説明

ブレード監視システム

【課題】圧縮機ブレードの正常性を監視するシステムを提供する。
【解決手段】1つの実施形態において、ブレード監視システム120は、圧縮機4の負荷変化に応答してブレード到達時間(TOA)偏差信号の動的成分を抽出すること、動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレード10の固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレード10のオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレード10の立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレード10の減衰係数、又は負荷変化後の圧縮機ブレード10のセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出すること、固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレード10が損傷を受けたか否かを判定すること、を含む動作を実施することにより、負荷変化の間の圧縮機を監視するよう構成された少なくとも1つのコンピュータデバイスを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、ブレード監視システムに関する。具体的には、本明細書で開示される主題は、圧縮機ブレードの正常性を監視するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービン圧縮機などの圧縮機は、空気源から入口空気を受け取り、燃焼室において燃料と後で混合できるように当該空気を加圧する。次いで、加圧空気及び燃料混合気の燃焼により生成されるガスを用いてガスタービン内でブレードの回転を生じさせ、これに応じて、これらブレードに結合されたシャフトに対して機械的仕事を行う。時間の経過と共に、ガスタービン圧縮機の一部は損傷を受ける可能性がある。ガスタービン圧縮機ブレードは、例えば、入口空気中のパーティクル、異物、及び/又は腐食要素、並びに圧縮機作動中の過度の高サイクル及び低サイクル疲労により損傷を受ける可能性がある。ガスタービン圧縮機ブレードに対する損傷は、ガスタービンの作動効率の悪化及び/又は圧縮機の望ましくない振動を引き起こす可能性がある。場合によっては、圧縮機ブレードの損傷は、1つ又はそれ以上のブレードの遊離を引き起こし、結果として圧縮機に壊滅的損傷をもたらす可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開第20090177363号公報
【発明の概要】
【0004】
圧縮機を監視するためのシステムが開示される。1つの実施形態において、本システムは、通過する圧縮機ブレードのブレード通過信号(BPS)を検知するセンサシステムと、センサシステムに接続されたブレード監視システムと、を備え、該ブレード監視システムが、BPSを取得して圧縮機ブレードの到達時間(TOA)を示す到達時間(TOA)信号をBPSから抽出すること、TOA信号を圧縮機ブレードについての予定到達時間(TOA)信号と比較することによって到達時間(TOA)偏差信号を算出すること、
圧縮機の負荷変化に応答してTOA偏差信号の動的成分を抽出すること、動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレードの固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレードのオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレードの立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレードの減衰係数、又は負荷変化後の圧縮機ブレードのセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出すること、固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定すること、を含む動作を実施する。
【0005】
圧縮機を監視するためのシステムを含む本発明の第1の態様が開示される。1つの実施形態において、本システムは、通過する圧縮機ブレードのブレード通過信号(BPS)を検知するセンサシステムと、センサシステムに接続されたブレード監視システムと、を備え、該ブレード監視システムが、BPSを取得して圧縮機ブレードの到達時間(TOA)を示す到達時間(TOA)信号をBPSから抽出すること、TOA信号を圧縮機ブレードについての予定到達時間(TOA)信号と比較することによって到達時間(TOA)偏差信号を算出すること、圧縮機の負荷変化に応答してTOA偏差信号の動的成分を抽出すること、動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレードの固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレードのオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレードの立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレードの減衰係数、又は負荷変化後の圧縮機ブレードのセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出すること、固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定すること、を含む動作を実施する。
【0006】
本発明の第2の態様は、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体において具現化されたプログラムコードを含むコンピュータプログラムを含み、実行時にコンピュータシステムが負荷変化の間に圧縮機を監視する方法を実施可能にし、本方法が、
圧縮機ブレードの到達時間(TOA)の偏差を示すブレードTOA偏差信号の動的成分を圧縮機に対する負荷変化に応答して抽出する段階と、
動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレードの固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレードのオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレードの立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレードの減衰係数、又は負荷変化後の圧縮機ブレードのセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出する段階と、
固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定する段階と、
を含む。
【0007】
本発明の第2の態様は、複数のブレードを有する圧縮機を含むガスタービンと、負荷変化の間に圧縮機を監視するよう構成された少なくとも1つのコンピュータデバイスと、を備えたシステムを含み、該少なくとも1つのコンピュータデバイスが、複数のブレードのうちの1つの到達時間(TOA)の偏差を示す到達時間(TOA)偏差信号を取得すること、圧縮機に対する負荷変化に応答して到達時間(TOA)偏差信号の動的成分を抽出すること、動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレードの固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレードのオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレードの立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレードの減衰係数、又は負荷変化後の圧縮機ブレードのセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出すること、固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定すること、を含む動作を実施することにより圧縮機を監視する。
【0008】
本発明の第3の態様は、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体において具現化されたプログラムコードを含むコンピュータプログラムを含み、実行時にコンピュータシステムが負荷変化の間に圧縮機を監視する方法を実施可能にし、該方法が、
圧縮機ブレードの到達時間(TOA)の偏差を示すブレードTOA偏差信号の動的成分を圧縮機に対する負荷変化に応答して抽出する段階と、
動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレードの固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレードのオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレードの立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレードの減衰係数、又は負荷変化後の圧縮機ブレードのセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出する段階と、
固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定する段階と、
を含む。
【0009】
本発明の第4の態様は、負荷変化の間の圧縮機を監視するためコンピュータに実装された方法を含み、該方法が、
圧縮機ブレードの到達時間(TOA)の偏差を示すブレードTOA偏差信号の動的成分を圧縮機に対する負荷変化に応答して抽出する段階と、
動的成分を用いて、負荷変化の間の圧縮機ブレードの固有周波数、負荷変化の間の圧縮機ブレードのオーバーシュート、負荷変化の間の圧縮機ブレードの立ち上がり時間、負荷変化の間の圧縮機ブレードの減衰係数、又は負荷変化の間の圧縮機ブレードのセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出する段階と、
固有周波数、立ち上がり時間、減衰係数、オーバーシュート、及びセトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定する段階と、
を含む。
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴は、本発明の種々の実施形態を示した添付図面を参照しながら、本発明の種々の態様に関する以下の詳細な説明から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】例示的なガスタービン監視システムのブロック図及びガスタービンの一部の概略図。
【図2】本発明の1つの実施形態による方法のプロセスフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の図面は縮尺通りではない点に留意されたい。当該図面は、本発明の典型的な態様のみを描くことを意図しており、従って、本発明の範囲を限定するものとみなすべきではない。図面では、同じ参照符号は、複数の図面にわたり同じ要素を示している。
【0013】
本発明の態様は、ブレード監視システムを提供する。より具体的には、本発明の態様は、圧縮機の負荷状態が変化している間における圧縮機ブレード(例えば、ガスタービン圧縮機ブレード)の正常性の監視を提供する。このシステムは、例えば、可変(可動)入口ガイドベーン(IGV)を有するガスタービン圧縮機と併せて機能することができる。
【0014】
圧縮機、例えばガスタービン圧縮機は、空気源(例えば、周囲空気)から空気を取り込み、燃焼室にて燃料源と共に組み合わされる前に当該空気を加圧することによって作動する。ガスタービン圧縮機は、ガスタービンの用途(例えば、発電用途、ジェットエンジン用途、その他)、ガスタービンのサイズ/出力、及び入口状態(例えば、入口空気の圧力及び温度)に基づいて予め定められた作動速度で運転するよう設計される。発電要ガスタービン圧縮機は、始動、運転停止、及び「速度掃引」状態だけでなく、比較的一定の作動速度で運転される。発電用途におけるガスタービン圧縮機ブレードに対する損傷を検出する従来の試みは、こうしたブレードの固有周波数の変化を検出するために圧縮機の速度の変化(例えば、1つ又はそれ以上のブレードの回転速度の変化)に依存していた。これらの手法は、ベース負荷のガスタービンが比較的一定の作動速度で長い時間期間にわたって僅かな作動速度変化(例えば、始動及び運転停止)で稼働していることにより制限される。すなわち、ガスタービン圧縮機の速度変化中に集められたデータは、幾つかの状態(例えば、始動、運転停止、又は「速度掃引」)にのみ限定される。当該技術分野で周知のように、ガスタービン圧縮機の速度は、始動時に増大し、運転停止時に減少する。「速度掃引」は、ユニットを「オフライン」(供給されている電力網を切り離す)にして、ガスタービン圧縮機の速度を意図的に変化させて過速度保護安全措置などのパラメータをチェックすることによってガスタービンに対して実施される場合がある。速度変化を用いたこれらの手法は、ガスタービン圧縮機が一定速度(例えば、運転速度)で作動しているときには適用可能ではない。
【0015】
本発明の態様は、圧縮機ブレードが損傷を受けているか否かを判定するために、速度変化の代わりに、ガスタービン圧縮機負荷の変化を用いる。ガスタービン圧縮機負荷は、例えば、圧縮機の入口から出口までの圧力低下を求めることによって測定することができる。ガスタービンシステムの電力需要(負荷)が変化すると、ガスタービン圧縮機から必要とされる加圧空気の量も変化する。圧縮機により提供される加圧空気の量を修正するため、入口ガイドベーン(IGV)の位置が操作され、より多く又はより少ない空気を圧縮機に導入する。IGVの位置を操作することにより、様々な容積のガスを圧縮機に流入させ、これにより圧縮機の出力に影響を及ぼすことが可能になる。圧縮機に流入する空気の容積が変化した(例えば、負荷が変化する間に)場合、ガスタービン圧縮機ブレードは、圧縮機ブレードの振動を引き起こす圧縮力の変化を生じさせる。本発明の態様は、圧縮機負荷変化の間に集められたデータに基づいて1つ又はそれ以上のガスタービン圧縮機ブレードが損傷を受けるか否かを判定可能にする。この手法は、発電ガスタービンの定期的及び正常のターンダウン作動を活用することができる。監視システムは、有意な負荷変化がある度に稼働するよう構成され、これにより定期的測定を可能にし、タービンの作動寿命にわたるブレード正常性の変化の長期的傾向を示すことができる。
【0016】
図1を参照すると、1つの実施形態による、圧縮機4(例えば、ガスタービン圧縮機)及びブレード監視システム40を含む例示的な概略的環境が示される。圧縮機4の作動(反時計周りの矢印で示される作動)中に動いている複数の圧縮機ブレード(又は単にブレード)を含む圧縮機4が示される。各ブレードの基準位置は、参照符号10で示され、圧縮機4の作動中の各ブレードの実際の位置は、参照符号12(又は「偏差位置」)で示される。基準位置10は、圧縮機4(例えば、ガスタービン圧縮機)の幾何形状及び作動中の速度に基づいて予め定められる。実際の位置は、例えば、本明細書で更に説明されるように、1つ又はそれ以上のセンサによって測定される。本明細書で使用されるように、ブレードは、参照符号10で表されることになる。更に図1には、従来的(例えば、無線又は有線)手段によって圧縮機4に作動可能に接続されたセンサシステム20が示される。センサシステム20は、第1のセンサ6及び/又は第2のセンサ8にリンク(例えば、無線又は有線手段によって)され、或いはこれらを含むことができる。第1のセンサ6及び第2のセンサ8は、圧縮機4の作動中の圧縮機ブレード10の実際の(又は偏差)位置12を求めるのを助けることができる。第1のセンサ6及び第2のセンサ8は単に、本発明の実施形態と共に作動できるセンサの1つの構成の例証である点は理解される。例えば、1つの実施形態において、単一のセンサ(例えば、センサ6又はセンサ8)を用いて、圧縮機4の作動中の圧縮機ブレード10の実際の(又は偏差)位置12を求めることができる。
【0017】
図1を引き続き参照し、更に図2のプロセスフロー図を参照しながら、環境2内のブレード監視システム40の作動を更に説明する。ブレード10が圧縮機4内で回転する間、センサシステム20は、ブレードがセンサの下を通過するときに各ブレード10についてのブレード通過信号(BPS)22を検知する。例えば、1つ又はそれ以上のセンサ(例えば、第1のセンサ6及び/又は第2のセンサ8)は、レーザプローブ、磁気センサ、容量センサ、マイクロ波センサ、又は渦電流センサのうちの1つ又はそれ以上を用いてブレードの通過を検知するよう構成することができる。しかしながら、センサは、当該技術分野で公知の何らかの技術によりBPS22を検知するよう構成してもよい。何れの場合においても、センサシステム20は、通過ブレード10のBPS22を検知できる1つ又はそれ以上のセンサ(例えば、第1のセンサ6及び/又は第2のセンサ8)にリンクされ、又はこれらを含むことができる。
【0018】
BPS22を取得した後、センサシステム20は、BPS22をコンピュータシステム120(例えば、無線又は有線手段によって)に送信し、又はこれを外部メモリ(図示せず)に格納し、或いは、これをブレード監視システム(例えば、ブレード監視システム40)によって得ることができる中間システムに送信することができる。コンピュータシステム120は、本明細書で説明されるプロセスを実施して、1つ又はそれ以上のブレード10が損傷を受けているか否かを判定することができる。図1に示すように、コンピュータシステム120は、ブレード監視システム40を含むことができ、これによりコンピュータシステム120は、圧縮機4の1つ又はそれ以上のブレード10が損傷を受けているか否かを判定するよう作動可能になる。
【0019】
コンピュータシステム120は、センサシステム20と通信するよう図示されており、該センサシステム20がBPS22を格納し、及び/又はBPS22をコンピュータシステム120に送信することができる。更に、コンピュータシステム120はユーザ136と通信するよう図示されている。ユーザ136は、例えば、プログラマー又はオペレータとすることができる。加えて、コンピュータシステム120は、制御システム(CS)138と通信するよう図示されている。CS138は、例えば、ガスタービン圧縮機4の作動を制御するためのコンピュータ制御システムとすることができる。これらの構成要素とコンピュータシステム120との間の相互作用は、本明細書の他の場所で検討することにする。コンピュータシステム120は、処理構成要素122(例えば、1つ又はそれ以上のプロセッサ)、記憶構成要素124(例えば、記憶階層構造)、入力/出力(I/O)構成要素126(例えば、1つ又はそれ以上のI/Oインタフェース及び/又はデバイス)、及び通信経路128を含めて図示されている。1つ又はそれ以上の実施形態において、処理構成要素122は、記憶構成要素124において少なくとも部分的に具現化された、ブレード監視システム40のようなプログラムコードを実行する。プログラムコードの実行中、処理構成要素122は、データの処理を行うことができ、該処理の結果として、更に処理するために記憶構成要素124及び/又はI/O構成要素126との間でデータの読み込み/書き込みを行うことができる。経路128は、コンピュータシステム120における構成要素の各々の間の通信リンクを提供する。I/O構成要素126は、1つ又はそれ以上のヒューマンI/Oデバイス又は記憶装置を含むことができ、これによりユーザ136及び/又はCS138が、何れかのタイプの通信リンクを用いてコンピュータシステム120と通信できるように比較器53及び/又は1つ又はそれ以上の通信デバイスと対話することができるようになる。この点に関して、ブレード監視システム40は、人間及び/又はシステムのブレード監視システム40との対話を可能にするインタフェースのセット(例えば、グラフィカルユーザインタフェース、アプリケーションプログラムインタフェース、及び/又は同様のもの)を管理することができる。
【0020】
何れの場合においても、コンピュータシステム120は、インストールされているプログラムコードを実行することができる1つ又はそれ以上の汎用コンピュータ製品を含むことができる。本明細書で使用する場合、「プログラムコード」手段とは、あらゆる言語の命令、コード、又は表記法の何れかの集合を意味し、直接的か、或いは、(a)別の言語、コード、又は表記法への変換、(b)異なるマテリアル形態の複製、及び/又は(c)復元の何れかの組み合わせの後に情報処理機能を有するコンピュータデバイスに特定の機能を実行させるようにするものである点は理解される。この点に関して、ブレード監視システム40は、システムソフトウェア及び/又はアプリケーションソフトウェアの何れかの組み合わせとして具現化することができる。何れの場合においても、コンピュータシステム120の技術的効果は、1つ又はそれ以上のブレード10が損傷を受けているか否かを判定することである。
【0021】
更に、ブレード監視システム40は、モジュール132のセットを用いて実施することができる。この場合、モジュール132により、コンピュータシステム120は、ブレード監視システム40により使用されるタスクのセットを実行可能にすることができ、ブレード監視システム40の他の部分とは別に独立して開発及び/又は実装することができる。ブレード監視システム40は、特定用途の機械/ハードウェア及び/又はソフトウェアを含むモジュール132を備えることができる。何れにしても、2つ又はそれ以上のモジュール及び/又はシステムは、それぞれのハードウェア及び/又はソフトウェアの一部/全部を共有することができる。更に、本明細書で検討される機能の一部は実装されない場合があり、或いは、コンピュータシステム120の一部として追加機能を含めてもよい点は理解される。
【0022】
コンピュータシステム120が複数のコンピュータデバイスを含む場合、各コンピュータデバイスは、ブレード監視システム40の一部だけを具現化することができる(例えば、1つ又はそれ以上のモジュール132)。しかしながら、コンピュータシステム120及びブレード監視システム40は、単に、本明細書で説明されるプロセスを実行できる種々の実施可能な同等のコンピュータシステムを表しているに過ぎない点は理解される。この点に関して、他の実施形態において、コンピュータシステム120及びブレード監視システム40により提供される機能は、プログラムコードを備えた又は備えていない汎用及び/又は特定用途のハードウェアの何れかの組み合わせを含む、1つ又はそれ以上のコンピュータデバイスによって少なくとも部分的に実施することができる。各実施形態において、ハードウェア及びプログラムコードが含まれる場合、これらは、標準的なエンジニアリング及びプログラミング技術をそれぞれ用いて作製することができる。
【0023】
何れにしても、コンピュータシステム120が複数のコンピュータデバイスを含む場合、コンピュータデバイスは、あらゆるタイプの通信リンクを介して通信することができる。更に、本明細書で説明されるプロセスを実行する間、コンピュータシステム120は、あらゆるタイプの通信リンクを用いて1つ又はそれ以上の他のコンピュータシステムと通信することができる。何れの場合においても、通信リンクは、種々のタイプの有線及び/又は無線リンクの何れかの組み合わせを含み、1つ又はそれ以上のタイプのネットワークの何れかの組み合わせを含み、及び/又は種々のタイプの伝送技術及びプロトコルの何れかの組み合わせを利用することができる。
【0024】
本明細書で検討されるように、ブレード監視システム40によって、コンピュータシステム120は、1つ又はそれ以上のブレード10が損傷を受けているか否かを判定することが可能になる。ブレード監視システム40はロジックを含むことができ、該ロジックが、以下の機能部、すなわち、取得器43(ブレード監視システム40に任意選択的に含まれるので仮想線で示されている)、比較器53(ブレード監視システム40に任意選択的に含まれるので仮想線で示されている)、抽出器63、算出器73、及び決定器83を含むことができる。1つの実施形態において、ブレード監視システム40は、上述の機能を実行するロジックを含むことができる。構造的には、ロジックは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、或いは本明細書で記載される機能を実施できる他の何れかの特殊用途機械構造など、様々な形態の何れかをとることができる。ロジックは、ソフトウェア及び/又はハードウェアなどの様々な形態の何れをとってもよい。しかしながら、例示の目的で、ブレード監視システム40及びこれに含まれるロジックは、特殊用途機械として本明細書で説明されることになる。本明細書から理解されるように、ロジックは、上述の機能の各々を含むものとして例示されているが、必ずしも機能の全てが添付の請求項に記載された本発明の教示によるものである必要はない。
【0025】
引き続き図1から2を参照すると、作動中、センサシステム20及びブレード監視システム40は、共に機能して1つ又はそれ以上のブレード10を監視し、1つ又はそれ以上のブレード10が損傷を受けているか否かを判定することができる。1つの実施形態において、センサシステム20は、ブレード監視システム40にBPS22を提供し、ここで取得器43によりBPS22を取得することができる。別の実施形態において、本明細書で説明されるように、取得器43は、センサシステム20以外のソース(例えば、記憶システム、又は中間システム/デバイスにより)からBPS22を取得することができる。何れの場合においても、取得器43はBPS22を取得し、該BPS22から到達時間(TOA)信号(図2、任意選択のプロセスP2)を抽出することができる。TOA信号は、圧縮機ブレード10の到着時間を示すことができる。例えば、圧縮機ブレードの到着時間は、当該技術分野で公知の1/回転数(1/rev)マーカーを参照しながら、ブレード10がセンサ(例えば、第1のセンサ6又は第2のセンサ8)の下を通過するのに要する時間を計時することによって測定することができる。別の実施例では、ブレード10の到達時間は、ブレード10が第1のセンサ(例えば、第1のセンサ6)から第2のセンサ(例えば、第2のセンサ8)まで移動するのに要する時間を計時することによって測定することができる。TOA信号は、例えば、エッジ閾値手法、中央値手法、又は他の従来の信号処理手法を介して取得器43により抽出することができる。場合によっては、取得器43は、BPS22を取得してTOA信号(図2、プロセスP2)を抽出する。次いで、比較器53は、BPS22から抽出されたTOA信号をブレード10の予定到達時間(TOA)信号と比較する(図2、プロセスP3)。予定TOA信号は、どのセンサ(例えば、第1のセンサ6又は第2のセンサ8)がBPS22を検出しているかに基づいて予め定めることができる。すなわち、予定TOA信号は、ガスタービン圧縮機4が作動している速度、ブレード10間の距離、及び1つ又はそれ以上のセンサ(例えば、センサ6、8)の位置に基づいて算出することができる。何れの場合においても、比較器53は、特定のブレード10についてのTOA信号と予定TOA信号とを比較することにより、到達時間(TOA)偏差信号を算出することができる(図2、プロセスP3)。
【0026】
図1に示すように、取得器43及び比較器53は、ブレード監視システム40において任意選択の構成要素(又はモジュール)とすることができる。すなわち、取得器43及び比較器53は、本明細書で説明される機能を実施できる外部システム(例えば、センサシステム20及び/又は制御システム138)の一部とすることができる。1つの実施形態において、制御システム138及び/又はセンサシステム20は、例えば、ガスタービン作動パラメータ(例えば、ガスタービンシステムにおけるガスタービン圧縮機4又は他の構成要素の作動状態)を監視するよう構成することができる。1つの実施形態において、ブレード監視システム40は、負荷変化が生じたときにはいつでも、タービン制御システム(例えば、制御システム138)から負荷情報及びIGV位置/角度情報にアクセスすることができる。
【0027】
1つの実施形態において、取得器43及び比較器53は、本明細書で説明されるように(ブレード監視システム40又は外部システムとして)連続的に作動することができ、ここで抽出器63は、負荷変化(例えば、ガスタービン負荷変化)、或いは、ガスタービン圧縮機4上の1つ又はそれ以上の入口ガイドベーン(IGV)の位置の変化に応答して、TOA偏差信号の動的成分を抽出する(図2、プロセスP4)。具体的には、抽出器63は、負荷変化情報(例えば、負荷変更命令24)又はIGV角度の変化を示す情報の検出又は受け取りに応答して、TOA偏差信号の動的成分を抽出することができる。負荷変更命令24は、例えば、1つ又はそれ以上の入口ガイドベーン(IGV)の位置を変更する命令を含むことができる。当該技術分野で周知のように、圧縮機(例えば、ガスタービン圧縮機)の負荷は、所望の出力に基づいて調整することができる。例えば、ガスタービンが電力発生において使用され、出力増大が必要とされる場合、オペレータ又はコンピュータシステムは、圧縮機(例えば、圧縮機4)への吸気量を増大させ、燃焼サイクルにおいてより大きな出力を提供することができる。圧縮機により提供される加圧空気の量を修正するために、1つ又はそれ以上のIGVの位置を操作し、より多くの又はより少ない空気を圧縮機に導入するようにする。IGVの位置を操作することによって、様々な容積のガスが圧縮機に流入し、これにより圧縮機出力に影響を及ぼすことが可能になる。圧縮機に流入する空気の容積が変化した(例えば、負荷変化する間に)場合、ガスタービン圧縮機ブレードは、ブレードに振動を引き起こす圧縮力を生じさせることができる。これらの振動は、TOA偏差信号の抽出した動的成分により検出可能にすることができる。
【0028】
圧縮機4の負荷変化の間、ブレード10は、入力外乱に対して不足減衰の応答において通常見られるような、リンギング又は振動を示す場合がある。圧縮機4の負荷変化の間における1つ又はそれ以上のブレード10のTOA偏差信号は、(負荷変化の間のブレード10の発振を示す)大きさの測定可能な変化を示すことになる。幾つかの実施形態において、強制関数の正確な大きさは、一般的には既知ではなく、この場合、ブレード(例えば、ブレード10)の発振を標準負荷/IGV角度シフトについて正規化することができる。立ち上がり時間、固有周波数、減衰係数、及びセトリング時間など、ブレード(例えば、ブレード10)のこれらの正規化特徴を既知のシステム同定技術を用いて推定することができる。次に、正規化特徴は、本明細書で更に説明されるように、TOA偏差信号の動的成分から得られた特徴と比較することができる。
【0029】
図2に戻ると、TOA偏差信号の動的成分を抽出した後、算出器73は、負荷変化の間のブレード10の固有周波数、負荷変化の間のブレード10のオーバーシュート、負荷変化の間のブレード10の立ち上がり時間、負荷変化の間のブレード10の減衰係数、又は負荷変化の間のブレード10のセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出することができる(プロセスP5)。本明細書で使用する場合、ブレード10の固有周波数は負荷変化の間にブレード10が自由に振動する周波数に等しいとすることができ、ブレード10のオーバーシュートはTOA偏差信号の動的成分が定常値を超える量に等しいとすることができ、ブレード10の立ち上がり時間は当該ブレード10のTOA偏差信号の大きさが変化している間に経過した時間に等しいとすることができ、ブレード10の減衰係数(又は減衰比)はどれだけ迅速にブレードの発振が排除されるかを表しており、セトリング時間は負荷変化の開始後にブレード10がほぼ定常状態位置に入るのに必要な時間である。これらの特徴は、当該技術分野で周知の何れかの従来技術を用いて算出することができる(例えば、グラフィカル及び/又は信号分析算出)。
【0030】
算出されると、決定器83は、負荷変化の間のブレード10の固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの1つ又はそれ以上をこれらの特性値の期待値と比較することができる。これら全てのパラメータについての期待値は、ブレードが既知の正常な状態又は損傷を受けていない状態にあるときに事前に算出し記憶することができる。正常なブレードと損傷を受けたブレードとの偏差は、ブレードの幾何形状、並びに損傷のタイプ、位置、及び大きさに依存することができる。コンピュータモデルを用いて、負荷状態の変化に対する1つ又はそれ以上のブレードの期待応答(例えば、固有周波数、オーバーシュート、その他などの期待パラメータ値)を生成することができ、次いで、これらの期待応答は、障害が存在するか否かを判定するためにブレード監視システム40(例えば、決定器83)により実行時に用いられる。期待パラメータ値は、ガスタービン燃焼器4に固有とすることができ、格納され(例えば、記憶構成要素124内に)、ユーザ(例えば、ユーザ136)又は他の外部システムによりブレード監視システム40に提供することができる。
【0031】
ブレード監視システム40を含む環境2として本明細書で図示され記載されているが、本発明の態様は更に、種々の代替の実施形態を提供する点は理解される。例えば、1つの実施形態において、本発明は、少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体で具現化されるコンピュータプログラムを提供し、これにより実行した時に、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム120)は、1つ又はそれ以上のブレード10、12が損傷を受けたか否かを判定することが可能になる。この点に関して、コンピュータ可読記憶媒体は、ブレード監視システム40(図1)のように、本明細書で説明されるプロセスの一部又は全てを実装するプログラムコードを含む。用語「コンピュータ可読記憶媒体」は、プログラムコードのコピーを具現化できる有形表現媒体の何れかのタイプの1つ又はそれ以上(例えば、物理的な実施形態)を含む。例えば、コンピュータ可読記憶媒体は、1つ又はそれ以上のポータブル記憶製品、コンピュータデバイスの1つ又はそれ以上のメモリ/記憶構成要素、紙、及び/又は同様のものを含むことができる。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、限定ではないが、電気、磁気、光学、電磁気、赤外線、又は半導体システム、装置、もしくはデバイス、或いはこれらの何れかの好適な組み合わせとすることができる。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な実施例(非網羅的リスト)は、1つ又はそれ以上のワイヤを有する電気接続、フロッピー(商標)ディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能プログラム可能リードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、ポータブルコンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD−ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又はこれらの何れかの組み合わせを含むことになる。本明細書において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスによって、又はこれらと接続して使用するプログラムを包含又は格納できる何れかの有形媒体とすることができる。
【0032】
別の実施形態において、本発明は、ブレード監視システム40(図1)のように、本明細書で説明されるプロセスの一部又は全てを実装するプログラムコードのコピーを与える方法を提供する。この場合、コンピュータシステムは、プログラムコードのコピーをデータ信号のセットで符号化するようにして設定及び/又は変更された特性の1つ又はそれ以上を有するデータ信号のセットを生成し送信して、第2の別個の位置にて受け取るようにすることができる。同様に、本発明の1つの実施形態は、本明細書で説明されるプロセスの一部又は全てを実装するプログラムコードのコピーを収集する方法を提供し、該方法は、コンピュータシステムが本明細書で説明されるデータ信号のセットを受け取り、該データ信号のセットを少なくとも1つのコンピュータ可読媒体において具現化されるコンピュータプログラムのコピーに翻訳することを含む。何れの場合においても、データ信号のセットは、何れかのタイプの通信リンクを用いて送信/受信を行うことができる。
【0033】
更に別の実施形態において、本発明は、1つ又はそれ以上のブレード10、12が損傷を受けたか否かを判定するシステムを生成する方法を提供する。この場合、コンピュータシステム120(図1)のようなコンピュータシステムを得ることができ(例えば、作成する、維持する、利用可能にする、その他)、本明細書で説明されるプロセスを実施する1つ又はそれ以上のモジュールを得て(例えば、作成、購入、使用、修正、その他)、コンピュータシステムに配備することができる。この点に関して、配備は、(1)コンピュータ可読媒体からコンピュータデバイス上にプログラムコードをインストールすること、(2)1つ又はそれ以上のコンピュータデバイス及び/又はI/Oデバイスをコンピュータシステムに追加すること、(3)コンピュータシステムを組み込み及び/又は修正し、本明細書で説明されるプロセスを実施可能にすること、の1つ又はそれ以上を含むことができる。
【0034】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される単数形態は、前後関係から明らかに別の意味を示さない限り、複数形態も含む。更に、本明細書内で使用する場合に、「含む」及び/又は「備える」という用語は、そこに述べた特徴部、完全体、ステップ、動作、要素及び/又は構成部品の存在を明示しているが、1つ又はそれ以上の特徴部、完全体、ステップ、動作、要素、構成部品及び/又はそれらの群の存在又は付加を排除するものではないことは理解されるであろう。
【0035】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、更に、あらゆる当業者があらゆるデバイス又はシステムを実施及び利用すること並びにあらゆる包含の方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0036】
2:環境
4:圧縮機
6:第1のセンサ
8:第2のセンサ
10:ブレード(基準位置)
12:ブレード(作動位置)
20:センサシステム
22:ブレード通過信号(BPS)
24:負荷変化命令
40:ブレード監視システム
43:取得器
53:比較器
63:抽出器
73:算出器
83:決定器
120:コンピュータシステム
122:処理構成要素
124:記憶構成要素
126:I/O構成要素
132:モジュール
136:ユーザ
138:制御システム
P1:通過するガスタービン圧縮機ブレードのBPSを検知する
P2:BPSを取得して、BPSから到達時間(TOA)信号を抽出する
P3:ガスタービン圧縮機ブレードのデルタTOA信号を算出する
P4:デルタTOA信号の動的成分を抽出する
P5:ガスタービン圧縮機ブレードの固有周波数、オーバーシュート、立ち上がり時間、減衰係数、又はセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出する
P6:ガスタービン圧縮機ブレードが損傷を受けたか否かを判定する

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(4)を監視するためのシステム(120)であって、
通過する圧縮機ブレード(10)のブレード通過信号(BPS)(22)を検知するセンサシステム(20)と、
前記センサシステム(20)に接続されたブレード監視システム(40)と、
を備え、
前記ブレード監視システム(40)が、
前記BPS(22)を取得して、前記圧縮機ブレード(10)の到達時間(TOA)を示す到達時間(TOA)信号を前記BPS(22)から抽出すること、
前記TOA信号を前記圧縮機ブレード(10)についての予定到達時間(TOA)信号と比較することによって到達時間(TOA)偏差信号を算出すること、
前記圧縮機(4)の負荷変化に応答して前記TOA偏差信号の動的成分を抽出すること、
前記動的成分を用いて、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の固有周波数、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)のオーバーシュート、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の立ち上がり時間、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の減衰係数、又は前記負荷変化後の前記圧縮機ブレード(10)のセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出すること、
前記固有周波数、前記オーバーシュート、前記立ち上がり時間、前記減衰係数、又は前記セトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて、前記圧縮機ブレード(10)が損傷を受けたか否かを判定すること、
を含む動作を実施する、
システム(120)。
【請求項2】
前記ブレード監視システム(40)は更に、負荷変化が生じていることを判定し、前記TOA偏差信号の動的成分を抽出するよう命令を送信する、
請求項1に記載のシステム(120)。
【請求項3】
前記圧縮機(4)がガスタービンにおける構成要素であり、前記ブレード監視システム(40)が更に、少なくとも1つのガイドベーンの位置又は前記ガスタービンの出力を監視することにより前記負荷変化が生じていることを判定する、
請求項1に記載のシステム(120)。
【請求項4】
前記TOA信号が、エッジ閾値抽出又は中央値抽出のうちの1つを用いて前記BPS(22)から抽出される、
請求項1に記載のシステム(120)。
【請求項5】
複数のブレード(10)を有する圧縮機(4)を含むガスタービンと、
負荷変化の間に前記圧縮機(4)を監視するよう構成された少なくとも1つのコンピュータデバイス(120)と、
を備えたシステムであって、
前記少なくとも1つのコンピュータデバイス(120)が、
前記複数のブレード(10)のうちの1つの到達時間(TOA)の偏差を示す到達時間(TOA)偏差信号を取得すること、
前記圧縮機(4)に対する前記負荷変化に応答して前記到達時間(TOA)偏差信号の動的成分を抽出すること、
前記動的成分を用いて、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の固有周波数、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)のオーバーシュート、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の立ち上がり時間、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の減衰係数、又は前記負荷変化後の前記圧縮機ブレード(10)のセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出すること、
前記固有周波数、前記オーバーシュート、前記立ち上がり時間、前記減衰係数、又は前記セトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて、前記圧縮機ブレード(10)が損傷を受けたか否かを判定すること、
を含む動作を実施することにより前記圧縮機(4)を監視する、
システム。
【請求項6】
前記ブレード(10)の実際の到達時間(TOA)信号を得るためのセンサシステム(20)を更に備える、
請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つのコンピュータデバイス(120)が更に、前記負荷変化に応答して前記実際の到達時間(TOA)信号を得るよう前記センサシステム(20)を開始させるよう構成されている、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピュータデバイス(120)が更に、前記負荷変化の発生を判定し、この判定に応答して、前記TOA偏差信号の動的成分を抽出する命令を送信するよう構成されている、
請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つのコンピュータ可読記憶媒体において具現化されたプログラムコードを含むコンピュータプログラムであって、実行時にコンピュータシステム(120)が負荷変化の間に圧縮機(4)を監視する方法を実施可能にし、
前記方法が、
圧縮機ブレード(10)の到達時間(TOA)の偏差を示すブレードTOA偏差信号の動的成分を前記圧縮機(4)に対する負荷変化に応答して抽出する段階と、
前記動的成分を用いて、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の固有周波数、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)のオーバーシュート、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の立ち上がり時間、前記負荷変化の間の前記圧縮機ブレード(10)の減衰係数、又は前記負荷変化後の前記圧縮機ブレード(10)のセトリング時間のうちの少なくとも1つを算出する段階と、
前記固有周波数、前記オーバーシュート、前記立ち上がり時間、前記減衰係数、又は前記セトリング時間のうちの少なくとも1つに基づいて、前記圧縮機ブレード(10)が損傷を受けたか否かを判定する段階と、
を含む、
コンピュータプログラム。
【請求項10】
前記方法が更に、少なくとも1つのガスタービン入口ガイドベーンの位置を監視することにより前記負荷変化の発生を判定する段階を含む、
請求項9に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−247260(P2011−247260A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116415(P2011−116415)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】