説明

ブランク折畳み方法およびブランク折畳み機

【課題】折畳み型ボックスにおいて、ギャップΔの差を最小にして、フィッシュテーリングを抑制する。
【解決手段】折畳み型ボックス(1′)の製造に使用される紙等の材料のブランク(1)の折畳み方法であって、ブランクが、左側長手方向縁部(5)と、右側長手方向縁部(6)と、左側から右側まで延び、少なくとも2つのそれぞれの隣接パネル(1aから1d)を定める少なくとも2つのそれぞれの長手方向溝(2aから2d)とを有し、(a)パネル(1d)を長手方向溝(2c)の回りで第一折畳み装置(30)内に180°の角度で折畳み、溝(2c)に沿う長手方向折畳み部(2′c)を形成する段階と、(b)ブランク(1)を長手方向折畳み部(2′c)に沿って主整合装置(40)内に整合させる段階と、(c)ブランク(1a)を溝(2a)の回りで第二折畳み装置(50)内に180°の角度で折畳む段階とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙、厚紙、プラスチック、段ボールまたは折畳みボックスの製造に使用される同様な材料の折畳み方法に関する。本発明はまた、本発明による折畳み方法を適用する機械に関する。
【背景技術】
【0002】
所与の材料の折畳みボックスを製造するのに、「フォルダ・グルア(folder-gluer)」と呼ばれる機械を用いて前記材料のブランクを変形することが知られている。例えば、矩形底を備えた平行六面体すなわちボックスを製造するには、適当なブランクは、2つの側辺および2つの横辺を備えた全体として長方形の形状を有している。
【0003】
フォルダ・グルアでのブランクの走行方向に対し、ブランクの前縁部は、機械内に最初に入る横辺であり、後縁部は最後に入る横辺である。同様に、ブランクの左縁部は、フォルダ・グルアの長手方向軸線の左側に位置するブランクの辺にあり、右縁部は、フォルダ・グルアの長手方向軸線の右側に位置するブランクの辺にある。矩形底ボックス(標準型ボックスとも呼ばれる)のブランクを正しく折畳むため、ブランクは、左側から右側に至る4つの長手方向溝(すなわち折目付け(scorings))を有し、これらの長手方向溝は、ブランクを5つの部分、すなわち4つの隣接するパネルおよび1つの接着フラップに分割する。1つの両凸底(biconvex bottom)、すなわち、覆い(envelope)を備えたボックスでは、ブランクは2つの長手方向溝を有し、これらの長手方向溝は、ブランクを3つの部分、すなわち2つの隣接するパネルおよび1つの接着フラップに分割する。
【0004】
折畳み型ボックスを製造するには、ブランクの左縁部および右縁部に配置されたパネルは、ブランクの内側に向かって180°下方に折畳まれる。後者の位置では、ブランクの右縁部と左縁部との間の距離はギャップと呼ばれる。必要ならば、折畳み型ボックスの前方のギャップと、折畳み型ボックスの後方のギャップとを区別することができる。
【0005】
欠点のない折畳み型ボックスを製造するには、折畳み型ボックスのギャップは、仕様により設定される基準ギャップ「Gref」に等しくなくてはならない。今、実際には、本発明者等は、同じ製造による全てのボックスについて、この相等性(equality)を確保することは非常に困難であることを認識している。Δはできる限り小さいという条件で、折畳み型ボックスのギャップを(Gref+Δ)に等しくするということを本発明者等が受入れる理由はここにある。Δは、基準ギャップに対するギャップ差を表し、正または負の値で示される。
【0006】
また、欠点のない折畳み型ボックスとは、前方ギャップと後方ギャップとが等しいボックスでもある。なぜならば、そうでなければ、折畳み型ボックスの形状が台形になってしまうからである。この問題は、「フィッシュテーリング(fishtailing)」の名称で知られている。
【0007】
既知の第一の折畳み方法は、エッジパネルを180°で同時に下方に折畳むことを含んでいる。この折畳み方法は、ギャップΔを小さくすることもできないし、フィッシュテーリングを回避することもできない。
【0008】
他の既知の方法(図5aおよび図5b参照)は、ブランクの右縁部および左縁部に位置するパネルを180°で連続的に下方に折畳むことを含む。この折畳み方法は、ギャップΔの減少またはフィッシュテーリングの回避をうまく行うことができない。
【0009】
上記従来技術では、ブランクの右縁部および左縁部に位置するパネルを下方に折畳む前に、フォルダ・グルアの長手方向軸線に平行な一軸線に沿ってブランクの左縁部と右縁部とを整合させることも知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の第一の目的は、ギャップΔの差を最小にすることにある。この目的を達成するため、本発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載の折畳み方法を含んでいる。
【0011】
本発明の他の目的は、フィッシュテーリングを抑制すること、または少なくとも小さくすることにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の他の特徴および長所は、添付図面に単なる例示として示された本発明の特定実施形態についての以下の説明から明白になるであろう。
【0013】
図1は、本発明による方法を適用するのに適したフォルダ・グルアの第一実施形態を概略的に示すものであり、図1はまた、ブランク1の折畳み方法の異なる段階を示している。この例では、ブランク1は、標準型ボックスを製造するものを意味する。矢印8はフォルダ・グルアにおけるブランク1の走行方向を示し、この方向は、フォルダ・グルアの長手方向軸線9に平行である。また、フォルダ・グルアの平面は、フォルダ・グルアの長手方向軸線が通る水平平面であると定義される。
【0014】
フォルダ・グルアの入口Eに入る各々のブランクは、その平面内で、フォルダ・グルアの長手方向軸線に平行な2つの側辺5、6と、フォルダ・グルアの長手方向軸線に垂直な2つの横辺3、4とを有している。ブランク1の走行方向に関し、横辺3をブランクの後縁部と定義し、横辺4をブランクの前縁部と定義し、並びに、側辺5をブランクの左縁部と定義し、かつ側辺6をブランクの右縁部と定義する。最後に、ブランクの長さを、ブランクの前縁部と後縁部との間の距離であると定義する。
【0015】
正しい場所で折畳まれるようにするため、ブランク1は、左側から右側にかけて、それぞれ4つの長手方向溝(すなわち折り目付け)2a、2b、2c、2dを有する。これらの長手方向溝は、左縁部5に平行でありかつそれぞれ4つの隣接パネル1a、1b、1c、1dを定める。ボックスの底および蓋を後で形成できるようにするため、ブランクの前縁部および後縁部には、それぞれ平行な横方向溝2f、2gが前記両方の縁部の距離に配置されることは予想されよう。また、ブランクの前記横方向溝2f、2gと、それぞれ前縁部および後縁部との間にも前記長手方向溝2a、2b、2cの連続部が存在することも予想されよう。
【0016】
各パネルは、2つの側辺と、ブランクの後縁部3および前縁部4に一致する2つの横辺とを備えた長方形の全体的形状を有している。第一パネル1aの両方の側辺は、ブランクの左縁部5および長手方向溝2aに一致する。第二パネル1bの両側辺は、長手方向溝2a、2bに一致する。第三パネル1cの両方の側辺は、長手方向溝2b、2cに一致する。これに対し、第四パネル1dの両側辺は、側方溝2b、2cに一致する。溝2dは、この溝2dおよび右縁部6により定められる接着フラップ1eの第四パネル1dを分離している。変更例では、接着フラップ1eは、第一パネル1aに隣接して配置することができる。
【0017】
図1に示した機械の第一実施形態では、ブランク1は、コンベア11によりフィーダ10から搬送される。その後、フィーダ31は、ブランクを第一折畳み装置30内に搬送する。折畳み装置30内では、パネル1dが、折畳みブレード32の補助によりパネル1c上に折畳まれる。換言すれば、パネル1dは、溝2cの回りで180°の角度で折畳まれる。この第一折畳み作業の終時に、溝2cの場所には第一長手方向折畳み部2′cが現われる。その後、コンベア41は、ブランクを主整合装置40内に搬送する。この整合装置40では、ブランク1の第一長手方向折畳み部2′cが、ルール42(すなわちガイドレール)に沿って、これに線接触する。ルール42の長手方向軸線は、フォルダ・グルアの平面内でフォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロの角度を形成している。換言すれば、ルール42の長手方向軸線はフォルダ・グルアの長手方向軸線に平行であり、このため、溝2aはフォルダ・グルアの長手方向軸線に平行になる。これらの構成により、第一折畳み作業中の全ての誤差が第二折畳み作業の前に補償され、ギャップΔの差が最小にされる。詳細な説明については、図6における図6aから図6cに関する説明を参照されたい。
【0018】
その後、コンベア51はブランク1を第二折畳み装置50内に搬送する。折畳み装置50内では、パネル1aが、折畳みブレード52の使用によりパネル1b上に折畳まれる。換言すれば、パネル1aは、溝2aの回りで180°の角度で折畳まれる。この第二折畳み作業の終時に、溝2aの場所には第二長手方向折畳み部2′aが現われる。第二折畳み作業の上流側で、接着フラップ1eには接着剤が塗布される。これにより、折畳み作業の終時に、接着フラップ1eがパネル1aに接着され、パネル1a、1dが隣接される。これまでに達成された折畳みボックス1′は、理想的には、折畳み部2′a、2′cに一致する2つの側辺と、ブランクの後縁部3および前縁部4にそれぞれ一致する2つの横辺3′、4′を備えた形状を有する。この例では、それぞれの折畳みブレード32、52は湾曲したステッキの形状を有する合成材料で作られており、ステッキの捩りは湾曲に比例する形状であり、ブレードの軸線は折畳み軸線に一致している。
【0019】
或る場合には、フィーダ10から出るブランク1が折畳み作業にとって正確に配置されないことがあり、その場合には、ブランクを、第一折畳み装置30に通す前に、最初に補助整合装置20に通すのが有利である。この目的のため、フィーダ10から出るブランクは、コンベア21により、補助整合装置20内に搬送される。補助整合装置20では、ブランク1の左縁部5が、ルール22(すなわち、ガイドレール)に沿ってルール22に線接触するようになる。フォルダ・グルアの平面内で、ルール22の長手方向軸線はフォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロの角度を形成する。換言すれば、ルール22の長手方向軸線はフォルダ・グルアの長手方向軸線に平行であり、このため溝2cはフォルダ・グルアの長手方向軸線に平行になる。
【0020】
第二折畳み装置50から出る折畳み型ボックス1′は、コンベア61により較正装置60内に搬送されるのが有利である。較正装置60では、折畳み型ボックス1′は、2つの長手方向バー62の間に通される。両バー62の間の距離は、折畳み型基準ボックスの幅に等しい。このため、較正装置60内に入る折畳み型ボックスが基準幅より大きい幅を有するときは、ボックスは、側辺2′a、2′cがバー62により押さえられる。バー62を作用すると、基準サイズを、折畳み型ボックスの幅にする効果が得られる。折畳み型基準ボックスは、ボックスの仕様により定められた寸法に一致する寸法をもつボックスである。折畳み型ボックスの幅は、側辺2′cから側辺2′aを分離する距離に一致する。必要ならば、折畳み型ボックスの前部の幅Lfと後部の幅Lrとを区別することができる(図4参照)。幅Lfは、側辺2′cから側辺2′aを分離する横辺4′の距離であり、これに対し、幅Lrは、側辺2′cから側辺2′を分離する横辺3′の距離である。バー62は、ローラトラック(図示せず)で作ることができる。
【0021】
また、パネル1aが接着フラップ2dに接触している場所でパネル1aに垂直圧力を加えるために、較正装置60内に支持手段(図示せず)を設けるのが有利である。これにより、接着剤をより良く硬化させることができる。これにより、較正装置60から出る折畳み型ボックスは、コンディショニングが整えられてデリバリステーションに搬送される。ここで、ボックスは、パレット上のパイル内に貯蔵されるか、コンテナ内に収納される。
【0022】
図2は、本発明による方法への適用に適したフォルダ・グルアの第二実施形態を示すものである。この変形例では、図1の全ての要素並びに方法の全ての段階の角度値が、僅かに変化された状態に維持されている。従って、図1の要素の参照番号は、同じものが使用されている。
【0023】
フォルダ・グルアのこの第二実施形態では、ルール22の長手方向軸線はフォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロでない角度αを形成し、これにより、補助整合装置20から出るブランク1は、ブランクの走行方向に対して角度αだけずれる。同様に、ルール42の長手方向軸線はフォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロでない角度βを形成するので、主整合装置40から出るブランクは、ブランクの走行方向に対して角度βだけずれる。この方法により、本発明者等は、フィッシュテーリングの問題を解決する。
【0024】
通常、フィッシュテーリングを完全に回避するには、パネル1dは、少なくとも、ブランクの前縁部4の近くの第一点およびブランクの後縁部3の近くの第二点に同時に加えられる曲げ力により、長手方向溝2cの回りで180°折畳まれなくてはならない。曲げ力が1つの点のみに加えられる場合には、前記点を、パネル1dの正中軸線に沿うどこかに位置決めすることにより、依然としてフィッシュテーリングを回避できる。しかしながら、唯一の接触点がブランク1dの正中軸線上以外のどこかに位置する場合には、フィッシュテーリングの問題を回避するのが困難である。ここで、パネル1dの正中軸線は、前記前縁部および後縁部から等距離に位置する、ブランクの後縁部または前縁部の平行軸線であると定義する。
【0025】
ブランク1が第一折畳み装置30の入口に到達すると、パネル1dは、その前縁部4により折畳みブレード32内に搬送される。ブランクの走行中に、ブレード32は、パネル1dの前縁部4に加えられる曲げ力をパネル1dに加える。この曲げ力は、フォルダ・グルアの平面内で、長手方向溝2cの軸線に対してパネルの折畳み軸線(すなわち回転軸線)を角度的にずらす傾向を有する。このようなオフセットが、フィッシュテーリングを発生させる。
【0026】
この問題を解決するため、フォルダ・グルアの第二実施形態では、第一折畳み装置30の入口に到達するブランクは、ブランクの走行方向に対して角度α(角度αは、折畳み軸線のオフセットに一致するように選択される)だけずらされる。これにより、長手方向溝2cの軸線がパネル1dの折畳み軸線に一致し、従って、長手方向溝2cの回りでのパネル1dの180°折畳みが正しく行われる。
【0027】
パネル1dの折畳みに対して本発明者等が遭遇する問題は、パネル1aの折畳みについて課される問題と同じである。実際に、ブランク1が第二折畳み装置50の入口に到達すると、パネル1aは、その前縁部4により折畳みブレード52内に搬送される。ブランクの走行中に、ブレード52は、前縁部4に加えられる曲げ力をパネル1aに加える。この曲げ力は、フォルダ・グルアの平面内で、長手方向溝2aの軸線に対するパネルの折畳み軸線(すなわち回転軸線)を角度的にずらす傾向を有する。このオフセットが、フィッシュテーリングを発生させる。
【0028】
この問題を解決するため、フォルダ・グルアの第二実施形態では、第二折畳み装置50の入口に到達するブランクは、ブランクの走行方向に対して角度β(角度βは、折畳み軸線のオフセットに一致するように選択される)だけずらされる。これにより、長手方向溝2aの軸線がパネル1aの折畳み軸線に一致し、従って、長手方向溝2aの回りでのパネル1aの180°折畳みが正しく行われる。
【0029】
これらの構成により、折畳み型ボックスの前部でのギャップは、ボックスの後部でのギャップに等しくなる。換言すれば、折畳み型ボックスは、直方体の形状を有し、フィッシュテーリングの問題は解決されたことになる。
【0030】
折畳み軸線のオフセット値は、例えば、折畳まれるパネルのサイズ、ブランクの材料および厚さ、溝(この溝の回りでパネルが折畳まれる)の深さおよび長さ、およびブレードの長さ等幾つかの異なるパラメータに基いて定められる。ブランクの折畳み前にオフセット値を予測するのが非常に困難な理由はこのためである。従って、角度αおよび角度βは、注目したオフセット値に関連して選択される。例えば、所与のブランクについて、第一折畳み装置および第二折畳み装置での折畳み軸線のオフセット値がそれぞれ+2°および−2°であると注目した場合には、角度αおよび角度βは、それぞれ+2°および−2°に等しい角度が選択される。
【0031】
図1および図2の例では、コンベア11、21、31、41、51、61の上方部分が示されておらず、下方部分のみが示されている。コンベアは、ベルト形式またはローラ形式のもので構成できる。コンベア11、21は共通コンベアとして集合でき、コンベア51、61も同様である。また、第二折畳み装置50および較正装置60も、共通の装置として集積できる。
【0032】
図3は、第一折畳み装置30の出口でのブランクを示すものである(溝は示されていない)。本発明による方法のこの段階では、パネル1dは、パネル1c上に折畳まれている。この図3には、ブランクの左縁部5がブランクの全長に亘って延びていないことが示されている。縁部5は、横方向溝2f、2gと、ブランクのそれぞれの前縁部および後縁部との間に、セットバック(すなわち、水平オフセット)5′を有している。この例では、縁部5′は縁部5に平行である。同様に、ブランクの右縁部6がブランクの全長に亘って延びていないことも示されている。縁部6は、横方向溝2f、2gと、ブランクのそれぞれの前縁部および後縁部との間のセットバック6′を有している。この例では、縁部6′は縁部6に平行である。これらの構造により、折畳み型ボックスは、横方向溝2f、2gと、ブランクのそれぞれの前縁部および後縁部との間の溝2dの連続部にスリットを備えたものとなる。
【0033】
図4には、折畳み型ボックス、すなわち第二折畳み装置50の出口でのブランクが示されている(溝は示されていない)。本発明による方法のこの段階では、パネル1aは、パネル1b上に折畳まれかつ接着フラップ1eに接着されており、従って折畳み型ボックスはシールされている。この例では、本発明者等は、縁部5′と縁部6′との間のギャップを測定することを選択した。必要ならば、折畳み型ボックスの前部でのギャップGfと、折畳み型ボックスの後部でのギャップGrとを区別することができる。ギャップGfは、横辺4′の右縁部6′から左縁部5′を分離する距離であり、これに対し、ギャップGrは、横辺3′の右縁部6′から左縁部5′を分離する距離である。
【0034】
図5において、図5aおよび図5bは、従来技術の方法で作られた折畳み型たボックスを示すものである。便利のため、ここでも、本発明による方法で作られた折畳み型ボックスに関連して使用された参照番号と同じ参照番号を使用する。図5aは、図3のA−A線を通る、従来技術のブランクの断面図であり、図5bは、図4のB−B線を通る、従来技術のブランクの断面図である。図5cは、図5bの図面と同様な図面による基準ボックスを示すものである。
【0035】
パネル1dの180°での折畳み作業中に、パネル1dの回転軸線の位置が、基準ボックスの回転軸線の位置に対して誤差e1だけずらされる場合には、(2×e1)に等しい、右縁部6′の位置のオフセットが生じる(図5a参照)。同様に、パネル1aの180°での折畳み作業中に、パネル1aの回転軸線の位置が、基準ボックスの回転軸線の位置に対して誤差e2だけずらされる場合には、(2×e2)に等しい、左縁部5′の位置のオフセットが生じる(図5b参照)。従って、2回の連続折畳みにより生じるギャップは、(Gref+2×e1+2×e2)に等しくなる。ここで、Grefは折畳み型基準ボックスのギャップであり、(2×e1+2×e2)はギャップΔの差である(図5c参照)。
【0036】
図6において、図6aおよび図6cは、本発明によるボックスの折畳みを示すものである。図6aおよび図6bは、図3のA−A線を通るブランクの断面図であり、図6cは、図4のボックスのB−B線を通る断面図である。図6において、図6dは、図6cの図面と同様な図面による基準ボックスを示すものである。
【0037】
第一折畳み装置30でのパネル1dの折畳み作業の終時に誤差e1が生じる場合には、第二折畳み装置50を通過する前にブランクが主整合装置40を通ることにより、得られるギャップに生じるこの誤差を補償できる。実際に、主整合装置40内に入ると、ブランクの長手方向折畳み部2′cが、ルール42に沿ってルール42に線接触するようになり、かつ折畳み部2′cの位置のオフセットe1により左縁部5′の位置のオフセットe1および右縁部6′の位置のオフセット(2×e1)が生じる。例えば、パネル1dの回転軸線の位置が、基準ボックスの回転軸線位置に対して右方に1mmだけずらされると、右縁部6′は、その基準位置に対して右方に2×1mmだけずらされる(図6a参照)。その後、折畳み部2′cに沿ってブランクが整合するという事実により、ブランクが左方に1mmだけずらされ、このため、右縁部6′および左縁部5′が左方に1mmだけずらされる(図6b参照)。
【0038】
パネル1aの折畳みがいかなる誤差もなく生じている場合、換言すれば、パネル1aの回転軸線の位置が基準ボックスの回転軸線の位置に対してずれていない場合には、パネル1aの180°での折畳み作業は、折畳み部2′cに沿うブランクの整合から生じるオフセットを反転させる効果を有する(図6c参照)。しかしながら、パネル1の回転軸線の位置が、基準ボックスの回転軸線の位置に対して右方に例えば1mmだけずれている場合には、左縁部5′は、基準位置に対して左方に、(−1+2×1)、すなわち1mmだけずらされる。
【0039】
本発明の方法により、パネル1dの回転軸線の位置の誤差e1は、パネル1aの折畳み作業の前に補償され、このため、2つの連続折畳みから生じるギャップは誤差e1から独立したものとなる。通常、第二折畳み装置50内でのパネル1aの折畳み作業の終時に、誤差e2が生じる場合には(図6c参照)、2つの連続折畳みから生じるギャップは、(Gref+2×e2)に制限される。ここで、Grefは、折畳み型基準ボックスのギャップであり、(2×e2)は、ギャップΔの差である(図6d参照)。
【0040】
ギャップは、折畳み型ボックスの前部および後部で同じ方法で計算されることはもちろんである。
【0041】
これらの構成により、ギャップΔの差は、従来技術の値(2×e1+2×e2)から、本発明による値(2×e2)まで変化させることにより最小化された。
【0042】
以上、本発明による方法を、標準型ボックスの形成を予測したブランクの折畳みに関連して説明したが、本発明の方法は、折畳むべき少なくとも2つのパネルを有するブランクから製造されるあらゆる種類のボックスを形成することを予測したブランクの折畳みにも使用できることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明による方法に適用するのに適したフォルダ・グルアの第一実施形態を示す簡略側面図である。
【図2】本発明による方法に適用するのに適したフォルダ・グルアの第二実施形態を示す簡略側面図である。
【図3】加工中のボックスを示す図面である。
【図4】折畳み型ボックスを示す図面である。
【図5】従来技術による折畳み段階と、折畳み型基準ボックスを示す図面である。ここで、(5a)は従来技術による折畳み段階を示す図面であり、(図5b)は従来技術による折畳み段階を示す図面であり、(図5c)は折畳み型基準ボックスを示す図面である。
【図6】本発明による折畳み段階と、折畳み型基準ボックスを示す図面である。ここで、(図6a)は本発明による折畳み段階を示す図面であり、(図6b)は本発明による折畳み段階を示す図面であり、(図6c)は本発明による折畳み段階を示す図面であり、(図6d)は折畳み型基準ボックスを示す図面である。
【符号の説明】
【0044】
1 ブランク
2a、2b、2c、2d 長手方向溝(折り目付け)
2f、2g 横方向溝
4 横辺(前縁部)
5 側辺(左縁部)
11 コンベア
20 補助整合装置
21 コンベア
30 第一折畳み装置
31 コンベア
40 主整合装置
41 コンベア
50 第二折畳み装置
51 コンベア
60 較正装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙、厚紙、プラスチック、段ボール、または折畳み型ボックス(1′)の製造に使用される同様な材料のブランク(1)の折畳み方法であって、前記ブランクが、左側の長手方向縁部(5)と、右側の長手方向縁部(6)と、左側から右側まで延び、かつ、少なくとも2つのそれぞれの隣接パネル(1a;1b;1c;1d)を定める少なくとも2つのそれぞれの長手方向溝(2a;2b;2c;2d)とを有するブランクの折畳み方法において、
前記折畳み方法は、少なくとも下記の連続する段階、すなわち、
(a)パネル(1d)を長手方向溝(2c)の回りで第一折畳み装置(30)内に180°の角度で折畳み、かつ溝(2c)に沿う長手方向折畳み部(2′c)を形成する段階と、
(b)ブランク(1)を長手方向折畳み部(2′c)に沿って主整合装置(40)内に整合させる段階と、
(c)ブランク(1a)を溝(2a)の回りで第二折畳み装置(50)内に180°の角度で折畳む段階と、
を含むことを特徴とする折畳み方法。
【請求項2】
前記段階(a)の前に、左縁部(5)に沿って補助整合装置(20)の中に前記ブランク(1)を整合させる段階(a′)を含むことを特徴とする請求項1記載の折畳み方法。
【請求項3】
前記整合させる段階(a′)は、前記ブランク(1)の左縁部(5)をルール(22)に線接触させる段階を含むことを特徴とする請求項2記載の折畳み方法。
【請求項4】
前記ルール(22)の長手方向軸線は、フォルダ・グルアの平面内で、フォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロでない角度αを形成することを特徴とする請求項3記載の折畳み方法。
【請求項5】
前記整合段階c)は、ブランク(1)の長手方向折畳み部(2′c)を、ルール(42)に沿ってルール(42)と線接触させることを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の折畳み方法。
【請求項6】
前記ルール(42)の長手方向軸線は、フォルダ・グルアの平面内で、フォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロでない角度βを形成することを特徴とする請求項5記載の折畳み方法。
【請求項7】
前記段階(c)の後に、較正装置(60)内への折畳み型ボックス(1′)の較正を行う段階(d)を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の折畳み方法。
【請求項8】
前記較正段階d)は、折畳み型ボックス(1′)を2つの長手方向バー(62)の間で走行させることを含み、両方のバー(62)の間の距離は予め定められることを特徴とする請求項7記載の折畳み方法。
【請求項9】
請求項1に記載の折畳み方法に適用するフォルダ・グルア機械において、機械の入口から出口にかけて、第一折畳み装置(30)と、主整合装置(40)と、第二折畳み装置(50)とを有することを特徴とするフォルダ・グルア機械。
【請求項10】
前記第一折畳み装置(30)の前に配置された補助整合装置(20)を更に有することを特徴とする請求項9記載のフォルダ・グルア機械。
【請求項11】
前記主整合装置(40)はルール(42)を有し、前記ルール(42)は、フォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロでない角度を形成する長手方向軸線を有していることを特徴とする請求項9記載のフォルダ・グルア機械。
【請求項12】
前記補助整合装置(20)はルール(22)を有し、前記ルール(22)は、フォルダ・グルアの長手方向軸線に対して、ゼロでない角度を形成する長手方向軸線を有していることを特徴とする請求項10記載のフォルダ・グルア機械。
【請求項13】
前記第二折畳み装置(50)の後に、較正装置(60)を更に有することを特徴とする請求項9から12のいずれか1項に記載のフォルダ・グルア機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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