説明

ブレーキ液圧制御装置

【課題】電子制御ユニットから発生する熱を効率的に放熱できるようにすると共に、省スペースで放熱を可能としたブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】ブレーキ液圧制御装置は、通路24内を流れるブレーキ液の流れを切り換える電磁切換弁本体26a−hと、内部に通路が形成され電磁切換弁を保持する油圧ハウジング28とを有する油圧ユニット12と、ブレーキ液を圧送するための直流モータ34と、電磁切換弁本体を作動させるコイル38a−hと、コイルを保持するコイルハウジング42とを有するコイルユニット14と、電磁切換弁本体及びコイルを制御する電子部品20a−dから発生する熱を油圧ハウジングに伝達するボルト18、19と、油圧ハウジング内に配置され該油圧ハウジング内の気体を循環させるためのファン装置70とを備え、ファン装置は、直流モータにより駆動されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーキ液圧制御装置に関し、特に、マスタシリンダとホイールシリンダとの間に設けられ、ホイールシリンダのブレーキ液圧の制御に用いられるブレーキ液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のブレーキ液圧制御装置は、マスタシリンダとホイールシリンダとを連結するための配管と、配管内を流れるブレーキ液の流れを切り換える複数の電磁切換弁と、電磁切換弁を制御するための電子制御ユニットと、ホイールシリンダからのブレーキ液をマスタシリンダに戻すためのポンプとを備えている。ブレーキ液圧制御装置は、また、油圧ブロックなどど称されるブロック状のハウジングを備えており、配管や電磁切換弁は、該ハウジング内に配置され、電子制御ユニットは、該ハウジングの一面上に設けられている。電子制御ユニットは、マイクロコンピュータなどの電子部品と、電子部品を搭載する回路基板とを備え、該回路基板に放熱器や放熱板を設置して、マイクロコンピュータなどの電子部品の放熱を図り、安定した動作を保つようにしている。このような従来技術として、例えば、下記特許文献1を参照されたい。
【特許文献1】特開平8−11692号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
近年、車両(四輪車や二輪車など)の制動時のロックを制御するアンチロックブレーキ制御、車両の加速時のスリップを制御するトラクションコントロール、あるいは走行する車両の横方向の不安定性を解消するための走行安定コントロールなど、運転者のブレーキ操作に関連した制御、あるいは運転者のブレーキ操作とは無関係なトランスミッションなどの制御を含む各種の制御技術が用いられている。これらの各制御においては、走行する車両の状態を車輪速センサ、ヨーレイトセンサなどのセンサによって検知し、その検知信号に基づいて、マイクロコンピュータを主体とした電子部品が、電磁切換弁を駆動制御して、車輪ブレーキのホイールシリンダのブレーキ液圧を制御している。このような制御が頻繁に行われると、マイクロコンピュータを主体とした電子部品の作動時間が長くなって大量の熱を発生し、回路基板に設置した放熱器や放熱板では、十分に放熱できないという問題があった。また、回路基板に放熱器や放熱板の設置スペースを確保することも必要となり、自動車業界において要請の強い小型化に答えることが十分ではなかった。
【0004】
本発明は、上記従来技術の有する問題点に鑑みなされたものであり、電子制御ユニットから発生する熱を効率的に放熱できるようにすると共に、省スペースで放熱を可能としたブレーキ液圧制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明は、ブレーキ液圧制御装置であって、
通路内を流れるブレーキ液の流れを切り換える電磁切換弁本体と、内部に前記通路が形成され前記電磁切換弁本体を保持する油圧ハウジングとを有する油圧ユニットと、
前記ブレーキ液を圧送するための圧送手段と、
前記電磁切換弁本体を作動させるコイルと、
前記電磁切換弁本体及び前記コイルを制御する電子部品から発生する熱を前記油圧ハウジングに伝達する熱伝達手段と、
前記油圧ハウジング内に配置され、該油圧ハウジング内の気体を循環させるためのファン装置とを備え、
前記ファン装置は、前記圧送手段により駆動されているブレーキ液圧制御装置を提供することによって、前記目的を達成しようとするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、油圧ハウジング内に配置されファン装置が駆動されることにより、該油圧ハウジング内の気体が循環され、これによって、熱伝達手段により電子部品の熱が伝達された油圧ハウジングを効率的に冷却することができる。したがって、回路基板に設けた放熱器や放熱板と比較して、放熱面積を大きく取ることができる油圧ハウジングを通して、電子制御ユニットから発生する熱を効率的に放熱できる。したがって、運転者のブレーキ操作に関連した制御、あるいは運転者のブレーキ操作とは無関係な制御を含む各種の制御が頻繁に行われて、電子部品の作動時間が長くなって大量の熱が発生しても、放熱面積を大きく取ることができる油圧ハウジングから十分に放熱が行われ、電子部品を安定して作動させることができる。
【0007】
また、油圧ハウジングの通路内を流れるブレーキ液を圧送するための圧送手段を利用してファン装置を駆動するようにしたので、該ファン装置を駆動するための装置を別個に設ける必要がなくなり、装置を小型化でき、省スペースで放熱を可能としたブレーキ液圧制御装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態に係るブレーキ液圧制御装置を図1乃至図6に基づいて説明する。
まず、本実施形態に係るブレーキ液圧制御装置の全体的な構成を説明する。
【0009】
ブレーキ液圧制御装置10は、コイルユニット14と、コイルユニット14の一方の側(図1において下側)に設けられた油圧ユニット12と、コイルユニット14の他方の側(図1において上側)に設けられた電子制御ユニット16と、油圧ユニット12とコイルユニット14とを固定し電子制御ユニット16から発生する熱を油圧ユニット12とコイルユニット14とに伝達して放熱させるための熱伝達手段あるいは締結装置としてのボルト18、19と、油圧ハウジング内に配置され油圧ハウジング内の気体を循環させるためのファン装置70と、ファン装置70を駆動する圧送手段としての直流(DC)モータ34とを備えている。電子制御ユニット16は、電子部品20a−dと、これら電子部品20a−dが装着又は搭載された回路基板22とを備えている。電子部品のうち、特に回路基板22のボルト側に配置された電子部品20a、bの熱が、ボルト18、19により、油圧ユニット12の油圧ハウジング(第1のハウジング)28とコイルユニット14のコイルハウジング(第2のハウジング)42とに伝達され、油圧ハウジング(第1のハウジング)28がファン装置70により冷却されることによって、より効率的に放熱できるようになっている(電子部品20bは実際には図示されていないが、理解を容易にするために、図4において、電子部品20aと同じ部分に符号20bを付してある)。もっとも、ボルト18、19は、必ずしも両ハウジング28及び42に熱を伝達させる必要はなく、少なくとも油圧ハウジング28に伝達させるだけで十分である。
【0010】
次に、本実施形態に係るブレーキ液圧制御装置の詳細な構成を説明する。
油圧ユニット12は、電磁切換弁本体26a−hと、電磁切換弁本体26a−hを保持する油圧ハウジング28とを備えている。油圧ハウジング28の内部には、ブレーキ液が流れる通路としての配管24が形成されており、電磁切換弁本体26a−hは、配管24内を流れるブレーキ液の流れを切り換える。
【0011】
油圧ハウジング28は、ほぼ直方体状に形成されており、上述したように、その内部にブレーキ液を流すための配管24が複数設けられている。配管24により、マスタシリンダ(図示せず)とホイールシリンダ(図示せず)との間が接続されている。油圧ハウジング28は、ブレーキ液を流すための配管24が配置されているため、その寸法もコイルユニット14のコイルハウジング42よりも大きく、このため、油圧ハウジング28は、コイルハウジング42と比較して放熱面積も広くなっている。油圧ハウジング28は、放熱性を良くするために、熱伝導率の良い材料から構成するのが好ましい。
【0012】
油圧ハウジング28は、コイルユニット14のコイルハウジング42に対向するコイルハウジング対向面(図中上面)30と、コイルハウジング対向面30の反対側の面(図中下面)、すなわち、ブレーキ液を圧送するための圧送手段としての直流(DC)モータ34に対向するDCモータ対向面32とを備えており、このDCモータ対向面32には、DCモータ34が一体的に取り付けられている。油圧ハウジング28は、コイルハウジング対向面30とDCモータ対向面32とを連結する4つの側面を備えており、そのうちの一方の側面23に配管24に連通する開口部25が形成されている。
【0013】
コイルハウジング対向面30には、8個の電磁切換弁本体26a−hを保持するための保持孔36a−hがそれぞれ形成されている。電磁切換弁本体26a−hは、所定の間隔をあけて配置されており、油圧ハウジング28の長手方向に4個配置され、1列4個からなる電磁切換弁本体は、その長手方向に交差する方向に2列配置されている。電磁切換弁本体26a−hは、それらの下端部が配管24まで延在し、それらの上端部がコイルユニット14側に突出し、コイルユニット14に設けられたコイル38a−h内まで延びている。コイル38a−hは、それぞれ、電磁切換弁本体26a−hを作動させるものであり、コイル38a−hと、電磁切換弁本体26a−hとから、電磁切換弁が構成されている(全てのコイルは実際には図示されていないが、理解を容易にするために、図1に図示されている1つのコイルに参照符号38a−hを付してある)。コイル38a−hを励磁することにより、電磁切換弁本体26a−hは、その軸方向で変位して配管24を開閉し、これによりブレーキ液の流れを切り換えるようになっている。
【0014】
コイルハウジング対向面30には、油圧ユニット12とコイルユニット14とを固定するボルト18、19を螺合させるためのねじ付き孔40a、bが形成されている。一方のねじ付き孔40aは、保持孔36a、b、e、fの中心に形成されており、保持孔36a、b、e、fのそれぞれから等距離の位置に設けられている。他方のねじ付き孔40bは、保持孔36c、d、g、hの中心に形成されており、保持孔36c、d、g、hのそれぞれから等距離の位置に設けられている。
【0015】
図5及び図6に示されているように、油圧ハウジング28内には、該油圧ハウジング内の気体を強制的に循環させるための冷却用のファン装置70を備えている。
ファン装置70は、圧送手段としての直流モータ34によって駆動されるようになっている。直流モータ34は、油圧ハウジング内にまで延在させたの駆動軸72を備えている。ファン装置70は、駆動軸72に冷却ファン74を取り付けて構成されている。また、油圧ハウジング28内には、被覆電線80が設けられている。この被覆電線80を介して、電源(図示せず)からの電流を直流モータ34に供給して、直流モータ34を駆動させるようになっている。被覆電線80は、油圧ハウジング28内に取り付けられた筒状の保護管90を貫通して延在している。被覆電線80は、導線82と、絶縁体からなり導線82を被覆する被覆体84とを備えている。被覆体84は保護管90内に収められており、導線82は、コイルハウジング対向面30に形成された貫通孔86を通して、油圧ハウジング28の外側に延びている。そして、導線82は、電源(図示せず)に電気的に接続されるようになっている。
【0016】
ブレーキ液を圧送するために、電源(図示せず)からの電流が直流モータ34に供給されると、直流モータ34が稼働し、駆動軸72と共に冷却ファン74が回転駆動する。冷却ファン74の回転により、油圧ハウジング内の気体が強制的に循環させられる。このとき、油圧ハウジング内の気体は、油圧ハウジング内のみを移動するだけでなく、ねじ付き孔40a、bや保持孔36a、b、e、fの隙間を通して、油圧ハウジングの外部にも移動し、これに合わせて、油圧ハウジング外側の気体が、油圧ハウジング内に移動する。このようにして、油圧ハウジング内で、また、油圧ハウジング内と油圧ハウジング外との間で、気体の循環が行われ、ボルト18、19により、電子部品20a、bの熱が伝達された油圧ハウジング28を効率的に冷却でき、ファン装置70がない場合と比較して、電子部品20a、bの熱を油圧ハウジング28を介してより効率的に放熱できる。
【0017】
本実施形態においては、ねじ付き孔40a、bや保持孔36a、b、e、fの隙間を通して、油圧ハウジング内と油圧ハウジング外との間で気体の循環を行うようしたが、このような気体の循環を行うために、冷却専用の孔を油圧ハウジングに形成してもよい。もっとも、油圧ハウジング内と油圧ハウジング外との間で気体の循環をする必要はなく、冷却効果は低下するが、油圧ハウジング内だけで気体の循環を行うようにしてもよい。
【0018】
なお、図5は油圧ハウジングの一部を破断した部分断面図であり、図6は、ファン装置が目視できるように油圧ハウジングの一部を破断した上面図であるが、両図において、本発明の実施形態に係るブレーキ液圧制御装置の特徴を明瞭に表すために、油圧ハウジング内は、ファン装置70と被覆電線のみを図示し他の要素は省略している。
【0019】
コイルユニット14は、コイル38a−hと、コイル38a−hを収容して保持するコイルハウジング42とを備えている。コイル38a−hは、電磁切換弁本体26a−hと同じ数だけ設けられており、電磁切換弁本体26a−hの位置に整合して配置されている。
【0020】
コイルハウジング42は、コの字型のコイルハウジング本体42aと、底板部42bとを備えており、コの字型のコイルハウジング本体42aの開口部が底板部42bによって覆われるように、コイルハウジング本体42aが底板部42bに取り付けられて構成されている。このようにして、コイルハウジング42は、コの字型のコイルハウジング本体42aの3面と底板部42bの1面との合計の4面から、全体としてほぼ直方体状に形成されている。そして、その長手方向の両側に開口部が形成され、その内側が中空部となっており、両側の開口部が内側の中空部を介して連通する構造となっている。このようにして、前記中空部は前記開口部を介して外部に連通する構成となり、これによって、コイルハウジング28の内部に、コイル38a−hを収容する、中空状のコイル収納部52が形成されている。
【0021】
コイルハウジング42の底板部42bは、その長手方向に沿って延びる各端部を有しており、該各端部には、略L字状の突起部43が4つ設けられている。また、底板部42bは、油圧ハウジング28に対向する油圧ハウジング対向面(図中下側の面)44を有している。コの字型のコイルハウジング本体42aは、電子制御ユニット16の回路基板22に対向する回路基板対向面(図中上側の面)46と、回路基板対向面46の長手方向に沿って延びる各端部から底板部42b側に起立して延びる一対の側面48、48とを備えている。一対の側面48、48には、底板部42b側に向けて突出した突出部50が形成されており、該突出部50が、底板部42bに形成された略L字状の突起部43の間に嵌入されている。ボルト18、19により油圧ハウジング28とコイルハウジング42とを締結したとき、コイルハウジング42は、ボルト18、19のヘッド部18a、19aと油圧ハウジング28とにより、それらの間に挟持される状態となり、これにより、コイルハウジング本体42aと底板部42bとは、強固に固定される。
【0022】
コイル38a−hは、電磁切換弁本体26a−hの位置に整合して配置されるように、電磁切換弁本体の配置と同様に、コイルハウジング42のコイル収納部52に所定の間隔をあけて配置されている。具体的には、コイル収納部52の長手方向に4個配置され、1列4個からなるコイルは、その長手方向に交差する方向に2列配置されている。コイル収納部52の高さは、コイル38a−hの軸方向の長さにほぼ一致している。コイルハウジング42も、油圧ハウジング28と同様に、放熱性を良くするために、熱伝導率の良い材料から構成するのが好ましい。
【0023】
コイルハウジング42の油圧ハウジング対向面44には、コイル38a−h及び電磁切換弁本体26a−hと整合する部位に、貫通孔(図示せず)が形成されており、これら貫通孔を通して電磁切換弁本体26a−hはコイル38a−h内に延在している。また、コイルハウジング42の油圧ハウジング対向面44には、油圧ハウジング28のねじ付き孔40a、bに対向する位置に、ボルト18、19を通すための一対の貫通孔54a、bが形成されている。図4には、油圧ハウジング28のねじ付き孔40aに対向する、ボルト18を通すための一方の貫通孔54aが図示されている(ねじ付き孔40bに対向する貫通孔54bは実際には図示されていないが、理解を容易にするために、図4において、貫通孔54aと同じ部分に符号54bを付してある)。
【0024】
一方、コイルハウジング42の回路基板対向面46には、コイル38a−hの端部が臨まれる8つの開口部56a−hが形成されている。また、コイルハウジング42の回路基板対向面46には、貫通孔54a、bとねじ付き孔40a、bとに対向する位置に、ボルト18、19を挿入するための貫通孔58a、bが形成されている。したがって、同様に、一方の貫通孔58aは、開口部56a、b、e、fの中心に形成されており、開口部56a、b、e、fのそれぞれから等距離の位置に設けられている。他方の貫通孔58bは、開口部56c、d、g、hの中心に形成されており、開口部56c、d、g、hのそれぞれから等距離の位置に設けられている。これによって、貫通孔58a及び54aを通してねじ付き孔40aに螺合されたボルト18は、コイル38a、b、e、fのそれぞれに対して等距離の位置に配置される。一方、貫通孔58b及び54bを通してねじ付き孔40bに螺合されたボルト19は、コイル38c、d、g、hのそれぞれに対して等距離の位置に配置される。このように一対のボルトを等距離の位置に配置したので、コイルハウジング42を油圧ハウジング28に対して均等圧でボルト締めすることができる。
【0025】
コイルハウジング42の油圧ハウジング対向面44は、油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30に接した状態で配置される。そして、ボルト18、19を、貫通孔58a、b及び54a、bを通して、ねじ付き孔40a、bに螺合することにより、コイルハウジング42は、ボルト18、19のヘッド部18a、19aと油圧ハウジング28とにより挟持される。これによって、コイルハウジングの油圧ハウジング対向面44と油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30とは、互いに対して強固に圧接又は密着され、それらの面のほぼ全体が圧接した状態となる。この結果、電子部品の熱が、ボルト18、19を介してコイルハウジング42と油圧ハウジング28とに直接的に伝達されて両ハウジングから放熱されるだけでなく、油圧ハウジング対向面44とコイルハウジング対向面30とが互いに圧接又は密着した状態で配置されているため、コイルハウジング42の熱も効率よく放熱面積のより大きい油圧ハウジング42に伝えられる。また、コイルハウジング42にはコイル38a−hが配置されており、コイルへの通電によりコイル自体も多少熱を持つことになるが、かかる熱も放熱面積の大きい油圧ハウジング42に効率的に伝えられる。なお、コイルハウジング42も油圧ハウジング28も、放熱性を良くするために、両ハウジングとも熱伝導率の良い材料から構成するのが好ましい。このように、コイルハウジング42を熱伝導率の良い材料から構成する場合、コイルハウジング42も熱伝達手段を構成することとなる。
【0026】
コイルハウジング42の外周部には、上述したように、略L字状の突起部43が設けられており、電子制御ユニット16のECUハウジング60の内壁に形成された段部61上に突起部43を載置して、コイルハウジング42を簡単に位置決めすることができ、これによって、ボルト18、19での締結を容易に行うことができるようになっている。そして、ボルト18、19により油圧ハウジング28とコイルハウジング42とを締結したとき、コイルハウジング42の突起部43により、ECUハウジング60が油圧ハウジング28に押圧され、ECUハウジング60が油圧ハウジング28に対して固定されるようになっている。すなわち、ボルト18、19により、油圧ハウジング28とコイルハウジング42との連結のみならず、ECUハウジング60も両ハウジングに連結され、この結果、本実施形態に係るブレーキ液圧制御装置は、一体的な構造となっている。
【0027】
コイル38a−hは、中空円筒状に形成された磁性部材からなるボビンと、該ボビンに捲かれたコイル巻き線とからなっている。コイル38a−hには、接続端子39がそれぞれ2本ずつ設けられている。接続端子39は、コイルハウジング42の回路基板対向面46を貫通して、その軸方向に沿って回路基板側に突出して設けられている。また、接続端子39は、回路基板22の駆動回路と電気的に接続されており、これによって、コイル38a−hのコイル巻き線に励磁電流が供給されるようになっている。なお、コイルハウジング42と接続端子39とを電気的に絶縁するために、接続端子39が、コイルハウジング42を貫通する部部に、絶縁部材(図示せず)が設けられている。
【0028】
電子制御ユニット16は、上述したように、電子部品20a−dと、これら電子部品が装着又は搭載された回路基板22とを備えている。本実施形態においては、さらに、回路基板22を、コイルハウジング42の回路基板対向面46に対向して配置できるよう、回路基板22を支持するため上記したECUハウジング60を備えている。
【0029】
ECUハウジング60は、コイルハウジング42の周囲を囲むことができるように、4つの側面60a−dからほぼ直方体状に構成されており、その回路基板側(図中上側)とその油圧ハウジング側(図中下側)に、それぞれ、開口部が形成されている。このECUハウジング60は、コイルハウジング42の周囲を囲むように、油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30上に配置されており、コイルハウジング42の回路基板対向面46よりも突出して延びている。このため、回路基板22を、コイルハウジング42の回路基板対向面46から所定距離だけ離して配置できる。図示しないねじなどにより、回路基板22は、ECUハウジング60の回路基板側端部(図中上側の端部)に固定されている。
【0030】
回路基板22は、コイルハウジング42の回路基板対向面46に対向するコイルハウジング対向面22aを有しており、一対の電子部品20a、20bは、離間した状態で、回路基板のコイルハウジング対向面22aに装着されている。電子部品20a、20bは、ボルト18、19に整合する位置に位置決めされている。回路基板のコイルハウジング対向面22aに設けられた一対の電子部品20a、20bは、制動時のロックを制御するアンチロックブレーキ制御、車両の加速時のスリップを制御するトラクションコントロール、あるいは走行する車両の横方向の不安定性を解消するための走行安定コントロールなど、運転者のブレーキ操作に関連した制御、あるいは運転者のブレーキ操作とは無関係な制御を含む各種の制御技術を行う際に、電磁切換弁を駆動制御して、車輪ブレーキのホイールシリンダのブレーキ液圧を制御しているマイクロコンピュータ(ECU)である。このように、回路基板のコイルハウジング対向面22aには、本実施形態のように、マイクロコンピュータなどの発熱量の多い電子部品を配置することが好ましい。本実施形態においては、回路基板のコイルハウジング対向面22aに、一対の電子部品20a、20bを設けるようにしたが、かかるマイクロコンピュータなどの電子部品は1つであってもよいし、2以上であってもよい。回路基板のコイルハウジング対向面22aに装着する電子部品が1つの場合、一対のボルトはそのままとしてもよい。この1つの電子部品を回路基板22のぼぼ中央に装着したときは、これに合わせて、ボルトも1つにして該ボルトを開口部56b、c、f、gの中心に位置決めすることが好ましい。
【0031】
回路基板22のうちコイルハウジング対向面22aの反対側(図中上側)にも、電子部品20c、20dが装着されている。電子部品20a、20bは、回路基板22を介して電子部品20c、20dに対向する位置に設けられている。
【0032】
本実施形態においては、電子部品を保護するために、電子部品及び回路基板22全体を覆う樹脂製カバー62が設けられている。樹脂製カバー62は、ECUハウジング60に溶着されており、ゴミやほこりなどが電子部品に付着して電子部品が誤作動しないように、ゴミやほこりの侵入を防止している。もちろん、必ずしも、樹脂製カバー62を設ける必要はない。
【0033】
ねじ本体としてのボルト18、19は、上述したように、油圧ハウジング28とコイルハウジング42とを固定し、電子部品20a、bから発生する熱をコイルハウジングと油圧ハウジングとに伝達する。効率よく熱を伝達させるために、ボルト18、19は、アルミなどの伝熱材から構成されていることが好ましい。
【0034】
一方のボルト18と他方のボルト19は、同様の構造をしているので、一方のボルト18の構造のみをさらに詳細に説明する。
ボルト18は、電子部品側に配置される円形状で薄肉のヘッド部18aと、ヘッド部18aの一方の面(コイルハウジング側の面)からヘッド部に対して交差して延びる軸部18bとを備えている。軸部18bは、コイルハウジング42を貫通して油圧ハウジング28内まで延びている。軸部18bの先端側には、雄ねじ部18cが形成されている。ボルト18の軸部18bは、コイルハウジング42の貫通孔58a及び54aを通して挿入され、雄ねじ部18cは、油圧ハウジング28のねじ付き孔40aに螺合され、その下端部が油圧ハウジング28内に延在している。また、雄ねじ部18cが、ねじ付き孔40aに螺合された際、軸部18bの少なくとも一部が、コイルハウジング42の貫通孔58a及び54aを形成する内側面と接した状態となっていることが好ましい。ボルト18をコイルハウジング42を通して油圧ハウジング28に連結するとき、ヘッド部18aの一方の面が、コイルハウジング42の回路基板対向面46に圧接した状態になるまで、ボルト18は、ねじ付き孔40aにねじ込まれる。このため、上述したように、コイルハウジング42は、ボルト18のヘッド部18aと油圧ハウジング28とにより挟持され、油圧ハウジング28とコイルハウジング42とは、強固に固定された状態となる。このとき、上述したように、コイルハウジングの油圧ハウジング対向面44と油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30とは、それらの面のほぼ全体が互いに対して強固に圧接した状態となる。ヘッド部18aの他方の面(回路基板側又は電子部品側の面)は、ほぼ全体が電子部品20aに直接的に接している。ヘッド部18aの電子部品側の面は、電子部品20aのボルト側の面と同じ形状寸法にするか、電子部品20aのボルト側の面よりも大きな面積を持つようにすることが好ましい。これにより、電子部品の熱を効率的にボルトに伝達できる。以上のような構成となっているため、電子部品20aからの熱は、ヘッド部18a、軸部18bを通って、軸部18bが螺合している油圧ハウジング28に伝達される。また、軸部18bが、コイルハウジング42の貫通孔58a及び54aを形成する内側面と接した状態となっているので、軸部18bから、コイルハウジング42にも伝達される。さらに、軸部18bからコイルハウジング42と油圧ハウジング28に伝達されるだけでなく、熱は、ヘッド部18aからコイルハウジング42にも伝達される。ヘッド部18a及び軸部18bからコイルハウジング42に伝達された熱は、コイルハウジング自体から放熱されるだけでなく、コイルハウジングの油圧ハウジング対向面44から油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30に伝達され、放熱面積の広い油圧ハウジング28からも放熱される。コイルハウジングの油圧ハウジング対向面44と油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30とは、それらの面のほぼ全体が互いに対して強固に圧接されているので、熱は、油圧ハウジング対向面44からコイルハウジング対向面30に向けて、効率よく伝達される。また、本実施形態のように、雄ねじと雌ねじのねじ付き孔による連結では、かかる螺合部分での放熱面積が増加するので、雄ねじ部18cから油圧ハウジング28に、より効率的に熱を伝達し放熱可能となる。
【0035】
上述したように、雄ねじ部18cは、油圧ハウジング28のねじ付き孔40aに螺合され、その下端部が油圧ハウジング28内に延在している。このため、ファン装置70により強制的に循環される気体が、油圧ハウジング28内に突出した雄ねじ部18cの下端部を通って流れる。したがって、かかる気体の循環作用により、油圧ハウジング28だけでなく、電子部品20a、bの熱を油圧ハウジングに伝達するボルト18自体も直接的に冷却され、電子部品20a、bの熱をより効率的に放熱できるようになっている。
【0036】
コイルハウジング42の側面には、放熱を必要とする他の電子部品64が取り付けられている。電子部品64は、接続ピン66が回路基板22に突出して、回路基板22に電気的に接続されるようになっている。このようにコイルハウジング42に直接的に電子部品を取り付けても、該電子部品64から発生される熱は、コイルハウジング42から油圧ハウジング28へ、あるいは、コイルハウジング42からボルト18、19を介して油圧ハウジング28へ伝達される。ファン装置70により、油圧ハウジング28だけでなく、ボルト18自体も冷却されることから、コイルハウジング42の側面に電子部品64を取り付けた場合でも、かかる電子部品64の熱を効率よく放熱できる。このため、マイクロコンピュータなどの発熱量の多い電子部品を、コイルハウジング42に直接的に取り付けることが可能となっている。
【0037】
上記したように、油圧ハウジング28とコイルハウジング42とは、共に、放熱性を良くするために、熱伝導率の良い材料から構成するのが好ましいが、放熱面積の大きい油圧ハウジング28のみ熱伝導率の良い材料としてもよく、コイルハウジング42は必ずしも熱伝導率の良い材料から構成する必要はない。この場合、電子部品が発生する熱は、ボルトを通って、油圧ハウジング28に伝達されて、実質的に油圧ハウジング28だけで放熱されることとなる。このようにすると、ボルトだけが、熱伝達手段を構成することとなる。
【0038】
本実施形態においては、油圧ハウジング28のコイルハウジング対向面30にねじ付き孔40a、bを形成したが、これらねじ付き孔を、ねじ山のない貫通孔として形成し、油圧ハウジング28内に配置したナットを雄ねじ部18cに螺合させて、油圧ハウジング28とコイルハウジング42とを固定するようにしてもよい。また、ねじ付き孔40a、bをねじ山のない貫通孔として形成した場合、ボルトに雄ねじ部18cを形成せず、ボルトの先端をそのねじ山のない貫通孔に圧入するようにしてもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、コイルハウジング42と油圧ハウジング28とをボルトによるねじにより連結するようにしたが、本発明はこの構造に限るものではなく、ボルトに換えて、リベットなどにより結合してもよい。また、ボルトに換えて、ピン状の部材を用いて、かかるピン状の部材の一端を油圧ハウジングやコイルハウジングに溶着するようにしてもよい。
【0040】
本実施形態においては、ヘッド部18aを、電子部品20aに直接的に接する構造としたが、本発明はこの構造に限るものではなく、ヘッド部18aを電子部品20aから離間させ、ヘッド部18aと電子部品20aとの間に伝熱性を有する弾性部材を配置して、該弾性部材を電子部品20aに当接させる構造としてもよい。この場合、電子部品20aからの熱は、かかる弾性部材を介してヘッド部18aに伝達される。伝熱性を有する弾性部材としては、板ばねや銅ペーストなどが挙げられる。このように弾性部材を配置した場合、ボルトからの応力が電子部品に対してかかるような場合でも、このような応力は弾性部材に吸収され、電子部品に力が加わることがなくなり、電子部品の破損を防止できる。
【0041】
本実施形態においては、締結装置としてボルトなどを採用したが、かかる締結装置としてのボルトなどにフィンを設けて、締結装置自体の放熱特性を向上させてもよい。もちろん、コイルハウジングや油圧ハウジングをフィン付きの構造としてもよい。また、本実施形態においては、締結装置としてボルトを2本としたが、CPUやEPUなど高熱を発生する電子部品の数に合わせて、1本としても良いし、3本以上としてもよい。また、1本であっても、H型のボルトを用いれば、高熱を発生する2つの電子部品に対して対応することも可能である。
【0042】
コイルハウジング42は、上述したように、放熱性を良くするために熱伝導率の良い材料から構成するのが好ましいが、さらに、鉄など透磁率の良い磁性材料を用いるのが好ましい。このようにして、コイルハウジング42に高透磁率の磁性材料を用いると、コイルハウジング42は、ヨークとして機能し、コイル38−hのインダクタンスを高めることができる。すなわち、電磁切換弁を作動させるコイルで発生する磁力は、ほぼ全て、コイルハウジング42を通り、コイルハウジング外への漏れが防止される。この点、従来の技術(例えば、特許文献1)においては、コイル毎に磁性部材からなる円環筒状のヨーク内に巻線を配した構造であった。これに対して、本実施形態においては、コイルハウジング42(特にコの字型のコイルハウジング本体42a)は、全体として、従来のコイル毎のヨークを兼ねる構造となっている。このため、コイル毎にヨークを設ける必要はなく、コイルを保持するコイルハウジング42がヨークの機能を兼ねるので、ブレーキ液圧制御装置全体を小型化することが可能となっている。また、ボルト18、19を鉄などの高透磁率の材料から構成することが好ましい。この場合、ボルト自体もヨークとして機能し、コイル38−hのインダクタンスをさらに高めることができる。熱伝導率を良くしさらに透磁率を高めるために、アルミと鉄などの複合材料から、ボルトを構成してもよい。さらに、高透磁率の材料から構成されたボルト18、19を、複数のコイルのそれぞれに対して等距離の位置に配置したので、コイル38−hのインダクタンスが均等に高められ、各電磁弁の応答性を一様に向上させることができる。
【0043】
上記実施形態においては、電子制御ユニット16を設けるようにしたが、電子制御ユニット16を必ずしも設ける必要はなく、コイルハウジング42に取り付けられた電子部品34から発生する熱のみを対象としてもよい。この場合、熱伝達手段あるいは締結装置としてのボルト18、19は不要となり、コイルハウジング42が、電子部品34から発生する熱を油圧ハウジング30に伝達する熱伝達手段を構成することになる。
【0044】
本発明を例示の実施例を参照して説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行ってもよく、各要素を均等物と交換してもよいということは当業者には理解されよう。更に、本発明の要旨から逸脱することなく、多くの変更を行って、特定の状況又は材料を本発明の教示に対し適合させることができる。従って、本発明を、実施する上で考えられる最良の態様として開示した特定の実施例に限定しようとするものではなく、本発明は、特許請求の範囲の範疇の全ての実施例を含む。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係るブレーキ液圧制御装置の分解斜視図である。
【図2】図2は、ブレーキ液圧制御装置のうち油圧ユニット周辺部分を取り出して拡大した油圧ユニット周辺部分の拡大斜視図である。
【図3】図3は、ブレーキ液圧制御装置のうちコイルユニット周辺部分を取り出して拡大したコイルユニット周辺部分の拡大斜視図である。
【図4】図2は、図1に示すブレーキ液圧制御装置の一部(樹脂製カバー、コイルハウジング、及びECUハウジング)を破断した側面図である。
【図5】図5は、油圧ユニットと直流モータとを取り出して拡大し、油圧ユニットの一部を切欠き、油圧ユニットに設けられたファン装置と被覆電線のみを図示した部分断面図である。
【図6】図6は、油圧ユニットの一部を切欠いた図5の上面図であり、切り欠いた油圧ユニット内はファン装置と被覆電線のみを図示してある。
【符号の説明】
【0046】
10 ブレーキ液圧制御装置
12 油圧ユニット
14 コイルユニット
16 電子制御ユニット
18、19 ボルト
18a、19a ボルトのヘッド部
18b、19b ボルトの軸部
18c ボルト軸部の雄ねじ部
20a−d 電子部品
22 回路基板
22a コイルハウジング対向面
24 配管
25 開口部
26a−h 電磁切換弁本体
28 油圧ハウジング(第1のハウジング)
30 コイルハウジング対向面(対向面)
32 DCモータ対向面(直流モータ対向面)
34 直流(DC)モータ
36a−h 保持孔
38a−h コイル
39 接続端子
40a、b ねじ付き孔
42 コイルハウジング(第2のハウジング)
42aコイルハウジング本体
42b 底板部
43 略L字状の突起部
44 油圧ハウジング対向面(第1の面)
46 回路基板対向面(第2の面)
48 側面
50 突出部
52 コイル収納部
54a、b 貫通孔
56a−h 開口部
58a、b 貫通孔
60 ECUハウジング
60a−d ECUハウジングの側面
61 段部
62 樹脂製カバー
64 電子部品
66 接続ピン
70 ファン装置
72 駆動軸
74 冷却ファン
80 被覆電線
82 導線
90 筒状の保護管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ液圧制御装置であって、
通路内を流れるブレーキ液の流れを切り換える電磁切換弁本体と、内部に前記通路が形成され前記電磁切換弁本体を保持する油圧ハウジングとを有する油圧ユニットと、
前記ブレーキ液を圧送するための圧送手段と、
前記電磁切換弁本体を作動させるコイルと、
前記電磁切換弁本体及び前記コイルを制御する電子部品から発生する熱を前記油圧ハウジングに伝達する熱伝達手段と、
前記油圧ハウジング内に配置され、該油圧ハウジング内の気体を循環させるためのファン装置とを備え、
前記ファン装置は、前記圧送手段により駆動されていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記圧送手段は、直流モータを備えており、前記ファン装置は前記直流モータの駆動軸に取り付けられていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のブレーキ液圧制御装置において、さらに、
前記コイルと、該コイルを保持するコイルハウジングとを有するコイルユニットと、
前記電子部品が装着される回路基板を有する電子制御ユニットとを備え、
前記電子制御ユニットは、前記コイルユニットの一方の側に配置されており、
前記油圧ユニットは、前記コイルユニットの他方の側に配置され、前記圧送手段は、前記油圧ユニットに取付けられていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記コイルハウジングは、その一方の側に前記油圧ハウジングに対向する油圧ハウジング対向面を有し、その反対側に前記回路基板に対向する回路基板対向面を有しており、
前記油圧ハウジングは、前記コイルハウジングに対向するコイルハウジング対向面を有し、その反対側に前記直流モータに対向する直流モータ対向面を有しており、
前記コイルハウジングの前記油圧ハウジング対向面と、前記油圧ハウジングの前記コイルハウジング対向面とは、互いに接した状態に配置されており、
前記直流モータは、前記油圧ハウジングの直流モータ対向面に取り付けられていることを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載のブレーキ液圧制御装置において、
前記熱伝達手段は、締結装置を備えており、
前記締結装置により、前記油圧ハウジングと前記コイルハウジングとを固定して、前記コイルハウジング対向面と前記油圧ハウジング対向面とを互いに密着させ、前記電子部品から発生する熱を、該締結装置を介して、前記油圧ハウジングに伝達できるようにしたことを特徴とするブレーキ液圧制御装置。
【請求項6】
電子部品用の放熱装置であって、
第1のハウジングと、
前記第1のハウジングの一方の側に配置され、電子部品からの熱を前記第1のハウジングに伝達する第2のハウジングと、
前記第1のハウジング内に配置され、該第1のハウジング内の気体を循環させるためのファン装置と、
前記第1のハウジングの他方の側に配置され、前記ファン装置を駆動するための駆動装置とを備えたことを特徴とする電子部品用の放熱装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電子部品用の放熱装置において、
前記駆動装置は、直流モータを備えており、前記ファン装置は前記直流モータの駆動軸に取り付けられていることを特徴とする電子部品用の放熱装置。
【請求項8】
請求項7に記載の電子部品用の放熱装置において、
さらに、前記第1のハウジングと前記第2のハウジングとを固定する締結装置を備え、
前記電子部品は、前記第2のハウジングのうち前記第1のハウジングに対して反対側に配置されており、
前記締結装置は、前記電子部品から発生する熱を前記第1のハウジングに伝達することを特徴とする電子部品用の放熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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