ブロック
【課題】前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることのできるブロックを提供する。
【解決手段】前後に連通する通風孔14を設けたブロック1において、通風孔14の一部を塞ぐ前遮蔽板112と、前記前遮蔽板112が塞いだ通風孔14の残余を塞ぐ後遮蔽板122とを、それぞれ前後に離して通風孔14内に設けたブロック1である。前遮蔽板112は通風孔14の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板122は前記前遮蔽板112と重なり合う形状を有することが好ましく、更に前遮蔽板112と後遮蔽板122とは同一の形状であることが好ましい。
【解決手段】前後に連通する通風孔14を設けたブロック1において、通風孔14の一部を塞ぐ前遮蔽板112と、前記前遮蔽板112が塞いだ通風孔14の残余を塞ぐ後遮蔽板122とを、それぞれ前後に離して通風孔14内に設けたブロック1である。前遮蔽板112は通風孔14の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板122は前記前遮蔽板112と重なり合う形状を有することが好ましく、更に前遮蔽板112と後遮蔽板122とは同一の形状であることが好ましい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後の通風性を確保しながら、前後の視線を遮ることのできる仕切壁又は塀を構築するブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
敷地の外周や敷地相互の境界として構築される仕切壁又は塀は、一定の大きさ及び外形に規格化された多数のブロックを積み重ねて構築される。ブロックは、通常コンクリート製であるが、セラミック製(陶器製又はガラス製)、樹脂製又は木製の場合もある。こうしたブロックを積み重ねて構築される仕切壁又は塀は、前後の視線を遮ることができるが、併せて前後の通風性をも損ねてしまう。そこで、前記通風性を確保する目的から、仕切壁又は塀の一部に、前後に連通する通風孔を設けたブロックが用いられる。しかし、通風孔を設けたブロックは、前後の視線を遮ることができない。これから、従来、前後の通風性を確保しながら、前後の視線を遮ることのできる仕切壁又は塀を構築するブロックについて、種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献1は、従来見られる通風孔を設けたブロックを基礎とし、前記通風孔を左右又は上下に区分けする模様仕切りを、ブロックの正面又は背面に対して鋭角にした、すなわち模様仕切りを斜めにしたブロック(例示はコンクリート製ブロック)を提案している。この特許文献1のブロックは、通風孔を区分けする模様仕切が斜めになっただけなので、前後の通風性は確保されている。また、前記模様仕切が斜めになっているので、少なくともブロックを真正面から見て、前後の視線を遮ることができる。同様のブロックは、特許文献2にも提案されている。特許文献2では、斜めになった模様仕切を全体として「がらり状」と表現しているに過ぎない。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3018805号公報
【特許文献2】登録実用新案第3027076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1又は特許文献2が提案するブロックは、確かにブロックを真正面から見て前後の視線を遮るが、模様仕切と平行な角度から見れば、やはり仕切壁又は塀の外から内を覗き見ることができる。すなわち、特許文献1又は特許文献2が提案するブロックは、前後の通風性を確保するものの、ブロックの真正面から見た場合のみ、前後の視線を遮る仕切壁又は塀を構築できるに過ぎない。しかし、これでは前後の視線を遮ることを本質とする仕切壁又は塀の働きを達成できない。そこで、前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることのできるブロックについて検討した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
検討の結果、前後に連通する通風孔を設けたブロックにおいて、通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板と、前記前遮蔽板が塞いだ通風孔の残余を塞ぐ後遮蔽板とを、それぞれ前後に離して通風孔内に設けたブロックを開発した。本発明のブロックは、コンクリート製、セラミック製(陶器製又はガラス製)、樹脂製又は木製のいずれにも適用できる。通風孔は、ブロックの前後に連通すればよく、断面形状は円形又は角形のほか自由である。前遮蔽板は、通風孔内の正面寄りにあって、前記通風孔の一部を塞ぐ。「通風孔の一部を塞ぐ」とは、ブロックを真正面から見た通風孔の外形、すなわち通風孔の断面形状の一部を塞ぐことを意味する。後遮蔽板は、前記前遮蔽板からブロックの前後に離れた位置、すなわち通風孔内の背面寄りにあって、前遮蔽板が塞ぐ通風孔の残余を塞ぐ。
【0007】
ブロックを真正面から見た場合、通風孔の一部は前遮蔽板により、そして通風孔の残余は後遮蔽板によりそれぞれ塞がれており、前後の視線は遮られる。また、ブロックを斜めから見た場合、前後の視線は通風孔の範囲に制限される上、前記通風孔の範囲で角度のある視線は、通風孔内で互い違いに張り出す位置関係にある前遮蔽板又は後遮蔽板いずれかに遮られる。しかし、前遮蔽板と後遮蔽板とは、いずれも通風孔の一部又は残余を塞ぐのみで、通風孔はブロックの前後に通じており、前後の通風性は確保されている。こうして、本発明のブロックは、前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることができる。このほか、本発明のブロックを通じての直接的な採光はできないが、前遮蔽板及び後遮蔽板の反射により間接的かつ制限的な採光は可能である。
【0008】
通風孔の範囲で角度のある視線を前遮蔽板と後遮蔽板とにより確実に遮るため、前遮蔽板は通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する構成にするとよい。前遮蔽板と後遮蔽板とは、ブロックの前後における相対的な呼び方に過ぎないので、後遮蔽板が通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、前遮蔽板が前期後遮蔽板と重なり合う形状を有する構成は、前記構成と実質同一である。これにより、通風孔内で互い違いに張り出す位置関係にある前遮蔽板又は後遮蔽板は、通風孔の範囲で角度ある視線をより確実に遮ることができる。この場合、前後の別なくブロックを積み上げて仕切壁又は塀を構築できるように、前遮蔽板と後遮蔽板とは同一の形状とし、前後対称な外観デザインにするとよい。
【0009】
本発明のブロックは、一体成形又は一体物として構成するほか、前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成され、前記前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付け、前記前通風孔と後通風孔とを連通させて通風孔として、前ブロック単位は前通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板を前通風孔内に設け、後ブロック単位は少なくとも前記前遮蔽板が塞ぐ前通風孔の残余に相当する範囲で後通風孔を塞ぎ、かつ前ブロック単位と後ブロック単位とを組み付けた際に前遮蔽板に密接しない後遮蔽板を後通風孔内に設けて構成することができる。
【0010】
前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付けるブロックは、前遮蔽板は前通風孔の半分以上を塞ぐ形状を、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する構成が好ましい。前ブロック単位と後ブロック単位とは個別に製造されるので、それぞれの前通風孔と前遮蔽板、そして後通風孔と後遮蔽板とは、いずれも自由かつ容易に構成できる。また、前ブロック単位と後ブロック単位とはブロックを前後に半割し、前遮蔽板と後遮蔽板とを同一の形状とした同一構造にし、前記前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた後ブロック単位を水平反転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける構成が好ましい。
【0011】
ここで、「前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた後ブロック単位を水平反転させ」るとは、同一構造である前ブロック単位の正面と後ブロック単位の後面とを同じ前方に向け、かつ前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた状態から、後ブロック単位の水平を維持しながら裏返して前記後遮蔽版の向きを反転させることを意味する。この場合、前ブロック単位と後ブロック単位とが正面視点対称な外形、例えば正面視正方形であれば、水平反転させた後ブロック単位を更に前ブロック単位に対して垂直面内で時計回り又は反時計回りに90度又は180度回転させて前後に組み付けると、前遮蔽板又は後遮蔽板の形状によって前後の視線を遮ることができなくなることもあるが、ブロックの外観デザインに多様性を付加することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることのできるブロックにより、仕切壁又は塀を構築できるようになる。これは、通風孔内で互い違いに張り出す関係にある前遮蔽板と後遮蔽板とによる効果である。前記効果は、前遮蔽板(後遮蔽板)が通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板(前遮蔽板)が前記前遮蔽板(後遮蔽板)と重なり合う形状を有すると、より高められる。そして、前遮蔽板と後遮蔽板とは同一の形状とし、前後対称な外観デザインにすると、前後の別なく本発明のブロックを積み上げて仕切壁又は塀を構築できる効果も得られる。
【0013】
また、本発明のブロックは、前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成することにより、素材の種類を問わず、容易に製造できるようになる。これは、本発明のブロックについて製造コストを低減させる効果もある。更に、前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成される本発明のブロックは、前通風孔と前遮蔽板、そして後通風孔と後遮蔽板とをいずれも自由かつ容易に構成して、外観デザインの自由度も高めることができる。これにより、本発明のブロックは、外観デザインに優れた複数種類の製品を提供できるようになり、こうした複数種類のブロックを混在させて、外観デザインに優れた仕切壁又は塀の構築もできる効果ももたらされる。
【0014】
このほか、本発明のブロックは、直接的な採光はできないものの、通風孔内に設けた前遮蔽板及び後遮蔽板の反射により間接的な採光を可能にしている。前記間接的な採光は、前遮蔽板及び後遮蔽板の形状や前後の位置関係に応じ、ブロックにより構築される仕切壁又は塀に様々な陰影をもたらし、外観上の雰囲気を多様にする効果をもたらす。更に、前ブロック単位と後ブロック単位とが正面視点対称な外形、例えば正面視正方形であれば、前ブロック単位に対して前後に組み付ける後ブロック単位の姿勢によって、ブロックの外観デザインを多様にする効果をもたらす。これにより、本発明のブロックにより構築される仕切壁又は塀の外観デザインも多様にすることができる。このように、本発明はブロック、そして前記ブロックにより構築される仕切壁又は塀の外観デザインを多様化する効果をも有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づくブロック1の一例を表わした斜視図、図2は本例のブロック1の正面図、図3は本例のブロック1の側面図、図4は本例のブロック1の平面図、図5は後ブロック単位12を水平反転させた後前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図、図6は後ブロック単位12を水平反転させた後更に後ブロック単位12を垂直面内で反時計回りに90度回転させて前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図、図7は後ブロック単位12を水平反転させた後更に後ブロック単位12を垂直面内で時計回りに180度回転させて前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図であり、図8は本例のブロック1の水平断面を表した図1相当斜視図である。
【0016】
本例のブロック1は、図1〜図4に見られるように、正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部113と後鍔部123とに挟まれた括れ部13を上面、下面及び左右両側面に周回させた従来公知の仕切壁又は塀構築用のブロックと同様の外観を有する。これは、本発明のブロック1が従来公知のブロックに置き換えて利用できることを意味し、本発明の汎用性を示す。括れ部13は、ブロック1により仕切壁又は塀2を構築する際、配筋21を挿通する空間を形成するもの(後掲図10〜図15参照)で、設けなくてもよい。ブロック1は、図5に見られるように、前通風孔111内に前遮蔽板112を設けた前ブロック単位11と、後通風孔121内に後遮蔽板122を設けた後ブロック単位12とから構成され、前記前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付け、前記前通風孔111と後通風孔121とを連通させて通風孔14としている。
【0017】
前ブロック単位11と後ブロック単位12とは、前遮蔽板112と後遮蔽板122とを同一の形状とした同一構造であり、前記前ブロック単位11に対して後ブロック単位12を水平反転させて前後に組み付けている。ここで、本例のブロック1は正面視点対称な正方形外形であるから、前ブロック単位11と後ブロック単位12とも、同様に正面視点対称な正方形外形である。このため、例えば図6に見られるように、前ブロック単位11に対して後ブロック単位12を水平反転させた後垂直面内で反時計回りに90度回転させて前後に組み付けてもよいし、また図7に見られるように、前ブロック単位11に対して後ブロック単位12を水平反転させた後垂直面内で時計回りに180度回転させて前後に組み付けてもよい。このように、前ブロック単位11に対する後ブロック単位12の姿勢を変えることにより、外観デザインの異なるブロック1を容易に構成できる。
【0018】
前ブロック単位11は、図4、図5及び図8に見られるように、外形が正面視正方形である前鍔部113の前面から前記前鍔部113と相似な前通風孔111を前後に貫通して設け、前記前通風孔111内に水平断面が楔状の前遮蔽板112を左から右へと張り出して設けている。ここで、「前遮蔽板112を左から右へと張り出して設ける」とは、図4、図5及び図8に表わされる前ブロック単位11又はブロック1の姿勢に従った説明の便宜上の表現であり、例えば前ブロック単位11又はブロック1を垂直面内で90度回転させた場合、前遮蔽板112は下方又は上方に張り出し、また前ブロック単位11又はブロック1を垂直面内で180度回転させた場合、前遮蔽板112は右から左へと張り出すことになる。本例の前遮蔽板112は、前通風孔111を約75%塞ぐ正面視長方形状で、後ブロック単位12を組み付ける端面から前絞り部114に相当する距離だけ離れている。
【0019】
後ブロック単位12は、前ブロック単位11と同一構造で、前通風孔111と同一の形状の後通風孔121を後鍔部123の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔121内に水平断面が楔状の後遮蔽板122を右から左へと張り出して設けている。後遮蔽板122は、上述した前遮蔽板112と同一の形状、すなわち後通風孔121を約75%塞ぐ正面視長方形状で、前ブロック単位11を組み付ける端面から後絞り部124に相当する距離だけ離れている。これにより、前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付けたブロック1では、前遮蔽板112と後遮蔽板122とは前絞り部114に相当する距離と後絞り部124に相当する距離との合計だけ前後に離れて位置することになり、前後の通風性が確保される(特に図4及び図8参照)。また、前遮蔽板112は前通風孔111の約75%を、後遮蔽板122は後通風孔121の約75%をそれぞれ互い違いに塞いでいるから、前後の視線は遮られる。
【0020】
図9は本例のブロック1により構築した塀2の一例を表わした斜視図、図10は塀2の下段又は上段に並ぶブロック1により前後の通風性が確保されることを説明する水平断面図、図11は塀2の下段又は上段に並ぶブロック1により前後の視線が遮られることを説明する水平断面図、図12は塀2の下段又は上段に並ぶブロック1により間接的な採光が得られることを説明する水平断面図、図13は塀2の中段に並ぶブロック1により前後の通風性が確保されることを説明する垂直断面図、図14は塀2の中段に並ぶブロック1により前後の視線が遮られることを説明する垂直断面図であり、図15は塀2の中段に並ぶブロック1により間接的な採光が得られることを説明する垂直断面図である。
【0021】
本例のブロック1(図1参照)は、外形が正面視正方形であるから、前遮蔽板112(又は後遮蔽板122)を上下又は左右の任意な方向に積み重ねて、例えば図9に見られるように、外観デザインに優れた塀2を構築できる。本例の塀2は、ブロック1を4段ずつに分け、高さ80cmまでを下段、高さ80cm〜160cmまでを中段、そして高さ160cm〜240cmまでを上段として、各段でブロック1の積み重ね方を変えている。まず、下段は高さ80cmまで、上段は160cm以上と比較的覗きにくい高さであることから、前後の通風性を良好にすることに重点を置き、前遮蔽板112及び後遮蔽板122が左右に張り出す姿勢で各ブロック1を積み重ねている。また、下段は外観デザインを考慮して、1段ずつブロック1を互い違いの向きで積み重ねている。これに対し、中段は高さ80cm〜160cmと比較的覗きやすい高さであることから、前後の視線を遮ることに重点を置き、前遮蔽板112及び後遮蔽板122が上下に張り出す姿勢で各ブロック1を積み重ねている。そして、この中段は外観デザインを考慮して、2段ずつブロック1の向きを変えて積み重ねている。各ブロック1は、互いの括れ部13を突き合わせた空間に配筋21を通すことにより、強固な塀2を構築できる(図10〜図15参照)。
【0022】
塀2の下段及び上段では、図10に見られるように、前遮蔽板112に一部を塞がれた前通風孔111の残余を通じて風が流入し、前遮蔽板112と後遮蔽板122との間を通じて、後遮蔽板122に一部が塞がれた後通風孔121から前記風が流出し、前後の通風性が確保される。図10から明らかなように、ブロック1を通じて流れる風は、前遮蔽板112と後遮蔽板122とに沿って蛇行することから、例えば強風が塀2の前面に衝突した場合、風圧が緩和された風が塀2の後面から吹き出すことになる。このように、本発明のブロック1により構築された塀2は、単に前後の通風性を確保するだけでなく、強風の風圧を緩和する一種の防風構造物としての役割を果たす。
【0023】
また、塀2の下段及び上段では、図11に見られるように、塀2の真正面からの視線はもちろんのこと、塀2の右斜め方向からの視線や左斜め方向からの視線も、前遮蔽板112又は後遮蔽板122のいずれかに邪魔されて、前後の視線が遮られる。これから、塀2の下段及び上段では、光線(例えば日光)が遮られ、直接的に採光することができない。しかし、図12に見られるように、光線は前遮蔽板112や後遮蔽板122に反射して強度を弱められながらも塀2の後面に取入れられる。すなわち、本発明のブロック1により構築される塀2は、前後の視線を遮りながら、間接的な採光を確保できる。この間接的な採光は、塀2に淡い陰影をつけることになり、仕切壁2の形状的な外観デザインに変化をもたらすことができ、塀2の付加価値を高める働きを有する。
【0024】
塀2の中段でも、上記下段及び上段同様、図13に見られるように前後の通風性を確保し、図14に見られるように前後の視線を遮りながら、図15に見られるように間接的な採光が確保されている。特に、前遮蔽板112と後遮蔽板122とは、上下に互い違いに張り出しているため、より確実に前後の視線を遮ることができる。また、前遮蔽板112を下方から張り出し、逆に後遮蔽板122を上方から張り出す中段の上2段では、下段及び上段に比べて、通常斜め上から入射する光線が前遮蔽板112及び後遮蔽板122に反射する回数を抑え、間接的に採光できる光線を増やすことができる。逆に、前遮蔽板112を上方から張り出し、逆に後遮蔽板122を下方から張り出す中段の下2段では、前記中段の上2段に比べて、間接的に採光できる光線を減らしているため、中段における塀2の陰影に大きなコントラストをもたらしている。これは、仕切壁2の形状的な外観デザインに変化をもたし、塀2の付加価値を高める働きを有する。
【0025】
図16〜図21は別例1のブロック3についての図1〜図5及び図8相当図、図22〜図27は別例2のブロック4についての図1〜図5及び図8相当図であり、図28〜図33は別例3のブロック5についての図1〜図5及び図8相当図である。本発明のブロック3,4,5は、通風孔34,44,45の一部を塞ぐ前遮蔽板312,412,512と、前記前遮蔽板312,412,512が塞いだ通風孔34,44,45の残余を塞ぐ後遮蔽板322,422,522とを、それぞれ前後に離して通風孔34,44,45内に設けていれば足り、通風孔34の形状(別例2)や、前遮蔽板312,412,512又は後遮蔽板322,422,522の形状(別例1〜別例3)を自由に変更できる。
【0026】
別例1のブロック3は、図16〜図19に見られるように、上記例示(図1〜図8参照)同様の正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部313と後鍔部323とに挟まれた括れ部33を有する。これは、別例1のブロック3を、上記例示のブロック1や従来公知の同種ブロックと組み合せて仕切壁又は塀を構築できることを意味する。ブロック3は、図20に見られるように、前通風孔311内に前遮蔽板312を設けた前ブロック単位31と、後通風孔321内に後遮蔽板322を設けた後ブロック単位32とから構成され、前記前ブロック単位31に対して後ブロック単位32を水平反転させて前後に組み付け、前記前通風孔311と後通風孔321とを連通させて通風孔34とする。
【0027】
前ブロック単位31は、図19〜図21に見られるように、外形が正面視正方形の前鍔部313の前面から前記前鍔部313と相似な前通風孔311を前後に貫通して設け、前記前通風孔311内に水平断面が長方形状の前遮蔽板312を左から右へと張り出している。別例1の前遮蔽板312は、前通風孔311を約75%塞ぐ正面視長方形状で、後ブロック単位32を組み付ける端面から前絞り部314に相当する距離だけ離れている。後ブロック単位32は、前ブロック単位31と同一構造で、前通風孔311と同一の形状の後通風孔321を後鍔部323の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔321内に水平断面が長方形状の後遮蔽板322を右から左へと張り出している。後遮蔽板322は、上述した前遮蔽板312と同一の形状、すなわち後通風孔321を約75%塞ぐ正面視長方形状で、前ブロック単位31を組み付ける端面から後絞り部324に相当する距離だけ離れている。
【0028】
別例2のブロック4は、図22〜図25に見られるように、上記例示(図1〜図8参照)同様の正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部413と後鍔部423とに挟まれた括れ部43を有する。これから、別例2のブロック4は、上記例示のブロック1、別例1のブロック3や従来公知の同種ブロックと組み合せて仕切壁又は塀を構築できることが理解される。ブロック4は、図226に見られるように、前通風孔411内に前遮蔽板412を設けた前ブロック単位41と、後通風孔421内に後遮蔽板422を設けた後ブロック単位42とから構成され、前記前ブロック単位41に対して後ブロック単位42を水平反転させて前後に組み付け、前記前通風孔411と後通風孔421とを連通させて通風孔44とする。
【0029】
前ブロック単位41は、図25〜図27に見られるように、外形が正面視正方形の前鍔部413の前面から正面視円形の前通風孔411を前後に貫通して設け、前記前通風孔411内に水平断面が長方形状の前遮蔽板412を左から右へと張り出している。別例2の前遮蔽板412は、前通風孔411を約75%塞ぐ正面視かまぼこ状で、後ブロック単位42を組み付ける端面から前絞り部414に相当する距離だけ離れている。後ブロック単位42は、前ブロック単位41と同一構造で、前通風孔411と同一の形状の後通風孔421を後鍔部423の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔421内に水平断面が長方形状の後遮蔽板422を右から左へと張り出している。後遮蔽板422は、上述した前遮蔽板412と同一の形状、すなわち後通風孔421を約75%塞ぐ正面視かまぼこ状で、前ブロック単位41を組み付ける端面から後絞り部424に相当する距離だけ離れている。
【0030】
別例3のブロック5は、図28〜図31に見られるように、上記例示(図1〜図8参照)同様の正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部513と後鍔部523とに挟まれた括れ部53を有する。これから、別例3のブロック5が、上記例示のブロック1、別例1のブロック3,別例2のブロック4や従来公知の同種ブロックと組み合せて仕切壁又は塀を構築できることが理解される。ブロック5は、図32に見られるように、前通風孔511内に前遮蔽板512を設けた前ブロック単位51と、後通風孔521内に後遮蔽板522を設けた後ブロック単位52とから構成され、前記前ブロック単位51に対して後ブロック単位52を水平反転させた後垂直面内で反時計回りに90度回転させて前後に組み付け、前記前通風孔511と後通風孔521とを連通させて通風孔54とする。
【0031】
前ブロック単位51は、図31〜図33に見られるように、外形が正面視正方形の前鍔部513から前記前鍔部513に相似な前通風孔511を前後に貫通して設け、前記前通風孔511内に、左上、左下及び右下の各隅を頂点とする正面視三角形状の前遮蔽板512を張り出している。本例の前遮蔽板512は、前通風孔511を約50%塞ぐ正面視三角形状で、後ブロック単位52を組み付ける端面から前絞り部514に相当する距離だけ離れている。後ブロック単位52は、前ブロック単位51と同一構造で、前通風孔511と同一の形状の後通風孔521を後鍔部523の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔521内に、左上、右上及び右下の各隅を頂点とする正面視三角形状の後遮蔽板522を張り出している。後遮蔽板522は、上述した前遮蔽板512と同一の形状、すなわち後通風孔521を約50%塞ぐ正面視三角形状で、前ブロック単位51を組み付ける端面から後絞り部524に相当する距離だけ離れている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に基づくブロックの一例を表わした斜視図である。
【図2】本例のブロックの正面図である。
【図3】本例のブロックの側面図である。
【図4】本例のブロックの平面図である。
【図5】後ブロック単位を水平反転させた後前ブロック単位と前記後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図である。
【図6】後ブロック単位を水平反転させた後更に後ブロック単位を垂直面内で反時計回りに90度回転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図である。
【図7】後ブロック単位を水平反転させた後更に後ブロック単位を垂直面内で時計回りに180度回転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図である。
【図8】本例のブロックの水平断面を表した図1相当斜視図である。
【図9】本例のブロックにより構築した塀2の一例を表わした斜視図である。
【図10】塀の下段又は上段に並ぶブロックにより前後の視線が遮られることを説明する水平断面図である。
【図11】塀の下段又は上段に並ぶブロックにより前後の視線が遮られることを説明する水平断面図である。
【図12】塀の下段又は上段に並ぶブロックにより間接的な採光が得られることを説明する水平断面図である。
【図13】塀の中段に並ぶブロックにより前後の通風性が確保されることを説明する垂直断面図である。
【図14】塀の中段に並ぶブロックにより前後の視線が遮られることを説明する垂直断面図である。
【図15】塀の中段に並ぶブロックにより間接的な採光が得られることを説明する垂直断面図である。
【図16】本発明に基づくブロックの別例1を表わした斜視図である。
【図17】別例1のブロックの正面図である。
【図18】別例1のブロックの側面図である。
【図19】別例1のブロックの平面図である。
【図20】後ブロック単位を水平反転させた後前ブロック単位と前記後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図16相当斜視図である。
【図21】別例1のブロックの水平断面を表した図16相当斜視図である。
【図22】本発明に基づくブロックの別例2を表わした斜視図である。
【図23】別例2のブロックの正面図である。
【図24】別例2のブロックの側面図である。
【図25】別例2のブロックの平面図である。
【図26】後ブロック単位を水平反転させた後前ブロック単位と前記後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図22相当斜視図である。
【図27】別例2のブロックの水平断面を表した図22相当斜視図である。
【図28】本発明に基づくブロックの別例3を表わした斜視図である。
【図29】別例3のブロックの正面図である。
【図30】別例3のブロックの側面図である。
【図31】別例3のブロックの平面図である。
【図32】後ブロック単位を水平反転させた後更に後ブロック単位を垂直面内で反時計回りに90度回転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図28相当斜視図である。
【図33】別例3のブロックの水平断面を表した図28相当斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ブロック
11 前ブロック単位
111 前通風孔
112 前遮蔽板
12 後ブロック単位
121 後通風孔
122 後遮蔽板
14 通風孔
2 塀
3 ブロック
31 前ブロック単位
32 後ブロック単位
34 通風孔
4 ブロック
41 前ブロック単位
42 後ブロック単位
44 通風孔
5 ブロック
51 前ブロック単位
52 後ブロック単位
54 通風孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、前後の通風性を確保しながら、前後の視線を遮ることのできる仕切壁又は塀を構築するブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
敷地の外周や敷地相互の境界として構築される仕切壁又は塀は、一定の大きさ及び外形に規格化された多数のブロックを積み重ねて構築される。ブロックは、通常コンクリート製であるが、セラミック製(陶器製又はガラス製)、樹脂製又は木製の場合もある。こうしたブロックを積み重ねて構築される仕切壁又は塀は、前後の視線を遮ることができるが、併せて前後の通風性をも損ねてしまう。そこで、前記通風性を確保する目的から、仕切壁又は塀の一部に、前後に連通する通風孔を設けたブロックが用いられる。しかし、通風孔を設けたブロックは、前後の視線を遮ることができない。これから、従来、前後の通風性を確保しながら、前後の視線を遮ることのできる仕切壁又は塀を構築するブロックについて、種々の提案がなされている。
【0003】
特許文献1は、従来見られる通風孔を設けたブロックを基礎とし、前記通風孔を左右又は上下に区分けする模様仕切りを、ブロックの正面又は背面に対して鋭角にした、すなわち模様仕切りを斜めにしたブロック(例示はコンクリート製ブロック)を提案している。この特許文献1のブロックは、通風孔を区分けする模様仕切が斜めになっただけなので、前後の通風性は確保されている。また、前記模様仕切が斜めになっているので、少なくともブロックを真正面から見て、前後の視線を遮ることができる。同様のブロックは、特許文献2にも提案されている。特許文献2では、斜めになった模様仕切を全体として「がらり状」と表現しているに過ぎない。
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3018805号公報
【特許文献2】登録実用新案第3027076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1又は特許文献2が提案するブロックは、確かにブロックを真正面から見て前後の視線を遮るが、模様仕切と平行な角度から見れば、やはり仕切壁又は塀の外から内を覗き見ることができる。すなわち、特許文献1又は特許文献2が提案するブロックは、前後の通風性を確保するものの、ブロックの真正面から見た場合のみ、前後の視線を遮る仕切壁又は塀を構築できるに過ぎない。しかし、これでは前後の視線を遮ることを本質とする仕切壁又は塀の働きを達成できない。そこで、前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることのできるブロックについて検討した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
検討の結果、前後に連通する通風孔を設けたブロックにおいて、通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板と、前記前遮蔽板が塞いだ通風孔の残余を塞ぐ後遮蔽板とを、それぞれ前後に離して通風孔内に設けたブロックを開発した。本発明のブロックは、コンクリート製、セラミック製(陶器製又はガラス製)、樹脂製又は木製のいずれにも適用できる。通風孔は、ブロックの前後に連通すればよく、断面形状は円形又は角形のほか自由である。前遮蔽板は、通風孔内の正面寄りにあって、前記通風孔の一部を塞ぐ。「通風孔の一部を塞ぐ」とは、ブロックを真正面から見た通風孔の外形、すなわち通風孔の断面形状の一部を塞ぐことを意味する。後遮蔽板は、前記前遮蔽板からブロックの前後に離れた位置、すなわち通風孔内の背面寄りにあって、前遮蔽板が塞ぐ通風孔の残余を塞ぐ。
【0007】
ブロックを真正面から見た場合、通風孔の一部は前遮蔽板により、そして通風孔の残余は後遮蔽板によりそれぞれ塞がれており、前後の視線は遮られる。また、ブロックを斜めから見た場合、前後の視線は通風孔の範囲に制限される上、前記通風孔の範囲で角度のある視線は、通風孔内で互い違いに張り出す位置関係にある前遮蔽板又は後遮蔽板いずれかに遮られる。しかし、前遮蔽板と後遮蔽板とは、いずれも通風孔の一部又は残余を塞ぐのみで、通風孔はブロックの前後に通じており、前後の通風性は確保されている。こうして、本発明のブロックは、前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることができる。このほか、本発明のブロックを通じての直接的な採光はできないが、前遮蔽板及び後遮蔽板の反射により間接的かつ制限的な採光は可能である。
【0008】
通風孔の範囲で角度のある視線を前遮蔽板と後遮蔽板とにより確実に遮るため、前遮蔽板は通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する構成にするとよい。前遮蔽板と後遮蔽板とは、ブロックの前後における相対的な呼び方に過ぎないので、後遮蔽板が通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、前遮蔽板が前期後遮蔽板と重なり合う形状を有する構成は、前記構成と実質同一である。これにより、通風孔内で互い違いに張り出す位置関係にある前遮蔽板又は後遮蔽板は、通風孔の範囲で角度ある視線をより確実に遮ることができる。この場合、前後の別なくブロックを積み上げて仕切壁又は塀を構築できるように、前遮蔽板と後遮蔽板とは同一の形状とし、前後対称な外観デザインにするとよい。
【0009】
本発明のブロックは、一体成形又は一体物として構成するほか、前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成され、前記前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付け、前記前通風孔と後通風孔とを連通させて通風孔として、前ブロック単位は前通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板を前通風孔内に設け、後ブロック単位は少なくとも前記前遮蔽板が塞ぐ前通風孔の残余に相当する範囲で後通風孔を塞ぎ、かつ前ブロック単位と後ブロック単位とを組み付けた際に前遮蔽板に密接しない後遮蔽板を後通風孔内に設けて構成することができる。
【0010】
前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付けるブロックは、前遮蔽板は前通風孔の半分以上を塞ぐ形状を、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する構成が好ましい。前ブロック単位と後ブロック単位とは個別に製造されるので、それぞれの前通風孔と前遮蔽板、そして後通風孔と後遮蔽板とは、いずれも自由かつ容易に構成できる。また、前ブロック単位と後ブロック単位とはブロックを前後に半割し、前遮蔽板と後遮蔽板とを同一の形状とした同一構造にし、前記前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた後ブロック単位を水平反転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける構成が好ましい。
【0011】
ここで、「前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた後ブロック単位を水平反転させ」るとは、同一構造である前ブロック単位の正面と後ブロック単位の後面とを同じ前方に向け、かつ前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた状態から、後ブロック単位の水平を維持しながら裏返して前記後遮蔽版の向きを反転させることを意味する。この場合、前ブロック単位と後ブロック単位とが正面視点対称な外形、例えば正面視正方形であれば、水平反転させた後ブロック単位を更に前ブロック単位に対して垂直面内で時計回り又は反時計回りに90度又は180度回転させて前後に組み付けると、前遮蔽板又は後遮蔽板の形状によって前後の視線を遮ることができなくなることもあるが、ブロックの外観デザインに多様性を付加することもできる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、前後の通風性を確保しながら、視線の角度を問わず、前後の視線を遮ることのできるブロックにより、仕切壁又は塀を構築できるようになる。これは、通風孔内で互い違いに張り出す関係にある前遮蔽板と後遮蔽板とによる効果である。前記効果は、前遮蔽板(後遮蔽板)が通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板(前遮蔽板)が前記前遮蔽板(後遮蔽板)と重なり合う形状を有すると、より高められる。そして、前遮蔽板と後遮蔽板とは同一の形状とし、前後対称な外観デザインにすると、前後の別なく本発明のブロックを積み上げて仕切壁又は塀を構築できる効果も得られる。
【0013】
また、本発明のブロックは、前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成することにより、素材の種類を問わず、容易に製造できるようになる。これは、本発明のブロックについて製造コストを低減させる効果もある。更に、前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成される本発明のブロックは、前通風孔と前遮蔽板、そして後通風孔と後遮蔽板とをいずれも自由かつ容易に構成して、外観デザインの自由度も高めることができる。これにより、本発明のブロックは、外観デザインに優れた複数種類の製品を提供できるようになり、こうした複数種類のブロックを混在させて、外観デザインに優れた仕切壁又は塀の構築もできる効果ももたらされる。
【0014】
このほか、本発明のブロックは、直接的な採光はできないものの、通風孔内に設けた前遮蔽板及び後遮蔽板の反射により間接的な採光を可能にしている。前記間接的な採光は、前遮蔽板及び後遮蔽板の形状や前後の位置関係に応じ、ブロックにより構築される仕切壁又は塀に様々な陰影をもたらし、外観上の雰囲気を多様にする効果をもたらす。更に、前ブロック単位と後ブロック単位とが正面視点対称な外形、例えば正面視正方形であれば、前ブロック単位に対して前後に組み付ける後ブロック単位の姿勢によって、ブロックの外観デザインを多様にする効果をもたらす。これにより、本発明のブロックにより構築される仕切壁又は塀の外観デザインも多様にすることができる。このように、本発明はブロック、そして前記ブロックにより構築される仕切壁又は塀の外観デザインを多様化する効果をも有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。図1は本発明に基づくブロック1の一例を表わした斜視図、図2は本例のブロック1の正面図、図3は本例のブロック1の側面図、図4は本例のブロック1の平面図、図5は後ブロック単位12を水平反転させた後前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図、図6は後ブロック単位12を水平反転させた後更に後ブロック単位12を垂直面内で反時計回りに90度回転させて前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図、図7は後ブロック単位12を水平反転させた後更に後ブロック単位12を垂直面内で時計回りに180度回転させて前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図であり、図8は本例のブロック1の水平断面を表した図1相当斜視図である。
【0016】
本例のブロック1は、図1〜図4に見られるように、正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部113と後鍔部123とに挟まれた括れ部13を上面、下面及び左右両側面に周回させた従来公知の仕切壁又は塀構築用のブロックと同様の外観を有する。これは、本発明のブロック1が従来公知のブロックに置き換えて利用できることを意味し、本発明の汎用性を示す。括れ部13は、ブロック1により仕切壁又は塀2を構築する際、配筋21を挿通する空間を形成するもの(後掲図10〜図15参照)で、設けなくてもよい。ブロック1は、図5に見られるように、前通風孔111内に前遮蔽板112を設けた前ブロック単位11と、後通風孔121内に後遮蔽板122を設けた後ブロック単位12とから構成され、前記前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付け、前記前通風孔111と後通風孔121とを連通させて通風孔14としている。
【0017】
前ブロック単位11と後ブロック単位12とは、前遮蔽板112と後遮蔽板122とを同一の形状とした同一構造であり、前記前ブロック単位11に対して後ブロック単位12を水平反転させて前後に組み付けている。ここで、本例のブロック1は正面視点対称な正方形外形であるから、前ブロック単位11と後ブロック単位12とも、同様に正面視点対称な正方形外形である。このため、例えば図6に見られるように、前ブロック単位11に対して後ブロック単位12を水平反転させた後垂直面内で反時計回りに90度回転させて前後に組み付けてもよいし、また図7に見られるように、前ブロック単位11に対して後ブロック単位12を水平反転させた後垂直面内で時計回りに180度回転させて前後に組み付けてもよい。このように、前ブロック単位11に対する後ブロック単位12の姿勢を変えることにより、外観デザインの異なるブロック1を容易に構成できる。
【0018】
前ブロック単位11は、図4、図5及び図8に見られるように、外形が正面視正方形である前鍔部113の前面から前記前鍔部113と相似な前通風孔111を前後に貫通して設け、前記前通風孔111内に水平断面が楔状の前遮蔽板112を左から右へと張り出して設けている。ここで、「前遮蔽板112を左から右へと張り出して設ける」とは、図4、図5及び図8に表わされる前ブロック単位11又はブロック1の姿勢に従った説明の便宜上の表現であり、例えば前ブロック単位11又はブロック1を垂直面内で90度回転させた場合、前遮蔽板112は下方又は上方に張り出し、また前ブロック単位11又はブロック1を垂直面内で180度回転させた場合、前遮蔽板112は右から左へと張り出すことになる。本例の前遮蔽板112は、前通風孔111を約75%塞ぐ正面視長方形状で、後ブロック単位12を組み付ける端面から前絞り部114に相当する距離だけ離れている。
【0019】
後ブロック単位12は、前ブロック単位11と同一構造で、前通風孔111と同一の形状の後通風孔121を後鍔部123の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔121内に水平断面が楔状の後遮蔽板122を右から左へと張り出して設けている。後遮蔽板122は、上述した前遮蔽板112と同一の形状、すなわち後通風孔121を約75%塞ぐ正面視長方形状で、前ブロック単位11を組み付ける端面から後絞り部124に相当する距離だけ離れている。これにより、前ブロック単位11と後ブロック単位12とを前後に組み付けたブロック1では、前遮蔽板112と後遮蔽板122とは前絞り部114に相当する距離と後絞り部124に相当する距離との合計だけ前後に離れて位置することになり、前後の通風性が確保される(特に図4及び図8参照)。また、前遮蔽板112は前通風孔111の約75%を、後遮蔽板122は後通風孔121の約75%をそれぞれ互い違いに塞いでいるから、前後の視線は遮られる。
【0020】
図9は本例のブロック1により構築した塀2の一例を表わした斜視図、図10は塀2の下段又は上段に並ぶブロック1により前後の通風性が確保されることを説明する水平断面図、図11は塀2の下段又は上段に並ぶブロック1により前後の視線が遮られることを説明する水平断面図、図12は塀2の下段又は上段に並ぶブロック1により間接的な採光が得られることを説明する水平断面図、図13は塀2の中段に並ぶブロック1により前後の通風性が確保されることを説明する垂直断面図、図14は塀2の中段に並ぶブロック1により前後の視線が遮られることを説明する垂直断面図であり、図15は塀2の中段に並ぶブロック1により間接的な採光が得られることを説明する垂直断面図である。
【0021】
本例のブロック1(図1参照)は、外形が正面視正方形であるから、前遮蔽板112(又は後遮蔽板122)を上下又は左右の任意な方向に積み重ねて、例えば図9に見られるように、外観デザインに優れた塀2を構築できる。本例の塀2は、ブロック1を4段ずつに分け、高さ80cmまでを下段、高さ80cm〜160cmまでを中段、そして高さ160cm〜240cmまでを上段として、各段でブロック1の積み重ね方を変えている。まず、下段は高さ80cmまで、上段は160cm以上と比較的覗きにくい高さであることから、前後の通風性を良好にすることに重点を置き、前遮蔽板112及び後遮蔽板122が左右に張り出す姿勢で各ブロック1を積み重ねている。また、下段は外観デザインを考慮して、1段ずつブロック1を互い違いの向きで積み重ねている。これに対し、中段は高さ80cm〜160cmと比較的覗きやすい高さであることから、前後の視線を遮ることに重点を置き、前遮蔽板112及び後遮蔽板122が上下に張り出す姿勢で各ブロック1を積み重ねている。そして、この中段は外観デザインを考慮して、2段ずつブロック1の向きを変えて積み重ねている。各ブロック1は、互いの括れ部13を突き合わせた空間に配筋21を通すことにより、強固な塀2を構築できる(図10〜図15参照)。
【0022】
塀2の下段及び上段では、図10に見られるように、前遮蔽板112に一部を塞がれた前通風孔111の残余を通じて風が流入し、前遮蔽板112と後遮蔽板122との間を通じて、後遮蔽板122に一部が塞がれた後通風孔121から前記風が流出し、前後の通風性が確保される。図10から明らかなように、ブロック1を通じて流れる風は、前遮蔽板112と後遮蔽板122とに沿って蛇行することから、例えば強風が塀2の前面に衝突した場合、風圧が緩和された風が塀2の後面から吹き出すことになる。このように、本発明のブロック1により構築された塀2は、単に前後の通風性を確保するだけでなく、強風の風圧を緩和する一種の防風構造物としての役割を果たす。
【0023】
また、塀2の下段及び上段では、図11に見られるように、塀2の真正面からの視線はもちろんのこと、塀2の右斜め方向からの視線や左斜め方向からの視線も、前遮蔽板112又は後遮蔽板122のいずれかに邪魔されて、前後の視線が遮られる。これから、塀2の下段及び上段では、光線(例えば日光)が遮られ、直接的に採光することができない。しかし、図12に見られるように、光線は前遮蔽板112や後遮蔽板122に反射して強度を弱められながらも塀2の後面に取入れられる。すなわち、本発明のブロック1により構築される塀2は、前後の視線を遮りながら、間接的な採光を確保できる。この間接的な採光は、塀2に淡い陰影をつけることになり、仕切壁2の形状的な外観デザインに変化をもたらすことができ、塀2の付加価値を高める働きを有する。
【0024】
塀2の中段でも、上記下段及び上段同様、図13に見られるように前後の通風性を確保し、図14に見られるように前後の視線を遮りながら、図15に見られるように間接的な採光が確保されている。特に、前遮蔽板112と後遮蔽板122とは、上下に互い違いに張り出しているため、より確実に前後の視線を遮ることができる。また、前遮蔽板112を下方から張り出し、逆に後遮蔽板122を上方から張り出す中段の上2段では、下段及び上段に比べて、通常斜め上から入射する光線が前遮蔽板112及び後遮蔽板122に反射する回数を抑え、間接的に採光できる光線を増やすことができる。逆に、前遮蔽板112を上方から張り出し、逆に後遮蔽板122を下方から張り出す中段の下2段では、前記中段の上2段に比べて、間接的に採光できる光線を減らしているため、中段における塀2の陰影に大きなコントラストをもたらしている。これは、仕切壁2の形状的な外観デザインに変化をもたし、塀2の付加価値を高める働きを有する。
【0025】
図16〜図21は別例1のブロック3についての図1〜図5及び図8相当図、図22〜図27は別例2のブロック4についての図1〜図5及び図8相当図であり、図28〜図33は別例3のブロック5についての図1〜図5及び図8相当図である。本発明のブロック3,4,5は、通風孔34,44,45の一部を塞ぐ前遮蔽板312,412,512と、前記前遮蔽板312,412,512が塞いだ通風孔34,44,45の残余を塞ぐ後遮蔽板322,422,522とを、それぞれ前後に離して通風孔34,44,45内に設けていれば足り、通風孔34の形状(別例2)や、前遮蔽板312,412,512又は後遮蔽板322,422,522の形状(別例1〜別例3)を自由に変更できる。
【0026】
別例1のブロック3は、図16〜図19に見られるように、上記例示(図1〜図8参照)同様の正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部313と後鍔部323とに挟まれた括れ部33を有する。これは、別例1のブロック3を、上記例示のブロック1や従来公知の同種ブロックと組み合せて仕切壁又は塀を構築できることを意味する。ブロック3は、図20に見られるように、前通風孔311内に前遮蔽板312を設けた前ブロック単位31と、後通風孔321内に後遮蔽板322を設けた後ブロック単位32とから構成され、前記前ブロック単位31に対して後ブロック単位32を水平反転させて前後に組み付け、前記前通風孔311と後通風孔321とを連通させて通風孔34とする。
【0027】
前ブロック単位31は、図19〜図21に見られるように、外形が正面視正方形の前鍔部313の前面から前記前鍔部313と相似な前通風孔311を前後に貫通して設け、前記前通風孔311内に水平断面が長方形状の前遮蔽板312を左から右へと張り出している。別例1の前遮蔽板312は、前通風孔311を約75%塞ぐ正面視長方形状で、後ブロック単位32を組み付ける端面から前絞り部314に相当する距離だけ離れている。後ブロック単位32は、前ブロック単位31と同一構造で、前通風孔311と同一の形状の後通風孔321を後鍔部323の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔321内に水平断面が長方形状の後遮蔽板322を右から左へと張り出している。後遮蔽板322は、上述した前遮蔽板312と同一の形状、すなわち後通風孔321を約75%塞ぐ正面視長方形状で、前ブロック単位31を組み付ける端面から後絞り部324に相当する距離だけ離れている。
【0028】
別例2のブロック4は、図22〜図25に見られるように、上記例示(図1〜図8参照)同様の正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部413と後鍔部423とに挟まれた括れ部43を有する。これから、別例2のブロック4は、上記例示のブロック1、別例1のブロック3や従来公知の同種ブロックと組み合せて仕切壁又は塀を構築できることが理解される。ブロック4は、図226に見られるように、前通風孔411内に前遮蔽板412を設けた前ブロック単位41と、後通風孔421内に後遮蔽板422を設けた後ブロック単位42とから構成され、前記前ブロック単位41に対して後ブロック単位42を水平反転させて前後に組み付け、前記前通風孔411と後通風孔421とを連通させて通風孔44とする。
【0029】
前ブロック単位41は、図25〜図27に見られるように、外形が正面視正方形の前鍔部413の前面から正面視円形の前通風孔411を前後に貫通して設け、前記前通風孔411内に水平断面が長方形状の前遮蔽板412を左から右へと張り出している。別例2の前遮蔽板412は、前通風孔411を約75%塞ぐ正面視かまぼこ状で、後ブロック単位42を組み付ける端面から前絞り部414に相当する距離だけ離れている。後ブロック単位42は、前ブロック単位41と同一構造で、前通風孔411と同一の形状の後通風孔421を後鍔部423の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔421内に水平断面が長方形状の後遮蔽板422を右から左へと張り出している。後遮蔽板422は、上述した前遮蔽板412と同一の形状、すなわち後通風孔421を約75%塞ぐ正面視かまぼこ状で、前ブロック単位41を組み付ける端面から後絞り部424に相当する距離だけ離れている。
【0030】
別例3のブロック5は、図28〜図31に見られるように、上記例示(図1〜図8参照)同様の正面視点対称な正方形外形のコンクリート製で、前鍔部513と後鍔部523とに挟まれた括れ部53を有する。これから、別例3のブロック5が、上記例示のブロック1、別例1のブロック3,別例2のブロック4や従来公知の同種ブロックと組み合せて仕切壁又は塀を構築できることが理解される。ブロック5は、図32に見られるように、前通風孔511内に前遮蔽板512を設けた前ブロック単位51と、後通風孔521内に後遮蔽板522を設けた後ブロック単位52とから構成され、前記前ブロック単位51に対して後ブロック単位52を水平反転させた後垂直面内で反時計回りに90度回転させて前後に組み付け、前記前通風孔511と後通風孔521とを連通させて通風孔54とする。
【0031】
前ブロック単位51は、図31〜図33に見られるように、外形が正面視正方形の前鍔部513から前記前鍔部513に相似な前通風孔511を前後に貫通して設け、前記前通風孔511内に、左上、左下及び右下の各隅を頂点とする正面視三角形状の前遮蔽板512を張り出している。本例の前遮蔽板512は、前通風孔511を約50%塞ぐ正面視三角形状で、後ブロック単位52を組み付ける端面から前絞り部514に相当する距離だけ離れている。後ブロック単位52は、前ブロック単位51と同一構造で、前通風孔511と同一の形状の後通風孔521を後鍔部523の後面から前後に貫通して設け、前記後通風孔521内に、左上、右上及び右下の各隅を頂点とする正面視三角形状の後遮蔽板522を張り出している。後遮蔽板522は、上述した前遮蔽板512と同一の形状、すなわち後通風孔521を約50%塞ぐ正面視三角形状で、前ブロック単位51を組み付ける端面から後絞り部524に相当する距離だけ離れている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に基づくブロックの一例を表わした斜視図である。
【図2】本例のブロックの正面図である。
【図3】本例のブロックの側面図である。
【図4】本例のブロックの平面図である。
【図5】後ブロック単位を水平反転させた後前ブロック単位と前記後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図である。
【図6】後ブロック単位を水平反転させた後更に後ブロック単位を垂直面内で反時計回りに90度回転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図である。
【図7】後ブロック単位を水平反転させた後更に後ブロック単位を垂直面内で時計回りに180度回転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図1相当斜視図である。
【図8】本例のブロックの水平断面を表した図1相当斜視図である。
【図9】本例のブロックにより構築した塀2の一例を表わした斜視図である。
【図10】塀の下段又は上段に並ぶブロックにより前後の視線が遮られることを説明する水平断面図である。
【図11】塀の下段又は上段に並ぶブロックにより前後の視線が遮られることを説明する水平断面図である。
【図12】塀の下段又は上段に並ぶブロックにより間接的な採光が得られることを説明する水平断面図である。
【図13】塀の中段に並ぶブロックにより前後の通風性が確保されることを説明する垂直断面図である。
【図14】塀の中段に並ぶブロックにより前後の視線が遮られることを説明する垂直断面図である。
【図15】塀の中段に並ぶブロックにより間接的な採光が得られることを説明する垂直断面図である。
【図16】本発明に基づくブロックの別例1を表わした斜視図である。
【図17】別例1のブロックの正面図である。
【図18】別例1のブロックの側面図である。
【図19】別例1のブロックの平面図である。
【図20】後ブロック単位を水平反転させた後前ブロック単位と前記後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図16相当斜視図である。
【図21】別例1のブロックの水平断面を表した図16相当斜視図である。
【図22】本発明に基づくブロックの別例2を表わした斜視図である。
【図23】別例2のブロックの正面図である。
【図24】別例2のブロックの側面図である。
【図25】別例2のブロックの平面図である。
【図26】後ブロック単位を水平反転させた後前ブロック単位と前記後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図22相当斜視図である。
【図27】別例2のブロックの水平断面を表した図22相当斜視図である。
【図28】本発明に基づくブロックの別例3を表わした斜視図である。
【図29】別例3のブロックの正面図である。
【図30】別例3のブロックの側面図である。
【図31】別例3のブロックの平面図である。
【図32】後ブロック単位を水平反転させた後更に後ブロック単位を垂直面内で反時計回りに90度回転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付ける組付関係を表す図28相当斜視図である。
【図33】別例3のブロックの水平断面を表した図28相当斜視図である。
【符号の説明】
【0033】
1 ブロック
11 前ブロック単位
111 前通風孔
112 前遮蔽板
12 後ブロック単位
121 後通風孔
122 後遮蔽板
14 通風孔
2 塀
3 ブロック
31 前ブロック単位
32 後ブロック単位
34 通風孔
4 ブロック
41 前ブロック単位
42 後ブロック単位
44 通風孔
5 ブロック
51 前ブロック単位
52 後ブロック単位
54 通風孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後に連通する通風孔を設けたブロックにおいて、通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板と、前記前遮蔽板が塞いだ通風孔の残余を塞ぐ後遮蔽板とを、それぞれ前後に離して通風孔内に設けたことを特徴とするブロック。
【請求項2】
前遮蔽板は通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する請求項1記載のブロック。
【請求項3】
前遮蔽板と後遮蔽板とは同一の形状である請求項1又は2いずれか記載のブロック。
【請求項4】
ブロックは前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成され、前記前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付け、前記前通風孔と後通風孔とを連通させて通風孔としてなり、前ブロック単位は前通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板を前通風孔内に設け、後ブロック単位は少なくとも前記前遮蔽板が塞ぐ前通風孔の残余に相当する範囲で後通風孔を塞ぎ、かつ前ブロック単位と後ブロック単位とを組み付けた際に前遮蔽板に密接しない後遮蔽板を後通風孔内に設けた請求項1記載のブロック。
【請求項5】
前遮蔽板は前通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する請求項4記載のブロック。
【請求項6】
前ブロック単位と後ブロック単位とはブロックを前後に半割し、前遮蔽板と後遮蔽板とを同一の形状とした同一構造にして、前記前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた後ブロック単位を水平反転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付けた請求項4又は5いずれか記載のブロック。
【請求項1】
前後に連通する通風孔を設けたブロックにおいて、通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板と、前記前遮蔽板が塞いだ通風孔の残余を塞ぐ後遮蔽板とを、それぞれ前後に離して通風孔内に設けたことを特徴とするブロック。
【請求項2】
前遮蔽板は通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する請求項1記載のブロック。
【請求項3】
前遮蔽板と後遮蔽板とは同一の形状である請求項1又は2いずれか記載のブロック。
【請求項4】
ブロックは前通風孔を有する前ブロック単位と後通風孔を有する後ブロック単位とから構成され、前記前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付け、前記前通風孔と後通風孔とを連通させて通風孔としてなり、前ブロック単位は前通風孔の一部を塞ぐ前遮蔽板を前通風孔内に設け、後ブロック単位は少なくとも前記前遮蔽板が塞ぐ前通風孔の残余に相当する範囲で後通風孔を塞ぎ、かつ前ブロック単位と後ブロック単位とを組み付けた際に前遮蔽板に密接しない後遮蔽板を後通風孔内に設けた請求項1記載のブロック。
【請求項5】
前遮蔽板は前通風孔の半分以上を塞ぐ形状を有し、後遮蔽板は前記前遮蔽板と重なり合う形状を有する請求項4記載のブロック。
【請求項6】
前ブロック単位と後ブロック単位とはブロックを前後に半割し、前遮蔽板と後遮蔽板とを同一の形状とした同一構造にして、前記前遮蔽版と後遮蔽版とを同じ向きに揃えた後ブロック単位を水平反転させて前ブロック単位と後ブロック単位とを前後に組み付けた請求項4又は5いずれか記載のブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【公開番号】特開2008−150783(P2008−150783A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−336717(P2006−336717)
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(506414901)
【出願人】(506415034)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【出願人】(506414901)
【出願人】(506415034)
【Fターム(参考)】
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