説明

ブランク表面を一時的に腐食から保護する方法、および一時的に腐食から保護される構成要素

【課題】ブランク表面を一時的に腐食から防止する方法、およびこの方法により保護される表面を有する構成要素を提供する。
【解決手段】第1のステップでは、腐食保護箔12が、保護されるブランク表面11.1に取り付けられる。次に、腐食保護箔12の少なくとも一部を半固体のセルフシール保護層13で覆う。一定時間後、腐食保護箔12をその上に配置された保護層13と共に取り除くことにより、ブランク表面11.1の少なくとも一部が露出されることができる。セルフシール保護層13は、閉鎖膜を形成し、腐食保護箔12および/またはセルフシール保護層13は、保護されるブランク表面11.1に水分が浸透するのを防ぐための疎水性の作用成分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブランク(blank)表面を一時的に腐食から保護する方法、および腐食から保護される表面を有する構成要素に関する。
【背景技術】
【0002】
腐食は、知られている問題である。腐食を防止または低減するための様々な方法がある。これに関連して、例えば、電子の流れは、当該材料の化学組成が変化されることか、または、腐食から保護される材料が、電解液(例えば、塩水など)から分離されることで、中断され得る。さらに、いくつかの方法があり、例えば、保護層または保護コーティングの使用、錆の形成を防止する媒体の使用、または表面不動態化の使用に基づく。このような保護層は、通常、塗装、有機物層、セラミックおよび無機物層、プラスチックコーティング、錆びない金属を用いたメッキ等に基づいている。他の層、例えば、亜鉛、アルミニウムをベースとする金属、およびマグネシウムをベースとする金属などの層は、保護される層より速く腐食する傾向があるという事実により区分されている(これらの層はしたがって犠牲層とも称される)。錆の形成を防止する手段は、通常、表面の化学的性質を変化させ、一種の中間層を形成する。それに対して、先に述べた表面不動態化は、一般に、酸化物層の適用または生成により実行される。
【0003】
上述の方法は、本質的に永続的な保護に適している。
【0004】
しかし、一時的にだけブランク金属表面を保護する必要性も存在する。したがって、例えば、製造後および最終使用まで、保護されなければならないブランク金属表面を有する、半完成製品または完成製品がある。例として、駆動軸、歯車の歯面、レール等をあげることができる。その場合、保護手段は、迅速にかつ簡単に適用でき、後に再び除去できることが重要である。ただし、先に述べた方法は、目的が、ブランク金属表面の一時的な保護であることを条件とする場合のみ適する。
【0005】
実際面では、2つの異なる方法が立証されているが、これらの方法は、欠点を有する。
【0006】
ブランク表面は、通常、表面に塗布または噴霧される腐食保護手段により保護されている。機械および車両構造物および機械設備においては、例えば、「Tectyl」(登録商標)の名称で販売されている手段が、この目的に使用される。この手段は、優れた腐食保護効果によりよく知られているが、除去が難しいという欠点を有する。特に、エレベータ構造の場合、ガイドレールが、エレベータケージまたは釣り合いおもりに対して使用され、そのようなレールの走行面が、完全に滑らかでクリーンでなければならない場合、このような腐食防止手段は、残留物を再度無くすために高コストをかけて取り除かれることができ、ある条件でしか適さない。
【0007】
さらに、ブランク表面を再度露出させる溶剤の使用も欠点を有する。なぜなら、これらの溶剤は、環境に有害であり、したがって処理に費用がかかる。
【0008】
先に述べた犠牲層も、一時的な保護には適さない。なぜなら、犠牲層は、保護される表面と密接に結合し、再度除去できないか、または高コスト処理によってしか除去できない欠点を有するためである。さらに、犠牲層は、ブランク表面の特性を変化させるため、ガイドレール、駆動軸等では使用できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上の点より、本発明は、簡単および効果的に、ブランク表面、特にブランク金属表面を腐食から保護し、これらの表面は、一定時間後に再度残留物が無く露出される方法を提供する目的を有する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による第1の方法は、独立請求項1から明らかである。この方法は、ブランク表面の腐食からの保護に対し、以下のステップで適用され、必要時に再度除去される、多層保護システムが使用されるという事実により特徴付けられる。腐食保護箔は、保護されるブランク表面に取り付けられる。この腐食保護箔の少なくとも一部は、半固体のセルフシール保護層の塗布によって覆われる。これらの2つの層は、多層保護システムを形成する。この保護システムは、必要時に再度除去される。ブランク表面の少なくとも一部は、腐食保護箔の少なくとも一部を取り除くことにより露出される。保護層も、腐食保護箔と同時に除去される。
【0011】
本発明による腐食から保護される表面を有する構成要素は、独立請求項14から明らかである。
【0012】
本発明によれば、セルフシール保護層は、閉鎖膜を形成し、保護システムは、保護されるブランク表面に水分が浸透するのを防止するために疎水性の作用成分を含む。
【0013】
別の実施形態の有利な形態は、独立請求項から推測できる。
【0014】
請求項13に記載されている方法は、特に、エレベータ設備のガイドレールの一時的保護に対して有利である。なぜなら、この方法を用いると、ガイドレールの走行面のみが選択的に露出されるためである。
【0015】
本発明は、例に基づき、図面を参照して以下により詳細に説明される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、腐食しやすい平滑表面を一時的に保護する方法に関する。本発明の方法は、方法例に基づいて以下に説明され、続いて、別の方法が、第1の方法例を参照して説明される。
【0017】
図1を参照して、本発明を説明する。ブランク表面11.1を腐食から一時的保護する方法に関する。下記のステップを実行して、所望の保護効果を実現する保護システムを提供する。
【0018】
随意のクリーニングステップの後、保護されるブランク表面11.1に腐食保護箔12が取り付けられる。図1では、腐食保護膜12は目に見えるように、意図的に選択されて示されている。次のステップでは、半固体のセルフシール保護層13が塗布される。図1に見られるとおり、この保護層13を用いて、腐食保護箔12の少なくとも一部を覆う。腐食保護箔12は、保護層13と共に、インテリジェント保護システム、すなわち後のセクションで説明される構造および効果を形成する。
【0019】
この保護システムを適用することにより、構成要素、例えば、ガイドレール10は、平滑表面11.1の領域の腐食が防止される。構成要素は、所望どおりに保管されかつ輸送されることができる。
【0020】
後の時点で、例えば、組立現場に輸送し、その場所に取り付けた後、ブランク表面11.1の少なくとも一部は、腐食保護箔12の少なくとも一部を取り除くことにより再度露出されることができる。保護層13は、腐食保護箔12と共に簡単な方法で除去できる。腐食保護箔12を適切に選択すると、ツールおよび特別な機械のいずれも、この目的のためには必要とされない。腐食保護箔12は、簡単に、かつ残留物を残さずに取り外されることができる。さらに、本発明による別の方法は、図3Aおよび図3Bを参照して以下に説明される。図示された例は、例えばエレベータ構造物に使用されるガイドレール10に関する。レール10は、T形状の断面を有する。レール10のウエブの2つの相互に反対側の側面は、エレベータケージまたは釣り合いおもりのガイドとして役立つ。反対側に配置された2つの側面の一方は、図3Aにおいて11.1で示されている。ウエブの他方の側面は見えない。エレベータケージの完全な機能を保証するために、側面は、ブランクのままであることが重要である。これは、これらの走行面11.1が、錆、錆止め剤の残留物、または機械的な損傷を有してはならないことを意味する。エレベータケージの緊急時のブレーキ作動が発生する場合、これは特に重要である。なぜなら、この場合は、走行面11.1にブレーキ手段が直接作用するためである。
【0021】
実施形態の図示された例においては、腐食保護箔12は、後に露出されるべきブランク表面11.1の領域だけに取り付けられる。図3Aで見られるように、腐食保護箔12は、ストリップ形状であり、レール10の長手方向軸と平行に表面11.1全体に渡って広がる。レール10の他方の表面は、腐食保護箔12で覆われていない。次にセルフシール保護層13が塗布され、この保護層13は、腐食保護箔12だけではなくレール10の隣接領域も覆う。図示された例では、保護層13は、T形状レール10のウエブ全体のすべての側面を覆う。保護層13は、T形ガーダのウエブと横板との間の直角の移行領域の範囲まで達する。
【0022】
露出の場合では、単に、保護層13の一部を含むストリップ形状の腐食保護箔12は、図3Bに示されているとおり、取り除かれ、それによりブランク表面11.1は開放される。セルフシール保護層13.1は、図3Bにより確認できるとおり、ウエブの隣接領域にとどまる。
【0023】
この方法により、構成要素全体を保護し、必要な場合に所定の領域を露出することが可能になる。所定の領域の形態は、腐食保護箔12の形状により決められる。
【0024】
本発明によれば、保護層13は、セルフシールであり、閉鎖膜を形成するという事実により特徴付けられる。さらに、腐食保護箔12および/または保護層13は、保護されるブランク表面11.1への水分の浸透を防ぐための疎水性の作用成分を含む。さらに、疎水性の準備は、水分を排出する結果となる。
【0025】
本発明の好ましい形態においては、腐食保護箔12は、ブランク表面、特にブランク金属表面に対する強力な接着結合を形成するという事実により特徴付けられる。ブランク表面に対する腐食保護箔12の優れた接着をもたらす一方で、他方ではそれにより、ブランク表面11.1と腐食保護箔12との間の遮断効果をもたらす。この遮断効果は、水分の浸透を防ぐ。
【0026】
実施形態の好ましい形態において、セルフシール(自己補償)保護層13は、特に密封された閉鎖膜を形成するという事実により、特徴付けられる。保護層13は、それにより、一種の閉鎖膜を形成し、これは好ましくは、撥水剤として作用する。所望の保護効果を達成するため、好ましくは、膜の厚さは10ミクロンから500ミクロンの間である。
【0027】
セルフシール保護層13は、好ましくはチキソトロピー剤を含み、一方では、塗布時に密封された閉鎖膜を形成し、他方では、損傷に対する保護を提供し、膜は、図2Aで示されているとおり、局部的な機械的な障害13.1の発生後に、自動的に閉鎖する。局部的な機械的な障害13.1の発生後のスナップショットは、図2Aに示されている。障害は、例えば、構成要素10の輸送中にツール等との接触により生じることがある。短時間後の同一構成要素10は、図2Bに示されている。保護層13のセルフシール作用のため、障害13.1の位置は、自動的に閉鎖される。この位置は、図2Bに13.2として示されている。障害13.1の閉鎖は、例えば、保護層13が、ゆっくり流れ続きかつ再度開放された位置を閉鎖するように実施される。さらに、セルフシール動作およびこの結合に使用されるチキソトロピー剤に関する詳細は、以下に述べられる。
【0028】
一般に、「チキソトロピー」という用語は、ゲル状態またはゼラチン状態から固体状態への可逆変化を示す。この変化は可逆性である。したがって、チキソトロピー材料の場合には、例えばせん断力が加えられると、粘度は低下する。
【0029】
「チキソトロピー」という用語により、以下に関して、チキソトロピー剤とも称される、増粘剤を加えたプラスチック状態の保護層13の設定は理解される。この状態では、別様のまさに液状の保護層13は、垂直方向の構成要素10において問題なく処理されることができ、流出しないような粘度に設定されることができる。チキソトロピー状態に設定された保護層13は、静止中はゲルのような挙動を示し、揺り動かされるかまたは処理されると粘性液体のように挙動する特性を有する。図2Aで示されているとおり、局部的な障害が発生すると、チキソトロピー剤のため、粘度は、障害13.1の領域で低下し、図2Bで示されているとおり、保護層13は障害を補償する。
【0030】
セルフシール保護層(13)は、特に、1つの物質または組成において、1つ以上の以下の機能、すなわち、
・ 撥水性、
・ 摩耗抵抗、
・ 塗布における低粘度、
・ 急速な硬化または乾燥、
・ 接触に対する耐性、
を組み合わせることが好ましい。
【0031】
本発明は、実施形態の特定の形態においては、保護される表面11.1の不動態化に基づいている。その結果、腐食の阻止がもたらされる。保護箔12および/または保護層13は、キャリア物質またはキャリア成分、および1つ以上のpH緩衝構成成分(緩衝化剤)を含む。これらの緩衝成分は、保護されるべき(金属)表面11.1を、表面が腐食に対して不動化されるpH値の範囲に維持するように選択される。金属表面11.1を保護するために、本発明によるpH値は、pH8からpH13の間の範囲に設定される。保護箔12および保護層13の保護システムは、基本的に緩衝成分の追加により設定される。
【0032】
特に、保護箔12および/または保護層13は、水分がある状態または他の腐食促進物質が存在する状態で、表面11.1の腐食を防止するのに適する腐食防止成分を有することが好ましい。
【0033】
実施形態の特に好ましい形態の場合には、腐食防止成分は緩衝成分と協働する。
【0034】
特に好ましくは、保護箔12および/または保護層13は撥水性(疎水性)成分を有することにより、水が表面11.1に接触するのを防ぐ。珪酸アルミニウムおよび/またはワックスおよび/またはオイルは、例えば、疎水性の作用成分として使用される。合成オイルおよび/または精製されたミクロクリスタリンワックスは特に適している。
【0035】
さらに、腐食性物質に対して有効な保護を提供するために、空気、炭酸ガス、塩素イオン等などの成分を、保護箔12および/または保護層13に追加できる。
【0036】
本発明による保護箔12および保護層13の保護システムは、1つ以上の前記成分を含む。
【0037】
保護箔12は、緩衝剤および/または他の成分の受容に適している、軟質のキャリア材料を含む。保護箔に特に適するものは、いくつかの例を挙げると、ポリマー材料、ポリアクリル、シリコン、ポリウレタン、ビニルポリマー、またはポリ酢酸ビニルがある。
【0038】
これに反して、保護層13は、保護層13に膜状またはゲル状のコンシステンシーを与えるために、特定のキャリア成分を含む。好ましくは、ワックス状のキャリア成分に関しては、硬化後に、柔軟な密封されたワックス膜を形成する。上述のとおり、コーティングまたは噴霧後、保護層13のチキソトロピー特性が効果を示し、水分および/または液体の浸透を阻止する。
【0039】
前記成分は、好ましくは、キャリア材料(保護箔12の場合)またはキャリア成分(保護層13の場合)中に拡散または吸収される。
【0040】
本発明によれば、従来技術とは対照的に、一方では優れた保護を提供し、他方では問題なくコストを掛けずに再度除去可能である、インテリジェントな腐食保護システムを実現できる。保護されるべき表面11.1は、緩衝成分を使用する場合に不動態化し、または疎水性の作用成分が使用される場合に水分の浸透を防止し、または腐食防止成分が使用される場合に腐食を低減または防止するだけではなく、効果的な全体的保護が、以前には知られていない方式および方法で、いくつかの保護メカニズムの有益な特性を相互に組み合わせて提供される。
【0041】
本発明の利点は、保護システム全体が、環境に適合する材料に基づいていることである。さらに、その適用および除去は、化学薬品を使用する必要のない方法で実行されることができる。また、高温空気システムまたは粉砕機は必要ではないため、必要なエネルギーの消費は増大しない。
【0042】
本発明による保護システムのインテリジェントな特性は、2つの保護手段12、13の組み合わせにより実現される。その場合、保護箔12は、特に、撥水性(疎水性)および/または防水遮断層または遮断中間層として作用する。保護層13および保護箔12が損傷した場合、保護層および/または保護箔12内に存在する成分が使用される。
【0043】
本発明による方法の使用は、ガイドレールのみに制限されない。本発明の方法は、一時的にのみ腐食保護を備える必要がある構成要素の表面、例えば、
・ ガイド面、特に機械ツールのガイド、
・ 駆動軸の表面、
・ 駆動滑車の表面、
・ 測定テーブルの表面、特に精密測定テーブルの表面、
に一般に使用されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明による保護システムを備えるガイドレールの一部の概略斜視図である。
【図2A】機械的な損傷が発生した、本発明による保護システムを備えるガイドレールの一部の概略斜視図である。
【図2B】機械的な損傷が回復された後の、図2Aに示されるガイドレールの概略斜視図である。
【図3A】腐食保護箔が保護される表面のみを覆う、本発明による保護システムを備えるガイドレールの一部の概略斜視図である。
【図3B】腐食保護箔が除去され、その結果保護される表面が露出された後の、図3Aに示されるガイドレールの概略斜視図である。
【符号の説明】
【0045】
10 ガイドレール
11.1 ブランク表面
12 腐食保護箔
13 半固体保護層
13.1 障害

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランク表面(11.1)を一時的に腐食から保護する方法であって、
保護されるブランク表面(11.1)に腐食保護箔(12)を取り付けるステップと、
腐食保護箔(12)を少なくとも部分的に覆う半固体のセルフシール保護層(13)を塗布するステップと、
腐食保護箔(12)の一部に配置されたセルフシール保護層(13)と共に腐食保護箔(12)の少なくとも一部を取り除くことにより、ブランク表面(11.1)の少なくとも一部を後で露出するステップとを含み、
セルフシール保護層(13)が、閉鎖膜を形成し、腐食保護箔(12)および/またはセルフシール保護層(13)が、保護されるブランク表面(11.1)に水分が浸透するのを防ぐための、または存在する水分を排出するための、疎水性の作用成分を含む、方法。
【請求項2】
腐食保護箔(12)が、ブランク表面、特に、ブランク金属表面に対する強力な接着結合により特徴付けられ、それによりブランク表面(11.1)と腐食保護箔(12)との間に遮断効果が得られることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
セルフシール保護層(13)が、塗布後に、厚さが好ましくは10ミクロンから500ミクロンの間である密封された閉鎖膜を形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
セルフシール保護層(13)が、チキソトロピー手段を含み、セルフシール保護層(13)の塗布後、それにより、損傷に対して保護する密封された閉鎖膜を形成し、セルフシール保護層(13)が、局部的な機械的な障害(13.1)の後に自動的に閉鎖することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
セルフシール保護層(13)が、1つの物質における1つ以上の以下の機能、すなわち、
撥水性、
摩耗抵抗、
塗布における低粘度、
急速な硬化または乾燥、
接触に対する耐性、
を組み合わせることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
腐食保護箔(12)の取り付け前に、ブランク表面(11.1)を乾燥させ、錆の除去およびグリースの除去をする方法が使用されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
セルフシール保護層(13)の塗布のために、コーティング、ローリングまたは浸漬方法、またはエアレススプレー方法が使用されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
腐食保護箔(12)が、オイル性および/またはワックス性成分を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
セルフシール保護層(13)が、オイル性および/またはワックス性成分を含み、好ましくは、セルフシール保護層(13)が、ワックス膜を形成することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ブランク表面(11.1)が、鋼要素(11)の表面であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
鋼要素が、エレベータ設備に使用されるガイドレール(11)であり、露出が、エレベータ設備におけるガイドレール(11)の取付け中、またはエレベータ設備を操作する前に実行されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
腐食保護膜(12)の塗布において、露出時に再び開放されるブランク表面(11.1)の領域だけが一時的に覆われることと、
セルフシール保護層(13)が、腐食保護箔(12)だけではなく隣接領域も一時的に覆うことと、
露出時に、セルフシール保護層(13.1)が、隣接領域にとどまることとを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
腐食保護箔(12)が取り除かれた後に、ガイドレール(11)の走行面(11.1)を露出するために、腐食保護箔(12)が、ガイドレール(11)の走行面(11.1)を一時的に覆うストリップとして構成されることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
腐食から保護される表面(11.1)を備える構成要素(10)であって、腐食保護箔(12)が、表面(11.1)に取り付けられ、腐食保護箔(12)の少なくとも一部を覆う半固体のセルフシール保護層(13)が、腐食保護箔(12)に塗布され、表面(11.1)の少なくとも一部が、腐食保護箔(12)の一部に配置されるセルフシール保護層(13)を含む腐食保護箔(12)の少なくとも一部を取り除くことにより露出されることができ、セルフシール保護層(13)が、閉鎖膜を形成し、腐食保護箔(12)および/またはセルフシール保護層(13)は、水分が表面(11.1)に浸透するのを防ぐためまたは存在する水分を排出するため、疎水性の作用成分を含むことを特徴とする、構成要素(10)。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2006−231327(P2006−231327A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−28185(P2006−28185)
【出願日】平成18年2月6日(2006.2.6)
【出願人】(390040729)インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト (166)
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】