ブリスターパック
【課題】 透明なブリスターを通して台紙の背面側部分の内側が外から見えないようにすると共に、製品を包装するまでの組み立てが容易なブリスターパックを安価に提供すること。
【解決手段】 半折りした台紙Ａの正面側部分１に窓穴１１を開口し、該窓穴に周縁フランジＢ’，Ｂ”を備えたブリスターＢを嵌合させると共に台紙の背面側部分２を正面側部分に重ね合わせることによりブリスターＢを台紙Ａに装着するようにしたブリスターパックにおいて、窓穴１１を形成するための切り込み１３を上辺の一部にヒンジ１４を残して入れることにより窓片１５を形成し、且つブリスターの上縁フランジＢ”には窓片のヒンジ１４と対応する部分に切り欠き４を形成し、該ブリスターＢをその中に商品を収容させた状態で台紙の正面側部分１と背面側部分２との間７から差し入れて窓片１７の上に載せてスライドさせ、ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠き４を窓片のヒンジ１４部分に係合させた。
【解決手段】 半折りした台紙Ａの正面側部分１に窓穴１１を開口し、該窓穴に周縁フランジＢ’，Ｂ”を備えたブリスターＢを嵌合させると共に台紙の背面側部分２を正面側部分に重ね合わせることによりブリスターＢを台紙Ａに装着するようにしたブリスターパックにおいて、窓穴１１を形成するための切り込み１３を上辺の一部にヒンジ１４を残して入れることにより窓片１５を形成し、且つブリスターの上縁フランジＢ”には窓片のヒンジ１４と対応する部分に切り欠き４を形成し、該ブリスターＢをその中に商品を収容させた状態で台紙の正面側部分１と背面側部分２との間７から差し入れて窓片１７の上に載せてスライドさせ、ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠き４を窓片のヒンジ１４部分に係合させた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、透明なプラスチック材料で成形されたブリスター（容器）を台紙に一体化させ、ブリスターと台紙とでもって商品を包装し、そのまま展示・販売が可能なブリスターパックに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から提供されているブリスターパックとしては、（１）台紙の上にブリスターの周縁フランジ部を直接熱溶着する、（２）ブリスターの周縁フランジ部を内側に折り込んで係合スライド溝を形成し、その係合スライド溝に台紙の周縁を挿入係合させる、（３）台紙の上にブリスターの周縁フランジ部をステープラ止めするもの、等がある。
【０００３】
これら従来から提供されているブリスターパックにはそれぞれ一長一短があり、これら従来のブリスターパックが有する不具合を解消するべく、本願出願人は先に、半折りした台紙の正面側の部分に適宜大きさの窓穴を開口し、その窓穴にブリスターを内側から嵌合せしめ、その後、半折りした台紙の正面側部分に背面側部分を重ね合わせて貼り合わせるようにしたブリスターパックを提案した（特許文献１参照）。
【０００４】
しかしこのブリスターパックは、半折りした台紙の背面側部分の内側が透明なブリスターを通して外から見えてしまうので、本願出願人は次に、窓穴を打ち抜いた際に形成される窓片を捨てずに利用し、その窓片を当該窓穴と対応する背面側部分の内側位置に設置することにより無粋な背面側部分の内側が外から見えないように工夫したブリスターパックを提案した（特許文献２参照）。
しかし乍ら、これらのブリスターパックの構造では、窓穴を打ち抜いた際に形成される窓片を再び窓穴と対応する台紙の背面側部分の内側に固定させる作業が伴うので、製品を包装する前の組立てが煩雑となる不具合があった。
【０００５】
【特許文献１】 実用新案登録第３０２１０３１号登録公報
【特許文献２】 実用新案登録第３０３０８１１号登録公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明はこの様な不具合に鑑みてなされたものであり、透明なブリスターを通して台紙の背面側部分の内側が外から見えるようなことがないことは勿論、製品を包装するまでの組み立てが容易なブリスターパックを安価に提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成する本発明の請求項１に記載のブリスターパックは、半折りした台紙の正面側部分に窓穴を開口し、該窓穴に周縁フランジを備えたブリスターを嵌合させると共に台紙の背面側部分を前記正面側部分に重ね合わせることにより上記ブリスターを台紙に装着するようにしたブリスターパックにおいて、前記台紙の正面側部分に、窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、且つブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で前記台紙の正面側部分と背面側部分との間から差し入れて窓片の上に載せてスライドさせることにより、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを前記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴としたものである。
また、本発明の請求項２に記載のブリスターパックは、前記台紙の正面側部分に、窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、台紙の背面側部分には前記窓穴のほぼ下半分と対応する位置と大きさに上辺にヒンジを残して切り込みを入れることにより開閉自在な蓋片を形成し、且つブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で、前記窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれ上記ヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口から差し入れ、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを上記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴としたものである。
この際、ブリスターを台紙の挿入口から差し入れ装着した後に、前記蓋片を台紙の正面側部分にステープラ止めすることが好ましい（請求項３）。
【発明の効果】
【０００８】
本発明に係るブリスターパックは、ブリスターを、その内部に商品を収容させた状態でもって台紙の正面側部分と背面側部分との間から差し入れて窓片の上に載せそのまま差し込みスライドさせる（請求項１）か、或いは窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口された挿入口から差し入れ（請求項２）て、ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを窓穴に嵌合させるように構成したので、従来のように窓穴を開口した際に形成される窓片を再び窓穴と対応する台紙の背面側部分の内側に固定させるような作業工程が必要なくなり、よって、製品を包装するまでの組み立てを容易に行なうことが出来ると共に、ブリスターパックとしての製造コストを低減化し安価に提供することが可能となる。
【０００９】
しかも、ブリスターを上記挿入口から差し入れてブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを窓片のヒンジ部分に係合させるように構成したので、ブリスターの上縁フランジが窓穴の内側口縁と窓片とでもって挟持され、ブリスターが窓穴に嵌合状態に係合されることと相俟って、ブリスターを台紙にガタつくことなくしっかりと装着することが出来る。
【００１０】
更に、ブリスターを上記挿入口から差し入れて台紙に一体化したときに、台紙の正面側部分の上面と窓片の上面は、ブリスターの周縁フランジの肉厚分の差があるだけでほとんど同じ面上になるので、窓穴は窓片でもってぴったりと塞がれることになる。
従って、透明なブリスターを通して見えるのは、包装された商品と、半折りした台紙の正面側部分と同じ連続した模様色彩が施された窓片の表面だけであり、台紙の背面側部分の内側はまったく見えなくなる。
【００１１】
また、特に請求項２に記載のブリスターパックによれば、その内部に商品を収容させたブリスターを、窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口から差し入れるように構成したので、ブリスターの厚味み（商品を収容する際の深さ）が大きくて台紙の正面側部分と背面側部分の間から差し入れることが出来ない場合でも、ブリスターを台紙に装着することが出来る。
【００１２】
しかも、蓋片を台紙の正面側部分にステープラ止めするように構成したので、ブリスターを台紙に装着した後に蓋片が不用意に開いたりすることがなく中の商品をしっかりと包装し展示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の具体的な好適実施例を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示した実施例のものに限定されるものではない。
図１〜２及び図４〜５は本発明の請求項２に係るブリスターパックの実施の一例を示し、図１は台紙ＡにブリスターＢを一体化させて商品（図示せず）を包装した状態の一部切欠正面図であり、図２は台紙Ａを展開して示す展開正面図である。
そして、図３は本発明の請求項１に係るブリスターパックの実施の一例を示す。
【００１４】
本発明に係るブリスターパックは、基本的には従来と同様、半折りした台紙Ａの正面側部分１に窓穴１１を開口形成せしめ、その窓穴１１に、周縁フランジＢ’を備えたブリスターＢを嵌合させると共に、台紙Ａの背面側部分２を正面側部分１に重ね合わせることによりブリスターＢを台紙Ａに装着一体化するように構成される。
【００１５】
台紙Ａは、適当な厚さを有しその表面に所要の装飾や印刷が施された紙板材などを用いて、図２に示すごとく適宜大きさの例えば横長の矩形状に形成され、中央の折り線ａを境にして図面上左側の一半部分を正面側部分１とし右側の他半部分を背面側部分２となし、中央折り線ａから内側に半折りして正面側部分１と背面側部分２を重ね合わせると共に、正面側部分１の端辺に延設された糊代１２を内側に折り返して背面側部分２に接着剤等で接着することにより、正面側部分１と背面側部分２の他端同士を一体的に連結させる。
【００１６】
そして、台紙Ａの正面側部分１には、ブリスターＢを嵌合させるための窓穴１１を形成するための切り込み１３を、上辺の一部にヒンジ１４を残して入れることにより窓片１５を形成せしめる。
すなわち、台紙Ａの正面側部分１に、ブリスターＢの外周縁形状と適合する大きさ及び形状に切り込み１３を、その上辺の一部にヒンジ１４を残して形成することにより、ブリスターＢを嵌合させるための窓穴１１を形成すると同時に、上記ヒンジ１４を介して当該窓穴１１と連結された窓片１５を形成するものである。
【００１７】
一方、ブリスターＢは、従来と同様に透明なプラスチック材を用いて、正面側から見て外周形状が台紙Ａの窓穴１１と適合する形状大きさに膨出成形されるか又は組立て形成されると共に、その外周縁に適宜幅の周縁フランジＢ’が水平方向に同一体に延長形成される。
【００１８】
また、特にブリスターＢの上縁フランジＢ”には、台紙Ａの正面側部分１に形成された窓片１５のヒンジ１４と対応する部分に切り欠き４を形成し、ブリスターＢを窓穴１１に装着した際に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”が窓穴１１の口縁裏側に差し込まれ、当該切り欠き４が窓片１５のヒンジ１４部分に係合するように形成される。
この時、上縁フランジＢ”と反対側のフランジには、図１に示す通り上縁フランジＢ”の切り欠き４に対応させて突片４’を残しておけば、隣接する上縁フランジＢ”に切り欠き４を形成しても材料の無駄がなくなる。
【００１９】
次に、本発明の請求項１に係るブリスターパックを組立てて商品を包装する作業工程について説明する。
台紙Ａには予め、図２に示すごとく正面側部分１に窓穴１１及び窓片１５を形成するための切り込み１３を形成しておき、背面側部分２には蓋片２３を形成するための切り込み２２を入れておく。
そして先ず、中央折り線ａから内側に半折りして正面側部分１の裏側に背面側部分２を重ね合わせると共に、正面側部分１の端辺に延設された糊代１２を内側に折り返して背面側部分２に両面接着テープ或いは接着剤等で接着し、正面側部分１と背面側部分２の他端同士を一体的に連結させる。
【００２０】
次に、図３に示すごとく、台紙Ａの正面側部分１と背面側部分２の間を膨らませることにより挿入口７として開口させ、その挿入口７から、予めその内部に商品（図示せず）を収容したブリスターＢを差し入れて窓片１５の上に載せる。
そして、そのままブリスターＢをスライドさせると、ブリスターＢは左右の周縁フランジＢ’部分が台紙Ａの窓片１５上面と窓穴１１の口縁裏側にガイドされて進行し、最終的にブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４が窓穴１１に形成された窓片１５のヒンジ１４部分に係合すると共に、ブリスターＢが窓穴１１に適合嵌合される。
【００２１】
然る後に、台紙Ａの正面側部分１と背面側部分２を互いに元のように平らに合わせ、必要に応じて挿入口７をステープラ５等で塞ぐ。これで、ブリスターＢの周縁フランジＢ’及び上縁フランジＢ”が、半折りした台紙Ａの正面側部分１、すなわち窓穴１１の口縁裏側部分と背面側部分２とで挟持されると同時に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４に窓片１５のヒンジ１４部分が係合されるをもって、ブリスターＢが台紙Ａに脱落することなく装着一体化される。
【００２２】
次に、本発明の請求項２に係るブリスターパックについて説明する。
この場合も、図２に詳しく示すとおり、台紙Ａの正面側部分１に、ブリスターＢを嵌合させるための窓穴１１を形成するための切り込み１３を、上辺の一部にヒンジ１４を残して入れることにより窓片１５を形成するが、更に台紙Ａの背面側部分２に、台紙Ａの正面側部分１に形成された窓穴１１のほぼ下半分と対応する位置と大きさに、その上辺にヒンジ２１を残して切り込み２２を入れることにより開閉自在な蓋片２３を形成せしめる。
【００２３】
すなわち蓋片２３は、その上辺にヒンジ２１を残して例えば略凹形形状に切り込み２２を入れることにより開閉自在に形成され、その横幅は台紙Ａの正面側部分１に形成された窓穴１１の横幅とほぼ同じかやや大きく形成される。
尚、この蓋片２３は厳密な意味で上記窓穴１１の下半分と対応した位置と大きさに形成する必要はなく、当該蓋片２３を開けたときに、後述するところの、窓穴１１に形成された窓片１５と当該蓋片２３をそれぞれヒンジ１４，２１部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口３から、ブリスターＢを差し込むことが可能な程度の大きさに形成されていれば良い。
【００２４】
而して、台紙ＡにブリスターＢを装着するには、先ず中央折り線ａから内側に半折りして正面側部分１の裏側に背面側部分２を重ね合わせると共に、正面側部分１と背面側部分２の他端同士を一体的に連結させる。
次に、図４に示すごとく、正面側部分１の窓穴１１に形成された窓片１５と背面側部分２に形成された蓋片２３をそれぞれのヒンジ１４，２１部分から一緒に背面側に反り返して挿入口３を開口させ、その挿入口３から、予めその内部に商品（図示せず）を収容したブリスターＢを差し込む。
【００２５】
そのままブリスターＢを挿入口３から差し込むと、ブリスターＢは左右の周縁フランジＢ’部分が台紙Ａの窓片１５上面と窓穴１１の口縁裏側にガイドされて進行し、最終的に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４が窓穴１１に形成された窓片１５のヒンジ１４部分に係合すると共に、ブリスターＢが窓穴１１に適合嵌合される。
【００２６】
然る後に、背面側に反り返した窓片１５及び蓋片２３をそれぞれ元に戻して挿入口３を塞ぐ。これで、ブリスターＢの周縁フランジＢ’及び上縁フランジＢ”が、半折りした台紙Ａの正面側部分１、すなわち窓穴１１の口縁裏側部分と背面側部分２とで挟持されると同時に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４に窓片１５のヒンジ１４部分が係合されるをもって、ブリスターＢが台紙Ａに脱落することなく装着一体化される。
【００２７】
そして最後に、蓋片２３が不用意に開かないように、蓋片２３を台紙Ａの正面側部分１にステープル５でステープラ止めするか、或いは蓋片２３と台紙Ａの背面側部分２とにわたって接着テープやシール片等を貼着して蓋片２３を固着させる。
尚、図中の符号６は、陳列時にフックに引っ掛けるためのフック用穴であり、必ずしもなくとも良い。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】 本発明の実施の一例を示す一部切欠正面図。
【図２】 本発明に係る台紙の実施の一例を示す展開正面図。
【図３】 台紙にブリスターを装着している状態の実施の一例を説明する断面図。
【図４】 台紙にブリスターを装着している状態の他の実施例を説明する断面図。
【図５】 図１の縦断面図。
【符号の説明】
【００２９】
Ａ：台紙 ａ：中央折り線
Ｂ：ブリスター Ｂ’：周縁フランジ
Ｂ”：上縁フランジ
１：正面側部分 １１：窓穴
１２：糊代 １３：切り込み
１４：ヒンジ １５：窓片
２：背面側部分 ２１：ヒンジ
２２：切り込み ２３：蓋片
３：挿入口 ４：切り欠き
４’：突片 ５：ステープル
６：フック用穴 ７：挿入口
【技術分野】
【０００１】
本発明は、透明なプラスチック材料で成形されたブリスター（容器）を台紙に一体化させ、ブリスターと台紙とでもって商品を包装し、そのまま展示・販売が可能なブリスターパックに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から提供されているブリスターパックとしては、（１）台紙の上にブリスターの周縁フランジ部を直接熱溶着する、（２）ブリスターの周縁フランジ部を内側に折り込んで係合スライド溝を形成し、その係合スライド溝に台紙の周縁を挿入係合させる、（３）台紙の上にブリスターの周縁フランジ部をステープラ止めするもの、等がある。
【０００３】
これら従来から提供されているブリスターパックにはそれぞれ一長一短があり、これら従来のブリスターパックが有する不具合を解消するべく、本願出願人は先に、半折りした台紙の正面側の部分に適宜大きさの窓穴を開口し、その窓穴にブリスターを内側から嵌合せしめ、その後、半折りした台紙の正面側部分に背面側部分を重ね合わせて貼り合わせるようにしたブリスターパックを提案した（特許文献１参照）。
【０００４】
しかしこのブリスターパックは、半折りした台紙の背面側部分の内側が透明なブリスターを通して外から見えてしまうので、本願出願人は次に、窓穴を打ち抜いた際に形成される窓片を捨てずに利用し、その窓片を当該窓穴と対応する背面側部分の内側位置に設置することにより無粋な背面側部分の内側が外から見えないように工夫したブリスターパックを提案した（特許文献２参照）。
しかし乍ら、これらのブリスターパックの構造では、窓穴を打ち抜いた際に形成される窓片を再び窓穴と対応する台紙の背面側部分の内側に固定させる作業が伴うので、製品を包装する前の組立てが煩雑となる不具合があった。
【０００５】
【特許文献１】 実用新案登録第３０２１０３１号登録公報
【特許文献２】 実用新案登録第３０３０８１１号登録公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
本発明はこの様な不具合に鑑みてなされたものであり、透明なブリスターを通して台紙の背面側部分の内側が外から見えるようなことがないことは勿論、製品を包装するまでの組み立てが容易なブリスターパックを安価に提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記の目的を達成する本発明の請求項１に記載のブリスターパックは、半折りした台紙の正面側部分に窓穴を開口し、該窓穴に周縁フランジを備えたブリスターを嵌合させると共に台紙の背面側部分を前記正面側部分に重ね合わせることにより上記ブリスターを台紙に装着するようにしたブリスターパックにおいて、前記台紙の正面側部分に、窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、且つブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で前記台紙の正面側部分と背面側部分との間から差し入れて窓片の上に載せてスライドさせることにより、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを前記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴としたものである。
また、本発明の請求項２に記載のブリスターパックは、前記台紙の正面側部分に、窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、台紙の背面側部分には前記窓穴のほぼ下半分と対応する位置と大きさに上辺にヒンジを残して切り込みを入れることにより開閉自在な蓋片を形成し、且つブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で、前記窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれ上記ヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口から差し入れ、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを上記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴としたものである。
この際、ブリスターを台紙の挿入口から差し入れ装着した後に、前記蓋片を台紙の正面側部分にステープラ止めすることが好ましい（請求項３）。
【発明の効果】
【０００８】
本発明に係るブリスターパックは、ブリスターを、その内部に商品を収容させた状態でもって台紙の正面側部分と背面側部分との間から差し入れて窓片の上に載せそのまま差し込みスライドさせる（請求項１）か、或いは窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口された挿入口から差し入れ（請求項２）て、ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを窓穴に嵌合させるように構成したので、従来のように窓穴を開口した際に形成される窓片を再び窓穴と対応する台紙の背面側部分の内側に固定させるような作業工程が必要なくなり、よって、製品を包装するまでの組み立てを容易に行なうことが出来ると共に、ブリスターパックとしての製造コストを低減化し安価に提供することが可能となる。
【０００９】
しかも、ブリスターを上記挿入口から差し入れてブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを窓片のヒンジ部分に係合させるように構成したので、ブリスターの上縁フランジが窓穴の内側口縁と窓片とでもって挟持され、ブリスターが窓穴に嵌合状態に係合されることと相俟って、ブリスターを台紙にガタつくことなくしっかりと装着することが出来る。
【００１０】
更に、ブリスターを上記挿入口から差し入れて台紙に一体化したときに、台紙の正面側部分の上面と窓片の上面は、ブリスターの周縁フランジの肉厚分の差があるだけでほとんど同じ面上になるので、窓穴は窓片でもってぴったりと塞がれることになる。
従って、透明なブリスターを通して見えるのは、包装された商品と、半折りした台紙の正面側部分と同じ連続した模様色彩が施された窓片の表面だけであり、台紙の背面側部分の内側はまったく見えなくなる。
【００１１】
また、特に請求項２に記載のブリスターパックによれば、その内部に商品を収容させたブリスターを、窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口から差し入れるように構成したので、ブリスターの厚味み（商品を収容する際の深さ）が大きくて台紙の正面側部分と背面側部分の間から差し入れることが出来ない場合でも、ブリスターを台紙に装着することが出来る。
【００１２】
しかも、蓋片を台紙の正面側部分にステープラ止めするように構成したので、ブリスターを台紙に装着した後に蓋片が不用意に開いたりすることがなく中の商品をしっかりと包装し展示することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の具体的な好適実施例を図面を参照しながら詳細に説明するが、本発明は図示した実施例のものに限定されるものではない。
図１〜２及び図４〜５は本発明の請求項２に係るブリスターパックの実施の一例を示し、図１は台紙ＡにブリスターＢを一体化させて商品（図示せず）を包装した状態の一部切欠正面図であり、図２は台紙Ａを展開して示す展開正面図である。
そして、図３は本発明の請求項１に係るブリスターパックの実施の一例を示す。
【００１４】
本発明に係るブリスターパックは、基本的には従来と同様、半折りした台紙Ａの正面側部分１に窓穴１１を開口形成せしめ、その窓穴１１に、周縁フランジＢ’を備えたブリスターＢを嵌合させると共に、台紙Ａの背面側部分２を正面側部分１に重ね合わせることによりブリスターＢを台紙Ａに装着一体化するように構成される。
【００１５】
台紙Ａは、適当な厚さを有しその表面に所要の装飾や印刷が施された紙板材などを用いて、図２に示すごとく適宜大きさの例えば横長の矩形状に形成され、中央の折り線ａを境にして図面上左側の一半部分を正面側部分１とし右側の他半部分を背面側部分２となし、中央折り線ａから内側に半折りして正面側部分１と背面側部分２を重ね合わせると共に、正面側部分１の端辺に延設された糊代１２を内側に折り返して背面側部分２に接着剤等で接着することにより、正面側部分１と背面側部分２の他端同士を一体的に連結させる。
【００１６】
そして、台紙Ａの正面側部分１には、ブリスターＢを嵌合させるための窓穴１１を形成するための切り込み１３を、上辺の一部にヒンジ１４を残して入れることにより窓片１５を形成せしめる。
すなわち、台紙Ａの正面側部分１に、ブリスターＢの外周縁形状と適合する大きさ及び形状に切り込み１３を、その上辺の一部にヒンジ１４を残して形成することにより、ブリスターＢを嵌合させるための窓穴１１を形成すると同時に、上記ヒンジ１４を介して当該窓穴１１と連結された窓片１５を形成するものである。
【００１７】
一方、ブリスターＢは、従来と同様に透明なプラスチック材を用いて、正面側から見て外周形状が台紙Ａの窓穴１１と適合する形状大きさに膨出成形されるか又は組立て形成されると共に、その外周縁に適宜幅の周縁フランジＢ’が水平方向に同一体に延長形成される。
【００１８】
また、特にブリスターＢの上縁フランジＢ”には、台紙Ａの正面側部分１に形成された窓片１５のヒンジ１４と対応する部分に切り欠き４を形成し、ブリスターＢを窓穴１１に装着した際に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”が窓穴１１の口縁裏側に差し込まれ、当該切り欠き４が窓片１５のヒンジ１４部分に係合するように形成される。
この時、上縁フランジＢ”と反対側のフランジには、図１に示す通り上縁フランジＢ”の切り欠き４に対応させて突片４’を残しておけば、隣接する上縁フランジＢ”に切り欠き４を形成しても材料の無駄がなくなる。
【００１９】
次に、本発明の請求項１に係るブリスターパックを組立てて商品を包装する作業工程について説明する。
台紙Ａには予め、図２に示すごとく正面側部分１に窓穴１１及び窓片１５を形成するための切り込み１３を形成しておき、背面側部分２には蓋片２３を形成するための切り込み２２を入れておく。
そして先ず、中央折り線ａから内側に半折りして正面側部分１の裏側に背面側部分２を重ね合わせると共に、正面側部分１の端辺に延設された糊代１２を内側に折り返して背面側部分２に両面接着テープ或いは接着剤等で接着し、正面側部分１と背面側部分２の他端同士を一体的に連結させる。
【００２０】
次に、図３に示すごとく、台紙Ａの正面側部分１と背面側部分２の間を膨らませることにより挿入口７として開口させ、その挿入口７から、予めその内部に商品（図示せず）を収容したブリスターＢを差し入れて窓片１５の上に載せる。
そして、そのままブリスターＢをスライドさせると、ブリスターＢは左右の周縁フランジＢ’部分が台紙Ａの窓片１５上面と窓穴１１の口縁裏側にガイドされて進行し、最終的にブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４が窓穴１１に形成された窓片１５のヒンジ１４部分に係合すると共に、ブリスターＢが窓穴１１に適合嵌合される。
【００２１】
然る後に、台紙Ａの正面側部分１と背面側部分２を互いに元のように平らに合わせ、必要に応じて挿入口７をステープラ５等で塞ぐ。これで、ブリスターＢの周縁フランジＢ’及び上縁フランジＢ”が、半折りした台紙Ａの正面側部分１、すなわち窓穴１１の口縁裏側部分と背面側部分２とで挟持されると同時に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４に窓片１５のヒンジ１４部分が係合されるをもって、ブリスターＢが台紙Ａに脱落することなく装着一体化される。
【００２２】
次に、本発明の請求項２に係るブリスターパックについて説明する。
この場合も、図２に詳しく示すとおり、台紙Ａの正面側部分１に、ブリスターＢを嵌合させるための窓穴１１を形成するための切り込み１３を、上辺の一部にヒンジ１４を残して入れることにより窓片１５を形成するが、更に台紙Ａの背面側部分２に、台紙Ａの正面側部分１に形成された窓穴１１のほぼ下半分と対応する位置と大きさに、その上辺にヒンジ２１を残して切り込み２２を入れることにより開閉自在な蓋片２３を形成せしめる。
【００２３】
すなわち蓋片２３は、その上辺にヒンジ２１を残して例えば略凹形形状に切り込み２２を入れることにより開閉自在に形成され、その横幅は台紙Ａの正面側部分１に形成された窓穴１１の横幅とほぼ同じかやや大きく形成される。
尚、この蓋片２３は厳密な意味で上記窓穴１１の下半分と対応した位置と大きさに形成する必要はなく、当該蓋片２３を開けたときに、後述するところの、窓穴１１に形成された窓片１５と当該蓋片２３をそれぞれヒンジ１４，２１部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口３から、ブリスターＢを差し込むことが可能な程度の大きさに形成されていれば良い。
【００２４】
而して、台紙ＡにブリスターＢを装着するには、先ず中央折り線ａから内側に半折りして正面側部分１の裏側に背面側部分２を重ね合わせると共に、正面側部分１と背面側部分２の他端同士を一体的に連結させる。
次に、図４に示すごとく、正面側部分１の窓穴１１に形成された窓片１５と背面側部分２に形成された蓋片２３をそれぞれのヒンジ１４，２１部分から一緒に背面側に反り返して挿入口３を開口させ、その挿入口３から、予めその内部に商品（図示せず）を収容したブリスターＢを差し込む。
【００２５】
そのままブリスターＢを挿入口３から差し込むと、ブリスターＢは左右の周縁フランジＢ’部分が台紙Ａの窓片１５上面と窓穴１１の口縁裏側にガイドされて進行し、最終的に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４が窓穴１１に形成された窓片１５のヒンジ１４部分に係合すると共に、ブリスターＢが窓穴１１に適合嵌合される。
【００２６】
然る後に、背面側に反り返した窓片１５及び蓋片２３をそれぞれ元に戻して挿入口３を塞ぐ。これで、ブリスターＢの周縁フランジＢ’及び上縁フランジＢ”が、半折りした台紙Ａの正面側部分１、すなわち窓穴１１の口縁裏側部分と背面側部分２とで挟持されると同時に、ブリスターＢの上縁フランジＢ”に形成された切り欠き４に窓片１５のヒンジ１４部分が係合されるをもって、ブリスターＢが台紙Ａに脱落することなく装着一体化される。
【００２７】
そして最後に、蓋片２３が不用意に開かないように、蓋片２３を台紙Ａの正面側部分１にステープル５でステープラ止めするか、或いは蓋片２３と台紙Ａの背面側部分２とにわたって接着テープやシール片等を貼着して蓋片２３を固着させる。
尚、図中の符号６は、陳列時にフックに引っ掛けるためのフック用穴であり、必ずしもなくとも良い。
【図面の簡単な説明】
【００２８】
【図１】 本発明の実施の一例を示す一部切欠正面図。
【図２】 本発明に係る台紙の実施の一例を示す展開正面図。
【図３】 台紙にブリスターを装着している状態の実施の一例を説明する断面図。
【図４】 台紙にブリスターを装着している状態の他の実施例を説明する断面図。
【図５】 図１の縦断面図。
【符号の説明】
【００２９】
Ａ：台紙 ａ：中央折り線
Ｂ：ブリスター Ｂ’：周縁フランジ
Ｂ”：上縁フランジ
１：正面側部分 １１：窓穴
１２：糊代 １３：切り込み
１４：ヒンジ １５：窓片
２：背面側部分 ２１：ヒンジ
２２：切り込み ２３：蓋片
３：挿入口 ４：切り欠き
４’：突片 ５：ステープル
６：フック用穴 ７：挿入口
【特許請求の範囲】
【請求項１】
半折りした台紙の正面側部分に窓穴を開口し、該窓穴に周縁フランジを備えたブリスターを嵌合させると共に上記台紙の背面側部分を前記正面側部分に重ね合わせることにより上記ブリスターを台紙に装着するようにしたブリスターパックにおいて、
前記台紙の正面側部分に、前記窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、
且つ前記ブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で前記台紙の正面側部分と背面側部分との間から差し入れ窓片の上に載せてスライドさせ、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを上記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴とするブリスターパック。
【請求項２】
半折りした台紙の正面側部分に窓穴を開口し、該窓穴に周縁フランジを備えたブリスターを嵌合させると共に上記台紙の背面側部分を前記正面側部分に重ね合わせることにより上記ブリスターを台紙に装着するようにしたブリスターパックにおいて、
前記台紙の正面側部分に、前記窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、前記台紙の背面側部分には前記窓穴のほぼ下半分と対応する位置と大きさに上辺にヒンジを残して切り込みを入れることにより開閉自在な蓋片を形成し、
且つ前記ブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で、前記窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれ上記ヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口から差し入れ、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを上記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴とするブリスターパック。
【請求項３】
前記蓋片を前記台紙の正面側部分にステープラ止めする事を特徴とする請求項２に記載のブリスターパック。
【請求項１】
半折りした台紙の正面側部分に窓穴を開口し、該窓穴に周縁フランジを備えたブリスターを嵌合させると共に上記台紙の背面側部分を前記正面側部分に重ね合わせることにより上記ブリスターを台紙に装着するようにしたブリスターパックにおいて、
前記台紙の正面側部分に、前記窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、
且つ前記ブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で前記台紙の正面側部分と背面側部分との間から差し入れ窓片の上に載せてスライドさせ、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを上記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴とするブリスターパック。
【請求項２】
半折りした台紙の正面側部分に窓穴を開口し、該窓穴に周縁フランジを備えたブリスターを嵌合させると共に上記台紙の背面側部分を前記正面側部分に重ね合わせることにより上記ブリスターを台紙に装着するようにしたブリスターパックにおいて、
前記台紙の正面側部分に、前記窓穴を形成するための切り込みを上辺の一部にヒンジを残して入れることにより窓片を形成し、前記台紙の背面側部分には前記窓穴のほぼ下半分と対応する位置と大きさに上辺にヒンジを残して切り込みを入れることにより開閉自在な蓋片を形成し、
且つ前記ブリスターの上縁フランジには前記窓片のヒンジと対応する部分に切り欠きを形成せしめ、該ブリスターをその内部に商品を収容させた状態で、前記窓穴の窓片及び背面側部分の蓋片をそれぞれ上記ヒンジ部分から背面側に反り返すことにより開口される挿入口から差し入れ、前記ブリスターの上縁フランジに形成された切り欠きを上記窓片のヒンジ部分に係合させると共にブリスターを前記窓穴に嵌合させた事を特徴とするブリスターパック。
【請求項３】
前記蓋片を前記台紙の正面側部分にステープラ止めする事を特徴とする請求項２に記載のブリスターパック。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００６−７６６５３（Ｐ２００６−７６６５３Ａ）
【公開日】平成１８年３月２３日（２００６．３．２３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−２９８１９１（Ｐ２００４−２９８１９１）
【出願日】平成１６年９月１３日（２００４．９．１３）
【出願人】（５９１１４８６３５）ユニオン化学株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年３月２３日（２００６．３．２３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年９月１３日（２００４．９．１３）
【出願人】（５９１１４８６３５）ユニオン化学株式会社 (1)
【Ｆターム（参考）】
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