説明

ブレーキドラム

【課題】外部からブレーキドラム内への水や異物の侵入を抑制しつつ、ブレーキドラムの放熱性を向上する。
【解決手段】一端が開かれているとともに他端に底面が形成されている円筒状のブレーキドラム412において、貫通孔18bは、円筒部18の外周面18aに形成される開閉手段432は、円筒部18の外周面18aに設けられ、ブレーキドラム412の非回転時には貫通孔18bを閉じるように構成されている。開閉手段432は、ブレーキドラム412が回転している場合、貫通孔18bに対してブレーキドラム回転方向の下流側から流れてくる外気を遮蔽しつつブレーキドラム412の回転軸方向から貫通孔18bに導入される外気が増加するように遠心力によりブレーキドラム412の径方向外側に向かって変形し、ブレーキドラム412の回転軸方向と交差する開口部48を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキドラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タイヤと一緒に回転する円筒状のブレーキドラムの内側に、ペダルの操作に応じてオイルの圧力で広がる帯状のブレーキシューが取り付けられているドラムブレーキが知られている。このドラムブレーキは、ブレーキシューとブレーキドラム(以下、適宜ドラムという)との摩擦により車両の制動を行うことができる。
【0003】
このようなドラムブレーキにおいては、前述の摩擦により粉塵や熱が発生する。そこで、ドラムの温度が過度に上昇しないためにドラムを冷却する必要がある。そのため、ドラムの内周部に外気を導入するための孔をドラムの一部に設けることが考えられるが、その孔から水が侵入するとブレーキシューとドラムとの間で鳴きが発生する要因となる。特許文献1には、粉塵を排出する排出孔に熱や遠心力等によって開閉する開閉弁を設けたドラムブレーキが開示されている。
【特許文献1】特開2003−336671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来の技術を鑑み更に発展させたものであり、その目的とするところは、外部からブレーキドラム内への水や異物の侵入を抑制しつつ、ブレーキドラムの放熱性を向上することができるブレーキドラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキドラムは、一端が開かれているとともに他端に底面が形成されている円筒状のブレーキドラムであって、円筒部の周面に形成された貫通孔と、前記円筒部の外周面に設けられ、ブレーキドラムの非回転時には前記貫通孔を閉じるように構成されている開閉手段と、を備える。前記開閉手段は、ブレーキドラムが回転している場合、前記貫通孔に対してブレーキドラム回転方向の下流側から流れてくる外気を遮蔽しつつブレーキドラムの回転軸方向から前記貫通孔に導入される外気が増加するように遠心力によりブレーキドラムの径方向外側に向かって変形し、ブレーキドラムの回転軸方向と交差する開口部を形成する。
【0006】
この態様によると、ブレーキドラムの非回転時には貫通孔が閉じられているので貫通孔から水や異物がブレーキドラムの内周部に侵入することが抑制される。一方、ブレーキドラムが回転している場合、開閉手段が遠心力により変形して貫通孔に導入される外気が増加するため、放熱性が向上する。また、ブレーキドラムが回転している場合、開閉手段は、ブレーキドラムの回転により遠心力が発生するため、開閉手段が変形して貫通孔が開いた状態であっても、水や異物が貫通孔からブレーキドラムの内部に侵入しにくくなる。しかも、開閉手段は、貫通孔に対してブレーキドラム回転方向の下流側から流れてくる外気を遮蔽するので、水や異物が貫通孔に直接到達することが抑制される。
【0007】
前記開閉手段は、ブレーキドラムの非回転時に前記貫通孔を閉じるように前記円筒部の外周面に設けられた板状の遮蔽部材と、前記貫通孔のブレーキドラム回転方向下流側および上流側において、前記遮蔽部材が前記円筒部の外周面から脱落しないように該遮蔽部材の両端部を保持する保持部材と、を有してもよい。前記遮蔽部材は、ブレーキドラムの回転時における遠心力により中央部がブレーキドラムの径方向に変形し、前記貫通孔を開く。これにより、ブレーキドラムの回転による遠心力を用いて簡易な構成で繰り返し貫通孔を開閉することができる。
【0008】
前記保持部材は、ブレーキドラムの回転時における遠心力により前記遮蔽部材の中央部がブレーキドラムの径方向に変形した際に、前記遮蔽部材の両端部をブレーキドラムの周方向にガイドするように形成されたガイド部を有してもよい。これにより、遮蔽部材の中央部に遠心力が作用した場合、遮蔽部材の両端がガイド部に沿って互いに近付くことで、容易に遮蔽部材の中央部をブレーキドラムの径方向に変形させることができる。
【0009】
前記遮蔽部材は、前記保持部材に保持されていない領域に重りが付けられていてもよい。これにより、重りの付いていない遮蔽部材と比較して、より低速回転で貫通孔を開くことができる。
【0010】
前記遮蔽部材は、弾性変形する金属材料で形成されていてもよい。これにより、放熱性を向上することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、外部からブレーキドラム内への水や異物の侵入を抑制しつつ、ブレーキドラムの放熱性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0013】
(第1の実施の形態)
[ドラムブレーキの構成]
図1は、ドラムブレーキの概略構成図である。図2は、図1に示されるドラムブレーキに用いられるブレーキドラムの全体斜視図である。
【0014】
図1に示されるドラムブレーキ10は、例えば、車両のリヤブレーキユニットとして好適に用いられるものである。ドラムブレーキ10は、当該車両の図示されない車軸に取り付けられるブレーキドラム12と、ブレーキシュー14とを含む。
【0015】
ブレーキドラム12は、一端(図2に示す左側)が開かれているとともに他端(図2に示す右側)に底面16が形成されている円筒状の部材である。ブレーキドラム12は、円筒部18の外周面18aに形成されている複数の貫通孔18bと、円筒部18の外周面18aに設けられ、ブレーキドラム12の非回転時には貫通孔18bを閉じるように構成されている後述する開閉手段と、を備えている。
【0016】
ブレーキシュー14は、ブレーキドラム12の内周部に配置された一対のブレーキシュー14a,14bを含む。そして、ドラムブレーキ10は、ブレーキドラム12の内周面に一対のブレーキシュー14a,14bを押し付けることにより制動トルクを発生する。
【0017】
ブレーキシュー14aは、ウェブ20a、リム22a、およびブレーキライニング24aを有する。同様に、ブレーキシュー14bは、1枚のウェブ20b、リム22b、およびブレーキライニング24bを有する。
【0018】
また、図1に示されるように、ドラムブレーキ10は、ブレーキドラム12の内部に配置されたホイールシリンダ26を含む。そして、図1に示すように、ブレーキシュー14a,14bのそれぞれの上端部同士は、1本または2本のシューリターンスプリング28を介して互いに連結されている。
【0019】
シューリターンスプリング28の付勢力により、ブレーキシュー14aのウェブ20aの一端は、ホイールシリンダ26のピストンの端部に係合させられる。また、シューリターンスプリング28の付勢力により、ブレーキシュー14bのウェブ20bの一端は、ホイールシリンダ26の対応するピストンの端部に係合させられる。さらに、図1に示すように、一対のブレーキシュー14a,14bのそれぞれの下端部同士は、アンカーブロック30を介して互いに連結されている。
【0020】
このように構成されるドラムブレーキ10では、運転者によってブレーキペダルが操作されると、図示されないマスタシリンダから、ホイールシリンダ26にブレーキフルードが供給される。これにより、ホイールシリンダ26の一対のピストンがそれぞれ外方に突き出させられる。
【0021】
そして、一対のブレーキシュー14a,14bにはホイールシリンダ26から押圧力が付与され、ブレーキシュー14a,14bの一端部がアンカーブロック30を支点としてそれぞれ外側へと(図中左右へと)拡張される。
【0022】
この結果、車輪と一体に回転するブレーキドラム12の内周面12aに、ブレーキシュー14a,14bの外周面にそれぞれ設けられたブレーキライニング24a,24bが押し付けられる。これにより、制動トルクを得ることができる。
【0023】
[ブレーキドラムの構造]
次に、前述のブレーキドラム12の構造について更に詳述する。図3は、第1の実施の形態に係るブレーキドラム12の正面図である。図4は、図3のA−A断面図である。図5は、図3に示す貫通孔近傍のB領域の拡大図である。
【0024】
本実施の形態に係るブレーキドラム12における開閉手段32は、図3や図4に示すように、ブレーキドラム12の非回転時には貫通孔18bを閉じるように構成されている。具体的には、図5に示すように、開閉手段32は、ブレーキドラム12の外周面18aに取付部材34が固定されており、その先端部に回転軸となるピン36が取り付けられている。そして、ピン36に回転可能に支持されたスプリング38は、貫通孔18bを覆うフィン40を外周面18aに押し付ける向きに付勢するので、フィン40により貫通孔18bが閉じられる。なお、スプリング38には、例えば、ねじりばねが好適である。
【0025】
これにより、本実施の形態に係るブレーキドラム12は、非回転時に貫通孔18bが閉じられているので貫通孔18bから水や異物がブレーキドラム12の内周部に侵入することが抑制される。
【0026】
図6は、第1の実施の形態に係るブレーキドラム12が回転している場合の開閉手段の動作を説明するための図である。
【0027】
図6に示すように、車両が走行中にブレーキドラム12が矢印C方向に回転すると、開閉手段32のフィン40に矢印Rとして示す遠心力が径方向に働く。そして、この遠心力によりフィン40はピン36を回転軸として回転し、フィン40の一方の端部が外向きに持ち上がり、貫通孔18bが開く。その結果、車両が走行中には、外気が貫通孔18bからブレーキドラム12の内周部に導入されるため、ブレーキドラム12の放熱性が向上する。また、フィン40が開くことにより、より多くの外気が矢印Dに示すようにフィン40に沿って貫通孔18bに向かって流れるため、ブレーキドラム12の内周部における放熱性を更に向上することができる。なお、本実施の形態に係るフィン40は金属で構成されており、ブレーキドラム12自体の熱をフィン40を介して外気に放熱することができる。
【0028】
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態に係るブレーキドラム112の正面図である。図8は、第2の実施の形態に係るブレーキドラム112が回転している場合の開閉手段の動作を説明するための図である。図7に示す開閉手段132のフィン140は、第1の実施の形態に係る開閉手段32のフィン40と比較して、開閉手段132が閉じた状態で隣接する開閉手段132の近傍に到達する程度の長さに設定されている点が大きな特徴である。
【0029】
そして、図8に示すように、車両が走行中にブレーキドラム112が矢印C方向に回転すると、開閉手段132のフィン140に矢印Rとして示す遠心力が径方向に働く。そして、この遠心力によりフィン140の一方の端部が外向きに持ち上がり、貫通孔18bが開く。その結果、車両が走行中には、外気が貫通孔18bからブレーキドラム112の内周部に導入されるため、ブレーキドラム112の放熱性が向上する。また、第1の実施の形態に係るフィン40と比較して長いフィン140が開くことにより、より多くの外気が矢印Dに示すようにフィン140に沿って貫通孔18bに向かって流れるため、ブレーキドラム112の内周部における放熱性を更に向上することができる。なお、本実施の形態に係るフィン140も金属で構成されており、フィン40より長いため、ブレーキドラム12自体の熱をフィン140を介して外気により効率よく放熱することができる。
【0030】
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態に係るブレーキドラム212の正面図である。図10は、図9に示すブレーキドラム212を矢印E方向から見た部分側面図である。
【0031】
本実施の形態に係るブレーキドラム212は、各貫通孔18bの上方を覆う遮蔽部材232が、円筒部18の外周面18aに一定の間隔で配置されている。これにより、ブレーキドラム212は、非回転時に貫通孔18bの上方が覆われているので貫通孔18bから水や異物がブレーキドラム212の内周部に侵入することが抑制される。
【0032】
遮蔽部材232は、ブレーキドラム212の回転方向の下流側に開口部232aが形成されており、ブレーキドラム212が矢印C方向に回転すると、外気が開口部232aから矢印Dに示すように遮蔽部材232の側壁232b,232cに沿って貫通孔18bに向かって流れる。そのため、車両が走行中には、外気が貫通孔18bからブレーキドラム212の内周部に導入されるため、ブレーキドラム212の放熱性が向上する。
【0033】
また、遮蔽部材232の側壁232cは、図10に示すように、ブレーキドラムの回転軸に対して斜めになるように設けられており、ブレーキドラム212が矢印Cに示す回転方向に回転すると、矢印Dに示すように外気の流れが貫通孔18bに向かう。これにより、効率よく貫通孔18bに外気を導入することができ、ブレーキドラム212の放熱性を向上することができる。
【0034】
(第4の実施の形態)
上述の第1の実施の形態や第2の実施の形態に係る開閉手段では、フィンを用いることで効率よく貫通孔に外気を導入することができる反面、ゴミや粉塵などの異物も積極的にフィンで捕捉してしまう可能性がある。図11は、ブレーキドラムの回転中にフィンで異物を捕捉する様子を説明するための模式図である。
【0035】
ブレーキドラム312が回転している場合、フィン340が遠心力により外側に向かって開くため、ゴミ42がフィン340により捕捉され、フィン340と貫通孔18bとの間に留まったままブレーキドラム312が静止すると、フィン340が正常に閉じなくなる可能性がある。このような場合、ブレーキドラム312の非回転時に水や異物がブレーキドラム312の内周部に侵入し易くなる。
【0036】
そこで、本実施の形態に係るブレーキドラムは異物が開閉手段に詰まりにくい構造を採用している。図12は、第4の実施の形態に係るブレーキドラム412が備える開閉手段近傍の概略断面図である。図13は、第4の実施の形態に係るブレーキドラム412が回転している場合の開閉手段の動作を説明するための図である。なお、ブレーキドラム412の主要構造は、前述の各実施の形態のブレーキドラムと同様であり説明を適宜省略する。
【0037】
ブレーキドラム412は、円筒部18の周面に形成された貫通孔18bと、円筒部18の外周面18aに設けられ、ブレーキドラム412の非回転時には貫通孔18bを閉じるように構成されている開閉手段432と、を備える。
【0038】
開閉手段432は、ブレーキドラム412の非回転時に貫通孔18bを閉じるように円筒部18の外周面18aに設けられた遮蔽部材として機能する板ばね44と、貫通孔18bのブレーキドラム回転方向(矢印C)下流側および上流側において、板ばね44が円筒部18の外周面18aから脱落しないように板ばね44の両端部を保持する保持部材46と、を有している。
【0039】
板ばね44は、図13に示すように、ブレーキドラム412の回転時における遠心力により中央部44aがブレーキドラムの径方向に弾性変形し、貫通孔18bを開く。一方、板ばね44は、ブレーキドラム412の回転が停止すると、遠心力がなくなるため、復元力により図12に示す状態に戻る。これにより、ブレーキドラム412の回転による遠心力を用いて簡易な構成で繰り返し貫通孔18bを開閉することができる。
【0040】
また、開閉手段432は、ブレーキドラム412が回転している場合、貫通孔18bに対してブレーキドラム回転方向(矢印C)の下流側から流れてくる外気を遮蔽しつつブレーキドラム412の回転軸方向から貫通孔18bに導入される外気が増加するように遠心力によりブレーキドラム412の径方向外側に向かって変形し、ブレーキドラム412の回転軸方向と交差する開口部48を形成する。
【0041】
図12、図13に示すブレーキドラム412によれば、ブレーキドラム412の非回転時には貫通孔18bが閉じられているので貫通孔18bから水や異物がブレーキドラム412の内周部に侵入することが抑制される。一方、ブレーキドラム412が回転している場合、板ばね44が遠心力により変形して貫通孔18bに導入される外気が増加するため、放熱性が向上する。
【0042】
また、ブレーキドラム412が回転している場合、開閉手段432は、ブレーキドラム412の回転により遠心力が発生するため、開閉手段432が変形して貫通孔18bが開いた状態となるが、水や異物などのゴミ50にも遠心力が働くため、貫通孔18bからブレーキドラム412の内部に侵入しにくくなる。しかも、開閉手段432は、貫通孔18bに対してブレーキドラム回転方向の下流側から流れてくる外気を遮蔽するので(図13参照)、ゴミ50が貫通孔18bに直接到達することが抑制される。
【0043】
保持部材46は、ブレーキドラム412の回転時における遠心力により板ばね44の中央部44aがブレーキドラム412の径方向に変形した際に、板ばね44の両端部をブレーキドラム412の周方向にガイドするように形成されたガイド部46aを有している。これにより、板ばね44の中央部44aに遠心力が作用した場合、板ばね44の両端がガイド部46aに沿って互いに近付くことで、容易に板ばね44の中央部44aをブレーキドラム412の径方向に変形させることができる。
【0044】
板ばね44は、保持部材46に保持されていない領域44bに重り52が付けられている。これにより、重り52の付いていない板ばねと比較して、より低速回転で貫通孔18bを開くことができる。また、板ばね44は、弾性変形する金属材料で形成されているので、放熱性を向上することができる。
【0045】
以上、本発明を上述の各実施の形態を参照して説明したが、本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、各実施の形態の構成を適宜組み合わせたものや置換したものについても本発明に含まれるものである。また、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を各実施の形態に対して加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】ドラムブレーキの概略構成図である。
【図2】図1に示されるドラムブレーキに用いられるブレーキドラムの全体斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るブレーキドラムの正面図である。
【図4】図3のA−A断面図である。
【図5】図3に示す貫通孔近傍のB領域の拡大図である。
【図6】第1の実施の形態に係るブレーキドラムが回転している場合の開閉手段の動作を説明するための図である。
【図7】第2の実施の形態に係るブレーキドラムの正面図である。
【図8】第2の実施の形態に係るブレーキドラムが回転している場合の開閉手段の動作を説明するための図である。
【図9】第3の実施の形態に係るブレーキドラムの正面図である。
【図10】図9に示すブレーキドラムを矢印E方向から見た部分側面図である。
【図11】ブレーキドラムの回転中にフィンで異物を捕捉する様子を説明するための模式図である。
【図12】第4の実施の形態に係るブレーキドラムが備える開閉手段近傍の概略断面図である。
【図13】第4の実施の形態に係るブレーキドラムが回転している場合の開閉手段の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0047】
10 ドラムブレーキ、 12 ブレーキドラム、 14 ブレーキシュー、 16 底面、 18 円筒部、 18a 外周面、 18b 貫通孔、 26 ホイールシリンダ、 32 開閉手段、 34 取付部材、 36 ピン、 38 スプリング、 40 フィン、 44 板ばね、 46 保持部材、 46a ガイド部、 48 開口部、 412 ブレーキドラム、 432 開閉手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開かれているとともに他端に底面が形成されている円筒状のブレーキドラムであって、
円筒部の周面に形成された貫通孔と、
前記円筒部の外周面に設けられ、ブレーキドラムの非回転時には前記貫通孔を閉じるように構成されている開閉手段と、を備え、
前記開閉手段は、ブレーキドラムが回転している場合、前記貫通孔に対してブレーキドラム回転方向の下流側から流れてくる外気を遮蔽しつつブレーキドラムの回転軸方向から前記貫通孔に導入される外気が増加するように遠心力によりブレーキドラムの径方向外側に向かって変形し、ブレーキドラムの回転軸方向と交差する開口部を形成することを特徴とするブレーキドラム。
【請求項2】
前記開閉手段は、
ブレーキドラムの非回転時に前記貫通孔を閉じるように前記円筒部の外周面に設けられた板状の遮蔽部材と、
前記貫通孔のブレーキドラム回転方向下流側および上流側において、前記遮蔽部材が前記円筒部の外周面から脱落しないように該遮蔽部材の両端部を保持する保持部材と、を有し、
前記遮蔽部材は、ブレーキドラムの回転時における遠心力により中央部がブレーキドラムの径方向に変形し、前記貫通孔を開くことを特徴とする請求項1に記載のブレーキドラム。
【請求項3】
前記保持部材は、ブレーキドラムの回転時における遠心力により前記遮蔽部材の中央部がブレーキドラムの径方向に変形した際に、前記遮蔽部材の両端部をブレーキドラムの周方向にガイドするように形成されたガイド部を有することを特徴とする請求項2に記載のブレーキドラム。
【請求項4】
前記遮蔽部材は、前記保持部材に保持されていない領域に重りが付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のブレーキドラム。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、弾性変形する金属材料で形成されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のブレーキドラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−41749(P2009−41749A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−210457(P2007−210457)
【出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】