説明

ブリーダパワーゲート増幅器

【課題】電極の少なくとも一つの電圧バイアスを変調することにより、ゲート回路が、光電子増倍管の感応性をON状態とOFF状態とに切り換える。
【解決手段】ゲート回路は、低電圧トリガ信号に応答して電圧パルスを光電子増倍管302の光電陰極304又はその他の電極に静電容量的に結合させる。分圧器312ネットワークと、光電子増倍管を静電的にバイアスするために使用される高電圧供給源とが、ゲート回路構成要素にパワーを与え、ゲート電圧パルスを伝達する。立上り及び立下り時間,電圧スイング振幅及び持続時間を含む電極ゲートパルス特性は、レジスタ値,キャパシタ値,ゲート回路と分圧器ネットワークのツェナーダイオード特性によって調整できる。この回路は、マイクロチャネルプレートやイメージインテンシファイアのような関連の装置をゲートするためにも使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電子増倍管及びそれに類似した装置を制御するために使用される電子回路構成要素に関するものである。より詳述すると、本発明は、光電子増倍管,マイクロチャネルプレート,イメージ管及びイメージインテンシファイアを応答性ON状態と非応答性OFF状態とに「ゲートする」、即ち、電子的に切り換えるために用いることのできる回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光電子増倍管は、スペクトロスコピー,天文学,バイオテクノロジー,遠隔探査,医用画像,原子核物理学及びレーザ測距及び検出を含む様々な分野において用いられている放射線検出装置である。光電子増倍管は、優れた感応性,高利得及び低ノイズ特性を発揮し、更に、比較的広い感光領域を有する光電子増倍管は役に立つ。
【0003】
光電子増倍管は、通常、入射した光子に応答して二次電子を放出する放射線感応性光電陰極と、光電陰極によって放出された二次電子から電子カスケードを生成する様々なダイノードと、ダイノードによって発生させられた電子カスケードに応答して電流がそこで誘導されるアノードとにより成る真空管装置である。アノード電流は、光電陰極に衝突した放射線を示すものとして外部電気回路構成要素において検出される。光電陰極,ダイノード,アノード及びその他の電極は、真空囲い中にシールされている。真空チューブは、放射線が入射するのを可能にする透明なフェースプレートを有し、入射した放射線は光電陰極に衝突する。光電子増倍管の変形例は、収束電極,多重アノード及びマイクロチャネルプレート等を含んでいる。イメージ管及びイメージインテンシファイアは、光電子増倍管と同様の原理に基づいて作動し、それ故、本発明の適用分野に含めることができる。
【0004】
電極に適切に電圧をかけるために、外部高電圧電源及び分圧器ネットワークが用いられている。高利得と線形応答とで放射線を検出するためには、光電子増倍管の光電陰極,ダイノード,アノード,その他の電極及びグリッド又はプレートに適切な極性と電圧レベルとで電圧バイアスを掛けなければならない。実際に、本発明は、光電子増倍管の少なくとも一つの電子の電圧バイアスを変調することによって光電子増倍管の応答性を修正するということに基づいている。
【0005】
本発明の説明を容易にするために、二つの典型的なタイプの光電子増倍管について簡単に説明する。図1は、真空チューブ102によって取り囲まれた複数の電極にて成る光電子増倍管の断面図を示したもので、真空チューブ102は、一端部でステムプレート104によってシールされ、他端部で透明なガラス製フェースプレート106によってシールされている。光電陰極108は、フェースプレートの内側に光電子放出性材料にて成るコーティングとして成形されている。収束電極110,複数のダイノード112,114,116,118及びアノード120が囲いの中に配置されている。各種の特有な電極形態及び配列が可能で且つ普及しているが、本発明は、特定タイプの光電子増倍管に限定されるものではなく、ゲート可能な高電圧装置の大半に適用することができる。
【0006】
図示されているように、電極は複数の独立した電圧供給源122によってバイアスされている。実際上は、電極バイアス電圧を連続的に順次発生させる分圧器ネットワークをソースする単一の高電圧供給源によって電極は一般にバイアスされている。本発明の一特徴点は、ゲート電気回路構成要素とゲート電圧パルスの発生の双方のためにこの分圧器ネットワークを利用することにより、追加的な高電圧供給源の必要性を回避する点にある。
【0007】
光電陰極に入射した光子124は電子126を放出し、その電子はダイノード112に衝突して、より多くの電子128を二次放出させる。このプロセスは多くの電極の間で繰り返し行われて、二次電子のカスケード電流を発生させ、そのカスケード電流は、カスケードが光電陰極からアノードへ進むにつれて数が多くなる。アノード120に衝突した時に、電流がアノードに誘導されて、アノードが負荷レジスタを横切る電圧を発生させる。この電圧は、二次電子カスケードを開始した光電陰極に入射した放射線を表示するものである。光電子増倍管の通常の運転においては、電極極性は、隣接した電極の間に電場を発生させて電子を加速させ、その電子を適切な隣接した電極に衝突させるようなものである。光電陰極によって放出された電子をコリメートしてダイノード112に収束させるために屡々随意に収束電極110が用いられる。電極の電圧バイアス極性のいずれか一つを逆にした場合には、例えば、光電陰極と収束電極との間の逆バイアスによって跳ね付けられる二次電子路によって示されるように二次電子カスケードは妨害される。この効果は、光電陰極からの光電子放出によって齎されるアノード電流を非常に減少させるために用いることができる。電極の電圧バイアス極性を変えることを通じてそのように二次電子放出電流を修正し及びコントロールすることは、二次電子カスケードの開始又は早い段階で関係する光電陰極,収束電極又は近くのダイノードの一つに適用するのが最も効果的である。
【0008】
図2は、複数のダイノードがマイクロチャネルプレートで置き換えられている点を除いては、図1に示した光電子増倍管に類似した、広く普及しているタイプの光電子増倍管を示した図である。全ての光電子増倍管に実質的に共通しているように、電極及び(又は)プレートが真空チューブ202内に配置され、その真空チューブ202は、一端部でステムプレート204でシールされ、他端部で透明なガラス製フェースプレート206でシールされている。この例は、光電陰極を、図1に示したように透明なフェースプレートに光電子放出性材料にて成るコーティングという形態で設けるというよりも、別体の電極208として実現することができることを示している。上述の例で述べたように、光電陰極に入射した放射線212に応答した電子210の光電子放出によって開始される電子カスケードが、アノード214に電流を誘導させ、アノードにおいて、光電陰極に入射した放射線を示すものとして、負荷216を横切る電圧が発生させられる。マイクロチャネルプレートは、一般に、鉛ガラス製の薄いシートにて構成され、そのシートには、シートの一面から他面に延びた顕微的チャネルアレーが食刻されている。そのチャネルは、10〜100μの直径を有している。各チャネルは、連続したダイノード構造体として機能する。マイクロチャネルシートの両面は、電気的接点を提供し且つシートの厚さ方向へ横切って数百〜数千ボルトのバイアス電圧が印加されるのを可能にする金属にて被覆されている。図2に示した例は、二つのマイクロチャネルプレート218,220を有しているが、この種の装置の他の例では、単一のマイクロチャネル又は多数のマイクロチャネルを有している。電極は、図示した例においては、別々の電圧源218によって電圧バイアスされている。また、上述したように、実際上、複数の電極の電圧バイアスレベルは、分圧器ネットワークと単一の高電圧源によって生じさせられる。多くのダイノードに代えて単一のマイクロチャネルプレートが用いられているために電極がかなり少なくなっているので、この種の光電子増倍管の電圧バイアス条件は、図1に示した光電子増倍管のそれよりも幾分簡単である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
多くの分野においては、光電子増倍管の高い感応性及び制限された作動範囲のために、光電子増倍管の応答性をコントロールする必要がある。従って、光電子増倍管をON及びOFF状態に切り換える能力が、「ゲーティング」と呼ばれて、そのような分野において一般に有益で、屡々重要になってくる。ON状態において、光電子増倍管は、光子が光電陰極に吸収されるのに応答して多少のアノード電流を発生させる。OFF状態においては、放射線が光電陰極に衝突しているか否かに関係なくアノード電流が、無視してもよいものでないとしても、比較的小さいという点において、光電子増倍管は非応答である。それ故、二次電子カスケードを刺激し且つ比例したアノード電流応答を誘導する光電陰極に入射する放射線に対して光電子増倍管は減感されるという点で、光電子増倍管をゲート信号によってコントロールすることができる。このゲーティング機能は、その応用分野について述べたスペクトロスコピー及びレーザ測距においてかなり役に立つ。
【0010】
例えば、燐光及び蛍光スペクトロスコピーにおいては、サンプルの比較的強い光学的誘導に伴う弱い光学的発光を検出する必要がある。光電子増倍管が、サンプルを誘導するために用いられる強い励起放射線に晒される場合に、永久アノード電流,ダイノード電圧消耗及びゲイン飽和効果が、弱い燐光又は蛍光の連続した検出を妨げる。この効果を回避するべく、光電子増倍管を、励起パルスの間にOFFに切換え、励起に追従の遅延した弱い発光を検出するために高感応・高利得状態にONへ切り換えることができる。その必要な切換え時間は、典型的には、ナノセカンドからマイクロセカンドの範囲内である。
【0011】
光検出レンジングシステム(LIDARシステム)においては、レーザーパルスがターゲットに向けられて、それからの反射が光電子増倍管によって検出される。レーザーパルスのラウンドトリップ時間は、例えば、人工衛星,ミサイル又は航空機のようなターゲットの距離を示す。レーザーパルスの走行中の或る段階中に、大気からの相当な散乱及び後方反射が起きる。この段階の間に光電子増倍管検出器をOFF状態に切換えて、ON状態を、当該ターゲットから反射するレーザーパルスの予想される到達時間を含む所定の検出ウインドウ時間に制限することが有益である。
【0012】
光電子増倍管ゲーティングの別の目的は、光電子増倍管の寿命に影響を及ぼす強烈な放射線の有害な効果を減少させることにある。ハイライトレベルは、光電陰極材料のスパッタリングを生じさせて、光電子増倍管を永久的に傷付ける。スプリアスの又は有害な高い放射線強度が持続している間に光電陰極に逆バイアスをかけるために光電子増倍管をゲートOFFさせると、このスパッタリング効果を抑えることができる。
【0013】
同じような光電子増倍管のスイッチングは、考えられるところでは、ある種の機械的又は光学的なシャッターによって実現することができる。然しながら、従来の半導体オプトカプラー,液晶及び機械的シャッター又はチョッパ等の切換え速度は、一般に、余りにゆっくりで、また、殆どの検出器の応用にとって十分に際立ったものではない。
【0014】
光電子増倍管のゲート回路の設計についての制限及び要請が、応答,切換え速度,電流ドロー及びパワー消費量を十分に調節するために必要とされる印加電極電圧バイアスレベルに関係する組み合わさった条件及び(又は)仕様によって課せられる。特に、電極間の二次電子カスケードを抑制又は高めるために電極を十分にバイアスするべく、比較的高い、一般的には、約10〜100ボルトの振幅電圧パルスを印加する必要性があるために、早い切換え速度と少ないパワー消費との双方の同時達成を複雑化させている。実際には、これら二つのデザイン目的は一般的に矛盾するものであり、高速とパワー効率との間のかね合いは不可避的であって、或るデザイン及び性能上の妥協点が必要となる。然しながら、改善された回路設計は、このかね合いを一層好適なものにすることができる。更に、高電圧源と、光電子増倍管の電極を静電的にバイアスするために用いられる関連の分圧器ネットワークとを、ゲート電圧を発生させ、関連のゲート電気回路構成要素にパワーを与えるために用いることができれば、便利でコストが低減される。そのような場合に、分圧器ネットワークによってソースされるゲート電圧パルスは、分圧器ネットワークによって同様にパワーが与えられる補助ゲート電圧スイッチ回路のコントロール下で適切な電極に印加される。
【0015】
光電子増倍管の様々な応用に依るゲート回路の仕様は広範囲であるので、光電子増倍管のゲート構成とサポート回路構成要素に多くの変形例及び性能特性があることは驚くべきことではない。本発明は、1.分圧器ネットワークによってソースされ、それ故付随的な高電圧供給源を必要とせず、2.電極をゲートするのに用いられる高電圧電極バイアスパルスの振幅を調整するのに広いラチチュードを提供し、3.光電子増倍管の電源からの非常に小さな電流をドローし、4.市販のパルス発生器のような機器に共通の低電圧レベルのトランジスタ・トランジスタ論理回路と矛盾しない、ゲーティング回路を光電子増倍管のストックに付加したものである。この最後の点に関連して、励起パルスは、光電子増倍管を選択的にゲートすることによって決定される検出ウィンドゥと同期させることができる。例えば、スペクトロスコピー又はLIDARにおいて、レーザーパルスが低電圧信号発生器によって発射され、その出力を、適切な組込み時間遅延で、光電子増倍管のゲーティング回路のトリガ信号としても用いることができる。この能力は、検出インターバルを当該放射線の予想される到達時間に制限し且つこの検出ウィンドゥ外に落ちる放射線の検出を妨げるために用いることができる。更に、電極電圧バイアスによってある程度決められる光電子増倍管の利得は、検出インターバルの直前に時々光電陰極に入射する強烈な又はスプリアスの放射線の有害で支障のある影響なしに、十分に高い感応性と応答性のために最善に設定することができる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
パルス・クランプゲート回路は、光電子増倍管の電極に電圧パルスを印加することによって、光電子増倍管をON応答運転状態とOFF非応答運転状態とに切り換える(ゲートする)。ON状態において、光電陰極に入射する放射線に応答して、多少の光電子増倍管アノード電流が発生する。OFF状態では、そのアノード電流反応は、光電陰極に入射する放射線に対して減感する。この回路は、マイクロチャネルプレート,ゲート可能なイメージ管又はインテンシファイアに加えて、ダイノード及び(又は)収束電極を備えた光電子増倍管をもゲートすることができる。
【0017】
パルス・クランプ回路は、低レベル(0〜5ボルト)入力信号によってトリガされる。この低レベル入力信号は、トランジスタ・トランジスタ論理回路に適合するもので、多くの市販のパルス発生器において一般に利用可能である。パルス・クランプ回路は、十分に高い電圧スイングを持ったパルスを発生させて、光電子増倍管の一対の電極間の電圧バイアスの極性を切り換える。その電極対バイアスは、光電子増倍管が光電陰極に入射する放射線に対して減感で且つアノード電流が非常に小さい状態となっている逆バイアス非通電状態から、光電子増倍管が放射線に対して敏感でその結果アノード電流反応が生ずる順方向バイアス通電状態に変調される。
【0018】
光電子増倍管の電極は、高電圧源によってソースされた分圧器ネットワークによってバイアスがかけられる。分圧器ネットワークは、パルス・クランプ回路によって制御され且つ応答性を調整するために光電子増倍管の電極に印加されるゲート電圧をソースするばかりでなく、パルス・クランプ回路をパワーするように修正することができる。それ故、本発明に依れば、光電子増倍管をゲートするための個別の高電圧パルス発生器を必要としない。
【0019】
低レベル入力信号は、入力信号内に略3の利得を発生させるCMOS集積回路によってシフトされた電圧レベルである。この信号の電流ソーシングケーパビリティは、複数のB種出力ステージ増幅器によって高められ、それらB種出力ステージ増幅器の各々は、一対の相補バイポーラトランジスタにて構成されている。相補バイポーラトランジスタ増幅器は、トーテムポール形態で接続された電界効果トランジスタスイッチを駆動させる。トーテムポール電界効果トランジスタからの共通のドレイン出力は、光電子増倍管の光電陰極に容量的に接続される。これに代えて、この出力は、同様なゲート効果のためにダイノード,グリッド又は収束電極と接続させることができる。OFF状態中に、光電陰極に逆バイアスがかけられた時に、ダイオード又は一組のダイオードが、分圧器ネットワーク中の逆バイアスツェナーダイオードよって発生させられる一定の逆バイアスに光電陰極をクランプする。光電子増倍管は、低レベル入力信号によるトリガに応答してパルス・クランプ回路によって発生させられて光電陰極に印加されるバイアス電圧パルスによってONにゲートされ、光電陰極は、瞬間的に通電応答状態に順方向バイアスがかけられる。順方向バイアスパルスの立上り及び立下り時間並びに継続時間は、パルス・クランプ回路の特定のレジスタ値及びキャパシタ値と入力ゲート信号のパルス幅とによって制御することができる。
【0020】
パルス・クランプ回路の電流ドロー及び電力消費は、分圧器ネットワーク及びそれの電圧供給源に殆ど負担をかけない。特に、順方向バイアスゲートサイクル中に発生させられる小さな過度スイッチ電流は、持続時間が短く、分圧器ネットワークの零入力電流値に相対して高電圧源に殆ど直流を要求しない。
【0021】
更に、本発明は、パワーアップ中のスプリアスな又は早すぎるゲーティングを防止して、分圧器ネットワークが安定した運転ポイントに達した後にのみ、ゲーティング動作を可能にする回路素子を提供する。
【0022】
要約すると、本発明は、分圧器ネットワークからパワーされ、光電子増倍管,
マイクロチャネルプレート,イメージインテンシファイア,イメージ管及びその他の高電圧ゲート装置を含む光子検出装置の光電陰極,ダイノード,収束電極又はグリッドをゲートするのに十分な高電圧パルスを発生させるゲート増幅器を提供する。
【0023】
添付図面を参照することにより、上述した発明の概要及び後述する詳細な説明をより明確に理解できるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
光電子増倍管は、負高電圧供給源によってソースされる分圧器ネットワークによってバイアスがかけられる。例えば、図1に示されているように、複数のダイノードと可能な付加的収束電極とを備えた光電子増倍管にあっては、複数の電極には分圧器ネットワークによって発生される様々な電圧レベルによって適切にバイアスがかけられる。この種の光電子増倍管は、光電陰極,収束電極又は光電陰極近くのダイノードの一つに逆バイアス電圧パルスを印加することにより、ゲートさせることができる。
【0025】
例えば、図2に示したようなマイクロチャネルプレート型光電子増倍管の場合には、分圧器ネットワークがマイクロチャネルプレートと光電陰極のために適切な電圧バイアスレベルを提供する。この光電子増倍管は、光電陰極又はマイクロチャネルプレートの一つに電圧パルスを印加することによってゲートさせることができる。
【0026】
この種のマイクロチャネル光電子増倍管に関連させて本発明を詳細に説明するが、本発明は、全ての種類の光電子増倍管や、一つ又は複数の電極,プレート又はグリッドの電圧バイアスを調整することによって応答性をコントロールすることができるようにした関連の装置にも応用することができることは明らかである。
【0027】
本発明の主題である光電子増倍管のゲート電気回路構成要素の基本的な構成図が、図3に示されている。マイクロチャネル型光電子増倍管302は、入射する放射線306に晒される光電陰極304と、マイクロチャネルプレート308,310とを有し、マイクロチャネルプレートは、図示されているように、グランドポテンシャル316,318に関して負高電圧314によってソースされる分圧器ネットワーク312によってバイアスがかけられている。アノード320は、一般に、ノード326における電圧出力信号が横切って発生する負荷レジスタ324を介してグランド322に接続されている。別のアノード電流検出回路構成要素も実施可能である。光電陰極304は、マイクロチャネルプレート308,310に関して負のバイアスがかけられている。
【0028】
マイクロチャネルプレートに関する光電陰極ポテンシャルバイアスは、パルス・クランプ回路328によって調整することができる。この回路は、光電陰極に順方向バイアスをかけて、二次電子の陰極光電子放出によって開始される電子カスケードを許容及び増進させるか、或いは、光電陰極に逆バイアスをかけて、光電陰極からの光電子放出のための電子カスケード電流を抑制することによって、光電子増倍管のゲーティングを実行する。パルス・クランプ回路によってかけられる光電陰極バイアスは、出力330のところで印加される低電圧ゲート信号によってコントロールされる。このゲート信号は、トランジスタ・トランジスタレベル(TTL)論理信号であり、スペクトロスコピーの分野では、一般に、励起光源を制御するパルス発生器によって発生させられる。パルス・クランプ回路は、分圧器ネットワークによってパワーが与えられるため、個別の電源を必要としない。
【0029】
図4は、電極バイアスを発生させる方法と、本発明の構成中に用いられる光電子増倍管をゲートするために電圧パルスが用いられる方法とを示したものである。光電子増倍管402は、光電陰極404,マイクロチャネルプレート406,408及びアノード410にて構成され、そこにおいては、誘導電流が抵抗負荷412を横切る電圧を発生させる。光電子増倍管は、グランド418に関して負極性416を備えた電圧源によってパワーが与えられた分圧器ネットワーク420によってバイアスされている。分圧器ネットワーク420は、直列連結されたレジスタと逆バイアスツェナーダイオード422とを用いて、独特な電圧レベルを発生させる。より詳述すると、逆バイアスツェナーダイオード422は、マイクロチャネルプレートの一側408にバイアスをかけるために用いられるアノード424のところで電圧−Vを生じさせる。抵抗負荷428,430とツェナーダイオード422とが組み合わさって、マイクロチャネルプレート406の前端部(光電陰極に近い側)をアノードに近いマイクロチャネルの側408以上の負電圧でバイアスをかける。光電陰極は、二つのダイオード434,436とレジスタ438とを介して分圧器に接続されている。通常の運転下では、ノード440で印加される電圧(VD−D)はグランドに近く、ツェナーダイオード432が、マイクロチャネルプレート406に関して光電陰極をV(約25ボルト)正に維持する。こうして、これらの状態下では、光電陰極が照射されているか否かに関係なく、光電陰極はマイクロチャネルプレートに関して逆バイアスがかけられ、二次電子カスケードが抑制される。パルス・クランプ回路へのTTLレベル入力信号によるトリガに応答して、負進行電圧パルス442がノード440に印加される。より詳述するように、このパルスの負振幅は分圧器ネットワークにおいて発生させられる−Vに略等しく、その−Vの値は、ツェナーダイオード422を選択することによって或いは特定の逆バイアス降伏電圧を持った複数のツェナーダイオードの組合せによって調整することができる。ノード440で印加される電圧バイアスパルスは、レジスタ438とキャパシタ444とを介して光電陰極404に静電結合される。定常状態下で、全てのスイッチングトランジェントが衰退した時に、光電陰極の電圧は、分圧器ネットワークによってノード446のところで発生させられる電圧Vと等しくなる。ツェナーダイオード432はマイクロチャネルプレートを光電陰極よりも負ポテンシャル(V)に維持させて、それ故、マイクロチャネルプレートは光電陰極に関して逆バイアスされることが分かる。こうして、このバイアス配列によって、光電子増倍管は通常のOFF(非応答)状態に維持される。ノード440のところで負電圧パルスを印加することには、結果としてマイクロチャネルプレートに関して光電陰極を一時的に順方向バイアスさせる電流(主としてキャパシタ444に関して)を充電させることを含み、その結果、回路の抵抗及び容量特性とゲート電圧パルス442によって決定される或る時間の間、ON状態になる。
【0030】
図5は、図4に示した構成のものと同等な光電陰極充電回路を示した図である。この回路は、ノード522で印加されるパルスがマイクロチャネルに関する光電陰極のバイアスをどのように変化させるかを例証するものである。キャパシタ502は、光電陰極とマイクロチャネルプレートとの間の容量を表示する。(ノード504で)光電陰極のポテンシャルは、VPKとして示されている。(ノード506で)マイクロチャネルプレートのポテンシャルは、VMCPで示されている。小さな漏れ電流除いて、この回路の全電流が零であるような定常状態下で、光電陰極は、レジスタ508,ダイオード510及びダイオード512を介して、グランド518に関してポテンシャル−Vに維持されているノード514に接続されている。定常状態下で、(ノード506で)マイクロチャネルプレートのポテンシャルVMCPは、(ノード504で)光電陰極のポテンシャルVPKに関して−Vボルトに維持されている。
【0031】
パルス・クランプ回路(図示せず)は、ノード522を、ソース抵抗526で負電圧−Vに、ソース抵抗519で略グランドポテンシャルに切り換える。レジスタ526,518は、略等しい抵抗を持っている。二つの電圧間のこの切換えは、パルス・クランプ回路によって発生させられる負進行方形パルス(図4中の442)を示す。ノード522での切換え電圧は、キャパシタ528及びレジスタ508を介して光電陰極に容量的に結合される。キャパシタ528の典型的な静電容量値は、0.01マイクロファラッドで、キャパシタ502の典型的な静電容量値は、約10ピコファラッドである。それ故、キャパシタ502を通る過渡電流は、キャパシタ528を通る過渡電流と比較して小さい。従って、光電陰極のポテンシャルVPKの立上り時間及び立下り時間は、主に、各RCネットワークのRC時定数によって決定される。(ON状態に対応する)順方向バイアス電圧は、ノード522が入力パルスの負進行遷移に応答して−Vに切り換えられた時に、充電によって齎されるキャパシタ528の電荷によって持続させられる。この電荷は、入力パルスの正進行遷移に応答して、ノード522がグランドに切り換えられた時に、逆バイアス(OFF状態)に対応する電荷に変化する。ノード522がグランドに切り換えられなくても、光電陰極のポテンシャルは、キャパシタ528,502がダイオード510,512を介して放電するにつれて、OFF状態に対応するVと等しいポテンシャルにノード514において最終的に戻る。光電子増倍管をゲートする変調電圧バイアスは、実際上、増幅され且つ電圧レベルがシフトされた入力ゲート信号の立上りエッジ及び立下りエッジによってトリガされる過渡パルスである。更に、立上り時間及び立下り時間は、レジスタ526,519,508の抵抗値とキャパシタ502の静電容量を介して調整することができる。
【0032】
図6は、光電子増倍管のゲーティングにおいて起こる様々な電圧レベルの典型的な波形とそれらのタイミング関係を示した図である。全ての波形は、同一の時間軸上にプロットされている。約5ボルト振幅パルス波形の入力ゲート信号602が、入力端子(図3中の330又は図4中の440)において印加され、その入力端子で印加され且つ波形604で示された電圧パルスをコントロールする。アノードの電圧信号606の対応の波形,マイクロチャネルプレートの前側の電圧信号608の対応の波形,マイクロチャネルプレートの後側の電圧信号610に対応の波形及び光電陰極の電圧信号612に対応の波形も示されている。ターンオン時間は、負進行パルスエッジ614の有限な立下り時間(90%〜最大10%)から導かれる。同様に、ターンオフ時間は、正進行パルスエッジ616の有限な立下り−立上り時間(10%〜最大90%)から導かれる。光電陰極とマイクロチャネルプレートとの間の電圧差は、トレース618で示されている。この電位差が、光電陰極がマイクロチャネルプレートに関して順方向バイアスがかけられていることを示す正である時にのみ、光電子増倍管は、ON状態になる。
【0033】
図7は、光電陰極ゲートパルスを発生させるために用いられるパルス・クランプ増幅器の一般的な構成を示した図である。光電子増倍管702は、分圧器回路704と、ダイオード706,708,キャパシタ710及びレジスタ712とにより成る関連の充電回路構成要素とによってバイアスがかけられている。ノード714での電圧VD−Dは、グランドと、パルス715で示されている負ポテンシャル−Vとに切り換えられる。入力端子718で印加される低レベル(0〜5ボルト)入力ゲートパルス716は、CMOS電圧レベルシフター720を駆動させる。電圧レベルシフターの出力は、単一利得非反転増幅器722,724によって緩衝される。同一電圧レベルにシフトされた二つのパルスが発生させられる。電圧レベルシフターは、パルス726,728によって示されているように、論理的な0(グランド)〜18ボルト及び論理的な+5〜0ボルト(グランド)の信号レベルを変化させる。ノード714の切換えは、二つの補足電界効果トランジスタ730,732によって実行され、それらトランジスタの各ゲートにはパルス726,728が印加される。「トーテムポール」配列で接続され、それのノード714における共通のドレイン出力が、キャパシタ710及びレジスタ712を介して光電陰極に容量的に接続される。パルス726,728が高い(0ボルト)時に、トランジスタ730はON(通電)で、トランジスタ732はOFF(非通電)であり、ノード714はノード734において印加されているバイアスであるVの方向へ引っ張られる。逆に、パルス726,728が低い(−18ボルト)時に、トランジスタ732はON(通電)で、トランジスタ730はOFF(非通電)であり、ノード714はグランドポテンシャルに引っ張られる。トーテムポール配列のような電界効果トランジスタは、光電陰極ポテンシャルの素早い切換えに必要な高レベルの電流をソースすることができる。レジスタ738,740は、図5の切換えられた電圧源中に示されているソース抵抗に対応する。入力718において印加される単一入力ゲート信号716から、出力ライン742,744において、平行で名目上同一な出力パルス726,728を発生させる電圧レベルシフターが、端子746における電圧レベルVCCと端子748における電圧レベル−VSSとの二つの電圧レベルによってソースされる。電圧レベル−Vに加えて電圧レベルVCC,VSSも分圧器ネットワークから得られる。
【0034】
図8は、単一利得非反転増幅器と、本発明によるゲート回路において用いられるトーテムポール配列の電界効果トランジスタスイッチの好ましい実施形態を示す図である。図7と関連させると、図8は、CMOSシフター720の出力742,744と、電界効果トランジスタ730,732の共通ドレインにおけるノード714との間の回路配列を示している。単一利得非反転増幅器は、電界効果トランジスタの高速切換えに必要な比較的大きなスイッチング電流をソースすることができる。その単一利得増幅器は、B種出力ステージとしてエレクトロニクス技術において一般に知られている構成に実現される。トランジスタ808,810は、ノード802における電圧信号を緩衝して電界効果トランジスタのゲートを駆動させる増幅器を構成している。同様に、トランジスタ812,814は、電界効果トランジスタ818のゲートを駆動させる増幅器を構成している。例えば、ライン802における入力信号が零ボルトである時、トランジスタ808,810の双方は非通電状態である。ライン802上の電圧が負になると、トランジスタ808は通電し、トランジスタ818はOFFのままとなる。トランジスタ808,810によって構成された増幅器は、ゲートパルスのON段階中にのみバイアス電流を引き寄せ、それ故、ゲート回路がOFF状態でアイドリングしている時の間、パワーを節約することができる。トランジスタ812,814によって実現される同様のB種増幅器についても同様の機能が起こる。
【0035】
図9は、SGS−Thompson HCC40109Bカッド・低電圧−高電圧レベルシフター又はそれと均等なもののような市販の集積回路902に基づいた電圧レベルシフト回路の好ましい配列を示した図である。この電圧レベルシフターは、端子904において印加されるTTL適合入力ゲート信号のインターフェースを提供し、入力ゲートパルスに約3の利得を生み出す。その電圧レベルシフター回路は、入力906,908,910,912を備えた、四つの低電圧−高電圧レベルシフト回路を有している。二つの電圧レベルシフターからの出力は、二つずつ結び合わされて、端子914,916において二つの名目上同一な増幅された出力パルスを発生させる。電圧レベルシフターは、ロジカル1=VCCとロジカル0=VSSを備えたデジタル論理出力信号をロジカル1=VDDとロジカル0=VSSを備えた高レベル出力信号へシフトする。端子918における電圧レベルVCC,端子920における電圧レベルVDD及び端子922における電圧レベルVSSは、外部電圧源によって設定されている。本発明においては、それらの電圧は、分圧器ネットワークによって順次発生させられる、図示したように端子924におけるVから得られる。それ故、この回路に関する全ての電圧源は分圧器ネットワークによって提供され、付随的な電源を必要としない。VDDはグランドに設定され、VCCとVSSはレジスタ926,928とツェナーダイオード930,932によって構成された分圧器回路によって設定され、分圧器ネットワークからの電圧Vによってソースされている。レジスタ−キャパシタネットワーク934は、電圧レベルシフターの出力における電気的ノイズをフィルターする。トランジスタ936は、通常の運転電圧源ポテンシャルが発生させられるまで、早いゲーティング応答を阻止する。トランジスタ93は、装置のパワーアップ時に短時間、ゲーティングを阻止して分圧器ネットワークのポテンシャルを安定化させる。要約すると、図9に示した回路の運転効果は、ゲーティング信号入力942に応答して同一の電圧パルス938,940を発生させることである。
【0036】
図10は、市販の特定の部品を有する、本発明の特定の実施形態の詳細を示した図である。この回路は、図3〜図9を参照して上述した特徴の全てを含んでいる。より詳述すると、フロントエンドセクション1002は、入力ステージ電圧レベルシフター及び図9を参照して説明した付属保護回路構成要素として機能する。セクション1004は、図8を参照して説明したように電圧利得と電流スイッチを提供する、本発明の中間ステージを示している。セクション1006は、光電陰極の静電容量結合回路素子と、図4を参照して説明したような静電バイアスのための光電子増倍管への接続とを示している。セクション1008は、図4を参照して説明したように、光電子増倍管の電極にバイアスをかけてパルス回路をゲートするための様々な電圧レベルを提供する分圧器ネットワークを利用した部分を示している。
【0037】
通常の静止OFF状態において、光電陰極はマイクロチャネルプレートに関して約25ポルトの電圧で正にバイアスがかけられていて、それ故、二次電子電流を抑制し、光電子増倍管は、入射する放射線に対して非応答の状態にさせられている。入力で印加される5ボルトのパルスに適合する正進行TTL(トランジスタ・トランジスタ論理回路)が、(グランドに関する)負電圧パルスを光電陰極に静電容量的に結合することによって光電子増倍管をON状態に切換え、マイクロチャネルプレートに関して約250ボルトで光電陰極を順方向バイアスする。この回路のこの特定の実施形態においては、ターンオンTTLゲートパルスは、ユーザによって250ナノセカンド〜20マイクロセカンドに調整することが可能である。100キロヘルツまでのデューティサイクル、即ち、パルス繰返し速度が実現可能である。ターンオン及びターンオフ時間(電極ゲーティングパルスの立上り及び立下り)は約70ナノセカンドである。ゲーティングパルス無しで、回路が、3000ボルトの電源でソースされた分圧器ネットワークのために707マイクロアンペアにドローする。10キロヘルツの信号でのゲーティングによって電流ドローが712マイクロアンペアに増加される。こうして、小さな過度スイッチング電流が、光電子増倍管のバイアス中に一般に遭遇する零入力電流に対して僅かな負担を示す。
【0038】
本発明の広範な技術的思想から逸脱しない範囲で上述した実施形態に変形又は修正を加えることができることは当業者に理解されるであろう。従って、本発明が、茲に開示された特定の具体例に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内の全ての修正及び変形を含むものであることが認識される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】公知の光電子増倍管の概略図である。
【図2】別の公知の光電子増倍管の概略図である。
【図3】関連の電気回路構成要素を有する、本発明に係る光電子増倍管の概略図である。
【図4】分圧器ネットワークの好ましい配列とゲートパルス結合回路とを示した、図3の光電子増倍管の詳細な概略図である。
【図5】図4に示した光電子増倍管の同等な回路の概略図である。
【図6】図4に示した光電子増倍管の回路中の様々なポイントで現われる典型的なパルス波形のグラフである。
【図7】図4に示した光電子増倍管のパルス・クランプ回路の好ましい配列を示した概略図である。
【図8】図4に示した光電子増倍管に印加されるゲート電圧をソースするために用いられる増幅器の好ましい配列を示した概略図である。
【図9】図4に示したゲート回路に用いられる電圧レベルシフター・保護回路構成要素の好ましい配列を示した概略図である。
【図10】本発明による光電子増倍管用のゲーティング・分圧器回路の好ましい具体例を示した概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射する放射線に応答して変調された信号を提供する装置であって、
入射する放射線に対して応答性があり且つそのような放射線に応答して電子を放出する放射線応答手段と、
前記応答性手段によって放出された電子を受けて前記電子を増倍させるために配置された電子増倍手段と、
増倍された電子を受けて、それに応答して電気信号を発生させるために配置されたアノードと、
前記電子増倍手段に接続されて、高電圧供給源に接続された時にバイアス電圧を提供する分圧器ネットワークと、
前記放射線応答手段,前記分圧器ネットワーク及び外部入力信号ソースに作動的に接続されるゲート回路とを有し、
前記ゲート回路が、前記外部入力信号ソースからの入力信号に応答して、前記放射線応答手段に対してゲート信号を提供し、それによりON状態とOFF状態とに変えられるように構成された装置。
【請求項2】
前記放射線応答手段が光電陰極を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ゲート回路が、
前記外部入力信号を受信するために作動的に接続され、前記外部入力信号に応答して電圧レベルがシフトされた出力信号を提供する電圧レベルシフト手段と、
前記分圧器ネットワークとグランドとの間で前記電圧レベルシフト手段に作動的に接続されて、前記放射線応答手段に前記ゲート信号を提供する切換え回路とを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電圧レベルシフト手段と前記切換え回路との間に作動的に接続された電流増幅器を有している、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記ゲート回路が、
前記外部入力信号を受信するために作動的に接続され、前記外部入力信号に応答して電圧レベルがシフトされた二つの出力信号を提供する電圧レベルシフト手段と、
前記分圧器ネットワークとグランドとの間で前記電圧レベルシフト手段に作動的に接続されて、前記放射線応答手段に前記ゲート信号を提供する論理回路とを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記電圧レベルシフト手段と前記論理回路との間に作動的に接続された第一及び第二の電流増幅器を有している、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記電子増倍手段が、二次電子放出面を備えたダイノードを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電子増倍手段が、二次電子放出面を夫々備えた複数のダイノードを有している、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電子増倍手段が、マイクロチャネルプレートを有している、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記電子増倍手段が、第二のマイクロチャネルプレートを有している、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
入射する放射線に応答して変調された信号を提供する装置であって、
入射する放射線に対して応答性があり且つそのような放射線に応答して電子を放出する光電陰極と、
前記光電陰極によって放出された電子を受けて前記電子を増倍させるために配置された電子増倍手段と、
増倍された電子を受けて、それに応答して電気信号を発生させるために配置されたアノードと、
前記光電陰極と前記電子増倍手段に接続されて、高電圧供給源に接続された時にバイアス電圧を提供する分圧器ネットワークと、
前記電子増倍手段,前記分圧器ネットワーク及び外部入力信号ソースに作動的に接続されるゲート回路とを有し、
前記ゲート回路が、前記外部入力信号ソースからの入力信号に応答して、前記電子増倍手段に対してゲート信号を提供し、それによりON状態とOFF状態とに変えられるように構成された装置。
【請求項12】
前記ゲート回路が、
前記外部入力信号を受信するために作動的に接続され、前記外部入力信号に応答して電圧レベルがシフトされた出力信号を提供する電圧レベルシフト手段と、
前記分圧器ネットワークとグランドとの間で前記電圧レベルシフト手段に作動的に接続されて、前記電子増倍手段に前記ゲート信号を提供するトランジスタスイッチとを有している、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記電圧レベルシフト手段と前記トランジスタスイッチとの間に作動的に接続された電流増幅器を有している、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ゲート回路が、
前記外部入力信号を受信するために作動的に接続され、前記外部入力信号に応答して電圧レベルがシフトされた二つの出力信号を提供する電圧レベルシフト手段と、
前記分圧器ネットワークとグランドとの間で前記電圧レベルシフト手段に作動的に接続されて、前記電子増倍手段に前記ゲート信号を提供するトランジスタ・トランジスタ論理回路とを有している、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記電圧レベルシフト手段と前記トランジスタ・トランジスタ論理回路との間に作動的に接続された第一及び第二の電流増幅器を有している、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記電子増倍手段が、二次電子放出面を備えたダイノードを有している、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
前記ゲート回路が前記ダイノードに作動的に接続されている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記電子増倍手段が、二次電子放出面を夫々備えた複数のダイノードを有している、請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記ゲート回路が前記複数のダイノードの少なくとも一つに作動的に接続されている、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記電子増倍手段が、マイクロチャネルを有している、請求項11に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−66394(P2006−66394A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−242450(P2005−242450)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(504109768)バーレ テクノロジーズ,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】