説明

ブランク収容装置および方法

【課題】ブランク収容装置および方法を提供する。
【解決手段】本発明の実施形態は、プレス成型品をブランクから成形するときに使用される型の改良を提供する。いくつかの実施形態では、型22は少なくとも1つのストッパー42を含み、ストッパー42は、ブランクが型に供給されるときにブランクの収容を補助しかつ型に対するストッパーの調整性を改善することができる。いくつかの実施形態では、型は、ブランクが型に供給されるときにブランクを収容して型にセンタリングする画定された凹部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、プレス成形品成形装置における容器ブランクからの使い捨てプレス成形容器の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
板紙および他の適切な材料から製造されるプレート、トレイ、ボウル等の使い捨てプレス成形容器は、時に、傾斜ダイセットで製造される。典型的な成形操作では、ストックのウェブをロールから打抜型を介して連続的に供給して、円形ブランクを成形する。次に、打ち抜かれたブランクが、典型的に重力によって、時に本明細書で成形装置と称されるダイセットの上型半部と下型半部との間の位置に供給される。
【0003】
図1に示したように、典型的なダイセット40は、対面関係で下型半部22に向き合う上型半部20を含む。図1は、例示目的のダイセット40の簡略図である。上型半部は、垂直面に対し典型的に傾斜した方向の往復動のために取り付けられる。プレス成形容器を成形するための典型的なダイセットは、上型半部20等の雄型半部またはパンチ型半部と、下型半部22等の雌型半部とを含む。例えばばね25を使用することによって、型半部の1つ以上の部分がばね付勢され得る。上型半部および下型半部は、円形板紙ブランクであることができるブランクをプレートまたは他の所望のプレス成形品の形状にプレスする。
【0004】
いくつかの例では、下型22は、ベース部(例えば図1に示したベース部30)と、ノックアウト(例えば図1に示したノックアウト27)と、取り外し可能な輪郭部(例えば図1に示した輪郭部28)とを有する。同様に、上型半部20は、パンチ部(例えば図1に示したパンチ部34)と、ノックアウト(例えば図1に示したノックアウト36)とを含むことができる。いくつかの実施形態では、ダイセットは圧力リング24と絞りリング26とを含む。以下に説明するように、絞りリングはプレート成形中にプリーツプレス加工の制御を補助する。
【0005】
板紙プレートストックの厚さは、従来、約0.25mm〜約0.64mm(約0.01インチ〜約0.025インチ)である。このような厚さのプレートストックでは、圧力リングと絞りリングとの間で、0.25mm〜0.64mm(0.01インチ〜0.025インチ)(プレートストックの厚さよりも僅かに小さい)の間隔を維持して、プレートの外周の周囲に均一な折り曲げ(プリーツプレス加工)の制御を補助することが時に望ましい。具体的には、ある抵抗力でブランクが下型半部の成形面に引っ張られるように、絞りリングによってブランクの外周領域に圧力が加えられる。
【0006】
所望の速度で良質の製品を製造するために、一貫した成形操作を行うことが重要である。特に、円形ブランクが下型半部内に適切に位置決めされることが重要である。典型的な成形装置は、ブランクが上型半部と下型半部との間の位置に供給されるときにブランクを停止させるように構成されるブランクストッパーを含む。さらに、このようなブランクから成形された容器が妨害されることなく型成形装置を通り抜けることを可能にするように、ブランクストッパーを構成することが望ましい。
【0007】
図2〜図4に示したように、絞りリング26は、垂直部材12を有する少なくとも1つの従来のブランクストッパー10を含み、垂直部材は、ブランクが成形装置に供給されるときにブランクを停止させるために略垂直方向に延びる。このような従来のブランクストッパーは、ブランクストッパー10と絞りリング26との間に配置されかつ別個の間隔でブランクストッパーの調整を可能にする1つ以上のスペーサーまたはシム14を使用して、絞りリング26に対し位置決めされる。このようにして、ブランク径の変動、はずみ、アングルブランク移送シュート送り込み、ブランクのねじれ、または他の要因を考慮するように、ブランクストッパーを成形装置に対し配置することができる。しかし、ブランクストッパーの調整は困難である。この理由は、ボルト、例えばボルト15を緩めて、適切なシムを挿入しなければならず、このことが調整を面倒にし、利用可能なシムを限定するからである。さらに、シムを挿入する操作者が、典型的に高温の成形装置から火傷の危険にさらされるので、工程は危険性を孕んでいる。
【0008】
型成形装置に重力供給されるブランクは、相当の速度およびエネルギーで固定アンギュラーブランクストッパーに接触する。その結果、ブランクは、2つの型の間に据えられる前に少なくとも1回「はね返って」しまうことが多い。ブランクが2つの型半部の間にセンタリングされない場合、製品はオフセンター成形され、この結果、製品の一方の側の折り返しエッジが、製品の他方の側と比較した場合に長くなる。この異なる折り返しエッジにより、しばしば、製品強度が損なわれ、かつスタックの視覚的美観に影響を与え、つまり、スタックは一様に見えない。したがって、このようなオフセンター成形された製品は、ダイセットから排除され、廃棄物として処分される。
【0009】
重力供給されたブランクを捕捉するための他の代替方法は、回転ピンストッパー、例えば図5〜図8に示したピンストッパー16を使用することである。これらのピンストッパーは、絞りリングの型半部に(または絞りリングが使用されない場合には成形装置の他の箇所に)取り付けられ、ピンの直径はダイセットにおけるブランクのセンタリングを補助するように選択される。これらのピンストッパーは、成形型に対するピンストッパーの調整を可能にする調整ねじ18を含み得る。このような調整は、シムの使用を必要とせず、型に対する内側方向/外側方向の無限の調整可能性を可能にする。いくつかの形態では、図7に示したように、片側当り2つの1組の回転ピンストッパー(合計4つのピン)を絞りリングの前部に向かって使用して、入着ブランクを停止させることが可能である。ピンストッパー16が、図7と図8に示したようにスピン/回転することができる場合、その回転により、重力供給されたブランクの運動エネルギーのある部分が吸収され、したがって、ブランクのはずみおよび非均一なプレートのオフセンター成形の低減が補助される。同様に、回転ピンストッパーは、ブランクがオンセンター位置へより迅速に転がりまたは移動することを可能にし、したがって、より高速の一貫した製品成形を可能にする。
【0010】
いくつかの実施形態、例えば図7の実施形態では、後部の2つのピンストッパーは前部の2つのピンストッパーよりも高さがあるので、ブランクが型成形装置内に重力供給されるときに後部の2つのピンストッパーがブランクを案内し、前部の2つのピンがブランクを位置決めし、そして形成されたプレートは低い方の前部の2つのピンストッパーの上を摺動することができる。
【0011】
2006年8月18日に出願されかつ参考として本出願に組み込まれている下記特許文献1に記載されているように、プレス成形品成形機に少なくとも1つの追加の型対を可能にするために、従来のプレス成形品成形機に改良がなされている。このことは、追加の型対が機械内に取り付けられるように、機械に使用される型対を狭くすることによって実現される。型対が狭いため、図8に示したように、2つのみの回転ピンストッパー16(4つと対照的に)を狭くなった各々の型対に取り付けることができる。したがって、絞りリングは2つの回転ピンストッパー16と2つの非回転ガイドピン17とを含む。4つの回転ピンストッパーの代わりに2つの回転ピンストッパーを使用することは、ブランクが回転ピンストッパーを打つときに、重力供給されたブランクと関連する運動エネルギーを吸収する点でそれほど有効ではない。具体的には、本発明者は、2つのみの回転ピンストッパーの使用と関連して望ましくない「はね返り」があり、上記のように、このことがプレートのオフセンター成形をもたらす可能性があることがあることを見出した。さらに、ピンストッパーは、重力供給されたブランクを停止させる点で、図2〜図4に示したブランクストッパー10ほどには有効でない。具体的には、ピンストッパー16を使用する場合、ブランクがダイセットに重力供給されるときに、ブランクは回転ピンストッパーの一方または両方の頂部の上を摺動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0042072号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施形態は、ブランクからプレス成形品を成形するための改良された装置および方法を提供する。ブランクは板紙ブランクまたは他の適切な材料のブランクであることができる。いくつかの実施形態では、本装置は、ブランクが型に供給されるときにブランクの収容を補助し、かつ型に対しストッパーをより良く調整できる改良されたストッパーを含む下型を有する。このようなストッパーは、狭いツールと共に使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、型は、ブランクが型に供給されるときにブランクの収容およびセンタリングを補助する画定された凹部を含む。
【0014】
本発明が機能する方法の正確かつ完全な理解は、本発明の実施には不要であり、出願人は、当該出願人の発明または先行技術の任意のものがいかに機能するかに関する上記または他の任意の理解に限定されることを望まない。
【0015】
添付の特許請求の範囲を実施する最良の形態を含みおよび当業者に向けられた完全かつ可能な開示は、本明細書の残りにおいてより詳細に記載される。本明細書は添付図を参照し、この場合、異なる図の同様の参照番号は、同様のまたは類似の構成要素を示すように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】従来のダイセットの簡略断面図である。
【図2】従来のブランクストッパーを有する従来の下型半部の絞りリングの平面図である。
【図3】図2の下型半部の絞りリングの部分側面斜視図である。
【図4】従来のブランクストッパーを有する下型半部の斜視図である。
【図5】2つの回転ピンストッパーと2つの非回転ガイドピンとを有する従来の下型半部の絞りリングの他の実施形態の平面図である。
【図6】図5の下型半部の絞りリングの部分側面斜視図である。
【図7】4つの回転ピンストッパーを有する従来の下型半部の斜視図である。
【図8】2つの回転ピンストッパーと2つの非回転ガイドピンとを有する狭い下型半部の斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態による下型半部の絞りリングの頂部斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態による2つのストッパーを有する狭い下型の斜視図である。
【図11】図9の下型半部の絞りリングの分解図である。
【図12】図9の下型半部の絞りリングの平面図である。
【図13】図9の下型半部の絞りリングの底部斜視図である。
【図14】図9の下型半部の絞りリングに対し位置決めされた図9のストッパーの1つの底部の部分斜視図である。
【図15】開放位置に示された本発明の一実施形態によるダイセットの簡略断面図である。
【図16】図15の挿入円Aに沿った拡大図である。
【図17】ダイセットが開放位置から閉鎖位置に移動したときの図15のダイセットの簡略断面図である。
【図18】図17の挿入円Bの拡大図である。
【図19】ダイセットが開放位置から閉鎖位置に移動したときの図15のダイセットの簡略断面図である。
【図20】図19の挿入円Cの拡大図である。
【図21】閉鎖位置に示された図15のダイセットの簡略断面図である。
【図22】図21の挿入円Dの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図9および図11〜図13は、2つのストッパー42を備える下型半部の絞りリング26を示している。打ち抜かれたブランクがZ方向に絞りリング26の前部78に向かって絞りリング26に供給されるときに、ストッパー42はブランクを捕捉してそれを適切な位置に案内する働きをする。いくつかの実施形態では、打ち抜かれたブランクは絞りリング26に重力供給されるが、ブランクを絞りリング26に供給する他の適切な方法が考慮される。ストッパー42は、ベース44とそこから延びる延長部46とを含む。図11に示したように、いくつかの実施形態では、ストッパー42は第1の端部48と第2の端部50とを有する。第1の端部48は、ストッパーアパーチャー54を有する前面52を含む。いくつかの実施形態では、前面52は実質的に平坦である。ストッパーアパーチャー54は、調整ねじ56の端部のねじ山に対応するようにタッピングできるであろう型アパーチャー60を介して、絞りリング26に対しストッパー42を調整可能に位置決めするために、調整ねじ、例えば調整ねじ56または他の適切な調整機構等を収容するように整形される。
【0018】
いくつかの実施形態では、調整ねじ56は頭部55とフランジ57とを含む。図11に示したように、頭部55とフランジ57との間に形成された間隙に対応するように、ストッパーアパーチャー54を整形することができる。図11に示した実施形態では、ストッパーアパーチャー54は略逆U字形の開口部である。図14に示したように、調整ねじ56の頭部55とフランジ57との間に形成された間隙内にストッパーアパーチャー54を位置決めすることにより、ストッパー42が捕捉され、調整ねじ56が回転されない限り絞りリング26に対するストッパー42の移動が防止される。調整ねじ56が回転されるときに、ストッパー42は、以下に説明するように、制御の下、絞りリング26に沿って移動することができる。
【0019】
図13と図14に示したように、ストッパー42の下側41は、絞りリング26の溝58内に収容されるように構成されるキーまたはフィンガー43を含む。他の実施形態では、キーは絞りリングに配置され、溝はストッパーに配置される。絞りリング26に対するストッパー42の位置決めを調整するために、締付ボルト62が緩められ、調整ねじ56が回転され、そしてストッパーの下側41のキー43が溝58に沿って移動される。このようにして、溝58は、絞りリング26に対するストッパー42のアラインメントを維持するためのガイドとして機能する。所望の位置決めが達成されると、ストッパー42の開口部64を通って延びる締付ボルト62は、締付ボルト62の端部のねじ山に対応するようにタッピングできるであろう開口部66によって、ストッパー42を絞りリング26にしっかりとボルト止めするために締め付けられる(図11参照)。図13と図14に示した実施形態は溝およびキー特徴部を含むが、任意の適切な雄型および雌型の噛み合い構成要素を使用して、ストッパーが絞りリングに対し移動または並進するときに、ストッパーの案内を補助することが可能である。例えば、溝およびキー特徴部の代わりに、T字形構成要素、ペグおよびアパーチャー、あり継ぎジョイント等を使用してもよい。
【0020】
図9〜図13に示したように、ストッパー42の一部は絞りリング26に対し略接線方向に位置する。上記のように、複数のプレートを成形機で1回で成形することができるように、典型的に、複数のダイセットが並んだ関係で配置される。例えば、追加の型を絞りリング26の側部68と70の一方または両方に隣接して配置してもよい(図12参照)。幅の狭いツールが使用される場合、追加のダイセットが機械に収容されるように、下型半部の寸法Pは型の寸法Qよりも小さい。追加の型の包含を可能にするために、ストッパー42は、典型的に、寸法Pを超えて延びないように絞りリング26に配置される。さらに、ストッパー42は、ストッパー42が幅の狭いツールと共に使用される場合に調整ねじ56がアクセス可能であるように、少なくとも部分的に下型半部の前部78に沿って配置されるべく絞りリング26に対し配向される。特に、調整ねじ56は第1の端部48の前面52でストッパー42に対し配置されるので、複数の型が互いに隣接する幅の狭いツールと共に使用される場合でも、機械から型装置を取り外すことなく、絞りリング26に対するストッパー42の位置を容易に調整することができる。絞りリング26が使用されない実施形態では、ストッパー42を下型半部22にまたは成形装置の任意の適切な位置に直接配置することが可能である。
【0021】
上記のようにかつ図15〜図22に示したように、ブランクからプレートを形成するために使用されるダイセット40は絞りリング26と圧力リング24とを含み得る。図15と図16に示したように、絞りリング26は、画定された凹部72を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、画定された凹部72の高さは約1mm〜約13mm(約0.04インチ〜約0.5インチ)である。他の実施形態では、画定された凹部の高さは約2mm〜約5mm(約0.08インチ〜約0.2インチ)である。いくつかの実施形態では、画定された凹部72の高さは、プレートストックの厚さの約2〜約30倍の範囲にあり、いくつかの実施形態では、プレートストックの厚さの約5〜約15倍である。絞りリング26の画定された凹部72を含むことにより、ブランクが絞りリング26に供給されるときにブランクの捕捉が補助され、ストッパー42に衝突した後にブランクのリバウンドが防止され、ブランクが絞りリング26内にセンタリングされるように位置決めされる。具体的には、ストッパー42を絞りリング26に配向することにより、形成されたプレートがベース44の頂部を通過することをなお可能にしつつ、供給されるブランクの大部分の停止が補助される。次に、形成されたプレートがシステムから妨害なしに出ることができる程度にベース44の形状は十分に低くなければならないので、延長部46は、ベース44を通過した可能性があるブランクを捕捉するための安全装置として機能する。
【0022】
ストッパー42は絞りリング26に固定して取り付けられるので、ブランクがダイセットに供給されるときに、ブランクのリバウンドがブランクの衝撃からなお生じる可能性がある。絞りリング26の画定された凹部72は、ブランクが供給されるときに、適切な位置におけるブランクの収容を補助する。具体的には、絞りリング26に入ったときにブランクをリバウンドさせるように、ブランクがストッパー42に衝突する場合、画定された凹部72の裏側壁がブランクの移動を制限する。成形中にブランク45のプリーツプレス加工の制御を維持するため、成形中に圧力リングの表面74と絞りリングの表面29との間にわずかな間隙47を生成して、ブランク45に圧力を加えるために、図15に示したように、実質的に平坦である代わりに、圧力リング24の表面74がステップダウンされる(図20参照)。図15と図16は、開放位置のダイセット40を示しており、一方、図17〜図20は、ブランク45の周囲にわずかな圧力を加えるために接触している絞りリング26および圧力リング24を示している。図20は、圧力リング24が絞りリング26に接触するときに、わずかな間隙47が圧力リング24の段付き表面74と絞りリングの表面29との間に維持される状況を示している。圧力リング24と絞りリング26との間に形成された間隙47は、ブランクの厚さにほぼ等しい。図21と図22は、上型半部20が下型半部22と完全に噛み合うようにダイセット40が完全に閉じていることを示している。
【0023】
改良されたストッパー42と、画定された凹部72との組み合わせは、意外な結果をもたらした。製造速度および製品品質が大幅に向上し、一方、成形不良またはオフセンターのプレートの低減により廃棄物が減少した。例えば、改良されたストッパー42と、画定された凹部72との組み合わせにより、最大約15%のプレス速度の向上が実現された。さらに、画定された凹部72と改良されたストッパー42との組み合わせにより、一定の特性を有するプレートの形成が可能になり、この場合、従来のツールではこのようなプレートの形成は不可能であろう。例えば、2010年3月22日に出願された米国特許第12/728,31号明細書(これらの内容は参考として本出願に組み込まれている)に開示されたプレート等の低い包装折り返し部を有するプレートは、上記のツールを使用して形成されることができる。具体的には、ストッパー42のベース44の高さは、形成されたプレートが妨害なしに型アセンブリから出ることができるように形成されるべきプレートの折り返し部よりも低くなければならない。さらに、延長部42の間の距離M(図12に図示)は、プレートが型アセンブリから出ることができるように、形成されたプレートの直径よりも大きくなければならない。
【0024】
さらに、成形型に供給されるブランクを収容してセンタリングするための方法が開示される。一実施形態では、ブランクが絞りリング26の後部80に達し、次に、絞りリング26の前部78に向かって進むように、ブランクがZ方向に供給される(図12参照)。絞りリング26に結合された少なくとも1つのストッパー42は、Z方向におけるブランクの移動の停止を補助するように構成される。2つ以上のストッパー42を有する実施形態、例えば図9〜図13に示した実施形態では、ブランクが下型26内に適切に位置決めされるように、ストッパー42の1つ以上を下型26に対し調整することが可能である。いくつかの実施形態では、下型22は、画定された凹部72を有する絞りリング26を含む。画定された凹部72は、ブランクを捕捉して、ブランクを絞りリング26内に位置決めするのを補助するように構成される。同様に、下型半部22および上型半部20を使用して、ブランクをプレス成形品に形成する方法が開示される。いくつかの実施形態では、上型半部20は、下面74を有する圧力リング24を含み、下面74は、上型半部20が下型半部22と噛み合うときに圧力リング24と絞りリング26との間に間隙が設けられるように、画定された凹部72と対応すべく段状にされる。いくつかの実施形態においてブランクの厚さにほぼ等しいこの間隙は、ブランクがプレス成形品に形成されるときに圧力をブランクに加えて、ブランクのプリーツプレス加工の制御を補助する。
【0025】
上記および図中の説明の目的および精神から逸脱することなく、本発明の構成、用途、製造工程および他の観点において、本発明の多数の修正を行うことが可能である。
【符号の説明】
【0026】
20 上型半部、22 下型半部、24 圧力リング、25 ばね、26 絞りリング、27 ノックアウト、28 輪郭部、29 表面、30 ベース部、40 ダイセット、41 下側、42 ストッパー、43 キーまたはフィンガー、44 ベース、45 ブランク、46 延長部、47 間隙、48 第1の端部、50 第2の端部、52 前面、54 ストッパーアパーチャー、55 頭部、56 調整ねじ、57 フランジ、58 溝、60 型アパーチャー、62 締付ボルト、64 開口部、66 開口部、68 側部、70 側部、72 凹部、74 圧力リング24の表面、78 前部、80 後部、M 距離、P 下型半部の寸法、Q 型の寸法、Z 方向。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス成形品を成形するための装置であって、
(a)下型であって、
前部、後部、および2つの側部と、
少なくとも一部分が前記下型の前記前部に位置付けられる少なくとも1つの雌型または雄型位置付け特徴部と、
型アパーチャーと、
を備える下型と、
(b)少なくとも1つのストッパーであって、
ストッパーアパーチャーを有する前面と、
前記下型の前記少なくとも1つの雌型または雄型位置付け特徴部と噛み合うように構成される少なくとも一つの雌型または雄型位置付け特徴部と、
ベースおよび前記ベースから延びる延長部と、
前記ストッパーアパーチャー内に収容可能でありかつ前記型アパーチャー内に収容可能であるアジャスタと、
を備える少なくとも1つのストッパーと、
を備え、
前記アジャスタが調整されるときに、前記少なくとも1つの雄型位置付け特徴部がこれが噛み合う前記少なくとも1つの雌型位置付け特徴部内を移動し、前記下型の前記前部に対する前記少なくとも1つのストッパーの位置を調整するように構成される装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの雄型位置付け特徴部がキーであり、前記少なくとも1つの雌型位置付け特徴部が溝である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記下型が前記前部と前記後部との間の第1の寸法と、前記2つの側部の間の第2の寸法とを有し、前記第2の寸法が前記第1の寸法よりも小さい、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記アジャスタが、ブランクが前記下型に供給される方向に略平行な長手方向軸線を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのストッパーが、さらに、当該少なくとも1つのストッパーを前記下型に取り付ける締付ボルトを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記アジャスタが、前記アジャスタの頭部とフランジとの間に形成された間隙を有し、前記ストッパーアパーチャーが、前記アジャスタの前記間隙内に配置されるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのストッパーの前記前面が平坦である請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記ストッパーアパーチャーが略逆U字形である、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの雄型位置付け特徴部および前記少なくとも1つの雌型位置付け特徴部が噛み合うときに、前記少なくとも1つのストッパーが前記下型に対し略接線方向に位置するように、前記少なくとも1つの雌型または雄型位置付け特徴部が前記下型に沿って延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記下型が絞りリングをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記下型に対する前記少なくとも1つのストッパーの位置を前記下型の前記前部から調整することができるように、前記アジャスタが前記少なくとも1つのストッパーに対し配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記絞りリングが、前記下型の内側の周囲に延びる画定された凹部を備える、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記画定された凹部が、前記下型に収容されるブランクの厚さの2倍〜30倍の範囲にある、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記画定された凹部の高さが少なくとも1mmである、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記画定された凹部の高さが2mm〜5mmである、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記絞りリングと噛み合うように構成された圧力リングを備える上型をさらに備え、前記圧力リングが、平坦でない下面を備える、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記圧力リングの前記下面が段状にされ、前記段付き下面の少なくとも一部分が前記絞りリングの前記画定された凹部に対応する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記絞りリングの前記画定された凹部が、前記下型に供給されるブランクの捕捉を補助するように構成される、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
ブランクからプレス成形品を成形するための装置であって、
絞りリングを備える下型であって、前記絞りリングが、下型の内側の周囲に延びかつ高さが少なくとも1mmである画定された凹部を備える下型と、
圧力リングを備える上型であって、前記圧力リングが前記絞りリングと噛み合うように構成され、かつ前記絞りリングの前記画定された凹部に対応するように段状にされる下面を備える上型と、
を備える装置。
【請求項20】
前記画定された凹部の高さが2mm〜5mmである、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記圧力リングの前記下面が平坦でない、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記ブランクが前記下型に供給されるときに、前記画定された凹部が前記ブランクを捕捉するように構成される、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
前記画定された凹部の高さが前記ブランクの厚さの2倍〜30倍の範囲にある、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
前記圧力リングが前記絞りリングと噛み合うときに、前記圧力リングの前記下面と前記絞りリングの表面との間に間隙が維持されるように、前記圧力リングの前記下面が整形され、前記間隙が、前記ブランクの厚さに等しい高さを備える、請求項19に記載の装置。
【請求項25】
ブランクからプレス成形品を成形するための装置であって、
後部と前部と2つの側部とを備える下型であって、前記下型が絞りリングをさらに備え、前記絞りリングが、前記絞りリングの周囲に延びる画定された凹部を備え、前記画定された凹部が、前記ブランクが前記絞りリングに供給されるときに前記ブランクの位置付けを補助するように構成されている下型と、
前記下型の前記前部の少なくとも一部に接続される少なくとも1つのストッパーであって、ベースと前記ベースから延びる延長部とを備える少なくとも1つのストッパーと、
前記下型に対する前記少なくとも1つのストッパーの位置の調整性を提供するアジャスタと、
を備え、
前記画定された凹部の高さが少なくとも1mmであり、
前記ブランクが供給されるときに、前記ブランクが前記下型の前記後部から前記下型に近づくように前記装置が構成される装置。
【請求項26】
前記画定された凹部の前記高さが2mm〜5mmの範囲にある、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
前記下型が、少なくとも1つの雄型または雌型位置付け特徴部をさらに備え、前記少なくとも一つの雄型または雌型位置付け特徴部は、前記少なくとも1つのストッパーの少なくとも一つの雄型または雌型位置付け特徴部を収容するように構成され、収容、被収容の関係にある前記雌型および雄型位置付け特徴部が、前記下型に対する前記少なくとも1つのストッパーの配置を維持するように補助する、請求項25に記載の装置。
【請求項28】
前記絞りリングと噛み合うように構成された圧力リングを備える上型をさらに備え、前記圧力リングの下面が、前記絞りリングの前記画定された凹部に対応するように平坦でない、請求項25に記載の装置。
【請求項29】
前記下型に対する前記少なくとも1つのストッパーの位置を前記下型の前記前部から調整することができるように、前記アジャスタが前記少なくとも1つのストッパーに対し配置される、請求項25に記載の装置。
【請求項30】
前記画定された凹部の前記高さが前記ブランクの厚さの2倍〜30倍である、請求項25に記載の装置。
【請求項31】
前記圧力リングが前記絞りリングと噛み合うときに、前記ブランクの厚さに等しい高さを有する間隙が前記圧力リングの前記下面と前記絞りリングの表面との間に形成されるように、前記圧力リングの前記下面が整形される、請求項28に記載の装置。
【請求項32】
前記少なくとも1つの雄型位置付け特徴部がキーであり、前記少なくとも1つの雌型位置付け特徴部が溝である、請求項27に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2012−148563(P2012−148563A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−4874(P2012−4874)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(501208512)ディクシー コンスーマー プロダクツ エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】