%が、ミクロン単位の相当する直径よりも小さいことを意味する。
「モード」は、体積パーセントエレクトロゾーン・センシング方法(例えばコールターカウンター)によって測定された時の粒度分布のピークを意味する。
平均粗さ「Ra」は、粗さプロファイルとその平均線との間の領域、または評価長さについて粗さプロファイル高さの絶対値の積分を含み、以下の式によって表される。
【数1】

「実質的に含有しない(substantially free)」は、約75ミクロンより大きい粒子の数が、ホサカワミクロン(Hosakawa Micron)ジェットシーブによって測定された時に粒度分布においての粒子の総数の0.1パーセント未満を占めることを意味する。
「不安定末端基」は、コーティングが形成される時に気泡またはボイドを生じさせる傾向があるポリマー鎖の末端の反応不安定部分、例えば、−CF2CH2OH、−CONH2、−COOX(XはHまたは他のカチオンである)、ビニルまたは−COFなどを意味する。
「本質的に含有しない(essentially free)」は、100万個の炭素原子当たり5個未満の不安定末端基を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一態様において、本発明は、フルオロポリマー粉末を製造するための方法を提供する。前記方法は、第1のフルオロポリマーを分級して、モードの、D95に対する比が0.75以上であるフルオロポリマー粒度分布を有する第2のフルオロポリマーを提供する工程を含む。第2のフルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、前記方法は、フルオロポリマーの不安定末端基の数を、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基に低減する工程をさらに有する。また、別記しない限り、「分級する(classify)」、「分級すること(classifying)」、「分級された(classified)」等は、所望の仕様によって異なったサイズの粒子を分離することを指す。
【0013】
本発明において有用なフルオロポリマーには、1つまたは複数のフッ素化または過フッ素化コモノマー、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、ビニリデンフッ素、フルオロビニルエーテル、パーフルオロビニルエーテル、ならびに1つまたは複数のこれらの組合せと、1つまたは複数の非フッ素化コモノマー、例えば、エチレン、プロピレンまたは他の低級オレフィンとの共重合単位を有するフルオロポリマー粉末などのフルオロポリマー粉末がある。フルオロポリマーは、部分的にフッ素化されるかまたは完全にフッ素化されるかどちらであってもよい。別の態様において、有用なフルオロポリマーには、商品名THV(テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンと、フッ化ビニリデンとのコポリマーとして説明される)、FEP(テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー)、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとのコポリマー)、HTE(テトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンと、エチレンとのコポリマー)、ETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンとのコポリマー)、およびPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ならびにそれらの組合せとして市販されているフルオロポリマーなどがある。前述の材料のいずれも、付加的なモノマーの共重合単位をさらに含有してもよい。また、2つ以上のフルオロポリマーの組合せを用いてもよい。好ましくは、本発明の第一フルオロポリマー成分は、TFEコポリマーを含むような、溶融加工可能なポリマーである。
【0014】
本発明のフルオロポリマーは、本技術分野において利用可能な様々な手段のいずれか、例えば、乳化重合および懸濁重合などによって合成されてもよい。乳化重合は、PFA、FEP、ETFE、HTE、およびTHVを合成するときに特に有用である。PVDFは、例えば、懸濁重合によって合成されてもよい。これらのフルオロポリマーは、0.1〜50、好ましくは約1〜20、より好ましくは約2〜8のメルトフローインデックスを有してもよい。当業者は、メルトフローインデックスを定量するための条件およびパラメーターが、与えられたタイプのフルオロポリマーについて変化してもよいことを理解する。メルトフローインデックスを定量するための条件およびパラメーターは概して、ASTM D1238に明記されている。
【0015】
本発明のフルオロポリマーは、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基、より好ましくは100万個の炭素原子当たり20個未満の不安定末端基を含有してもよく、最も好ましくはフルオロポリマーは、不安定末端基を本質的に含有しない。フッ素化は、様々なフッ素基生成化合物で行われてもよいが、好ましくはポリマーは、分級する前または後のどちらかにフッ素ガスと接触される。このようなガスは通常、フッ素との反応の発熱性のために、窒素などの不活性ガスで希釈される。典型的に、フッ素/不活性ガス混合物中のフッ素のレベルは、1〜100容積%の範囲であってもよいが、好ましくは10〜25容積%である。温度は、100℃〜250℃であってもよい。フッ素化時間は1〜20時間、好ましくは8〜12時間であってもよい。また、例えば、ポリマーを攪拌することによって、フッ素ガス混合物に暴露されたポリマーの表面積を最小にすることが好ましい。ガス圧力は、1〜約10気圧の範囲であってもよいが、好ましくは周囲圧力が用いられる。不安定末端基は、より安定な−CF3末端基に変換される。フッ素化条件に暴露した後、ポリマーは、窒素などの不活性ガスの流れにさらされてもよい。フッ素化開始剤または部分フッ素化連鎖移動剤の利用は、組成物のフッ素化を達成するための他の通常に受け入れられた方法を示す。
【0016】
別の態様において、本発明は、モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマーを含む粉末に関するものであり、フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、フルオロポリマーは、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する。好ましくは、モードの、D95に対する比が0.80以上または最も好ましくは0.85以上である。この粉末は、最終分布のために望ましいよりも粗い第1のフルオロポリマーを微粉砕することによって製造されてもよい。次に、第1のフルオロポリマーを次いでふるいを通して分級して粗い粒子を除去する。また、分級において、第1のフルオロポリマーを分級して微細粒子を除去してもよい。空気ジェット技術を用いてスクリーンのスクリーン目詰まりを防いでもよい。これにより、大きな粒子を有さない粒度分布を有する第2のフルオロポリマーを提供することができる。いくつかの実施態様において、分級は、例えば、75ミクロンより大きい全ての粒子を除去することができる。また、分級は、与えられたフルオロポリマー分布において粗いフルオロポリマーの所望のパーセンテージを除去することができる。さらに、微粉は、粗めの微粉砕のために最小にされる。
【0017】
本発明において、モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布は、良い粒子の流れおよび流動化性質を与えることが見出されている。さらに、モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマーは、表面に被着されるとき、本技術分野に公知の多くのフルオロポリマー粉末よりも滑らかなコーティングを提供する。一態様において、本発明において説明されたフルオロポリマー粒子は、微細粒子の3パーセント未満が除去されており、好ましくは、微細粒子の全てが除去されていない。さらに、本発明において分級された粗い粒子は、それらを再微粉砕することによって効率的に利用することができる。
【0018】
さらに別の態様において、本発明は、基材とフルオロポリマーコーティングとを含むコートされた物品に関する。フルオロポリマーコーティングは、基材上に被着する前にモードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマー粉末の被着から得られる。フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、フルオロポリマーは、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する。好ましくはコートされた物品は、Raによって測定されたとき、3ミクロン以下の表面粗さを有する。本発明のフルオロポリマー組成物は、100ミクロン未満、好ましくは75ミクロン未満、最も好ましくは65ミクロン未満の体積パーセント粒度を有してもよい。好ましい実施態様において、フルオロポリマーは、30〜70ミクロンのモードを有し、約75ミクロンより大きい粒子を実質的に含有しない。さらに、フルオロポリマー組成物は、フルオロポリマーがテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する。
【0019】
粉末は、通常の粉末コーティング技術によって被着される。粉末コーティング技術の非限定的な例には、静電吹付けコーティングおよび流動床コーティングなどがある。静電粉末吹付けコーティングが好ましい。当業者は、所望の結果を達成するために適切なコーティング技術を選択することができる。
【0020】
粉末コーティングによって被着した後、フルオロポリマーの溶融温度を超える温度の熱によるさらなる加工を用いて粉末粒子をコーティングに融解および融合する。粉末粒子を融解および融合する特定の時間および温度の選択は、選択されたフルオロポリマー、選択された基材および被着されたコーティング厚さに依存する。当業者は、適切な温度および時間を決定することができる。
【0021】
本発明において有用な基材は特に制限されない。例えば、適した基材には、ガラス、セラミックス、金属、例えば、アルミニウム、鋼およびステンレス鋼、銅、亜鉛、およびそれらの合金などがある。また、基材は、熱硬化性または熱可塑性ポリマー材料を含有してもよい。フルオロポリマー粉末をいずれかの通常に理解された方法によって基材上にコートしてもよい。ここに記載されたフルオロポリマーで基材をコートするための好ましい方法は、静電吹付け粉末コーティングである。さらに、フルオロポリマーは、熱融解によって融解され、基材および/または介在バインダーまたはプライマー層への接着を形成してもよい。熱融解とは、粉末が融合して基材上にフィルムを形成するために十分な温度および時間において粉末コーティングを加熱することを意味する。
【0022】
本発明のコートされた基材は、先行技術の基材よりも改良された性質を提供する。例えば、本発明のコートされた基材は、同様な化学組成および平均粒度を有するがここに記載された粒度分布とは異なった粒度分布を有するフルオロポリマーコーティングでコートされた基材よりも滑らかである。本発明の組成物は、より粗い粉末よりも良く溶融および流動し、加工の間、すぐれたレべリングを示し、一般に、平滑な表面および「オレンジピール」の低減または除去をもたらす。さらに、本発明のコートされた基材は、静電粉末コーティング技術を用いて被着された時にすぐれた加工性を提供する。本発明の組成物は、逆イオン化の前に粉末付着の自己限定を減少させる。結果として、本発明のコートされた基材は、「静電オレンジピール」の低減または除去を示す。さらに、ここに記載されたコートされた物品においてコーティングとして有用な本発明のフルオロポリマーは、同様な化学組成および平均粒度を有するがここに記載された粒度分布とは異なった粒度分布を有するフルオロポリマーよりも、より薄いコーティングのためにより良い平滑さ、より良い静電気学およびより良い流動化を提供できる場合がある。
【0023】
本発明において有用な通常のバインダーまたはプライマーを基材とフルオロポリマーとの間に挟んでもよい。バインダーまたはプライマーは、液体または粉末であってもよい。適したバインダーには、例えばフェノール化合物、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリチアゾール、ポリヒドロキシ安息香酸、ポリフェニレン、ポリベンゾキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリトリアゾール、およびポリエーテルスルホンなどがある。有用なフェノール化合物は少なくとも1つの芳香環を有し、その環は、それに直接に結合した少なくとも1つのヒドロキシル基を有し、ヒドロキシル基の少なくとも1つが、フェノレート塩を形成することができる。一態様において、フェノール化合物は、ポリヒドロキシ芳香族化合物を含む。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、芳香環に直接に結合した複数のヒドロキシル基を有してもよい。適したポリヒドロキシ芳香族化合物の例には、レソルシノール、ピロガロール、フロログルシナオール、カテコール、5−ジヒドロキシナファレンおよび4,4'−ジヒドロキシビフェニル、ヒドロキノン、またはそれらの組合せなどがある。
【0024】
適したプライマーはバインダーおよび付加的な材料を含有してもよい。バインダーと共に含有された付加的な材料は、本技術分野において通常に理解された材料である。例えば、FEP、PFAおよびPTFEと炭化水素ポリマーとのブレンドは、PTFEおよびPFAコーティングのためのプライマーとして作用することが知られている。PTFEコーティングが分散コーティングによって被着されるとき、プライマーはまた、PFA、FEP、および例えば、ポリアミド−イミドなどのバインダーをさらに含むそれらのブレンドを含有してもよい。
【0025】
基材表面は、場合により、バインダー、プライマー、またはフルオロポリマーを被着する前に処理されてもよい。例えば、金属表面は、サンドブラスチング、もしくは、例えば、ホスフェートまたはクロメートなどの表面準備剤で基材を処理するなどの本技術分野に公知のいずれの従来の方法によって処理されてもよい。
【0026】
バインダーおよびプライマーは、いずれの従来の方法によって基材に被着されてもよい。被着方法には、例えば、吹付けコーティング、粉末コーティング、ロールコーティング、メイヤーロッドコーティング、または浸漬コーティングなどがある。
【0027】
本発明の実施態様は、少数の例を挙げれば、化学貯蔵タンク、排気ダクトコーティング、生物医学デバイス、調理物品、例えば、フライパン、炊飯器、グリル、および耐熱皿、電子材料、および建築コーティングにおいて有用である。
【0028】
本発明の目的および利点は以下の実施例によってさらに説明されるが、これらの実施例において記載された特定の材料およびそれらの量、ならびに他の条件および詳細は、本発明を不当に制限すると解釈されるべきではない。
【実施例】
【0029】
粗さ試験
スタイラス・プロフィロメトリ(Stylus Profilometry)をヴィーコ・デクタク(Veeco Dektak)8スタイラスプロファイラ(ニューヨーク州、ウッドベリーのヴィーコ(Veeco,Woodbury,NY)から入手可能)を用いて以下の条件によって実施した。走査長さ20mm、走査時間30秒、スタイラス力10mg、スタイラスタイプは、半径0.2ミクロンのダイヤモンドであった。(平らでない鋼プレートのために)データを均一化した。そうでなければデータは変えられなかった。各試料のために5回の測定を平均し、記録する。各々のフルオロポリマー粉末の粗さを測定し、以下の表2にRaとして記録する。
【0030】
静電気
静電気をノードソン・シュア・コート(Nordson Sure Coat)(商標)粉末吹付けガン(オハイオ州、アムハースト(Amherst,Ohio)のノードソン・コーポレーション(Nordson Corporation)から入手可能)を用いて測定した。電圧を40KVに設定した。ガン先端をパネルから200mm離して保持して、粉末を76mm×152mmパネル上に吹付けた。逆イオン化の開始が観察されるまで粉末を吹付け、次いでパネルを秤量する。「静電気」は、逆イオン化が観察される前のパネル上の増量の量として表2に記載される。より大きな増量は、より良い帯電性に相関する。
【0031】
流動化
1000グラムの粉末をオハイオ州、アムハーストのノードソン・コーポレーションから入手可能なノードソン・シュア・コート・マニュアル・ガン・コントロール・ユニット(製品♯237395D)およびマニュアル・パウダー・スプレー・ガン(製品♯237421E)に取り付けられたノードソンH−1−4ホッパー内に置いた。空気を0.5バールに設定し、材料を攪拌して完全な流動化を確実にした。タイマーを始動させ、材料を観察する。転移が観察される時に記録し、次いで流動化を以下の基準によって評価する。流動床を5分間、観察した。
【0032】
表2において、以下の記号を用いて流動化特性を示す。
?は、流動床の外周の周りにごくわずかな噴出がある沸騰流動床を示す。
→は、床の噴出を示すがチャンネリングを示さない。
?は、床のチャンネルおよび陥落を示す。
【0033】
ひずみを得るためのエレクトロゾーン分析
米国、カリフォルニア州、フラートン(Fullerton,CA)のコールター・コーポレーション(Coulter Corporation)から入手可能なコールターマルチサイザー(Coulter Multisizer)IIで以下の設定および条件によって分析を実施した。使用された電解質はアイソトン(Isoton)II(カリフォルニア州、フラートンのコールター・コーポレーションから入手可能)であった。分散剤は、25%のFC4432(ミネソタ州、セントポールの3M・カンパニー(3M Company Saint Paul,MN)から入手可能)と75%のイソプロピルアルコールとのブレンドであった。アパーチュアサイズを140μmに設定した(このチューブの検出限界より大きい粒子を有する分布のために二チューブ分析が必要とされる)。印加されたアパーチュア電流は800μAであった。KDは1241であり、ゲインが4に設定され、総数は100,000であった。
【0034】
試料の調製を以下のように実施した。約1.5グラムの粉末を〜30mlのガラス瓶に添加し、その後に、4〜5滴の界面活性剤を添加した。この後に、約20mLのアイソトンIIを添加した。次に、粉末が完全に分散されるまでガラス瓶を音波槽内に置いた。次に分析を当業者に対する標準手順として実施した。
【0035】
光散乱を用いる粒度分析
以下の設定および条件を用いて粒度分析をマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/E(英国のウスターシャー(Worcestershire,United Kingdom)のマルバーンインスツルメンツリミテッド(Malvern Instruments Ltd.)から入手可能)で実施した。使用されたキャリアはオクタノールであった。経路長を300mmに設定した。分析は容積分布において行われ、モデルに依存しなかった。
【0036】
リザーバにオクタノールを充填した。次に、タンク撹拌機、ポンプおよび超音波をオンにし、次いで30秒待って気泡を取り除いた。バックグラウンドを設定し、オブスキュレーション(obscuration)が約0.2になるまで粉末をリザーバに添加した。次いで粒度を測定した。ここでおよび全体にわたって用いられるとき、粒度は体積パーセント粒度を指す。
【0037】
以下の実施例を以下の表1に記載する。
【0038】
【表1】

【0039】
比較例1:PFA 6502TA(ミネソタ州、オークデールのダイネオン・LLC(Dyneon LLC Oakdale,MN)から入手可能)を機械的に圧縮するために60〜90グラムのPFA を直径7.62cmの円筒圧縮型内に置いた。670kNの圧縮力を10秒間加えて円筒ディスクを形成した(米国特許第4,312,961号明細書を参照)。ディスクを破断し、4メッシュのスクリーンを用いてミネソタ州、ホプキンスのストランド・マニュファクチャリング社製のストランドS104ハンマーミルに供給して粗い粉末を得た。以下の設定を用いて粗い粉末をニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロン(Hosokawa Micron,Summit,N.J.)製のホソカワ・ACM1・ミルでミル粉砕した。空気の流れをH20中20(4900パスカル)に設定し、ミル速度を12,000RPMに設定した。分級機の速度を7000RPMに設定した。
【0040】
得られた粉末を測定すると、マルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/Eで32μmの体積パーセント粒度を有した。
【0041】
次に、ホソカワ・ミクロン・エアー・ジェット・シーブ(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能)で粉末を250ミクロンにふるい分けした。このふるいサイズにおいて、本質的に全ての粒子がフルオロポリマーから除去されず、モードの、D95に対する比が0.634であり32ミクロンの体積パーセント粒度を有するポリマーをもたらした。ふるいを通過した粉末は、サイクロン(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能なGAZ 125高効率サイクロンなど)で空気ストリームから捕捉された。
【0042】
比較例1は、3.8ミクロンの粗さ(75ミクロンのフィルム厚さを有する)、1.16gの静電気を有し、流動化の間、床のチャンネルおよび陥落を示した。
【0043】
実施例1
PFA X6502TA(ミネソタ州、オークデールのダイネオン・LLCから入手可能)を機械的に圧縮するために60〜90グラムのPFAを直径7.62cmの円筒圧縮型内に置いた。670KNの圧縮力を10秒間加えて円筒ディスクを形成した(米国特許第4,312,961号明細書を参照)。ディスクを破断し、4メッシュのスクリーンを用いてミネソタ州、ホプキンスのストランド・マニュファクチャリング社製のストランドS104ハンマーミルに供給して粗い粉末を得た。以下の設定を用いて粗い粉末をニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロン製のホソカワ・ACM1・ミルでミル粉砕した。空気の流れをH20中20(4900パスカル)に設定し、ミル速度を10,000RPMに設定した。分級機の速度を3500RPMに設定した。
【0044】
得られた粉末を測定すると、マルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/Eで51μmの体積パーセント粒度を示した。
【0045】
次に、ホソカワ・ミクロン・エアー・ジェット・シーブ(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能)で粉末を53ミクロンにふるい分けした。得られた粉末は、41ミクロンの体積パーセント粒度を有し、モードの、D95に対する比が0.872であった。ふるいを通過した粉末は、サイクロン(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能なGAZ 125高効率サイクロンなど)で空気ストリームから捕捉された。
【0046】
実施例1は、4.1ミクロンの粗さ(75ミクロンのフィルム厚さを有する)、1.56gの静電気を有し、流動化の間、流動床の外周の周りにごくわずかな噴出がある沸騰流動床を示した。
【0047】
実施例2
ミネソタ州、オークデールのダイネオン・LLCから入手可能なFEP X 6315Aを機械的に圧縮するために60〜90グラムのFEPを直径7.62cmの円筒圧縮型内に置いた。670KNの圧縮力を10秒間加えて円筒ディスクを形成した(米国特許第4,312,961号明細書を参照)。ディスクを破断し、4メッシュのスクリーンを用いてミネソタ州、ホプキンスのストランド・マニュファクチャリング社製のストランドS104ハンマーミルに供給し、粗い粉末を得た。以下の設定を用いて粗い粉末をニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロン製のホソカワ・ACM1・ミルでミル粉砕した。空気の流れはH20中20(4900パスカル)であり、ミル速度は17,000RPMであり、分級機速度は4000RPMであった。
【0048】
キャリアとしてオクタノールを用いて粒度をマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/E(英国のウスターシャー(Worcestershire,United Kingdom)から入手可能)で測定した。得られた体積パーセント粒度は41ミクロンであった。
【0049】
次に、ホソカワ・ミクロン・エアージェット・シーブ(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能)で粉末を53ミクロンにふるい分けした。ふるい分けされた粉末は、33ミクロンの体積パーセント粒度を有した。ふるいを通過した粉末は、サイクロン(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能なGAZ 125高効率サイクロンなど)で空気ストリームから捕捉された。
【0050】
実施例2は、モードの、D95に対する比が0.908であり、2.0ミクロンの粗さ(75ミクロンのフィルム厚さを有する)、1.33gの静電気を有し、流動化の間、流動床の外周の周りにごくわずかな噴出がある沸騰流動床を示した。
【0051】
実施例3
水性乳化重合によって製造されたETFE反応器粉末(テトラフルオロエチレン(TFE)52.2モル%、エチレン45.0モル%、パーフルオロ(プロピルビニル)エーテル1.0モル%(PPVE)、ヘキサフルオロプロピレン1.8モル%(HFP))を機械的に圧縮した。ETFEの機械的に圧縮された試料を破断し、4メッシュのスクリーンを用いてストランドS104ハンマーミル(ミネソタ州、ホプキンスのストランド・マニュファクチャリング社から入手可能)に供給して粗い粉末を得た。以下の設定を用いて粗い粉末をニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロン製のホソカワACM1でミル粉砕した。空気の流れをH20中20(4900パスカル)に設定し、ミル速度は17,000RPMであり、分級機速度は5000RPMであった。得られた体積パーセント粒度は45ミクロンであった。
【0052】
次に、ホソカワ・ミクロン・エアージェット・シーブ(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能)で粉末を53ミクロンにふるい分けした。ふるい分けされた粉末は、28ミクロンの体積パーセント粒度を有した。ふるいを通過した粉末は、サイクロン(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能なGAZ 125高効率サイクロンなど)で空気ストリームから捕捉された。
【0053】
実施例3は、モードの、D95に対する比が0.845であり、1.7ミクロンの粗さ(75ミクロンのフィルム厚さを有する)、1.21gの静電気を有し、流動化の間、床の噴出を示したがチャンネリングを示さなかった。
【0054】
実施例4
PFA 反応器粉末PFA 6502TA(ミネソタ州、オークデールのダイネオン・LLCから入手可能)を機械的に圧縮し、実施例3に記載されたように粗いミル粉砕した。以下の設定を用いて粗い粉末をニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロン製のホソカワACM1でミル粉砕した。空気の流れをH20中20(4900パスカル)に設定し、ミル速度は12,000RPMであり、分級機速度は4500RPMであった。
【0055】
キャリアとしてオクタノールを用いて粒度を英国のウスターシャーから入手可能なマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/Eで測定した。得られた体積パーセント粒度は55ミクロンであった。
【0056】
次に、ホソカワ・ミクロン・エアージェット・シーブ(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能)で粉末を74ミクロンにふるい分けした。ふるい分けされた粉末は、48ミクロンの体積パーセント粒度を有した。ふるいを通過した粉末は、サイクロン(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能なGAZ 125高効率サイクロンなど)で空気ストリームから捕捉された。ふるい分けされた粉末をマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/Eで測定すると48μmの体積パーセント粒度を有した。
【0057】
実施例4は、モードの、D95に対する比が0.851であり、4.1ミクロンの粗さ(125ミクロンのフィルム厚さを有する)、1.76gの静電気を有し、流動化の間、流動床の外周の周りにごくわずかな噴出がある沸騰流動床を示した。
【0058】
実施例5
PFA 反応器粉末PFA 6502TA(ミネソタ州、オークデールのダイネオン・LLCから入手可能)を機械的に圧縮し、実施例3に記載されたように粗いミル粉砕した。以下の設定を用いて粗い粉末をニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロン製のホソカワACM1でミル粉砕した。空気の流れをH20中20(4900パスカル)に設定し、ミル速度は13,000RPMであり、分級機速度は5000RPMであった。
【0059】
キャリアとしてオクタノールを用いて粒度を英国のウスターシャーから入手可能なマルバーン・マスターサイザー(Malvern Mastersizer)/Eで測定した。得られた体積パーセント粒度は40ミクロンであった。
【0060】
次に、ホソカワ・ミクロン・エアージェット・シーブ(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能)で粉末を45ミクロンにふるい分けした。ふるい分けされた粉末は、34ミクロンの体積パーセント粒度を有した。ふるいを通過した粉末は、サイクロン(ニュージャージー州、サミットのホソカワ・ミクロンから入手可能なGAZ 125高効率サイクロンなど)で空気ストリームから捕捉された。
【0061】
実施例5は、2.5ミクロンの粗さ(50ミクロンのフィルム厚さを有する)、1.18gの静電気を有し、流動化の間、流動床の外周の周りにごくわずかな噴出がある沸騰流動床を示した。
【0062】
実施例1〜5に記載されたポリマーの物理的性質を以下の表2に記載する。
【0063】
【表2】

【0064】
本発明の一般的原理の上記の開示および前の詳細な説明から、当業者は、本発明に行うことができる様々な改良を容易に理解するであろう。従って、本発明の範囲は、先の特許請求の範囲およびそれらの等価物だけによって制限されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフルオロポリマーを分級して、モードの、D95に対する比が0.75以上であるフルオロポリマー粒度分布を有する第2のフルオロポリマーを提供する工程を含む、フルオロポリマー粉末を製造するための方法であって、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、前記フルオロポリマーの末端基の数を100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基に低減する工程をさらに有する、方法。
【請求項2】
前記第2のフルオロポリマーが100万個の炭素原子当たり20個未満の不安定末端基を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のフルオロポリマーが不安定末端基を本質的に含有しない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンの単位から誘導されたコポリマーまたはテトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルの単位から誘導されたコポリマーから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記フルオロポリマーがASTM D1238に準拠する約2〜約8のメルトフローインデックスを有する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記フルオロポリマーが75ミクロン以下の体積パーセント粒度を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
モードの、D95に対する比が0.75以上である粒度分布を有するフルオロポリマーを含む組成物であって、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、前記フルオロポリマーが、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する、組成物。
【請求項8】
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、エチレン、プロピレン、フルオロビニルエーテル、パーフルオロビニルエーテルまたはそれらの組合せの単位から誘導される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記フルオロポリマーがASTM D1238に準拠する約2〜約8のメルトフローインデックスを有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項10】
前記フルオロポリマーが75ミクロン以下の体積パーセント粒度を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項11】
前記フルオロポリマー粒度分布において実質的に全ての微細粒子が除去されていない、請求項7に記載の組成物。
【請求項12】
前記フルオロポリマーが100万個の炭素原子当たり20個未満の不安定末端基を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項13】
前記フルオロポリマーが不安定末端基を本質的に含有しない、請求項7に記載の組成物。
【請求項14】
前記粉末が、モードの、D95に対する比が0.75未満である粉末に比べて改良された流動化性質を示す、請求項7に記載の組成物。
【請求項15】
請求項7に記載の組成物のフルオロポリマー層と基材とを含み、Raによって測定されたとき、3ミクロン以下の表面粗さを有する、コートされた物品。
【請求項16】
前記基材が金属であるかまたはコートされた金属である、請求項15に記載のコートされた物品。
【請求項17】
前記組成物が前記基材に静電的に被着される、請求項15に記載のコートされた物品。
【請求項18】
30〜70ミクロンのモードを有し、
約75ミクロンより大きい粒子を実質的に含有しないフルオロポリマーを含む組成物であって、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロ(プロピルビニル)エーテルから誘導された共重合単位からなるコポリマーであるとき、前記フルオロポリマーが、100万個の炭素原子当たり60個未満の不安定末端基を有する、組成物。
【請求項19】
前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレンとパーフルオロ(アルキルビニル)エーテルとのコポリマーである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
請求項18に記載の組成物のフルオロポリマー層と基材とを含み、Raによって測定されたとき、3ミクロン以下の表面粗さを有する、コートされた物品。

【公表番号】特表2008−525616(P2008−525616A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−549379(P2007−549379)
【出願日】平成17年11月29日(2005.11.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/042947
【国際公開番号】WO2006/071421
【国際公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】