ブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法
【課題】上位のコントローラを設けることなくブレード装置上のマネージメントコントローラにて、ブレードサーバ全体の電力管理を可能とする。
【解決手段】データの処理、格納、交換等の機能を持つメイン機能部8とこれのモードを制御する動作モード制御部7とマネージメントコントローラ6とを搭載するブレード5、筐体1、ブレード5−1〜5−8に共用電力を供給する電源装置4、マネージメントバス3を備えるブレードサーバであり、マネージメントバス3に電源装置4の供給可能電力値を保持する不揮発性メモリ部2が接続されマネージメントコントローラ6が、マネージメントバス3を通じ筐体内他ブレードの消費電力値、供給可能電力値を取得する手段、他ブレードの消費電力の合計値と供給可能電力値との差分値に基づき、可能な動作モードを判定し、結果を自ブレードの動作モード制御部7に指示する手段とを有する。
【解決手段】データの処理、格納、交換等の機能を持つメイン機能部8とこれのモードを制御する動作モード制御部7とマネージメントコントローラ6とを搭載するブレード5、筐体1、ブレード5−1〜5−8に共用電力を供給する電源装置4、マネージメントバス3を備えるブレードサーバであり、マネージメントバス3に電源装置4の供給可能電力値を保持する不揮発性メモリ部2が接続されマネージメントコントローラ6が、マネージメントバス3を通じ筐体内他ブレードの消費電力値、供給可能電力値を取得する手段、他ブレードの消費電力の合計値と供給可能電力値との差分値に基づき、可能な動作モードを判定し、結果を自ブレードの動作モード制御部7に指示する手段とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に複数のブレード装置を搭載し、それらに共通の電源を供給するブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法であって、ブレードサーバ全体の消費電力を個々のブレード装置のブレードマネージメントコントローラが管理し、ブレードマネージメントコントローラより上位のコントローラを不要とするブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレード装置とは、種々の機能をひとつのマザーボード上に実装したシステムボードの総称である。マザーボード上にプロセッサ、メモリ、I/O等を実装したサーバ機能をもったブレード、マザーボード上にスイッチングハブ機能を実装したネットワーク機能をもったブレードなど、種類は多岐にわたる。
【0003】
ブレードサーバとは、上記のような複数のブレード装置を1つの筐体内に格納したサーバ装置である。電源、FANなどは各ブレード装置で共有されるため、ブレード装置枚数と同数のサーバ、ネットワークスイッチを導入するのに比べて、省スペース化が実現でき、かつTCO(Total Cost of Ownership)の削減を実現することが可能である。
【0004】
ブレードサーバの消費電力管理の方法としては、ブレードを格納する筐体側に消費電力管理用のマネージメントコントローラであるシステムマネージメントコントローラをおき、前記システムマネージメントコントローラが、各ブレードのブレードマネージメントコントローラを通じ、筐体内のブレードの総消費電力を管理するシステムが提案されている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−202506号公報(第1ページ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術では、ブレード装置を格納する筐体側に専用のシステムマネージメントコントローラを置き、またそのシステムマネージメントコントローラに消費電力管理と電源制御を実現させるためのファームウェアを実装する必要がある。
【0007】
従って、ブレードサーバを実現するにあたり、筐体側へのシステムマネージメントコントローラ実装のためのコストアップを生じ、またマネージメントコントローラを制御するためのファームウェアの開発コストが掛かるという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、ブレード装置を格納する筐体側に特別なマネージメントコントローラを配置することなく、個々のブレード装置が自身の消費電力量を管理すると共に他のブレード装置の電力も監視し、ブレードサーバ全体の消費電力を管理することで、前記課題を解決したブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のブレードサーバは、データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載するブレード装置と、前記ブレード装置を複数格納する筐体と、前記複数のブレード装置に電力を供給する電源装置と、複数のブレード装置に跨り前記マネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを備えるブレードサーバであって、前記マネージメントバスには、前記電源装置の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶手段が接続され、前記マネージメントコントローラが、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、前記判定結果を自ブレード装置の前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0010】
本発明の第2のブレードサーバは、前記第1のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を取得する手段を有する。
【0011】
本発明の第3のブレードサーバは、前記第1、または第2のブレードサーバであって、前記ブレード装置に自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、前記マネージメントコントローラが、自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば前記自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0012】
本発明の第4のブレードサーバは、前記第3のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値とし保持する手段と、電力解放要求を受け前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0013】
本発明の第5のブレードサーバは、前記第4のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、電力向上要求を受け前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0014】
本発明の第6のブレードサーバは、前記第4のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、ブレード別消費電力情報を保持する手段と、前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、前記確保電力値の更新或いは自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0015】
本発明の第1のブレード装置は、ブレードサーバに実装されるブレード装置であって、データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載し、前記マネージメントコントローラが、前記ブレードサーバ内のブレード装置に跨り複数のマネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを通じ、前記ブレードサーバ装置内の他のブレード装置の消費電力値と前記ブレードサーバの電源装置の供給可能電力値とを取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分値に基づき、自装置の可能な動作モードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0016】
本発明の第2のブレード装置は、前記第1のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を入手する手段を有する。
【0017】
本発明の第3のブレード装置は、前記第1または第2のブレード装置であって、自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、前記マネージメントコントローラが、自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0018】
本発明の第4のブレード装置は、前記第3のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手段と、電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0019】
本発明の第5のブレード装置は、前記第4のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0020】
本発明の第6のブレード装置は、前記第4のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、ブレード別消費電力情報を保持する手段と、前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと前記他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、前記他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他ブレードの消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0021】
本発明の第1のブレードサーバの電力管理方法は、ブレード装置を複数含み、前記複数のブレード装置に共通の電源を供給し、前記複数のブレード装置を接続すると共に前記電源の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶部が接続されたマネージメントバスを備えたブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置がマネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、自ブレード装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0022】
本発明の第2のブレードサーバの電力管理方法は、前記第1のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が電力情報通信用のパケットを使用して前記他のブレード装置と通信し電力情報を取得する手順を有する。
【0023】
本発明の第3のブレードサーバの電力管理方法は、前記第1、または第2のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手順と、前記ブレード装置が自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、前記ブレード装置が他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0024】
本発明の第4のブレードサーバの電力管理方法は、前記第3のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が前記取得した供給可能電力値を保持する手順と、前記ブレード装置が前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手順と、前記ブレード装置が電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0025】
本発明の第5のブレードサーバの電力管理方法は、前記第4のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手順と、前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0026】
本発明の第6のブレードサーバの電力管理方法は、前記第4のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置がブレード別消費電力情報を保持する手順と、前記ブレード装置が前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手順と、前記ブレード装置が前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手順と、前記ブレード装置が他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手順と、前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位モードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、個々のブレード装置が筐体で供給可能な電力の範囲内で、自ブレード装置の消費電力制御を実施できるため、ブレード装置外部に総消費電力管理用のマネージメントコントローラを配置することなくブレードサーバ全体の電力管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係るブレードサーバの全体構成を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明のブレードサーバは、複数のブレード装置(以下ブレードとする)を格納する筐体1、不揮発性メモリ部2、電源装置4、ブレード5−1〜5−8、前記ブレード間で管理制御のための通信に使用するマネージメントバス3を含み構成する。ブレード5−1〜5−8のそれぞれは電源装置4との間に電源制御インタフェース10−1〜10−8を持ち、それぞれ電源供給ライン20−1〜20−8を通じ動作電源を受けている。
【0030】
ブレード5−1〜5−4のメイン機能部8−1〜8−4は、サーバとしてのデータ処理機能であり、ブレード5−5〜5−6のメイン機能部8−5〜8−6はデータ格納機能部であり、ブレード5−7〜5−8のメイン機能部8−1〜8−4は、ネットワークスイッチ等のデータ交換機能部である。尚、上記例は一つの例であり、ブレード種類の構成は特に限定するものではない。
【0031】
不揮発性メモリ部2はフラシュメモリ等の不揮発性メモリと若干のバスI/F回路(バスインタフェース回路)の構成であり、筐体1上に置かれ、前記不揮発性メモリには筐体1内でブレードに供給可能な最大電力値情報が格納される。電源装置4は筐体に実装され、同じく筐体内に実装されるブレードへの電力供給をおこなう。
【0032】
動作モード制御部7−1〜7−8は、消費電力に係わるブレードの動作モードを切替える。ブレード5−1〜5−4のそれぞれはデータ処理機能を持つブレードであり、メイン機能部8−1〜8−4のそれぞれには少なくともCPUとメモリとI/Oコントローラを含み、動作モード制御部7−1〜7−4のそれぞれはCPUのクロック周波数の切換機能を持つ。クロック周波数としては、高速(通常速度)、中速、低速の何れかに切り換えられる。
【0033】
ブレード5−5〜5−6がデータ格納機能のブレードであれば、メイン機能部8−5〜8−6には少なくともデータ格納部とこれへのアクセス制御部を含み、動作モード制御部7−5〜7−6のそれぞれは前記データ格納部と前記アクセス制御部の動作周波数の切換機能を持つ。
【0034】
ブレード5−7〜5−8がデータ交換機能のブレードであれば、メイン機能部8−7〜8−8のそれぞれには少なくともデータ交換のスイッチとこれの制御部を含み、動作モード制御部7−7〜7−8のそれぞれはこれらの動作周波数の切換機能を持つ。
【0035】
ここで、動作モード制御部7−1〜7−4が、更にメイン機能部8−1〜8−4内のサブモジュールや一部のコンポーネントへの動作電源(DC電源)の供給スイッチをオン/オフする機能や、前記サブモジュールや一部のコンポーネントへのクロックを停止/再開する機能を持つ場合もある。
【0036】
これらの場合では、複数種類の動作モードとなり、とりえる種類ごとのモードの組合せにより、動作モードが定義されている。例えば、ブレード5−1〜5−4では、操作を一部の時間帯とする運用であれば、通常は表示系のDC電源がオフにされ、キーボード等の操作開始をうけて前記DC電源がオンにされる。表示系のDC電源に関し2通りと、更に上記クロック周波数として3通りがあり、合わせて6通りのモードが定義されている。
【0037】
次に本発明の実施形態の第1の実施例について説明する。マネージメントコントローラ6−1は、マイクロコンピュータと、内蔵の或いは外付けのROM部やRAM部を含む。
【0038】
マネージメントコントローラ6−1はスタンバイDC電源がオンになり動作可能になるとマネージメントコントローラ6−1内、或いはブレード5−1内の不揮発性記憶(図示せず)から、モード定義情報を管理情報格納部61−1のモード定義情報616にロードする。ロードされるモード定義情報の内容例を図3(2)に示す。
【0039】
マネージメントコントローラ6−1は、次に不揮発性メモリ部2にアクセスすることで筐体内でブレード5−1〜5−8に供給可能な最大電力値情報を取得し、その値を自身の管理情報格納部61−1に供給可能電力値611として保持する(図3(1)参照)。またマネージメントコントローラ6−1は、自身が確保している電力値を管理情報格納部61−1に確保電力値612として保持する。
【0040】
またマネージメントコントローラ6−1は、各ブレードとマネージメントバス3を通じで通信することにより、他ブレードの存在情報、及び他ブレードで使用している消費電力の合計情報を、自身の管理情報格納部61に存在情報614、他ブレード総消費電力値613として保持する。存在情報614はブレード5−1〜5−8対応のフラグF0〜F7から構成される。各管理情報は、ブレードのAC電源が無くなるまで保持する。
【0041】
他のマネージメントコントローラ6−2〜6−8のそれぞれについても同様に、電源装置4の供給可能な最大電力値情報、自身が確保している電力値、自身を除いた他ブレードの存在情報と消費電力の合計情報を管理情報格納部61−2〜61−8に保持している。
【0042】
図2は電源装置4の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、電源装置4は、電源モジュール42−1と電源モジュール42−2の出力同士を接続し、接続された出力をスイッチ回路41−1〜41−8を通じて、各ブレードへの電源供給ライン20−1〜20−8に出力している。
【0043】
ここで、本実施例では電源モジュール42−1と42−2を合わせた出力電力が、ブレード5−1〜5−8がフル稼動した場合の総消費電力に見合うようにシステムが構築されているが、電源モジュール42−1、42−2の何れか一方が故障等で出力オフにされることもあり、消費電力の管理が必要になる。また、ブレードの増設や変更がされる際には供給可能電力の過不足がチェックされ必要な処置がとられるが見落とし等があっても、消費電力管理されているとシステムダウンが防止できる。
【0044】
図4は本発明の実施の形態に係るブレードサーバにおけるブレード間の通信内容を示す図である。各ブレード上のマネージメントコントローラ6は、マネージメントバス3を経由して各々コミュニケーションを図ることが可能である。
【0045】
コミュニケーションの内容は、図4(1)に示す電力値要求通信のパケット、及び図4(2)に示す電力値通知パケットの2つになる。電力値要求通信のパケットは、他のブレードで現在確保している電力を知るためのコミュニケーション手段である。電力値要求通信の要求パケットP1000はブロードキャスト通信として送られる。
【0046】
パケットP1000内には、本パケットが電力値要求であることを示すコードのフィールド1002と送信元ブレード番号フィールド1001を含む。送信元ブレード番号フィールド1001によりどのブレードから発せされたコミュニケーションかを判別することが可能である。
【0047】
本要求パケットを受け取ったマネージメントコントローラは、パケット内の送信元ブレード番号を確認し、マネージメントコントローラが保持している他ブレードの存在情報の上で存在しないブレード番号となっていた場合は値を更新する。
【0048】
本要求パケットを受け取ったマネージメントコントローラは、管理情報上の自身の確保電力値と、ブレード番号を応答パケットP2000に入れて送信元ブレード番号に該当するブレードに対して返送する。返送するデータとしては、どの要求に対する応答かを示すために、送信元ブレード番号フィールド1001と電力値要求を示すコードフィールド1002も含ませる。
【0049】
電力値通知パケットは、自身の確保電力値が変更になったときに他のブレードに対して通知するためのコミュニケーション手段である。電力通知パケットP3000はブロードキャスト通信として送られる。
【0050】
電力通知パケットP3000内には、本パケットが電力値通知であることを示すコードフィールド3002と、送信元ブレード番号フィールド3001を含む。送信元ブレード番号フィールド3001により、どのブレードから発せされたコミュニケーションかを判別することが可能である。
【0051】
電力通知パケットを受け取ったマネージメントコントローラは、パケット内の送信元ブレード番号を確認し、マネージメントコントローラが保持している他ブレードの存在情報の上で存在しないブレード番号となっていた場合は値を更新する。他ブレードにて、電力確保を実施したいが、筐体内で供給可能な電力が無く電力確保を保留しているものがある場合は、本パケットを受け取った後に、再度電力確保処理を実施することができる。本パケットに対する応答パケットはない。
【0052】
また、管理情報として各ブレード別の消費電力(確保している消費電力)の値も管理保持する第2の実施例では、必ず自ブレードの最新の確保電力値を電力値3003とし付加する様にする。
【0053】
尚、図4の各パケットの内容は、送受信されるデータ部分を示したものであり、この外枠に宛先アドレス(同報コード/ブレード番号)と送信元アドレス(ブレード番号)とデータ長が付加される。さらに必要に応じ、その外枠にヘッダーやトレイリングが付加される。
【0054】
次に本発明を実施するための最良の形態の動作を説明する。図5は本発明の実施の形態に係るブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源投入シーケンスを示すフローチャートである。図5を参照すると、ブレード5−1を筐体1に実装し、ブレード5−1にAC電源が投入された以後の電力制御の流れを示している。
【0055】
AC電源が投入されると、電源供給ライン20−1のスタンバイDC電源も投入され、マネージメントコントローラ6−1が動作可能になり、マネージメントコントローラ6−1内、或いはブレード5−1内の不揮発性記憶(図示せず)から、モード定義情報を管理情報格納部61−1にロードする。
【0056】
マネージメントコントローラ6−1は、マネージメントバス3経由で不揮発性メモリ部2にアクセスし、筐体内で供給可能な最大電力値情報を入手し、管理情報格納部61−1の供給可能電力値611を更新する(ステップ501)。次にマネージメントコントローラ6−1は電力値要求通信の要求パケットP1000を発行し(ステップ502)、他ブレードの消費電力情報及び存在情報を入手し管理情報を更新する。
【0057】
例えば、存在情報614の応答パケットを受信できたブレードのフラグをオンとし、応答パケットを受信できなかったブレードのフラグをオフにし、受信した消費電力値を合計し、合計値で他ブレード総消費電力値613を更新する(ステップ503)。
【0058】
更新した他ブレード総消費電力値613と、供給可能電力値611を比較し(ステップ504)、他ブレード総消費電力値613が既に供給可能電力値611に達している場合は、該当ブレード5−1は電源投入することができない。他ブレードの電力解放待ち状態となる。
【0059】
他ブレード総消費電力値613が供給可能電力値611に達していない場合は、マネージメントコントローラ6−1は、自ブレードのモード定義情報616の消費電力値の内、供給可能電力値611と他ブレード総消費電力値613の差以下となる最大の消費電力とそのモードを判定し前記消費電力を確保する(ステップ505)。
【0060】
マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットP3000を発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ506)。マネージメントコントローラ6−1は、電源制御インタフェース10−1でオン指示しブレード5−1のDC電源を投入し(ステップ507)、続けて動作モード制御部7−1に対して前記判定した動作モードを指示する(ステップ508)。
【0061】
図6は本発明のブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源確保シーケンスを示すフローチャートである。図6を参照すると、ブレード5−1が既に電源投入されている状態にて、更なる電力向上要求が発生した場合の電力制御の流れを示している。
【0062】
マネージメントコントローラ6−1は電力値要求通信の要求パケットをブロードキャスト送信し(ステップ601)、他ブレードの消費電力情報及び存在情報を入手し、受信した消費電力値を合計しこれで他ブレード総消費電力値613を更新し、返答の有無で存在情報614の各フラグを更新する(ステップ602)。
【0063】
更新した他ブレード総消費電力値613及び自ブレードの確保電力値612の和(筐体内ブレード総消費電力)と、供給可能電力値611を比較し(ステップ603)、筐体内総消費電力値が既に供給可能電力値611に達している場合は、他ブレードの電力解放待ち状態となる(ステップ607)。他ブレードから電力値通知パケットを受けた場合(ステップ608)、再度ステップ601の処理から実施する。
【0064】
筐体内総消費電力値が供給可能電力値611に達していない場合は、マネージメントコントローラ6−1は、自ブレードのモード定義情報616での消費電力値の増分が、供給可能電力値611と筐体内総消費電力値の差以下となる内の最大の消費電力とそのモードを判定し前記電力を確保する。確保された電力値はそれまでの確保値以上になる(ステップ604)。
【0065】
マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットを発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ605)。マネージメントコントローラ6−1は動作モード制御部7−1に対して前記判定したモードを指示する(ステップ606)。
【0066】
図7は本発明のブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源解放シーケンスを示すフローチャートであり、ブレード5−1が既に電源投入されている状態にて、省電力要求が発生した場合の電力制御の流れを示している。
【0067】
マネージメントコントローラ6−1は現在の確保電力値612から解放電力値を差し引いた電力値以下であるが、この内最大の消費電力値となる動作モードを判定し(ステップ701)、そのモードの設定を動作モード制御部7−1に指示し、管理情報の確保電力値612を前記モードに対応した消費電力値に更新する(ステップ702)。
【0068】
マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットを発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ703)。
【0069】
図8は本発明のブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源オフシーケンスを示すフローチャートであり、ブレード5−1が既に電源投入されている状態にて、電源オフ要求が発生した場合の電力制御の流れを示している。
【0070】
マネージメントコントローラ6−1はブレードの電源をオフする(ステップ801)。マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットを発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ802)。
【0071】
このようにして、個々のブレードが筐体で供給可能な電力の範囲内で、自ブレードの消費電力制御を実施できるため、ブレード外部に総消費電力管理用の上位マネージメントコントローラを配置することなくブレードサーバ全体の電力管理が可能となる。従って、バックパネル等筐体側のコストを低減でき、またブレードマネージメントコントローラとは別の上位マネージメントコントローラを制御するためのファームウェアの開発も不要となる効果を有する。
【0072】
次に本発明の実施の形態の第2の実施例について図面を参照し説明する。図9は第2の実施例の管理情報格納部61の内容例を示す図である。第2の実施例では、マネージメントコントローラ6−1〜6−8のそれぞれが、管理情報格納部61に、ブレード別消費電力情報615も保持管理する。これ以外は前記第1の実施例と同様の構成である。
【0073】
次に第2の実施例の動作を説明する。AC電源が投入されたときの動作は、図5のフローチャートのステップ501〜502は第1の実施例と同様であり、ステップ503においては、存在する他ブレードから消費電力値の返答を受信し、ブレード別消費電力情報615、存在情報614を更新する。そして、ブレード別消費電力情報615の存在情報614のフラグオンのエントリで自ブレード対応エントリを除いたエントリの電力値を合計し、それで他ブレード総消費電力値613を更新する。
【0074】
ステップ504〜505は第1の実施例と同様であり、ステップ506においては確保電力値612を電力通知パケットP3000の電力値3003として付加し通知する。ステップ507〜508も第1の実施例と同様である。
【0075】
更なる電力向上要求が発生した場合の動作は、図10のフローチャートに示す。ブレードに電力向上要求をメイン機能部8−1より受けると、前記ステップ603を実行する。即ち、他ブレード総消費電力値613と確保電力値612の和(筐体内ブレード総消費電力値)と供給可能電力値611を比較する。
【0076】
供給可能電力値611の方が大きければ、前記ステップ604、ステップ605A、前記ステップ606を順次実行する。ここでステップ605Aでは、更新後の確保電力値612を付加し通知する。
【0077】
筐体内ブレード総消費電力値が供給可能電力値611に達していれば、前記ステップ607を実行し、他ブレード総消費電力値の更新を検出し(ステップ608A)、ステップ603の処理に戻る。
【0078】
ブレードに省電力要求が発生した場合の処理は第1の実施例の図7と同様であるが、ステップ703では、更新後の確保電力値612を付加し通知する。ブレードのDCオフ要求が発生した場合の処理は第1の実施例の図8と同様であるが、ステップ802では、電力値3003を「0」として付加し通知する。
【0079】
他ブレードからの電力通知を受けた際のマネージメントコントローラ6−1の動作を図11のフローチャートに示す。マネージメントコントローラ6−1はブレード別消費電力情報615の通知のあったブレード対応のエントリを通知された電力値に更新し、存在情報614の対応するフラグがオフであればオンにする。次にフラグオンの他ブレードの消費電力値を合計し、合計値で他ブレード総消費電力値613を更新する(ステップA01)。
【0080】
本発明の実施の形態の第2の実施例によれば、上記効果の他に、消費電力管理処理を高速化でき、ブレードの動作モードの切り換えが高速化される効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態のブレードサーバの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のブレードサーバの電源装置4の構成を示すブロック図である。
【図3】(1)は本発明の実施形態のマネージメントコントローラ6の管理情報格納部61の内容例を示す図で、(2)は管理情報格納部61のモード定義情報616の内容例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のブレードサーバの電力管理のマネージメントコントローラ間の通信のデータ内容を示す図である。
【図5】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレード電源投入動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレードに電力取得要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレードに省電力要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレードに動作電源オフ要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の第2の実施例の管理情報格納部61の内容例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態のブレードサーバの第2の実施例のブレードに電力取得要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態のブレードサーバの第2の実施例において、マネージメントコントローラが電力値通知を受けた際の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 筐体
2 不揮発性メモリ部
3 マネージメントバス
4 電源装置
41−1〜41−8 スイッチ回路
42−1〜42−2 電源モジュール
5−1〜5−8 ブレード
6−1〜6−8 マネージメントコントローラ
61−1〜61−8 管理情報格納部
611 供給可能電力値
612 確保電力値
613 他ブレード総消費電力値
614 存在情報
615 ブレード別消費電力情報
616 モード定義情報
7−1〜7−8 動作モード制御部
8−1〜8−8 メイン機能部
10−1〜10−8 電源制御インタフェース
20−1〜20−8 電源供給ライン
P1000 要求パケット
P2000 応答パケット
P3000 電力値通知パケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体内に複数のブレード装置を搭載し、それらに共通の電源を供給するブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法であって、ブレードサーバ全体の消費電力を個々のブレード装置のブレードマネージメントコントローラが管理し、ブレードマネージメントコントローラより上位のコントローラを不要とするブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ブレード装置とは、種々の機能をひとつのマザーボード上に実装したシステムボードの総称である。マザーボード上にプロセッサ、メモリ、I/O等を実装したサーバ機能をもったブレード、マザーボード上にスイッチングハブ機能を実装したネットワーク機能をもったブレードなど、種類は多岐にわたる。
【0003】
ブレードサーバとは、上記のような複数のブレード装置を1つの筐体内に格納したサーバ装置である。電源、FANなどは各ブレード装置で共有されるため、ブレード装置枚数と同数のサーバ、ネットワークスイッチを導入するのに比べて、省スペース化が実現でき、かつTCO(Total Cost of Ownership)の削減を実現することが可能である。
【0004】
ブレードサーバの消費電力管理の方法としては、ブレードを格納する筐体側に消費電力管理用のマネージメントコントローラであるシステムマネージメントコントローラをおき、前記システムマネージメントコントローラが、各ブレードのブレードマネージメントコントローラを通じ、筐体内のブレードの総消費電力を管理するシステムが提案されている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−202506号公報(第1ページ)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の技術では、ブレード装置を格納する筐体側に専用のシステムマネージメントコントローラを置き、またそのシステムマネージメントコントローラに消費電力管理と電源制御を実現させるためのファームウェアを実装する必要がある。
【0007】
従って、ブレードサーバを実現するにあたり、筐体側へのシステムマネージメントコントローラ実装のためのコストアップを生じ、またマネージメントコントローラを制御するためのファームウェアの開発コストが掛かるという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、ブレード装置を格納する筐体側に特別なマネージメントコントローラを配置することなく、個々のブレード装置が自身の消費電力量を管理すると共に他のブレード装置の電力も監視し、ブレードサーバ全体の消費電力を管理することで、前記課題を解決したブレードサーバ、ブレード装置、及びブレードサーバの電力管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1のブレードサーバは、データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載するブレード装置と、前記ブレード装置を複数格納する筐体と、前記複数のブレード装置に電力を供給する電源装置と、複数のブレード装置に跨り前記マネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを備えるブレードサーバであって、前記マネージメントバスには、前記電源装置の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶手段が接続され、前記マネージメントコントローラが、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、前記判定結果を自ブレード装置の前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0010】
本発明の第2のブレードサーバは、前記第1のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を取得する手段を有する。
【0011】
本発明の第3のブレードサーバは、前記第1、または第2のブレードサーバであって、前記ブレード装置に自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、前記マネージメントコントローラが、自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば前記自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0012】
本発明の第4のブレードサーバは、前記第3のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値とし保持する手段と、電力解放要求を受け前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0013】
本発明の第5のブレードサーバは、前記第4のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、電力向上要求を受け前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0014】
本発明の第6のブレードサーバは、前記第4のブレードサーバであって、前記マネージメントコントローラが、ブレード別消費電力情報を保持する手段と、前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、前記確保電力値の更新或いは自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0015】
本発明の第1のブレード装置は、ブレードサーバに実装されるブレード装置であって、データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載し、前記マネージメントコントローラが、前記ブレードサーバ内のブレード装置に跨り複数のマネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを通じ、前記ブレードサーバ装置内の他のブレード装置の消費電力値と前記ブレードサーバの電源装置の供給可能電力値とを取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分値に基づき、自装置の可能な動作モードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0016】
本発明の第2のブレード装置は、前記第1のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を入手する手段を有する。
【0017】
本発明の第3のブレード装置は、前記第1または第2のブレード装置であって、自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、前記マネージメントコントローラが、自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0018】
本発明の第4のブレード装置は、前記第3のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手段と、電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0019】
本発明の第5のブレード装置は、前記第4のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0020】
本発明の第6のブレード装置は、前記第4のブレード装置であって、前記マネージメントコントローラが、ブレード別消費電力情報を保持する手段と、前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと前記他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、前記他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他ブレードの消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有する。
【0021】
本発明の第1のブレードサーバの電力管理方法は、ブレード装置を複数含み、前記複数のブレード装置に共通の電源を供給し、前記複数のブレード装置を接続すると共に前記電源の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶部が接続されたマネージメントバスを備えたブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置がマネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、自ブレード装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0022】
本発明の第2のブレードサーバの電力管理方法は、前記第1のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が電力情報通信用のパケットを使用して前記他のブレード装置と通信し電力情報を取得する手順を有する。
【0023】
本発明の第3のブレードサーバの電力管理方法は、前記第1、または第2のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手順と、前記ブレード装置が自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、前記ブレード装置が他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0024】
本発明の第4のブレードサーバの電力管理方法は、前記第3のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が前記取得した供給可能電力値を保持する手順と、前記ブレード装置が前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手順と、前記ブレード装置が電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0025】
本発明の第5のブレードサーバの電力管理方法は、前記第4のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手順と、前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【0026】
本発明の第6のブレードサーバの電力管理方法は、前記第4のブレードサーバの電力管理方法であって、前記ブレード装置がブレード別消費電力情報を保持する手順と、前記ブレード装置が前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手順と、前記ブレード装置が前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手順と、前記ブレード装置が他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手順と、前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位モードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有する。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、個々のブレード装置が筐体で供給可能な電力の範囲内で、自ブレード装置の消費電力制御を実施できるため、ブレード装置外部に総消費電力管理用のマネージメントコントローラを配置することなくブレードサーバ全体の電力管理が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態に係るブレードサーバの全体構成を示すブロック図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明のブレードサーバは、複数のブレード装置(以下ブレードとする)を格納する筐体1、不揮発性メモリ部2、電源装置4、ブレード5−1〜5−8、前記ブレード間で管理制御のための通信に使用するマネージメントバス3を含み構成する。ブレード5−1〜5−8のそれぞれは電源装置4との間に電源制御インタフェース10−1〜10−8を持ち、それぞれ電源供給ライン20−1〜20−8を通じ動作電源を受けている。
【0030】
ブレード5−1〜5−4のメイン機能部8−1〜8−4は、サーバとしてのデータ処理機能であり、ブレード5−5〜5−6のメイン機能部8−5〜8−6はデータ格納機能部であり、ブレード5−7〜5−8のメイン機能部8−1〜8−4は、ネットワークスイッチ等のデータ交換機能部である。尚、上記例は一つの例であり、ブレード種類の構成は特に限定するものではない。
【0031】
不揮発性メモリ部2はフラシュメモリ等の不揮発性メモリと若干のバスI/F回路(バスインタフェース回路)の構成であり、筐体1上に置かれ、前記不揮発性メモリには筐体1内でブレードに供給可能な最大電力値情報が格納される。電源装置4は筐体に実装され、同じく筐体内に実装されるブレードへの電力供給をおこなう。
【0032】
動作モード制御部7−1〜7−8は、消費電力に係わるブレードの動作モードを切替える。ブレード5−1〜5−4のそれぞれはデータ処理機能を持つブレードであり、メイン機能部8−1〜8−4のそれぞれには少なくともCPUとメモリとI/Oコントローラを含み、動作モード制御部7−1〜7−4のそれぞれはCPUのクロック周波数の切換機能を持つ。クロック周波数としては、高速(通常速度)、中速、低速の何れかに切り換えられる。
【0033】
ブレード5−5〜5−6がデータ格納機能のブレードであれば、メイン機能部8−5〜8−6には少なくともデータ格納部とこれへのアクセス制御部を含み、動作モード制御部7−5〜7−6のそれぞれは前記データ格納部と前記アクセス制御部の動作周波数の切換機能を持つ。
【0034】
ブレード5−7〜5−8がデータ交換機能のブレードであれば、メイン機能部8−7〜8−8のそれぞれには少なくともデータ交換のスイッチとこれの制御部を含み、動作モード制御部7−7〜7−8のそれぞれはこれらの動作周波数の切換機能を持つ。
【0035】
ここで、動作モード制御部7−1〜7−4が、更にメイン機能部8−1〜8−4内のサブモジュールや一部のコンポーネントへの動作電源(DC電源)の供給スイッチをオン/オフする機能や、前記サブモジュールや一部のコンポーネントへのクロックを停止/再開する機能を持つ場合もある。
【0036】
これらの場合では、複数種類の動作モードとなり、とりえる種類ごとのモードの組合せにより、動作モードが定義されている。例えば、ブレード5−1〜5−4では、操作を一部の時間帯とする運用であれば、通常は表示系のDC電源がオフにされ、キーボード等の操作開始をうけて前記DC電源がオンにされる。表示系のDC電源に関し2通りと、更に上記クロック周波数として3通りがあり、合わせて6通りのモードが定義されている。
【0037】
次に本発明の実施形態の第1の実施例について説明する。マネージメントコントローラ6−1は、マイクロコンピュータと、内蔵の或いは外付けのROM部やRAM部を含む。
【0038】
マネージメントコントローラ6−1はスタンバイDC電源がオンになり動作可能になるとマネージメントコントローラ6−1内、或いはブレード5−1内の不揮発性記憶(図示せず)から、モード定義情報を管理情報格納部61−1のモード定義情報616にロードする。ロードされるモード定義情報の内容例を図3(2)に示す。
【0039】
マネージメントコントローラ6−1は、次に不揮発性メモリ部2にアクセスすることで筐体内でブレード5−1〜5−8に供給可能な最大電力値情報を取得し、その値を自身の管理情報格納部61−1に供給可能電力値611として保持する(図3(1)参照)。またマネージメントコントローラ6−1は、自身が確保している電力値を管理情報格納部61−1に確保電力値612として保持する。
【0040】
またマネージメントコントローラ6−1は、各ブレードとマネージメントバス3を通じで通信することにより、他ブレードの存在情報、及び他ブレードで使用している消費電力の合計情報を、自身の管理情報格納部61に存在情報614、他ブレード総消費電力値613として保持する。存在情報614はブレード5−1〜5−8対応のフラグF0〜F7から構成される。各管理情報は、ブレードのAC電源が無くなるまで保持する。
【0041】
他のマネージメントコントローラ6−2〜6−8のそれぞれについても同様に、電源装置4の供給可能な最大電力値情報、自身が確保している電力値、自身を除いた他ブレードの存在情報と消費電力の合計情報を管理情報格納部61−2〜61−8に保持している。
【0042】
図2は電源装置4の構成を示すブロック図である。図2を参照すると、電源装置4は、電源モジュール42−1と電源モジュール42−2の出力同士を接続し、接続された出力をスイッチ回路41−1〜41−8を通じて、各ブレードへの電源供給ライン20−1〜20−8に出力している。
【0043】
ここで、本実施例では電源モジュール42−1と42−2を合わせた出力電力が、ブレード5−1〜5−8がフル稼動した場合の総消費電力に見合うようにシステムが構築されているが、電源モジュール42−1、42−2の何れか一方が故障等で出力オフにされることもあり、消費電力の管理が必要になる。また、ブレードの増設や変更がされる際には供給可能電力の過不足がチェックされ必要な処置がとられるが見落とし等があっても、消費電力管理されているとシステムダウンが防止できる。
【0044】
図4は本発明の実施の形態に係るブレードサーバにおけるブレード間の通信内容を示す図である。各ブレード上のマネージメントコントローラ6は、マネージメントバス3を経由して各々コミュニケーションを図ることが可能である。
【0045】
コミュニケーションの内容は、図4(1)に示す電力値要求通信のパケット、及び図4(2)に示す電力値通知パケットの2つになる。電力値要求通信のパケットは、他のブレードで現在確保している電力を知るためのコミュニケーション手段である。電力値要求通信の要求パケットP1000はブロードキャスト通信として送られる。
【0046】
パケットP1000内には、本パケットが電力値要求であることを示すコードのフィールド1002と送信元ブレード番号フィールド1001を含む。送信元ブレード番号フィールド1001によりどのブレードから発せされたコミュニケーションかを判別することが可能である。
【0047】
本要求パケットを受け取ったマネージメントコントローラは、パケット内の送信元ブレード番号を確認し、マネージメントコントローラが保持している他ブレードの存在情報の上で存在しないブレード番号となっていた場合は値を更新する。
【0048】
本要求パケットを受け取ったマネージメントコントローラは、管理情報上の自身の確保電力値と、ブレード番号を応答パケットP2000に入れて送信元ブレード番号に該当するブレードに対して返送する。返送するデータとしては、どの要求に対する応答かを示すために、送信元ブレード番号フィールド1001と電力値要求を示すコードフィールド1002も含ませる。
【0049】
電力値通知パケットは、自身の確保電力値が変更になったときに他のブレードに対して通知するためのコミュニケーション手段である。電力通知パケットP3000はブロードキャスト通信として送られる。
【0050】
電力通知パケットP3000内には、本パケットが電力値通知であることを示すコードフィールド3002と、送信元ブレード番号フィールド3001を含む。送信元ブレード番号フィールド3001により、どのブレードから発せされたコミュニケーションかを判別することが可能である。
【0051】
電力通知パケットを受け取ったマネージメントコントローラは、パケット内の送信元ブレード番号を確認し、マネージメントコントローラが保持している他ブレードの存在情報の上で存在しないブレード番号となっていた場合は値を更新する。他ブレードにて、電力確保を実施したいが、筐体内で供給可能な電力が無く電力確保を保留しているものがある場合は、本パケットを受け取った後に、再度電力確保処理を実施することができる。本パケットに対する応答パケットはない。
【0052】
また、管理情報として各ブレード別の消費電力(確保している消費電力)の値も管理保持する第2の実施例では、必ず自ブレードの最新の確保電力値を電力値3003とし付加する様にする。
【0053】
尚、図4の各パケットの内容は、送受信されるデータ部分を示したものであり、この外枠に宛先アドレス(同報コード/ブレード番号)と送信元アドレス(ブレード番号)とデータ長が付加される。さらに必要に応じ、その外枠にヘッダーやトレイリングが付加される。
【0054】
次に本発明を実施するための最良の形態の動作を説明する。図5は本発明の実施の形態に係るブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源投入シーケンスを示すフローチャートである。図5を参照すると、ブレード5−1を筐体1に実装し、ブレード5−1にAC電源が投入された以後の電力制御の流れを示している。
【0055】
AC電源が投入されると、電源供給ライン20−1のスタンバイDC電源も投入され、マネージメントコントローラ6−1が動作可能になり、マネージメントコントローラ6−1内、或いはブレード5−1内の不揮発性記憶(図示せず)から、モード定義情報を管理情報格納部61−1にロードする。
【0056】
マネージメントコントローラ6−1は、マネージメントバス3経由で不揮発性メモリ部2にアクセスし、筐体内で供給可能な最大電力値情報を入手し、管理情報格納部61−1の供給可能電力値611を更新する(ステップ501)。次にマネージメントコントローラ6−1は電力値要求通信の要求パケットP1000を発行し(ステップ502)、他ブレードの消費電力情報及び存在情報を入手し管理情報を更新する。
【0057】
例えば、存在情報614の応答パケットを受信できたブレードのフラグをオンとし、応答パケットを受信できなかったブレードのフラグをオフにし、受信した消費電力値を合計し、合計値で他ブレード総消費電力値613を更新する(ステップ503)。
【0058】
更新した他ブレード総消費電力値613と、供給可能電力値611を比較し(ステップ504)、他ブレード総消費電力値613が既に供給可能電力値611に達している場合は、該当ブレード5−1は電源投入することができない。他ブレードの電力解放待ち状態となる。
【0059】
他ブレード総消費電力値613が供給可能電力値611に達していない場合は、マネージメントコントローラ6−1は、自ブレードのモード定義情報616の消費電力値の内、供給可能電力値611と他ブレード総消費電力値613の差以下となる最大の消費電力とそのモードを判定し前記消費電力を確保する(ステップ505)。
【0060】
マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットP3000を発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ506)。マネージメントコントローラ6−1は、電源制御インタフェース10−1でオン指示しブレード5−1のDC電源を投入し(ステップ507)、続けて動作モード制御部7−1に対して前記判定した動作モードを指示する(ステップ508)。
【0061】
図6は本発明のブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源確保シーケンスを示すフローチャートである。図6を参照すると、ブレード5−1が既に電源投入されている状態にて、更なる電力向上要求が発生した場合の電力制御の流れを示している。
【0062】
マネージメントコントローラ6−1は電力値要求通信の要求パケットをブロードキャスト送信し(ステップ601)、他ブレードの消費電力情報及び存在情報を入手し、受信した消費電力値を合計しこれで他ブレード総消費電力値613を更新し、返答の有無で存在情報614の各フラグを更新する(ステップ602)。
【0063】
更新した他ブレード総消費電力値613及び自ブレードの確保電力値612の和(筐体内ブレード総消費電力)と、供給可能電力値611を比較し(ステップ603)、筐体内総消費電力値が既に供給可能電力値611に達している場合は、他ブレードの電力解放待ち状態となる(ステップ607)。他ブレードから電力値通知パケットを受けた場合(ステップ608)、再度ステップ601の処理から実施する。
【0064】
筐体内総消費電力値が供給可能電力値611に達していない場合は、マネージメントコントローラ6−1は、自ブレードのモード定義情報616での消費電力値の増分が、供給可能電力値611と筐体内総消費電力値の差以下となる内の最大の消費電力とそのモードを判定し前記電力を確保する。確保された電力値はそれまでの確保値以上になる(ステップ604)。
【0065】
マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットを発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ605)。マネージメントコントローラ6−1は動作モード制御部7−1に対して前記判定したモードを指示する(ステップ606)。
【0066】
図7は本発明のブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源解放シーケンスを示すフローチャートであり、ブレード5−1が既に電源投入されている状態にて、省電力要求が発生した場合の電力制御の流れを示している。
【0067】
マネージメントコントローラ6−1は現在の確保電力値612から解放電力値を差し引いた電力値以下であるが、この内最大の消費電力値となる動作モードを判定し(ステップ701)、そのモードの設定を動作モード制御部7−1に指示し、管理情報の確保電力値612を前記モードに対応した消費電力値に更新する(ステップ702)。
【0068】
マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットを発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ703)。
【0069】
図8は本発明のブレードサーバにおける、ブレード5−1の電源オフシーケンスを示すフローチャートであり、ブレード5−1が既に電源投入されている状態にて、電源オフ要求が発生した場合の電力制御の流れを示している。
【0070】
マネージメントコントローラ6−1はブレードの電源をオフする(ステップ801)。マネージメントコントローラ6−1は、電力値通知パケットを発行することにより、他ブレードに対して自身の確保電力が変更になったことを通知する(ステップ802)。
【0071】
このようにして、個々のブレードが筐体で供給可能な電力の範囲内で、自ブレードの消費電力制御を実施できるため、ブレード外部に総消費電力管理用の上位マネージメントコントローラを配置することなくブレードサーバ全体の電力管理が可能となる。従って、バックパネル等筐体側のコストを低減でき、またブレードマネージメントコントローラとは別の上位マネージメントコントローラを制御するためのファームウェアの開発も不要となる効果を有する。
【0072】
次に本発明の実施の形態の第2の実施例について図面を参照し説明する。図9は第2の実施例の管理情報格納部61の内容例を示す図である。第2の実施例では、マネージメントコントローラ6−1〜6−8のそれぞれが、管理情報格納部61に、ブレード別消費電力情報615も保持管理する。これ以外は前記第1の実施例と同様の構成である。
【0073】
次に第2の実施例の動作を説明する。AC電源が投入されたときの動作は、図5のフローチャートのステップ501〜502は第1の実施例と同様であり、ステップ503においては、存在する他ブレードから消費電力値の返答を受信し、ブレード別消費電力情報615、存在情報614を更新する。そして、ブレード別消費電力情報615の存在情報614のフラグオンのエントリで自ブレード対応エントリを除いたエントリの電力値を合計し、それで他ブレード総消費電力値613を更新する。
【0074】
ステップ504〜505は第1の実施例と同様であり、ステップ506においては確保電力値612を電力通知パケットP3000の電力値3003として付加し通知する。ステップ507〜508も第1の実施例と同様である。
【0075】
更なる電力向上要求が発生した場合の動作は、図10のフローチャートに示す。ブレードに電力向上要求をメイン機能部8−1より受けると、前記ステップ603を実行する。即ち、他ブレード総消費電力値613と確保電力値612の和(筐体内ブレード総消費電力値)と供給可能電力値611を比較する。
【0076】
供給可能電力値611の方が大きければ、前記ステップ604、ステップ605A、前記ステップ606を順次実行する。ここでステップ605Aでは、更新後の確保電力値612を付加し通知する。
【0077】
筐体内ブレード総消費電力値が供給可能電力値611に達していれば、前記ステップ607を実行し、他ブレード総消費電力値の更新を検出し(ステップ608A)、ステップ603の処理に戻る。
【0078】
ブレードに省電力要求が発生した場合の処理は第1の実施例の図7と同様であるが、ステップ703では、更新後の確保電力値612を付加し通知する。ブレードのDCオフ要求が発生した場合の処理は第1の実施例の図8と同様であるが、ステップ802では、電力値3003を「0」として付加し通知する。
【0079】
他ブレードからの電力通知を受けた際のマネージメントコントローラ6−1の動作を図11のフローチャートに示す。マネージメントコントローラ6−1はブレード別消費電力情報615の通知のあったブレード対応のエントリを通知された電力値に更新し、存在情報614の対応するフラグがオフであればオンにする。次にフラグオンの他ブレードの消費電力値を合計し、合計値で他ブレード総消費電力値613を更新する(ステップA01)。
【0080】
本発明の実施の形態の第2の実施例によれば、上記効果の他に、消費電力管理処理を高速化でき、ブレードの動作モードの切り換えが高速化される効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施形態のブレードサーバの全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態のブレードサーバの電源装置4の構成を示すブロック図である。
【図3】(1)は本発明の実施形態のマネージメントコントローラ6の管理情報格納部61の内容例を示す図で、(2)は管理情報格納部61のモード定義情報616の内容例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態のブレードサーバの電力管理のマネージメントコントローラ間の通信のデータ内容を示す図である。
【図5】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレード電源投入動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレードに電力取得要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレードに省電力要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態のブレードサーバの第1の実施例のブレードに動作電源オフ要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態の第2の実施例の管理情報格納部61の内容例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態のブレードサーバの第2の実施例のブレードに電力取得要求が発生したときの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態のブレードサーバの第2の実施例において、マネージメントコントローラが電力値通知を受けた際の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 筐体
2 不揮発性メモリ部
3 マネージメントバス
4 電源装置
41−1〜41−8 スイッチ回路
42−1〜42−2 電源モジュール
5−1〜5−8 ブレード
6−1〜6−8 マネージメントコントローラ
61−1〜61−8 管理情報格納部
611 供給可能電力値
612 確保電力値
613 他ブレード総消費電力値
614 存在情報
615 ブレード別消費電力情報
616 モード定義情報
7−1〜7−8 動作モード制御部
8−1〜8−8 メイン機能部
10−1〜10−8 電源制御インタフェース
20−1〜20−8 電源供給ライン
P1000 要求パケット
P2000 応答パケット
P3000 電力値通知パケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載するブレード装置と、
前記ブレード装置を複数格納する筐体と、前記複数のブレード装置に電力を供給する電源装置と、複数のブレード装置に跨り前記マネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを備えるブレードサーバであって、
前記マネージメントバスには、前記電源装置の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶手段が接続され、
前記マネージメントコントローラが、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、前記判定結果を自ブレード装置の前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とするブレードサーバ。
【請求項2】
前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を取得する手段を有することを特徴とする請求項1記載のブレードサーバ。
【請求項3】
前記ブレード装置に自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、
前記マネージメントコントローラが、
自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば前記自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項1、または2に記載のブレードサーバ。
【請求項4】
前記マネージメントコントローラが、
前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、
前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値とし保持する手段と、
電力解放要求を受け前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項3に記載のブレードサーバ。
【請求項5】
前記マネージメントコントローラが、
電力向上要求を受け前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のブレードサーバ。
【請求項6】
前記マネージメントコントローラが、
ブレード別消費電力情報を保持する手段と、
前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、
前記確保電力値の更新或いは自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、
他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、
電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のブレードサーバ。
【請求項7】
ブレードサーバに実装されるブレード装置であって、
データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載し、
前記マネージメントコントローラが、
前記ブレードサーバ内のブレード装置に跨り複数のマネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを通じ、前記ブレードサーバ装置内の他のブレード装置の消費電力値と前記ブレードサーバの電源装置の供給可能電力値とを取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分値に基づき、自装置の可能な動作モードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とするブレード装置。
【請求項8】
前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を入手する手段を有することを特徴とする請求項7記載のブレード装置。
【請求項9】
自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、
前記マネージメントコントローラが、
自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項7または8に記載のブレード装置。
【請求項10】
前記マネージメントコントローラが、
前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、
前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手段と、
電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項9に記載のブレード装置。
【請求項11】
前記マネージメントコントローラが、
電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項10に記載のブレード装置。
【請求項12】
前記マネージメントコントローラが、
ブレード別消費電力情報を保持する手段と、
前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、
前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと前記他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、
前記他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、
電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他ブレードの消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項10に記載のブレード装置。
【請求項13】
ブレード装置を複数含み、
前記複数のブレード装置に共通の電源を供給し、
前記複数のブレード装置を接続すると共に前記電源の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶部が接続されたマネージメントバスを備えたブレードサーバの電力管理方法であって、
前記ブレード装置がマネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、
前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、自ブレード装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とするブレードサーバの電力管理方法。
【請求項14】
前記ブレード装置が電力情報通信用のパケットを使用して前記他のブレード装置と通信し電力情報を取得する手順を有することを特徴とする請求項13に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項15】
前記ブレード装置が自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手順と、
前記ブレード装置が自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、
前記ブレード装置が他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項13、または14に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項16】
前記ブレード装置が前記取得した供給可能電力値を保持する手順と、
前記ブレード装置が前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手順と、
前記ブレード装置が電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項15に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項17】
前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手順と、
前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項16に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項18】
前記ブレード装置がブレード別消費電力情報を保持する手順と、
前記ブレード装置が前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手順と、
前記ブレード装置が前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手順と、
前記ブレード装置が他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手順と、
前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位モードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項16に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項1】
データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載するブレード装置と、
前記ブレード装置を複数格納する筐体と、前記複数のブレード装置に電力を供給する電源装置と、複数のブレード装置に跨り前記マネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを備えるブレードサーバであって、
前記マネージメントバスには、前記電源装置の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶手段が接続され、
前記マネージメントコントローラが、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、前記判定結果を自ブレード装置の前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とするブレードサーバ。
【請求項2】
前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を取得する手段を有することを特徴とする請求項1記載のブレードサーバ。
【請求項3】
前記ブレード装置に自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、
前記マネージメントコントローラが、
自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値、前記供給可能電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば前記自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項1、または2に記載のブレードサーバ。
【請求項4】
前記マネージメントコントローラが、
前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、
前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値とし保持する手段と、
電力解放要求を受け前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項3に記載のブレードサーバ。
【請求項5】
前記マネージメントコントローラが、
電力向上要求を受け前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のブレードサーバ。
【請求項6】
前記マネージメントコントローラが、
ブレード別消費電力情報を保持する手段と、
前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、
前記確保電力値の更新或いは自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、
他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、
電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のブレードサーバ。
【請求項7】
ブレードサーバに実装されるブレード装置であって、
データの処理、格納、交換の内の何れか一つ以上の機能を持つメイン機能部と前記メイン機能部の動作モードを制御する動作モード制御部とマネージメントコントローラとを搭載し、
前記マネージメントコントローラが、
前記ブレードサーバ内のブレード装置に跨り複数のマネージメントコントローラを接続するマネージメントバスを通じ、前記ブレードサーバ装置内の他のブレード装置の消費電力値と前記ブレードサーバの電源装置の供給可能電力値とを取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分値に基づき、自装置の可能な動作モードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とするブレード装置。
【請求項8】
前記マネージメントコントローラが、電力情報通信用のパケットを使用して前記マネージメントコントローラ間で通信し電力情報を入手する手段を有することを特徴とする請求項7記載のブレード装置。
【請求項9】
自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手段を有し、
前記マネージメントコントローラが、
自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と、前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項7または8に記載のブレード装置。
【請求項10】
前記マネージメントコントローラが、
前記受信した供給可能電力値を保持する手段と、
前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手段と、
電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項9に記載のブレード装置。
【請求項11】
前記マネージメントコントローラが、
電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手段と、
前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項10に記載のブレード装置。
【請求項12】
前記マネージメントコントローラが、
ブレード別消費電力情報を保持する手段と、
前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手段と、
前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと前記他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手段と、
前記他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手段と、
電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他ブレードの消費電力値を合計し、その合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、前記判定したモードを前記動作モード制御部に指示する手段とを有することを特徴とする請求項10に記載のブレード装置。
【請求項13】
ブレード装置を複数含み、
前記複数のブレード装置に共通の電源を供給し、
前記複数のブレード装置を接続すると共に前記電源の供給可能電力値を保持する不揮発性記憶部が接続されたマネージメントバスを備えたブレードサーバの電力管理方法であって、
前記ブレード装置がマネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、
前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分に基づき、自ブレード装置の可能な動作モードを判定し、自ブレード装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とするブレードサーバの電力管理方法。
【請求項14】
前記ブレード装置が電力情報通信用のパケットを使用して前記他のブレード装置と通信し電力情報を取得する手順を有することを特徴とする請求項13に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項15】
前記ブレード装置が自装置の動作モード別消費電力情報を保持する手順と、
前記ブレード装置が自装置の電源の投入要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値と前記供給可能電力値とを取得する手順と、
前記ブレード装置が他のブレード装置の消費電力の合計値と前記供給可能電力値との差分と前記動作モード別消費電力情報から、動作可否と可の場合の許容される最上位のモードを判定し、前記可であれば自装置の電源の投入を指示し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項13、または14に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項16】
前記ブレード装置が前記取得した供給可能電力値を保持する手順と、
前記ブレード装置が前記判定したモードに対応する消費電力値を自装置の確保電力値として保持する手順と、
前記ブレード装置が電力解放要求を受け、前記確保電力値から解放電力値を差し引き、前記動作モード別消費電力情報を参照し、前記差し引き結果の電力値に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項15に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項17】
前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記マネージメントバスを通じ筐体内の他のブレード装置の消費電力値を取得する手順と、
前記ブレード装置が前記他のブレード装置の消費電力値及び前記確保電力値を合計した筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位のモードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項16に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【請求項18】
前記ブレード装置がブレード別消費電力情報を保持する手順と、
前記ブレード装置が前記他のブレード装置からの応答の有無により他のブレード装置の存在情報を管理保持する手順と、
前記ブレード装置が前記確保電力値の更新及び自装置の動作電源オフを行うと他のブレード装置に更新した確保電力値を通知する手順と、
前記ブレード装置が他のブレード装置からの応答や通知に含まれる電力値で、前記ブレード別消費電力情報を更新する手順と、
前記ブレード装置が電力向上要求を受け、前記ブレード別消費電力情報の内、前記存在情報が存在を示している他のブレード装置の消費電力値を合計し、合計値と前記確保電力値の和を筐体内ブレード総消費電力値とし、前記筐体内ブレード総消費電力値と前記供給可能電力値とを比較し、前記供給可能電力値の方が大きい場合には、前記動作モード別消費電力情報を参照し、消費電力の増分が前記比較の差分に収まる最上位モードを判定し、自装置を前記判定したモードに設定する手順とを有することを特徴とする請求項16に記載のブレードサーバの電力管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−83841(P2008−83841A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−261185(P2006−261185)
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月26日(2006.9.26)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】
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