説明

フレキシブルな広帯域周波数変換用の装置及び関連する人工衛星の遠隔操作受信機

【課題】フレキシブルな広帯域周波数変換用の装置及び人工衛星の遠隔操作受信機を提供する。
【解決手段】局部発振周波数FOL1及びFOL2を制御可能にする周波数制御装置500を備える、二重周波数変換用の装置501であって、周波数制御装置500は全体の所望される周波数帯域を連続的にカバーできるように、各周波数合成装置106、107の周波数を決定する。分数合成の局部発振器である第一の周波数合成装置106の禁止された帯域は、少なくとも2つの別個の周波数FOL2,A及びFOL2,Bを発生する第二の周波数合成装置107の周波数を適切に変更して避けられ、その周波数の差は禁止された帯域の幅よりも厳密に大きい。第二の合成装置107は整数合成若しくは分数合成の局部発振器である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線受信機用、特に人工衛星の遠隔操作受信機用の二重周波数変換装置、及びそのような装置を含む人工衛星の遠隔操作受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
人工衛星の遠隔操作受信機は静止又は非静止衛星の機上に位置し、地上局と前記衛星との間の、“Telemetry, Tracking and Command”=「遠隔測定、追跡、及び指令」を意味する用語であるTTCリンクによって知られる、遠隔操作及び距離測定用のリンクを実行する。
【0003】
TTC受信機構成の既知の解決策は、最も頻繁に固定周波数又は限られた数の周波数を配信する局部発振器を使用する。局部発振器の周波数を変えることにより、受信機の受信周波数の適応性が得られる。この周波数は整数又は分数であり得る周波数合成の局部発振器を用いて、プログラミング可能又は遠隔操作可能にされ得る。
【0004】
既知の分数タイプの合成装置の使用は、非常に広帯域の周波数をカバーし、一方で非常に細かい周波数選択のピッチを確実にする利点を組み合わせる。TTC受信機の周波数を再構成するこの可能性は、例えば軌道位置が変化する間に複数の衛星の周波数を調整すること、又は一定の妨害される周波数の使用を避けることを可能にする。
【0005】
TTC受信機構成において分数合成装置を用いることの主要な欠点の1つは、予め定められた一定の周波数帯域に対する性能の低下に起因する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は特に、既知の分数合成装置の制限を、そのような装置に特有の禁じられた周波数帯域を削除することにより解消することである。本発明により提供される解決策は、本発明による受信機が備える第2の周波数合成の局部発振器における、周波数の適応性を用いることにある。2つの局部発振器の適切な同時制御により、分数合成装置の禁じられた周波数帯域は、受信機が不連続性なしに非常に広い周波数帯域のカバーを可能にするため、避けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このために、本発明は第一の周波数FRFにおける信号を受信する、少なくとも1つの第一の増幅及び濾過チェーンと、前記信号の第一の中間周波数FFI1への第一の周波数変換を行ない、そして前記変換された信号を第二の増幅及び濾過チェーンの入力へ配信する第一の周波数ミキサーと、第二の前記チェーンにより配信される信号の、第二の中間周波数FFI2への第二の変換を行ない、前記変換された信号を第三の増幅及び濾過チェーンの入力へ配信する第二の周波数ミキサーと、前記第一のミキサーの入力において第一の合成された周波数FOL1を生成するように適合された、ループ帯域Bの第一の分数の周波数合成装置と、そして前記第二のミキサーの入力において第二の合成された周波数FOL2を生成するように適合された、第二の整数又は分数の周波数合成装置とを含む二重周波数変換用の装置に関し、装置が以下のステップ:
第一の所与の値FOL2,Aにおいて周波数FOL2を初期化するステップと、
所与の一対の周波数(FRF,FFI2)に対して、以下の関係:
・FRF>FOL1及びFFI1<FOL2のとき、FRF=FOL1+FOL2−FFI2(5)、
・FRF>FOL1及びFFI1>FOL2のとき、FRF=FOL1+FOL2+FFI2(6)、
・FRF<FOL1及びFFI1>FOL2のとき、FRF=FOL1−FOL2−FFI2(7)、
・FRF<FOL1及びFFI1<FOL2のとき、FRF=FOL1−FOL2+FFI2(8)
を用いて周波数FOL1を決定するステップと、
OL1に対して得られた値が、下限A.FREF−B.Xと上限A.FREF+B.Xの周波数帯域内にあり、ここでAが厳密に正の整数であり、Xが所与のパラメータである場合、周波数FOL2を、FOL2,AとFOL2,Bとの間の絶対値の差が次の2つの条件:
|FOL2,B−FOL2,A|>AFREF+2B.X
|FOL2,B−FOL2,A|<AFREF−2B.X
を満足するように決定される第二の値FOL2,Bに変更するステップと、
周波数の値FOL1及びFOL2を前記周波数合成装置に送信するステップと
を行なうように適合された、前記第一及び第二の合成装置の周波数FOL1、FOL2を制御するための手段を更に備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の1つの代替実施形態において、周波数FOL1,FOL2を制御するための前記手段は最初に、所与の周波数の対であるFRF,FFI2の集合に対して、前記周波数合成装置の周波数FOL1,FOL2の関連する値を決定するための、前記計算ステップを行なうこと、及びそれらが含むメモリ内に得られる周波数FRF,FFI2,FOL1,FOL2の集合を記録することに適する。
【0009】
本発明の別の代替実施形態において、周波数FOL1,FOL2を制御するための前記手段は、少なくとも1つのメモリを含むASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)タイプの集積回路により形成される。
【0010】
本発明はまた、少なくとも中間周波数FFI2における信号を復調するための手段と、周波数FRFにおける信号を受信し、中間周波数FFI2において前記変換された信号を配信する、本発明による二重の変換装置とを備える、静止衛星用の遠隔操作受信機にも関する。
【0011】
その他の特徴は例として与えられ、制限されず、そして添付図に関連して提供される以下の詳細記述を読むことにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】先行技術による人工衛星のTTC遠隔操作受信機の構成のブロック図を表わす。
【図2】先行技術による分数合成装置における局部発振器のブロック図を表わす。
【図3】分数合成装置を用いて導かれる、周波数FOL1とノイズ周波数との間の関係を例証する数値的応用表を表わす。
【図4】分数合成装置によって使用できない周波数帯域の一例を表わす。
【図5】本発明による、人工衛星のTTC遠隔操作受信機の構成のブロック図を表わす。
【図6】周波数FOL1及びFOL2の決定を例証する数値的応用表を表わす。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は先行技術によるTTC受信機10の構成を説明する。それは周波数FRFにおいて信号を受信する少なくとも1つの無線周波数ゲインのチェーン101、そのゲインのチェーン101により、中間周波数FIにおいて第一のゲインのチェーン103に配信される信号の、第一の周波数変換を行なう第一の周波数ミキサー102、及び中間周波数におけるゲインのチェーン103により、中間周波数FIにおいて第二のゲインのチェーン105に配信される信号の、第二の周波数変換を行なう第二の周波数ミキサー104を含む。ゲインのチェーン101、103、105は基本的に、入力においてそれらが受信する信号を、濾過及び/又は増幅するための手段を構成する。
【0014】
TTC受信機はまた、2つの連続する変換に必要な合成された周波数FOL1,FOL2を発生するのに双方とも適した、周波数を発生する分数の周波数合成の第一局部発振器106、及び整数又は分数の周波数合成の第二局部発振器107を備える。2つの局部発振器106、107により行なわれる二重の周波数変換は、受信機の入力における高い周波数Fから、信号の復調用手段108の入力における低い周波数FIに変えるために必要である。
【0015】
周波数FIは、周波数FRFを周波数FOL1により置き換えることにより得られる。それらの間の関係は:
RF>FOL1の場合、FFI1=FRF−FOL1 (1)
又はFRF<FOL1の場合、FFI1=FOL1−FRF (2)
である。
周波数FIは、周波数FIを周波数FOL2により置き換えることにより得られる。それらの間の関係は:
FI1>FOL2の場合、FFI2=FFI1−FOL2 (3)
又はFFI1<FOL2の場合、FFI2=FOL2−FFI1 (4)
である。
単純化のために、この説明の残りは、もし本発明が関係(2)及び(3)に適用される場合と同じく当てはまるならば、関係(1)及び(4)に基づく。
従って、関係(1)と(4)を結び付けることにより、式
RF=FOL1+FOL2−FFI2 (5)
が得られる。
復調手段108は固定周波数において入力信号と共に機能し、それゆえ周波数FFI2は本システムの仕様によって課される定数である。
受信機は広周波数帯域:FRFmin<FRF<FRfmaxにわたって動作する。
【0016】
図2は先行技術による、分数合成の局部発振器の構成を図解している。
【0017】
分数合成の局部発振器106は少なくとも次の要素を含む。水晶発振器201は、係数Pにより任意に事前に分割される、固定された基準周波数FREF206を比較器202に配信する。分数の分割器203はN+K/Mの比率で周波数分割を行ない、ここでN及びKはプログラミング可能なパラメータ、そしてMは合成装置106の分数係数である(0<K<M)。比較器202は次の関係:FOL1=FREF×(N+K/M)を確立するため、周波数FREFと周波数FOL1/(N+K/M)との間の等式を確実にする。分数合成の局部発振器は、その機能が位相ノイズ及び可能性のあるノイズラインを濾過することであるループフィルタ205、及び電圧制御された発振器204をさらに含む。
【0018】
図3は50Hzの基準周波数FREF及びパラメータM=100000に基づく、3000〜4000MHzの間にある周波数FOL1の生成のための、数値的な適用例を説明している。この例において、Nは60〜80の間、そしてKは0〜99999の間にある。
局部発振器の周波数のピッチは500Hzである。
N及びKは局部発振器の2つの制御パラメータである。
【0019】
図1に説明されている従来技術による分数合成装置の構成は、一定の制限を有する。周波数FOL1と比較周波数FREFとの間の相互作用のために、分数合成装置により生成される信号のスペクトル純度を低下させる、ノイズラインを作り出す既知の現象が存在する。これらのノイズラインはΔF=±|FOL1−(A.FREF)|に等しい周波数間隔において、周波数FOL1のいずれの側にも作られ、ここで(A.FREF)はFOL1の最も近くにあるFREFの倍数の値であり、Aは正の整数で、そして||は数の絶対値を表わす。
【0020】
図3における表の最後の列は、3GHzと4GHzの間にある有用な周波数帯域及び50MHzに等しい固定周波数FREFにおける、様々な周波数の値FOL1に対して観察されるノイズラインの周波数を示す。図3の表は発生し得る周波数の値FOL1の幾らかの例のみを示す。ノイズラインの周波数は、周波数FOL1が周波数FREFの倍数に等しいときのみ、それと混同されることが見られ得る。FOL1が周波数FREFの倍数に等しくないとき、2本のノイズラインが周波数FOL1のいずれの側にも現われる。これらは周波数FOL1の値が周波数FREFの倍数から離れる程、そして周波数FREF/2の倍数に近づく程、益々それから遠くなる。図3の数値的例において、周波数FOL1とノイズラインとの間の周波数間隔は、FOL1=3025MHzに対して最大である。ノイズラインは周波数FREFの倍数である周波数のまわりに局所化される。
【0021】
分数合成装置106のループフィルタ205は、とりわけ位相ノイズ及びノイズラインを濾過する機能を有する。濾過性能はHzで表わされるループ帯域パラメータの関数として調整される。このパラメータは、少なくとも局部発振器の位相ノイズレベルを最適化するように、いずれにせよ固定される。ノイズラインは又、ノイズラインと周波数FOL1との間隔ΔFが、分数合成装置104のループ帯域のX倍を超えるとき、ループフィルタ205によって、TTC受信機の動作に対して容認できる水準まで濾過される。例として、数字Xは10に等しく取られ得る。パラメータXは整数又は非整数であり、ノイズラインと関連する妨害に対する受信機の許容範囲に応じて調整される。
【0022】
図3の数値例に戻って、250kHzに等しいループ帯域Bに対し、TTC受信機に有害なノイズラインは50MHz毎に±2.5MHzの周波数帯域内にあり、それは全帯域の10%に相当する。これらの周波数帯域は従って、その中でノイズラインの出現なしには周波数FOL1を発生することができない、禁止された帯域を表わす。それゆえ、分数合成装置の使用は、低下の許容レベルで全体の所望される周波数帯域を連続的にカバーすることを可能にしない。一般に、分数合成装置はAが厳密に正の整数である、周波数A.FREFを中心とする幅2B.Xの帯域内にある周波数FOL1に対して、正しく機能しないであろう。図4は図3に示される数値的応用に対する、禁止帯域の周波数分布を図解している。
【0023】
TTC受信機の動作周波数帯域FRFは次の関係、FRF=FOL1+FOL2−FFI2により、分数合成装置106でカバーされる帯域と関連する。そのような分数合成装置106の禁止された、或いは使用できない帯域は、TTC受信機の有用な入力帯域に影響する。
【実施例】
【0024】
この問題を解決するため、本発明によるTTC受信機は、図1に関連して既に述べた要素に加えて、図5に表わされるような周波数制御装置500を備え、その機能は上述の禁止された周波数帯域を避ける必要なしに、TTC受信機の入力において、全体の所望される周波数帯域を連続的にカバーできるように、各合成装置106、107の適切な周波数を決定することである。第一の分数合成装置106の禁止された帯域は、少なくとも2つの別個の周波数FOL2,A及びFOL2,Bを発生するのに適した、第二の合成装置107の周波数の適切な変更により避けられ、その周波数の差は図3の例に関して使用されている数値に対して、禁止された帯域の幅、すなわち2B.X又は5MHzよりも厳密に大きい。第二の合成装置107は整数合成の局部発振器であることが望ましいが、しかしそれはまた分数合成の局部発振器であるかも知れない。
【0025】
本発明によるTTC受信機の構成が図5に例証されている。図1に関連して既に述べられた要素に加えて、この受信機は周波数FOL1及びFOL2を制御可能にする装置500を含む。所与の周波数の対(FRF,FFI2)に対して、本発明による装置500は次のステップを実行する。
【0026】
第二の合成装置107の周波数は最初に、その第一の値FOL2=FOL2,Aに固定される。
【0027】
第一の分数合成装置106の周波数値は、FRF>FOL1及びFFI1<FOL2の場合に、関係(5)FRF=FOL1+FOL2−FFI2に基づいて決定される。その他に3つの場合が生じ得る。
RF>FOL1及びFFI1<FOL2の場合、FRF=FOL1+FOL2+FFI2 (6)
RF<FOL1及びFFI1<FOL2の場合、FRF=FOL1−FOL2−FFI2 (7)
RF<FOL1及びFFI1<FOL2の場合、FRF=FOL1−FOL2+FFI2 (8)
【0028】
関係(5)(6)(7)又は(8)を適用することにより、FOL1に対して得られる値が、禁止された帯域、すなわちA.FREFの値の周波数を中心とする2B.Xの幅の帯域内に含まれる値に合致する場合、前記帯域は受信機の有用な入力周波数帯域[FRFmin,FRfmax]内に含まれ、そのとき、そしてこの場合のみ、第二の合成装置107の周波数は変更され、その第二の値FOL2=FOL2,Bに割り当てられる。この第二の値は、第一の値から少なくとも2B.Xよりも大きく、FREF−2B.Xよりも小さい間隔を有する。その結果は、従って禁じられた帯域内での周波数FOL1の発生が避けられ、一方で受信機が、システムと関連する制約によって課される周波数の対(FRF,FFI2)に適合し続けることを可能にする。より一般的に、周波数FOL2,Bによって満足されるべき条件は、その値の選定が禁止された帯域内にある値、すなわち下限A.FREF−B.Xと上限A.FREF+B.Xの周波数帯域内に含まれる値と合致する、周波数FOL1の値を避けるのを可能にすることである。この条件は一般に、共に満足されるべき次の2つの不等式により表わされる。
|FOL2,B−FOL2,A|>AFREF+2B.X
|FOL2,B−FOL2,A|<AFREF−2B.X
ここで、Aは正の整数又は0である。
【0029】
本発明による装置500は、適切な周波数(FOL1,FOL2)を生成するために所与の一対の周波数(FRF,FFI2)に対する先行するステップを行なう。
【0030】
本発明の代替の実施形態において、関係(5)(6)(7)及び(8)は周波数(FRF,FFI2)の各々の対に対して関連する対(FOL1,FOL2)を含む、図6に例証されるような表を生成するために前もって実行される。
【0031】
装置500は、その出力において合成装置106、107の周波数制御を供給することを可能にするデジタル集積回路、例えばプログラマブル論理回路、読み出し専用メモリ、又は他の任意の装置である。
【0032】
2つの周波数合成装置106、107及び3つのゲインのチェーン101、103、105と関連する制御装置500は、本発明による二重の周波数変換装置500を構成する。
【0033】
図6は、切れ目なく受信機の全ての入力周波数範囲FRFをカバーできるように、そして関係(5)が当てはまる場合に、本発明によるTTC受信機の各周波数合成装置により生成される、周波数FOL1及びFOL2のそれぞれの値を表に示す。図6の例は、例えば周波数FOL2,A=900MHz、又は周波数FOL2,B=910MHzのいずれかを生成するように適合された第二の合成装置と共に、4000〜4500MHzの間にある受信機の有用な入力帯域に関する。これら2つの周波数の選定に対して満足されるべき制約は、それらの間の差が5MHzよりも大きく、45MHzよりも小さいことである。前述の制約が満足される限り、周波数の別の選定が可能であり、これは入力周波数帯域をカバーすることにおける連続性を保証する一方で、禁止された帯域内にある周波数FOL1の発生を回避する目的である。
【符号の説明】
【0034】
10 TTC受信機
101 ゲインのチェーン
102 第一の周波数ミキサー
103 ゲインのチェーン
104 第二の周波数ミキサー
105 ゲインのチェーン
106 第一の分数の周波数合成装置 (局部発振器)
107 第二の周波数合成装置 (局部発振器)
108 信号の復調用手段
201 水晶発振器
202 比較器
203 分数の分割器
204 電圧制御された発振器
205 ループフィルタ
206 基準周波数
500 周波数制御装置
501 二重周波数変換用の装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重周波数変換用の装置(501)であって、第一の周波数FRFにおける信号を受信する、少なくとも1つの第一の増幅及び/又は濾過チェーン(101)と、前記信号の第一の中間周波数FFI1への第一の周波数変換を行ない、そして前記変換された信号を第二の増幅及び/又は濾過チェーン(103)の入力へ配信する第一の周波数ミキサー(102)と、第二の前記チェーン(103)により配信される信号の、第二の中間周波数FFI2への第二の変換を行ない、前記変換された信号を第三の増幅及び/又は濾過チェーン(105)の入力へ配信する第二の周波数ミキサー(104)と、前記第一のミキサー(102)の入力において第一の合成された周波数FOL1を生成するように適合された、ループ帯域Bの第一の分数の周波数合成装置(106)と、そして前記第二のミキサー(104)の入力において第二の合成された周波数FOL2を生成するように適合された、第二の整数又は分数の周波数合成装置(107)とを含む二重周波数変換用の装置において、以下のステップ:
第一の所与の値FOL2,Aにおいて周波数FOL2を初期化するステップと、
所与の一対の周波数(FRF,FFI2)に対して、以下の関係:
・FRF>FOL1及びFFI1<FOL2のとき、FRF=FOL1+FOL2−FFI2(5)、
・FRF>FOL1及びFFI1>FOL2のとき、FRF=FOL1+FOL2+FFI2(6)、
・FRF<FOL1及びFFI1>FOL2のとき、FRF=FOL1−FOL2−FFI2(7)、
・FRF<FOL1及びFFI1<FOL2のとき、FRF=FOL1−FOL2+FFI2(8)
を用いて周波数FOL1を決定するステップと、
OL1に対して得られた値が、下限A.FREF−B.Xと上限A.FREF+B.Xの周波数帯域内にあり、ここでAが厳密に正の整数であり、Xが所与のパラメータである場合、周波数FOL2を、FOL2,AとFOL2,Bとの間の絶対値の差が次の2つの条件:
|FOL2,B−FOL2,A|>AFREF+2B.X
|FOL2,B−FOL2,A|<AFREF−2B.X
を満足するように決定される第二の値FOL2,Bに変更するステップと、
周波数の値FOL1及びFOL2を前記周波数合成装置(106、107)に送信するステップと
を行なうように適合された、前記第一及び第二の合成装置(106、107)の周波数FOL1、FOL2を制御するための手段(500)を更に備えることを特徴とする、二重周波数変換用の装置(501)。
【請求項2】
周波数FOL1,FOL2を制御する前記手段(500)が最初に、所与の周波数の対であるFRF,FFI2の集合に対して、前記周波数合成装置(106、107)の周波数FOL1,FOL2の関連する値を決定するための、前記計算ステップを行ない、そしてそれらが含むメモリ内に得られる周波数FRF,FFI2,FOL1,FOL2の集合を記録するように適合されていることを特徴とする、請求項1に記載の二重周波数変換用装置(501)。
【請求項3】
周波数FOL1,FOL2を制御するための前記手段(500)が、少なくとも1つのメモリを含むASIC(特定用途向け集積回路)又はFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)タイプの集積回路により形成されることを特徴とする、請求項1あるいは2に記載の二重周波数変換用装置(501)。
【請求項4】
少なくとも中間周波数FFI2における信号の復調用手段(108)と、周波数FRFにおける信号を受信し、中間周波数FFI2において前記変換された信号を配信する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二重変換装置とを備える、静止衛星用の遠隔操作受信機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−250403(P2011−250403A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−111969(P2011−111969)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(505157485)テールズ (231)
【Fターム(参考)】