説明

フレキシブルプリント配線板

【課題】フレキシブルプリント配線板において、接続部のコネクタに対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断できるようにする。
【解決手段】フレキシブルプリント配線板1は、可撓性のある基板2に導電配線3が形成されており、接続部10がコネクタ6に接続されるようになっている。そして、フレキシブルプリント配線板1は、接続部10のコネクタ6に対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断するためのマーク7を備えている。マーク7は、それぞれ直線状をした第1の直線状マーク71及び第2の直線状マーク72を含んでいる。第1の直線状マーク71は、接続部10の所定の方向Pへの傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタ6の前面6bと平行になるように形成されており、第2の直線状マーク72は、接続部10の所定の方向と反対の方向Qへの傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタ6の前面6bと平行になるように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性のある基板に導電配線が形成されたフレキシブルプリント配線板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、フレキシブルプリント配線板においては、コネクタに接続して使用するタイプのものがある。このようなフレキシブルプリント配線板としては、フレキシブルプリント配線板の接続部をコネクタに真っ直ぐに接続するために、接続部がコネクタに対して傾いているか否かを目視判断するためのマークを形成したものが知られている(例えば特許文献1乃至特許文献5参照)。
【0003】
特許文献1及び特許文献2に記載のフレキシブルプリント配線板は、図5(a)(b)(c)、図6(a)(b)(c)に示すような構成になっている。すなわち、フレキシブルプリント配線板80は、可撓性を有する基板81に多数の導電配線82が形成され、導電配線82を覆うように保護シート83が形成されている。また、フレキシブルプリント配線板80は、基板81の、導電配線82が形成されている面と反対側の面に、補強板84が設けられている。
【0004】
保護シート83は、基板81の端部には形成されておらず、導電配線82は、基板81の端部において露出されている(図5(b)参照)。補強板84は、基板81の端部に設けられており、補強板84の一部は、導電配線82が露出されている部分と重なっており、補強板84の残りの一部は、導電配線82が保護シート83により覆われている部分と重なっている。
【0005】
導電配線82の露出されている部分(フレキシブルプリント配線板80の端部)は、フレキシブルプリント配線板80をコネクタ85に接続するための接続部90となっており、接続部90をコネクタ85に挿入することにより、接続部90がコネクタ85に接続されて、導電配線82がコネクタ85の導電端子85aに電気的に接続される。接続部90をコネクタ85に接続した状態では、補強板84は、その一部がコネクタ85内に挿入され、残りの一部がコネクタ85外に露出される(図5(c)参照)。
【0006】
そして、フレキシブルプリント配線板80は、補強板84の、接続部90をコネクタ85に接続したときにコネクタ85外に露出される箇所に、接続部90がコネクタ85に対して傾いているか否かを目視判断するためのマーク86が形成されている。このマーク86は、直線状をしており、接続部90が傾かずに真っ直ぐにコネクタ85に接続されているときに、コネクタの前面85bと平行となるように形成されている。
【0007】
従って、このようなフレキシブルプリント配線板80では、接続部90をコネクタ85に接続したときに、マーク86がコネクタ85の前面85bと平行になっていれば(図6(b)参照)、接続部90がコネクタ85に傾かずに真っ直ぐに接続されていると判断することができ、一方、接続部90をコネクタ85に接続したときに、マーク86がコネクタ85の前面85bと平行になっていなければ(図6(c)参照)、接続部90がコネクタ85に傾いて接続されていると判断することができる。
【0008】
また、特許文献3に記載のフレキシブルプリント配線板では、マークは、フレキシブルプリント配線板の左右に突出する2つの標識部材から成り、接続部が傾かずに真っ直ぐにコネクタに接続されているときに、一方の標識部材の前縁とコネクタの前面との間隔と、他方の標識部材の前縁とコネクタの前面との間隔が、等しくなるように形成されている。従って、特許文献3に記載のフレキシブルプリント配線板では、一方の標識部材の前縁とコネクタの前面との間隔が他方の標識部材の前縁とコネクタの前面との間隔と等しくなっていれば、接続部がコネクタに傾かずに真っ直ぐに接続されていると判断することができ、一方の標識部材の前縁とコネクタの前面との間隔が他方の標識部材の前縁とコネクタの前面との間隔と等しくなっていなければ、接続部がコネクタに傾いて接続されていると判断することができる。
【0009】
また、特許文献4に記載のフレキシブルプリント配線板では、マークは、2つの突起から成り、接続部が傾かずに真っ直ぐにコネクタに接続されているときに、2つの突起を結ぶ線分とコネクタの前面とが平行となるように形成されている。従って、特許文献4に記載のフレキシブルプリント配線板では、2つの突起を結ぶ線分がコネクタの前面と平行になっていれば、接続部がコネクタに傾かずに真っ直ぐに接続されていると判断することができ、2つの突起を結ぶ線分がコネクタの前面と平行になっていなければ、接続部がコネクタに傾いて接続されていると判断することができる。
【0010】
また、特許文献5に記載のフレキシブルプリント配線板では、マークは、コネクタが実装されている基板に設けられ、接続部が傾かずに真っ直ぐにコネクタに接続されているときに、フレキシブルプリント配線板の外形とマークとが一致するように形成されている。従って、特許文献5に記載のフレキシブルプリント配線板では、フレキシブルプリント配線板の外形がマークと一致していれば、接続部がコネクタに傾かずに真っ直ぐに接続されていると判断することができ、フレキシブルプリント配線板の外形がマークと一致していなければ、接続部がコネクタに傾いて接続されていると判断することができる。
【特許文献1】特開2000−252598号公報
【特許文献2】実開昭63−172169号公報
【特許文献3】実開平2−126385号公報
【特許文献4】特開平7−170040号公報
【特許文献5】特開平8−148792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、上述した従来のフレキシブルプリント配線板においては、接続部がコネクタに真っ直ぐに接続されているか否かについては、判断することができるが、接続部がコネクタに真っ直ぐに接続されていない(すなわち傾いて接続されている)場合に、その傾きが適正範囲内であるか否かについては、判断することができない。その結果、接続部の傾きが適正範囲内であり、接続部がコネクタに適正に接続されているにも関わらず、接続部を接続し直す作業を行ってしまうことがあり、作業性が悪かった。
【0012】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、接続部のコネクタに対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができるフレキシブルプリント配線板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、可撓性のある基板に導電配線が形成され、導電配線をコネクタの導電端子に電気的に接続するために、少なくとも導電配線の一部により構成される接続部がコネクタに接続されるフレキシブルプリント配線板において、接続部をコネクタに接続したときの接続部のコネクタに対する傾きを目視判断するためのマークを備え、マークは、接続部の傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断できるように形成されているものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板において、マークは、接続部の所定の方向への傾き、及びこの方向と反対の方向への傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断できるように形成されているものである。
【0015】
請求項3の発明は、請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板において、マークは、それぞれ直線状をした第1の直線状マーク及び第2の直線状マークを含み、第1の直線状マークは、接続部の所定の方向への傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタの前面と平行になるように形成されており、第2の直線状マークは、接続部の反対の方向への傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタの前面と平行になるように形成されているものである。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、接続部をコネクタに接続したとき、マークによって、接続部のコネクタに対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる。従って、接続部がコネクタに適正範囲内で傾いて接続されている場合に、接続部がコネクタに適正に接続されているにも関わらず、接続部を接続し直す作業を行ってしまうことがなく、作業性が向上する。
【0017】
請求項2の発明によれば、マークによって、接続部のコネクタに対する所定の方向への傾きが適正範囲内であるか否か、及び所定の方向と反対の方向への傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる。従って、より適切に接続部の傾きが適正範囲内であるか否かを判断することができ、より作業性が向上する。
【0018】
請求項3の発明によれば、第1の直線状マークがコネクタの前面と平行になる状態、及び第2の直線状マークがコネクタの前面と平行になる状態を基準として、第1の直線状マークのコネクタの前面に対する傾き、及び第2の直線状マークのコネクタの前面に対する傾きによって、接続部の傾きが適正範囲内であるか否かを判断することができる。従って、より容易に接続部の傾きが適正範囲内であるか否かを判断することができ、より作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を具体化した実施形態によるフレキシブルプリント配線板について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図1(a)(b)(c)、図2(a)(b)(c)(d)(e)は、第1の実施形態によるフレキシブルプリント配線板の構成を示す。
【0020】
フレキシブルプリント配線板1は、可撓性のある基板2と、基板2に形成された多数の導電配線3と、導電配線3を保護する保護シート4と、フレキシブル配線基板1の剛性を補強する補強板5とを備えている。また、このフレキシブルプリント配線板1は、コネクタ6に接続して使用されるようになっており、フレキシブルプリント配線板1のコネクタ6への接続状態を目視判断するためのマーク7を備えている。
【0021】
基板2は、絶縁性材料から成り、可撓性を有するシート状に形成されている。導電配線3は、基板2の表面に所定のピッチで形成されている。保護シート4は、絶縁性材料から成り、可撓性を有するシート状に形成されており、導電配線3を覆うように基板2に重ねられている。なお、保護シート4は、基板2の端部には形成されておらず、導電配線3は、基板2の端部において露出されている(図1(b)参照)。
【0022】
補強板5は、基板2の、導電配線3が形成されている面と反対側の面に設けられている。補強板5は、基板2の端部に設けられており、補強板5の一部は、導電配線3が露出されている部分と重なっており、補強板5の残りの一部は、導電配線3が保護シート4により覆われている部分と重なっている。
【0023】
フレキシブルプリント配線板1は、導電配線3の露出されている部分(フレキシブルプリント配線板1の端部)が、フレキシブルプリント配線板1をコネクタ6に接続するための接続部10となっている。すなわち、フレキシブルプリント配線板1は、導電配線3をコネクタの導電端子6aに電気的に接続するために、接続部10がコネクタ6に接続されるようになっている。
【0024】
接続部10のコネクタ6への接続は、接続部10をコネクタ6に挿入することにより行われ、これにより、導電配線3がコネクタ6の導電端子6aに電気的に接続される。接続部10をコネクタ6に接続した状態では、補強板5は、その一部がコネクタ6内に挿入され、残りの一部がコネクタ6外に露出される(図1(c)参照)。接続部10は、基板2の一部、導電配線3の一部、及び補強板5の一部により構成されている。
【0025】
マーク7は、接続部10をコネクタ6に接続したときの接続部10のコネクタ6に対する傾きを目視判断するためのものであり、補強板5の、接続部10をコネクタ6に接続したときにコネクタ6外に露出される箇所に形成されている。マーク7は、例えば白色のシルク印刷により形成されている。
【0026】
このマーク7は、接続部10をコネクタ6に接続したときの、接続部10のコネクタ6に対する所定の方向(図2(a)に示すP方向)への傾き、及び所定の方向と反対の方向(図2(a)に示すQ方向)への傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断できるように形成されている。
【0027】
すなわち、マーク7は、第1の直線状マーク71及び第2の直線状マーク72を含んでいる。第1の直線状マーク71及び第2の直線状マーク72は、それぞれ直線状をしており、互いに交差している。そして、第1の直線状マーク71は、接続部10の所定の方向(P方向)への傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタ6の前面6bと平行になるように形成されており、第2の直線状マーク72は、接続部10の所定の方向と反対の方向(Q方向)への傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタ6の前面6bと平行になるように形成されている。なお、接続部10の所定の方向への傾きの適正範囲の限界、及び所定の方向と反対の方向への傾きの適正範囲の限界は、それぞれ、所定の安全率を見越して定めるのが望ましい。
【0028】
従って、接続部10をコネクタ6に接続したときに、第1の直線状マーク71のコネクタ6の前面6bに対する傾きと、第2の直線状マーク72のコネクタ6の前面6bに対する傾きが等しくなっていれば(図2(b)参照)、接続部10が傾かずに真っ直ぐにコネクタ6に接続されていると判断することができる。
【0029】
しかも、接続部10が所定の方向に傾いてコネクタ6に接続されている場合でも、第1の直線状マーク71がコネクタ6の前面6bと平行になる状態を超えていなければ(図2(c)参照)、その傾きは適正範囲内であり、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていると判断することができる。そして、接続部10が所定の方向に傾いてコネクタ6に接続されている場合、第1の直線状マーク71がコネクタ6の前面6bと平行になっていれば(図2(d)参照)、その傾きは適正範囲の限界であると判断することができ、第1の直線状マーク71がコネクタ6の前面6bと平行になる状態を超えていれば(図2(e)参照)、その傾きは適正範囲外であり、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていないと判断することができる。
【0030】
また、接続部10が所定の方向と反対の方向に傾いてコネクタ6に接続されている場合にも、第2の直線状マーク72がコネクタ6の前面6bと平行になる状態を超えていなければ、その傾きは適正範囲内であり、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていると判断することができる。そして、接続部10が所定の方向と反対の方向に傾いてコネクタ6に接続されている場合、第2の直線状マーク72がコネクタ6の前面6bと平行になっていれば、その傾きは適正範囲の限界であると判断することができ、第2の直線状マーク72がコネクタ6の前面6bと平行になる状態を超えていれば、その傾きは適正範囲外であり、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていないと判断することができる。
【0031】
このように、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1によれば、接続部10をコネクタ6に接続したとき、マーク7(第1の直線状マーク71及び第2の直線状マーク72)によって、接続部10のコネクタ6に対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる。従って、接続部10がコネクタ6に適正範囲内で傾いて接続されている場合に、接続部10がコネクタ6に適正に接続されているにも関わらず、接続部10を接続し直す作業を行ってしまうことがなく、作業性が向上する。例えば、工場の組立ラインにおいては、工程のストップ時間の減少を図ることができる。
【0032】
しかも、マーク7の第1の直線状マーク71によって、接続部10のコネクタ6に対する所定の方向への傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができると共に、マーク7の第2の直線状マーク72によって、接続部10のコネクタ6に対する所定の方向と反対の方向への傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる。従って、より適切に接続部10の傾きが適正範囲内であるか否かを判断することができ、より作業性が向上する。
【0033】
さらに、第1の直線状マーク71がコネクタ6の前面6bと平行になる状態、及び第2の直線状マーク72がコネクタ6の前面6bと平行になる状態を基準として、第1の直線状マーク71のコネクタ6の前面6bに対する傾き、及び第2の直線状マーク72のコネクタ6の前面6bに対する傾きによって、接続部10の傾きが適正範囲内であるか否かを判断することができる。従って、より容易に接続部10の傾きが適正範囲内であるか否かを判断することができ、より作業性が向上する。
【0034】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態によるフレキシブルプリント配線板の構成を示す。本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、マーク7の構成が上記第1の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0035】
本実施形態では、マーク7は、第1の直線状マーク73及び第2の直線状マーク74を含んでいる。第1の直線状マーク73及び第2の直線状マーク74は、それぞれ直線状をしている。但し、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、第1の直線状マーク73及び第2の直線状マーク74は、交差していない。
【0036】
第1の直線状マーク73は、上記第1の実施形態と同様に、接続部10の所定の方向(図示P方向)への傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタ6の前面6bと平行になるように形成されている。第2の直線状マーク74は、上記第1の実施形態と同様に、接続部10の所定の方向と反対の方向(図示Q方向)への傾きが適正範囲の限界であるときに、コネクタ6の前面6bと平行になるように形成されている。
【0037】
従って、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1によれば、第1の直線状マーク73及び第2の直線状マーク74のコネクタ6の前面6bに対する傾きによって、上記第1の実施形態と同様に、接続部10のコネクタ6に対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる。
【0038】
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態によるフレキシブルプリント配線板の構成を示す。本実施形態のフレキシブルプリント配線板1は、マーク7の構成が上記第1の実施形態と異なっている。本実施形態における他の構成については、上記第1の実施形態と同様である。
【0039】
本実施形態では、マーク7は、第1の点状マーク75、第2の点状マーク76、及び第3の点状マーク77を含んでいる。第1の点状マーク75、第2の点状マーク76、及び第3の点状マーク77は、それぞれ点状をしている。
【0040】
第1の点状マーク75は、接続部10の所定の方向への傾きが適正範囲内であるときに、第2の点状マーク76及び第3の点状マーク77よりもコネクタ6の前面6bに近くなるように形成されている。第2の点状マーク76は、接続部10の所定の方向(図示P方向)への傾きが適正範囲の限界であるときに、第2の点状マーク76とコネクタ6の前面6bとの間隔が第1の点状マーク75とコネクタ6の前面6bとの間隔に等しくなるように形成されている。第3の点状マーク77は、接続部10の所定の方向と反対の方向(図示Q方向)への傾きが適正範囲の限界であるときに、第3の点状マーク77とコネクタ6の前面6bとの間隔が第1の点状マーク75とコネクタ6の前面6bとの間隔に等しくなるように形成されている。
【0041】
従って、接続部10をコネクタ6に接続したときに、第1の点状マーク75が第2の点状マーク76及び第3の点状マーク77よりもコネクタ6の前面6bに近くなっていれば、接続部10が傾いてコネクタ6に接続されているとしても、その傾きは適正範囲内であり、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていると判断することができる。そして、第2の点状マーク76が第1の点状マーク75よりもコネクタ6の前面6bに近くなっていれば、接続部10が所定の方向に適正範囲を超えて傾いており、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていないと判断することができる。また、第3の点状マーク77が第1の点状マーク75よりもコネクタ6の前面6bに近くなっていれば、接続部10が所定の方向と反対の方向に適正範囲を超えて傾いており、接続部10がコネクタ6に適正に接続されていないと判断することができる。
【0042】
このように、本実施形態のフレキシブルプリント配線板1によれば、第1の点状マーク75、第2の点状マーク76、及び第3の点状マーク77とコネクタ6の前面6bとの間隔によって、接続部10のコネクタ6に対する傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記各実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、マークは、上記各実施形態で説明した形状に限られず、接続部の傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断することができる形状であれば、他の形状であってもよい。また、マークは、印刷により形成されるものに限られず、凹パターンや凸パターンにより形成されるものであってもよい。また、マークは、補強板以外の箇所に形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の構成を示すコネクタに接続されていない状態の斜視図、(b)は同フレキシブルプリント配線板の側面図、(c)は同コネクタに接続されている状態の斜視図。
【図2】(a)は同フレキシブルプリント配線板のコネクタに接続されていない状態の平面図、(b)は同コネクタに真っ直ぐに接続されている状態の平面図、(c)は同コネクタに適正範囲内で傾いて接続されている状態の平面図、(d)は同コネクタに適正範囲の限界に傾いて接続されている状態の平面図、(e)は同コネクタに適正範囲外に傾いて接続されている状態の平面図。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の構成を示す平面図。
【図4】本発明の第3の実施形態に係るフレキシブルプリント配線板の構成を示す平面図。
【図5】(a)は従来のフレキシブルプリント配線板の構成を示すコネクタに接続されていない状態の斜視図、(b)は同フレキシブルプリント配線板の側面図、(c)は同コネクタに接続されている状態の斜視図。
【図6】(a)は従来のフレキシブルプリント配線板のコネクタに接続されていない状態の平面図、(b)は同コネクタに真っ直ぐに接続されている状態の平面図、(c)は同コネクタに傾いて接続されている状態の平面図。
【符号の説明】
【0045】
1 フレキシブルプリント配線板
2 基板
3 導電配線
4 保護シート
5 補強板
6 コネクタ
6a コネクタの導電端子
6b コネクタの前面
7 マーク
10 接続部
71 第1の直線状マーク
72 第2の直線状マーク
73 第1の直線状マーク
74 第2の直線状マーク
75 第1の点状マーク
76 第2の点状マーク
77 第3の点状マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性のある基板に導電配線が形成され、前記導電配線をコネクタの導電端子に電気的に接続するために、少なくとも前記導電配線の一部により構成される接続部が前記コネクタに接続されるフレキシブルプリント配線板において、
前記接続部を前記コネクタに接続したときの前記接続部の前記コネクタに対する傾きを目視判断するためのマークを備え、
前記マークは、前記接続部の傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断できるように形成されている、
ことを特徴とするフレキシブルプリント配線板。
【請求項2】
前記マークは、前記接続部の所定の方向への傾き、及びこの方向と反対の方向への傾きが適正範囲内であるか否かを目視判断できるように形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルプリント配線板。
【請求項3】
前記マークは、それぞれ直線状をした第1の直線状マーク及び第2の直線状マークを含み、
前記第1の直線状マークは、前記接続部の前記所定の方向への傾きが適正範囲の限界であるときに、前記コネクタの前面と平行になるように形成されており、
前記第2の直線状マークは、前記接続部の前記反対の方向への傾きが適正範囲の限界であるときに、前記コネクタの前面と平行になるように形成されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のフレキシブルプリント配線板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−32737(P2009−32737A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192324(P2007−192324)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】