ブリッジング解消装置及びブリッジング解消方法
【課題】処理装置内のブリッジングを安全かつ容易に確実に解消することができるブリッジング解消装置及びブリッジング解消方法を提供する。
【解決手段】片端が開放された容器と、容器の内部に配される着火具と、容器の内部に配されるガス発生剤と、容器の開放端を封鎖する封鎖体とを備え、容器の開放端側を処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、着火具による点火によってガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を閉塞物に向かって容器の開放端より噴出させ、ブリッジングを破壊する。ブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、着火具による点火によってガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を閉塞物に向かって容器の開放端より噴出させ、ブリッジングを破壊する。
【解決手段】片端が開放された容器と、容器の内部に配される着火具と、容器の内部に配されるガス発生剤と、容器の開放端を封鎖する封鎖体とを備え、容器の開放端側を処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、着火具による点火によってガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を閉塞物に向かって容器の開放端より噴出させ、ブリッジングを破壊する。ブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、着火具による点火によってガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を閉塞物に向かって容器の開放端より噴出させ、ブリッジングを破壊する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ホッパーやシューターや粉体・スラリーの排出部に閉塞した、石炭塊、岩石塊、コンクリート塊、セラミック塊、土砂塊などの閉塞物を除去、移動、部分破砕するブリッジング解消装置及びブリッジング解消方法に関する。
【0002】
本発明において、ブリッジングとは、処理形態、処理対象によって、種々の現象として現れるが、例えば、貯留されている脱水汚泥の下面に、縦断面がアーチ型の空洞ができる現象とか、材料が加熱されて軟化状態となった時に、材料粒子毎の円滑な落下が阻害されて材料供給口に橋をかけたような状態となるとか、原料の粘性や、原料に作用する機械的な圧縮力などの影響により、貯留された原料の中に空洞が発生して、スクリューによる原料の搬送ができなくなるという現象とか、流動性が低下することによって、造粒粉末を金型内に充填する際に粉末の引っかかる現象とか、ホッパー内に収容された、乾燥した又は水分を含んだ粉粒体原料を攪拌機・乾燥機などに供給する場合に、原料どうしの押し合いなどによって原料供給が停滞する現象とか、例えば、6角ボルトや6角ナットなどの被搬送物、あるいは、3角柱状などの比較的接触面積のおおきな柱状の被搬送物を搬送するときに、磁化された被搬送物の面と面が吸着し、被搬送物どうしが連なって橋かけ状態となるとかの現象として知られている。
【背景技術】
【0003】
従来、例えば、ホッパーやシューターや粉体、スラリーの排出部に閉塞した、石炭塊、岩石塊、コンクリート塊、セラミック塊、土砂塊などの閉塞物を除去、移動方法、部分破砕方法には、装置への振動・衝撃の付与、機械的攪拌などの処置がなされてきた(例えば、特許文献1、2、3参照)。
例えば、特許文献1には、外部からの衝撃でホッパーの閉塞を解消することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、集塵ホッパー内の閉塞(棚吊り)を防止することが開示されている。
また、特許文献3には、ホッパーに詰まった燃焼生成灰(細かな硝子体・セラミックが粘結)を、弾丸をぶつけ、その機械衝撃で脱落、移動させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−186068号公報
【特許文献2】特開2008−280044号公報
【特許文献3】特許第4011448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された装置では、その装置に想定されている運用条件の範囲内では、閉塞などの問題は生じないが、想定以上の運用条件、水分過多などの過酷条件下では、ホッパーやシューターや粉体、スラリーの排出部に石炭塊、岩石塊、コンクリート塊、セラミック塊、土砂塊などが閉塞し、容易には除去できない場合があった。
また、特許文献2,3の発明に共通するのは、与えるエネルギーが限られているため、想定外の閉塞を生じた際には、まったく対処できないという問題があった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載された装置は、外部からの衝撃で閉塞を解消しようとする技術であるが、強固な閉塞を除去(崩し落とす)ことは不可能である。また、外部からの衝撃を与えるとは、すなわち、エア圧や油圧、電動モーターなどの動力で振動や衝撃を与えることであり、騒音問題が発生するという不具合がある。
また、特許文献2に記載された装置では、外からの衝撃で閉塞除去が無理な場合は、内部を攪拌するものであるが、通常は閉塞しないが、運転条件によりまれに閉塞した場合に備えて、あらかじめ、内部を攪拌できる装置を取り付けておく必要があり、高価である。
また、特許文献3に記載された装置では、弾丸の発射機構のエネルギーによっては、武器にも該当する可能性があり、一般産業装置、機器としては不向きである。
【0008】
本発明は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、処理装置内のブリッジングを安全かつ容易に確実に解消することができるブリッジング解消装置及びブリッジング解消方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、片端が開放された容器と、前記容器の内部に配される着火具と、前記容器の内部に配されるガス発生剤と、前記容器の開放端を封鎖する封鎖体とを備え、前記容器の開放端側を処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のブリッジング解消装置において、前記着火具は、前記容器の中央部に配され、ガス洩れ防止処理を施してリード線を前記容器の側壁から取り出され、前記リード線を介して遠隔点火装置に接続されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のブリッジング解消装置において、前記着火具は、非火薬組成の着火具又は電気点火玉であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか記載のブリッジング解消装置において、前記ガス発生剤は、非火薬破砕組成物、黒色火薬又は発射薬であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4記載のブリッジング解消装置において、前記容器の長さLと前記容器の内径Dとの比は、L/D=1〜10、好ましくはL/D=2〜6であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れか記載のブリッジング解消装置において、前記処理装置は、ホッパ、シューター、粉体、スラリー又は脱水汚泥の排出部、材料供給装置、反応器又は搬送装置の供給口であることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を移動させることを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を除去させることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、ブリッジングを起こしている前記処理装置の排出口内に前記ブリッジング解消装置を配置することを特徴とする。
【0014】
請求項11に係る発明は、請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、ブリッジングを起こしている前記処理装置の点検孔又は観察孔内に前記ブリッジング解消装置を配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、底付き鉄管などの一端が開放された容器に、ガス発生剤と着火具を入れ、ホッパー、シューターなどのブリッジングを起こしている処理装置の開口部より、閉塞物に極めて近傍か接する形で設置し、遠隔操作で点火し、ガスを一瞬にして発生させ、そのガス圧で閉塞物を除去、移動又は部分破砕することができる。
また、本発明のブリッジング解消装置は、保持具以外の付帯設備が不要であるため、ブリッジング解消時の取扱が簡単である。
また、重量も軽く、人力での移動が容易なため、込み入った機械装置であっても使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るブリッジング解消装置を示す断面図である。
【図2】図1のブリッジング解消装置に用いられる非火薬組成の着火具を示す断面図である。
【図3】本実施形態で使用するホッパを示す概略説明図である。
【図4】ブリッジングを解消するために下端部の開口部を開放した状態を示す概略説明図である。
【図5】ガス圧によってブリッジングを解消するためにブリッジング解消装置を配置した状態を示す概略説明図である。
【図6】ガス圧によってブリッジングを解消しようとする状態を示す概略説明図である。
【図7】ブリッジングを解消するために点検孔又は観察孔にブリッジング解消装置を配置した状態を示す概略説明図である。
【図8】ガス圧によってブリッジングを解消しようとする状態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブリッジング解消装置1を示す。
本実施形態に係るブリッジング解消装置1は、例えば、外径42mm、内径34mm、全長60mmの鋼管11の一方の開放端11aに、50mm角で厚さ3.2mmの鋼板12を溶接し、他方の開放端11bがガスの噴出口となるブリッジング解消装置本体(容器)10を有する。ブリッジング解消装置本体(容器)10には、鋼板12側の側壁に後述する非火薬組成の着火具20のリード線(電線)28を通すための穴13が設けられている。鋼板12はブリッジング解消装置1の据付面を形成する。
【0018】
ブリッジング解消装置本体(容器)10の中央部には、非火薬組成の着火具20が支持具15を介して配置されている。非火薬組成の着火具20のリード線(電線)28は、ブリッジング解消装置本体(容器)10に設けた穴13より取り出され、穴13はエポキシ系接着剤でガスが漏れないよう閉塞されている。
非火薬組成の着火具20を中央部に配置したブリッジング解消装置本体(容器)10内には、非火薬ガス発生剤30が填薬されている。そして、非火薬ガス発生剤30を填薬した後で、ガスの噴出口となる他方の開放端11bは封鎖体14によって覆われている。封鎖体14は、閉塞物除去時にブリッジング解消装置1が備え付けられる際に、非火薬ガス発生剤30が溢れ出さないようにする機能と、非火薬ガス発生剤30の燃焼時に発生するガス圧によって容易に破壊される機能を有するものであれば良く、例えば、テープ類、ボール紙、アルミホイール、ラップ類、各種布類などを他方の開放端11bに直に接着、固着又は紐締めなどによって取り付けられている。
【0019】
ブリッジング解消装置本体(容器)10から引き出されたリード線(電線)28は、遠隔点火装置40に接続している。遠隔点火装置40は、例えば、リード線(電線)28の長さを調整することによってブリッジ解消時に安全な場所で作業者が操作できるように持ち運ぶことができるものであれば良く、特に限定するものではない。
【0020】
次に、図2により、非火薬組成の着火具20について説明する。
非火薬組成の着火具20は、片方のみ開放された筒状容器から成る有底のガス発生器管体21と、ガス発生器管体21に填薬されるガス発生剤22及び点火薬カップ23と、点火薬ホルダー24と点火薬25と電橋線付塞栓26とリード線(電線)28とで構成されている。
【0021】
ガス発生器管体21は、アルミニウムなどの軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤22の反応熱及び反応ガス圧力で容易に破壊することができる。このガス発生器管体21は、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば銅を用いる電気雷管と全く同一の形状に成るため、アルミニウム(例えば、Al−6016−0など)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。なお、このアルミニウム製のガス発生器管体21には、内外面にアルマイト処理が施されている。
【0022】
ガス発生器管体21には、ガス発生剤22が0.1g〜1.1gの範囲で充填されている。このガス発生剤22は、低振動・低騒音破砕薬剤ガンサイザー(日本工機株式会社製商品名)を使用している。これは、火薬類を用いた破砕方法と全く同じ手順で消費許可を必要とせずに岩盤などを破砕する非火薬破砕組成物である。この非火薬破砕組成物は、例えば、特開平11−029389号公報に開示されている。本発明者は、この非火薬破砕組成物を岩盤などを破砕する目的ではなく、このガス圧でブリッジングを起こしている閉塞物を除去、移動、破砕する目的を達成するために、ガス発生剤22の粒径を揃えることでガス圧力のバラツキを小さくできることを見出した。また、閉塞物を除去、移動、破砕する性能にあわせてガス発生剤22の薬量は変えることが可能である。
【0023】
次に、ガス発生剤22について説明する。
ガス発生剤22を構成するテルミット剤、ガス発生剤、バインダー及び鈍化剤の割合は、テルミット剤が酸化第二銅33〜44重量部とアルミニウム9〜17重量部とから成り、ガス発生剤がカリウム明礬又はアンモニウム明礬45〜55重量部から成り、バインダーが塩化ビニル1.2〜1.8重量部から成り、鈍化剤がステアリン酸カルシウム2.4〜2.6重とから成る。
【0024】
本実施形態では、アルミニウム11.5重量部と酸化第二銅38.5重量部とから成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部から成るガス発生剤と、予めアセトンに溶かしておいたバインダーとして用いる塩化ビニル粉1.5重量部とを同一容器に入れ、更に適量のアセトンを加えて良く混ぜる。アセトンがほぼ揮発し固まってきたら8メッシュの篩で造粒し、それを乾燥させる。乾燥後、鈍化剤としてステアリン酸カリウムを2.5重量部とアセトン適量を加えゆっくり混和し、先と同様にアセトンが気化し固まったら造粒し、乾燥してガス発生剤22を得る。
【0025】
このガス発生剤22は、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品を用いる。すなわち、粒径が0.35mm〜0.71mmの範囲に調整されている。
ガス発生器管体21内には、充填されたガス発生剤22と点火薬25との混合防止のために隔壁と成る合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ23が配置されている。この点火薬カップ23は、金属、非金属を問わないが、金属材料では良電性であるために、電気的発火信号が電橋線27には流れず放電エネルギーに費やされて、点火薬25が不着火となる虞があることから絶縁処理(例えば、アルマイト処理など)する必要がある。
【0026】
点火薬カップ23は、肉厚0.1μm以下の薄膜で形成したカプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダー24に挿入される。点火薬カップ23及び点火薬ホルダー24には、非火薬組成物で構成する点火薬25と電橋線付塞栓26の電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)27とが配置されている。点火薬25として、ボロン/酸化第二銅=10〜20重量%/80〜90重量%を用いた。
電橋線付塞栓24は、電橋線付塞栓24に点火薬ホルダー24を挿入後、点火薬25が0.06g〜0.13gの範囲で填薬され、点火薬カップ23を挿入してから、ガス発生剤22が填薬されたガス発生器管体21内に圧入され、ガス発生器管体21の外側から2箇所にカシメ部29a、29bを形成する。
【0027】
次に、非火薬組成の着火具20の組立について説明する。
(1)電橋線付塞栓26の電橋線接続側に筒状の点火薬ホルダー24を圧入し、その中に一定量に計量された点火薬25を填薬する。
(2)点火薬25の外部への漏洩を防止するための点火薬カップ23を点火薬ホルダー24に被せ、圧入する。
(3)ガス発生器管体21の中に篩い分けされたガス発生剤22を一定量に計量し、填薬する。
(4)ガス発生剤22を填薬したガス発生器管体21の開放端に、電橋線付塞栓26を挿入し、全周にわたってガス発生器管体21の円周上かしめ部29a、29bをかしめる。なお、このかしめ部29a、29bは通常は2段であるが1段の場合もある。
以上により、非火薬組成の着火具20を得ることができる。
【0028】
次に、非火薬ガス発生剤30について説明する。
本発明において、非火薬ガス発生剤30は、下記のように分類される。
1)大分類
テルミット反応薬剤+気化性の良い薬剤
テルミット反応により生じる高熱(発熱)により、加熱により気化しやすい成分を瞬 時に気化・膨張させ、そのエネルギーを利用する。
テルミット反応薬剤は、酸化剤成分と燃料成分とからなる。
【0029】
2)中分類
酸化剤成分:酸化鉄、酸化銅(酸化第二銅)、二酸化マンガンなどの金属酸化物
燃料成分:アルミニウム、マグネシウム、マグナリウム(アルミニウムとマグネシウ ムの合金)、アリシウム(アルミニウムとリチウムの合金)などの金属、ホウ素
ガス発生剤:硫酸マグネシウム・7水和物、硫酸ニッケル・6水和物、硫酸カリウム アルミニウム・12水和物(汎用名:カリウム明礬)、硫酸アンモニウムアルミニウム ・12水和物(汎用名:アンモニウム明礬)、硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸銅・ 5水和物 などの、熱によって分離可能な結晶水を有する化合物
ポリエチレン・蔗糖・メタアルデヒド などの炭化水素の微粉末、水素化ホウ素ナト リウムなど、熱により容易に分解して、水素などの気体を生じる化合物
*基本は微粉体どうし、比表面積の大きな粉体どうしの混合物
*酸化剤と燃料は、そのテルミット反応式より、量論反応式となる組成が良い。
*ガス発生剤は、テルミット反応により発生する熱量より、気化成分が全量ガス化す る量論組成が良い。
*ガス発生剤には、ポリエチレン微粉末など、熱によって容易に分解し、水素ガスな どを発生する物質も使用することができる。
【0030】
3)小分類
非火薬ガス発生剤組成物は、酸化第二銅CuO(酸化剤)とアルミニウムAl(燃 料)と硫酸カリウムアルミニウム・12水和物AlK(SO4)2・12H2O(ガス発 生)とからなる。カリウム明礬は、酸化第二銅とアルミニウムの混合物に対して、外割 で混合される。添加剤成分として、ステアリン酸カリウム、ポリテトラフルオロエチレ ンが配合されている。
表1に、非火薬ガス発生剤組成物の可能範囲、適している範囲、望ましい範囲、実用 組成を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表中、適している組成及び実用組成のカリ明礬*は、内割で表記している。
望ましい範囲に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
(1)粒子径44μm以下の微粒子を粒度分布で95%以上含み、且つポリテトラフルオロエチレンから成る粉塵飛散防止剤とステアリン酸又はステアリン酸アルミニウムから成る酸化防止剤を含んだアルミニウム粉15〜30重量%と、粒子径74μm以下の微粒子を粒度分布で95%以上含む酸化第二銅70〜80重量%とから成るテルミット剤100重量部と、分解ガス発生剤80〜120重量部とで構成される非火薬破砕組成物。
(2)アルミニウム、酸化第二銅から成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬から成るガス発生剤と、塩化ビニルから成るバインダーと、ステアリン酸カルシウムから成る小ガス炎着火感度を低減する鈍感化剤とで構成し、鈍感化剤の含有量が、0.5〜5.0重量%の範囲である非火薬破砕組成物。
【0033】
適している範囲に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品から成る非火薬ガス発生剤。
【0034】
実用組成に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
酸化第二銅38.5重量部とアルミニウム11.5重量部ととから成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部から成るガス発生剤と、塩化ビニル粉1.5重量部から成るバインダーと、ステアリン酸カリウム2.5重量部から成る鈍化剤とで構成される造粒物を、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け処理して成る前記非火薬ガス発生剤。
添加剤のステアリン酸カリウム 2.5%、塩化ビニル1.5%が更に加えられる。
【0035】
本発明において、非火薬ガス発生剤を使用する理由としては、下記の事項が挙げられる。
長期の保存に耐える。燃焼残渣があるが、燃焼残渣は装置を腐食しない。火薬類と異なり、火薬類取締法による規制が無いため、取り扱いが容易である。
【0036】
次に、本実施形態に適用されるホッパー50について説明する。
図3は、下端部の開口部52にゲート式の開閉装置51を備えている。ゲート式の開閉装置51は、手動式、電動式、機械式の何れでも良い。
ホッパー50は、例えば、岩石、石炭、コンクリート、セラミック、土砂などの処理物55を上部開口から投入し、内部で破砕、粉砕などの処理を施した後、開口部52から排出するものである。
【0037】
このホッパー50での処理中に、例えば、岩石、石炭、コンクリート、セラミック、土砂などが塊となって閉塞し、縦断面がアーチ型の空洞ができるブリッジング現象56を起こすことがある。
このブリッジング現象56を解消する方法として、ホッパー50のゲート式の開閉装置51を利用する場合について説明する。
その場合には、例えば、図4に示すように、ゲート式の開閉装置51を開く。
【0038】
次いで、図5に示すように、ホッパー50の下端部の開口部52から本実施形態に係るブリッジング解消装置1をブリッジング解消装置1の作用方向が閉塞物を起こしている処理物55に向くように任意の支持台53上に載置し、ブリッジング解消装置1から引き出されたリード線(電線)28をブリッジング解消時に安全な場所で作業者が操作できる場所まで延長し、遠隔点火装置40に連絡する。
【0039】
次に、図6に示すように、遠隔点火装置40によりブリッジング解消装置1の非火薬組成の着火具10を点火し、非火薬ガス発生剤30を燃焼し発生したガス圧Gをブリッジングを起こしている処理物55に向かって開放端より噴出させ、処理物55を上向きに移動させる。
これによって、ブリッジング現象56が破壊され、自由になった処理物55が自重で開口部52からホッパー50外へ落下し、ホッパー50内の閉塞を解消することができる。
【0040】
次に、図7及び図8に基づいて、ホッパー50に備えられている点検孔54を利用してブリッジング現象56を解消する場合について説明する。
この場合には、ゲート式の開閉装置51を開放して閉塞している処理物55が落下できるようにしておく。
【0041】
次に、図7に示すように、点検孔又は観察孔54を開いた後、点検孔又は観察孔54から本実施形態に係るブリッジング解消装置1をブリッジング解消装置1の作用方向が閉塞物を起こしている処理物55に向くように任意の支持台53上に載置し、ブリッジング解消装置1から引き出されたリード線(電線)28をブリッジング解消時に安全な場所で作業者が操作できる場所まで延長し、遠隔点火装置40に接続する。
次に、図8に示すように、遠隔点火装置40によりブリッジング解消装置1の非火薬組成の着火具10を点火し、非火薬ガス発生剤30を燃焼し発生したガス圧Gをブリッジングを起こしている処理物55に向かって開放端より噴出させ、処理物55を移動させる。
【0042】
これによって、ブリッジング現象56が破壊され、自由になった処理物55が自重で開口部52からホッパー50外へ落下し、ホッパー50内の閉塞を解消することができる。
なお、ブリッジング解消装置1による1回だけの作業では、ブリッジング現象56を十分に解消できない場合には、同様の作業を2度3度行うことによって解消することも可能である。
【0043】
また、本実施形態では、ブリッジング解消装置1を点検孔又は観察孔54の入口にガス噴射口を据え付けるように配置したが、ブリッジング解消装置1を点検孔又は観察孔54から内部まで差し込んでも良い。
なお、上記実施形態では、非火薬ガス発生剤30と非火薬組成の点火具20とを使用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、非火薬ガス発生剤30に代えて例えば、黒色火薬、発射薬などの火薬としても良い。また、非火薬組成の着火具20に代えて例えば、電気点火玉としても良い。ただし、爆薬は、鋼管に詰めて作動すると、衝撃波がガスの移動より早く発生し、ガスが噴出するだけでなく鋼管が飛散するので好ましくない。
【実施例】
【0044】
図1に示すブリッジング解消装置1を用意する。
本実施例において、ブリッジング解消装置1は、外径42mm、内径34mm、全長60mmの鋼管11の一方の開放端11aに、50mm角で厚さ3.2mmの鋼板12を溶接し、他方の開放端11bがガスの噴出口となるブリッジング解消装置本体(容器)10と、ブリッジング解消装置本体(容器)10の中央部に配置された非火薬組成の着火具20と、非火薬組成の着火具20を中央部に配置したブリッジング解消装置本体(容器)10内に填薬される非火薬ガス発生剤30とを有し、非火薬組成の着火具20のリード線(電線)28を穴13から外部に導き、穴13をエポキシ系接着剤でガスが漏れないよう閉塞した。穴13はエポキシ系接着剤でガスが漏れないよう閉塞されている。
【0045】
非火薬ガス発生剤30の填薬量を、40gとし、以下の実験を行った。
ブリッジング解消解消装置1の上に20kgのこぶし大の砂利を積み上げ、ブリッジング解消装置1のガス圧による積み上げ砂利の崩壊を試みた。
20kgの砂利に対して、非火薬ガス発生剤30が40gでは上方へ持ち上げられた後、崩壊した。
このように、僅か40gの非火薬ガス発生剤30で、20kgの砂利であっても崩壊させることができた。
以下に、ホッパ50内で閉塞した砂利、コンクリート塊を数cm程度浮き上がらせ、閉塞を解消する例を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表中、装置の長さLは、外径42mm、内径34mmの鋼管11を基準にしているが、内径Dを大きくし、L/Dを小さくすることで短くすることは可能であるが、非火薬組成の着火具20の大きさと燃焼性能を考えると、L/Dは1程度以上が好適である。装置の取扱を考えると、L/Dは2〜6程度が好適である。L/Dは10程度までは使用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ブリッジング解消装置
10 ブリッジング解消装置本体(容器)
11 鋼管
12 鋼板
13 穴
20 非火薬組成の着火具
28 リード線(電線)
30 非火薬ガス発生剤
40 遠隔点火装置
50 ホッパ
51 ゲート式の開閉装置
52 開口部
54 点検孔又は観察孔
55 処理物
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、ホッパーやシューターや粉体・スラリーの排出部に閉塞した、石炭塊、岩石塊、コンクリート塊、セラミック塊、土砂塊などの閉塞物を除去、移動、部分破砕するブリッジング解消装置及びブリッジング解消方法に関する。
【0002】
本発明において、ブリッジングとは、処理形態、処理対象によって、種々の現象として現れるが、例えば、貯留されている脱水汚泥の下面に、縦断面がアーチ型の空洞ができる現象とか、材料が加熱されて軟化状態となった時に、材料粒子毎の円滑な落下が阻害されて材料供給口に橋をかけたような状態となるとか、原料の粘性や、原料に作用する機械的な圧縮力などの影響により、貯留された原料の中に空洞が発生して、スクリューによる原料の搬送ができなくなるという現象とか、流動性が低下することによって、造粒粉末を金型内に充填する際に粉末の引っかかる現象とか、ホッパー内に収容された、乾燥した又は水分を含んだ粉粒体原料を攪拌機・乾燥機などに供給する場合に、原料どうしの押し合いなどによって原料供給が停滞する現象とか、例えば、6角ボルトや6角ナットなどの被搬送物、あるいは、3角柱状などの比較的接触面積のおおきな柱状の被搬送物を搬送するときに、磁化された被搬送物の面と面が吸着し、被搬送物どうしが連なって橋かけ状態となるとかの現象として知られている。
【背景技術】
【0003】
従来、例えば、ホッパーやシューターや粉体、スラリーの排出部に閉塞した、石炭塊、岩石塊、コンクリート塊、セラミック塊、土砂塊などの閉塞物を除去、移動方法、部分破砕方法には、装置への振動・衝撃の付与、機械的攪拌などの処置がなされてきた(例えば、特許文献1、2、3参照)。
例えば、特許文献1には、外部からの衝撃でホッパーの閉塞を解消することが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、集塵ホッパー内の閉塞(棚吊り)を防止することが開示されている。
また、特許文献3には、ホッパーに詰まった燃焼生成灰(細かな硝子体・セラミックが粘結)を、弾丸をぶつけ、その機械衝撃で脱落、移動させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−186068号公報
【特許文献2】特開2008−280044号公報
【特許文献3】特許第4011448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1〜3に記載された装置では、その装置に想定されている運用条件の範囲内では、閉塞などの問題は生じないが、想定以上の運用条件、水分過多などの過酷条件下では、ホッパーやシューターや粉体、スラリーの排出部に石炭塊、岩石塊、コンクリート塊、セラミック塊、土砂塊などが閉塞し、容易には除去できない場合があった。
また、特許文献2,3の発明に共通するのは、与えるエネルギーが限られているため、想定外の閉塞を生じた際には、まったく対処できないという問題があった。
【0007】
さらに、特許文献1に記載された装置は、外部からの衝撃で閉塞を解消しようとする技術であるが、強固な閉塞を除去(崩し落とす)ことは不可能である。また、外部からの衝撃を与えるとは、すなわち、エア圧や油圧、電動モーターなどの動力で振動や衝撃を与えることであり、騒音問題が発生するという不具合がある。
また、特許文献2に記載された装置では、外からの衝撃で閉塞除去が無理な場合は、内部を攪拌するものであるが、通常は閉塞しないが、運転条件によりまれに閉塞した場合に備えて、あらかじめ、内部を攪拌できる装置を取り付けておく必要があり、高価である。
また、特許文献3に記載された装置では、弾丸の発射機構のエネルギーによっては、武器にも該当する可能性があり、一般産業装置、機器としては不向きである。
【0008】
本発明は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、処理装置内のブリッジングを安全かつ容易に確実に解消することができるブリッジング解消装置及びブリッジング解消方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、片端が開放された容器と、前記容器の内部に配される着火具と、前記容器の内部に配されるガス発生剤と、前記容器の開放端を封鎖する封鎖体とを備え、前記容器の開放端側を処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊することを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のブリッジング解消装置において、前記着火具は、前記容器の中央部に配され、ガス洩れ防止処理を施してリード線を前記容器の側壁から取り出され、前記リード線を介して遠隔点火装置に接続されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載のブリッジング解消装置において、前記着火具は、非火薬組成の着火具又は電気点火玉であることを特徴とする。
【0011】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の何れか記載のブリッジング解消装置において、前記ガス発生剤は、非火薬破砕組成物、黒色火薬又は発射薬であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4記載のブリッジング解消装置において、前記容器の長さLと前記容器の内径Dとの比は、L/D=1〜10、好ましくはL/D=2〜6であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の何れか記載のブリッジング解消装置において、前記処理装置は、ホッパ、シューター、粉体、スラリー又は脱水汚泥の排出部、材料供給装置、反応器又は搬送装置の供給口であることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊することを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を移動させることを特徴とする。
【0013】
請求項9に係る発明は、請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を除去させることを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、ブリッジングを起こしている前記処理装置の排出口内に前記ブリッジング解消装置を配置することを特徴とする。
【0014】
請求項11に係る発明は、請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、ブリッジングを起こしている前記処理装置の点検孔又は観察孔内に前記ブリッジング解消装置を配置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、底付き鉄管などの一端が開放された容器に、ガス発生剤と着火具を入れ、ホッパー、シューターなどのブリッジングを起こしている処理装置の開口部より、閉塞物に極めて近傍か接する形で設置し、遠隔操作で点火し、ガスを一瞬にして発生させ、そのガス圧で閉塞物を除去、移動又は部分破砕することができる。
また、本発明のブリッジング解消装置は、保持具以外の付帯設備が不要であるため、ブリッジング解消時の取扱が簡単である。
また、重量も軽く、人力での移動が容易なため、込み入った機械装置であっても使用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るブリッジング解消装置を示す断面図である。
【図2】図1のブリッジング解消装置に用いられる非火薬組成の着火具を示す断面図である。
【図3】本実施形態で使用するホッパを示す概略説明図である。
【図4】ブリッジングを解消するために下端部の開口部を開放した状態を示す概略説明図である。
【図5】ガス圧によってブリッジングを解消するためにブリッジング解消装置を配置した状態を示す概略説明図である。
【図6】ガス圧によってブリッジングを解消しようとする状態を示す概略説明図である。
【図7】ブリッジングを解消するために点検孔又は観察孔にブリッジング解消装置を配置した状態を示す概略説明図である。
【図8】ガス圧によってブリッジングを解消しようとする状態を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブリッジング解消装置1を示す。
本実施形態に係るブリッジング解消装置1は、例えば、外径42mm、内径34mm、全長60mmの鋼管11の一方の開放端11aに、50mm角で厚さ3.2mmの鋼板12を溶接し、他方の開放端11bがガスの噴出口となるブリッジング解消装置本体(容器)10を有する。ブリッジング解消装置本体(容器)10には、鋼板12側の側壁に後述する非火薬組成の着火具20のリード線(電線)28を通すための穴13が設けられている。鋼板12はブリッジング解消装置1の据付面を形成する。
【0018】
ブリッジング解消装置本体(容器)10の中央部には、非火薬組成の着火具20が支持具15を介して配置されている。非火薬組成の着火具20のリード線(電線)28は、ブリッジング解消装置本体(容器)10に設けた穴13より取り出され、穴13はエポキシ系接着剤でガスが漏れないよう閉塞されている。
非火薬組成の着火具20を中央部に配置したブリッジング解消装置本体(容器)10内には、非火薬ガス発生剤30が填薬されている。そして、非火薬ガス発生剤30を填薬した後で、ガスの噴出口となる他方の開放端11bは封鎖体14によって覆われている。封鎖体14は、閉塞物除去時にブリッジング解消装置1が備え付けられる際に、非火薬ガス発生剤30が溢れ出さないようにする機能と、非火薬ガス発生剤30の燃焼時に発生するガス圧によって容易に破壊される機能を有するものであれば良く、例えば、テープ類、ボール紙、アルミホイール、ラップ類、各種布類などを他方の開放端11bに直に接着、固着又は紐締めなどによって取り付けられている。
【0019】
ブリッジング解消装置本体(容器)10から引き出されたリード線(電線)28は、遠隔点火装置40に接続している。遠隔点火装置40は、例えば、リード線(電線)28の長さを調整することによってブリッジ解消時に安全な場所で作業者が操作できるように持ち運ぶことができるものであれば良く、特に限定するものではない。
【0020】
次に、図2により、非火薬組成の着火具20について説明する。
非火薬組成の着火具20は、片方のみ開放された筒状容器から成る有底のガス発生器管体21と、ガス発生器管体21に填薬されるガス発生剤22及び点火薬カップ23と、点火薬ホルダー24と点火薬25と電橋線付塞栓26とリード線(電線)28とで構成されている。
【0021】
ガス発生器管体21は、アルミニウムなどの軟質金属材料を用いることによって、非火薬組成物であるガス発生剤22の反応熱及び反応ガス圧力で容易に破壊することができる。このガス発生器管体21は、加工性の良い軟質金属材料であれば何でも良いが、例えば銅を用いる電気雷管と全く同一の形状に成るため、アルミニウム(例えば、Al−6016−0など)を用いることにより紛らわしさを除いたものである。なお、このアルミニウム製のガス発生器管体21には、内外面にアルマイト処理が施されている。
【0022】
ガス発生器管体21には、ガス発生剤22が0.1g〜1.1gの範囲で充填されている。このガス発生剤22は、低振動・低騒音破砕薬剤ガンサイザー(日本工機株式会社製商品名)を使用している。これは、火薬類を用いた破砕方法と全く同じ手順で消費許可を必要とせずに岩盤などを破砕する非火薬破砕組成物である。この非火薬破砕組成物は、例えば、特開平11−029389号公報に開示されている。本発明者は、この非火薬破砕組成物を岩盤などを破砕する目的ではなく、このガス圧でブリッジングを起こしている閉塞物を除去、移動、破砕する目的を達成するために、ガス発生剤22の粒径を揃えることでガス圧力のバラツキを小さくできることを見出した。また、閉塞物を除去、移動、破砕する性能にあわせてガス発生剤22の薬量は変えることが可能である。
【0023】
次に、ガス発生剤22について説明する。
ガス発生剤22を構成するテルミット剤、ガス発生剤、バインダー及び鈍化剤の割合は、テルミット剤が酸化第二銅33〜44重量部とアルミニウム9〜17重量部とから成り、ガス発生剤がカリウム明礬又はアンモニウム明礬45〜55重量部から成り、バインダーが塩化ビニル1.2〜1.8重量部から成り、鈍化剤がステアリン酸カルシウム2.4〜2.6重とから成る。
【0024】
本実施形態では、アルミニウム11.5重量部と酸化第二銅38.5重量部とから成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部から成るガス発生剤と、予めアセトンに溶かしておいたバインダーとして用いる塩化ビニル粉1.5重量部とを同一容器に入れ、更に適量のアセトンを加えて良く混ぜる。アセトンがほぼ揮発し固まってきたら8メッシュの篩で造粒し、それを乾燥させる。乾燥後、鈍化剤としてステアリン酸カリウムを2.5重量部とアセトン適量を加えゆっくり混和し、先と同様にアセトンが気化し固まったら造粒し、乾燥してガス発生剤22を得る。
【0025】
このガス発生剤22は、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品を用いる。すなわち、粒径が0.35mm〜0.71mmの範囲に調整されている。
ガス発生器管体21内には、充填されたガス発生剤22と点火薬25との混合防止のために隔壁と成る合成樹脂製のカプセル形状の点火薬カップ23が配置されている。この点火薬カップ23は、金属、非金属を問わないが、金属材料では良電性であるために、電気的発火信号が電橋線27には流れず放電エネルギーに費やされて、点火薬25が不着火となる虞があることから絶縁処理(例えば、アルマイト処理など)する必要がある。
【0026】
点火薬カップ23は、肉厚0.1μm以下の薄膜で形成したカプセルを半切した形状のものを使用し、点火薬ホルダー24に挿入される。点火薬カップ23及び点火薬ホルダー24には、非火薬組成物で構成する点火薬25と電橋線付塞栓26の電橋線(例えば、白金−イリジュウム線)27とが配置されている。点火薬25として、ボロン/酸化第二銅=10〜20重量%/80〜90重量%を用いた。
電橋線付塞栓24は、電橋線付塞栓24に点火薬ホルダー24を挿入後、点火薬25が0.06g〜0.13gの範囲で填薬され、点火薬カップ23を挿入してから、ガス発生剤22が填薬されたガス発生器管体21内に圧入され、ガス発生器管体21の外側から2箇所にカシメ部29a、29bを形成する。
【0027】
次に、非火薬組成の着火具20の組立について説明する。
(1)電橋線付塞栓26の電橋線接続側に筒状の点火薬ホルダー24を圧入し、その中に一定量に計量された点火薬25を填薬する。
(2)点火薬25の外部への漏洩を防止するための点火薬カップ23を点火薬ホルダー24に被せ、圧入する。
(3)ガス発生器管体21の中に篩い分けされたガス発生剤22を一定量に計量し、填薬する。
(4)ガス発生剤22を填薬したガス発生器管体21の開放端に、電橋線付塞栓26を挿入し、全周にわたってガス発生器管体21の円周上かしめ部29a、29bをかしめる。なお、このかしめ部29a、29bは通常は2段であるが1段の場合もある。
以上により、非火薬組成の着火具20を得ることができる。
【0028】
次に、非火薬ガス発生剤30について説明する。
本発明において、非火薬ガス発生剤30は、下記のように分類される。
1)大分類
テルミット反応薬剤+気化性の良い薬剤
テルミット反応により生じる高熱(発熱)により、加熱により気化しやすい成分を瞬 時に気化・膨張させ、そのエネルギーを利用する。
テルミット反応薬剤は、酸化剤成分と燃料成分とからなる。
【0029】
2)中分類
酸化剤成分:酸化鉄、酸化銅(酸化第二銅)、二酸化マンガンなどの金属酸化物
燃料成分:アルミニウム、マグネシウム、マグナリウム(アルミニウムとマグネシウ ムの合金)、アリシウム(アルミニウムとリチウムの合金)などの金属、ホウ素
ガス発生剤:硫酸マグネシウム・7水和物、硫酸ニッケル・6水和物、硫酸カリウム アルミニウム・12水和物(汎用名:カリウム明礬)、硫酸アンモニウムアルミニウム ・12水和物(汎用名:アンモニウム明礬)、硫酸ナトリウム・10水和物、硫酸銅・ 5水和物 などの、熱によって分離可能な結晶水を有する化合物
ポリエチレン・蔗糖・メタアルデヒド などの炭化水素の微粉末、水素化ホウ素ナト リウムなど、熱により容易に分解して、水素などの気体を生じる化合物
*基本は微粉体どうし、比表面積の大きな粉体どうしの混合物
*酸化剤と燃料は、そのテルミット反応式より、量論反応式となる組成が良い。
*ガス発生剤は、テルミット反応により発生する熱量より、気化成分が全量ガス化す る量論組成が良い。
*ガス発生剤には、ポリエチレン微粉末など、熱によって容易に分解し、水素ガスな どを発生する物質も使用することができる。
【0030】
3)小分類
非火薬ガス発生剤組成物は、酸化第二銅CuO(酸化剤)とアルミニウムAl(燃 料)と硫酸カリウムアルミニウム・12水和物AlK(SO4)2・12H2O(ガス発 生)とからなる。カリウム明礬は、酸化第二銅とアルミニウムの混合物に対して、外割 で混合される。添加剤成分として、ステアリン酸カリウム、ポリテトラフルオロエチレ ンが配合されている。
表1に、非火薬ガス発生剤組成物の可能範囲、適している範囲、望ましい範囲、実用 組成を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
表中、適している組成及び実用組成のカリ明礬*は、内割で表記している。
望ましい範囲に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
(1)粒子径44μm以下の微粒子を粒度分布で95%以上含み、且つポリテトラフルオロエチレンから成る粉塵飛散防止剤とステアリン酸又はステアリン酸アルミニウムから成る酸化防止剤を含んだアルミニウム粉15〜30重量%と、粒子径74μm以下の微粒子を粒度分布で95%以上含む酸化第二銅70〜80重量%とから成るテルミット剤100重量部と、分解ガス発生剤80〜120重量部とで構成される非火薬破砕組成物。
(2)アルミニウム、酸化第二銅から成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬から成るガス発生剤と、塩化ビニルから成るバインダーと、ステアリン酸カルシウムから成る小ガス炎着火感度を低減する鈍感化剤とで構成し、鈍感化剤の含有量が、0.5〜5.0重量%の範囲である非火薬破砕組成物。
【0033】
適している範囲に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け品から成る非火薬ガス発生剤。
【0034】
実用組成に使用される非火薬ガス発生剤組成物は、例えば、下記のものがある。
酸化第二銅38.5重量部とアルミニウム11.5重量部ととから成るテルミット剤と、カリウム明礬又はアンモニウム明礬50重量部から成るガス発生剤と、塩化ビニル粉1.5重量部から成るバインダーと、ステアリン酸カリウム2.5重量部から成る鈍化剤とで構成される造粒物を、24タイラーメッシュ通過42タイラーメッシュ止まりの篩分け処理して成る前記非火薬ガス発生剤。
添加剤のステアリン酸カリウム 2.5%、塩化ビニル1.5%が更に加えられる。
【0035】
本発明において、非火薬ガス発生剤を使用する理由としては、下記の事項が挙げられる。
長期の保存に耐える。燃焼残渣があるが、燃焼残渣は装置を腐食しない。火薬類と異なり、火薬類取締法による規制が無いため、取り扱いが容易である。
【0036】
次に、本実施形態に適用されるホッパー50について説明する。
図3は、下端部の開口部52にゲート式の開閉装置51を備えている。ゲート式の開閉装置51は、手動式、電動式、機械式の何れでも良い。
ホッパー50は、例えば、岩石、石炭、コンクリート、セラミック、土砂などの処理物55を上部開口から投入し、内部で破砕、粉砕などの処理を施した後、開口部52から排出するものである。
【0037】
このホッパー50での処理中に、例えば、岩石、石炭、コンクリート、セラミック、土砂などが塊となって閉塞し、縦断面がアーチ型の空洞ができるブリッジング現象56を起こすことがある。
このブリッジング現象56を解消する方法として、ホッパー50のゲート式の開閉装置51を利用する場合について説明する。
その場合には、例えば、図4に示すように、ゲート式の開閉装置51を開く。
【0038】
次いで、図5に示すように、ホッパー50の下端部の開口部52から本実施形態に係るブリッジング解消装置1をブリッジング解消装置1の作用方向が閉塞物を起こしている処理物55に向くように任意の支持台53上に載置し、ブリッジング解消装置1から引き出されたリード線(電線)28をブリッジング解消時に安全な場所で作業者が操作できる場所まで延長し、遠隔点火装置40に連絡する。
【0039】
次に、図6に示すように、遠隔点火装置40によりブリッジング解消装置1の非火薬組成の着火具10を点火し、非火薬ガス発生剤30を燃焼し発生したガス圧Gをブリッジングを起こしている処理物55に向かって開放端より噴出させ、処理物55を上向きに移動させる。
これによって、ブリッジング現象56が破壊され、自由になった処理物55が自重で開口部52からホッパー50外へ落下し、ホッパー50内の閉塞を解消することができる。
【0040】
次に、図7及び図8に基づいて、ホッパー50に備えられている点検孔54を利用してブリッジング現象56を解消する場合について説明する。
この場合には、ゲート式の開閉装置51を開放して閉塞している処理物55が落下できるようにしておく。
【0041】
次に、図7に示すように、点検孔又は観察孔54を開いた後、点検孔又は観察孔54から本実施形態に係るブリッジング解消装置1をブリッジング解消装置1の作用方向が閉塞物を起こしている処理物55に向くように任意の支持台53上に載置し、ブリッジング解消装置1から引き出されたリード線(電線)28をブリッジング解消時に安全な場所で作業者が操作できる場所まで延長し、遠隔点火装置40に接続する。
次に、図8に示すように、遠隔点火装置40によりブリッジング解消装置1の非火薬組成の着火具10を点火し、非火薬ガス発生剤30を燃焼し発生したガス圧Gをブリッジングを起こしている処理物55に向かって開放端より噴出させ、処理物55を移動させる。
【0042】
これによって、ブリッジング現象56が破壊され、自由になった処理物55が自重で開口部52からホッパー50外へ落下し、ホッパー50内の閉塞を解消することができる。
なお、ブリッジング解消装置1による1回だけの作業では、ブリッジング現象56を十分に解消できない場合には、同様の作業を2度3度行うことによって解消することも可能である。
【0043】
また、本実施形態では、ブリッジング解消装置1を点検孔又は観察孔54の入口にガス噴射口を据え付けるように配置したが、ブリッジング解消装置1を点検孔又は観察孔54から内部まで差し込んでも良い。
なお、上記実施形態では、非火薬ガス発生剤30と非火薬組成の点火具20とを使用する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、非火薬ガス発生剤30に代えて例えば、黒色火薬、発射薬などの火薬としても良い。また、非火薬組成の着火具20に代えて例えば、電気点火玉としても良い。ただし、爆薬は、鋼管に詰めて作動すると、衝撃波がガスの移動より早く発生し、ガスが噴出するだけでなく鋼管が飛散するので好ましくない。
【実施例】
【0044】
図1に示すブリッジング解消装置1を用意する。
本実施例において、ブリッジング解消装置1は、外径42mm、内径34mm、全長60mmの鋼管11の一方の開放端11aに、50mm角で厚さ3.2mmの鋼板12を溶接し、他方の開放端11bがガスの噴出口となるブリッジング解消装置本体(容器)10と、ブリッジング解消装置本体(容器)10の中央部に配置された非火薬組成の着火具20と、非火薬組成の着火具20を中央部に配置したブリッジング解消装置本体(容器)10内に填薬される非火薬ガス発生剤30とを有し、非火薬組成の着火具20のリード線(電線)28を穴13から外部に導き、穴13をエポキシ系接着剤でガスが漏れないよう閉塞した。穴13はエポキシ系接着剤でガスが漏れないよう閉塞されている。
【0045】
非火薬ガス発生剤30の填薬量を、40gとし、以下の実験を行った。
ブリッジング解消解消装置1の上に20kgのこぶし大の砂利を積み上げ、ブリッジング解消装置1のガス圧による積み上げ砂利の崩壊を試みた。
20kgの砂利に対して、非火薬ガス発生剤30が40gでは上方へ持ち上げられた後、崩壊した。
このように、僅か40gの非火薬ガス発生剤30で、20kgの砂利であっても崩壊させることができた。
以下に、ホッパ50内で閉塞した砂利、コンクリート塊を数cm程度浮き上がらせ、閉塞を解消する例を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
表中、装置の長さLは、外径42mm、内径34mmの鋼管11を基準にしているが、内径Dを大きくし、L/Dを小さくすることで短くすることは可能であるが、非火薬組成の着火具20の大きさと燃焼性能を考えると、L/Dは1程度以上が好適である。装置の取扱を考えると、L/Dは2〜6程度が好適である。L/Dは10程度までは使用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 ブリッジング解消装置
10 ブリッジング解消装置本体(容器)
11 鋼管
12 鋼板
13 穴
20 非火薬組成の着火具
28 リード線(電線)
30 非火薬ガス発生剤
40 遠隔点火装置
50 ホッパ
51 ゲート式の開閉装置
52 開口部
54 点検孔又は観察孔
55 処理物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
片端が開放された容器と、
前記容器の内部に配される着火具と、
前記容器の内部に配されるガス発生剤と、
前記容器の開放端を封鎖する封鎖体と
を備え、
前記容器の開放端側を処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊する
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項2】
請求項1記載のブリッジング解消装置において、
前記着火具は、前記容器の中央部に配され、ガス洩れ防止処理を施してリード線を前記容器の側壁から取り出され、前記リード線を介して遠隔点火装置に接続されている
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のブリッジング解消装置において、
前記着火具は、非火薬組成の着火具又は電気点火玉である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか記載のブリッジング解消装置において、
前記ガス発生剤は、非火薬破砕組成物、黒色火薬又は発射薬である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項5】
請求項1乃至4記載のブリッジング解消装置において、
前記容器の長さLと前記容器の内径Dとの比は、L/D=1〜10、好ましくはL/D=2〜6である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか記載のブリッジング解消装置において、
前記処理装置は、ホッパ、シューター、粉体、スラリー又は脱水汚泥の排出部、材料供給装置、反応器又は搬送装置の供給口である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊する
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を移動させる
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項9】
請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を除去させる
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、
ブリッジングを起こしている前記処理装置の排出口内に前記ブリッジング解消装置を配置する
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項11】
請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、
ブリッジングを起こしている前記処理装置の点検孔又は観察孔内に前記ブリッジング解消装置を配置する
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項1】
片端が開放された容器と、
前記容器の内部に配される着火具と、
前記容器の内部に配されるガス発生剤と、
前記容器の開放端を封鎖する封鎖体と
を備え、
前記容器の開放端側を処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊する
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項2】
請求項1記載のブリッジング解消装置において、
前記着火具は、前記容器の中央部に配され、ガス洩れ防止処理を施してリード線を前記容器の側壁から取り出され、前記リード線を介して遠隔点火装置に接続されている
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載のブリッジング解消装置において、
前記着火具は、非火薬組成の着火具又は電気点火玉である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか記載のブリッジング解消装置において、
前記ガス発生剤は、非火薬破砕組成物、黒色火薬又は発射薬である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項5】
請求項1乃至4記載のブリッジング解消装置において、
前記容器の長さLと前記容器の内径Dとの比は、L/D=1〜10、好ましくはL/D=2〜6である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか記載のブリッジング解消装置において、
前記処理装置は、ホッパ、シューター、粉体、スラリー又は脱水汚泥の排出部、材料供給装置、反応器又は搬送装置の供給口である
ことを特徴とするブリッジング解消装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記ブリッジングを破壊する
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を移動させる
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項9】
請求項1乃至6の何れか記載のブリッジング解消装置を、処理装置内でブリッジングを起こしている閉塞物に向かって配し、前記着火具による点火によって前記ガス発生剤の燃焼により発生したガス圧を前記閉塞物に向かって前記容器の開放端より噴出させ、前記閉塞物を除去させる
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項10】
請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、
ブリッジングを起こしている前記処理装置の排出口内に前記ブリッジング解消装置を配置する
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【請求項11】
請求項7乃至9の何れか記載のブリッジング解消方法において、
ブリッジングを起こしている前記処理装置の点検孔又は観察孔内に前記ブリッジング解消装置を配置する
ことを特徴とするブリッジング解消方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−86926(P2012−86926A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−233784(P2010−233784)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(390037224)日本工機株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【出願人】(390037224)日本工機株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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