説明

ブロック舗装の施工方法

【課題】生分解性樹脂及び木粉を使用し多用途の生分解性木質ブロックを提供することにある。
【解決手段】配設するブロック部材が生分解性樹脂と木粉を混合し、射出成形又は、押出し成形したブロックであることを最も主要な特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生分解性材料を用いた装飾用、舗装、駐車場用ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者施設や医療施設、公園、幼稚園、歩道等の路面や床面の舗装方法として、環境に優しく、都市部でのヒートアイランド現象を抑制可能で、しかも天然の味わいと足への感触性に優れた特性を有し、自然との共生という新しいテーマにも合致した木質舗装が採用されるようになった。
【0003】
また、山間部の樹木等が害虫により枯れたり、雪害により折れ、放置状態にあるものが多く見受けられる。さらに、ダム湖等において堆積する流木等もよく目にする光景である。これらの樹木は、強度が低く、経年変化による反り、曲げの発生も顕著で有ることから、従来は構造材としての用途を与えることが困難で、専ら火力燃料や堆肥に利用するに止まっていた。しかしながら、資源の有効活用を促進する上でも、利用する方法が求められていた。かかる課題は、間伐材、建築廃材等にも当てはまるものである。
【0004】
そこで、これらの未利用材を有効利用するための方法としての提案もされている。特開平11−1356号は、未利用材を破砕チップ化した後に結合剤(アスファルト乳剤、セメントモルタル、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等)を添加、混合してブロックを形成した例を紹介している。また、特開平7−256610号では、樹木を破砕することなく、減圧、加圧雰囲気中でその内部に樹脂を含浸させることにより、木材としての強度や耐侯性の向上を図った例を紹介している。
【0005】
しかしながら、上記未利用材を破砕チップ化した後に結合剤を添加、混合してブロックを形成した例では、結合剤が地球に優しい材料とは言えず、生分解性材料を結合剤とすることが望まれていた。
【0006】
一方、樹木を破砕することなく、減圧、加圧雰囲気中でその内部に樹脂を含浸させることにより、木材としての強度や耐侯性の向上を図った例においても、改質前の木の状態や木片の形状、大きさ等に影響されることなく、十分な樹脂含浸深さを安定して得ることが、実際には困難であった。このため、木材の持つ特性である、乾燥による膨張・収縮を確実に押さえることができず、劣化破損を起こすおそれがあった。また、その品質も不安定で、必要な剛性を安定的に得ることが困難となっていた。
【特許文献1】特開平11−1356号公報
【特許文献1】特開平7−256610号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生分解性樹脂及び木粉を使用し多用途の生分解性木質ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のブロック舗装の施工方法は、配設するブロック部材が生分解性樹脂と木粉を混合し、射出成形又は、押出し成形したブロックであることを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明のブロック舗装の施工方法は、木粉を使用することで、間伐材、建設廃材などに有効活用の道を開くものであり、また、生分解性材料を結合材とする事により、廃棄時には焼却処分時には高温を必要とせず、土壌の埋没させた場合は、バクテリアによる侵食分解、加水分解等により自然回帰するという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
駐車場に本発明のブロック舗装の施工する場合、ブロック部はL字型に形成し、L字型ブロックには系合凸部と、凹部を配し、系合部凸凹部により隣り合ったL字ブロックを連結してゆく、さらにL字ブロックの連結配設により生じさせた空間に芝生を植栽する。
【0011】
これにより、木材と芝生の組み合わせで自然との共生にも合致し、さらに都市部でのヒートアイランド現象を抑制可能となる。
【実施例1】
【0012】
本発明の実施形態について詳しく説明する。本実施例で説明するブロック舗装の施工方法は、駐車場への施工例であるが、ブロック舗装の施工場所は駐車場に限定する物でなく、ブロック形状もL型のみ、ブロック間の植物も芝生に限定する物ではない。
【0013】
図1は、ブロック舗装の施工方法の断面図である。同図の1はブロックを示し、21は施工端部部材、31は角抜き部である。該角抜き部31は、L字型ブロック1の組み合わせによりできた抜き部である。該ブロック1は、木粉51%と生分解性樹脂49%を混合し、射出成形にて形成している。また、該施工端部部材21は、木粉51%と生分解性樹脂49%を混合し、押出し成形にて形成している。
【0014】
図1において、該施工端部部材21は、L字型ブロック1の組み合わせにより、施工端部を処理する為に配設している。ブロック形状は、L型に限定する物ではなく、I型、コノ字型、ロの字型などにする場合もある。ロの字型などにした場合、施工端部部材21を使用しない場合もある。
【0015】
図2は、ブロック単品の表面方向よりの斜視図である。同図の2は凸部、3は凹部である。
【0016】
図3は、ブロック単品の裏面方向よりの斜視図である。同図4は肉盗みである。該肉盗み4は、ブロック1の肉厚及び、強度により、有り無しがあり、また個数も変化する。
【0017】
図4は、ブロック5個を組み付けた状態を裏面方向からみた斜視図である。ブロック1に配された凸部2と、凹部3をはめ合わせ連結させている。ブロック間の系合は凸部、凹部のはめ合わせだけに限定するものではない。
【0018】
図5は、ブロック間に植栽した芝生部を示した断面図である。同図の41は芝生、42は芝根、43は砂部、44は路盤である。芝生育成を計る際、路盤44の水ハケは大きな問題であり、路盤44の水ハケを良くする必要がある。水ハケについては排水層を持たせる等さまざまな方法があるが、ここでは特に限定しない。
【0019】
施工場所が駐車場の場合、車のタイヤが角抜き部31に落ち、芝生41を枯らさないようにするため、角抜き部31は、100mm角程度に設定することが望ましい。この時ブロック1の平面部の幅は50mm程度とし、該ブロック1の1個の外形寸法は、150mm程度となる。仮に車1台分の駐車スペースを、幅2.5m、奥行き5mとした場合、該ブロック1を528個配設する事になる。スペースに対し隙間部には場合により施工端部部材21を配設する事もある。
【0020】
路盤44を平面にし、ブロック1を組み付けし、図1の状態になった後、角抜き部31に芝生41の培土となる砂を入れ、砂部43を作る。その後、芝生41を、砂部43の上に配し、完成となる。
【産業上の利用可能性】
【0021】
本発明のブロック舗装の施工方法は、生分解性樹脂と木粉を主たる材料としている。これにより成形する木材と芝生の組み合わせが可能となり、都市部でのヒートアイランド現象を抑制可能で、しかも天然の味わいと足への感触性に優れた特性を有し、自然との共生という新しいテーマにも合致する。さらに、廃棄時には生分解性材料であることが大きく、廃棄処分が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ブロック舗装の施工例の斜視図である。
【図2】ブロック単品の表面方向よりの斜視図である。
【図3】ブロック単品の裏面方向よりの斜視図である。
【図4】ブロック5個を組み付けた状態を裏面方向からみた斜視図である。
【図5】ブロック間に植栽した芝生部を示した断面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 ブロック
2 凸部
3 凹部
4 肉盗み部
21 施工端部部材
31 角抜き部
41 芝生
42 芝根
43 砂部
44 路盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
路盤上にブロック部材を所定輪郭内に配設する施工方法において、該ブロック部材が生分解性樹脂と木粉を混合し、射出成形又は、押出し成形したブロックであることを特徴とするブロック舗装の施工方法。
【請求項2】
路盤上にブロック部材を所定輪郭内に配設する施工方法において、該ブロック部材が生分解性樹脂と木粉を混合し、射出成形又は、押出し成形したブロックであって、配設したブロック間に緑化植物を植えることを特徴とするブロック舗装方法。
【請求項3】
請求項1に記載のブロック部材であって、着脱可能な系合部を備えた事を特徴とするブロック部材。
【請求項4】
請求項1に記載のブロック部材であって、木粉の混合比が50%を越すことを特徴とするブロック舗装部材。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−23699(P2007−23699A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210750(P2005−210750)
【出願日】平成17年7月21日(2005.7.21)
【出願人】(399003606)有限会社 オファ−設計事務所 (28)
【出願人】(502121247)西田殖産株式会社 (5)
【Fターム(参考)】