フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラム
【課題】フローチャートにおいて関連するステップを同一画面上に表示し、利用者の利便性を向上させる、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【解決手段】フローチャート表示装置1は、フローチャート格納テーブル200からフローチャートの構成要素に関する情報を読み込み、入力装置3から入出力部20を介して利用者が着目する「現在位置」となるステップに関する情報を取得する。そして、画面表示制御部11は、ステップ関連性分析部12を呼び出し、ステップ関連性分析部12は、「現在位置」とするステップと他のステップとの関連性を評価する。画面表示制御部11は、関連性の高いステップを同一画面上に表示するように調整して、画面表示装置2に表示させる。
【解決手段】フローチャート表示装置1は、フローチャート格納テーブル200からフローチャートの構成要素に関する情報を読み込み、入力装置3から入出力部20を介して利用者が着目する「現在位置」となるステップに関する情報を取得する。そして、画面表示制御部11は、ステップ関連性分析部12を呼び出し、ステップ関連性分析部12は、「現在位置」とするステップと他のステップとの関連性を評価する。画面表示制御部11は、関連性の高いステップを同一画面上に表示するように調整して、画面表示装置2に表示させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムに係り、特に、フローチャートを構成する各ステップの関連性に基づいてフローチャートを表示するフローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業内で業務を行う手順を示す場合や、プログラムの処理内容を示す場合に、フローチャートを用いる場合が多い。このフローチャートは、作業や処理内容の複数ステップを表す矩形と、各ステップの順序を示す矢印等で構成される。
フローチャートが多くのステップを含む等の理由によって、コンピュータの画面上に表示しきれない場合は、その一部だけを表示する方法がとられる。その場合、一部のみを表示した状態では、全体を見渡すことができないため、スクロールやズームを利用する。このスクロールとズームは、フローチャートに限らず、地図を表示するシステムや、文書を表示するシステムにおいても同様に利用されている。
【0003】
ここで、スクロールとは、一部を表示した状態で、表示する箇所を変更することによって、順次全体を表示する方法である。利用者がスクロールをコンピュータに指示する操作方法としては、上下左右に設けられた操作ボタンでスクロールの方向と量を指示する方法や、マウス等を利用してポイントを指定し、その指定したポイントが中心となるように画面を移動させる方法がある。
【0004】
また、ズームとは、全体が画面に入りきるように縮小表示したり、一部分だけを表示するために拡大表示したりすることをいう。このズームを用いて、多段階に拡大と縮小の比率を変更できるようになっているシステムも多い。利用者がズームをコンピュータに指示する操作方法としては、現在表示している画像の中心点を基点に拡大、縮小を指示するボタン等をクリックする方法や、マウスで指定された位置を基点に拡大、縮小する方法等がある。
【0005】
図17〜図19は、従来技術によるフローチャートの表示方法を説明するための図である。
図17は、画面に表示させるフローチャートの一例を示す図である。フローチャート100は、ステップA101,ステップB102,ステップC103,ステップD104,ステップE105、および、各ステップを接続する矢印110,111,112,113の構成要素からなる。
図18および図19は、従来技術を用いて、画面に図17で示したフローチャート100を表示した例を示すものである。これらの図において、フローチャート100のどの部分が表示されるかを分かりやすくするため、実際には画面に表示されない部分も併せて図面に示している。
【0006】
図18(a)は、フローチャートの左上を基点に表示した初期画面の例を示しており、例えば、ステップD104は表示されず、ステップE105や矢印113等はその一部しか表示できていない。
【0007】
図18(b)は、スクロールを用いて表示し直した例を示す。ここでは、利用者が図18(a)の画面でステップE105をマウスでクリックすることにより、ステップE105が画面の中央に位置するようにスクロールを指示したものである。図18(b)では、ステップE105が中央に位置するため、ステップA101は表示されず、さらに、ステップB102、ステップC103およびステップD104が、その一部しか表示されない。
【0008】
図19(a)は、フローチャート100の全体が表示されるように縮小表示したものである。このように縮小表示することによって、全体を見渡すことができる。
【0009】
また、図19(b)は、図19(a)をズームを用いて表示し直した例を示す。ここでは利用者が図19(a)の画面で、ステップB102をダブルクリック(マウスのボタンを素早く2回押す)することで、ステップB102を中心として拡大表示するように指示したものとする。すると、図19(b)に示すように、ステップB102が中央に位置し拡大表示されることとなるが、ステップE105は一部しか表示されない。
【0010】
このように、従来技術では、利用者により指定された着目点を画面の中心とすることで、その着目点と図面上の位置が近い部分を表示することが可能であった。
【0011】
また、他の従来技術として、一画面にフローチャートが入りきらない場合に、利用者が予めフロー図を複数のブロックに分割するようにコンピュータに指示することにより、ブロックごとに印刷することが可能となる技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術によれば、関連の強いステップが一つのブロックに含まれるように、利用者が工夫して分割することで、ある程度見やすい印刷を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平5−119943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記したように、従来のスクロールやズームといった方法では、地図を表示するような場合には、着目点を中心として図面上の位置が近い部分を表示することが可能であるため、着目点の周辺を見やすくすることが可能である。しかしながら、フローチャートの場合、図面上の位置が近いか否かよりも、むしろ矢印で結線されているステップが見えるようにスクロールすることが望まれる。図18(b)や図19(b)に示すように、従来技術のスクロールやズームでは、着目したステップと矢印で接続されているステップを表示できない場合がある。
【0014】
また、特許文献1に記載された技術においては、分割した複数のブロックをまたがって印刷する場合について考慮されていない。つまり、複数のブロックにまたがる部分に着目した印刷を行うためには、改めて分割し直さなければならないという手間がかかるものである。
【0015】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、利用者の利便性を向上させる、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るフローチャート表示装置は、フローチャートの構成要素に関する情報を記憶するフローチャート格納テーブル(フローチャート格納情報)を備え、そのフローチャート格納テーブルから構成要素に関する情報を読み込む。そして、フローチャート表示装置の画面表示制御部は、入力装置から入出力部を介して利用者が着目する「現在位置」となるステップに関する情報を取得する。次に、画面表示制御部は、ステップ関連性分析部を呼び出し、「現在位置」とするステップと他のステップとの関連性を評価する。画面表示制御部は、関連性の高いステップを同一画面上に表示するように調整して、画面表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者の利便性を向上させる、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るフローチャート表示装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るフローチャート表示装置により、フローチャートを画面表示装置に表示させた図である。
【図3】本実施形態に係るフローチャート格納テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図4】本実施形態に係るフローチャートを構成する各構成要素の位置(座標値)を補助線を用いて例示した図である。
【図5】本実施形態に係るステップ関連性分析結果テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る関連性を概念的に説明するための図である。
【図7】本実施形態に係るフローチャート表示装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係るフローチャート表示装置のステップ関連性分析部が行う表示位置調整処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るステップA101とステップB102とを含む最小の矩形R(1)を示す図である。
【図10】本実施形態に係るステップA101、ステップB102、ステップC103およびステップE105を含む最小の矩形R(2)を示す図である。
【図11】本実施形態に係るステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104およびステップE105を含む最小の矩形R(3)を示す図である。
【図12】本実施形態に係るステップ関連性分析部による表示位置調整処理が行われた後のフローチャートの位置を示す図である。
【図13】本実施形態において、利用者の指示により、フローチャートの画面表示が切り替わる様子を説明するための図である。
【図14】本実施形態において、利用者の指示により、フローチャートの画面表示が切り替わる様子を説明するための図である。
【図15】本実施形態の変形例1において、矩形R(N)が画面中央に位置するように表示位置を決定した画面表示例である。
【図16】本実施形態の変形例2において、一部を変形してフローチャートを表示させる例を示す図である。
【図17】画面に表示させるフローチャートの一例を示す図である。
【図18】従来技術において、画面にフローチャートを表示させた例を示す図である。
【図19】従来技術において、画面にフローチャートを表示させた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るフローチャート表示装置1の構成例を示す機能ブロック図である。
フローチャート表示装置1は、入力装置3による利用者からの指示に基づき、画面表示装置2にフローチャートを表示させる制御を行う装置である。なお、入力装置3は、マウスやキーボード、タッチパネル等から構成され、画面表示装置2は、液晶ディスプレイ等から構成される。
そして、このフローチャート表示装置1は、制御部10と、入出力部20と、メモリ部30と、記憶部40とを含んで構成される。
【0021】
制御部10は、画面表示装置2へ出力するフローチャートの表示制御の全般を司り、画面表示制御部11と、ステップ関連性分析部12とを含んで構成される。
【0022】
画面表示制御部11は、記憶部40に記憶されたフローチャート格納テーブル200(後記する図3参照)から、フローチャートを構成するすべてのレコードを読み込む。そして、画面表示制御部11は、入出力部(入力部)20を介して取得した利用者の指示に基づき、フローチャートの表示画面の拡大や縮小を行い、さらに、ステップ関連性分析部12が決定した表示位置に基づき、関連するステップを同一画面上に表示するように表示位置を調整し、入出力部(出力部)20を介して画面表示装置2にフローチャートを表示させる。
【0023】
ここで、画面表示制御部11の制御により、画面表示装置2に表示される表示画面について説明する。図2は、前記した図17に示したフローチャート100を、画面表示装置2に表示した例である。
図2に示す画面1000は、画面表示装置2に表示された表示画面を示している。ここで画面1000の表示サイズは、一例として、縦横共に600ドットとする。最近のOS(Operating System)では、ディスプレイ装置上の画面をウィンドウと呼ぶ矩形に分割して表示する機能が備わっているものが多い。このようなOSを利用して、画面全体を使って表示する代わりに、ウィンドウにフローチャートを表示するようにしてもよい。また、画面やウィンドウを複数の領域に区切って、そのうちの一つまたは複数の領域にフローチャートを表示するようにしてもよい。
なお、画面1000の表示状態は、図2(a)に示す拡大表示と、図2(b)に示す縮小表示とがある。拡大表示は、フローチャート内の文字等が読みやすいように予め設定されたサイズでの表示であり、縮小表示は、フローチャートのすべての構成要素が一画面に収まるように縮小したサイズでの表示とする。
【0024】
この画面表示制御部11は、図2に示すフローチャートを表示するため、記憶部40内のフローチャート格納テーブル(フローチャート格納情報)200を参照する。図3は、本実施形態に係るフローチャート格納テーブル200のデータ構成の一例を示す図である。
フローチャート格納テーブル200は、ステップや矢印等のフローチャートの構成要素ごとに1レコードからなる情報であり、図3に示すように、番号201、種別202、名称203、接続元204、接続先205、開始ステップ206、および座標情報207のデータ項目を含んで構成される。
【0025】
番号201は、各レコードのステップや矢印ごとに付される固有の識別子である。
種別202は、構成要素がステップであるか、分岐ステップであるか、矢印であるかを示す。ここでステップとは、フローチャートを構成する矩形の要素であり「処理」を表す。また、分岐ステップとは、フローチャートを構成するひし形の要素であり「判断」を表す。なお、以下、ステップと分岐ステップについて、単にステップと表現することがある。
名称203は、種別202がステップまたは分岐ステップである場合に格納され、そのステップまたは分岐ステップを表示する際の名称を表す。
接続元204および接続先205は、種別202が矢印である場合に格納され、それぞれ矢印の基点となるステップの番号と、矢印の終点となるステップの番号が格納される。
開始ステップ206は、フローチャート表示装置1を立ち上げフローチャートを表示させた初期画面において、予め現在位置に設定されたステップである。通常、フローチャートのスタートとなる最初のステップが設定される。
【0026】
座標情報207は、フローチャートの各構成要素の表示位置を表す情報である。種別202が「ステップ」である場合は、“(x1,y1)−(x2,y2)”の形式で格納され、(x1,y1)が矩形の左上の座標を、(x2,y2)が矩形の右下の座標を表す。種別202が「分岐ステップ」である場合は、“(x1,y1)−(x1,y2)”の形式で格納され、ひし形を囲む最小の矩形の座標を表しており、(x1,y1)がそのひし形を囲む矩形の左上の座標を、(x2,y2)が右下の座標を表す。種別202が、「矢印」である場合は、“(x1,y1)−(x2,y2)”や “(x1,y1)−(x2,y2)−(x3,y3)”等の形式で格納される。“(x1,y1)−(x2,y2)”の形式で格納される場合は、矢印が2点でつながれた直線であることを示しており、(x1,y1)が始点の座標を、(x2,y2)が終点の座標を表す。“(x1,y1)−(x2,y2)−(x3,y3)”等の形式で格納されている場合は、矢印が途中で折れ曲がっていることを示しており、(x1,y1)が始点の座標を表し、(x2,y2)が折れ曲がる点の座標を表し、(x3,y3)が終点の座標を表す。折れ曲がる点の座標が2点以上ある場合も同様の形式で座標点を増やし表示する。
なお、各座標は、OSが画面表示の座標管理を行う最小単位であるドットで表現されているものとする。ただし、ドットの代わりに、cm(センチメートル)等の別の単位を用いても構わない。
【0027】
ここで、図3のフローチャート格納テーブル200は、その一例として、図17に示すフローチャート100の各構成要素を記憶している。具体的には、番号201が「101」のレコードは、種別202が「ステップ」であり、名称203が「A」である。また、番号201が「102」のレコードは、種別202が「分岐ステップ」であり、名称203が「B」である。さらに、番号201が「110」のレコードは、種別202が「矢印」であり、接続元204は番号が「101」であり、接続先205は番号が「102」である。これによって、「A」という名称のステップ(ステップA101)から「B」という名称のステップ(ステップB102)へ矢印が接続されていることを表している。
【0028】
そして、この座標情報207に記憶される各構成要素の座標値は、例えば以下のように決定する。
図4は、本実施形態に係るフローチャート100を構成する各構成要素の位置(座標値)を補助線を用いて例示した図である。
ここで、補助線1100は、座標を100ドット単位に格子状の破線で表した補助線である。x座標情報1101は、水平方向の座標を表す値であり、y座標情報1102は、垂直方向の座標を表す数値である。
図4に示すとおり、例えば、ステップA101は、フローチャートの座標(0,0)を左上、(200,100)を右下とする矩形である。また、矢印110は、(100,100)を始点とし、(100,200)を終点とする矢印である。
【0029】
図1に戻り、ステップ関連性分析部12は、利用者により着目された現在位置となるステップ(利用者により指定されたステップ)と他のステップとの関連性を評価し、後記するメモリ部30内のステップ関連性分析結果テーブル300(図5参照)に記憶する。そして、ステップ関連性分析部12は、ステップ関連性分析結果テーブル300を参照し、関連性が所定値以下の構成要素をすべて含む最小の矩形を算出する。そして、その最小の矩形が画面1000内に表示可能かを判断し、表示すべき構成要素を含む矩形の中央座標が、画面1000の中央に位置するように、表示位置を決定する。
【0030】
図5は、本実施形態に係るステップ関連性分析結果テーブル300のデータ構成の一例を示す図である。このステップ関連性分析結果テーブル300は、図3に示すフローチャート格納テーブル200のすべてのデータ項目に、関連性301のデータ項目を加えたものである。この関連性301とは、利用者により着目された現在位置となるステップと他のステップとの関連の度合いを示す指標であり、ここでは、ステップとステップとの間を経由する矢印の数に基づき評価する。なお、この現在位置となるステップの特定方法は、後記するように、利用者により入力装置3であるマウス等を用いて、着目するステップがクリックやダブルクリックされることで決定する。
【0031】
図6は、本実施形態に係る関連性301を概念的に説明するための図である。図6においては、図17で示すフローチャート100において、現在位置がステップA101(太枠で示す)とした場合の関連性301を吹き出しの形で数値として示している。
【0032】
まず、ステップA101の関連性301の値を、現在位置として「0」とする。次に、ステップB102は、一つの矢印を経由することでたどり着けるため、関連性301は「1」である。そして、ステップC103およびステップE105は、経由する矢印の数は2つであることから、関連性301は「2」となる。続いて、ステップD104は、3つの矢印を経由するため、関連性301は「3」となる。このように、関連性301の値「N」は、0と正の整数からなる。そして、関連性301は、ステップ間を経由する矢印の数によって決定し、関連性301の値(評価値)が小さいほど関連の度合いが高い指標となる。
ステップ関連性分析部12は、ステップおよび分岐ステップのすべてについてこの関連性301の評価を行い、その結果を、ステップ関連性分析結果テーブル300に格納する。
【0033】
図1に戻り、入出力部(入力部および出力部)20は、入力装置3であるマウスやキーボード、タッチパネル等から制御部10の処理に関する指示を受け付ける。また、制御部10が生成した情報を画面表示装置2に出力する。なお、この入出力部20は、入力インタフェースと出力インタフェースとから構成される。
【0034】
メモリ部30は、RAM(Random Access Memory)等の記憶手段からなり、制御部10の処理に必要な情報を一時的に記憶する。また、メモリ部30は、前記したステップ関連性分析結果テーブル300(図5参照)を記憶する。
【0035】
記憶部40は、前記したフローチャート格納テーブル200(図2参照)を含んで構成される。この記憶部40は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶手段からなり、制御部10の処理を行うためのプログラム等を記憶する。
なお、この制御部10の機能は、例えばフローチャート表示装置1の記憶部40に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)がメモリ部30に展開し実行することで実現される。
【0036】
また、本実施形態においては、1台のコンピュータであるフローチャート表示装置1にすべての構成を備えるものとしたが、ネットワークに接続された複数のコンピュータを用いて、サーバクライアントシステムとして構成してもよい。その場合、フローチャート表示装置1の画面表示制御部11およびステップ関連性分析部12の機能は、Webシステムとして実現し、利用者によりインターネットブラウザを用いて操作させる。また、利用者がクライアントを操作する際に、ユーザIDやパスワード等を用いて本人であることを確認するログイン機能を備えるようにしてもよい。
【0037】
次に、本実施形態に係るフローチャート表示方法について、図1〜図6を参照しつつ、図7、図8を用いて詳細に説明する。
【0038】
図7は、本実施形態に係るフローチャート表示装置1が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【0039】
まず、フローチャート表示装置1の画面表示制御部11は、フローチャート表示装置1が起動されると、フローチャート格納テーブル200(図3参照)からフローチャートを構成するすべてのレコードを読み込む(ステップS701)。なお、ここではフローチャート格納テーブル200に、表示対象となるフローチャートに関する各情報が予め記憶されているものとする。また、図17に示したフローチャート100の情報が図3に示すように、フローチャート格納テーブル200に記憶されているものとして説明する。
【0040】
次に、画面表示制御部11は、読み込んだフローチャート格納テーブル200の情報から、開始ステップ206に指定されているステップを判定し、該当ステップを「現在位置」として記憶する(ステップS702)。図5に示した例では、開始ステップ206の番号201は「101」のステップであり、「現在位置」はステップA101となる。
【0041】
続いて、画面表示制御部11は、ステップ関連性分析部12を呼び出し、「現在位置」としたステップと他のステップとの関連性301の評価を行い、関連性301の高いステップを同一画面上に表示するように調整する表示位置調整処理を行う(ステップS703)。なお、この表示位置調整処理については、後記する図8において詳細に説明する。
【0042】
そして、画面表示制御部11は、各ステップのうちのいずれかが利用者の用いるマウスによりクリック(マウスのボタンを1回押す)されたか否かを判定する(ステップS704)。ここで、ステップがマウスによりクリックされていない場合は(ステップS704→No)、次のステップS705に進む。続いて、画面表示制御部11は、各ステップがマウスによりダブルクリックされたか否かを判定する(ステップS705)。ここで、マウスがダブルクリックされていない場合は(ステップS705→No)、ステップS704へ戻る。つまり、利用者によりマウスがクリックまたはダブルクリックされるのを待つ。
【0043】
一方、ステップS704において、ステップがマウスによりクリックされた場合(ステップS704→Yes)、画面表示制御部11は、画面表示が現在縮小表示か否かを判定する(ステップS706)。表示状態は、図2で説明したように、拡大表示と縮小表示があり、フローチャート表示装置1が起動された最初の状態は拡大表示であるものとする。
【0044】
ステップS706において、画面表示が現在縮小表示であると判定された場合は(ステップS706→Yes)、処理を行わずステップS705に進む。一方、ステップS706において、現在縮小表示でない、つまり拡大表示であると判定された場合は(ステップS706→No)、次のステップS707に進む。
【0045】
ステップS707において、画面表示制御部11は、マウスによりクリックされたステップ(利用者により指定されたステップ)を「現在位置」として記憶する。
【0046】
そして、画面表示制御部11は、ステップS703と同様に、ステップ関連性分析部12を呼び出し、ステップS707で「現在位置」としたステップと他のステップとの関連性301を評価し表示位置調整処理を行う(ステップS708)。そして、再びステップS704の処理に戻る。
【0047】
また、ステップS705において、マウスがダブルクリックされた場合は(ステップS705→Yes)、次のステップS709において、画面表示制御部11は、画面表示が現在縮小表示か否かを判定する。
【0048】
ステップS709において、現在縮小表示でない、つまり拡大表示であると判定された場合は(ステップS709→No)、画面表示制御部11は、画面表示を縮小表示にし(ステップS710)、ステップS704へ戻る。
【0049】
一方、ステップS709において、画面表示が現在縮小表示であると判定された場合は(ステップS709→Yes)、ダブルクリックされた位置にあるステップ(利用者により指定されたステップ)を「現在位置」として記憶し(ステップS711)、画面表示を拡大表示にする(ステップS712)。そして、画面表示制御部11は、ステップ関連性分析部12を呼び出し、ダブルクリックされたステップを「現在位置」として表示位置調整処理を行う(ステップS708)。そして、再びステップS704の処理に戻る。
【0050】
(表示位置調整処理)
次に、図7のステップS703およびステップS708において行う表示位置調整処理を詳細に説明する。
図8は、本実施形態に係るフローチャート表示装置1のステップ関連性分析部12が行う表示位置調整処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
ステップ関連性分析部12は、画面表示制御部11から呼び出されると、まず、図7のステップS702、ステップS707、またはステップS711で「現在位置」として記憶されたいずれかのステップと、他のすべてのステップとの関連性301を評価する(ステップS801)。この関連性301の評価は、前記したように、ステップとステップとをつなぐ矢印の数に基づき決定する。そして、画面表示制御部11は、その評価結果である各ステップごとの関連性301の値を、ステップ関連性分析結果テーブル300に記憶する。ここでは、図17に示したフローチャート100の情報において、図5に示すように、ステップA101が「現在位置」として、各ステップの関連性301を評価するものとして、以下説明する。
【0052】
次に、ステップ関連性分析部12は、関連性301の値としてN=1を記憶する(ステップS802)。このN=1は、ステップS803〜ステップS805における繰り返し処理での「N」の初期値である。そして、ステップ関連性分析部12は、関連性301が「N」以下のステップおよび分岐ステップをすべて含む最小の矩形R(N)を算出する(ステップS803)。
ここでは、N=1であるので、関連性301が「1」以下の構成要素に着目してR(1)を算出する。具体的には、図5に示したステップ関連性分析結果テーブル300においては、関連性301が「1」以下である、ステップA101(関連性301が「0」)およびステップB102(関連性301が「1」)が該当する。そして、このステップA101の座標情報207は、(0,0)−(200,100)であり、ステップB102の座標情報207は、(0,200)−(200,300)であるので、この2つの構成要素を含む最小の矩形R(1)の座標は、(0,0)−(200,300)である。
【0053】
図9は、ステップA101とステップB102とを含む最小の矩形R(1)を示す図である。図9において、太線で示した矩形1110が、ステップA101およびステップB102を含む最小の矩形R(1)を示す。
【0054】
図8に戻り、ステップS804に進み、ステップS803で算出したR(N)が画面内に表示可能か否かを判定する。
ここでは、N=1である矩形R(1)、つまり(0,0)−(200,300)が、前記した画面1000のサイズ(600,600)と比べて、水平方向(x方向)、垂直方向(y方向)共に小さいため、ステップ関連性分析部12は画面表示可能と判定する。
【0055】
そして、ステップS804において、ステップ関連性分析部12は、矩形R(N)が画面内に表示可能と判定した場合(ステップS804→Yes)、関連性「N」に「1」を加えて(ステップS805)、ステップS803へ戻る。
ここでは、関連性「N」に「1」を加えてN=2とした上で、再びステップS803に進む。
【0056】
そして、ステップS803において、ステップ関連性分析部12は、N=2であるので、図5のステップ関連性分析結果テーブル300の関連性301において、「2」以下の構成要素に着目してR(2)を算出する。そして、関連性301が「2」以下の構成要素として、ステップA101、ステップB102、ステップC103、およびステップE105を抽出する。
ここで、ステップA101の座標情報207は(0,0)−(200,100)、ステップB102の座標情報207は(0,200)−(200,300)、ステップC103の座標情報207は(0,400)−(200,500)、ステップE105の座標情報207は(300,400)−(500,500)であるので、これらすべての構成要素を含む最小の矩形R(2)の座標は、(0,0)−(500,500)である。
【0057】
図10は、ステップA101、ステップB102、ステップC103、およびステップE105を含む最小の矩形R(2)を示す図である。図10において、太線で示した矩形1120が、ステップA101、ステップB102、ステップC103、およびステップE105を含む最小の矩形R(2)を示す。
【0058】
図8に戻り、再びステップS804において、ステップS803で算出したR(2)が画面内に表示可能か否かを判定する。
ここでは、N=2である矩形R(2)、つまり(0,0)−(500,500)は、画面1000のサイズ(600,600)と比べて、水平方向(x方向)、垂直方向(y方向)共に小さいため、画面表示可能と判定する。
【0059】
矩形R(2)は、画面内に表示可能と判定されたため(ステップS804→Yes)、再び、ステップS805へ進み、関連性「N」に「1」を加えてN=3とし、ステップS803に進む。
【0060】
そして、ステップ関連性分析部12は、N=3であるので、図5のステップ関連性分析結果テーブル300の関連性301が「3」以下の構成要素に着目してR(3)を算出する。そして、関連性301が「3」以下の構成要素として、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105を抽出する。
【0061】
ここで、関連性301が「3」であるステップD104の座標情報207は(0,600)−(200,700)であるので、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105のすべてを含む最小の矩形R(3)の座標は、(0,0)−(500,700)である。
【0062】
図11は、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105を含む最小の矩形R(3)を示す図である。図11において、太線で示した矩形1130が、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105を含む最小の矩形R(3)を示す。
【0063】
図8に戻り、再びステップS804において、ステップS803で算出したR(3)が画面内に表示可能か否かを判定する。
ここで、N=3である矩形R(3)の座標、つまり(0,0)−(500,700)は、画面1000のサイズ(600,600)と比べて、水平方向(x方向)は小さいが、垂直方向(y方向)が大きいため、画面内に表示可能ではないと判定する。
【0064】
ステップS804において、矩形R(N)が画面内に表示可能でないと判定された場合(ステップS804→No)、ステップ関連性分析部12は、「現在位置」との関連性301が「N−1」以下の矩形R(N−1)が、画面中央に位置するように表示位置を決定する(ステップS806)。ここでは、ステップS804において、N=3であるため、関連性301が「2」以下の構成要素が画面に表示されるように調整する。
具体的には、ステップ関連性分析部12は、表示すべき構成要素をすべて含む矩形R(2)の中央座標が、画面1000の中央に位置するように、表示位置を決定する。
【0065】
図12は、ステップ関連性分析部12による表示位置調整処理が行われた後のフローチャートの位置を示す図である。このように、図10に示した矩形R(2)を示す矩形1120の中心が画面の中央に位置するように決定される。
なお、本実施形態においては、図8のステップS803において、関連性「N」以下のステップおよび分岐ステップが含まれる最小の矩形R(N)を算出するとしたが、これに矢印を加えて最小の矩形を算出することとしてもよい。
【0066】
次に、図13および図14を参照して、利用者の指示により、フローチャートの画面表示が切り替わる様子を説明する。
図13(a)は、初期表示の画面を示す。図13(a)の状態で、ステップC103をクリックすると、図13(b)の表示となる。ステップC103との関連性301が「1」であるステップB102およびステップD104が画面内に収まるように表示位置が決定されている。また、図13(b)の状態で、ステップE105をクリックすると、図13(c)の表示となる。ステップE105との関連性301が「2」以下であるステップA101、ステップB102、およびステップC103が画面内に収まるように表示位置が決定される。ここで仮に従来技術において、ステップE105をクリックした場合は、図18(b)に示すように、ステップA101は画面内に入らず、ステップB102、ステップC103およびステップD104がその一部しか表示されないこととなる。
【0067】
次に図13(c)の状態で、画面をダブルクリックすると、図14(a)のような縮小表示となる。なお、この処理におけるダブルクリックは、画面のどの位置でもよい。この図14(a)の状態でさらにステップB102をダブルクリックすると、拡大表示となり、ステップB102との関連性301が「1」であるステップA101、ステップC103およびステップE105が画面内に表示される。従来技術において、ステップB102をクリックした場合には、図19(b)に示すように、ステップE105および矢印113の一部が表示されないこととなる。
【0068】
以上のように、本実施形態に係るフローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムによれば、フローチャートの表示画面において、関連性が高いステップを同一画面上に表示させ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0069】
(フローチャートの表示方法に関する変形例1)
以上説明した実施形態においては、図8に示した表示位置調整処理のステップS806において、矩形R(N−1)が画面中央に位置するように表示位置を決定した。しかし、ステップ関連性分析部12は、ステップS806において、矩形R(N−1)の代わりに、矩形R(N)が画面中央に位置するように表示位置を決定してもよい。たとえ、ステップS804において、矩形R(N)では画面内にその関連するステップの全部を表示できないと判断したとしても、画面に入りきらない部分が占める割合が大きくない場合、一部が欠けた表示となっても、利用者の利便性を向上させる効果を有するからである。
【0070】
図15は、変形例1において、矩形R(N)の中央座標が画面中央に位置するように表示位置を決定した画面表示例である。図15に示すとおり、N=3、すなわち関連性301が「3」以下の構成要素をすべて表示することにより、ステップA101およびステップD104の矩形の全部は表示できていないが、充分に見やすいものとなる。
【0071】
(フローチャートの表示方法に関する変形例2)
また、図8に示した表示位置調整処理のステップS804において、矩形R(N)が画面上に入りきらないことがわかった場合に、一部変形して表示するようにしてもよい。図16は、一部変形してフローチャートを表示させた例を示している。
図16(a)は、縦方向のみすべてのステップが画面内に収まるように、縦方向を縮小表示した例である。なお、縦方向のみ縮小表示するだけでなく、縦方向(Y座標)と横方向(X座標)の両方を縮小表示してもよい。
また、図16(b)は、画面に入りきらない一部の構成要素、ここでは、ステップA101とステップD104のみ縮小表示した例である。ここで、ステップA101およびステップD104は、矩形のみならず、それらの内部に記載されているステップの名称等のフォントを同時に縮小してもよい。
【0072】
(関連性の評価に関する変形例)
また、本実施形態においては、現在位置となるステップと他のステップとの関連性301の評価を、ステップ間を経由する矢印の数によって決定し、経由する矢印の数が少ないほど関連の度合いが高いとした。この他、この関連性301の評価を、以下の要素を用いて行ってもよい。
【0073】
例えば、フローチャートにおける各ステップ間の矢印による結線の距離を用いて関連性301を評価する。矢印による結線の距離が短いほど関連の度合いが高く、距離が長いほど関連の度合いが低いとする。これは、関連するステップ同士はフローチャートの表示においても近くに位置することが多いことに基づく。また、エラー処理などのステップをフローチャートに表示するときに、意図的に正常な処理のステップとは距離を離して表示させる場合があり、このような場合に、矢印による結線の距離が長いエラー処理のステップに関する関連性301を低く評価することができる。
【0074】
また、データの共通性を用いて関連性301を評価することができる。例えば、利用者による商品の購入に関するフローチャートにおいて、最初のステップで利用者に商品を選択させるため、商品データベースを参照したとする。その後、複数のステップを経た上で、決済に関するステップで、最初のステップで利用者が選択した商品を再度表示させるため、同じ商品データベースを参照することとなる場合がある。このような場合、ステップ間の表示位置として距離は離れていても、共通のデータを使用するという点で、関連性301は高いと評価することができる。
【0075】
さらに、フローチャートにおけるステップの利用頻度を用いて関連性301を評価することができる。例えば、ワークフローのような日々運用されるフローチャートにおいて、正常な処理の流れと、イレギュラーな処理の流れがある場合に、そのステップの利用頻度の統計をとることによって、利用頻度の高い正常な処理の流れに属するステップ同士を関連性301が高いと評価することができる。なお、この利用頻度の統計は、一つのフローチャート表示装置1だけでなく、ネットワークに接続された複数のコンピュータを用いたサーバクライアントシステム全体として、あるフローチャートの利用頻度の統計情報を取得し、その利用頻度を用いて関連性301を評価してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 フローチャート表示装置
2 画面表示装置
3 入力装置
10 制御部
11 画面表示制御部
12 ステップ関連性分析部
20 入出力部(入力部および出力部)
30 メモリ部
40 記憶部
100 フローチャート
200 フローチャート格納テーブル(フローチャート格納情報)
300 ステップ関連性分析結果テーブル
1000 画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムに係り、特に、フローチャートを構成する各ステップの関連性に基づいてフローチャートを表示するフローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業内で業務を行う手順を示す場合や、プログラムの処理内容を示す場合に、フローチャートを用いる場合が多い。このフローチャートは、作業や処理内容の複数ステップを表す矩形と、各ステップの順序を示す矢印等で構成される。
フローチャートが多くのステップを含む等の理由によって、コンピュータの画面上に表示しきれない場合は、その一部だけを表示する方法がとられる。その場合、一部のみを表示した状態では、全体を見渡すことができないため、スクロールやズームを利用する。このスクロールとズームは、フローチャートに限らず、地図を表示するシステムや、文書を表示するシステムにおいても同様に利用されている。
【0003】
ここで、スクロールとは、一部を表示した状態で、表示する箇所を変更することによって、順次全体を表示する方法である。利用者がスクロールをコンピュータに指示する操作方法としては、上下左右に設けられた操作ボタンでスクロールの方向と量を指示する方法や、マウス等を利用してポイントを指定し、その指定したポイントが中心となるように画面を移動させる方法がある。
【0004】
また、ズームとは、全体が画面に入りきるように縮小表示したり、一部分だけを表示するために拡大表示したりすることをいう。このズームを用いて、多段階に拡大と縮小の比率を変更できるようになっているシステムも多い。利用者がズームをコンピュータに指示する操作方法としては、現在表示している画像の中心点を基点に拡大、縮小を指示するボタン等をクリックする方法や、マウスで指定された位置を基点に拡大、縮小する方法等がある。
【0005】
図17〜図19は、従来技術によるフローチャートの表示方法を説明するための図である。
図17は、画面に表示させるフローチャートの一例を示す図である。フローチャート100は、ステップA101,ステップB102,ステップC103,ステップD104,ステップE105、および、各ステップを接続する矢印110,111,112,113の構成要素からなる。
図18および図19は、従来技術を用いて、画面に図17で示したフローチャート100を表示した例を示すものである。これらの図において、フローチャート100のどの部分が表示されるかを分かりやすくするため、実際には画面に表示されない部分も併せて図面に示している。
【0006】
図18(a)は、フローチャートの左上を基点に表示した初期画面の例を示しており、例えば、ステップD104は表示されず、ステップE105や矢印113等はその一部しか表示できていない。
【0007】
図18(b)は、スクロールを用いて表示し直した例を示す。ここでは、利用者が図18(a)の画面でステップE105をマウスでクリックすることにより、ステップE105が画面の中央に位置するようにスクロールを指示したものである。図18(b)では、ステップE105が中央に位置するため、ステップA101は表示されず、さらに、ステップB102、ステップC103およびステップD104が、その一部しか表示されない。
【0008】
図19(a)は、フローチャート100の全体が表示されるように縮小表示したものである。このように縮小表示することによって、全体を見渡すことができる。
【0009】
また、図19(b)は、図19(a)をズームを用いて表示し直した例を示す。ここでは利用者が図19(a)の画面で、ステップB102をダブルクリック(マウスのボタンを素早く2回押す)することで、ステップB102を中心として拡大表示するように指示したものとする。すると、図19(b)に示すように、ステップB102が中央に位置し拡大表示されることとなるが、ステップE105は一部しか表示されない。
【0010】
このように、従来技術では、利用者により指定された着目点を画面の中心とすることで、その着目点と図面上の位置が近い部分を表示することが可能であった。
【0011】
また、他の従来技術として、一画面にフローチャートが入りきらない場合に、利用者が予めフロー図を複数のブロックに分割するようにコンピュータに指示することにより、ブロックごとに印刷することが可能となる技術が開示されている(特許文献1参照)。この技術によれば、関連の強いステップが一つのブロックに含まれるように、利用者が工夫して分割することで、ある程度見やすい印刷を行うことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平5−119943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前記したように、従来のスクロールやズームといった方法では、地図を表示するような場合には、着目点を中心として図面上の位置が近い部分を表示することが可能であるため、着目点の周辺を見やすくすることが可能である。しかしながら、フローチャートの場合、図面上の位置が近いか否かよりも、むしろ矢印で結線されているステップが見えるようにスクロールすることが望まれる。図18(b)や図19(b)に示すように、従来技術のスクロールやズームでは、着目したステップと矢印で接続されているステップを表示できない場合がある。
【0014】
また、特許文献1に記載された技術においては、分割した複数のブロックをまたがって印刷する場合について考慮されていない。つまり、複数のブロックにまたがる部分に着目した印刷を行うためには、改めて分割し直さなければならないという手間がかかるものである。
【0015】
このような背景に鑑みて本発明がなされたのであり、本発明は、利用者の利便性を向上させる、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るフローチャート表示装置は、フローチャートの構成要素に関する情報を記憶するフローチャート格納テーブル(フローチャート格納情報)を備え、そのフローチャート格納テーブルから構成要素に関する情報を読み込む。そして、フローチャート表示装置の画面表示制御部は、入力装置から入出力部を介して利用者が着目する「現在位置」となるステップに関する情報を取得する。次に、画面表示制御部は、ステップ関連性分析部を呼び出し、「現在位置」とするステップと他のステップとの関連性を評価する。画面表示制御部は、関連性の高いステップを同一画面上に表示するように調整して、画面表示装置に表示させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、利用者の利便性を向上させる、フローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施形態に係るフローチャート表示装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】本実施形態に係るフローチャート表示装置により、フローチャートを画面表示装置に表示させた図である。
【図3】本実施形態に係るフローチャート格納テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図4】本実施形態に係るフローチャートを構成する各構成要素の位置(座標値)を補助線を用いて例示した図である。
【図5】本実施形態に係るステップ関連性分析結果テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図6】本実施形態に係る関連性を概念的に説明するための図である。
【図7】本実施形態に係るフローチャート表示装置が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本実施形態に係るフローチャート表示装置のステップ関連性分析部が行う表示位置調整処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本実施形態に係るステップA101とステップB102とを含む最小の矩形R(1)を示す図である。
【図10】本実施形態に係るステップA101、ステップB102、ステップC103およびステップE105を含む最小の矩形R(2)を示す図である。
【図11】本実施形態に係るステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104およびステップE105を含む最小の矩形R(3)を示す図である。
【図12】本実施形態に係るステップ関連性分析部による表示位置調整処理が行われた後のフローチャートの位置を示す図である。
【図13】本実施形態において、利用者の指示により、フローチャートの画面表示が切り替わる様子を説明するための図である。
【図14】本実施形態において、利用者の指示により、フローチャートの画面表示が切り替わる様子を説明するための図である。
【図15】本実施形態の変形例1において、矩形R(N)が画面中央に位置するように表示位置を決定した画面表示例である。
【図16】本実施形態の変形例2において、一部を変形してフローチャートを表示させる例を示す図である。
【図17】画面に表示させるフローチャートの一例を示す図である。
【図18】従来技術において、画面にフローチャートを表示させた例を示す図である。
【図19】従来技術において、画面にフローチャートを表示させた例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態(「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係るフローチャート表示装置1の構成例を示す機能ブロック図である。
フローチャート表示装置1は、入力装置3による利用者からの指示に基づき、画面表示装置2にフローチャートを表示させる制御を行う装置である。なお、入力装置3は、マウスやキーボード、タッチパネル等から構成され、画面表示装置2は、液晶ディスプレイ等から構成される。
そして、このフローチャート表示装置1は、制御部10と、入出力部20と、メモリ部30と、記憶部40とを含んで構成される。
【0021】
制御部10は、画面表示装置2へ出力するフローチャートの表示制御の全般を司り、画面表示制御部11と、ステップ関連性分析部12とを含んで構成される。
【0022】
画面表示制御部11は、記憶部40に記憶されたフローチャート格納テーブル200(後記する図3参照)から、フローチャートを構成するすべてのレコードを読み込む。そして、画面表示制御部11は、入出力部(入力部)20を介して取得した利用者の指示に基づき、フローチャートの表示画面の拡大や縮小を行い、さらに、ステップ関連性分析部12が決定した表示位置に基づき、関連するステップを同一画面上に表示するように表示位置を調整し、入出力部(出力部)20を介して画面表示装置2にフローチャートを表示させる。
【0023】
ここで、画面表示制御部11の制御により、画面表示装置2に表示される表示画面について説明する。図2は、前記した図17に示したフローチャート100を、画面表示装置2に表示した例である。
図2に示す画面1000は、画面表示装置2に表示された表示画面を示している。ここで画面1000の表示サイズは、一例として、縦横共に600ドットとする。最近のOS(Operating System)では、ディスプレイ装置上の画面をウィンドウと呼ぶ矩形に分割して表示する機能が備わっているものが多い。このようなOSを利用して、画面全体を使って表示する代わりに、ウィンドウにフローチャートを表示するようにしてもよい。また、画面やウィンドウを複数の領域に区切って、そのうちの一つまたは複数の領域にフローチャートを表示するようにしてもよい。
なお、画面1000の表示状態は、図2(a)に示す拡大表示と、図2(b)に示す縮小表示とがある。拡大表示は、フローチャート内の文字等が読みやすいように予め設定されたサイズでの表示であり、縮小表示は、フローチャートのすべての構成要素が一画面に収まるように縮小したサイズでの表示とする。
【0024】
この画面表示制御部11は、図2に示すフローチャートを表示するため、記憶部40内のフローチャート格納テーブル(フローチャート格納情報)200を参照する。図3は、本実施形態に係るフローチャート格納テーブル200のデータ構成の一例を示す図である。
フローチャート格納テーブル200は、ステップや矢印等のフローチャートの構成要素ごとに1レコードからなる情報であり、図3に示すように、番号201、種別202、名称203、接続元204、接続先205、開始ステップ206、および座標情報207のデータ項目を含んで構成される。
【0025】
番号201は、各レコードのステップや矢印ごとに付される固有の識別子である。
種別202は、構成要素がステップであるか、分岐ステップであるか、矢印であるかを示す。ここでステップとは、フローチャートを構成する矩形の要素であり「処理」を表す。また、分岐ステップとは、フローチャートを構成するひし形の要素であり「判断」を表す。なお、以下、ステップと分岐ステップについて、単にステップと表現することがある。
名称203は、種別202がステップまたは分岐ステップである場合に格納され、そのステップまたは分岐ステップを表示する際の名称を表す。
接続元204および接続先205は、種別202が矢印である場合に格納され、それぞれ矢印の基点となるステップの番号と、矢印の終点となるステップの番号が格納される。
開始ステップ206は、フローチャート表示装置1を立ち上げフローチャートを表示させた初期画面において、予め現在位置に設定されたステップである。通常、フローチャートのスタートとなる最初のステップが設定される。
【0026】
座標情報207は、フローチャートの各構成要素の表示位置を表す情報である。種別202が「ステップ」である場合は、“(x1,y1)−(x2,y2)”の形式で格納され、(x1,y1)が矩形の左上の座標を、(x2,y2)が矩形の右下の座標を表す。種別202が「分岐ステップ」である場合は、“(x1,y1)−(x1,y2)”の形式で格納され、ひし形を囲む最小の矩形の座標を表しており、(x1,y1)がそのひし形を囲む矩形の左上の座標を、(x2,y2)が右下の座標を表す。種別202が、「矢印」である場合は、“(x1,y1)−(x2,y2)”や “(x1,y1)−(x2,y2)−(x3,y3)”等の形式で格納される。“(x1,y1)−(x2,y2)”の形式で格納される場合は、矢印が2点でつながれた直線であることを示しており、(x1,y1)が始点の座標を、(x2,y2)が終点の座標を表す。“(x1,y1)−(x2,y2)−(x3,y3)”等の形式で格納されている場合は、矢印が途中で折れ曲がっていることを示しており、(x1,y1)が始点の座標を表し、(x2,y2)が折れ曲がる点の座標を表し、(x3,y3)が終点の座標を表す。折れ曲がる点の座標が2点以上ある場合も同様の形式で座標点を増やし表示する。
なお、各座標は、OSが画面表示の座標管理を行う最小単位であるドットで表現されているものとする。ただし、ドットの代わりに、cm(センチメートル)等の別の単位を用いても構わない。
【0027】
ここで、図3のフローチャート格納テーブル200は、その一例として、図17に示すフローチャート100の各構成要素を記憶している。具体的には、番号201が「101」のレコードは、種別202が「ステップ」であり、名称203が「A」である。また、番号201が「102」のレコードは、種別202が「分岐ステップ」であり、名称203が「B」である。さらに、番号201が「110」のレコードは、種別202が「矢印」であり、接続元204は番号が「101」であり、接続先205は番号が「102」である。これによって、「A」という名称のステップ(ステップA101)から「B」という名称のステップ(ステップB102)へ矢印が接続されていることを表している。
【0028】
そして、この座標情報207に記憶される各構成要素の座標値は、例えば以下のように決定する。
図4は、本実施形態に係るフローチャート100を構成する各構成要素の位置(座標値)を補助線を用いて例示した図である。
ここで、補助線1100は、座標を100ドット単位に格子状の破線で表した補助線である。x座標情報1101は、水平方向の座標を表す値であり、y座標情報1102は、垂直方向の座標を表す数値である。
図4に示すとおり、例えば、ステップA101は、フローチャートの座標(0,0)を左上、(200,100)を右下とする矩形である。また、矢印110は、(100,100)を始点とし、(100,200)を終点とする矢印である。
【0029】
図1に戻り、ステップ関連性分析部12は、利用者により着目された現在位置となるステップ(利用者により指定されたステップ)と他のステップとの関連性を評価し、後記するメモリ部30内のステップ関連性分析結果テーブル300(図5参照)に記憶する。そして、ステップ関連性分析部12は、ステップ関連性分析結果テーブル300を参照し、関連性が所定値以下の構成要素をすべて含む最小の矩形を算出する。そして、その最小の矩形が画面1000内に表示可能かを判断し、表示すべき構成要素を含む矩形の中央座標が、画面1000の中央に位置するように、表示位置を決定する。
【0030】
図5は、本実施形態に係るステップ関連性分析結果テーブル300のデータ構成の一例を示す図である。このステップ関連性分析結果テーブル300は、図3に示すフローチャート格納テーブル200のすべてのデータ項目に、関連性301のデータ項目を加えたものである。この関連性301とは、利用者により着目された現在位置となるステップと他のステップとの関連の度合いを示す指標であり、ここでは、ステップとステップとの間を経由する矢印の数に基づき評価する。なお、この現在位置となるステップの特定方法は、後記するように、利用者により入力装置3であるマウス等を用いて、着目するステップがクリックやダブルクリックされることで決定する。
【0031】
図6は、本実施形態に係る関連性301を概念的に説明するための図である。図6においては、図17で示すフローチャート100において、現在位置がステップA101(太枠で示す)とした場合の関連性301を吹き出しの形で数値として示している。
【0032】
まず、ステップA101の関連性301の値を、現在位置として「0」とする。次に、ステップB102は、一つの矢印を経由することでたどり着けるため、関連性301は「1」である。そして、ステップC103およびステップE105は、経由する矢印の数は2つであることから、関連性301は「2」となる。続いて、ステップD104は、3つの矢印を経由するため、関連性301は「3」となる。このように、関連性301の値「N」は、0と正の整数からなる。そして、関連性301は、ステップ間を経由する矢印の数によって決定し、関連性301の値(評価値)が小さいほど関連の度合いが高い指標となる。
ステップ関連性分析部12は、ステップおよび分岐ステップのすべてについてこの関連性301の評価を行い、その結果を、ステップ関連性分析結果テーブル300に格納する。
【0033】
図1に戻り、入出力部(入力部および出力部)20は、入力装置3であるマウスやキーボード、タッチパネル等から制御部10の処理に関する指示を受け付ける。また、制御部10が生成した情報を画面表示装置2に出力する。なお、この入出力部20は、入力インタフェースと出力インタフェースとから構成される。
【0034】
メモリ部30は、RAM(Random Access Memory)等の記憶手段からなり、制御部10の処理に必要な情報を一時的に記憶する。また、メモリ部30は、前記したステップ関連性分析結果テーブル300(図5参照)を記憶する。
【0035】
記憶部40は、前記したフローチャート格納テーブル200(図2参照)を含んで構成される。この記憶部40は、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶手段からなり、制御部10の処理を行うためのプログラム等を記憶する。
なお、この制御部10の機能は、例えばフローチャート表示装置1の記憶部40に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)がメモリ部30に展開し実行することで実現される。
【0036】
また、本実施形態においては、1台のコンピュータであるフローチャート表示装置1にすべての構成を備えるものとしたが、ネットワークに接続された複数のコンピュータを用いて、サーバクライアントシステムとして構成してもよい。その場合、フローチャート表示装置1の画面表示制御部11およびステップ関連性分析部12の機能は、Webシステムとして実現し、利用者によりインターネットブラウザを用いて操作させる。また、利用者がクライアントを操作する際に、ユーザIDやパスワード等を用いて本人であることを確認するログイン機能を備えるようにしてもよい。
【0037】
次に、本実施形態に係るフローチャート表示方法について、図1〜図6を参照しつつ、図7、図8を用いて詳細に説明する。
【0038】
図7は、本実施形態に係るフローチャート表示装置1が行う処理の流れを示すフローチャートである。
【0039】
まず、フローチャート表示装置1の画面表示制御部11は、フローチャート表示装置1が起動されると、フローチャート格納テーブル200(図3参照)からフローチャートを構成するすべてのレコードを読み込む(ステップS701)。なお、ここではフローチャート格納テーブル200に、表示対象となるフローチャートに関する各情報が予め記憶されているものとする。また、図17に示したフローチャート100の情報が図3に示すように、フローチャート格納テーブル200に記憶されているものとして説明する。
【0040】
次に、画面表示制御部11は、読み込んだフローチャート格納テーブル200の情報から、開始ステップ206に指定されているステップを判定し、該当ステップを「現在位置」として記憶する(ステップS702)。図5に示した例では、開始ステップ206の番号201は「101」のステップであり、「現在位置」はステップA101となる。
【0041】
続いて、画面表示制御部11は、ステップ関連性分析部12を呼び出し、「現在位置」としたステップと他のステップとの関連性301の評価を行い、関連性301の高いステップを同一画面上に表示するように調整する表示位置調整処理を行う(ステップS703)。なお、この表示位置調整処理については、後記する図8において詳細に説明する。
【0042】
そして、画面表示制御部11は、各ステップのうちのいずれかが利用者の用いるマウスによりクリック(マウスのボタンを1回押す)されたか否かを判定する(ステップS704)。ここで、ステップがマウスによりクリックされていない場合は(ステップS704→No)、次のステップS705に進む。続いて、画面表示制御部11は、各ステップがマウスによりダブルクリックされたか否かを判定する(ステップS705)。ここで、マウスがダブルクリックされていない場合は(ステップS705→No)、ステップS704へ戻る。つまり、利用者によりマウスがクリックまたはダブルクリックされるのを待つ。
【0043】
一方、ステップS704において、ステップがマウスによりクリックされた場合(ステップS704→Yes)、画面表示制御部11は、画面表示が現在縮小表示か否かを判定する(ステップS706)。表示状態は、図2で説明したように、拡大表示と縮小表示があり、フローチャート表示装置1が起動された最初の状態は拡大表示であるものとする。
【0044】
ステップS706において、画面表示が現在縮小表示であると判定された場合は(ステップS706→Yes)、処理を行わずステップS705に進む。一方、ステップS706において、現在縮小表示でない、つまり拡大表示であると判定された場合は(ステップS706→No)、次のステップS707に進む。
【0045】
ステップS707において、画面表示制御部11は、マウスによりクリックされたステップ(利用者により指定されたステップ)を「現在位置」として記憶する。
【0046】
そして、画面表示制御部11は、ステップS703と同様に、ステップ関連性分析部12を呼び出し、ステップS707で「現在位置」としたステップと他のステップとの関連性301を評価し表示位置調整処理を行う(ステップS708)。そして、再びステップS704の処理に戻る。
【0047】
また、ステップS705において、マウスがダブルクリックされた場合は(ステップS705→Yes)、次のステップS709において、画面表示制御部11は、画面表示が現在縮小表示か否かを判定する。
【0048】
ステップS709において、現在縮小表示でない、つまり拡大表示であると判定された場合は(ステップS709→No)、画面表示制御部11は、画面表示を縮小表示にし(ステップS710)、ステップS704へ戻る。
【0049】
一方、ステップS709において、画面表示が現在縮小表示であると判定された場合は(ステップS709→Yes)、ダブルクリックされた位置にあるステップ(利用者により指定されたステップ)を「現在位置」として記憶し(ステップS711)、画面表示を拡大表示にする(ステップS712)。そして、画面表示制御部11は、ステップ関連性分析部12を呼び出し、ダブルクリックされたステップを「現在位置」として表示位置調整処理を行う(ステップS708)。そして、再びステップS704の処理に戻る。
【0050】
(表示位置調整処理)
次に、図7のステップS703およびステップS708において行う表示位置調整処理を詳細に説明する。
図8は、本実施形態に係るフローチャート表示装置1のステップ関連性分析部12が行う表示位置調整処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
ステップ関連性分析部12は、画面表示制御部11から呼び出されると、まず、図7のステップS702、ステップS707、またはステップS711で「現在位置」として記憶されたいずれかのステップと、他のすべてのステップとの関連性301を評価する(ステップS801)。この関連性301の評価は、前記したように、ステップとステップとをつなぐ矢印の数に基づき決定する。そして、画面表示制御部11は、その評価結果である各ステップごとの関連性301の値を、ステップ関連性分析結果テーブル300に記憶する。ここでは、図17に示したフローチャート100の情報において、図5に示すように、ステップA101が「現在位置」として、各ステップの関連性301を評価するものとして、以下説明する。
【0052】
次に、ステップ関連性分析部12は、関連性301の値としてN=1を記憶する(ステップS802)。このN=1は、ステップS803〜ステップS805における繰り返し処理での「N」の初期値である。そして、ステップ関連性分析部12は、関連性301が「N」以下のステップおよび分岐ステップをすべて含む最小の矩形R(N)を算出する(ステップS803)。
ここでは、N=1であるので、関連性301が「1」以下の構成要素に着目してR(1)を算出する。具体的には、図5に示したステップ関連性分析結果テーブル300においては、関連性301が「1」以下である、ステップA101(関連性301が「0」)およびステップB102(関連性301が「1」)が該当する。そして、このステップA101の座標情報207は、(0,0)−(200,100)であり、ステップB102の座標情報207は、(0,200)−(200,300)であるので、この2つの構成要素を含む最小の矩形R(1)の座標は、(0,0)−(200,300)である。
【0053】
図9は、ステップA101とステップB102とを含む最小の矩形R(1)を示す図である。図9において、太線で示した矩形1110が、ステップA101およびステップB102を含む最小の矩形R(1)を示す。
【0054】
図8に戻り、ステップS804に進み、ステップS803で算出したR(N)が画面内に表示可能か否かを判定する。
ここでは、N=1である矩形R(1)、つまり(0,0)−(200,300)が、前記した画面1000のサイズ(600,600)と比べて、水平方向(x方向)、垂直方向(y方向)共に小さいため、ステップ関連性分析部12は画面表示可能と判定する。
【0055】
そして、ステップS804において、ステップ関連性分析部12は、矩形R(N)が画面内に表示可能と判定した場合(ステップS804→Yes)、関連性「N」に「1」を加えて(ステップS805)、ステップS803へ戻る。
ここでは、関連性「N」に「1」を加えてN=2とした上で、再びステップS803に進む。
【0056】
そして、ステップS803において、ステップ関連性分析部12は、N=2であるので、図5のステップ関連性分析結果テーブル300の関連性301において、「2」以下の構成要素に着目してR(2)を算出する。そして、関連性301が「2」以下の構成要素として、ステップA101、ステップB102、ステップC103、およびステップE105を抽出する。
ここで、ステップA101の座標情報207は(0,0)−(200,100)、ステップB102の座標情報207は(0,200)−(200,300)、ステップC103の座標情報207は(0,400)−(200,500)、ステップE105の座標情報207は(300,400)−(500,500)であるので、これらすべての構成要素を含む最小の矩形R(2)の座標は、(0,0)−(500,500)である。
【0057】
図10は、ステップA101、ステップB102、ステップC103、およびステップE105を含む最小の矩形R(2)を示す図である。図10において、太線で示した矩形1120が、ステップA101、ステップB102、ステップC103、およびステップE105を含む最小の矩形R(2)を示す。
【0058】
図8に戻り、再びステップS804において、ステップS803で算出したR(2)が画面内に表示可能か否かを判定する。
ここでは、N=2である矩形R(2)、つまり(0,0)−(500,500)は、画面1000のサイズ(600,600)と比べて、水平方向(x方向)、垂直方向(y方向)共に小さいため、画面表示可能と判定する。
【0059】
矩形R(2)は、画面内に表示可能と判定されたため(ステップS804→Yes)、再び、ステップS805へ進み、関連性「N」に「1」を加えてN=3とし、ステップS803に進む。
【0060】
そして、ステップ関連性分析部12は、N=3であるので、図5のステップ関連性分析結果テーブル300の関連性301が「3」以下の構成要素に着目してR(3)を算出する。そして、関連性301が「3」以下の構成要素として、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105を抽出する。
【0061】
ここで、関連性301が「3」であるステップD104の座標情報207は(0,600)−(200,700)であるので、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105のすべてを含む最小の矩形R(3)の座標は、(0,0)−(500,700)である。
【0062】
図11は、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105を含む最小の矩形R(3)を示す図である。図11において、太線で示した矩形1130が、ステップA101、ステップB102、ステップC103、ステップD104、およびステップE105を含む最小の矩形R(3)を示す。
【0063】
図8に戻り、再びステップS804において、ステップS803で算出したR(3)が画面内に表示可能か否かを判定する。
ここで、N=3である矩形R(3)の座標、つまり(0,0)−(500,700)は、画面1000のサイズ(600,600)と比べて、水平方向(x方向)は小さいが、垂直方向(y方向)が大きいため、画面内に表示可能ではないと判定する。
【0064】
ステップS804において、矩形R(N)が画面内に表示可能でないと判定された場合(ステップS804→No)、ステップ関連性分析部12は、「現在位置」との関連性301が「N−1」以下の矩形R(N−1)が、画面中央に位置するように表示位置を決定する(ステップS806)。ここでは、ステップS804において、N=3であるため、関連性301が「2」以下の構成要素が画面に表示されるように調整する。
具体的には、ステップ関連性分析部12は、表示すべき構成要素をすべて含む矩形R(2)の中央座標が、画面1000の中央に位置するように、表示位置を決定する。
【0065】
図12は、ステップ関連性分析部12による表示位置調整処理が行われた後のフローチャートの位置を示す図である。このように、図10に示した矩形R(2)を示す矩形1120の中心が画面の中央に位置するように決定される。
なお、本実施形態においては、図8のステップS803において、関連性「N」以下のステップおよび分岐ステップが含まれる最小の矩形R(N)を算出するとしたが、これに矢印を加えて最小の矩形を算出することとしてもよい。
【0066】
次に、図13および図14を参照して、利用者の指示により、フローチャートの画面表示が切り替わる様子を説明する。
図13(a)は、初期表示の画面を示す。図13(a)の状態で、ステップC103をクリックすると、図13(b)の表示となる。ステップC103との関連性301が「1」であるステップB102およびステップD104が画面内に収まるように表示位置が決定されている。また、図13(b)の状態で、ステップE105をクリックすると、図13(c)の表示となる。ステップE105との関連性301が「2」以下であるステップA101、ステップB102、およびステップC103が画面内に収まるように表示位置が決定される。ここで仮に従来技術において、ステップE105をクリックした場合は、図18(b)に示すように、ステップA101は画面内に入らず、ステップB102、ステップC103およびステップD104がその一部しか表示されないこととなる。
【0067】
次に図13(c)の状態で、画面をダブルクリックすると、図14(a)のような縮小表示となる。なお、この処理におけるダブルクリックは、画面のどの位置でもよい。この図14(a)の状態でさらにステップB102をダブルクリックすると、拡大表示となり、ステップB102との関連性301が「1」であるステップA101、ステップC103およびステップE105が画面内に表示される。従来技術において、ステップB102をクリックした場合には、図19(b)に示すように、ステップE105および矢印113の一部が表示されないこととなる。
【0068】
以上のように、本実施形態に係るフローチャート表示装置、フローチャート表示方法およびプログラムによれば、フローチャートの表示画面において、関連性が高いステップを同一画面上に表示させ、利用者の利便性を向上させることができる。
【0069】
(フローチャートの表示方法に関する変形例1)
以上説明した実施形態においては、図8に示した表示位置調整処理のステップS806において、矩形R(N−1)が画面中央に位置するように表示位置を決定した。しかし、ステップ関連性分析部12は、ステップS806において、矩形R(N−1)の代わりに、矩形R(N)が画面中央に位置するように表示位置を決定してもよい。たとえ、ステップS804において、矩形R(N)では画面内にその関連するステップの全部を表示できないと判断したとしても、画面に入りきらない部分が占める割合が大きくない場合、一部が欠けた表示となっても、利用者の利便性を向上させる効果を有するからである。
【0070】
図15は、変形例1において、矩形R(N)の中央座標が画面中央に位置するように表示位置を決定した画面表示例である。図15に示すとおり、N=3、すなわち関連性301が「3」以下の構成要素をすべて表示することにより、ステップA101およびステップD104の矩形の全部は表示できていないが、充分に見やすいものとなる。
【0071】
(フローチャートの表示方法に関する変形例2)
また、図8に示した表示位置調整処理のステップS804において、矩形R(N)が画面上に入りきらないことがわかった場合に、一部変形して表示するようにしてもよい。図16は、一部変形してフローチャートを表示させた例を示している。
図16(a)は、縦方向のみすべてのステップが画面内に収まるように、縦方向を縮小表示した例である。なお、縦方向のみ縮小表示するだけでなく、縦方向(Y座標)と横方向(X座標)の両方を縮小表示してもよい。
また、図16(b)は、画面に入りきらない一部の構成要素、ここでは、ステップA101とステップD104のみ縮小表示した例である。ここで、ステップA101およびステップD104は、矩形のみならず、それらの内部に記載されているステップの名称等のフォントを同時に縮小してもよい。
【0072】
(関連性の評価に関する変形例)
また、本実施形態においては、現在位置となるステップと他のステップとの関連性301の評価を、ステップ間を経由する矢印の数によって決定し、経由する矢印の数が少ないほど関連の度合いが高いとした。この他、この関連性301の評価を、以下の要素を用いて行ってもよい。
【0073】
例えば、フローチャートにおける各ステップ間の矢印による結線の距離を用いて関連性301を評価する。矢印による結線の距離が短いほど関連の度合いが高く、距離が長いほど関連の度合いが低いとする。これは、関連するステップ同士はフローチャートの表示においても近くに位置することが多いことに基づく。また、エラー処理などのステップをフローチャートに表示するときに、意図的に正常な処理のステップとは距離を離して表示させる場合があり、このような場合に、矢印による結線の距離が長いエラー処理のステップに関する関連性301を低く評価することができる。
【0074】
また、データの共通性を用いて関連性301を評価することができる。例えば、利用者による商品の購入に関するフローチャートにおいて、最初のステップで利用者に商品を選択させるため、商品データベースを参照したとする。その後、複数のステップを経た上で、決済に関するステップで、最初のステップで利用者が選択した商品を再度表示させるため、同じ商品データベースを参照することとなる場合がある。このような場合、ステップ間の表示位置として距離は離れていても、共通のデータを使用するという点で、関連性301は高いと評価することができる。
【0075】
さらに、フローチャートにおけるステップの利用頻度を用いて関連性301を評価することができる。例えば、ワークフローのような日々運用されるフローチャートにおいて、正常な処理の流れと、イレギュラーな処理の流れがある場合に、そのステップの利用頻度の統計をとることによって、利用頻度の高い正常な処理の流れに属するステップ同士を関連性301が高いと評価することができる。なお、この利用頻度の統計は、一つのフローチャート表示装置1だけでなく、ネットワークに接続された複数のコンピュータを用いたサーバクライアントシステム全体として、あるフローチャートの利用頻度の統計情報を取得し、その利用頻度を用いて関連性301を評価してもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 フローチャート表示装置
2 画面表示装置
3 入力装置
10 制御部
11 画面表示制御部
12 ステップ関連性分析部
20 入出力部(入力部および出力部)
30 メモリ部
40 記憶部
100 フローチャート
200 フローチャート格納テーブル(フローチャート格納情報)
300 ステップ関連性分析結果テーブル
1000 画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フローチャートを構成する、複数のステップおよび前記複数のステップの処理手順を示す矢印の表示位置を調整し、画面表示装置に表示させるフローチャート表示装置であって、
前記ステップおよび前記矢印の座標情報を含むフローチャート格納情報が記憶される記憶部と、
入力装置から利用者により指定されたステップに関する情報を受け付ける入力部と、
前記利用者により指定されたステップと、前記指定されたステップ以外の他のステップとの関連性を評価し、
前記評価した前記関連性の評価値を用いて、前記他のステップのうち、前記利用者により指定されたステップとの関連性が高い前記他のステップを抽出し、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを同一画面上に表示するように、前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報に基づき前記フローチャートの表示位置を決定するステップ関連性分析部と、
前記ステップ関連性分析部により決定された前記フローチャートの表示位置に基づき、前記画面表示装置に表示させるフローチャートの表示位置を調整する画面表示制御部と、
前記画面表示制御部により調整された前記フローチャートの表示位置に関する情報を、前記画面表示装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とするフローチャート表示装置。
【請求項2】
前記ステップ関連性分析部は、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間において経由する前記矢印の数を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した経由する矢印の数が少ないほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項1に記載のフローチャート表示装置。
【請求項3】
前記ステップ関連性分析部は、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間の矢印による結線の距離を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した矢印による結線の距離が短いほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項1に記載のフローチャート表示装置。
【請求項4】
前記ステップ関連性分析部は、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとにおいて使用されるデータの共通性を前記関連性の評価値として算出し、共通するデータベースに備わるデータを使用するほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項1に記載のフローチャート表示装置。
【請求項5】
前記ステップ関連性分析部は、
前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報を用いて、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを含む最小の矩形となる座標を算出し、前記算出した矩形の中央座標が、前記画面表示装置に表示される画面の中央に位置するように、前記フローチャートの表示位置を決定すること
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のフローチャート表示装置。
【請求項6】
フローチャートを構成する、複数のステップおよび前記複数のステップの処理手順を示す矢印の表示位置を調整し、画面表示装置に表示させるフローチャート表示装置に用いられるフローチャート表示方法であって、
前記フローチャート表示装置は、
前記ステップおよび前記矢印の座標情報を含むフローチャート格納情報が記憶される記憶部を備えており、
入力装置から利用者により指定されたステップに関する情報を受け付け、
前記利用者により指定されたステップと、前記指定されたステップ以外の他のステップとの関連性を評価し、
前記関連性を評価した評価値を用いて、前記他のステップのうち、前記利用者により指定されたステップとの関連性が高い前記他のステップを抽出し、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを同一画面上に表示するように、前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報に基づき前記フローチャートの表示位置を決定し、
前記決定された前記フローチャートの表示位置に基づき、前記画面表示装置に表示させるフローチャートの表示位置を調整し、
前記調整された前記フローチャートの表示位置に関する情報を、前記画面表示装置に出力すること、
を特徴とするフローチャート表示方法。
【請求項7】
前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとの関連性の評価において、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間において経由する前記矢印の数を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した経由する矢印の数が少ないほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項6に記載のフローチャート表示方法。
【請求項8】
前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとの関連性の評価において、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間の矢印による結線の距離を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した矢印による結線の距離が短いほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項6に記載のフローチャート表示方法。
【請求項9】
前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとの関連性の評価において、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとにおいて使用されるデータの共通性を前記関連性の評価値として算出し、共通するデータベースに備わるデータを使用するほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項6に記載のフローチャート表示方法。
【請求項10】
前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報を用いて、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを含む最小の矩形となる座標を算出し、前記算出した矩形の中央座標が、前記画面表示装置に表示される画面の中央に位置するように、前記フローチャートの表示位置を決定すること
を特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載のフローチャート表示方法。
【請求項11】
フローチャートを構成する、複数のステップおよび前記複数のステップの処理手順を示す矢印の表示位置を調整し、画面表示装置に表示させるコンピュータに、
前記ステップおよび前記矢印の座標情報を含むフローチャート格納情報を記憶する機能と、
入力装置から利用者により指定されたステップに関する情報を受け付ける機能と、
前記利用者により指定されたステップと、前記指定されたステップ以外の他のステップとの関連性を評価する機能と、
前記関連性を評価した評価値を用いて、前記他のステップのうち、前記利用者により指定されたステップとの関連性が高い前記他のステップを抽出し、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを同一画面上に表示するように、前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報に基づき前記フローチャートの表示位置を決定する機能と、
前記決定された前記フローチャートの表示位置に基づき、前記画面表示装置に表示させるフローチャートの表示位置を調整する機能と、
前記調整された前記フローチャートの表示位置に関する情報を、前記画面表示装置に出力する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【請求項1】
フローチャートを構成する、複数のステップおよび前記複数のステップの処理手順を示す矢印の表示位置を調整し、画面表示装置に表示させるフローチャート表示装置であって、
前記ステップおよび前記矢印の座標情報を含むフローチャート格納情報が記憶される記憶部と、
入力装置から利用者により指定されたステップに関する情報を受け付ける入力部と、
前記利用者により指定されたステップと、前記指定されたステップ以外の他のステップとの関連性を評価し、
前記評価した前記関連性の評価値を用いて、前記他のステップのうち、前記利用者により指定されたステップとの関連性が高い前記他のステップを抽出し、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを同一画面上に表示するように、前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報に基づき前記フローチャートの表示位置を決定するステップ関連性分析部と、
前記ステップ関連性分析部により決定された前記フローチャートの表示位置に基づき、前記画面表示装置に表示させるフローチャートの表示位置を調整する画面表示制御部と、
前記画面表示制御部により調整された前記フローチャートの表示位置に関する情報を、前記画面表示装置に出力する出力部と、
を備えることを特徴とするフローチャート表示装置。
【請求項2】
前記ステップ関連性分析部は、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間において経由する前記矢印の数を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した経由する矢印の数が少ないほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項1に記載のフローチャート表示装置。
【請求項3】
前記ステップ関連性分析部は、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間の矢印による結線の距離を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した矢印による結線の距離が短いほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項1に記載のフローチャート表示装置。
【請求項4】
前記ステップ関連性分析部は、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとにおいて使用されるデータの共通性を前記関連性の評価値として算出し、共通するデータベースに備わるデータを使用するほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項1に記載のフローチャート表示装置。
【請求項5】
前記ステップ関連性分析部は、
前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報を用いて、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを含む最小の矩形となる座標を算出し、前記算出した矩形の中央座標が、前記画面表示装置に表示される画面の中央に位置するように、前記フローチャートの表示位置を決定すること
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のフローチャート表示装置。
【請求項6】
フローチャートを構成する、複数のステップおよび前記複数のステップの処理手順を示す矢印の表示位置を調整し、画面表示装置に表示させるフローチャート表示装置に用いられるフローチャート表示方法であって、
前記フローチャート表示装置は、
前記ステップおよび前記矢印の座標情報を含むフローチャート格納情報が記憶される記憶部を備えており、
入力装置から利用者により指定されたステップに関する情報を受け付け、
前記利用者により指定されたステップと、前記指定されたステップ以外の他のステップとの関連性を評価し、
前記関連性を評価した評価値を用いて、前記他のステップのうち、前記利用者により指定されたステップとの関連性が高い前記他のステップを抽出し、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを同一画面上に表示するように、前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報に基づき前記フローチャートの表示位置を決定し、
前記決定された前記フローチャートの表示位置に基づき、前記画面表示装置に表示させるフローチャートの表示位置を調整し、
前記調整された前記フローチャートの表示位置に関する情報を、前記画面表示装置に出力すること、
を特徴とするフローチャート表示方法。
【請求項7】
前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとの関連性の評価において、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間において経由する前記矢印の数を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した経由する矢印の数が少ないほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項6に記載のフローチャート表示方法。
【請求項8】
前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとの関連性の評価において、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップと間の矢印による結線の距離を前記関連性の評価値として算出し、前記算出した矢印による結線の距離が短いほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項6に記載のフローチャート表示方法。
【請求項9】
前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとの関連性の評価において、
前記他のステップごとに、前記利用者により指定されたステップと前記他のステップとにおいて使用されるデータの共通性を前記関連性の評価値として算出し、共通するデータベースに備わるデータを使用するほど前記関連性が高いと評価すること
を特徴とする請求項6に記載のフローチャート表示方法。
【請求項10】
前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報を用いて、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを含む最小の矩形となる座標を算出し、前記算出した矩形の中央座標が、前記画面表示装置に表示される画面の中央に位置するように、前記フローチャートの表示位置を決定すること
を特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載のフローチャート表示方法。
【請求項11】
フローチャートを構成する、複数のステップおよび前記複数のステップの処理手順を示す矢印の表示位置を調整し、画面表示装置に表示させるコンピュータに、
前記ステップおよび前記矢印の座標情報を含むフローチャート格納情報を記憶する機能と、
入力装置から利用者により指定されたステップに関する情報を受け付ける機能と、
前記利用者により指定されたステップと、前記指定されたステップ以外の他のステップとの関連性を評価する機能と、
前記関連性を評価した評価値を用いて、前記他のステップのうち、前記利用者により指定されたステップとの関連性が高い前記他のステップを抽出し、前記抽出した他のステップと前記利用者により指定されたステップとを同一画面上に表示するように、前記フローチャート格納情報に記憶された前記座標情報に基づき前記フローチャートの表示位置を決定する機能と、
前記決定された前記フローチャートの表示位置に基づき、前記画面表示装置に表示させるフローチャートの表示位置を調整する機能と、
前記調整された前記フローチャートの表示位置に関する情報を、前記画面表示装置に出力する機能と、
を実現させることを特徴とするプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−95874(P2011−95874A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247214(P2009−247214)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
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