ブラインド及びブラインドのスラット制御方法
【課題】スラットを異なる回動速度で角度調節可能としながら、同一角度に回動し得る電動ブラインド電動ブラインドを提供する。
【解決手段】スラット角度調節装置には、共通の駆動軸の回転に基づいて、上段部のスラットと下段部のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、モーターの動作を制御するコントローラー39と、スラットの角度を検出する位置検出センサー34とを備え、コントローラー39は、操作信号と、位置検出センサーの出力信号とに基づいて、上段部のスラット24aと下段部のスラット24bを同一の斜め角度に回動する自動制御機能を備えた。
【解決手段】スラット角度調節装置には、共通の駆動軸の回転に基づいて、上段部のスラットと下段部のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、モーターの動作を制御するコントローラー39と、スラットの角度を検出する位置検出センサー34とを備え、コントローラー39は、操作信号と、位置検出センサーの出力信号とに基づいて、上段部のスラット24aと下段部のスラット24bを同一の斜め角度に回動する自動制御機能を備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、2群のスラットを異なる回動速度で角度調節可能としたブラインドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドは、ヘッドボックスからラダーコードを介して多数段のスラットが吊下支持され、操作装置の操作によりラダーコードを介して各スラットを角度調節するようになっている。
【0003】
このような横型ブラインドでは、上段部のスラットと下段部のスラットの角度を異なる角度に角度調節可能として、例えば下段部のスラットを全閉状態としながら、上段部のスラットを水平方向として外光を採り入れ可能としたものがある。
【0004】
特許文献1には、上部スラット群と下部スラット群をそれぞれ上部用ラダーコードと下部用ラダーコードで支持し、各ラダーコードを共通の回転軸で駆動して、上部スラット群と下部スラット群の角度を異なる角度に調節可能とした横型ブラインドが開示されている。
【0005】
特許文献2には、上段部のスラットと下段部のスラットをそれぞれ別個のラダーコードで支持し、各ラダーコードをそれぞれ旋回ドラムで支持し、各旋回ドラムは一方の旋回ドラムが所定角度回動した後に他方の旋回ドラムが回動して、上段部のスラットと下段部のスラットを異なる角度に調節可能とした横型ブラインドが開示されている。
【0006】
特許文献3には、上段部のスラットと下段部のスラットをそれぞれ別個のラダーコードで吊下支持するとともに共通の駆動軸で異なる角度に回動可能とし、かつ上段部のスラット及び下段部のスラットを全閉状態及び逆全閉状態まで回動可能とした横型ブラインドが開示されている。
【特許文献1】特開2006−283321号公報
【特許文献2】特公昭63−55595号公報
【特許文献3】特開2008−88797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された横型ブラインドでは、上部スラット群と下部スラット群を同時に水平方向となるように回動することが容易でないとともに、全閉状態からスラットをほぼ180度回動させて、逆方向に全閉状態とすることもできないという問題点がある。
【0008】
特許文献2に記載された横型ブラインドでは、下段部のスラットが所定角度回動された後に、上段部のスラットが同方向に回動されるため、上段部のスラットを全閉状態まで回動するためには、全閉状態まで回動された下段部のスラットとボトムバーをラダーコードで若干引き上げる必要があるため、操作力が増大する。
【0009】
また、上段部及び下段部のスラットを逆方向に全閉状態となるまで回動することはできないという問題点もある。
特許文献3に記載された横型ブラインドでは、上段部及び下段部のスラットの回動角度を、全閉状態から逆全閉状態までの間の角度で同一角度となるように回動することができないという問題点がある。
【0010】
この発明の目的は、スラットを異なる回動速度で角度調節可能としながら、同一角度に回動し得る電動ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1では、モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えた電動横型ブラインドにおいて、ヘッドボックスから第一のラダーコードを介して上段部のスラットを吊下支持し、前記ヘッドボックスから第二のラダーコードを介して下段部のスラットを吊下支持し、前記スラット角度調節装置には、共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、前記モーターの動作を制御するコントローラーと、前記スラットの角度を検出する位置検出センサーとを備え、前記コントローラーは、操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを同一の斜め角度に回動する自動制御機能を備えた。
【0012】
請求項2では、前記コントローラーは、前記操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットを斜め方向に回動し、前記下段部のスラットを全閉方向に回動する自動制御機能を備えた。
【0013】
請求項3では、前記操作信号を、操作スイッチから前記コントローラーに入力した。
請求項4では、前記操作信号を、中央制御装置からコントローラーに入力した。
請求項5では、前記コントローラーには、上段部及び下段部のスラットを同一角度に回動するための準備角度を設定した変換テーブルを備えた。
【0014】
請求項6では、前記操作スイッチの複数のスイッチの押圧操作の組み合わせに基づいて前記操作信号を生成する。
請求項7では、モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えたブラインドにおいて、ハンガーレールから第一のランナーを介して第一のスラットを吊下支持し、前記ハンガーレールから第二のランナーを介して第二のスラットを吊下支持し、前記スラット角度調節装置には、共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、前記モーターの動作を制御するコントローラーと、前記スラットの角度を検出する位置検出センサーとを備え、前記コントローラーは、操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを同一角度に回動する自動制御機能を備えた。
【0015】
請求項8では、異なる速度で2群のスラットを回動させる駆動手段を備えたブラインドにおいて、指示角度に対する準備角度をあらかじめ複数設定し、前記2群のスラットを同一角度とする指令信号に基づいて、前記スラットを全閉状態まで回動し、次いで前記スラットを前記指示角度に対する準備角度になるまで回動し、次いで前記スラットを前記指示角度まで逆方向に回動する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スラットを異なる回動速度で角度調節可能としながら、同一角度に回動し得る電動ブラインドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態の電動横型ブラインドを図面に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、ヘッドボックス21内の両側部には、ラダーコード吊下装置22が配設され、そのラダーコード吊下装置22から第一のラダーコード23aと第二のラダーコード23bが吊下支持されている。
【0019】
前記第一のラダーコード23aには上段部のスラット24aが支持され、その下端には中間ボトムレール25が取着されている。前記第二のラダーコード23bには下段部のスラット24bが支持され、その下端にボトムレール26が吊下支持されている。なお、第二のラダーコード23bの上部の横糸は、上段部のスラット24aに干渉しないように切除されている。
【0020】
前記ラダーコード吊下装置22は、前記ヘッドボックス21内に固定されたケース27a,27b内に設けられる。図2及び図3に示すように、ケース27a,27bには同一径の駆動ドラム(駆動手段)28a,28bがそれぞれ回転可能に支持され、その駆動ドラム28a,28bに駆動軸29が相対回転不能に挿通されている。
【0021】
前記駆動軸29の端部は、前記ヘッドボックス21の一方端部に配設されるモーター30の出力軸に連結され、モーター30の作動により正逆回転される。
前記駆動ドラム28aの外周面には捩りコイルスプリングで構成されるクラッチスプリング31aが取着されるとともに、図4に示すように、小径の吊下げドラム32aが回動可能に支持されている。その吊下げドラム32aはクラッチスプリング31aの端部に係合して、クラッチスプリング31aと一体に回転するようになっている。そして、吊下げドラム32aに前記第一のラダーコード23aの上端が取着されている。
【0022】
同様に、前記駆動ドラム28bの外周面には捩りコイルスプリングで構成されるクラッチスプリング31bが取着されるとともに、図5に示すように、大径の吊下げドラム32bが回動可能に支持されている。その吊下げドラム32bはクラッチスプリング31bの端部に係合して、クラッチスプリング31bと一体に回転するようになっている。そして、吊下げドラム32bに前記第二のラダーコード23bの上端が取着されている。
【0023】
図2に示すように、前記ケース27aには前記クラッチスプリング31aの端部の回動軌跡上にストッパー部33aが設けられている。そして、クラッチスプリング31aの端部がストッパー部33aに当接すると、クラッチスプリング31aの同方向へのそれ以上の回動が阻止されるとともに、クラッチスプリング31aが拡径されて駆動ドラム28aとの摩擦が減少し、駆動ドラム28aがクラッチスプリング31aに対し空回りするようになっている。
【0024】
従って、クラッチスプリング31a及び吊下げドラム32aは、回動許容角度αの範囲で回動可能となっている。
図3に示すように、前記ケース27bには前記クラッチスプリング31bの端部の回動軌跡上にストッパー部33bが設けられている。そして、クラッチスプリング31bの端部がストッパー部33bに当接すると、クラッチスプリング31bの同方向へのそれ以上の回動が阻止されるとともに、クラッチスプリング31bが拡径されて駆動ドラム28bとの摩擦が減少し、駆動ドラム28bがクラッチスプリング31bに対し空回りするようになっている。
【0025】
従って、クラッチスプリング31b及び吊下げドラム32bは、回動許容角度βの範囲で回動可能となっている。また、αは180度を越える角度であり、βはαより小さい角度であり、120度程度に設定され、スラット24bの回動角はスラット24aの回動角のほぼ2倍となるように設定されている。
【0026】
図1に示すように、前記ケース27bには昇降テープ47を巻き取るためのプーリー48が回転可能に支持され、そのプーリー48に昇降テープ47の上端部が巻着されている。昇降テープ47は、前記スラット24a,24b及び中間ボトムレール25に挿通され、その下端に前記ボトムレール26が吊下支持されている。
【0027】
前記プーリー48には、前記駆動軸29が相対回転不能に挿通され、駆動軸29と一体に回転するようになっている。そして、駆動軸29の回転に基づいてプーリー48が昇降テープ47の巻取り方向に回転されると、昇降テープ47がプーリー48に巻き取られて、ボトムレール26が引き上げられる。また、駆動軸29の回転に基づいてプーリー48が昇降テープ47の巻戻し方向に回転されると、昇降テープ47がプーリー48から巻戻されて、ボトムレール26が下降する。
【0028】
図1に示すように、前記ヘッドボックス21内の中間部には位置検出センサー34が配設され、前記駆動軸29が挿通されている。前記位置検出センサー34は、図6及び図7に示すように、ケース35内にスリット板36が回転可能に支持され、そのスリット板36の中央部に前記駆動軸29が相対回動不能に挿通されている。前記スリット板36の外周部には径方向に延びる多数のスリット37が周方向に等間隔に形成されている。
【0029】
前記ケース35の下部には、前記スリット板36を挟むようにフォトインタラプタ38が取着されている。フォトインタラプタ38は、前記スリット37の通過にともなってパルス信号を出力するようになっている。
【0030】
図1に示すように、前記ヘッドボックス21の他方端部にはコントローラー39が配設され、前記位置検出センサー34の出力信号や、操作スイッチ40の操作信号等が入力される。そして、コントローラー39は入力された信号と、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて前記モーター30を制御するとともに、スラットの高さ位置データ及び角度データを記憶する手段を備えている。
【0031】
前記操作スイッチ40は、この電動横型ブラインドの設置位置近傍の壁面等に取着される。その具体的構成を図8に従って説明する。
操作スイッチ40には、上昇スイッチ41と、停止スイッチ42と、下降スイッチ43と、設定スイッチ44及び発光ダイオード(以下LEDとする)50と、スラット回動スイッチ45,46が備えられている。次に、各操作スイッチの押圧操作に基づくコントローラー39の基本制御を説明する。
【0032】
上昇スイッチ41が押圧されると、モーター30により駆動軸29が昇降テープ47の巻取り方向に回転され、昇降テープ47がプーリー48に巻き取られてボトムレール26が引き上げられ、スラット24a,24bが下段側のスラットから順次ボトムレール26上に積層されて引き上げられる。このとき、スラット24a,24bはその凸面を室内側(逆全閉状態)として上昇する。
【0033】
下降スイッチ43が押圧されると、モーター30により駆動軸29が昇降テープ47の巻戻し方向に回転され、プーリー48から昇降テープ47が巻戻されて、ボトムレール26が下降し、スラット24a,24bが上段側のスラットから第一及び第二のラダーコード23a,23bに支持される状態に順次復帰する。このとき、スラット24a,24bはその凸面を室外側(全閉状態)として下降する。
【0034】
停止スイッチ42が押圧されると、上記昇降動作が停止される。また、スラット回動スイッチ45が押圧されると、当該スイッチが押圧されている間、スラット24a,24bがその凸面を室外側とする全閉方向に回動される。スラット回動スイッチ46が押圧されると、当該スイッチが押圧されている間、スラット24a,24bがその凸面を室内側とする逆全閉方向に回動される。
【0035】
前記設定スイッチ44が押圧されると、前記LED50が点灯される。この状態で、スラット回動スイッチ45が押圧されると、コントローラー39に設定されたプログラムに基づいて、スラット24aが凸面を室外側として斜め45度方向に回動され、かつスラット24bが全閉方向(凸面を室外側としてほぼ垂直方向となる状態)となるように制御される。また、前記LED50が点灯された状態で、スラット回動スイッチ46が押圧されると、上段部及び下段部のスラット24a,24bがともに凸面を室外側として斜め45度方向となるように制御される。
【0036】
図1に示すように、前記第一のラダーコード23aの近傍において、前記ヘッドボックス21の底面から下方に突出する上限スイッチ49が設けられ、ボトムレール26が引き上げられて最上段のスラット24aが上限スイッチ49を押圧すると、モーター30のスラット引き上げ方向の動作が停止されるようになっている。
【0037】
また、上記電動横型ブラインドは、パソコン等の中央制御装置からの指令信号に基づいて、スラットの昇降動作及び角度調節動作が制御される。この場合には、多数の電動横型ブラインドがパソコンからの指令信号により一括して制御されたり、あるいは個別に制御される。
【0038】
このような制御システムでは、前記操作スイッチ40の押圧操作に相当する信号を中央制御装置から前記コントローラー39に出力することにより、同様な制御を行うようになっている。また、コントローラー39には図23に示す変換テーブル51があらかじめ格納されている。この変換テーブル51には、上段部及び下段部のスラット24a,24bを所望の同一角度に回動するためのスラット24aの準備角度のデータが格納されている。
【0039】
同図に示す数値は、各スラット24aが全閉状態にある状態を100%とし、逆全閉状態にある状態を0%とし、水平方向にある状態を50%とした場合の各角度の割合を数値で示す。指示角度はスラット24a,24bの目標角度であり、準備角度は目標角度に回動するための前処理としてスラット24aを回動する角度を示す。
【0040】
例えば指示角度が50%であれば、スラット24aを25%すなわち逆全閉側に45度の角度に回動させ、スラット24bを0パーセントとする。この状態から、スラット24bが水平方向となるまで回動させると、スラット24aも水平方向となる。
【0041】
次に、操作スイッチ40の操作によりスラット24a,24bを昇降及び角度調節する場合のコントローラー39の制御動作を図9〜図20に従って説明する。
コントローラー39では、前記位置検出センサー34の出力信号を受信しながら、ボトムレール26が上限まで引き上げられたとき、すなわち上限スイッチ49が最上段のスラット24aにより押圧されたとき、高さ位置を0%として認識し、ボトムレール26が下限まで下降したとき、高さ位置を100パーセントとして認識する。
【0042】
また、スラットの角度は、上段側のスラット24aがその凸面を室外側とする全閉状態となるとき、100%として認識し、スラット24aが凸面を室内側とする逆全閉状態となるとき0%として認識する。
【0043】
図9に示すように、操作スイッチ40の操作に基づいて、コントローラー39はまずいずれのスイッチが操作されたかを判定する(ステップ1)。
ステップ1において、上昇スイッチ41が押圧されると、図10に示すように、現状の高さ位置を判定し(ステップ2)、上限ではない場合にモーター30をスラット引き上げ方向に作動させる(ステップ3)。そして、停止スイッチ42が押圧されない限り、高さ位置データが0%になるまでモーター30を作動させ(ステップ4)、0%になると、高さ位置データを記憶して(ステップ5)、スラット引き上げ動作を終了する。
【0044】
このとき、図17(a)に示すように、スラット24a,24bはその凸面を室内側としてボトムレール26により押し上げられ、クラッチスプリング31a,31bはその一方端部がストッパー部33a,33bのいずれかに当接して、駆動ドラム28a,28bがクラッチスプリング31a,31bに対し空回りしている。ステップ2で現状の高さ位置が上限である場合には、ステップ1に復帰する。
【0045】
ステップ1において、下降スイッチ43が押圧されると、図11に示すように、現状の高さ位置を判定し(ステップ6)、下限ではない場合にモーター30をスラット下降方向に作動させる(ステップ7)。そして、停止スイッチ42が押圧されない限り、高さ位置データが100%になるまでモーター30を作動させ(ステップ8)、100%になると、高さ位置データを記憶して(ステップ9)、スラット下降動作を終了する。
【0046】
このとき、図17(b)に示すように、スラット24a,24bはその凸面を室外側として下降し、クラッチスプリング31a,31bはその一方端部がストッパー部33a,33bのいずれかに当接して、駆動ドラム28a,28bがクラッチスプリング31a,31bに対し空回りしている。ステップ6で現状の高さ位置が下限である場合には、ステップ1に復帰する。
【0047】
ステップ1において、スラット回動スイッチ45が押圧されると、図12に示すように、スラットの現状の高さ位置が上限ではなく、さらに角度データが100%(全閉状態)ではない場合に(ステップ10,11)、モーター30を作動させてスラット24a,24bを全閉方向に回動させる(ステップ12)。
【0048】
そして、角度データが100%となると(ステップ13)、角度データを記憶する(ステップ14)。
このとき、吊下げドラム32a,32bの径の違いと回動許容角度α,βの違いにより、図18(a)〜(d)に示すように、下段部のスラット24bは上段部のスラット24aに先行して回動される。そして、スラット24a,24bが全閉状態となった後は、クラッチスプリング31a,31bに対し駆動ドラム28a,28bが空回りして、スラット24a,24bの回動が阻止される。
【0049】
ステップ10において高さ位置が上限である場合、及びステップ11において角度データが既に100%である場合には、ステップ1に復帰する。
ステップ1において、スラット回動スイッチ46が押圧されると、図13に示すように、スラットの現状の高さ位置が上限ではなく、さらに角度データが0%(逆全閉状態)ではない場合に(ステップ15,16)、モーター30を作動させてスラット24a,24bを逆全閉方向に回動させる(ステップ17)。
【0050】
そして、角度データが0%となると(ステップ18)、角度データを記憶する(ステップ19)。
このとき、吊下げドラム32a,32bの径の違いと回動許容角度α,βの違いにより、図26(a)〜(d)に示すように、下段部のスラット24bは上段部のスラット24aに先行して回動される。そして、スラット24a,24bが逆全閉状態となった後は、クラッチスプリング31a,31bに対し駆動ドラム28a,28bが空回りして、スラット24a,24bの回動が阻止される。
【0051】
ステップ1において、停止スイッチ42が押圧されると、図14に示すように、スラット24a,24bの昇降動作中である場合にはモーター30を停止させ(ステップ20,21)、高さ位置データを記憶する(ステップ22)。
【0052】
ステップ1において、設定スイッチ44が押されるとLED50が点灯され、この状態でスラット回動スイッチ45が押されると、図15に示すように、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ23)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ24)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ25)、下限位置でスラット24a,24bを逆全閉方向に回動させる(ステップ27)。
【0053】
ステップ23において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が逆全閉状態であるか否かを判定し(ステップ26)、逆全閉状態ではない場合には、モーター30を作動させてスラット24a,24bが逆全閉状態となるまで回動させる(ステップ27,28)。また、ステップ26ですでに逆全閉状態であればステップ29に移行する。
【0054】
ステップ28までの処理で、スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ逆全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを全閉方向に回動する(ステップ29)。
【0055】
次いで、スラット24aの角度データが75%、すなわち凸面を室外側として斜め45度となる角度まで回動されると、LED50を消灯し(ステップ31)、高さ位置データを記憶して(ステップ32)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0056】
上記のようなステップ23〜32の制御では、図19(a)(c)に示すように、まずスラット24a,24bが全閉状態で下限まで下降され、次いで逆全閉方向に回動される。同図(b)に示すように、スラット24a,24bが下限まで下降されていて、その角度が逆全閉状態ではない場合には、同図(c)に示すように、スラット24a,24bが逆全閉状態となるまで回動される。
【0057】
そして、同図(d)に示すように、スラット24aが全閉方向に角度データが75%となるまで回動させると、スラット24bは全閉方向まで回動される。すると、上段部のスラット24aから外光を一部採り入れ可能となり、下段部のスラット24bは外光を遮断する状態となる。
【0058】
ステップ1において、設定スイッチ44が押されるとLED50が点灯され、この状態でスラット回動スイッチ46が押されると、図16に示すように、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ34)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ35)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ36)、ステップ37に移行する。
【0059】
ステップ34において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が全閉状態であるか否かを判定し(ステップ38)、全閉状態ではない場合には、モーター30を作動させてスラット24a,24bが全閉状態となるまで回動させて(ステップ39,40)、ステップ37に移行する。また、ステップ38でスラット24a,24bが全閉状態であれば、ステップ37に移行する。
【0060】
スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを逆全閉方向に回動する(ステップ37)。
【0061】
次いで、スラット24aが準備角度に達すると、スラット24a,24bを全閉方向に回動させ(ステップ41,42)、スラット24aの角度データが75%、すなわちすなわち凸面を室外側として斜め45度となる角度まで回動されると(ステップ43)、LED50を消灯し(ステップ44)、高さ位置データを記憶して(ステップ45)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0062】
上記のようなステップ34〜45の制御では、図20(a)(b)に示すように、まずスラット24a,24bが全閉状態で下限まで下降される。同図(c)に示すように、スラット24a,24bが下限まで下降されていて、その角度が全閉状態ではない場合には、同図(d)に示すように、スラット24a,24bが全閉状態となるまで回動される。
【0063】
そして、同図(e)に示すように、スラット24a,24bが逆全閉方向に準備角度まで回動される。そして、この準備角度からスラット24a,24bを全閉方向に回動させると、同図(f)に示すように、スラット24a,24bがともに75%の角度、すなわちすなわち凸面を室外側として斜め45度となる角度まで回動される。
【0064】
従って、準備角度はスラット24a,24bを逆全閉方向に回動し、さらに全閉方向に回動させてスラット24a,24bをともに凸面を室外側として斜め45度となる角度に回動し得る角度であり、準備角度となる角度データはあらかじめコントローラー39に設定されている。
【0065】
図21及び図22は、パソコンからの指令信号に基づいて、スラット24a,24bの角度調節操作が行われる場合のコントローラー39の動作を示す。図21は、スラット24aを外光を一部採り入れ可能とする角度に回動し、スラット24bを全閉状態とする制御を示し、図22は、スラット24a,24bを全閉状態、逆全閉状態あるいは同一角度以外の角度で同一角度に制御する動作を示す。なお、同一角度とは水平方向(50%)から全閉方向(100%)までの範囲内の角度とする。
【0066】
図21において、パソコンからの指令信号を受信すると、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ52)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ53)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ54)、ステップ55に移行する。
【0067】
ステップ52において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が逆全閉状態であるか否かを判定し(ステップ56)、逆全閉状態ではない場合には、ステップ55に移行する。また、逆全閉である場合にはステップ57に移行する。
【0068】
ステップ55,57では、モーター30を作動させてスラット24a,24bが逆全閉状態となるまで回動させる。スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ逆全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを全閉方向に回動させる(ステップ58)。
【0069】
次いで、スラット24aの角度データが指令信号で指示された角度となると、高さ位置データを記憶して(ステップ59,60)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0070】
上記のようなステップ51〜60の制御では、図19(a)〜(d)に示す動作となり、同図(d)においてスラット24aは指令信号で設定された角度となり、スラット24bは全閉状態となる。
【0071】
図22において、パソコンからの指令信号を受信する(ステップ61)、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ62)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ63)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ64)、ステップ65に移行する。
【0072】
ステップ62において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が全閉状態であるか否かを判定し(ステップ66)、全閉状態ではない場合には、モーター30を作動させてスラット24a,24bが全閉状態となるまで回動させて(ステップ67,68)、ステップ65に移行する。また、ステップ66でスラット24a,24bが全閉状態であれば、ステップ65に移行する。
【0073】
スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを逆全閉方向に回動する(ステップ65)。
【0074】
次いで、スラット24aが準備角度に達すると、スラット24a,24bを全閉方向に回動させ(ステップ69,70)、スラット24aの角度データが凸面を室外側とした指示角度まで回動されると(ステップ71)、高さ位置データを記憶して(ステップ72)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0075】
上記のようなステップ61〜72の制御では、図20(a)〜(f)に示すような動作を行う。同図(e)に示す準備角度は、パソコンから指令される指示角度に対応する角度が図23に示す変換テーブル51から読み出されて設定される。例えば、指示角度が80%であれば、準備角度は40%の角度となる。
【0076】
そして、この準備角度からスラット24a,24bを全閉方向に回動させ、同図(f)に示すように、スラット24a,24bがともに80%の角度、すなわちすなわち凸面を室外側として斜め45度からさらに全閉方向に近い角度まで回動される。
【0077】
上記のようなスラット角度調節装置を備えた電動横型ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)共通の駆動軸29をモーター30で回転駆動して、上段部のスラット24aと下段部の24bとを異なる回動速度で回動させることができる。そして、下段部のスラット24bの回動速度を上段部のスラット24aの回動速度より速くしたので、上段部のスラット24aを水平方向に回動した状態で下段部のスラット24bを全閉状態とすることができる。従って、上段部のスラット24aから外光を適宜採り入れながら、下段部のスラット24bでは外光を遮断することができる。
(2)上段部のスラット24aと下段部のスラット24bを、ともに全閉状態と逆全閉状態に回動することができる。従って、昼間には外光を遮断する全閉状態と、夜間に室内から室外への光の洩れを防止する逆全閉状態とを選択することができる。
(3)上段部のスラット24aと下段部のスラット24bとを、ともに水平方向に回動することができる。
(4)設定スイッチ44を押した後、スラット回動スイッチ45を押圧することにより、スラット24aを凸面を室外側とした斜め45度方向に回動させ、かつスラット24bが全閉方向となるように、自動的に制御することができる。
(5)設定スイッチ44を押した後に、スラット回動スイッチ45を押圧することにより、スラット24a,24bを凸面を室外側とした斜め45度方向に回動する制御を自動的に行うことができる。
(6)パソコンからの指令信号と、コントローラー39に備えた変換テーブル51により、スラット24aを凸面を室外側とした斜め方向の任意角度に回動させ、かつスラット24bを全閉方向となるように、自動的に制御することができる。
(7)パソコンからの指令信号と、コントローラー39に備えた変換テーブル51により、スラット24a,24bを凸面を室外側とした斜め方向の任意同一角度に回動させる制御を自動的に行うことができる。
(8)パソコンの指令信号により太陽の位置あるいは高さに応じたスラット24a,24bの角度を適宜に調整することができるので、スラットの昇降高さ及び角度をパソコンでスケジュール管理する自動制御システム使用して有用である。
(9)設定スイッチ44とスラット回動スイッチ45,46を組み合わせて押圧することにより、2種類の自動制御機能を選択可能としたので、操作スイッチ40のスイッチ数を増加させることなく、操作スイッチ40の機能を増大させることができる。
(第二の実施形態)
図24〜図30は、第二の実施形態を示す。図24及び図25に示す電動縦型ブラインドは、ハンガーレール61から多数枚のスラット62が吊下支持され、各スラット62はハンガーレール61内に移動可能に支持されるランナー63から吊下支持される。前記スラット62は、スラット2の全枚数のうち、ハンガーレール1に沿って先行して引き出される半分の枚数の第一のスラットs1と、残りの半分の第二のスラットs2(図27参照)で構成される。第一のスラットs1と第二のスラットs2は、例えば素材あるいは色彩の異なる生地で構成される。
【0078】
各ランナー63には、3条のスプラインが刻設されたチルト軸64が軸方向に相対移動可能に挿通され、そのチルト軸64の両端はハンガーレール61の両端に取着されるエンドキャップに回転可能に支持されている。
【0079】
前記各ランナー63には前記スラット62を吊下支持する吊下軸65が回転可能に支持され、その吊下軸65の下端部にフック66が設けられている。そして、各フック66に前記スラット62を吊下支持するスラットハンガー71が掛装される。
【0080】
前記ランナー63内には前記チルト軸64の回転にともなって前記吊下軸65を回転させるウォーム機構67が内蔵されている。前記第一のスラットs1を吊下支持するランナー63と第二のスラットs2を吊下支持するランナー63では、ウォーム機構67のギヤ比が異なり、第二のスラットs2の回転角が第一のスラットs1の回転角の2倍となるように設定されている。この回転角の設定は、ウォーム機構67を構成するウォーム69とウォームホィール70の歯のねじれ角と進み角を調整することにより設定される。
【0081】
従って、チルト軸64が回転されると、第一及び第二のスラットs1,s2が並行して回転されるが、第二のスラットs2を吊下支持する吊下軸65の回転角が、第一のスラットs1を吊下支持する吊下軸65の回転角の2倍となる。
【0082】
前記ウォームホィール70は前記吊下軸65に回転可能に支持され、ウォームホィール70より上方位置において、吊下軸65の上端部とウォームホィール70の上縁との間にはコイルスプリング72が配設されている。
【0083】
そして、ウォームホィール70の回転は、常にはコイルスプリング72の付勢力による摩擦を介して吊下軸65に伝達される。また、吊下軸65の回転が阻止された状態では、ウォームホィール70は吊下軸65に対し空回りするようになっている。
【0084】
前記ハンガーレール1の一端にはモーター(図示しない)が配設され、そのモーターの作動により減速装置を介して前記チルト軸64が回転される。そして、チルト軸64の回転にともなって各ランナー63の吊下軸65が回転され、各ランナー63に吊下支持されるスラット62が回動されるようになっている。
【0085】
また、前記ハンガーレール61内には前記モーターの動作を制御するコントローラーが配設され、そのコントローラーは壁面等に取着される操作スイッチと電気的に接続されている。
【0086】
前記ハンガーレール61内には、前記チルト軸64の回転角を検出するエンコーダーが位置検出センサーとして設けられ、その位置検出センサーの出力信号が前記コントローラーに出力される。
【0087】
そして、操作スイッチから出力される操作信号と、位置検出センサーの出力信号がコントローラーに出力され、コントローラーはその操作信号、位置検出センサーの出力信号及びあらかじめ設定されたプログラムに基づいてモーターの動作を制御して、前記第一及び第二のスラットs1,s2の角度を制御するようになっている。
【0088】
前記第一及び第二のスラットs1,s2は、図26(a)(b)に示すように、基準角190度から最大角350度までの160度の範囲で回動され、これ以上の範囲への回動は、ウォームホィール70が吊下軸65に対し空回りにより阻止されるようになっている。なお、基準角及び最大角まで回動された状態では、第一及び第二のスラットs1,s2がハンガーレール61にほぼ沿う方向に回動され、この状態がスラットの全閉状態及び逆全閉状態となる。
【0089】
次に、上記のような電動縦型ブラインドのスラット角度調節動作を図27〜図30に従って説明する。
図27及び図28は、第一及び第二のスラットs1,s2が最大角まで回動されている状態から基準角まで回動される状態を示す。第二のスラットs2は、第一のスラットs1の2倍の回転角で回動するため、第一のスラットs1が80度回動されると、第二のスラットs2は、160度回動されて全閉状態となり、これ以上の回動は阻止される。
【0090】
そして、この後は第一のスラットs1だけが回動され、やがて第一のスラットs1が180度回動されると、第一及び第二のスラットs1,s2がともに基準角まで回動されて、全閉状態となる。
【0091】
最大角から第一のスラットs1が100度回動された状態を準備角度1として、この状態から第一及び第二のスラットs1,s2を逆方向に回動させると、図29に示すように、第一のスラットs1の回動角が270度となったとき、ハンガーレール61に直交する方向となって全開状態となる。
【0092】
このとき、第二のスラットs2は230度の回動角となり、ハンガーレール61の中心線に対し45度傾いた状態となる。さらに、第一及び第二のスラットs1,s2を同方向に回動させて、第一のスラットs1の回動角を310度とすると、第二のスラットs2の回動角も310度となる。この状態では、第一及び第二のスラットs1,s2が同一角度でかつハンガーレール61に対し50度傾いた状態となる。
【0093】
図28において、第一のスラットs1の回動角が230度となる準備角度2から第一及び第二のスラットs1,s2を逆方向に回動させると、図30に示すように、第一のスラットs1の回動角が270度となったとき、第二のスラットs2の回動角も270度となる。
【0094】
この状態では、第一及び第二のスラットs1,s2がともにハンガーレール61に対し直交する方向に回動され、第一及び第二のスラットs1,s2の吊下範囲で、外光を一様に採り入れ可能となる。
【0095】
上記のような電動縦型ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)共通のチルト軸64をモーターで回転駆動して、第一及び第二のスラットs1,s2を異なる回動速度で回動させることができる。従って、第一及び第二のスラットs1,s2を異なる角度に回動することができる。
(2)第一及び第二のスラットs1,s2を、ともに全閉状態と逆全閉状態に回動することができる。従って、朝方と夕方で全閉状態と逆全閉状態を入れ替えることにより、外光を確実に遮断することができる。
(3)第一及び第二のスラットs1,s2を、ともにハンガーレール1に直交する方向すなわち全開方向に回動することができる。
(4)第一及び第二のスラットs1,s2を、全閉方向、逆全閉方向及び全開方向以外の角度で同一角度に回動することができる。
【0096】
上記実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・操作スイッチ40の設定スイッチ44とスラット回動スイッチ45,46以外の組み合わせで自動制御機能を設定するようにしてもよい。
・操作スイッチ40の操作により、変換テーブル51の指示角度を選択するようにしてもよい。
・第二の実施形態において、コントローラーに変換テーブルを備え、第一の実施形態と同様にパソコンからの指令信号で第一及び第二のスラットs1,s2の回動角を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第一の実施形態の電動横型ブラインドを示す正面図である。
【図2】ラダーコード吊下装置を示す側面図である。
【図3】ラダーコード吊下装置を示す側面図である。
【図4】吊下げドラムを示す側面図である。
【図5】吊下げドラムを示す側面図である。
【図6】位置検出センサーを示す正面図である。
【図7】位置検出センサーを示す側面図である。
【図8】操作スイッチを示す正面図である。
【図9】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図10】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図11】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図12】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図13】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図14】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図15】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図16】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図17】(a)(b)はスラットの動作を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)はスラットの動作を示す説明図である。
【図19】(a)〜(d)はスラットの動作を示す説明図である。
【図20】(a)〜(f)はスラットの動作を示す説明図である。
【図21】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図22】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図23】変換テーブルを示す説明図である。
【図24】第二の実施形態の縦型ブラインドを示す側面図である。
【図25】ハンガーレール内のランナーを示す側面図である。
【図26】(a)(b)はスラットの回動動作を示す説明図である。
【図27】スラットの回動動作を示す説明図である。
【図28】スラットの回動動作を示す説明図である。
【図29】スラットの回動動作を示す説明図である。
【図30】スラットの回動動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0098】
21…ヘッドボックス、23a…第一のラダーコード、23b…第二のラダーコード、24a,24b…スラット、26…ボトムレール、32a,32b…回動速度調整装置(吊下げドラム)、29…駆動軸、33a,33b…回動規制手段(ストッパー部)、30…モーター、34…位置検出センサー、39…コントローラー、40…操作スイッチ、51…変換テーブル、61…ハンガーレール、s1…第一のスラット、s2…第二のスラット。
【技術分野】
【0001】
この発明は、2群のスラットを異なる回動速度で角度調節可能としたブラインドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
横型ブラインドは、ヘッドボックスからラダーコードを介して多数段のスラットが吊下支持され、操作装置の操作によりラダーコードを介して各スラットを角度調節するようになっている。
【0003】
このような横型ブラインドでは、上段部のスラットと下段部のスラットの角度を異なる角度に角度調節可能として、例えば下段部のスラットを全閉状態としながら、上段部のスラットを水平方向として外光を採り入れ可能としたものがある。
【0004】
特許文献1には、上部スラット群と下部スラット群をそれぞれ上部用ラダーコードと下部用ラダーコードで支持し、各ラダーコードを共通の回転軸で駆動して、上部スラット群と下部スラット群の角度を異なる角度に調節可能とした横型ブラインドが開示されている。
【0005】
特許文献2には、上段部のスラットと下段部のスラットをそれぞれ別個のラダーコードで支持し、各ラダーコードをそれぞれ旋回ドラムで支持し、各旋回ドラムは一方の旋回ドラムが所定角度回動した後に他方の旋回ドラムが回動して、上段部のスラットと下段部のスラットを異なる角度に調節可能とした横型ブラインドが開示されている。
【0006】
特許文献3には、上段部のスラットと下段部のスラットをそれぞれ別個のラダーコードで吊下支持するとともに共通の駆動軸で異なる角度に回動可能とし、かつ上段部のスラット及び下段部のスラットを全閉状態及び逆全閉状態まで回動可能とした横型ブラインドが開示されている。
【特許文献1】特開2006−283321号公報
【特許文献2】特公昭63−55595号公報
【特許文献3】特開2008−88797号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載された横型ブラインドでは、上部スラット群と下部スラット群を同時に水平方向となるように回動することが容易でないとともに、全閉状態からスラットをほぼ180度回動させて、逆方向に全閉状態とすることもできないという問題点がある。
【0008】
特許文献2に記載された横型ブラインドでは、下段部のスラットが所定角度回動された後に、上段部のスラットが同方向に回動されるため、上段部のスラットを全閉状態まで回動するためには、全閉状態まで回動された下段部のスラットとボトムバーをラダーコードで若干引き上げる必要があるため、操作力が増大する。
【0009】
また、上段部及び下段部のスラットを逆方向に全閉状態となるまで回動することはできないという問題点もある。
特許文献3に記載された横型ブラインドでは、上段部及び下段部のスラットの回動角度を、全閉状態から逆全閉状態までの間の角度で同一角度となるように回動することができないという問題点がある。
【0010】
この発明の目的は、スラットを異なる回動速度で角度調節可能としながら、同一角度に回動し得る電動ブラインドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1では、モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えた電動横型ブラインドにおいて、ヘッドボックスから第一のラダーコードを介して上段部のスラットを吊下支持し、前記ヘッドボックスから第二のラダーコードを介して下段部のスラットを吊下支持し、前記スラット角度調節装置には、共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、前記モーターの動作を制御するコントローラーと、前記スラットの角度を検出する位置検出センサーとを備え、前記コントローラーは、操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを同一の斜め角度に回動する自動制御機能を備えた。
【0012】
請求項2では、前記コントローラーは、前記操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットを斜め方向に回動し、前記下段部のスラットを全閉方向に回動する自動制御機能を備えた。
【0013】
請求項3では、前記操作信号を、操作スイッチから前記コントローラーに入力した。
請求項4では、前記操作信号を、中央制御装置からコントローラーに入力した。
請求項5では、前記コントローラーには、上段部及び下段部のスラットを同一角度に回動するための準備角度を設定した変換テーブルを備えた。
【0014】
請求項6では、前記操作スイッチの複数のスイッチの押圧操作の組み合わせに基づいて前記操作信号を生成する。
請求項7では、モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えたブラインドにおいて、ハンガーレールから第一のランナーを介して第一のスラットを吊下支持し、前記ハンガーレールから第二のランナーを介して第二のスラットを吊下支持し、前記スラット角度調節装置には、共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、前記モーターの動作を制御するコントローラーと、前記スラットの角度を検出する位置検出センサーとを備え、前記コントローラーは、操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを同一角度に回動する自動制御機能を備えた。
【0015】
請求項8では、異なる速度で2群のスラットを回動させる駆動手段を備えたブラインドにおいて、指示角度に対する準備角度をあらかじめ複数設定し、前記2群のスラットを同一角度とする指令信号に基づいて、前記スラットを全閉状態まで回動し、次いで前記スラットを前記指示角度に対する準備角度になるまで回動し、次いで前記スラットを前記指示角度まで逆方向に回動する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スラットを異なる回動速度で角度調節可能としながら、同一角度に回動し得る電動ブラインドを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
(第一の実施形態)
以下、この発明を具体化した第一の実施形態の電動横型ブラインドを図面に従って説明する。
【0018】
図1に示すように、ヘッドボックス21内の両側部には、ラダーコード吊下装置22が配設され、そのラダーコード吊下装置22から第一のラダーコード23aと第二のラダーコード23bが吊下支持されている。
【0019】
前記第一のラダーコード23aには上段部のスラット24aが支持され、その下端には中間ボトムレール25が取着されている。前記第二のラダーコード23bには下段部のスラット24bが支持され、その下端にボトムレール26が吊下支持されている。なお、第二のラダーコード23bの上部の横糸は、上段部のスラット24aに干渉しないように切除されている。
【0020】
前記ラダーコード吊下装置22は、前記ヘッドボックス21内に固定されたケース27a,27b内に設けられる。図2及び図3に示すように、ケース27a,27bには同一径の駆動ドラム(駆動手段)28a,28bがそれぞれ回転可能に支持され、その駆動ドラム28a,28bに駆動軸29が相対回転不能に挿通されている。
【0021】
前記駆動軸29の端部は、前記ヘッドボックス21の一方端部に配設されるモーター30の出力軸に連結され、モーター30の作動により正逆回転される。
前記駆動ドラム28aの外周面には捩りコイルスプリングで構成されるクラッチスプリング31aが取着されるとともに、図4に示すように、小径の吊下げドラム32aが回動可能に支持されている。その吊下げドラム32aはクラッチスプリング31aの端部に係合して、クラッチスプリング31aと一体に回転するようになっている。そして、吊下げドラム32aに前記第一のラダーコード23aの上端が取着されている。
【0022】
同様に、前記駆動ドラム28bの外周面には捩りコイルスプリングで構成されるクラッチスプリング31bが取着されるとともに、図5に示すように、大径の吊下げドラム32bが回動可能に支持されている。その吊下げドラム32bはクラッチスプリング31bの端部に係合して、クラッチスプリング31bと一体に回転するようになっている。そして、吊下げドラム32bに前記第二のラダーコード23bの上端が取着されている。
【0023】
図2に示すように、前記ケース27aには前記クラッチスプリング31aの端部の回動軌跡上にストッパー部33aが設けられている。そして、クラッチスプリング31aの端部がストッパー部33aに当接すると、クラッチスプリング31aの同方向へのそれ以上の回動が阻止されるとともに、クラッチスプリング31aが拡径されて駆動ドラム28aとの摩擦が減少し、駆動ドラム28aがクラッチスプリング31aに対し空回りするようになっている。
【0024】
従って、クラッチスプリング31a及び吊下げドラム32aは、回動許容角度αの範囲で回動可能となっている。
図3に示すように、前記ケース27bには前記クラッチスプリング31bの端部の回動軌跡上にストッパー部33bが設けられている。そして、クラッチスプリング31bの端部がストッパー部33bに当接すると、クラッチスプリング31bの同方向へのそれ以上の回動が阻止されるとともに、クラッチスプリング31bが拡径されて駆動ドラム28bとの摩擦が減少し、駆動ドラム28bがクラッチスプリング31bに対し空回りするようになっている。
【0025】
従って、クラッチスプリング31b及び吊下げドラム32bは、回動許容角度βの範囲で回動可能となっている。また、αは180度を越える角度であり、βはαより小さい角度であり、120度程度に設定され、スラット24bの回動角はスラット24aの回動角のほぼ2倍となるように設定されている。
【0026】
図1に示すように、前記ケース27bには昇降テープ47を巻き取るためのプーリー48が回転可能に支持され、そのプーリー48に昇降テープ47の上端部が巻着されている。昇降テープ47は、前記スラット24a,24b及び中間ボトムレール25に挿通され、その下端に前記ボトムレール26が吊下支持されている。
【0027】
前記プーリー48には、前記駆動軸29が相対回転不能に挿通され、駆動軸29と一体に回転するようになっている。そして、駆動軸29の回転に基づいてプーリー48が昇降テープ47の巻取り方向に回転されると、昇降テープ47がプーリー48に巻き取られて、ボトムレール26が引き上げられる。また、駆動軸29の回転に基づいてプーリー48が昇降テープ47の巻戻し方向に回転されると、昇降テープ47がプーリー48から巻戻されて、ボトムレール26が下降する。
【0028】
図1に示すように、前記ヘッドボックス21内の中間部には位置検出センサー34が配設され、前記駆動軸29が挿通されている。前記位置検出センサー34は、図6及び図7に示すように、ケース35内にスリット板36が回転可能に支持され、そのスリット板36の中央部に前記駆動軸29が相対回動不能に挿通されている。前記スリット板36の外周部には径方向に延びる多数のスリット37が周方向に等間隔に形成されている。
【0029】
前記ケース35の下部には、前記スリット板36を挟むようにフォトインタラプタ38が取着されている。フォトインタラプタ38は、前記スリット37の通過にともなってパルス信号を出力するようになっている。
【0030】
図1に示すように、前記ヘッドボックス21の他方端部にはコントローラー39が配設され、前記位置検出センサー34の出力信号や、操作スイッチ40の操作信号等が入力される。そして、コントローラー39は入力された信号と、あらかじめ設定されたプログラムに基づいて前記モーター30を制御するとともに、スラットの高さ位置データ及び角度データを記憶する手段を備えている。
【0031】
前記操作スイッチ40は、この電動横型ブラインドの設置位置近傍の壁面等に取着される。その具体的構成を図8に従って説明する。
操作スイッチ40には、上昇スイッチ41と、停止スイッチ42と、下降スイッチ43と、設定スイッチ44及び発光ダイオード(以下LEDとする)50と、スラット回動スイッチ45,46が備えられている。次に、各操作スイッチの押圧操作に基づくコントローラー39の基本制御を説明する。
【0032】
上昇スイッチ41が押圧されると、モーター30により駆動軸29が昇降テープ47の巻取り方向に回転され、昇降テープ47がプーリー48に巻き取られてボトムレール26が引き上げられ、スラット24a,24bが下段側のスラットから順次ボトムレール26上に積層されて引き上げられる。このとき、スラット24a,24bはその凸面を室内側(逆全閉状態)として上昇する。
【0033】
下降スイッチ43が押圧されると、モーター30により駆動軸29が昇降テープ47の巻戻し方向に回転され、プーリー48から昇降テープ47が巻戻されて、ボトムレール26が下降し、スラット24a,24bが上段側のスラットから第一及び第二のラダーコード23a,23bに支持される状態に順次復帰する。このとき、スラット24a,24bはその凸面を室外側(全閉状態)として下降する。
【0034】
停止スイッチ42が押圧されると、上記昇降動作が停止される。また、スラット回動スイッチ45が押圧されると、当該スイッチが押圧されている間、スラット24a,24bがその凸面を室外側とする全閉方向に回動される。スラット回動スイッチ46が押圧されると、当該スイッチが押圧されている間、スラット24a,24bがその凸面を室内側とする逆全閉方向に回動される。
【0035】
前記設定スイッチ44が押圧されると、前記LED50が点灯される。この状態で、スラット回動スイッチ45が押圧されると、コントローラー39に設定されたプログラムに基づいて、スラット24aが凸面を室外側として斜め45度方向に回動され、かつスラット24bが全閉方向(凸面を室外側としてほぼ垂直方向となる状態)となるように制御される。また、前記LED50が点灯された状態で、スラット回動スイッチ46が押圧されると、上段部及び下段部のスラット24a,24bがともに凸面を室外側として斜め45度方向となるように制御される。
【0036】
図1に示すように、前記第一のラダーコード23aの近傍において、前記ヘッドボックス21の底面から下方に突出する上限スイッチ49が設けられ、ボトムレール26が引き上げられて最上段のスラット24aが上限スイッチ49を押圧すると、モーター30のスラット引き上げ方向の動作が停止されるようになっている。
【0037】
また、上記電動横型ブラインドは、パソコン等の中央制御装置からの指令信号に基づいて、スラットの昇降動作及び角度調節動作が制御される。この場合には、多数の電動横型ブラインドがパソコンからの指令信号により一括して制御されたり、あるいは個別に制御される。
【0038】
このような制御システムでは、前記操作スイッチ40の押圧操作に相当する信号を中央制御装置から前記コントローラー39に出力することにより、同様な制御を行うようになっている。また、コントローラー39には図23に示す変換テーブル51があらかじめ格納されている。この変換テーブル51には、上段部及び下段部のスラット24a,24bを所望の同一角度に回動するためのスラット24aの準備角度のデータが格納されている。
【0039】
同図に示す数値は、各スラット24aが全閉状態にある状態を100%とし、逆全閉状態にある状態を0%とし、水平方向にある状態を50%とした場合の各角度の割合を数値で示す。指示角度はスラット24a,24bの目標角度であり、準備角度は目標角度に回動するための前処理としてスラット24aを回動する角度を示す。
【0040】
例えば指示角度が50%であれば、スラット24aを25%すなわち逆全閉側に45度の角度に回動させ、スラット24bを0パーセントとする。この状態から、スラット24bが水平方向となるまで回動させると、スラット24aも水平方向となる。
【0041】
次に、操作スイッチ40の操作によりスラット24a,24bを昇降及び角度調節する場合のコントローラー39の制御動作を図9〜図20に従って説明する。
コントローラー39では、前記位置検出センサー34の出力信号を受信しながら、ボトムレール26が上限まで引き上げられたとき、すなわち上限スイッチ49が最上段のスラット24aにより押圧されたとき、高さ位置を0%として認識し、ボトムレール26が下限まで下降したとき、高さ位置を100パーセントとして認識する。
【0042】
また、スラットの角度は、上段側のスラット24aがその凸面を室外側とする全閉状態となるとき、100%として認識し、スラット24aが凸面を室内側とする逆全閉状態となるとき0%として認識する。
【0043】
図9に示すように、操作スイッチ40の操作に基づいて、コントローラー39はまずいずれのスイッチが操作されたかを判定する(ステップ1)。
ステップ1において、上昇スイッチ41が押圧されると、図10に示すように、現状の高さ位置を判定し(ステップ2)、上限ではない場合にモーター30をスラット引き上げ方向に作動させる(ステップ3)。そして、停止スイッチ42が押圧されない限り、高さ位置データが0%になるまでモーター30を作動させ(ステップ4)、0%になると、高さ位置データを記憶して(ステップ5)、スラット引き上げ動作を終了する。
【0044】
このとき、図17(a)に示すように、スラット24a,24bはその凸面を室内側としてボトムレール26により押し上げられ、クラッチスプリング31a,31bはその一方端部がストッパー部33a,33bのいずれかに当接して、駆動ドラム28a,28bがクラッチスプリング31a,31bに対し空回りしている。ステップ2で現状の高さ位置が上限である場合には、ステップ1に復帰する。
【0045】
ステップ1において、下降スイッチ43が押圧されると、図11に示すように、現状の高さ位置を判定し(ステップ6)、下限ではない場合にモーター30をスラット下降方向に作動させる(ステップ7)。そして、停止スイッチ42が押圧されない限り、高さ位置データが100%になるまでモーター30を作動させ(ステップ8)、100%になると、高さ位置データを記憶して(ステップ9)、スラット下降動作を終了する。
【0046】
このとき、図17(b)に示すように、スラット24a,24bはその凸面を室外側として下降し、クラッチスプリング31a,31bはその一方端部がストッパー部33a,33bのいずれかに当接して、駆動ドラム28a,28bがクラッチスプリング31a,31bに対し空回りしている。ステップ6で現状の高さ位置が下限である場合には、ステップ1に復帰する。
【0047】
ステップ1において、スラット回動スイッチ45が押圧されると、図12に示すように、スラットの現状の高さ位置が上限ではなく、さらに角度データが100%(全閉状態)ではない場合に(ステップ10,11)、モーター30を作動させてスラット24a,24bを全閉方向に回動させる(ステップ12)。
【0048】
そして、角度データが100%となると(ステップ13)、角度データを記憶する(ステップ14)。
このとき、吊下げドラム32a,32bの径の違いと回動許容角度α,βの違いにより、図18(a)〜(d)に示すように、下段部のスラット24bは上段部のスラット24aに先行して回動される。そして、スラット24a,24bが全閉状態となった後は、クラッチスプリング31a,31bに対し駆動ドラム28a,28bが空回りして、スラット24a,24bの回動が阻止される。
【0049】
ステップ10において高さ位置が上限である場合、及びステップ11において角度データが既に100%である場合には、ステップ1に復帰する。
ステップ1において、スラット回動スイッチ46が押圧されると、図13に示すように、スラットの現状の高さ位置が上限ではなく、さらに角度データが0%(逆全閉状態)ではない場合に(ステップ15,16)、モーター30を作動させてスラット24a,24bを逆全閉方向に回動させる(ステップ17)。
【0050】
そして、角度データが0%となると(ステップ18)、角度データを記憶する(ステップ19)。
このとき、吊下げドラム32a,32bの径の違いと回動許容角度α,βの違いにより、図26(a)〜(d)に示すように、下段部のスラット24bは上段部のスラット24aに先行して回動される。そして、スラット24a,24bが逆全閉状態となった後は、クラッチスプリング31a,31bに対し駆動ドラム28a,28bが空回りして、スラット24a,24bの回動が阻止される。
【0051】
ステップ1において、停止スイッチ42が押圧されると、図14に示すように、スラット24a,24bの昇降動作中である場合にはモーター30を停止させ(ステップ20,21)、高さ位置データを記憶する(ステップ22)。
【0052】
ステップ1において、設定スイッチ44が押されるとLED50が点灯され、この状態でスラット回動スイッチ45が押されると、図15に示すように、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ23)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ24)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ25)、下限位置でスラット24a,24bを逆全閉方向に回動させる(ステップ27)。
【0053】
ステップ23において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が逆全閉状態であるか否かを判定し(ステップ26)、逆全閉状態ではない場合には、モーター30を作動させてスラット24a,24bが逆全閉状態となるまで回動させる(ステップ27,28)。また、ステップ26ですでに逆全閉状態であればステップ29に移行する。
【0054】
ステップ28までの処理で、スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ逆全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを全閉方向に回動する(ステップ29)。
【0055】
次いで、スラット24aの角度データが75%、すなわち凸面を室外側として斜め45度となる角度まで回動されると、LED50を消灯し(ステップ31)、高さ位置データを記憶して(ステップ32)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0056】
上記のようなステップ23〜32の制御では、図19(a)(c)に示すように、まずスラット24a,24bが全閉状態で下限まで下降され、次いで逆全閉方向に回動される。同図(b)に示すように、スラット24a,24bが下限まで下降されていて、その角度が逆全閉状態ではない場合には、同図(c)に示すように、スラット24a,24bが逆全閉状態となるまで回動される。
【0057】
そして、同図(d)に示すように、スラット24aが全閉方向に角度データが75%となるまで回動させると、スラット24bは全閉方向まで回動される。すると、上段部のスラット24aから外光を一部採り入れ可能となり、下段部のスラット24bは外光を遮断する状態となる。
【0058】
ステップ1において、設定スイッチ44が押されるとLED50が点灯され、この状態でスラット回動スイッチ46が押されると、図16に示すように、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ34)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ35)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ36)、ステップ37に移行する。
【0059】
ステップ34において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が全閉状態であるか否かを判定し(ステップ38)、全閉状態ではない場合には、モーター30を作動させてスラット24a,24bが全閉状態となるまで回動させて(ステップ39,40)、ステップ37に移行する。また、ステップ38でスラット24a,24bが全閉状態であれば、ステップ37に移行する。
【0060】
スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを逆全閉方向に回動する(ステップ37)。
【0061】
次いで、スラット24aが準備角度に達すると、スラット24a,24bを全閉方向に回動させ(ステップ41,42)、スラット24aの角度データが75%、すなわちすなわち凸面を室外側として斜め45度となる角度まで回動されると(ステップ43)、LED50を消灯し(ステップ44)、高さ位置データを記憶して(ステップ45)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0062】
上記のようなステップ34〜45の制御では、図20(a)(b)に示すように、まずスラット24a,24bが全閉状態で下限まで下降される。同図(c)に示すように、スラット24a,24bが下限まで下降されていて、その角度が全閉状態ではない場合には、同図(d)に示すように、スラット24a,24bが全閉状態となるまで回動される。
【0063】
そして、同図(e)に示すように、スラット24a,24bが逆全閉方向に準備角度まで回動される。そして、この準備角度からスラット24a,24bを全閉方向に回動させると、同図(f)に示すように、スラット24a,24bがともに75%の角度、すなわちすなわち凸面を室外側として斜め45度となる角度まで回動される。
【0064】
従って、準備角度はスラット24a,24bを逆全閉方向に回動し、さらに全閉方向に回動させてスラット24a,24bをともに凸面を室外側として斜め45度となる角度に回動し得る角度であり、準備角度となる角度データはあらかじめコントローラー39に設定されている。
【0065】
図21及び図22は、パソコンからの指令信号に基づいて、スラット24a,24bの角度調節操作が行われる場合のコントローラー39の動作を示す。図21は、スラット24aを外光を一部採り入れ可能とする角度に回動し、スラット24bを全閉状態とする制御を示し、図22は、スラット24a,24bを全閉状態、逆全閉状態あるいは同一角度以外の角度で同一角度に制御する動作を示す。なお、同一角度とは水平方向(50%)から全閉方向(100%)までの範囲内の角度とする。
【0066】
図21において、パソコンからの指令信号を受信すると、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ52)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ53)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ54)、ステップ55に移行する。
【0067】
ステップ52において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が逆全閉状態であるか否かを判定し(ステップ56)、逆全閉状態ではない場合には、ステップ55に移行する。また、逆全閉である場合にはステップ57に移行する。
【0068】
ステップ55,57では、モーター30を作動させてスラット24a,24bが逆全閉状態となるまで回動させる。スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ逆全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを全閉方向に回動させる(ステップ58)。
【0069】
次いで、スラット24aの角度データが指令信号で指示された角度となると、高さ位置データを記憶して(ステップ59,60)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0070】
上記のようなステップ51〜60の制御では、図19(a)〜(d)に示す動作となり、同図(d)においてスラット24aは指令信号で設定された角度となり、スラット24bは全閉状態となる。
【0071】
図22において、パソコンからの指令信号を受信する(ステップ61)、まずスラットの高さ位置が下限であるか否かを判定し(ステップ62)、下限ではない場合にはモーター30をスラット下降方向に作動させ(ステップ63)、スラット24a,24bを下限まで下降させ(ステップ64)、ステップ65に移行する。
【0072】
ステップ62において、スラット24a,24bが下限まで下降されている場合には、スラット24a,24bの角度が全閉状態であるか否かを判定し(ステップ66)、全閉状態ではない場合には、モーター30を作動させてスラット24a,24bが全閉状態となるまで回動させて(ステップ67,68)、ステップ65に移行する。また、ステップ66でスラット24a,24bが全閉状態であれば、ステップ65に移行する。
【0073】
スラット24a,24bが下限まで下降し、かつ全閉状態まで回動されると、モーター30を逆回転させて、スラット24a,24bを逆全閉方向に回動する(ステップ65)。
【0074】
次いで、スラット24aが準備角度に達すると、スラット24a,24bを全閉方向に回動させ(ステップ69,70)、スラット24aの角度データが凸面を室外側とした指示角度まで回動されると(ステップ71)、高さ位置データを記憶して(ステップ72)、スラット24a,24bの角度調節制御を終了する。
【0075】
上記のようなステップ61〜72の制御では、図20(a)〜(f)に示すような動作を行う。同図(e)に示す準備角度は、パソコンから指令される指示角度に対応する角度が図23に示す変換テーブル51から読み出されて設定される。例えば、指示角度が80%であれば、準備角度は40%の角度となる。
【0076】
そして、この準備角度からスラット24a,24bを全閉方向に回動させ、同図(f)に示すように、スラット24a,24bがともに80%の角度、すなわちすなわち凸面を室外側として斜め45度からさらに全閉方向に近い角度まで回動される。
【0077】
上記のようなスラット角度調節装置を備えた電動横型ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)共通の駆動軸29をモーター30で回転駆動して、上段部のスラット24aと下段部の24bとを異なる回動速度で回動させることができる。そして、下段部のスラット24bの回動速度を上段部のスラット24aの回動速度より速くしたので、上段部のスラット24aを水平方向に回動した状態で下段部のスラット24bを全閉状態とすることができる。従って、上段部のスラット24aから外光を適宜採り入れながら、下段部のスラット24bでは外光を遮断することができる。
(2)上段部のスラット24aと下段部のスラット24bを、ともに全閉状態と逆全閉状態に回動することができる。従って、昼間には外光を遮断する全閉状態と、夜間に室内から室外への光の洩れを防止する逆全閉状態とを選択することができる。
(3)上段部のスラット24aと下段部のスラット24bとを、ともに水平方向に回動することができる。
(4)設定スイッチ44を押した後、スラット回動スイッチ45を押圧することにより、スラット24aを凸面を室外側とした斜め45度方向に回動させ、かつスラット24bが全閉方向となるように、自動的に制御することができる。
(5)設定スイッチ44を押した後に、スラット回動スイッチ45を押圧することにより、スラット24a,24bを凸面を室外側とした斜め45度方向に回動する制御を自動的に行うことができる。
(6)パソコンからの指令信号と、コントローラー39に備えた変換テーブル51により、スラット24aを凸面を室外側とした斜め方向の任意角度に回動させ、かつスラット24bを全閉方向となるように、自動的に制御することができる。
(7)パソコンからの指令信号と、コントローラー39に備えた変換テーブル51により、スラット24a,24bを凸面を室外側とした斜め方向の任意同一角度に回動させる制御を自動的に行うことができる。
(8)パソコンの指令信号により太陽の位置あるいは高さに応じたスラット24a,24bの角度を適宜に調整することができるので、スラットの昇降高さ及び角度をパソコンでスケジュール管理する自動制御システム使用して有用である。
(9)設定スイッチ44とスラット回動スイッチ45,46を組み合わせて押圧することにより、2種類の自動制御機能を選択可能としたので、操作スイッチ40のスイッチ数を増加させることなく、操作スイッチ40の機能を増大させることができる。
(第二の実施形態)
図24〜図30は、第二の実施形態を示す。図24及び図25に示す電動縦型ブラインドは、ハンガーレール61から多数枚のスラット62が吊下支持され、各スラット62はハンガーレール61内に移動可能に支持されるランナー63から吊下支持される。前記スラット62は、スラット2の全枚数のうち、ハンガーレール1に沿って先行して引き出される半分の枚数の第一のスラットs1と、残りの半分の第二のスラットs2(図27参照)で構成される。第一のスラットs1と第二のスラットs2は、例えば素材あるいは色彩の異なる生地で構成される。
【0078】
各ランナー63には、3条のスプラインが刻設されたチルト軸64が軸方向に相対移動可能に挿通され、そのチルト軸64の両端はハンガーレール61の両端に取着されるエンドキャップに回転可能に支持されている。
【0079】
前記各ランナー63には前記スラット62を吊下支持する吊下軸65が回転可能に支持され、その吊下軸65の下端部にフック66が設けられている。そして、各フック66に前記スラット62を吊下支持するスラットハンガー71が掛装される。
【0080】
前記ランナー63内には前記チルト軸64の回転にともなって前記吊下軸65を回転させるウォーム機構67が内蔵されている。前記第一のスラットs1を吊下支持するランナー63と第二のスラットs2を吊下支持するランナー63では、ウォーム機構67のギヤ比が異なり、第二のスラットs2の回転角が第一のスラットs1の回転角の2倍となるように設定されている。この回転角の設定は、ウォーム機構67を構成するウォーム69とウォームホィール70の歯のねじれ角と進み角を調整することにより設定される。
【0081】
従って、チルト軸64が回転されると、第一及び第二のスラットs1,s2が並行して回転されるが、第二のスラットs2を吊下支持する吊下軸65の回転角が、第一のスラットs1を吊下支持する吊下軸65の回転角の2倍となる。
【0082】
前記ウォームホィール70は前記吊下軸65に回転可能に支持され、ウォームホィール70より上方位置において、吊下軸65の上端部とウォームホィール70の上縁との間にはコイルスプリング72が配設されている。
【0083】
そして、ウォームホィール70の回転は、常にはコイルスプリング72の付勢力による摩擦を介して吊下軸65に伝達される。また、吊下軸65の回転が阻止された状態では、ウォームホィール70は吊下軸65に対し空回りするようになっている。
【0084】
前記ハンガーレール1の一端にはモーター(図示しない)が配設され、そのモーターの作動により減速装置を介して前記チルト軸64が回転される。そして、チルト軸64の回転にともなって各ランナー63の吊下軸65が回転され、各ランナー63に吊下支持されるスラット62が回動されるようになっている。
【0085】
また、前記ハンガーレール61内には前記モーターの動作を制御するコントローラーが配設され、そのコントローラーは壁面等に取着される操作スイッチと電気的に接続されている。
【0086】
前記ハンガーレール61内には、前記チルト軸64の回転角を検出するエンコーダーが位置検出センサーとして設けられ、その位置検出センサーの出力信号が前記コントローラーに出力される。
【0087】
そして、操作スイッチから出力される操作信号と、位置検出センサーの出力信号がコントローラーに出力され、コントローラーはその操作信号、位置検出センサーの出力信号及びあらかじめ設定されたプログラムに基づいてモーターの動作を制御して、前記第一及び第二のスラットs1,s2の角度を制御するようになっている。
【0088】
前記第一及び第二のスラットs1,s2は、図26(a)(b)に示すように、基準角190度から最大角350度までの160度の範囲で回動され、これ以上の範囲への回動は、ウォームホィール70が吊下軸65に対し空回りにより阻止されるようになっている。なお、基準角及び最大角まで回動された状態では、第一及び第二のスラットs1,s2がハンガーレール61にほぼ沿う方向に回動され、この状態がスラットの全閉状態及び逆全閉状態となる。
【0089】
次に、上記のような電動縦型ブラインドのスラット角度調節動作を図27〜図30に従って説明する。
図27及び図28は、第一及び第二のスラットs1,s2が最大角まで回動されている状態から基準角まで回動される状態を示す。第二のスラットs2は、第一のスラットs1の2倍の回転角で回動するため、第一のスラットs1が80度回動されると、第二のスラットs2は、160度回動されて全閉状態となり、これ以上の回動は阻止される。
【0090】
そして、この後は第一のスラットs1だけが回動され、やがて第一のスラットs1が180度回動されると、第一及び第二のスラットs1,s2がともに基準角まで回動されて、全閉状態となる。
【0091】
最大角から第一のスラットs1が100度回動された状態を準備角度1として、この状態から第一及び第二のスラットs1,s2を逆方向に回動させると、図29に示すように、第一のスラットs1の回動角が270度となったとき、ハンガーレール61に直交する方向となって全開状態となる。
【0092】
このとき、第二のスラットs2は230度の回動角となり、ハンガーレール61の中心線に対し45度傾いた状態となる。さらに、第一及び第二のスラットs1,s2を同方向に回動させて、第一のスラットs1の回動角を310度とすると、第二のスラットs2の回動角も310度となる。この状態では、第一及び第二のスラットs1,s2が同一角度でかつハンガーレール61に対し50度傾いた状態となる。
【0093】
図28において、第一のスラットs1の回動角が230度となる準備角度2から第一及び第二のスラットs1,s2を逆方向に回動させると、図30に示すように、第一のスラットs1の回動角が270度となったとき、第二のスラットs2の回動角も270度となる。
【0094】
この状態では、第一及び第二のスラットs1,s2がともにハンガーレール61に対し直交する方向に回動され、第一及び第二のスラットs1,s2の吊下範囲で、外光を一様に採り入れ可能となる。
【0095】
上記のような電動縦型ブラインドでは、次に示す作用効果を得ることができる。
(1)共通のチルト軸64をモーターで回転駆動して、第一及び第二のスラットs1,s2を異なる回動速度で回動させることができる。従って、第一及び第二のスラットs1,s2を異なる角度に回動することができる。
(2)第一及び第二のスラットs1,s2を、ともに全閉状態と逆全閉状態に回動することができる。従って、朝方と夕方で全閉状態と逆全閉状態を入れ替えることにより、外光を確実に遮断することができる。
(3)第一及び第二のスラットs1,s2を、ともにハンガーレール1に直交する方向すなわち全開方向に回動することができる。
(4)第一及び第二のスラットs1,s2を、全閉方向、逆全閉方向及び全開方向以外の角度で同一角度に回動することができる。
【0096】
上記実施の形態は、以下の態様で実施してもよい。
・操作スイッチ40の設定スイッチ44とスラット回動スイッチ45,46以外の組み合わせで自動制御機能を設定するようにしてもよい。
・操作スイッチ40の操作により、変換テーブル51の指示角度を選択するようにしてもよい。
・第二の実施形態において、コントローラーに変換テーブルを備え、第一の実施形態と同様にパソコンからの指令信号で第一及び第二のスラットs1,s2の回動角を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】第一の実施形態の電動横型ブラインドを示す正面図である。
【図2】ラダーコード吊下装置を示す側面図である。
【図3】ラダーコード吊下装置を示す側面図である。
【図4】吊下げドラムを示す側面図である。
【図5】吊下げドラムを示す側面図である。
【図6】位置検出センサーを示す正面図である。
【図7】位置検出センサーを示す側面図である。
【図8】操作スイッチを示す正面図である。
【図9】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図10】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図11】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図12】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図13】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図14】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図15】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図16】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図17】(a)(b)はスラットの動作を示す説明図である。
【図18】(a)〜(d)はスラットの動作を示す説明図である。
【図19】(a)〜(d)はスラットの動作を示す説明図である。
【図20】(a)〜(f)はスラットの動作を示す説明図である。
【図21】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図22】コントローラーの制御動作を示すフローチャートである。
【図23】変換テーブルを示す説明図である。
【図24】第二の実施形態の縦型ブラインドを示す側面図である。
【図25】ハンガーレール内のランナーを示す側面図である。
【図26】(a)(b)はスラットの回動動作を示す説明図である。
【図27】スラットの回動動作を示す説明図である。
【図28】スラットの回動動作を示す説明図である。
【図29】スラットの回動動作を示す説明図である。
【図30】スラットの回動動作を示す説明図である。
【符号の説明】
【0098】
21…ヘッドボックス、23a…第一のラダーコード、23b…第二のラダーコード、24a,24b…スラット、26…ボトムレール、32a,32b…回動速度調整装置(吊下げドラム)、29…駆動軸、33a,33b…回動規制手段(ストッパー部)、30…モーター、34…位置検出センサー、39…コントローラー、40…操作スイッチ、51…変換テーブル、61…ハンガーレール、s1…第一のスラット、s2…第二のスラット。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えたブラインドにおいて、
ヘッドボックスから第一のラダーコードを介して上段部のスラットを吊下支持し、前記ヘッドボックスから第二のラダーコードを介して下段部のスラットを吊下支持し、
前記スラット角度調節装置には、
共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、
前記モーターの動作を制御するコントローラーと、
前記スラットの角度を検出する位置検出センサーと
を備え、
前記コントローラーは、
操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを同一の斜め角度に回動する自動制御機能を備えたことを特徴とするブラインド。
【請求項2】
前記コントローラーは、
前記操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットを斜め方向に回動し、前記下段部のスラットを全閉方向に回動する自動制御機能を備えたことを特徴とする請求項1記載のブラインド。
【請求項3】
前記操作信号を、操作スイッチから前記コントローラーに入力したことを特徴とする請求項1又は2記載のブラインド。
【請求項4】
前記操作信号を、中央制御装置からコントローラーに入力したことを特徴とする請求項1又は2記載のブラインド。
【請求項5】
前記コントローラーには、上段部及び下段部のスラットを同一角度に回動するための準備角度を設定した変換テーブルを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のブラインド。
【請求項6】
前記操作スイッチの複数のスイッチの押圧操作の組み合わせに基づいて前記操作信号を生成することを特徴とする請求項3記載のブラインド。
【請求項7】
モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えたブラインドにおいて、
ハンガーレールから第一のランナーを介して第一のスラットを吊下支持し、前記ハンガーレールから第二のランナーを介して第二のスラットを吊下支持し、
前記スラット角度調節装置には、
共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、
前記モーターの動作を制御するコントローラーと、
前記スラットの角度を検出する位置検出センサーと
を備え、
前記コントローラーは、
操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを同一角度に回動する自動制御機能を備えたことを特徴とするブラインド。
【請求項8】
異なる速度で2群のスラットを回動させる駆動手段を備えたブラインドにおいて、
指示角度に対する準備角度をあらかじめ複数設定し、
前記2群のスラットを同一角度とする指令信号に基づいて、前記スラットを全閉状態まで回動し、
次いで前記スラットを前記指示角度に対する準備角度になるまで回動し、
次いで前記スラットを前記指示角度まで逆方向に回動することを特徴とするブラインドのスラット制御方法。
【請求項1】
モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えたブラインドにおいて、
ヘッドボックスから第一のラダーコードを介して上段部のスラットを吊下支持し、前記ヘッドボックスから第二のラダーコードを介して下段部のスラットを吊下支持し、
前記スラット角度調節装置には、
共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、
前記モーターの動作を制御するコントローラーと、
前記スラットの角度を検出する位置検出センサーと
を備え、
前記コントローラーは、
操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットと下段部のスラットを同一の斜め角度に回動する自動制御機能を備えたことを特徴とするブラインド。
【請求項2】
前記コントローラーは、
前記操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記上段部のスラットを斜め方向に回動し、前記下段部のスラットを全閉方向に回動する自動制御機能を備えたことを特徴とする請求項1記載のブラインド。
【請求項3】
前記操作信号を、操作スイッチから前記コントローラーに入力したことを特徴とする請求項1又は2記載のブラインド。
【請求項4】
前記操作信号を、中央制御装置からコントローラーに入力したことを特徴とする請求項1又は2記載のブラインド。
【請求項5】
前記コントローラーには、上段部及び下段部のスラットを同一角度に回動するための準備角度を設定した変換テーブルを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のブラインド。
【請求項6】
前記操作スイッチの複数のスイッチの押圧操作の組み合わせに基づいて前記操作信号を生成することを特徴とする請求項3記載のブラインド。
【請求項7】
モーターで回転駆動される駆動軸の回転に基づいてスラットを回動するスラット角度調節装置と、前記スラットが全閉状態まで回動されたとき、スラットのそれ以上の回動を阻止する回動規制手段を備えたブラインドにおいて、
ハンガーレールから第一のランナーを介して第一のスラットを吊下支持し、前記ハンガーレールから第二のランナーを介して第二のスラットを吊下支持し、
前記スラット角度調節装置には、
共通の前記駆動軸の回転に基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを異なる回動速度で回動する回動速度調整装置と、
前記モーターの動作を制御するコントローラーと、
前記スラットの角度を検出する位置検出センサーと
を備え、
前記コントローラーは、
操作信号と、前記位置検出センサーの出力信号とに基づいて、前記第一のスラットと第二のスラットを同一角度に回動する自動制御機能を備えたことを特徴とするブラインド。
【請求項8】
異なる速度で2群のスラットを回動させる駆動手段を備えたブラインドにおいて、
指示角度に対する準備角度をあらかじめ複数設定し、
前記2群のスラットを同一角度とする指令信号に基づいて、前記スラットを全閉状態まで回動し、
次いで前記スラットを前記指示角度に対する準備角度になるまで回動し、
次いで前記スラットを前記指示角度まで逆方向に回動することを特徴とするブラインドのスラット制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2010−133134(P2010−133134A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309083(P2008−309083)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【出願人】(000250672)立川ブラインド工業株式会社 (224)
【Fターム(参考)】
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