説明

フレームの連結具

【課題】 簡単な構造で、フレームどうしを連結することができる、フレームの連結具を提供する。
【解決手段】 連結具3は、第1および第2フレーム1、2の溝1a、2aの幅方向において対向位置する一対の連結具本体3a、3bを備える。各連結具本体3a、3bは、本体部4と、その本体部4から延設されて溝1aに挿入される第1挿入部5と、本体部4から延設されて溝2aに挿入される第2挿入部6とを備える。そして、一方の連結具本体3aの本体部4には、操作体7が取り付けられる。そこで、操作体7は、その操作体7の回動操作により、他方の連結具本体3bの本体部4を押圧して、第1挿入部5、5どうしを互いに離間させるとともに、第2挿入部6、6どうしを互いに離間させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、溝を備えるフレームどうしを連結する、フレームの連結具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、フレームどうしを連結する連結具として、図16に示されるものがあった(例えば、特許文献1参照)。この連結具41は、断面コの字状のベース部材42と、そのベース部材42に収容される一対の係合部材43、43とを備えていた。そして、係合部材43は、それぞれのフレーム40の溝40aに挿入される挿入部43aを有しており、その挿入部43aには、溝40aに設けられた突条部40bの裏面と対向する係合突部43bが設けられていた。また、操作体としてのボルト45が、ベース部材42の孔42aを通り、係合部材43、43に掛けられたナット44に螺合していた。そこで、ボルト45を回すと、ベース部材42に対して係合部材43、43が引き込まれ、その係合部材43、43の係合突部43b、43bとベース部材42とで、フレーム40における溝40aの突条部40b、40bが挟持された。こうして、連結具41が、両フレーム40、40に固定され、その結果、フレーム40、40どうしが連結された。
【0003】
【特許文献1】特開2005−291362
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来の連結具41にあっては、係合部材43、43を収容するとともに操作体としてのボルト45を支持する、ベース部材42を必要とし、構造が複雑となっていた。
【0005】
この発明は、上記した従来の欠点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、簡単な構造で、フレームどうしを連結することができる、フレームの連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るフレームの連結具は、前記目的を達成するために、次の構成からなる。すなわち、
請求項1に記載の発明に係るフレームの連結具は、長手方向に沿う溝を備えるとともに、その溝の開口側に溝幅を狭めるように突出する突条部を有する、第1フレームと第2フレームとを、それらの溝が互いの側に臨む向きで連結する連結具である。この連結具は、前記溝の幅方向において対向位置する一対の連結具本体を備える。そして、前記各連結具本体は、本体部と、その本体部から延設されて前記第1フレームの溝に挿入される第1挿入部と、その本体部から延設されて前記第2フレームの溝に挿入される第2挿入部とを備える。また、前記第1挿入部と前記第2挿入部とは、前記突条部の裏面と対向する側に張り出す張出部を有し、かつ、前記第1挿入部は、互いに近接することで、前記第1フレームの溝にその溝が開口する前面側から挿入可能となるとともに、前記第2挿入部は、互いに近接することで、前記第2フレームの溝にその溝が開口する前面側から挿入可能となっている。そして、一方の前記連結具本体の本体部には、操作体が取り付けられる。そこで、前記操作体は、その操作体の操作により、前記第1挿入部どうしを互いに離間させるとともに、前記第2挿入部どうしを互いに離間させるよう、他方の前記連結具本体の本体部を押圧する。
【0007】
この連結具によると、第1フレームと第2フレームとを連結するにあたって、一対の連結具本体の、第1挿入部を互いに近接させて第1フレームの溝にその前面側から挿入するとともに、第2挿入部を互いに近接させて第2フレームの溝にその前面側から挿入する。そして、一方の連結具本体の本体部に取り付けられた操作体を操作して、その操作体で、他方の連結具本体の本体部を押圧することで、第1挿入部どうしが互いに離間してそれら第1挿入部が第1フレームの溝をその拡開方向に押圧し、かつ、第2挿入部どうしが互いに離間してそれら第2挿入部が第2フレームの溝をその拡開方向に押圧する。このように、第1挿入部が第1フレームの溝をその拡開方向に押圧することで、第1挿入部、ひいてはこの連結具は、第1フレームに固定される。同様に、第2挿入部が第2フレームの溝をその拡開方向に押圧することで、第2挿入部、ひいてはこの連結具は、第2フレームに固定される。そして、このように、連結具が第1フレームと第2フレームとに固定されることで、これら第1フレームと第2フレームとは連結される。つまり、この連結具は、第1フレームと第2フレームとを連結するにあたって操作される操作体が、一方の連結具本体の本体部に取り付けられ、その操作体の操作により、操作体が他方の連結具本体の本体部を押圧する。このため、連結具は、操作体を支持するベース部材を必要とせず、簡単な構造で、フレームどうしを連結することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項1に記載の連結具において、前記本体部間には、前記連結具本体を、前記第1挿入部どうしおよび前記第2挿入部どうしが離間したり近接したりする方向に案内する案内手段と、前記第1挿入部どうしおよび第2挿入部どうしが所定以上に離間しないように制限する制限手段とが設けられている。
【0009】
また、請求項3に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項2に記載の連結具において、前記本体部間には、前記連結具本体を、前記第1挿入部どうしおよび前記第2挿入部どうしが離間するように弾性的に付勢する、付勢手段が設けられる。これにより、第1挿入部を第1フレームの溝に挿入し、第2挿入部を第2フレームの溝に挿入すると、付勢手段によって、第1挿入部どうしが離間して溝を拡開方向に弾性的に押圧するとともに、第2挿入部どうしが離間して溝を拡開方向に弾性的に押圧する。こうして、連結具は、第1フレームと第2フレームとに仮固定される。したがって、その後の操作体による本固定を、手際よく行なうことができる。
【0010】
また、請求項4に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項3に記載の連結具において、前記付勢手段は、前記本体部間に配備されるコイルスプリングからなり、そのコイルスプリングと同軸上に、前記本体部に被固定物を取付け固定するためのネジがねじ込まれる雌ねじが設けられる。そして、前記コイルスプリングは、前記ネジの軸部が挿通可能に形成されている。こうして、付勢手段としてのコイルスプリングの内側スペースが、被固定物を取付け固定するためのネジに利用されるので、連結具をそれほど大きくすることなく、被固定物を本体部に取付け固定することができる。
【0011】
また、請求項5に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の連結具において、前記操作体は、ねじ部材からなり、前記一方の連結具本体の本体部に螺合して取り付けられ、その操作体の回動操作により、前記他方の連結具本体の本体部を押圧して、前記第1挿入部どうしを互いに離間させるとともに、前記第2挿入部どうしを互いに離間させる。
【0012】
また、請求項6に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の連結具において、前記本体部は、前記第1フレームの溝が開口する前面に当接する第1当接部と、前記第2フレームの溝が開口する前面に当接する第2当接部を有する。そして、前記第1挿入部は、その張出部の基端側に、前記第1フレームの溝の突条部における奥側コーナーに当接する傾斜面を有し、前記第2挿入部は、その張出部の基端側に、前記第2フレームの溝の突条部における奥側コーナーに当接する傾斜面を有する。この張出部の基端側の傾斜面により、挿入部どうしを離間させると、連結具本体は、溝側に引き込まれ、本体部の第1および第2当接部は、第1および第2フレームの前面を押圧し、この連結具は、第1および第2フレームに強固に固定される。
【0013】
また、請求項7に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の連結具において、前記第1挿入部は、その張出部の先端側に、前記第1フレームの溝への挿入始めに、その溝の突条部における表側のコーナーに当接可能な、傾斜面を有し、前記第2挿入部は、その張出部の先端側に、前記第2フレームの溝への挿入始めに、その溝の突条部における表側のコーナーに当接可能な、傾斜面を有する。こうして、挿入部における張出部の先端側に、傾斜面を設けることで、挿入部をフレームの溝に容易に挿入することができる。
【0014】
また、請求項8に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の連結具において、被取付物を取り付けるための取付溝を備える。この取付溝は、前記第1挿入部および前記第2挿入部が設けられない側の、前記本体部間の隙間によって形成される。
【0015】
また、請求項9に記載の発明に係るフレームの連結具は、請求項8に記載の連結具において、前記取付溝は、その開口側に溝幅を狭めるように相対向して突出する突条片を有し、それら突条片の裏側に渡って、ナット部材が収容可能となるものである。こうして、取付溝にナット部材を収容することで、被取付物を、ナット部材とそのナット部材にねじ込まれるネジを介して、連結具に取付け固定することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明に係るフレームの連結具によれば、操作体が、一方の連結具本体の本体部に取り付けられ、その操作体の操作により、操作体が他方の連結具本体の本体部を押圧するため、操作体を支持するベース部材を必要とせず、簡単な構造で、フレームどうしを連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、この発明に係るフレームの連結具を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1〜図14は、本発明の一実施の形態を示す。図中符号1は、第1フレームであって、長手方向に沿う溝1aを備えるとともに、その溝1aの開口側に溝幅を狭めるように相対向して突出する突条部1b、1bを有する。2は、第2フレームであって、同様に、長手方向に沿う溝2aを備えるとともに、その溝2aの開口側に溝幅を狭めるように相対向して突出する突条部2b、2bを有する。3は、前記第1フレーム1と第2フレーム2とを、それらの溝1a、2aが互いの側に臨む向きで連結する連結具である。
【0019】
ここで、連結具3は、フレーム1、2の溝1a、2aの幅方向において対向位置する一対の連結具本体3a、3bを備える。各連結具本体3a、3bは、本体部4と、その本体部4から延設されて第1フレーム1の溝1aに挿入される第1挿入部5と、その本体部4から延設されて第2フレーム2の溝2aに挿入される第2挿入部6とを備える。そこで、これら連結具本体3a、3bにあっては、本体部4、4どうし、第1挿入部5、5どうし、および、第2挿入部6、6どうしは、フレーム1、2の溝1a、2aの幅方向において対向位置している。また、第1挿入部5と第2挿入部6とは、フレーム1、2の溝1a、2aにおける突条部1b、2bの裏面と対向する側に張り出す張出部5a、6aを有している。そして、第1挿入部5、5は、互いに近接することで、第1フレーム1の溝1aにその溝1aが開口する前面1c側から挿入可能となる。同様に、第2挿入部6、6は、互いに近接することで、第2フレーム2の溝2aにその溝2aが開口する前面2c側から挿入可能となる。
【0020】
そして、一方の連結具本体3aの本体部4には、操作体7が取り付けられる。操作体7は、その操作体7の操作により、第1挿入部5、5どうしを互いに離間させるとともに、第2挿入部6、6どうしを互いに離間させるよう、他方の連結具本体3bの本体部4を押圧する。図示実施の形態においては、操作体7が、他方の連結具本体3bの本体部4を押圧することで、本体部4、4どうしが互いに離間し、それに伴って、第1挿入部5、5どうし、そして、第2挿入部6、6どうしが、互いに離間する。
【0021】
また、連結具本体3a、3bにおける本体部4、4間には、連結具本体3a、3bを、第1挿入部5、5どうしおよび第2挿入部6、6どうしが離間したり近接したりする方向(すなわち、前記溝1a、2aの幅方向)に案内する案内手段8と、第1挿入部5、5どうしおよび第2挿入部6、6どうしが所定以上に離間しないように制限する制限手段9とが設けられている。さらに、本体部4、4間には、連結具本体3a、3bを、第1挿入部5、5どうしおよび第2挿入部6、6どうしが離間するように弾性的に付勢する、付勢手段10が設けられている。
【0022】
具体的には、第1フレーム1は、断面略正方形形状であって、その各側面に前記溝1aが形成された、例えばアルミニウム製あるいはアルミニウム合金製の型材からなる。そして、溝1aは、その開口側の両側面に、前記突条部1b、1bが設けられて、断面略T溝形状となっている。第2フレーム2は、第1フレーム1と同一の型材からなり、同様にして、断面略正方形形状の各側面に、突条部2b、2bを有する断面略T溝形状の溝2aが形成されている。
【0023】
連結具3は、第1フレーム1と第2フレーム2とを、特に、直角位置するようにして連結するものであり、この連結具3によって、第1フレーム1と第2フレーム2とは、L字状とかT字状に組み付けられる。この連結具3においては、連結具本体3a、3bは、例えばアルミニウム製あるいはアルミニウム合金製であって、その本体部4は、略三角形、特に略直角三角形の平板形状をしている。そして、第1挿入部5と第2挿入部6とは、本体部4における略直角三角形の直角を挟む短辺に、その短辺に沿うようにして設けられている。
【0024】
そして、これら連結具本体3a、3bにおける本体部4、4の中央部分に、前記付勢手段10が設けられている。この付勢手段10は、連結具本体3a、3bの本体部4、4間に配備されるコイルスプリング10aからなる。そして、このコイルスプリング10aと同軸上に、雌ねじとしてのナット11が設けられており、このナット11には、本体部4に被固定物21を取付け固定するためのネジ22がねじ込まれる。そして、コイルスプリング10aは、ネジ22の軸部が挿通可能に形成されている。図示実施の形態においては、一方の連結具本体3aの本体部4には、その中央部分に、段付きの通孔4aが明けられている。この通孔4aは、外側が径小部4b、内側が径大部4cとなって、その径大部4cに、前記ナット11が収容される。そして、他方の連結具本体3bの本体部4には、その中央部分の内面に、前記通孔4aと対向するようにして、凹部4dが形成されている。そこで、前記コイルスプリング10aは、一端が、この凹部4dに収容され、他端が、ナット11を押圧する。こうして、このコイルスプリング10aにより、第1挿入部5、5および第2挿入部6、6を含めて、連結具本体3a、3bどうしが、離間するように弾性的に付勢される。
【0025】
また、これら連結具本体3a、3bにおける本体部4、4の、付勢手段10を挟む両側には、前記案内手段8および制限手段9が設けられている。これら案内手段8および制限手段9は、一方の連結具本体3aの本体部4に明けられた段付きの通孔4eと、他方の連結具本体3bの本体部4の内面から突出して、通孔4eに挿入される突出部4fと、その突出部4fにねじ込まれる雄ねじ部材12とからなる。ここで、通孔4eは、内側が径小部4g、外側が径大部4hとなっている。そして、径小部4gを突出部4fが貫通し、径大部4hに雄ねじ部材12の頭部12aが、径小部4gから径大部4hに移る段部4iと向かい合うようにして収容される。こうして、通孔4eの径小部4gが突出部4fに案内されたり、雄ねじ部材12の頭部12aが径大部4hに案内されたりして、第1挿入部5、5および第2挿入部6、6を含めて、連結具本体3a、3bどうしは離間したり近接したりする。そして、雄ねじ部材12の頭部12aに、通孔4eの段部4iが突き当たることで、第1挿入部5、5および第2挿入部6、6を含めて、連結具本体3a、3bどうしは、所定以上に離間しないように制限される。
【0026】
また、前記操作体7は、ねじ部材からなり、一方の連結具本体3aの本体部4に螺合して取り付けられ、その操作体7の回動操作により、他方の連結具本体3bの本体部4を押圧して、第1挿入部5、5どうしを互いに離間させるとともに、第2挿入部6、6どうしを互いに離間させる。詳細には、操作体7は、六角孔付きの止めねじからなる。そして、一方の連結具本体3aにおける本体部4には、通孔4aと並んで、ねじ孔4jが明けられており、このねじ孔4jに、操作体7が螺合する。そして、操作体7を、そのねじ込み方向に回動操作することで、他方の連結具本体3bにおける本体部4の内面を押圧して、第1挿入部5、5および第2挿入部6、6を含めて、連結具本体3a、3bどうしが互いに離間する。
【0027】
また、本体部4は、第1フレーム1の溝1aが開口する前面1cに当接する第1当接部4kと、第2フレーム2の溝2aが開口する前面2cに当接する第2当接部4mを有している。ここで、第1当接部4kは、第1挿入部5が突出する面、すなわち、本体部4の短辺を形成する面からなる。同様にして、第2当接部4mは、第2挿入部6が突出する面、すなわち、本体部4のもう一方の短辺を形成する面からなる。また、第1挿入部5は、その張出部5aの基端側に、第1フレーム1の溝1aの突条部1bにおける奥側コーナーに当接する傾斜面5bと、その張出部5aの先端側に、第1フレーム1の溝1aへの挿入始めに、その溝1aの突条部1bにおける表側のコーナーに当接可能な、傾斜面5cとを有する。同様にして、第2挿入部6は、その張出部6aの基端側に、第2フレーム2の溝2aの突条部2bにおける奥側コーナーに当接する傾斜面6bと、その張出部6aの先端側に、第2フレーム2の溝2aへの挿入始めに、その溝2aの突条部2bにおける表側のコーナーに当接可能な、傾斜面6cとを有する。
【0028】
さらに、連結具3は、被取付物23を取り付けるための取付溝13を備えている。この取付溝13は、第1挿入部5および第2挿入部6が設けられていない側の、本体部4、4間の隙間によって形成される。そして、取付溝13は、その開口側に溝幅を狭めるように相対向して突出する突条片13a、13aを有し、それら突条片13a、13aの裏側に渡って、ナット部材24が収容可能となる。詳細には、この取付溝13は、本体部4、4の長辺側に形成される。そして、一側の本体部4には、取付溝13の底面を形成する突片13bが突出して形成されており、他側の本体部4には、前記突片13bを逃すための凹溝13cが形成されている。こうして、取付溝13は、フレーム1、2の溝1a、2aと同様に、断面略T溝形状となっている。また、このように、取付溝13は、突片13bによって底面が形成されるため、取付溝13を通って内部にゴミ等が侵入したり、内部が見えたりするのを防ぐことができる。
【0029】
次に、以上の構成からなる連結具3の作用効果について説明する。この連結具3によると、第1フレーム1と第2フレーム2とを連結するにあたって、図4に示すように、一対の連結具本体3a、3bを互いに近接させることで、第1挿入部5、5どうしを互いに近接させるとともに、第2挿入部6、6どうしを互いに近接させる。そこで、図7および図8に示すように、第1挿入部5、5を第1フレーム1の溝1aにその前面1c側から挿入するとともに、第2挿入部6、6を第2フレーム2の溝2aにその前面2c側から挿入する。すると、コイルスプリング10a(付勢手段10)によって、第1挿入部5、5どうしが離間して第1フレーム1の溝1aを拡開方向に弾性的に押圧すするとともに、第2挿入部6、6どうしが離間して第2フレーム2の溝2aを拡開方向に弾性的に押圧する。こうして、連結具3は、第1フレーム1と第2フレーム2とに仮固定される。
【0030】
その後、図9に示すように、一方の連結具本体3aの本体部4に取り付けられた操作体7を操作(回動操作)して、その操作体7で、他方の連結具本体3aの本体部4を押圧する。これにより、第1挿入部5、5どうしが互いに離間してそれら第1挿入部5、5が第1フレーム1の溝1aをその拡開方向に押圧し、かつ、第2挿入部6、6どうしが互いに離間してそれら第2挿入部6、6が第2フレーム2の溝2aをその拡開方向に押圧する。このように、第1挿入部5、5が第1フレーム1の溝1aをその拡開方向に押圧することで、第1挿入部5、5、ひいてはこの連結具3は、第1フレーム1に固定(本固定)される。同様に、第2挿入部6、6が第2フレーム2の溝2aをその拡開方向に押圧することで、第2挿入部6、6、ひいてはこの連結具3は、第2フレーム2に固定(本固定)される。そして、このように、連結具3が第1フレーム1と第2フレーム2とに固定されることで、これら第1フレーム1と第2フレーム2とが連結される。つまり、この連結具3は、第1フレーム1と第2フレーム2とを連結するにあたって操作される操作体7が、一方の連結具本体3aの本体部4に取り付けられ、その操作体7の操作により、操作体7が他方の連結具本体3bの本体部4を押圧する。このため、連結具3は、操作体7を支持するベース部材を必要とせず、簡単な構造で、フレーム1、2どうしを連結することができる。
【0031】
また、第1および第2挿入部5、6における張出部5a、6aの先端側に、傾斜面5c、6cが設けられており、この傾斜面5c、6cにより、挿入部5、6をフレーム1、2の溝1a、2aに容易に挿入することができる。その上、第1挿入部5、5を第1フレーム1の溝1aに挿入し、第2挿入部6、6を第2フレーム2の溝2aに挿入したとき、付勢手段10(コイルスプリング10a)によって、連結具3は、第1フレーム1と第2フレーム2とに仮固定される。したがって、その後の操作体7による本固定、つまりはフレーム1、2どうしの連結を、手際よく行なうことができる。
【0032】
また、操作体7を操作して、挿入部5、5、6、6どうしを離間させると、挿入部5、6に設けられた張出部5a、6aの基端側の傾斜面5b、6bにより、連結具本体3a、3bは、溝1a、2a側に引き込まれ、本体部4の第1および第2当接部4k、4mは、第1および第2フレーム1、2の前面1c、2cを押圧する。こうして、この連結具3は、第1および第2フレーム1、2に強固に固定され、この連結具3により、第1フレーム1と第2フレーム2とを強く連結することができる。
【0033】
また、付勢手段10としてのコイルスプリング10aは、本体部4に被固定物21を取付け固定するためのネジ22の軸部が挿通可能に形成されている。こうして、コイルスプリング10aの内側スペースが、被固定物21を取付け固定するためのネジ22に利用されるので、連結具3をそれほど大きくすることなく、被固定物21を本体部4に取付け固定することができる。図10において、(a)は、被固定物21としてのパネル21aを本体部4に固定する前の状態を示す斜視図、(b)は、固定した後の状態を示す斜視図である。そして、このように、パネル21aを本体部4に取付け固定することで、パネル21aを、本体部4、すなわち連結具3を介してフレーム1、2に固定することができる。
【0034】
また、連結具3は、取付溝13を備えており、この取付溝13にナット部材24を収容することで、被取付物23を、ナット部材24とそのナット部材24にねじ込まれるネジ25を介して、連結具3に取付け固定することができる。図11〜図13は、取付溝13を利用して、連結具3に被取付物23としての他のフレーム26を取り付ける例を示している。ここで、他のフレーム26は、フレーム1、2とは、サイズは異なるが類似の形状であって、溝1a、2aと同様に、断面略T溝形状となる溝26aを有している。図中符号27は、L字状に形成されたブラケットである。このブラケット27は、一方の片27aに、孔27bを有し、また、他方の片27cにも、孔27dを有している。ここで、他のフレーム26を、その長手方向が、連結具3の取付溝13の延びる方向と直角となるように配置し、ブラケット27を、連結具3と他のフレーム26との交差するコーナー部に配置する。そして、ネジ25をブラケット27の孔27bに通し、連結具3の取付溝13に収容されたナット部材24にねじ込むとともに、他のネジ28をブラケット27のもう一方の孔27dに通し、他のフレーム26の溝26aに収容されたナット部材29にねじ込む。こうして、他のフレーム26は、ブラケット27、ナット部材24、29およびネジ25、28を介して、連結具3に取付け固定され、ひいては、他のフレーム26は、フレーム1、2に固定される。また、図14は、連結具3に被取付物23としてのパネル30を取り付ける例(取付溝13にはナット部材24を収容しない。)を示しており、(a)は、パネル30を連結具3に取り付ける前の状態を示す斜視図、(b)は、取り付けた後の状態を示す斜視図である。詳細には、パネル30は、連結具3の取付溝13に嵌め込まれるとともに、フレーム1、2の溝1a、2aに嵌め込まれるようにして取り付けられる。
【0035】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるわけではなく、その他種々の変更が可能である。例えば、第1フレーム1と第2フレーム2とは、図示実施の形態に示すような断面形状に限定されないことは当然であり、また、両者は、同一の型材からならなくとも、別の型材、すなわち、断面形状が異なる型材からなっていてもよい。さらには、第1フレーム1と第2フレーム2とは、型材でなくともよい。
【0036】
また、案内手段8および制限手段9において、一方の連結具本体3aに通孔4eが設けられ、他方の連結具本体3bに、前記通孔4eに挿入される突出部4fが設けられているが、反対に、一方の連結具本体3aに突出部4fを設け、他方の連結具本体3bに通孔4eを設けてもよい。また、二組ある通孔4e、4eと突出部4f、4fにおいて、一組目は、通孔4eを一方の連結具本体3aに、突出部4fを他方の連結具本体3bに設け、二組目は、反対に、突出部4fを一方の連結具本体3aに、通孔4eを他方の連結具本体3bに設けるようにしても構わない。また、これらにおいて、突出部4fに替えて、本体部4とは別体のカラーを設けてもよい。そして、この場合には、雄ねじ部材12は、このカラーを通って、本体部4、あるいは本体部4とは別に設けたナットにねじ込まれる。さらに、これらの実施の態様では、雄ねじ部材12を用いているが、この雄ねじ部材12に替えて、リベットを用いても構わない。
【0037】
また、取付溝13は、突条片13aを有しているが、ナット部材24を挿入する必要がなければ、図15に示すように、突条片13aを有しない溝(スリット溝)であってもよい。
【0038】
また、付勢手段10は、コイルスプリング10aでなくとも、金属や合成樹脂等からなる板バネとか、スポンジやゴム等からなるクッション材からなっていても構わない。
【0039】
また、本体部4に被固定物21を取付け固定するための雌ねじは、ナット11からならなくとも、本体部4に螺設されてもよい。
【0040】
また、取付溝13部分には、図2とか図15に示すように、一方の連結具本体3aに凹溝13cが設けられ、他方の連結具本体3bに突片13bが設けられているが、反対に、一方の連結具本体3aに突片13bを設け、他方の連結具本体3bに凹溝13cを設けてもよい。また、これら突片13bと凹溝13cは、特に必要なければ、無くても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】この発明の一実施の形態の、連結具の正面図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A線による断面図である。
【図3】同じく、図1におけるB−B線による断面図である。
【図4】同じく、連結具本体どうしを近接させた状態を示す、図3相当図である。
【図5】同じく、連結具の斜視図である。
【図6】同じく、連結具の分解斜視図である。
【図7】同じく、連結具をフレームに組み付けた状態を示す正面図である。
【図8】同じく、図7におけるC−C線による断面図であって、操作体をねじ込む前の仮固定状態を示す。
【図9】同じく、図7におけるC−C線による断面図であって、操作体をねじ込んだ後の本固定状態を示す。
【図10】同じく、パネルを連結具の本体部に取付け固定する過程を示す斜視図である。
【図11】同じく、他のフレームを連結具に取付け固定した状態を示す正面図である。
【図12】同じく、図11におけるD−D線による断面図である。
【図13】同じく、図11におけるE矢視図である。
【図14】同じく、パネルを連結具に取り付ける過程を示す斜視図である。
【図15】この発明の他の実施の形態の、図2相当図である。
【図16】従来の連結具を示す断面図である。
【符号の説明】
【0042】
1 第1フレーム
1a 溝
1b 突条部
1c 前面
2 第2フレーム
2a 溝
2b 突条部
2c 前面
3 連結具
3a 一方の連結具本体(連結具本体)
3b 他方の連結具本体(連結具本体)
4 本体部
4k 第1当接部
4m 第2当接部
5 第1挿入部
5a 張出部
5b 傾斜面
5c 傾斜面
6 第2挿入部
6a 張出部
6b 傾斜面
6c 傾斜面
7 操作体
8 案内手段
9 制限手段
10 付勢手段
10a コイルスプリング(付勢手段)
11 ナット(雌ねじ)
13 取付溝
13a 突条片
21 被固定物
21a パネル(被固定物)
22 ネジ
23 被取付物
24 ナット部材
26 他のフレーム(被取付物)
30 パネル(被取付物)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に沿う溝を備えるとともに、その溝の開口側に溝幅を狭めるように突出する突条部を有する、第1フレームと第2フレームとを、それらの溝が互いの側に臨む向きで連結する連結具であって、
前記溝の幅方向において対向位置する一対の連結具本体を備え、
前記各連結具本体は、本体部と、その本体部から延設されて前記第1フレームの溝に挿入される第1挿入部と、その本体部から延設されて前記第2フレームの溝に挿入される第2挿入部とを備え、また、
前記第1挿入部と前記第2挿入部とは、前記突条部の裏面と対向する側に張り出す張出部を有し、かつ、前記第1挿入部は、互いに近接することで、前記第1フレームの溝にその溝が開口する前面側から挿入可能となるとともに、前記第2挿入部は、互いに近接することで、前記第2フレームの溝にその溝が開口する前面側から挿入可能となっており、
一方の前記連結具本体の本体部には、操作体が取り付けられ、
前記操作体は、その操作体の操作により、前記第1挿入部どうしを互いに離間させるとともに、前記第2挿入部どうしを互いに離間させるよう、他方の前記連結具本体の本体部を押圧することを特徴とする、フレームの連結具。
【請求項2】
前記本体部間には、前記連結具本体を、前記第1挿入部どうしおよび前記第2挿入部どうしが離間したり近接したりする方向に案内する案内手段と、前記第1挿入部どうしおよび第2挿入部どうしが所定以上に離間しないように制限する制限手段とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の、フレームの連結具。
【請求項3】
前記本体部間には、前記連結具本体を、前記第1挿入部どうしおよび前記第2挿入部どうしが離間するように弾性的に付勢する、付勢手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の、フレームの連結具。
【請求項4】
前記付勢手段は、前記本体部間に配備されるコイルスプリングからなり、そのコイルスプリングと同軸上に、前記本体部に被固定物を取付け固定するためのネジがねじ込まれる雌ねじが設けられ、
前記コイルスプリングは、前記ネジの軸部が挿通可能に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の、フレームの連結具。
【請求項5】
前記操作体は、ねじ部材からなり、前記一方の連結具本体の本体部に螺合して取り付けられ、その操作体の回動操作により、前記他方の連結具本体の本体部を押圧して、前記第1挿入部どうしを互いに離間させるとともに、前記第2挿入部どうしを互いに離間させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の、フレームの連結具。
【請求項6】
前記本体部は、前記第1フレームの溝が開口する前面に当接する第1当接部と、前記第2フレームの溝が開口する前面に当接する第2当接部を有し、また、
前記第1挿入部は、その張出部の基端側に、前記第1フレームの溝の突条部における奥側コーナーに当接する傾斜面を有し、前記第2挿入部は、その張出部の基端側に、前記第2フレームの溝の突条部における奥側コーナーに当接する傾斜面を有することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の、フレームの連結具。
【請求項7】
前記第1挿入部は、その張出部の先端側に、前記第1フレームの溝への挿入始めに、その溝の突条部における表側のコーナーに当接可能な、傾斜面を有し、前記第2挿入部は、その張出部の先端側に、前記第2フレームの溝への挿入始めに、その溝の突条部における表側のコーナーに当接可能な、傾斜面を有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の、フレームの連結具。
【請求項8】
被取付物を取り付けるための取付溝を備え、その取付溝は、前記第1挿入部および前記第2挿入部が設けられない側の、前記本体部間の隙間によって形成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の、フレームの連結具。
【請求項9】
前記取付溝は、その開口側に溝幅を狭めるように相対向して突出する突条片を有し、それら突条片の裏側に渡って、ナット部材が収容可能となることを特徴とする請求項8に記載の、フレームの連結具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2007−303572(P2007−303572A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133283(P2006−133283)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(591133446)株式会社イマオコーポレーション (12)
【Fターム(参考)】